JPH0367176B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、耐力的に優れ耐久性のある屋根構造
に関するものである。

屋根表面板として金属製のものを用いた折板、
堅平葺、段葺屋根パネル等の金属屋根パネルの屋
根構造においては、金属製の屋根表面板の定期的
な塗替え等が必要である等、必ずしもその耐久性
が充分でなく、又、陸屋根等において屋根面を直
接の歩行面とした屋上バルコニーを設ける場合、
その荷重に対する耐力、又は歩行面としての耐久
性に問題がある。

本発明は、叙上の点に鑑みなされたもので、特
定の屋根下地パネルを用い、該屋根下地パネル上
にアスフアルト系又はコンクリート系等の保護層
を形成する等して形成される耐力的に優れ耐久性
のある屋根構造を提供するものである。

即ち、本発明の屋根構造は、枠体上に下地板を
固定しその上面に防水シートを貼着してある複数
個の屋根下地パネルを隣接させて敷設し、該屋根
下地パネル同士の隣接部を防水カバーで被覆し、
且つ該防水カバーを必要に応じて露出させて上記
屋根下地パネル上にアスフアルト系又はコンクリ
ート系等の保護層を形成してなるものである。

以下、本発明の屋根構造を図面に示す一実施例
について説明する。

第１図は、保護層を省略して示す本発明の一実
施例の一部分解斜視図を示すもので、１は、鋼製
枠体２上に下地板３を固定し且つ下地板３上に防
水シート４を貼着する等して形成した屋根下地パ
ネルで、本発明の図示の屋根構造は、第１図〜第
３図に示す如く、斯る屋根下地パネル１を複数個
隣接させて敷設し、屋根下地パネル同士の隣接部
を防水カバー５で被覆し、且つ防水カバー５を露
出させて屋根下地パネル１上にアスフアルト系又
はコンクリート系等の保護層６を形成することに
より構成してある。

実施例について更に詳述すと、上記屋根下地パ
ネル１は、予め工場において製造されたもので、
第１図〜第４図に示す如く、短形に枠組みした上
記枠体２の上側に、その短辺部に平行に複数本の
根太７を固定し、隣接する根太７上に、それぞれ
上面に上記防水シート４を貼着した上記下地板３
をそれぞれ固定し、且つ隣接する防水シート４の
縁部同士をそれぞれ重ね合わせて接着することに
より構成してある。

上記枠体２は、第２図及び第３図に示す如く、
Ｈ鋼からなる枠材８を短形に枠組みし、更にその
軒先側に対応する短辺部の外方及び妻側に対応す
る長辺部の外方に、必要に応じ、Ｃ型鋼からなる
枠材９を枠組みして形成してある。そして、鋼製
枠体２の下面には石膏ボード等の下面板１０を固
定してあり、又枠体２の内部には断熱吸音材１１
を充填してある。

又、上記根太７は、それぞれ第２図及び第３図
に示す如くＣ型鋼で形成してあり、下地板３の巾
に応じて鋼製枠体２の短辺部上にそれぞれ位置さ
せて等間隔で図示例では合計６本固定してある。
尚、１２は根太７それぞれと、鋼製枠体２の間に
必要に応じ介在させた、水勾配を確保するための
勾配調製材である。

又、上記下地板３は５枚用いてあつて、それぞ
れ短形の硬質木片セメント板で形成してあり、そ
の長さは鋼製枠体２の短辺部の長さに略等しくな
してある。

又、上記防水シート４は、それぞれ下地板３を
被覆可能な短形状となしてあるが、特にその巾は
下地板３の巾より大きくなし、少なくとも下地板
３の片側に張り出して貼付するようになしてあ
る。そして、防水シート４それぞれ長手方向に沿
う縁部下面には一定巾で粘着剤を介して離型紙を
貼着してあり、この離型紙貼着部分をを除く部分
が、予め下地板３上に粘着剤を介して接着してあ
る。そして、上記離型紙は、上述の如くして上面
に防水シート４の貼着された下地板３それぞれを
それらの間にブチルコム等の充填材を介在させて
固定した後、剥離して貼着するようになしてあ
り、上記離型紙の剥離された防水シート４の長手
方向に沿う縁部下面を、第２図に示す如く、水勾
配による流れ方向に対して下流側に隣接する防水
シート４の長手方向に沿う縁部上面に上記粘着剤
を介して接着するようになしてある。

この他、第４図において、１３は、屋根下地パ
ネル１を隣接させて敷設した際、その隣接部を被
覆する前記防水カバー５の防水カバー受金物であ
り、屋根下地パネル１の一方の長辺部上及び棟側
の短辺部上に予じめ固定してあるが、これらは、
他の屋根下地パネル１の隣接部側に固定してあれ
ば良い。又、屋根下地パネル１には、この他、他
の屋根下地パネル１と隣接しない妻側上や棟側上
に、妻側カバー１４（第１図及び第３図参照）の
妻側カバー受金物１５（第３図参照）や棟側カバ
ー１６（第１図参照）の棟側カバー受金物（図示
せず）を予め工場において固定しておいても良
い。又、上記防水カバー受金物１３、上記妻側カ
バー受金物１５及び上記棟側カバー受金物は、共
用化すべく形状等を構成的に同一としても良い。

而して、以上の構成からなる屋根下地パネル１
は、本発明の屋根構造においては、現場におい
て、第１図に示す如く複数個隣接させ、且つ第２
図及び第３図に示す如き外壁体１７、その他梁
材、間仕切壁等の建物躯体に載置固定させて敷設
してある。

又、本発明の屋根構造における前記防水カバー
５は、このように隣接させて敷設した屋根下地パ
ネル１同士の隣接部に、そのジヨイントカバーと
して被覆してあり、その被覆は、隣接する屋根下
地パネル１の防水カバー受金物１３それぞれを防
水カバー５の内側に抱持させ、且つそれぞれの屋
根下地パネル１側から防水カバー５の外側面をビ
ス止めすることにより行つてある。尚、１８は、
防水カバー５の上面部の下方に位置させて防水カ
バー５と防水カバー受金物１３との間に介在させ
た支持木である。

又、本発明の屋根構造においては、上述の如く
敷設された屋根下地パネル１には、防水カバー５
の上述の如き被覆と同様に、その他、他の屋根下
地パネル１と隣接しない妻側上や棟側上に位置さ
せて、妻側カバー受金物１５を介し妻側カバー１
５や、防水カバー受金物（図示せず）を介し棟側
カバー１６を被覆してあり、防水カバー５やこれ
らの妻側カバー１４、棟側カバー１６の突き合わ
せ部には、接合カバー１９を被覆してある。そし
て、屋根下地パネル１の軒先側には、第２図に示
す如く、軒先唐草２０、軒先水切２１を被着し、
軒先唐草２０を防水シート４で被覆するようにな
してある。尚、防水シート４のこのような軒先へ
の被覆作業は、防水シート４の軒先側縁部の離型
紙を剥離させて容易に行うことができる。

又、本発明の屋根構造における前記保護層６
は、上記の如き各種のカバー５，１４，１６，１
９の被覆作業、及び上記の如き軒先処理作業の終
了後、最終的に形成してあり、第２図及び第３図
においては、各種のカバー５，１４，１６，１９
の上面部を露出させて行うようになしてあるが、
これらのカバー５，１４，１６，１９を埋設させ
て屋根下地パネル１上に形成しても良い。

この他、第２図及び第３図において、２２は屋
根下地パネル１間に介在させた断熱材、２３は屋
根下地パネル１間を下方から被覆する化粧カバ
ー、２４，２５はそれぞれ屋根下地パネルと外壁
体１９との間に介在させたコーキング材及びバツ
クアツプ材である。

尚、本発明の屋根構造に用いる屋根下地パネル
としては、実施例の如く上面に防水シート４をそ
れぞれ貼着した下地板３を複数枚用いて形成した
ものが製造が容易で安価なため好ましいが、下地
板３及び防水シート４の双方又は一方を一枚とし
て形成したものであつても良い。

叙上の如く、本発明の屋根構造は、特定の屋根
下地パネルを隣接させて敷設し、該屋根下地パネ
ル同士の隣接部を防水カバーで被覆してから、屋
根下地パネル上にアスフアルト系又はコンクリー
ト系等の保護層を形成してあるため、耐力的に優
れ、耐久性、防水性がある等の効果を有し、特に
屋根上にバルコニーを設ける場合の屋根構造とし
て好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は保護層を省略して示す本発明の一実施
例の一部分解斜視図、第２図及び第３図はそれぞ
れ第３図のＡ−Ａ線及びＢ−Ｂ線拡大断面図、第
４図は屋根下地パネルの一部分解斜視図である。 １……屋根下地パネル、２……枠体、３……下
地板、４……防水シート、５……防水カバー、６
……保護層。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 枠体上に下地板を固定しその上面に防水シー
   トを貼着してある複数個の屋根下地パネルを隣接
   させて敷設し、該屋根下地パネル同士の隣接部を
   防水カバーで被覆し、且つ上記屋根下地パネル上
   に保護層を形成してなることを特徴とする屋根構
   造。