JPH0368983B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は建物の陸屋根、バルコニー等のシー
ト防水工法における防水シートのジヨイント材に
関するものである。

〔従来の技術と発明の課題〕

陸屋根における防水工法としては防水シートを
張るシート防水工法が広く採用されている。

またシート防水工法として一般的な工法はシー
トを防水すべき面に前面接着する工法であるがこ
のような全面接着を行うためには下地が平滑に仕
上げられていることが必要であり、且つ下地が湿
潤していると接着が不完全となるので充分に乾燥
するまで待たねばならずそれだけ工期が延びると
いう欠点がある。

上記欠点を解決するものとして第１図に示すよ
うに下地、図では陸屋根におけるスラブコンクリ
ートイ上にプレート形のジヨイント材ロを配設し
釘ハを打込んで固定し、防水シートニはジヨイン
ト材ロにのみ接着又は溶着する浮かし貼り工法が
ある。

ジヨイント材ロは塩化ビニル樹脂材、又は流動
侵漬法により表面に塩化ビニル樹脂層をそなえる
金属材とする。図中ホはパラペツトを示す。

この浮かし貼り工法によれば降雨後で下地が湿
潤の状態にあつても、ジヨイント材の上面に300
℃前後の熱風を吹付けることで水分が吹飛び、且
つ水分が蒸散してしまい乾燥状態となるので防水
シートを確実に接着又は溶着することができ、従
つて降雨後でも直ちに防水工法を施行することが
できる。

ところで上記浮かし貼り工法において、隣接す
る防水シートの対向する側縁をジヨイント材上に
重ね合わせて接着すると、第２図に拡大して示す
ように防水シートニ，ニの接着部分が、ジヨイン
ト材ロの存在しない部分より段状に高くなり、又
防水シートの長さ方向での継足し部分では同図鎖
線に示すように、継足しのための重なり合い層が
更に高くなるばかりでなく、継足しによる重複し
た重なり合い部分では層間に〓間が生じてこれが
漏水の原因となる。

又、防水シートの表面に耐候性樹脂の膜層をそ
なえる場合、この耐候性樹脂膜の存在は防水シー
トの重ね合わせ接着又は溶着を困難乃至不能にし
ている。

この発明はジヨイント材を使用しての浮かし貼
り工法の上記問題点を解決したもので、その目的
とするところは、隣接する防水シートの接続端を
互いに重ね合わすことなくジヨイントできる建物
のシート防水工法用防水シートジヨイント材を提
供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するため、この発明の建物の
シート防水工法用防水シートジヨイント材は、防
水シートの接続部に沿つて被防水面に固定される
板材の上面に、防水シートの接続端を突き合わす
帯状の突起を形成し、この突起を挟んで両側に、
熱溶着性を有し、かつ各側縁に向つて下方に傾斜
する防水シートの被貼着面を形成する構成を採用
したのである。

〔作用〕

以上のように構成された建物のシート防水工法
用防水シートジヨイント材は、被防水面における
防水シートのジヨイント部に帯状の突起が沿うよ
うに固定し、ジヨイントしようとする防水シート
の接続端を双方から突起に突き合わせて位置決め
を行ない、被貼着面にそれぞれ熱溶着すると、防
水シート同士が互いに重なり合うことなくジヨイ
ントされる。

この状態では、被貼着面が下方に傾斜している
ため、被防水面との間に段差が生じない。

〔実施例〕

以下、実施例について図面を参照して説明す
る。

第３図に示すように、この防水シートのジヨイ
ント材は、板材１の上面に、防水シートＢの接続
端を突き合わす小幅の帯状の突起２を形成し、こ
の突起２を挟んで両側に防水シートＢの被貼着面
４を形成したものである。

前記突起２は、その高さが防水シートＢの厚さ
と同一の寸法に設定されており、被貼着面４は、
板材１の各側縁に向つて下方に傾斜させて段差が
生じないようにしてある。また、被貼着面４に
は、このジヨイント材を被防水面に固定するため
の釘穴３が設けられている。

このジヨイント材は、第４図に示すように、防
水シートの接続枚数に合わせて主部材Ａ−１及び
副部材Ａ−２に分割されている。

前記主部材Ａ−１は、長尺状の平面形状を有
し、２枚の防水シートＢを接続する部分に用いら
れる。これに対して、副部材Ａ−２は、４枚の防
水シートを接続すべく、十字形に形成してあり、
前記主部材Ａ−１に連結した状態で用いられる。
また、図には示していないが、防水シートを張る
べき部分の周縁部では、主部材Ａ−１に連結する
副部材としＴ字形のものが用いられる。

これらのジヨイント材は、従来と同様に、熱溶
着性を有する塩化ビニル樹脂材、または、流動侵
漬法により表面に塩化ビニル樹脂層を設けた金属
材によつて形成するが、被貼着面４のみに塩化ビ
ニル樹脂のような防水シートＢに対して熱溶着性
を有する層を設けたものであつてもよい。

以上のように構成されたジヨイント材は、被防
水面の下地５上に、防水シートＢの幅寸法に合わ
せて主部材Ａ−１を並列に配置し、釘を打ち込ん
で固定し、防水シートＢの接続端を突起２に突き
合わせて位置決めを行ない、被貼着面に熱溶着す
る。

次に、４枚の防水シートＢが接続される部分で
は、主部材Ａ−１を切断除去して副部材Ａ−２を
接続し、この副部材Ａ−２の被貼着面４ａに防水
シートＢのコーナー部分を熱溶着する。

そして、この副部材Ａ−２に順次、主部材Ａ−
１を接続していき、同様に防水シートを熱溶着す
る。

このようなジヨイント材を用いて防水シートを
ジヨイントすると、防水シート同士が重なり合う
ことがなく、またジヨイント材のある部分とない
部分との間に段差が生じることがない。

また、突起２の高さを防水シートＢの厚みと同
一の寸法にしているため、ジヨイント状態ではジ
ヨイント材の存在が殆ど目立たず、体裁が良い。

〔効果〕

以上のように、この発明のジヨイント材は、ジ
ヨイントしようとする防水シートの接続端を、双
方から突起に突き合わせ、その突起の両側に形成
された側縁に向つて下方に傾斜する被貼着面に熱
溶着する構成にしたため、隣接する防水シートが
互いに重なり合うことがなく、またジヨイント材
のあるところとないところに極端な段差が生じな
いので、従来のように、防水シートの継足し部の
重なり部分に生じる〓間からの漏水を完全に防止
することができる。

また、このジヨイント材を使用すれば、表面に
フツ素樹脂等の耐候性物質層を有しているため、
重ね合わせ接着が不可能な防水シートでも確実に
ジヨイントすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の建物の防水工法施工部の一部分
の縦断面図、第２図は同上の要部の拡大縦断面
図、第３図はこの発明に係る一実施例を示す建物
のシート防水工法施工部の拡大縦断面図、第４図
は同上の部分斜視図である。 Ａ−１……主部材、Ａ−２……副部材、１……
板材、２……突起、３……釘穴、４，４ａ……被
貼着面、Ｂ……防水シート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 防水シートの接続部に沿つて被防水面に固定
   される板材の上面に、防水シートの接続端を突き
   合わす帯状の突起を形成し、この突起を挟んで両
   側に、熱溶着性を有し、かつ各側縁に向つて下方
   に傾斜する防水シートの被貼着面を形成した建物
   のシート防水工法用防水シートジヨイント材。 ２ 前記突起の高さを防水シートの厚みと同一寸
   法に形成した特許請求の範囲第１項記載の建物の
   防水工法用防水シートジヨイント材。