JP3848021B2 - ダンパー装置および該装置を使用した洋式便器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、便座や便蓋等の回動部材の回動を緩衝させるダンパー装置およびそのダンパー装置が取り付けられた洋式便器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、高級な洋式便器には、便座や便蓋の落下時の衝撃音を避けるため、便座や便蓋の回動軸にその回動の勢いを和らげるダンパー装置(緩衝装置)がつけられている。たとえば、特開平4−259424号公報に示される便座および便蓋の開閉装置では、図22に示すように、便座201のヒンジ202,203と、便蓋204のヒンジ205,206をそれぞれ重ね合わせ、それらの外側方にダンパー機能を有する開閉装置207,208が設置される。
【0003】
この開閉装置では、便座201の一方のヒンジ202に角孔のような駆動力伝達孔210が形成され、他方のヒンジ203に駆動力を伝達しない孔のような駆動力非伝達孔(図示省略)が形成される。また、便蓋204については、一方のヒンジ205に駆動力非伝達孔(図示省略)が形成され、他方のヒンジ206に駆動力伝達孔212が形成される。そして、一方のヒンジピン215が一方の開閉装置207と、便座201のヒンジ202とに係合し、他方のヒンジピン216が、他方の開閉装置208と、便蓋204のヒンジ206と係合している。この結果、一方の開閉装置207によって便座201の落下方向の回動が緩衝され、他方の開閉装置208によって便蓋204の落下方向の回動が緩衝されるようになっている。
【0004】
また、特開平8−117148号公報に示される便器の便座や便蓋の開閉装置では、図23に示すように、便器221に取付部材222を固定し、取り付け部材222の中に対称的な配置をもって開閉装置223,224を入れ込んでいる。そして、取り付け部材222の両側方に便座の取り付け部となるヒンジ225,225を配置し、さらにそれらの両側方に、便蓋の取り付け部となるヒンジ226,226を配置する構成としている。開閉装置223側には取り付けピン227がヒンジ225,226を挿通して取り付けられ、開閉装置224側には取り付けピン228がヒンジ225,226を挿通して取り付けられている。
【0005】
一方、一般的な洋式便器では、便座と便蓋とが一体となった便座・便蓋ユニットを他の形状や他の色合いのものに変更できるようになっている。特に、米国では、そのような便座・便蓋ユニットが低価格で販売されており、使用者は自分の好みに合った便座・便蓋ユニットを購入し、古いユニットを廃却し、使用者自らが購入したユニットを便器にねじで取り付けることが一般的となっている。この取り付けは、便座のヒンジ部と便蓋のヒンジ部の間に固定用のフランジと回動軸を保持する保持部とを有する取付部材を設け、この取り付け部材を便器に固定することによって取り付けている。このような便座・便蓋ユニットを取り付けた便器では、取り付けられる便器側にはダンパー機構が無いことから、便座や便蓋の閉じ動作時に便座等から手を離すと、大きな衝撃音が生じている。さらに、落下の衝撃によるヒンジ部の破損や便座・便蓋の割れといった故障につながる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特開平4−259424号に示される便座および便蓋の開閉装置における開閉装置207,208は、便器の側面に取り付ける方式となっている。この方式は、一般的には、便器の両側に配置される温水洗浄便座のベースカバーに取り付けるものとなっている。このため、温水洗浄便座でない便器の場合、この開閉装置207,208を取り付けることが難しい。また、便座201のヒンジ202と便蓋204のヒンジ205とが隣接し、便座201のヒンジ203と便蓋204のヒンジ206とが隣接しているため、便座201のみを下方に回動させたいとき、摩擦力によって便蓋204も下方に回動する危険性を有している。
【0007】
さらに、開閉装置207,208は、鏡対称に配置されることと、その緩衝方向を考慮すると、同一のものとはできない。すなわち、ダンパー機能の作用方向が反対となるものとせざるを得ず、構造的に異なるものとせざるを得ない。このため、開閉装置207,208のコストが上昇する。しかも、取り付けの場合に左右を間違えないようにする必要があり、油断すると組立ミスが生じ易いものとなっている。
【0008】
また、特開平8−117148号公報に示される便器の便座や便蓋の開閉装置における開閉装置223,224は、大きな取り付け部材222が必要であり、便器221の人体が腰掛けるスペースが減少してしまう。また、一方の側のヒンジ225,226が隣接し、他方の側のヒンジ225,226も隣接しているため、上述の特開平4−259424号と同様の問題を有している。さらに、開閉装置223,224は、鏡対称に配置されることと、その緩衝方向を考慮すると、開閉装置207,208と同様に左右同一のものとはできない。このため、この点においても、上述の特開平4−259424号と同様の問題が発生する。
【0009】
また、取り替え可能な便座・便蓋ユニットは、自分の好みのものを簡単に取り付けることができるが、緩衝機能が無いため、閉じる前に手を離すと大きな衝撃音が発生し、他人、特にアパート等における隣人にとって耳障りなものとなっている。
【0010】
また、従来の開閉装置では、便座や便蓋の回動落下時の最終部分でその緩衝力が強く働くバネ部材を回動軸に設けたりしているが、構造が複雑となり、組み立て性が悪くなる。しかも、回動部材の動作トルク変化への微妙な対応がしづらく、使用感的に高級イメージが発生しにくいものとなっている。加えて、装置が大型化し、価格も上昇してしまう。
【0011】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、2つのダンパー装置を使用する場合にも同一な形状および構造のものをそのまま左右に取り付け可能とでき、回動力の規制を徐々に強くできるダンパー装置および洋式便器を提供することを目的とする。また、他の発明は、所定方向の回動に対し、緩衝力をその回動トルクに対応して微妙な変化をつけ易くできると共に、構造的に簡易で部品点数も増加せずコストも上昇せずかつ大型化しないものとすることができるダンパー装置および洋式便器を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明のダンパー装置は、円筒状の内周面を有するケース部材と、このケース部材の円筒状空間内に入り回動部材の回動支点となる支持軸が一体回転可能に係合するロータと、このロータの動きを液体の抵抗力を利用して規制することによって回動部材の所定方向の回動を緩衝する緩衝手段とを有するダンパー装置において、ロータに、支持軸を挿入するため当該ロータを貫通する挿入孔を設け、緩衝手段はロータの所定方向の回転に対して徐々にその動きの規制力を増加させる規制力増加手段を備え、この規制力増加手段として、少なくとも、ケース部材の軸方向端面でロータと対向する部分に設けられ、径方向の幅が所定方向に向かうに従い狭くなる凹部からなる第1の規制力増加手段を備えると共に、規制力増加手段として、ロータの胴部と、ケース部材から内方に突出して形成され胴部の外周面に対向する突出部とから構成される第2の規制力増加手段を備え、胴部の外周面は、円周方向にそれぞれ離間して配置されると共にそれぞれ径の大きさが異なる複数の円弧面と、この複数の円弧面同士をつなぐ平面とから形成される。
【0013】
このように支持軸を入れる挿入孔が貫通されているので、同じダンパー装置を左右に使用したときで、支持軸を入れる方向が左右で違っているときでも、支持軸の挿入が可能となる。このため、各種の形状的な条件があっても左右同一形状のダンパー装置の使用が可能となる。同じ形状のダンパー装置の使用ができると、便器における便座や便蓋等2つのヒンジ部を有する回動部材に対する取り付けの際に余分な注意が不要となり、取り付けミスもなくなる。また、ダンパー装置のコストも低減する。さらに、所定方向の回動に対して徐々に動きの規制力を増す規制力増加手段を設けているので、便座等の回動部材が回動する際の回動トルクに対応する緩衝力を得ることができる。また、ケース部材の軸方向端面でロータと対向する部分に、径方向のが所定方向に向かうに従い狭くなる凹部を設けている。このような凹部を設けることで、ロータが所定方向に回転すると、液体による抵抗力が増し、緩衝力を増大させることができる。さらに、この凹部はケース部材の軸方向端面に設けられるので、きわめて容易に設置することができる。
【0014】
また、他の発明のダンパー装置は、上述のダンパー装置に加え、緩衝手段は、所定方向と逆となる方向に回動部材が回動するときは、その回動を緩衝しないように構成されている。
【0015】
このように、緩衝力を受ける所定方向とは逆の方向に回動部材が回転するときは、緩衝力を受けないようにしているので、緩衝力に方向性が生じ、電気機器の蓋や便器の便座・便蓋等所定方向にはゆっくりと動作させ、反対方向にはすばやく動作させたい場合に使用して好適となる。
【0016】
また、他の発明では、上述の各発明のダンパー装置に加え、突出部と胴部との間に設けられる隙間を、ロータが所定方向に回動したとき、当初はわずかな空隙とし、最終部分ではロータの回動力を阻止する力が働くように両者を圧入状態とする間隔としている。
【0017】
このため、回動部材の所定方向の回動の際の緩衝力は、回動が進むにしたがい確実に増加する。この結果、この装置を便器に取り付けたとき、便座や便蓋がそれぞれダンパー装置によって落下方向の回動を緩衝させられ、便座や便蓋を閉じるとき、途中で手を離しても便器に強く衝突することがなくなり、大きなぶつかり音を発生することがない。また、規制力増加手段の構成が簡易であり、部品点数も増加せずコストも上昇しない。さらに、突出部と胴部との隙間の大きさをわずかに変更することによって各種の回動トルクに対応した微妙な緩衝トルクを得ることができると共に装置も大型化しない。
【0018】
他の発明のダンパー装置は、円筒状の内周面を有するケース部材と、このケース部材の円筒状空間に入りケース部材の内周面に沿って円周方向に回動するロータと、このロータの胴部とケース部材の円周面との間に充填される液体と、ロータとケース部材の内周面との隙間を小さくし、ロータの所定方向の回動時に液体の抵抗力によってロータの回動を緩衝するようにしたダンパー装置において、ケース部材から内方に突出し液体の移動を阻止する突出部となる液体移動阻止突起を設け、胴部の外周面を、円周方向にそれぞれ離間して配置されると共にそれぞれ径の大きさが異なる複数の円弧面と、この複数の円弧面同士をつなぐ平面とから形成し、ロータが所定方向に回動したとき、当初は液体移動阻止突起の先端と胴部の外周面との間にわずかな隙間を構成し、その後ロータに設けた緩衝用突出部が液体移動阻止突起に接近したときにロータの回動を阻止する力が働くように胴部と液体移動阻止突起とが圧入状態となるように形成し、ケース部材の軸方向端面でロータと対向する部分に、径方向の幅が所定方向に向かうに従い狭くなる凹部を設けている。
【0019】
このように、ロータの胴部がケース部材から突出した液体移動阻止突起に圧入することで強い緩衝力を得るようにしているので、回動部材の所定方向の回動の際の緩衝力は、回動が進むにしたがい確実に増加する。この結果、この装置を便器に取り付けたとき、便座や便蓋がそれぞれダンパー装置によって落下方向の回動を緩衝させられ、便座や便蓋を閉じるとき、途中で手を離しても便器に強く衝突することがなくなり、大きなぶつかり音を発生することがない。また、規制力増加手段の構成が簡易であり、部品点数も増加せずコストも上昇しない。さらに、突出部と胴部との隙間の大きさをわずかに変更することによって各種の回動トルクに対応した微妙な緩衝トルクを得ることができると共に装置も大型化しない。また、ケース部材の軸方向端面でロータと対向する部分に、径方向のが所定方向に向かうに従い狭くなる凹部を設けている。このような凹部を設けることで、ロータが所定方向に回転すると、液体による抵抗力が増し、緩衝力を増大させることができる。さらに、この凹部はケース部材の軸方向端面に設けられるので、きわめて容易に設置することができる。
【0020】
さらに、他の発明のダンパー装置は、上述の各発明のダンパー装置に加え、ケース部材の内周面を非円形とし、その非円形は、ロータが所定方向に回動したとき、当初はケース部材の内周面とロータの外周端との間にある程度の大きさの隙間を形成し、その後、その隙間が狭くなるように形成されている。
【0021】
このため、ロータの回動が進むと、ケース部材の内周面との隙間が狭くなるため、液体の抵抗力が増し、緩衝力、すなわちロータの動きを規制する規制力が大きくなっていく。この結果、回動部材の所定方向の回動の際の緩衝力は、回動が進むにしたがい確実に増加する。この結果、この装置を便器に取り付けたとき、便座や便蓋がそれぞれダンパー装置によって落下方向の回動を緩衝させられ、便座や便蓋を閉じるとき、途中で手を離しても便器に強く衝突することがなくなり、大きなぶつかり音を発生することがない。また、規制力増加手段の構成が簡易であり、部品点数も増加せずコストも上昇しない。さらに、突出部と胴部との隙間の大きさをわずかに変更することによって各種の回動トルクに対応した微妙な緩衝トルクを得ることができると共に装置も大型化しない。
【0022】
また、他の発明では、上述の各発明のダンパー装置に加え、ロータの胴部からケース部材側に突出し、ロータの回胴を緩衝するために働く緩衝用突出部をロータの周方向の一部に設け、この緩衝用突出部には、ロータの回転方向によってその係止位置が変位する可動バルブを一体に保持する保持部を設けている。
【0023】
このように、可動バルブを一体に保持する保持部を緩衝用突出部に設けているので、可動バルブをロータの一部として一体的に取り扱うことが可能となる。このため、ダンパー装置の組み立て効率が良くなる。
【0026】
さらに、他の発明では、上述の各発明のダンパー装置に加え、ロータの胴部からケース部材側に突出し、ロータの回胴を緩衝するために働く緩衝用突出部をロータの周方向の一部に設け、この緩衝用突出部には、ロータの回転方向によってその係止位置が変位する可動バルブを取り付け、この可動バルブには、所定方向にロータが回転したとき液体の圧力を受ける受圧部を設け、この受圧部の受圧面をケース部材とロータとの間に充填される液体の抵抗力が働いたとき可動バルブがケース部材側に押される分力が生ずるように内向きの傾斜面としている。
【0027】
可動バルブをこのような構成とすると、ロータが所定方向に回動したとき、液体から受ける圧力で、可動バルブは、ロータに隙間なく密着すると共にケース部材側に押しつけられ、ケース部材とも密着する。このため、液体の逃げ場が少なくなり、液体の抵抗力を確実に高めることができ、緩衝力を得ることができる。
【0028】
また、本発明の洋式便器は、請求項1から請求項9のいずれか1項記載のダンパー装置を、便座のヒンジ部分もしくは便蓋のヒンジ部分または便座もしくは便蓋の少なくとも一方のヒンジ部分に取り付け、その落下方向の回動を緩衝させている。
【0029】
このため、便蓋が無い洋式便器においては、便座に緩衝作用をもたらすことができる。また、便座と便蓋を有する洋式便器においては、便座のみに緩衝作用を効かせたり、便蓋のみに緩衝作用を効かすことができる。さらに、便座のみにこの構造のダンパー装置を設け、便蓋には他の構造のダンパー装置を設けたり、また、逆の関係にしたりすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態のダンパー装置および洋式便器について、図1から図21に基づき説明する。なお、ダンパー装置については、図1から図14に第1の実施の形態を、図15以後に第1の実施の形態の変更例をそれぞれ示す。
【0031】
この洋式便器は、図1に示す便座・便蓋ユニット1が図示しない便器本体に取り付けられることにより構成される。便器本体は、便座・便蓋ユニット1が載置固定される本体部(図示省略)と、洗浄水が溜められているタンク(図示省略)とから主に構成されている。
【0032】
便座・便蓋ユニット1は、図1および図2に示すように、便座11と、便蓋12と、取り付け用ヒンジとなる2つの便座用ヒンジ13,14と、各便座用ヒンジ13,14の外側に配置される取り付け用ヒンジとなる2つの便蓋用ヒンジ部15,16と、一方の便座用ヒンジ13と一方の便蓋用ヒンジ部15との間に設けられる第1のダンパー部17と、他方の便座用ヒンジ14と他方の便蓋用ヒンジ部16との間に設けられる第2のダンパー部18と、第1のダンパー部17に係合する第1の支持軸19と、第2のダンパー部18に係合する第2の支持軸20とから主に構成される。なお、今後、第1の支持軸19と第2の支持軸20を、それぞれ単に支持軸19および支持軸20と呼ぶ。
【0033】
第1のダンパー部17は、第1の取り付け用ケース21と、第1のダンパー装置22とから構成され、第2のダンパー部18は、第2の取り付け用ケース23と、第2のダンパー装置24とから構成されている。なお、便蓋12は、閉じたとき、便座11の上側に重ねられるように配置される。
【0034】
一方の便座用ヒンジ13は、樹脂材で便座11と一体に形成され、便座11の本体部分からタンク側にわずかに突出して形成されている。便座用ヒンジ13には、支持軸19と一体回転可能に係合するための断面長方形状の孔部26を有している。他方の便座用ヒンジ14も、樹脂材で便座11と一体に形成され、全体形状は便座用ヒンジ13と同様に形成されている。そして、便座用ヒンジ14は、支持軸20が回転可能に係合し断面円形の孔部27を有している。
【0035】
一方の便蓋用ヒンジ部15は、便蓋12と一体に樹脂材で形成され、便座用ヒンジ13と対向するように形成されている。そして、便蓋用ヒンジ部15は、支持軸19が回転可能に係合する断面円形の穴部28を有している。他方の便蓋用ヒンジ部16も便蓋12と一体に樹脂材で形成され、便蓋用ヒンジ部15と同様の形状に形成されている。そして、便蓋用ヒンジ16には、支持軸20と一体回転可能に係合するための断面長方形状の穴部29が設けられている。
【0036】
第1のダンパー部17と第2のダンパー部18とは、同一部材で外観形状を含め全く同一の構造となっている。よって、以下、第1のダンパー部17の構造について説明し、第2のダンパー部18の構造についての説明は省略する。なお、理解を容易にするため、図面上には、第2のダンパー部18についても同じ番号を付すこととする。
【0037】
第1のダンパー部17を構成する第1の取り付け用ケース21は、便器本体に取り付けるための固定フランジ31と、この固定フランジ31に設けられる取り付け用孔32と、第1のダンパー装置22(以下両ダンパー装置22,24の共通構造を説明するときはダンパー装置22という)が嵌入する嵌合孔33と、ダンパー装置22の4つのねじ固定部41が嵌合する4つの凹部34と、ダンパー装置22の1つの位置決め用突起42が通過可能となる位置決め平面部35とを有する。
【0038】
ダンパー装置22は、図1から図5に示すように、上述した4つのねじ固定部41と、位置決め用突起42以外に、中央に孔51を有する樹脂材からなるケース52と、ケース52と嵌合すると共に中央に孔53を有する樹脂材からなるカバー54と、孔51,53に嵌入すると共にケース52およびカバー54とで挟み込まれる樹脂材からなるロータ55と、ケース52、カバー54およびロータ55で囲まれる空間に入れられたシリコンの粘性オイル56とから主に構成される。なお、ケース52とカバー54とでケース部材を構成する。
【0039】
ダンパー装置22は、図4に示すように、さらにロータ55の一部を構成すると共に粘性オイル56の移動を制御する樹脂材からなる2つの可動バルブ57,57と、図3に示すように、ロータ55に設けられた溝58,58に入れられ粘性オイル56を封止するためのゴム材からなるオーリング59,59と、ケース52とカバー54とで挟み込まれることで液体状の粘性オイル56を封止するゴム材からなるオーリング60とを有している。
【0040】
ケース52は、図5に示すように、ねじ固定部41を構成する4つの突出部61と、各突出部61をつなぐ4つの円筒部62と、ケース52およびカバー54を一体化するねじ63が挿入される4つのねじ用孔64と、ロータ55の胴部81に当接させるため中心方向に突出した液体移動阻止突起となる2つの軸方向に延びる突出部65,65と、粘性オイル56を保持するための空間を形成するためのオイル空間形成孔66とを有している。
【0041】
なお、孔51の外方側には、便座用ヒンジ13との接触面積を小さくし、取り付け用ケース21との係合と位置決めを行うため外方にわずかに突出した小径の突堤部67が設けられている。また、カバー54側には、カバー54と係合する円形突起52aが設けられ、2つの突出部65,65のカバー54側先端に円柱突起65a,65aが設けられている。また、ねじ63は、セルフタッピング(ねじ溝自己形成)を行うねじとなっている。なお、ケース52とカバー54の固定は、ねじ止めに限らず超音波溶着により固定させても良い。
【0042】
ここで、突出部65,65のロータ55側の先端は、ロータ55の胴部81に面接触可能となるように円弧状面とされている。この突出部65,65の周方向の幅は、角度で20度分に設定されている。また、オイル空間形成孔66は、その孔径φ1が大で可動バルブ57との間に隙間が形成される大孔径部68,68と、可動バルブ57と密接可能とされ大孔径部68より小径φ2となる小孔径部69,69とを有している。
【0043】
なお、大孔径部68,68と小孔径部69,69は、共に、ロータ55の回転軸線を中心として点対称に配置されている。また、この実施の形態では、孔径φ1を18mmとし、その範囲を約60度としている。また、孔径φ2を12mmとしその範囲を約75度としている。そして、大孔径部68と小孔径部69をつなぐ連結部70は直線状とされ、その範囲を約25度としている。
【0044】
カバー54は、図6に示すように、孔53の他に、ねじ固定部41を構成する4つの突出部71と、その突出部71にねじ63を取り付けるための4つのねじ穴71aと、図3に示すように、便座用ヒンジ13の接触面積を小さくし、便座用ヒンジ14や便蓋用ヒンジ部15との回動をスムーズにするため外方にわずかに突出した小径の突堤部72と、オーリング60とケース52の円形突起52aとが入り込む円形溝73と、円柱突起65a,65aが嵌合する2つの円形凹部74,74と、ロータ55が緩衝力(規制力)を増すような方向に回転する場合の方向を所定方向(以下緩衝方向という)とした場合、その緩衝方向に向かって徐々に幅狭となる2つの凹部75とを有している。
【0045】
この凹部75,75は、カバー54の内側で軸方向端面に点対称に設けられている。また、各凹部75は、その端面に対して最も深くなる深凹部75aと、中程度の深さとなる中凹部75bと、最も浅くなる浅凹部75cとをそれぞれ有している。ここで、深凹部75aが最も幅広となり浅凹部75cが最も幅狭かつ先端の幅が零となる形状とされている。なお、この実施の形態では、深凹部75aの深さを2mmとし、中凹部75bの深さを1.5mmとし、浅凹部75cの深さを1.0mmとしている。また、各凹部75の周方向の長さは約110度の角度に渡るように形成されている。さらに、中凹部75bに樹脂成形時のゲート部75dを設け、ゲート部75dを表面に出ないようにしている。
【0046】
ロータ55は、後述する2つの可動バルブ57,57を有すると共に、図7および図8に示すように、オーリング59,59が入れられる溝58,58と、ケース52の突出部65,65が当接可能とされる円柱状の胴部81と、胴部81から外方に突出して設けられ可動バルブ57,57が係合する2つの緩衝用突出部82,82と、胴部81の中央軸線方向に開けられ支持軸19が挿入される挿入孔83と、ケース52とカバー54がそれぞれ突き当たる突き当たり段部84、84とを有している。
【0047】
各緩衝用突出部82には、図9に示す可動バルブ57の腕部93が挿通する溝85と、可動バルブ57の切り欠き凹部94に入り込み、可動バルブ57の外れを阻止する保持部となる係止突起86とが設けられている。各溝85は、外側の大突部82aと、内側の小突部82bと、緩衝用突出部82の土台部82cとで形成される。なお、係止突起86は、大突部82aの先端内側の面から横方向にわずかに突出するようにかつ大突部82aの周方向の幅の一部に形成されている。
【0048】
ロータ55の胴部81は、図8に示すように、それぞれがロータ55の回転軸線を中心として点対称に配置される、小径部87、87、中径部88、88、大径部89、89の3つの異なる径を有する部分に分かれる。すなわち、図8に示すように、胴部81の外周面は、円周方向にそれぞれ離間して配置されると共にそれぞれ径の大きさの異なる小径部87、87の円弧面と、中径部88、88の円弧面と、大径部89、89の円弧面とを備えている。小径部87、87は、もっとも径が小さな部分で、便座11が開かれた状態(=立ち上がった状態)のときに突出部65、65と対向する部分である。このとき、図11(C)に示すように、突出部65、65と小径部87、87との間にはわずかな隙間G4が形成され、粘性オイル56は、その隙間G4を通過可能になっている。
【0049】
中径部88,88は、小径部87,87よりわずかに大きな径とされている部分で、便座11が閉じ方向にある程度傾いたときに突出部65,65と対向する部分である。このとき、図11(B)に示すように、突出部65,65と中径部88,88との間には隙間はなく、設計上、突出部65,65の内径と中径部88,88の外径とは同一長とされている。なお、ロータ55の緩衝用突出部82がケース52の大孔径部68から小孔径部69へ移動する前後の間で、突出部65が中径部88に対向するように形成されている。
【0050】
大径部89,89は、中径部88,88よりわずかに大きな径とされている部分で、便座11が閉じる直前から完全に閉じるまでの間に突出部65,65と対向する部分である。この大径部89,89では、図11(A)に示すように、突出部65,65が大径部89,89に食い込み大きな制動力をロータ55に付与する。
【0051】
なお、この実施の形態では、小径部87の直径φ3を11.2mmとし、中径部88の直径φ4を12mmとし、大径部89の直径φ5を12.35mmとしている。また、小径部87と中径部88との連結部81a、中径部88と大径部89との連結部81bを共に直線としている。すなわち、図8に示すように、小径部87の円弧面と中径部88の円弧面同士が連結部81aの平面によってつなげられ、中径部88の円弧面と大径部89の円弧面同士が連結部81bの平面によってつなげられている。すなわち、胴部81の外周面は、円周方向にそれぞれ離間して配置されると共にそれぞれ径の大きさの異なる小径部87、87の円弧面と、中径部88、88の円弧面と、大径部89、89の円弧面と、小径部87の円弧面と中径部88の円弧面とをつなぐ連結部81aの平面と、中径部88の円弧面と大径部89の円弧面とをつなぐ連結部81bの平面とから形成されている。このように、胴部81の外周は円弧と直線で形成される非円形とされているが、徐々に径が大きくなるらせん状等他の非円形としても良い。この実施の形態では、小径部87の角度を約40度、中径部88の角度を約45度、大径部89の角度を約45度とし、各連結部81a、81bの角度をそれぞれ約15度としている。
【0052】
ロータ55の挿入孔83は、ロータ55を回転軸線方向に貫通する貫通孔となっている。また、挿入孔83の断面形状は、長方形でかつ4つの角部がすべて円形状の曲線とされている。この形状は、支持軸19の断面形状と略同一となっている。
【0053】
粘性オイル56は、ダンパー装置22にダンパー作用、すなわち緩衝作用をもたらすためのもので、ロータ55の回転に対し抵抗力を付与することでその作用を実現している。この実施の形態では、粘性オイル56としてシリコンオイルを採用しているが、他の種類のオイルを使用しても良い。
【0054】
図11に示すように、2つの可動バルブ57,57は、同一形状で、ロータ55の回転軸線を中心として点対称に設置される。可動バルブ57は、図9および図10に示すように、断面三角状のオイル衝突部91と、可動バルブ57の周方向の動きによって緩衝用突出部82から可動バルブ57が外れるのを阻止する爪部92をそれぞれ先端に有する2つの腕部93とから構成される。腕部93には、さらにロータ55の係止突起86(図7参照)が入り込む切り欠き凹部94が設けられている。
【0055】
オイル衝突部91は、液体である粘性オイル56の圧力を受ける受圧部となっている。このオイル衝突部91の前面は、受圧面91aとなっており、粘性オイル56が衝突するとき、可動バルブ57をケース52側に押す分力が生ずるように内向きの傾斜面となっている。この受圧面91aは、この実施の形態においては、ロータ55の中心0に向かう面で、かつ可動バルブ57の中心線L1から17度の開度を持つ面となっている。また、可動バルブ57の上面57aは半径9.5mmの曲面となっており、ケース52の大孔径部68,68の曲面形状と同一となっている。
【0056】
この可動バルブ57は、緩衝用突出部82に対して周方向にわずかに前後動可能とされる。この変位は、係止突起86が切り欠き凹部94内を相対移動することにより行われる。ロータ55が図4で矢示C方向に回動するとき、すなわち、便座11が閉じ方向に回動するとき、可動バルブ57のオイル衝突部91の受圧面91aが粘性オイル56に突き当たり、オイル衝突部91の後方面91bが緩衝用突出部82に当接すると共に、粘性オイル58の抵抗力Fの上方向の分力F1(図10参照)によってケース52側に移動する。すると、オイル衝突部91の回転方向前方に存在する粘性オイル56は逃げ場がなくなり、ロータ55の回動を阻止する力を発生する。これがダンパー力(緩衝力、規制力)の一部となる。
【0057】
一方、ロータ55が図4で矢示D方向に回動するとき、すなわち便座11を開き方向に回動させるとき、可動バルブ57のオイル衝突部91の後方面91bが粘性オイル56の抵抗力を受ける。これにより、オイル衝突部91の後方面91bが緩衝用突出部82から離れるため、オイル衝突部91の回転方向前方に存在する粘性オイル56は、オイル衝突部91の後方面91bと緩衝用突出部82との間に形成される隙間を通過し、回転方向後方側へ移動していく。この結果、ダンパー力はほとんど発生せず、便座11は軽い力で開き方向に動作させられる。
【0058】
ダンパー装置22は、外形的には、位置決め突起42を除いて、中心軸に垂直な線を基準として、左右対称となっている。このため、位置決め平面部35の位置を変更することによって簡単にダンパー方向が逆となるダンパー装置22とすることができる。
【0059】
支持軸19,20は、同一部材となっていると共に、長尺状となっている。各支持軸19,20の断面形状は、長方形で、4つの角部は円形状の曲線となっている。各支持軸19,20の両端には、全周にわたって面取りがされた面取り部が設けられ、各先端は、断面の長方形よりわずかに小径の長方形となっている。各支持軸19,20の両端部は、それぞれ便座用ヒンジ13と便蓋用ヒンジ部15の支持部となり、また、便座用ヒンジ14と便蓋用ヒンジ部16の支持部となる。
【0060】
第1のダンパー部17および第2のダンパー部18を組み込む場合、各種の方法があるが、典型的な方法について説明する。
【0061】
まず、両取り付け用ケース21,23に両ダンパー装置22,24をそれぞれ組み込む。次に、両ダンパー部17,18を、それぞれ便座用ヒンジ13と便蓋用ヒンジ部15の間および便座用ヒンジ14と便蓋用ヒンジ部16の間に入れ、支持軸19を図2の矢示A方向に挿入し、支持軸20を図2の矢示B方向に挿入する。これによって、便座・便蓋ユニット1ができ上がる。そして、両ダンパー部17,18の取り付け用孔32にねじを通し、この便座・便蓋ユニット1を便器本体にねじ固定して取り付ける。
【0062】
便座・便蓋ユニット1が取り付けられた洋式便器の動作ならびに便座11および便蓋12の回動動作に伴う第1および第2のダンパー装置22,24の動作について以下に説明する。
【0063】
当初、便座11と便蓋12は、閉じられているとする。洋式便器を使用したい人が、便座11と便蓋12をタンク方向に回動させ開けようとすると、両ダンパー装置22,24のロータ55,55は、共に図11の矢示D方向に回動する。すなわち、ロータ55は、図11(A)から図11(B),(C)に示す位置へ回動していく。
【0064】
また、可動バルブ57とケース52の内周面との間の隙間G2も零の状態から徐々に大きくなっていく。さらに、可動バルブ57と緩衝用突出部82の土台部82cとの間にも隙間G3が生ずる。このため、空間H,Jに存在していた粘性オイル56は、小突部82b,82b間を通り隙間G1から空間I,Kへそれぞれ抜け出ていく。また、隙間G2,G3を通っていくものもある。この結果、空間H,Jの粘性オイル56は、それほど加圧されず、抵抗力も小さい。すなわち、粘性オイル56は、可動バルブ57によって阻止されず、ほとんど抵抗力が働かない。この結果、便座11と便蓋12は、軽い力で開いていく。
【0065】
また、突出部65,65とロータ55の胴部81は、当初は図11(A)に示すように圧入状態となっているが、図11(B)のように単なる接触状態となり、最後は図11(C)のように大きな隙間G4が生ずるようになる。このため、ロータ55の回転は、当初若干規制されるが、すぐに規制が無い状態となり上述のように、便座11や便蓋12は、軽い力で開いていく。そして、約100度回動すると便蓋12等はタンクに当たりその回動が阻止される。なお、この両ダンパー装置22,24自体は、共に約120度の範囲で回動可能な構成となっている。これは、突出部65の周方向の角度が20度で可動バルブ57の周方向の範囲が約40度となっているためである。
【0066】
洋式便器の使用後、便座11と便蓋12を共に閉じ方向に回動させようとすると、各ロータ55,55は共に図12の矢示C方向に回動する。最初に、可動バルブ57が空間I,K内の粘性オイル56の抵抗を受け、図12(A)に示すように矢示Cとは逆方向に動き、隙間G1が零となる。しかしこのとき、可動バルブ57,57がケース52の大孔径部68に対向し、可動バルブ57との間に隙間G2が発生していることおよび突出部65,65と小径部87,87とが対向し両者間に隙間G4が生じていることによって、便座11と便蓋12は、共に軽く動く。なお、このC方向の回動によって、可動バルブ56は、ケース52方向の分力F1を受けるため、緩衝用突出部82の土台部82cとの間に先ほどと同様な隙間G3が発生する。
【0067】
その後、各ロータ55に設けられた可動バルブ57は、ケース52の小孔径部69に対向し始め、両者間の隙間G2が小さくなり、空間I,K内の粘性オイル56は加圧され、粘性オイル56の抵抗力が増大する。このため、便座11と便蓋12にダンパー力(緩衝力)が作用し始める。すなわち、この段階で便座11や便蓋12から手を離しても、それ程急激には落下(閉じ方向に回動)しない。なお、このとき、ロータ55,55の各中径部88,88は、図12(B)に示すように突出部65,65に当接し隙間G4は零となる。
【0068】
この後、便座11と便蓋12がさらに回動し、各ロータ55,55がさらに矢示C方向に回動していくと、可動バルブ57は、ケース52の小孔径部69に当接し、隙間G2が完全に無くなると共に、その圧接力によって隙間G3も零となる。このため、空間I,K内の粘性オイル56は強く加圧され、抵抗力がさらに増大していく。
【0069】
また、この回動によって、ロータ55,55の大径部89,89が突出部65,65とかみ合い始め、粘性オイル56によるダンパー力に加え、この部分での制動力も作用し始める。これによって、強いダンパー力が働き、便座11と便蓋12は手を離してもきわめてゆっくりと落下していき、便器本体1に強くぶつかることがない。このため、用をたした後、便座11と便蓋12を閉じる際、手を離したとしても、従来生じていた衝撃音は発生しない。
【0070】
なお、図12(B)から(C)への移行に際して、逃げ場を失った空間I,K内の粘性オイル56は、ロータ55の緩衝用突出部82と可動バルブ57のわずかな隙間、ロータ55とケース52との各所におけるわずかな隙間、突出部65と胴部81とのわずかな隙間等のわずかな隙間を通って空間H,Jへ少しずつ移動していく。このときの抵抗力が大きいと便座11や便蓋12はゆっくりと閉じ、抵抗が小さいとそれらは早く閉じることとなる。
【0071】
次に、各部分でのダンパー力の状況を図13に示す。この図13と図12に基づき、ダンパー力の変化を説明する。
【0072】
まず、ケース52の内周面を非円形にしたことによるダンパー力の変化について説明する。図12(A)に示すように開位置(100度)では、可動バルブ57は大孔径部68に対向し、隙間G2を有する状態となっている。そのため、当初は、図13(A)に示すように、ダンパー力は零となっている。その後、ロータ55は、図12の矢示C方向に回転し、連結部70に可動バルブ57は対向し始める。便座11等が開度75度の位置にくると、可動バルブ57の先端が連結部70に当接し始め、ダンパー力が働き始める。さらにロータ55が5度回転すると、小孔径部69への当接を開始する。
【0073】
可動バルブ57の外周の開角度は約40度となっているため、小孔径部69に当接を開始してから徐々にその当接面積を増やし続け、それに従ってダンパー力は一定の傾きをもって増加していく。そして、便座11等の開度が30度になると、可動バルブ57の全面が小孔径部69に当接し、その後は、一定のトルクとなる。このように、ケース52の内周面を非円形にすることで、徐々にダンパー力が大きくなるトルク曲線を得ることができる。このトルク曲線は、ダンパー部材が無い時の便座11や便蓋12が閉じる時の回転モーメントの曲線と近似したものとなる。このため、ケース52の内周面を非円形にすることによってダンパー力を働かせた場合、便座11や便蓋12は、どの角度でもほとんど一定の速度で徐々に閉じるものになり、衝突音は発生しなくなる。
【0074】
次に、ロータ55の胴部81を非円形にしたことによるダンパー力について説明する。このときのトルク曲線を図13(B)に示す。便座11や便蓋12の開角度が100度の位置が開位置となる。この状態は、図12(A)の状態に相当する。便座11等が回動しロータ55が矢示C方向に回転し、10度回転すると、突出部65は、ロータ55の中径部88に当接し始める。このとき、中径部88の直径φ4(図8参照)と両突出部65間の間隔とを同一としているので、ダンパー力はほとんど働かないが、当接面積が増えるにしたがいわずかにダンパー力が増加していく。便座11等が70度になると、突出部65の内面全体が中径部88に当接し、以後約35度の範囲に渡って摩擦力が一定し、一定のダンパー力を得る。
【0075】
その後、突出部65は、直線状の連結部81bに突き当たり、胴部81は圧入状態に移行する。このため、急激にダンパー力は増加していく。ロータ55がさらに15度回転し、便座11等の開角度が30度となると、突出部65は大径部89に当接し始める。そして、次第に大径部89との当接面積を増やしていくため、一定割合で摩擦力が増加し、突出部65の曲面がすべて大径部89と当接すると、トルク力(ダンパー力)が一定する。このようにロータ55の胴部81を非円形にすることで、徐々にダンパー力が大きくなるトルク曲線を得ることができる。よって、このロータ5の胴部81を非円形にしたことによるダンパー力によっても便座11や便蓋12の回転モーメントに対応した開止トルク曲線を得ることが可能となる。
【0076】
次に、カバー54の端面に設けた凹部75によるダンパー力のトルク曲線について図13(C)に基づいて説明する。便座1等が開位置のとき、緩衝用突出部82の凹部75に対向する面は、図14の1点鎖線に示すように、深凹部75aと中凹部75bにまたがるように配置される。このため、空間I,Kの粘性オイル56は、この凹部75,75を通り、空間H,Jへスムーズに移動していく。この結果、便座11等の開角度が100度から90度まではダンパー力は小さくかつその増加率は極めて小さい。開角度が90度となると、緩衝用突出部82は全て中凹部75bに対向し始め、わずかにダンパー力が増加するものの、粘性オイル56の移動はスムーズでありダンパー力はやはり小さい。
【0077】
その後、開角度が80度となると、緩衝用突出部82が浅凹部75cに対向し始め、またさらにダンパー力の増加率が増える。そして、開角度が60度となると、緩衝用突出部82がすべて浅凹部75cに対向し、粘性オイル56の移動はかなり規制され、ダンパー力の増加率がさらに大きくなる。そして、開角度が30度近くなると、この凹部75の作用だけでみた場合、無限大に近くなるが、空間I,Kの粘性オイル56は、他の隙間等から凹部75に入り込む。このため無限大のトルクとはならない。
【0078】
そして、開角度30度となると、図14の2点鎖線で示すように凹部75から緩衝用突出部82が外れ始める。このとき、緩衝用突出部82とカバー54の端面が完全には密着していないので、わずかな隙間により空間I,Kの粘性オイル56が凹部75他に流れ込む。その流れ込みは、緩衝用突出部82が回動していくのにしたがい少なくなる。すなわちダンパー力は徐々に大きくなる。そして、開角度が10度となると、緩衝用突出部82は完全に凹部75から外れる。この後は、ほとんど一定のトルク力となる。このように、この凹部75によって便座11や便蓋12の回転モーメントに対応した閉止トルク曲線を得ることができる。
【0079】
以上の3つのダンパー力を合わせることによって個々のトルク曲線より、さらに便座11や便蓋12の回転モーメントに対応した閉止トルク曲線を得ることができる。なお、ケース52の非円形形状、ロータ55の非円形形状、カバー54の凹部75の 円形の凹形状、粘性オイル56の粘度などを変更することにより、各種の便座11、便蓋12の回転モーメントに対応した閉止トルク曲線を容易に得ることができる。また、図13に示す各トルク曲線のダンパー力は、絶対値を示すものではなく、各曲線は、トルクの傾向を説明するための模式的な曲線としている。
【0080】
便座11と便蓋12を開いた後に、便座11のみを閉じようとする場合、便座用ヒンジ13,14が回動するが、支持軸20に対して便座用ヒンジ14は自由に回動できるため、第2のダンパー装置24は、便座11を緩衝させるものとしては機能しない。一方、便座用ヒンジ13は、支持軸19に対して一体回転可能に係合しているので、便座11の閉じ方向の回動に対して、第1のダンパー装置22のみがダンパー力を作用させることとなる。このときの第1のダンパ装置22の動作は、上述の便座11と便蓋12を同時に閉じさせる場合の第1のダンパー装置22の動作と同様となる。
【0081】
便座11が閉じた状態で、さらに便蓋12を閉じようとすると、今度は、便蓋用ヒンジ部15は、支持軸19に対して自由に回動可能とされているので、第1のダンパー装置22は、便蓋用ヒンジ部15に対してはダンパー力を発生しない。他方の便蓋用ヒンジ部16は、支持軸20に対して一体回転可能に係合しており、便蓋12の閉じ方向の回動に対しては第2のダンパー装置24のみがダンパー力を作用させることとなる。このときの第2のダンパー装置24の動作は、先に示した、便座11と便蓋12を同時に閉じさせる場合の第2のダンパー装置24の動作と同様となる。
【0082】
なお、カバー54の端面に設けられる凹部75の断面形状を、図15に示すように最深部75eと、その部分から徐々に浅くなる徐浅部75fとを設けるようにすると、便座11等の回転モーメントに一層対応した開止感覚のものとすることができる。また、凹部75としては、図16に示すように、径方向の幅を段階的にせばめると共に凹部75の深さを徐々に浅くなるようなものとしても良い。なお、図16(A)の1点鎖線で示すように、幅を一定とし、深さを図16(B)のようにしたり、図16(A)のように幅を段階的にせばめるか図6のように徐々に幅を狭めるかのいずれか一方を採用し、かつ深さを一定のものとしても良い。なお、この図14から図16に示す構造や上述した構造は、本発明の他の実施の形態のダンパー装置にも適用することができる。
【0083】
上述の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施可能である。たとえば、上述の実施の形態では便座用ヒンジ13,14を便座11と一体に設け、かつ便蓋用ヒンジ部15,16を便蓋12と一体に設けているが、図17から図19に示すように、便座11と便座用ヒンジ163,164とを別体化させ、便蓋12と便蓋用ヒンジ165,166とを別体化させた構造としても良い。
【0084】
この便座・便蓋ユニット161は、本体部5とタンク6とから構成される便器本体2に取り付けられる。そして、第1のダンパー部17が便座用ヒンジ163と便蓋用ヒンジ165との間に設置され、第2のダンパー部18が便座用ヒンジ164と便蓋用ヒンジ166との間に設置される。
【0085】
また、上述の実施の形態において、取り付け用ケース21と、第1のダンパー装置22のケース52を一体化し、取り付け用ケース23と、第2のダンパー装置24のケース52とを一体化したものとしても良い。
【0086】
また、ダンパー装置22,24を両ヒンジ間に設けるのではなく、各ヒンジの内側に設けたり(図20参照)、逆に外側(両最側方)に設けても良い。図20の便座・便蓋ユニット171では、便座11のヒンジ部13,14が、便蓋12のヒンジ部15,16と両ダンパー部17,18の間にそれぞれ挟まれるように配置されている。また、便座11が閉じ方向に動作するとき、その動きが便蓋12に影響しないように、ヒンジ部13,15とヒンジ部14,16の各隙間gを広くしている。なお、図20では、ダンパー装置22,24を使用した例を示すと共に、支持軸19,20の一体回転可能に係合している部分に横線を付して分かり易くしている。
【0087】
また、可動バルブ57,116の形状を図21(A)に示すように、切り欠き凹部94を設けず、一方、ロータ55,115の係止突起86を設けないようにしても良い。さらに、図21(B)に示すように腕部93,93をつなぐ腕部97を設けるようにしたり、図21(C)に示すように1つの腕部98と横方向に伸びる横腕部99とを有するものとしても良い。なお、図21(B)(C)の可動バルブの腕部に切り欠き凹部を設けても良い。
【0088】
また、第1のダンパー部17のみを設けて便座11のみにダンパー力を作用させたり、第2のダンパー部18のみを設けて便蓋12のみにダンパー力を作用させても良い。さらには、便蓋12を設けないようにしても良い。便蓋12を設けない場合、便座11の一方の便座用ヒンジ部分のみにダンパー部を設ける構造と、両側の便座用ヒンジを対称形状にし、それぞれの側方にダンパー部を設ける構造と、両側の便座用ヒンジの間隔を狭くし、その間に1個の便器用ダンパー装置を設け、支持軸の両端または一端でダンパー作用を効かせる構造の3種類の構成が考えられる。
【0089】
また、突出部65,65に、ねじ63を挿入するねじ用孔を設ける用にしても良い。また、カバー54の表面に、軽量化と強度を増すための肉ぬすみ用の小さな円形凹部を設けても良い。さらに、可動バルブ57のオイル衝突部91の構成は上述の実施の形態に限定されることはなく、特に受圧面91aの傾斜角度をさらに大きくしたり、小さくしても良い。
【0090】
また、ダンパー装置22,24を便器用に設けるのではなく、他の回動部材の動作、例えば、電子機器の蓋部材の開閉用に使用しても良い。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、2つのダンパー装置を使用する場合にも、同一な形状および構造のものをそのまま左右に取り付け可能とでき、回動力の規制を徐々に強くできるダンパー装置および洋式便器を得ることができる。また、他の発明では、所定方向の回動に対し緩衝力をその回動トルクに対応して微妙な変化をつけ易くできると共に、構造的に簡易で部品点数も増加せず、コストも上昇せずかつ大型化しないダンパー装置および洋式便器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のダンパー装置を組み込んだ便座・便蓋ユニットの分解斜視図である。
【図2】図1の便座・便蓋ユニットのヒンジ部周辺の構造を示す一部断面平面図である。
【図3】図1の便座・便蓋ユニットに使用されているダンパー装置を軸方向に切断した断面図で、可動バルブを取り外した状態の図である。
【図4】図3の矢示A方向から見た一部断面側面図である。
【図5】図1の便座・便蓋ユニットに使用されているダンパー装置のケースの内側を示す正面図である。
【図6】図1の便座・便蓋ユニットに使用されているダンパー装置のカバーの内側を示す正面図である。
【図7】図1の洋式便器および便座・便蓋ユニットに使用されているダンパー装置の可動バルブを取り外した状態のロータの正面図である。
【図8】図7のA−A線断面図である。
【図9】図1の便座・便蓋ユニットに使用されているダンパー装置のロータ部分の可動バルブを示す図で、(A)はその平面図で、(B)は(A)の矢示B方向から見た側面図である。
【図10】図1の便座・便蓋ユニットに使用されているダンパー装置のロータ部分の分解斜視図である。
【図11】図1の便座・便蓋ユニットに使用されているダンパー装置の動作を説明するための図で、(A)は便座等が閉位置のときを示し、(B)は便座等を開ける途中を示し、(C)は完全に開けられた状態を示す図である。
【図12】図1の便座・便蓋ユニットに使用されているダンパー装置の動作を説明するための図で、(A)は便座等が開位置のときを示し、(B)は便座等を閉じる途中を示し、(C)は完全に閉じた状態を示す図である。
【図13】図1の便座・便蓋ユニットに使用されているダンパー装置のダンパー力(緩衝力)と便座等の開角度との関係を示す図で、(A)はケース内周面の非円形によるトルク曲線を示し、(B)はロータの胴部の非円形によるトルク曲線を示し、(C)はカバー端面の凹部によるトルク曲線を示している。
【図14】図1の便座・便蓋ユニットに使用されているダンパー装置のカバー端面に設けられる凹部を周方向に切断した断面図である。
【図15】図1の便座・便蓋ユニットに使用されているダンパー装置のカバー端面に設けられる凹部の他の例を示す断面図である。
【図16】図1の便座・便蓋ユニットに使用されているダンパー装置のさらに他の例を示し、(A)はカバーの内面側の平面図で、(B)は(A)のB−B線部分断面図である。
【図17】本発明の洋式便器に使用される他の便座・便蓋ユニットの例を示す平面図である。
【図18】図17の便座・便蓋ユニットの矢示A方向から見た側面図である。
【図19】図17の便座・便蓋ユニットの斜視図である。
【図20】本発明の洋式便器に使用されるさらに他の便座・便蓋ユニットの例を示す平面断面図である。
【図21】図1のダンパー装置等に使用される可動バルブの変更例を示す斜視図で、(A)は切り欠き凹部を設けない第1の変形例で、(B)は第2の変形例で、(C)は第3の変形例である。
【図22】従来の便座および便蓋の開閉装置を示す要部分解斜視図である。
【図23】従来の他の便座や便蓋の開閉装置を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 便座・便蓋ユニット
11 便座(便器用回動部材)
12 便蓋(便器用回動部材)
13,14 便座用ヒンジ
15,16 便蓋用ヒンジ部
17 第1のダンパー部
18 第2のダンパー部
19 第1の支持軸
20 第2の支持軸
22 第1のダンパー装置
24 第2のダンパー装置
52 ケース(ケース部材)
54 カバー(ケース部材)
55 ロータ
56 粘性オイル(液体)
57 可動バルブ(規制力増加手段の一部)
65 突出部(液体移動阻止突起、規制力増加手段の一部)
68 ケースの大孔径部(規制力増加手段の一部)
69 ケースの小孔径部(規制力増加手段の一部)
70 ケースの連結部(規制力増加手段の一部)
75 カバーの凹部(規制力増加手段の一部)
81 ロータの胴部
81a,81b ロータの胴部の連結部(規制力増加手段の一部)
82 緩衝用突出部
83 挿入孔
86 係止突起(保持部)
87 ロータの胴部の小径部(規制力増加手段の一部)
88 ロータの胴部の中径部(規制力増加手段の一部)
89 ロータの胴部の大径部(規制力増加手段の一部)

Claims (8)

  1. 円筒状の内周面を有するケース部材と、このケース部材の円筒状空間内に入り回動部材の回動支点となる支持軸が一体回転可能に係合するロータと、このロータの動きを液体の抵抗力を利用して規制することによって上記回動部材の所定方向の回動を緩衝する緩衝手段とを有するダンパー装置において、
    上記ロータに、上記支持軸を挿入するため当該ロータを貫通する挿入孔を設け、
    上記緩衝手段は、上記ロータの所定方向の回転に対して徐々にその動きの規制力を増加させる規制力増加手段を備え、
    この規制力増加手段として、少なくとも、上記ケース部材の軸方向端面で上記ロータと対向する部分に設けられ、径方向の幅が上記所定方向に向かうに従い狭くなる凹部からなる第1の規制力増加手段を備えると共に、
    上記規制力増加手段として、上記ロータの胴部と、上記ケース部材から内方に突出して形成され上記胴部の外周面に対向する突出部とから構成される第2の規制力増加手段を備え、
    上記胴部の外周面は、円周方向にそれぞれ離間して配置されると共にそれぞれ径の大きさが異なる複数の円弧面と、この複数の円弧面同士をつなぐ平面とから形成されることを特徴とするダンパー装置。
  2. 前記緩衝手段は、前記所定方向と逆となる方向に前記回動部材が回動するときは、その回動を緩衝しないように構成されたことを特徴とする請求項1記載のダンパー装置。
  3. 前記突出部と前記胴部との間に設けられる隙間を、前記ロータが前記所定方向に回動したとき、当初はわずかな空隙とし、最終部分ではロータの回動力を阻止する力が働くように両者を圧入状態とする間隔としたことを特徴とする請求項1または2記載のダンパー装置。
  4. 円筒状の内周面を有するケース部材と、このケース部材の円筒状空間に入り上記ケース部材の内周面に沿って円周方向に回動するロータと、このロータの胴部と上記ケース部材の円周面との間に充填される液体とを備え、上記ロータと上記ケース部材の内周面との隙間を小さくし、上記ロータの所定方向の回動時に上記液体の抵抗力によって上記ロータの回動を緩衝するようにしたダンパー装置において、
    上記ケース部材から内方に突出し上記液体の移動を阻止する突出部となる液体移動阻止突起を設け、
    上記胴部の外周面を、円周方向にそれぞれ離間して配置されると共にそれぞれ径の大きさが異なる複数の円弧面と、この複数の円弧面同士をつなぐ平面とから形成し、
    上記ロータが上記所定方向に回動したとき、当初は上記液体移動阻止突起の先端と上記胴部の外周面との間にわずかな隙間を形成し、その後上記ロータに設けた緩衝用突出部が上記液体移動阻止突起に接近したときに上記ロータの回動を阻止する力が働くように上記胴部と上記液体移動阻止突起とが圧入状態となるように構成し、
    上記ケース部材の軸方向端面で上記ロータと対向する部分に、径方向の幅が上記所定方向に向かうに従い狭くなる凹部を設けたことを特徴とするダンパー装置。
  5. 前記ケース部材の内周面を非円形とし、その非円形は、前記ロータが前記所定方向に回動したとき、当初は前記ケース部材の内周面と前記ロータの外周端との間にある程度の大きさの隙間を形成し、その後、その隙間が狭くなるように形成されたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のダンパー装置。
  6. 前記ロータの胴部から前記ケース部材側に突出し、前記ロータの回動を緩衝するために働く緩衝用突出部を前記ロータの周方向の一部に設け、この緩衝用突出部には、前記ロータの回転方向によってその係止位置が変位する可動バルブを一体に保持する保持部を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載のダンパー装置。
  7. 前記ロータの胴部から前記ケース部材側に突出し、前記ロータの回動を緩衝するために働く緩衝用突出部を前記ロータの周方向の一部に設け、この緩衝用突出部には、前記ロータの回転方向によってその係止位置が変位する可動バルブを取り付け、この可動バルブには、前記所定方向に前記ロータが回転したとき前記液体の圧力を受ける受圧部を設け、この受圧部の受圧面を前記ケース部材と前記ロータとの間に充填される液体の抵抗力が働いたとき上記可動バルブが前記ケース部材側に押される分力が生ずるように内向きの傾斜面としたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載のダンパー装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項記載のダンパー装置を、便座のヒンジ部分もしくは便蓋のヒンジ部分または便座もしくは便蓋の少なくとも一方のヒンジ部分に取り付け、その落下方向の回動を緩衝させたことを特徴とする洋式便器。
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