JP4676840B2 - 断熱気密構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、構造物の屋根版または床版として使用する断熱気密構造体に関する。
屋根の垂木または床の根太等の建物の構成材として木質I型ビーム(木質複合軸材料)が使用される場合がある。
このように、木質I型ビームを使用する場合には、例えば、図8に示すように、所定の間隔で平行に配置された木質I型ビーム102の間に形成された各空間に、板状の断熱材104を配置して、この断熱材104と木質I型ビーム102との隙間に発泡性樹脂105を充填することにより、断熱気密構造101を構築していた(例えば、特許文献1参照)。なお、特許文献1の断熱気密構造101は、断熱材104として、断面長方形状の下版104aと断面台形状の上版104bとの2層構造とし、上版104bの切欠き部を利用して木質I型ビーム102と上版104bとの間の溝を形成して、発泡性樹脂105の充填性能の向上を図っている。
このような屋根版または床版(断熱気密構造101)を構築する際には、木質I型ビーム102の部材長(断熱気密構造101のスパン長)が長くなることにより生じる座屈の防止を目的として、ころび止め材103を、隣り合う木質I型ビーム102の間に、木質I型ビーム102の長手方向に対して所定の間隔により配置するのが一般的である(例えば、特許文献2参照)。
特開平09−100584号公報([0016]−[0020]、図1) 特開2003−160981号公報([0034]、図3)
ところが、従来の断熱気密構造101は、ころび止め材103を配置することにより断熱材104が分断されるため、特に屋根版として断熱気密構造101を使用する際に、このころび止め材103の配置箇所において熱が伝わってしまう、いわゆるヒートブリッジ(熱橋)が生じるという問題点を有していた。また、垂木としてI型ビームを使用する場合は、I型ビームの形状に応じてころび止め材103を形成する必要があり、加工に手間がかかり、製造費が嵩むことがある。
さらに、気密構造の構造物を構築する際には、室内側(図8における下側)に気密層を設ける必要がある。そのため、室内側に、ベーパーバリア等の気密材料を施工する場合があり、その施工に手間が係ることや費用が嵩むことなどの問題点も有していた。
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、断熱性および気密性に優れた屋根版または床版等である、断熱気密構造体を提案することを課題とする。
このような課題を解決するために、請求項1に記載の断熱気密構造体は、ウェブと上下のフランジとから構成されて、所定の間隔を有して平行に配設された複数本の梁部材と、隣り合う前記梁部材に横設されて、前記梁部材の前記下側のフランジの上面にその端部が固定される木質系板材と、隣り合う前記梁部材に横設されて、前記木質系板材の上面に配置される断熱材と、前記梁部材の下端面に固定される化粧板材と、を含む断熱気密構造体であって、前記梁部材と前記木質系板材とにより連続した気密層が形成されており、前記木質系板材と前記化粧板材との間に空間が形成されていることを特徴としている。
かかる断熱気密構造体は、隣り合う梁部材を、木質系板材により連結するため、ころび止め材を配置することなく、梁部材を固定することが可能となる。換言すれば、梁部材の下側のフランジに横設された木質系板材がころび止め材として、梁部材の座屈を防止する。そのため、隣り合う梁部材の間であって、木質系板材の上面に配設される断熱材は、ころび止め材により分断されることがないため、ヒートブリッジが生じることがない。
また、かかる断熱気密構造体は、板状の木質系板材が隣り合う梁部材の間に横設されているため、木質系板材と梁部材との組み合わせにより断面コの字型の構造体が形成されるため、屋根版または床版としての強度が向上し、長スパン化が可能となる。故に、梁受け梁や柱の設置数を削減することが可能となるため、施工が容易になるとともに、材料費の削減が可能となる。
また、梁部材の下側のフランジと、木質系板材との端部とが重合された状態で固定されているため、連続した気密層が形成されており、気密性に優れた断熱気密構造体が構築される。そのため、ベーパーバリア等の施工を省略することが可能となる。
また、断熱材が配設されているため、熱伝導を抑制して、居住空間を快適な状態に維持することを可能としている。
さらに、前記断熱気密構造体の前記複数の梁部材の下端面が化粧板材に当接され、構造板材と化粧板材との間に空間が形成されるため、各種配線や室内空気の排気または換気にこの空間を利用することができ、好適である。
また、前記断熱材が、固定手段を介することなく、前記上側のフランジの下面に係止されていれば、設置が容易であるため、好適である。また、接着剤などを使用しないため、解体時に分別が容易になり、また、室内空気質への影響がなく、快適な居住空間を提供することを可能とする。
また、前記断熱気密構造体の前記梁部材の上端面が板材に当接されて、前記断熱材と前記板材との間に前記梁部材の長手方向に沿って挿通する通気層が形成されていれば、断熱気密構造体の内部において、外気を流通させることにより、熱の対流伝達抑制作用および湿気の排出作用を得ることが可能となる。そのため、例えば、屋根版として当該断熱気密構造体を使用した場合おいて、屋根版内において空気が循環されるため、屋根に日光が照射することにより温度が上昇した空気がとどまることがなく、屋根版内の温度の上昇を抑えることが可能となる。また、屋根版内の内部結露の発生を抑えることが可能となる。
また、板材と木質系板材とを併設することにより、断熱気密構造体の曲げ剛性を高めることが可能となる。
また、前記断熱気密構造体に、前記断熱材の前記木質系板材との設置面と反対側の面に、遮熱シートが設置されていれば、当該断熱気密構造体を屋根版として使用した際に、屋根外部からの輻射熱を遮蔽して、屋根版内での蓄熱を軽減することが可能となり、故に、夏季の居住空間の温度上昇を防止することが可能となり、好適である。
また、請求項5に記載の断熱気密構造体は、ウェブと上下のフランジとから構成されて、所定の間隔を有して平行に配設された複数本の梁部材と、隣り合う前記梁部材に横設されて、前記梁部材の前記下側のフランジの上面にその端部が固定されることで連続した気密層を形成する木質系板材と、隣り合う前記梁部材に横設されて、前記木質系板材の上面に配置される断熱材と、前記梁部材の下端面に固定される化粧板材と、を含む複数の屋根パネルを連続して設置してなる断熱気密構造体であって、前記屋根パネルの一方の端部には梁部材が配置されていて、他方の端部には前記梁部材のウェブの高さに応じて形成された継材または前記梁部材と噛み合わせることが可能に形成された端部材が配置されていることを特徴としている。
本発明の断熱気密構造体により、断熱性および気密性に優れた屋根版または床版等を構築することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
ここで、図1は、第1の実施の形態にかかる断熱気密構造体である屋根版を示す部分斜視図であって、図2は、同屋根版の分解斜視図である。図3(a)〜(d)は、第1の実施の形態にかかる屋根版の構築手順を示す断面図であって、図4(a)〜(c)は、同屋根版の構築方法の変形例を示す断面図である。さらに、図5は、第1の実施の形態にかかる屋根版の設置例を示す部分斜視図である。
また、図6は、第2の実施の形態にかかる屋根パネルを示す平面図であって、図7(a)〜(c)は、第2の実施の形態にかかる屋根パネルの接合方法を示す部分断面図である。
第1の実施の形態にかかる屋根版(断熱気密構造体)1は、図1に示すように、所定の間隔を有して平行に配設された複数本の垂木(梁部材)2,2,…と、隣り合う垂木2,2に横設される木質系板材3と、木質系板材3の上面に配置された状態で隣り合う垂木2,2に横設される断熱材4と、から構成されている。
また、屋根版1は、垂木2の上端面が下張り材(板材)5に当接されて、断熱材4と下張り材5との間に通気層6が形成されている。
また、第1の実施の形態では、断熱材4の木質系板材3との設置面と反対側の面に、遮熱シート7が設置されている。
さらに、第1の実施の形態では、屋根版1の下端に、化粧板材(または下地板材)8を設置するものとする。
図1または図2に示すように、第1の実施の形態にかかる垂木2は、上フランジ2aと下フランジ2bとウェブ2cとにより断面I字型に形成されたいわゆるI型ビームである。なお、第1の実施の形態では、垂木2として、木質複合軸材料を使用するものとするが、垂木2の材質は限定されるものではなく、構造用製材や集成材を使用してもよい。
木質系板材3としては、構造用合板や木質ボードからなる平板を使用するものとし、その端部が、垂木2の下フランジ2bの上面に固定されている。つまり、木質系板材3は、下フランジ2bに上載されて、その下フランジ2bと木質系板材3の端部の重なった部分において、接合具nにより固定されている(図2参照)。ここで、本明細書において接合具nは、部材の固定が可能であれば限定されるものではなく、釘、木ネジ、ステープル、等、公知のものから適宜選定して使用すればよい。なお、前記接合具n以外にも、例えば、接着剤等を介して固定してもよい。また、木質系板材3の材質は、必要な強度性能を有するものであれば、構造用合板や木質ボードに限定されないことはいうまでもない。
断熱材4は、図1または図2に示すように、幅が隣り合う垂木2,2のウェブ2c,2c同士の間隔と同程度で、高さがウェブ2cの高さから木質系板材3の厚みを引いた高さと同等の直方体形状に形成されている。そして、断熱材4は、設置された状態で、上フランジ2aの下面にその端部が係止されている。
また、断熱材4の上面(木質系板材3との設置面と反対側の面)には、遮熱シート7が設置されている。なお、遮熱シート7は、接着剤などにより、断熱材4に隙間なく貼付するものとする。
ここで、断熱材4を構成する材料は限定されるものではなく、適宜公知の断熱部材から選定して使用すればよい。また、遮熱シート7を構成する材料も限定されるものではなく、適宜公知の遮熱シート材から選定して使用すればよい。また、遮熱シート7は、必要に応じて設置されるものであり、例えば、本発明の断熱気密構造体を床版として使用する場合には、遮熱の性能が要求されないため設置しなくても良いことはいうまでもない。
下張り材5は、屋根材の下地材としての板状部材であって、構造用合板や木質ボードからなる平板を使用するものとする。そして、下張り材5は、接合具nを介して、垂木2の上端(上フランジ2aの上面)に固定されている。そして、断熱材4(遮熱シート7)と下張り材5との間には、高さが上フランジ2aの高さ、幅が隣り合う上フランジ2aの間隔の通気層6が形成されている。
さらに、下張り材5は、構造体として使用すれば、垂木2および木質系板材3との組み合わせることで、屋根版1の強度をより一層高めることが可能となる。
なお、下張り材5は、屋根版1の使用目的に応じて、必要な強度を有する板材を使用するものとし、構造用合板や木質ボード等に限定されるものではない。
化粧板材8は、例えば、石こうボードからなる板状材であって、垂木2の下フランジ2bに接合具nにより固定されている。なお、化粧板材8は、必要に応じて設置すればよく、必ずしも設置しなくても良い。また、化粧板材8を構成する材料や厚み、形状等が限定されるものではないことはいうまでもない。
次に図3(a)〜(d)を参照して、第1の実施の形態に係る屋根版1の構築方法について説明する。
まず、図3(a)に示すように、垂木2と木質系板材3とを一体化する。垂木2と木質系板材3との一体化は、隣り合う2本の垂木2,2の間に木質系板材3を挿入し、垂木2の下フランジ2bの上面に、木質系板材3の左右の端部を上載した状態で、接合具nを打ち込むことにより行う。この時、木質系板材3の両側面は、垂木2,2のウェブ2c,2cに当接した状態で固定される。
次に、図3(b)に示すように、断熱材4の設置を行う。
断熱材4の設置は、断熱材4の上面に遮熱シート7を設置した後、隣り合う垂木2,2の上方の開口部から挿入することにより配置する。第1の実施の形態では、断熱材4として、グラスウール等の無機繊維系で可撓性の材料からなるものを使用するものとし、断熱材4の幅よりも狭い幅の上フランジ2a,2a間を、断熱材4を弓状に曲げた状態で通過させた後、木質系板材3の上面に配置しつつ弓状に折り曲げた断熱材4を元の状態に戻す。この時、断熱材4の両側面は、垂木2,2のウェブ2c,2cに当接し、断熱材4(遮熱シート7)の上面の両端縁が垂木2,2の上フランジ2a,2aの下面に係止された状態で配置される。そのため、断熱材4を別途固定手段を介することなく、設置することが可能なため、その設置作業が容易となる。
なお、断熱材4の設置方法は、前記の方法に限定されるものではなく、例えば、断熱材として、発泡プラスチック系断熱材など不撓性の材料からなるものを使用する場合には、図4(a)に示すように、予め断熱材4を端部断熱材4a,4aおよび中央部断熱材4bとに3分割し、両端の端部断熱材4a,4aを所定の位置に設置した後、中央部断熱材4bを設置することにより、上フランジ2aに係止した状態で断熱材4を配置してもよい。この時、断熱材の切断面は、切断面においてヒートブリッジが形成されることがないように、鉤型(階段状)に形成するものとする。ここで、断熱材4の分割数や、分割時の切断面の形状等は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
また、同じく不撓性の断熱材4を使用する場合のその他の設置方法として、図4(b)に示すように、隣り合う垂木2,2のいずれか一方に、木質系板材3と断熱材4と遮熱シート7とを予め設置した後、図4(c)に示すように、他方の垂木2を設置して、木質系板材3、断熱材4および遮熱シート7を、両端の垂木2,2により挟持する方法により行ってもよい。
ここで、断熱材4の材質は無機繊維系材料や発泡プラスチック系材料に限定されるものではないことはいうまでもなく、断熱材4の設置方法は、断熱材4の材質に応じて、適宜設定すればよい。
次に、図3(c)に示すように、下張り材5の設置を行う。
下張り材5の設置は、平行に配置された複数の垂木2,2,…の上方に下張り材5を上載して、接合具nを、各垂木2,2,…の上フランジ2a,2a,…に、下張り材5を貫通させた状態で打ち込むことにより固定する。なお、下張り材5の固定方法は接合具nによる方法に限定さえるものではなく、例えば接着剤を介して行うなど、適宜公知の方法から選定して行えばよい。
続いて、図3(c)に示すように、化粧板材8の設置を行う。
化粧板材8の設置は、下方から、下フランジ2b,2b,…に化粧板材8を当接させた状態で、接合具nを、化粧板材8を貫通するように、下フランジ2b,2b,…に打ち込むことにより行う。なお、化粧板材8の固定方法は接合具nによる方法に限定さえるものではなく、例えば接着剤を介して行うなど、適宜公知の方法から選定して行えばよい。
以上により、図3(d)に示す屋根版1が構築される。屋根版1の上部および下部には、それぞれ断熱材4(遮熱シート7)と下張り材5との間に通気層6および木質系板材3と化粧板材8との間に空間6aが形成されている。
第1の実施の形態に係る屋根版1により構成された屋根Yは、図5に示すように、屋根版1の上部に通気層6が形成されているため、外部から導入された空気が、屋根Yの上部の通気層6を相通して、屋根版1内において熱が対流することを防止する。そして、通気層6の空気は、屋根Yの頂部において形成された排気口から排気される構成となっている。
ここで、符号10は、屋根Yの屋根材(外装材)であって、屋根版1の下張り材5に公知の手段により固定されている。また、山型に接続された屋根版1と屋根版1との棟部(頂点部)の屋根棟材10’は、通気層6を介して通気された空気Aを排気可能とする排気口を有した状態で設置されている。
なお、屋根版1の構造物(建物)の構造梁や柱への固定は、適宜公知の手段により行えばよい。
以上、第1の実施の形態の屋根版1によれば、垂木2のころび止めを必要としないため、連続した断熱材4(および遮熱シート7)を配置することが可能となり、いわゆるヒートブリッジが形成されることがなく、快適な居住空間を供給することが可能となる。
また、屋根版1の全体にわたって、木質系板材3を配置するため、従来、垂木2のみで強度を負担していた屋根版1について、曲げ剛性が増加する。そのため、構造設計上の最大スパン長を拡大することが可能となる。故に、梁受け梁や柱等の中間支持部材の省略が可能となり施工性の向上および材料費の削減が可能となる。
また、屋根版1は、木質系板材3と下張り材5とが併設されているため、屋根版1の曲げ剛性がさらに高められている。
また、垂木2の下フランジ2bと木質系板材3とにより、乾燥木質材料による連続した層が構築されるため、室内側に気密層を形成し、ベーパーバリア等の気密部材を設置する必要がない。そのため、気密構造を構築する場合でも、気密部材に要する費用を削減することが可能となる。
また、屋根版1は、通気層6の外気導通による熱の対流伝達抑制効果と、遮熱シート7による輻射熱反射効果と、断熱材4による熱伝導抑制効果とにより、居住空間への外部からの熱の伝達を抑制し、より快適な居住空間を構築することが可能となる。したがって、例えば、冷暖房の運転効率を高めることが可能となり、省エネルギーによる快適な居住空間の提供が可能となる。
また、屋根版1に照明等を設置する際に、照明等を下フランジ2bに固定すれば、胴縁等の設置を必要としないため、施工の手間や材料費を省略することが可能となる。また、照明などの配線は、木質系板材3と化粧板材8との間に形成された空間6aにおいて行えばよいため、内観を損わずに隠ぺい配線が可能となり、好適である。
また、空間6aにより、室内空気の排気または換気が容易となる。さらに、屋根勾配に沿って暖かい空気が上昇していくため、効率的な空気の流れが期待できる。
また、断熱材4の固定は、上フランジ2aに係止させるのみで完了するため、接着剤などを使用しない。そのため、いわゆるシックハウス等の原因となる建材の使用を抑制し、居住者への悪影響が少ない。
<第2の実施の形態>
次に、屋根版1として、予め所定形状に形成された屋根パネルPを使用する場合について図6および図7を参照して、説明する。
屋根版1は、第1の実施の形態で示した手順により、現地にて構築しても良いが、現場施工の短縮化を目的として、図6に示すように、予め屋根パネルPを工場などにおいて形成し、この屋根パネルPを搬入して使用することにより、現場施工の短縮化を図ってもよい。屋根パネルPは、人力による取り扱いが容易で、かつ、トラックなどによる搬送が可能な寸法および形状に形成するものとし、例えば、幅が約1.8m、長さを約5.5mとする。なお、屋根パネルPの形状寸法が限定されないことはいうまでもない。また、屋根パネルPは、木質系板材3が配置されているため、断面形状が安定し、パネル化が容易である。
屋根パネルPの構築方法は、第1の実施の形態で示した方法と同様の方法により行うため、詳細な説明は省略する。
屋根パネルPを長手方向に対して連続して設置する場合には、屋根パネルPの一方の端部において下張り材から突出された状態で設置された垂木2,2,…の上面に、接続する屋根パネルPの他方の端部において垂木2,2,…から突出した状態で設置された下張り材5を重ね合わせて、釘などの接合具nにより固定することで、連続的に接続する。なお、屋根パネルPを長手方向に連続して接続しない場合は、垂木2,2,…や下張り材5を突出させずに屋根パネルPを形成することはいうまでもない。
また、屋根パネルPの横方向(図6において左右方向)の接続は、隣接する屋根パネルPの端部の垂木2に接続する側の屋根パネルP’の木質系板材3および下張り材5を固定することにより行う(図7(a)〜(c)参照)。
例えば、図6および図7(a)に示すように、屋根パネルPの横方向における一方の端部には、垂木2を配置し、他方の端部には、垂木2のウェブ2cの高さに応じて形成された継材9を配置した状態で屋根パネルPを構築する。そして、隣接する屋根パネルP,P’の接合は、図7(a)に示すように、一方の屋根パネルPの端部に配置された垂木2に、他方の屋根パネルP’の継材9を係止させて、接合具nを介して固定する。
つまり、一方の屋根パネルPの垂木2の上フランジ2aと下フランジ2bとの間に、他方の屋根パネルP’の継材9と木質系板材3を挿入するとともに、他方の屋根パネルP’の下張り材5と継材9との間に、一方の屋根パネルPの上フランジ2aを挿入することにより、互いの端部を噛み合わせて、固定する。ここで、図7(a)における符号9aは、継材9を固定するための補助部材である。
なお、屋根パネルP,P’の接続方法は限定されるものではなく、例えば、図7(b)に示すように、継材9(図7(a)参照)を要することなく、一方の屋根パネルPの上フランジ2aを他方の屋根パネルP’の下張り材5と断熱材4との間に挿入し、一方の屋根パネルPの上フランジ2aと下フランジ2bとの間に、他方の屋根パネルP’の木質系板材3と断熱材4を挿入することにより、互いに噛み合わせることにより接続してもよい。そして、一方の屋根パネルPの上フランジ2aに他方の屋根パネルP’の下張り材5を貫通した状態で接合具nを打ち込むとともに、一方の屋根パネルPの下フランジ2bを貫通させて接合具nを他方の屋根パネルP’の木質系板材に打ち込むことにより、固定する。この時、他方の屋根パネルP’の一方の屋根パネルP側の端部には、一方の屋根パネルPの垂木2の形状と同形状に加工された鋼板からなる端部材12が設置されている。この端部材12により、屋根パネルP’の輸送時や取付時等において、屋根パネルP’が破損することを防止している。なお、端部材12は、必要に応じて設置すればよく、省略してもよいことはいうまでもない。さらに、端部材12は、屋根パネルP’の端部の形状を維持することが可能であれば、その材質や形状は限定されるものではない。
この構成により、屋根パネルP,P’の接合部において、断熱材4が垂木2のウェブ2cの厚みを除いて連続して配置されるため、より断熱性に優れた屋根Yを構築することが可能となる。
また、一方の屋根パネルPと他方の屋根パネルP’のいずれにも端部に垂木2を配置する場合には、図7(c)に示すように、両垂木2,2を当接させることにより形成されるウェブ2c,2cに対応する箇所の空間に、継材9’を配置して、この継材9’に両垂木2,2を固定することにより、接続を行ってもよい。この時、継材9’を予め他方の屋根パネルPの垂木2に固定しておけば、接続時の作業は、継材9’を一方の屋根パネルPの垂木2に挿入するのみで、互いにかみ合わさるため、施工性が向上し、好適である。
以上のように、屋根パネルPを使用すれば、所定数の屋根パネルPを互いに接合するのみで簡易に屋根版(または床版)の構築が完了するため、施工の早期が可能となり、好適である。
なお、この他の屋根パネルPによる効果は、第1の実施の形態で示した屋根版1の効果と同様なため、詳細な説明は省略する。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明したが、本発明は前記各実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、前記各実施形態では、屋根版または屋根パネルとして、本発明の断熱気密構造体を使用するものとしたが、床版または床パネルとして使用してもよいことはいうまでもなく、断熱気密構造体の使用箇所は限定されるものではない。
また、前記各実施形態では、垂木としてIビームを使用するものとしたが、上下のフランジとウェブにより構成された建築部材で所定の強度を発現するものであればIビームに限定されないことはいうまでもなく、例えばHビームを使用してもよい。
また、断熱気密構造体を、床版として使用する場合には、通気層を、配管、配線用の空間として使用してもよいことはいうまでもない。
第1の実施の形態にかかる断熱気密構造体を示す部分斜視図である。 第1の実施の形態にかかる断熱気密構造体の分解斜視図である。 (a)〜(d)は、第1の実施の形態にかかる断熱気密構造体の構築手順を示す断面図である。 (a)〜(c)は、第1の実施の形態にかかる断熱気密構造体の構築方法の変形例を示す断面図である。 第1の実施の形態にかかる断熱気密構造体を屋根版として使用した例を示す部分斜視図である。 第2の実施の形態の断熱気密構造体により形成された屋根パネルを示す平面図である。 (a)〜(c)は、第2の実施の形態に係る屋根パネルの接合方法を示す部分断面図である。 従来の断熱気密構造体を示す部分斜視図である。
符号の説明
1 屋根版(断熱気密構造体)
2 垂木(梁部材)
2a 上フランジ
2b 下フランジ
2c ウェブ
3 木質系板材
4 断熱材
5 下張り材
6 通気層
7 遮熱シート
P 屋根パネル
Y 屋根

Claims (5)

  1. ウェブと上下のフランジとから構成されて、所定の間隔を有して平行に配設された複数本の梁部材と、
    隣り合う前記梁部材に横設されて、前記梁部材の前記下側のフランジの上面にその端部が固定される木質系板材と、
    隣り合う前記梁部材に横設されて、前記木質系板材の上面に配置される断熱材と、
    前記梁部材の下端面に固定される化粧板材と、を含む断熱気密構造体であって、
    前記梁部材と前記木質系板材とにより連続した気密層が形成されており、
    前記木質系板材と前記化粧板材との間に空間が形成されていることを特徴とする断熱気密構造体。
  2. 前記断熱材が、前記上側のフランジの下面に係止されていることを特徴とする、請求項1に記載の断熱気密構造体。
  3. 前記梁部材の上端面が板材に当接されて、前記断熱材と前記板材との間に通気層が形成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の断熱気密構造体。
  4. 前記断熱材の前記木質系板材との設置面と反対側の面に、遮熱シートが設置されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の断熱気密構造体。
  5. ウェブと上下のフランジとから構成されて、所定の間隔を有して平行に配設された複数本の梁部材と、
    隣り合う前記梁部材に横設されて、前記梁部材の前記下側のフランジの上面にその端部が固定されることで連続した気密層を形成する木質系板材と、
    隣り合う前記梁部材に横設されて、前記木質系板材の上面に配置される断熱材と、
    前記梁部材の下端面に固定される化粧板材と、を含む複数の屋根パネルを連続して設置してなる断熱気密構造体であって、
    前記屋根パネルの一方の端部には梁部材が配置されていて、他方の端部には前記梁部材のウェブの高さに応じて形成された継材または前記梁部材と噛み合わせることが可能に形成された端部材が配置されていることを特徴とする、断熱気密構造体。
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