JP3886744B2 - 住宅の陸屋根 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、外周部にパラペットを設けた住宅の陸屋根に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来のアパート等の共同住宅の多雪地用陸屋根を示している。この陸屋根は、構造梁(1)上に屋根下地材(2)を敷き込んで、外周部にはパラペット(3)を立設している。そして、屋根下地材(2)には、積雪区分50cmを越える積雪対策として、通常よりも分厚めの厚さ約100mmのALCを用いており、その屋根下地材(2)上には、パラペット(3)へ向けて下り勾配を持たせた断熱材(4)や防水シート(5)を敷設している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような多雪地用陸屋根において、図6に示すように、パラペット(3)に横引き排水管(6)を貫通させて横引きドレン部を設ける場合、分厚めのALCを使用していることから、パラペット(3)の構造梁(1)の梁天からの高さ(H1)を、通常であれば200mm程度で済むのに対して、300mm程度確保する必要があった。なお、図6中、(7)はストレーナー(8)付きのドレン材、(9)は横引き排水管に連通する縦樋である。
【0004】
このように、パラペット(3)の高さが高くなると、それだけ材料費が嵩んで全体コストが高騰するため、コストを抑えた設計のアパート等の共同住宅においては不向きな構造であった。また、都市部におけるアパート需要については、斜線制限の対応力としてパラペットの高い建物は不利となる。
【0005】
そこで、この発明は、上記の不具合を解消して、パラペット高さを低く抑えても横引きドレン部を設けることができる構造として、コストの削減を図ることができる多雪地にも適した陸屋根の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明の住宅の陸屋根は、屋根外周部に設けたパラペットと、鉛直荷重を受ける屋根下地材との間に、屋根下地材よりも薄型の補助下地材を敷き込むとともに、屋根下地材及び補助下地材を、同じ高さレベルの構造梁上に設置して、屋根下地材の上面と補助下地材の上面との間に段差を形成し、それら上面にパラペットに向かって下り勾配を持たせた断熱材を敷設したことを特徴とする。
【0007】
具体的には、屋根下地材の厚さを約100mmに設定し、補助下地材の高さを約75mmに設定し、パラペットにおける前記構造梁の梁天からの高さを約200mmに設定してある。そして、パラペットには、横引き排水管を貫通させてある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この発明の一実施形態に係るアパート等の住宅の多雪地用陸屋根は、図1に示すように、H形鋼からなる構造梁(10)のフランジ(11)上に、屋根下地材(12)が敷き込まれ、外周部にはパラペット(13)が立設されている。
【0009】
屋根下地材(12)は、積雪区分50cmを越える場合に対応した仕様とされ、積雪による鉛直荷重を受けるため、通常よりも分厚めの厚さ約100mmのALCが用いられている。パラペット(13)は、コンクリート製で、構造梁(10)の梁天すなわちフランジ(11)上面からの高さ(H2)が約200mmに設定されている。
【0010】
そして、この屋根下地材(12)とパラペット(13)との間には、屋根下地材(12)よりも薄型の厚さ約75mmのALCからなる補助下地材(15)が、構造梁(10)のフランジ(11)上に敷き込まれている。すなわち、屋根下地材(12)及び補助下地材(15)は、同じ高さレベルの構造梁(10)のフランジ(11)上に設置されており、これによって屋根下地材(12)と補助下地材(15)の上面との間に段差が形成されている。なお、屋根下地材(12)と補助下地材(15)との間には、耐火上の措置としてロックウール等の不燃材を下地として、モルタル等の充填材(16)が充填されている。
【0011】
屋根下地材(12)及び補助下地材(15)の上面には、パラペット(13)に向かって下り勾配を持たせた断熱材(20)(21)が敷設されている。屋根下地材(12)側の断熱材(20)と補助下地材(15)側の断熱材(21)は、その厚みや形状は異なっているが、それらの上面が連続するように配置されている。そして、断熱材(20)(21)の上面には、不燃ボード(22)(23)及び防水シート(25)が敷設されている。陸屋根全体としては、図4に示すように、屋根中央部からパラペット(13)へ向かって下り傾斜した寄棟状の水勾配が形成されている。
【0012】
図2は、上記構成の陸屋根における横引きドレン部を示している。この横引きドレン部では、補助下地材(15)上方の断熱材(21)、不燃ボード(23)及び防水シート(25)を取り除いて、その代わりに補助下地材(15)の上側にストレーナー(30)付きのドレン材(31)を取り付けてある。また、パラペット(13)には、ドレン材(31)のストレーナー(30)に対応させるようにして貫通孔(29)が形成され、この貫通孔(29)には、ストレーナー(30)とパラペット(13)の外側に設けられた縦樋(33)とを連通する横引き排水管(34)が挿通されている。なお、図中、(35)は、横引き排水管(34)と貫通孔(29)との隙間を塞ぐシール材である。
【0013】
図3は、下抜きドレン部を示している。この下抜きドレン部では、補助下地材(15)上方の断熱材(21)、不燃ボード(23)及び防水シート(25)を取り除き、さらに屋根下地材(12)に切り欠きを形成し、その切り欠き部分にロックウールやモルタル等の充填材(16)を充填して、その上面を補助下地材(15)の上面に合わせるようにしている。そして、補助下地材(15)及び充填材(16)の上側にストレーナー(40)付きのドレン材(41)を取り付け、また充填材(16)部分には、ドレン材(41)のストレーナー(40)に対応させるようにして貫通孔(42)が形成され、この貫通孔(42)には、ストレーナー(40)に連通する縦排水管(43)が挿通されている。
【0014】
従って、陸屋根に落ちた雨水等は、水勾配に沿って外周部に流れ、ドレン材(31)(41)から横引き排水管(34)や縦排水管(43)を介して、外部へ排出されるようになっている。
【0015】
このように、上記構成の陸屋根においては、パラペット(13)付近の鉛直荷重を受け難い部分に、厚さ約75mmの補助下地材(15)を敷き込み、それ以外の鉛直荷重を受け易い部分に厚さ約100mmの屋根下地材(12)を敷き込んでいるので、屋根下地材(12)によって積雪等に耐え得る強度を保持しながら、補助下地材(15)によって下地面を一段落として、パラペット(13)の内壁面側の露出部分を広げることができる。このため、パラペット(13)における構造梁(10)のフランジ(11)上面からの高さ(H2)を約200mmに抑えても、パラペット(13)に横引き排水管(34)を無理なく貫通させて、横引きドレン部を設けることができる。
【0016】
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。
【0017】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明の陸屋根においては、分厚めの屋根下地材によって、積雪等の鉛直荷重を耐え得る強度を確保することができる。しかも、屋根下地材とパラペットとの間には、屋根下地材よりも薄型の補助下地材を敷き込んであるので、パラペットにおける構造梁の梁天からの高さを従来の多雪地用の陸屋根よりも低い200mm程度に抑えても、パラペットにおいて横引き排水管を貫通させるためのスペースを確保して、横引きドレン部を設けることができる。従って、分厚めの屋根下地材を敷き込んだ多雪地に適した陸屋根でありながら、そのパラペットの高さを低く抑えて、コストの削減を図ることができる。
【0018】
また、このようにパラペットの高さを低く抑えることで、斜線制限に対して有利であり、多雪地用でない一般の陸屋根とほぼ同じ外観とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る住宅の陸屋根の要部縦断面図である。
【図2】同じくその横引きドレン部の要部縦断面図である。
【図3】同じくその下抜きドレン部の要部縦断面図である。
【図4】陸屋根の水勾配を示す平面図である。
【図5】従来における住宅の陸屋根の要部縦断面図である。
【図6】同じくその横引きドレン部の要部縦断面図である。
【符号の説明】
(10) 構造梁
(12) 屋根下地材
(13) パラペット
(15) 補助下地材
(20)(21) 断熱材
(34) 横引き排水管
Claims (3)
- 屋根外周部に設けたパラペットと、鉛直荷重を受ける屋根下地材との間に、屋根下地材よりも薄型の補助下地材を敷き込むとともに、屋根下地材及び補助下地材を、同じ高さレベルの構造梁上に設置して、屋根下地材の上面と補助下地材の上面との間に段差を形成し、それら上面にパラペットに向かって下り勾配を持たせた断熱材を敷設したことを特徴とする住宅の陸屋根。
- 屋根下地材の厚さを約100mmに設定し、補助下地材の高さを約75mmに設定し、パラペットにおける前記構造梁の梁天からの高さを約200mmに設定してある請求項1記載の住宅の陸屋根。
- パラペットに、横引き排水管を貫通させた請求項1又は2記載の住宅の陸屋根。
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