JP3837995B2 - 定期フラッシング前におけるインク滴吐出検査の実行 - Google Patents
定期フラッシング前におけるインク滴吐出検査の実行 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷装置のノズルのインク滴の吐出検査、フラッシングおよびクリーニングを行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの出力装置として、数色のインクをヘッドから吐出するタイプのプリンタが広く普及している。このようなプリンタの中には、インクの増粘による吐出不良を防止するために、所定の時間間隔をおいてノズルからインク滴を吐出する「定期フラッシング」を行うものがある。また、定期的にインク滴の吐出検査を行って、不動作ノズルが検出された場合にはノズルのクリーニングを行うものがある。これらの定期フラッシング、定期的なインク滴の吐出検査およびノズルのクリーニングは、印刷における主走査と主走査の間に行われる場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、印刷の主走査の合間に、定期フラッシングおよび定期的なインク滴の吐出検査を、それぞれの都合に応じたタイミングで行ったのでは、印刷を中断する回数が多くなり、全体として印刷を終了するまでに要する時間が長くなる。また、フラッシングの後に吐出検査やノズルのクリーニングを行ったのでは、その間に再びインクの粘度が増し、その後の印刷においてフラッシングの効果を十分に生かすことができないことがある。
【0004】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、各ノズルのフラッシングやインク滴の吐出検査を効率よく行う技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、以下のような印刷装置を対象としてその制御を行う。なお、以下では、インク滴の吐出検査を「ドット抜け検査」とも表記する。本発明が対象とするのは、複数のノズルからインク滴を吐出することによって印刷媒体に印刷を行う印刷装置であって、複数のノズルを有する印刷ヘッドと、ノズルを駆動してインク滴を吐出させるヘッド駆動部と、印刷ヘッドを主走査方向に沿って双方向に駆動して主走査を行う主走査駆動部と、インク滴によって光が遮られたか否かによって複数のノズルからのインク滴の吐出の有無を検査する検査部と、各部を制御するための制御部と、を備える印刷装置である。印刷ヘッドの主走査方向の移動可能な範囲は、印刷ヘッドがノズルからインク滴を吐出して印刷媒体に印刷を行う印刷領域を有している。印刷ヘッドの主走査方向の移動可能な範囲は、さらに、インク滴の吐出検査を行うための検査領域と、印刷領域と検査領域との間に設けられ複数のノズルのフラッシングを行うためのフラッシング領域と、を含む調整領域を有している。
【0006】
本発明では、特定の事象から一定時間以上経過したときには、フラッシング領域において、複数のノズルの定期フラッシングを実行する。そして、定期フラッシングを実行するときには、複数のノズルが設けられた印刷ヘッドがノズルからインク滴を吐出して印刷媒体に印刷を行う印刷領域において、印刷ヘッドが印刷を実行した後であって、複数のノズルのインク滴の吐出検査とフラッシングとを行うための調整領域に印刷ヘッドが到達した時点であって、印刷ヘッドが調整領域から印刷領域に戻る前に、フラッシング領域で定期フラッシングを行う前の時点で、検査領域において吐出検査を実行する。
【0007】
このような態様とすれば、フラッシングの後にインク滴の吐出検査を経ないで印刷を行うことができる。よって、インク滴の吐出検査を行ってもフラッシングの効果を損なうことがない。すなわち、このような態様とすれば、ノズル検査及び定期フラッシングを同時に行うことができ、さらに、フラッシングの効果を有効に生かして印刷を行うことができる。
【0008】
なお、定期フラッシングを実行するときには、主走査のうち印刷ヘッドが印刷領域から調整領域に向かう向きの走査である復路において、調整領域で吐出検査を実行し、主走査のうち印刷ヘッドが調整領域から印刷領域に向かう向きの走査である往路において、調整領域で定期フラッシングを実行することが好ましい。
【0009】
このような態様とすれば、印刷領域から調整領域に退出して再び印刷領域に戻るまでの復路と往路において、吐出検査とフラッシングの両方を行うことができる。そして、それぞれ吐出検査とフラッシングを往路と復路で行うため、一つの行程で両方行う場合に比べて、調整領域として必要な距離が短い。しかも、フラッシングのあとに検査を経ないで印刷を行うことができる。
【0010】
また、調整領域に、吐出検査を行うための検査領域と、複数のノズルのクリーニングを行うためのクリーニング領域と、を設け、そのクリーニング領域は検査領域を挟んで印刷領域の反対側に設け、復路における吐出検査においてインク滴を吐出しない不動作ノズルが検出された場合には、クリーニング領域で複数のノズルのクリーニングを実行することが好ましい。このような態様とすれば、調整領域において、復路から往路に至る一つづきの流れの中で、印刷ヘッドの送りの向きを変えることなく、吐出検査とクリーニングとフラッシングを行うことができる。
【0012】
このような態様においては、フラッシング領域と検査領域が別に設けられているため、復路において、必要に応じて吐出検査とフラッシングの両方を行うことができる。また、フラッシング領域が印刷領域と検査領域との間に設けられているため、復路と往路とのいずれで吐出検査をする場合にも、フラッシングの前に吐出検査を行うことができ、フラッシングの後、吐出検査を経ないで印刷を行うことができる。
【0013】
また、調整領域に、さらに、複数のノズルのクリーニングを行うためのクリーニング領域を設け、そのクリーニング領域は、検査領域を挟んでフラッシング領域の反対側に設け、少なくとも復路において、検査領域で吐出検査を実行し、吐出検査においてインク滴を吐出しない不動作ノズルが検出された場合には、クリーニング領域でクリーニングを実行することが好ましい。
【0014】
このような態様とすれば、調整領域において、復路から往路に至る一つづきの流れの中で、印刷ヘッドの送りの向きを変えることなく、吐出検査とクリーニングとフラッシングを行うことができる。そして、必要に応じて、復路と往路の両方で吐出検査を行うことができる。
【0015】
なお、往路と復路の二つの行路のうちいずれか一方においては印刷領域における印刷を実行せず、他方の行路に比べて印刷ヘッドを高速で送り、印刷ヘッドがより高速で移動する行路において吐出検査を実行するときには、吐出検査の前に、印刷ヘッドの送り速さを吐出検査に適した速さに減速することが好ましい。
【0016】
このような態様においては、印刷を行わない行程においては印刷ヘッドを速く送るため、印刷に要する時間を短くすることができる。しかも、吐出検査の前に印刷ヘッドの送り速さを吐出検査に適した速さに減速するので、同時に吐出検査の精度も確保することができる。
【0017】
なお、本発明は、以下に示すような種々の態様で実現することが可能である。
(1)印刷装置または印刷制御装置。
(2)印刷方法、印刷制御方法または印刷装置の保全方法。
(3)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラム。
(4)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体。
(5)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を次のように分けて順次説明する。
A.第1実施例:
A−1.装置の構成:
A−2.フラッシング:
A−3.クリーニング:
A−4.ドット抜け検査:
A−5.第1実施例の手順:
A−6.第1実施例の効果:
A−7.第1実施例の変形例:
B.第2実施例:
B−1.装置の構成:
B−2.第2実施例の手順:
B−3.第2実施例の効果:
C.変形例:
【0019】
A.第1実施例:
A−1.装置の構成:
図1は、本発明の一実施例としてのカラーインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図である。このプリンタ20は、用紙スタッカ22と、図示しないステップモータで駆動される紙送りローラ24と、プラテン板26と、キャリッジ28と、ステップモータ30と、ステップモータ30によって駆動される牽引ベルト32と、キャリッジ28のためのガイドレール34とを備えている。キャリッジ28には、多数のノズルを備えた印刷ヘッド36が搭載されている。
【0020】
印刷用紙Pは、用紙スタッカ22から紙送りローラ24によって巻き取られて、プラテン板26の表面上を副走査方向へ送られる。キャリッジ28は、ステップモータ30により駆動される牽引ベルト32に牽引されて、ガイドレール34に沿って主走査方向に移動する。主走査方向は、副走査方向に垂直である。なお、印刷ヘッド36による印刷は、この主走査においてプラテン板26上の印刷用紙Pに対して行われるが、この印刷が行われるプラテン板26上の領域を「印刷領域」と呼ぶ。
【0021】
図2は、ドット抜け検査が行われる検査領域の近傍におけるプリンタの構成を示す説明図である。印刷領域の外側(図1において右側)のガイドレール34下方には、ドット抜け検査部40と、廃インク受け46と、クリーニング機構200が設けられている。なお、図1および図2においては、クリーニング機構200はヘッドキャップ210のみ示し、他の構成は省略している。印刷ヘッド36がガイドレール34に沿って主走査方向に移動する行路のうち、このドット抜け検査部40と、廃インク受け46と、ヘッドキャップ210が設けられている領域を、上記「印刷領域」に対して「調整領域」とよぶ。
【0022】
ドット抜け検査部40は、発光部40aと受光部40bとを備えており、これらを利用してインク滴の飛行状態を調べることによってドット抜けを検査する。ドット抜け検査部40による検査の詳細な内容については後述する。
【0023】
廃インク受け46は、ドット抜け検査の際にノズルから吐出されるインク滴を受ける容器である。この廃インク受け46の底部には、インク滴のはね防止のためのフェルトが敷かれている。また、印刷ヘッド36のノズルについては、インクの増粘による吐出不良の防止のために所定の時間間隔をおいてノズルからインク滴を吐出する「フラッシング」が行われるが、このフラッシングも廃インク受け46上で行われる。そして、その際に吐出されるインク滴も廃インク受け46が受ける。すなわち、ドット抜け検査とフラッシングは同じ場所で行われるため、印刷ヘッド36を廃インク受け46上に一旦停止させて順に行うのでない限り、主走査の同一行路で印刷ヘッド36を送りながらドット抜け検査とフラッシングの両方を行うことはできない。なお、この廃インク受け46上の領域でインク滴の吐出検査を行うことから、印刷ヘッド36の主走査方向の移動範囲のうち、この廃インク受け46上の領域を「検査領域」とよぶ。
【0024】
ヘッドキャップ210は、機密性のあるキャップであり、印刷をしないときに印刷ヘッド36に被せてノズル内のインクの乾燥を防止するものである。また、ノズルが詰まった場合にも印刷ヘッド36にヘッドキャップ210を被せて、後述するクリーニングを実行する。なお、このヘッドキャップ210上の領域でノズルクリーニングを行うことから、印刷ヘッド36の主走査方向の移動範囲のうち、このヘッドキャップ210上の領域を「クリーニング領域」とよぶ。
【0025】
図3は、プリンタ20の電気的な構成を示すブロック図である。プリンタ20は、ホストコンピュータ100から供給された信号を受信する受信バッファメモリ50と、印刷データを格納するイメージバッファ52と、プリンタ20全体の動作を制御するシステムコントローラ54と、メインメモリ56と、タイマ58と、を備えている。システムコントローラ54には、キャリッジモータ30を駆動する主走査駆動ドライバ61と、紙送りモータ31を駆動する副走査駆動ドライバ62と、ドット抜け検査部40を駆動する検査部ドライバ63と、印刷ヘッド36を駆動するヘッド駆動ドライバ66とが接続されている。
【0026】
ホストコンピュータ100のプリンタドライバ(図示せず)は、ユーザの指定した印刷モード(高速印刷モード、高画質印刷モード等)に基づいて、印刷動作を規定する各種のパラメータ値を決定する。このプリンタドライバは、さらに、これらのパラメータ値に基づいて、その印刷モードで印刷を行うための印刷データを生成して、プリンタ20に転送する。転送された印刷データは、一旦、受信バッファメモリ50に蓄えられる。プリンタ20内では、システムコントローラ54が、受信バッファメモリ50から印刷データの中から必要な情報を読取り、これに基づいて、各ドライバに対して制御信号を送る。
【0027】
イメージバッファ52には、受信バッファメモリ50で受信された印刷データを色成分毎に分解して得られた複数の色成分の印刷データが格納される。ヘッド駆動ドライバ66は、システムコントローラ54からの制御信号に従って、イメージバッファ52から各色成分の印刷データを読出し、これに応じて印刷ヘッド36に設けられた各色のノズルアレイを駆動する。
【0028】
A−2.フラッシング:
印刷ヘッドに設けられたノズルのうち使用頻度の低いノズルについては、使用されない間に、ノズル内のインクから揮発成分が抜けていき、インクの粘度が少しずつ増加(増粘)して、吐出されるインク滴の飛行速度が小さくなる現象が起きる。あまりに長期間使用されないノズルでは、インクの増粘が進んでノズルが目詰まりする場合もある。目詰まりには至らないまでも、吐出するインク滴の飛行速度が一部のノズルで小さくなり、その結果、ノズルごとのインク滴の飛行速度のばらつきが大きくなると、印刷画質が損なわれてしまう。すなわち、ヘッドは印刷媒体に対して相対移動しながらインク滴を吐出するので、飛行速度にばらつきが生じると、インク滴が印刷媒体上に到達する位置(着弾位置、すなわちインクドットが形成される位置)にばらつきが生じ、印刷画質の悪化を引き起こすのである。
【0029】
このようなインクの増粘による画質の悪化を避けるために、印刷装置20ではフラッシング(空打ち)と呼ばれる動作を行う。これは、全ノズルからインク滴を強制的に吐出して増粘インクを排出する動作である。定期的なフラッシングを行ってインクの増粘を防げば、インクの増粘による画質の悪化を回避することができる。ノズルの使用頻度は、印刷しようとする画像に依存するのはもちろんのこと、得ようとする印刷画質や印刷速度の設定等によっても複雑に変化するので、予めどのノズルでいつ頃増粘が起きるかを予測することは困難である。このため、フラッシングは、インク滴の定期的な排出を全ノズルについて実施する。
【0030】
このフラッシングは、通常のインク滴の吐出動作と同様に、ヘッド駆動ドライバ66によってノズルからインク滴が吐出されて行われる。したがって、特にフラッシングのための機構が設けられているわけではない。ただし、吐出するインク滴を受けるために、廃インク受け46が設けられている。すなわち、フラッシングは、検査領域(図2)で、印刷ヘッド36が廃インク受け46上に位置する状態で行う。
【0031】
A−3.クリーニング:
図4は、クリーニング機構200の構成を示す概念図である。クリーニング機構200は、ヘッドキャップ210と、ホース220と、ポンプローラ230とを備えている。このクリーニング機構200は、図1の廃インク受け46を挟んでプラテン版の反対側に設けられている。なお図1では、ヘッドキャップ210以外のクリーニング機構200の構成については、図示を省略している。
【0032】
ヘッドキャップ210の箱体212の上面には、ゴム枠214が設けられている。クリーニングを行う場合には、クリーニング時に印刷ヘッド36が主走査方向のクリーニング領域(図2)に移動すると、ヘッドキャップ210が上昇して印刷ヘッド36の下面にゴム枠214が密着する。この結果、印刷ヘッド36の下面とヘッドキャップ210とによって閉空間が形成される。
【0033】
ポンプローラ230は、その周縁部の近傍に2つの小ローラ232,234を有している。これらの2つの小ローラ232,234の周囲には、ホース220が巻回されている。紙送りモータ31(図2)に駆動されてポンプローラ230が矢印A方向に回転すると、小ローラ232,234によってホース220内の空気が押され、これによってヘッドキャップ210内の閉空間が排気される。この結果、印刷ヘッド36の各ノズルからインクが吸引され、ホース220を介して図示しない廃インク排出部に排出される。また、ノズル先端に存在するインクが排出されると、インクカートリッジ側から新しいインクがノズルに供給される。
【0034】
A−4.ドット抜け検査:
(1)ドット抜け検査部の構成:
図5は、ドット抜け検査部40の構成と、その検査方法の原理を示す説明図である。図5は、印刷ヘッド36を下面側から見た図であり、印刷ヘッド36の6色分のノズルアレイと、第1のドット抜け検査部40を構成する発光部40aおよび受光部40bが描かれている。
【0035】
印刷ヘッド36の下面には、ブラックインクを吐出するためのブラックインクノズル群KD と、濃シアンインクを吐出するための濃シアンインクノズル群CD と、淡シアンインクを吐出するための淡シアンインクノズル群CL と、濃マゼンタインクを吐出するための濃マゼンタインクノズル群MD と、淡マゼンタインクを吐出するための淡マゼンタインクノズル群ML と、イエローインクを吐出するためのイエローインクノズル群YD とが形成されている。
【0036】
なお、各ノズル群を示す符号における最初のアルファベットの大文字はインク色を意味しており、また、添え字の「D 」は濃度が比較的高いインクであることを、添え字の「L 」は濃度が比較的低いインクであることを、それぞれ意味している。なお、イエローインクノズル群YD の添え字「D 」は、このノズル群から吐出されるイエローインクが、濃シアンインクおよび濃マゼンタインクとほぼ等量ずつ混合されたときにグレー色となることを意味している。また、ブラックインクノズル群KD の添え字「D 」は、これらから吐出されるブラックインクがグレー色では無く、濃度100%の黒色であることを意味している。
【0037】
各ノズル群の複数のノズルは副走査方向SSに沿ってそれぞれ整列している。印刷時には、キャリッジ28(図1)とともに印刷ヘッド36が主走査方向MSに移動しつつ、各ノズルからインク滴が吐出される。
【0038】
発光部40aは、外径が約1mm以下の光束Lを射出するレーザである。このレーザ光Lは、図5に示すように、副走査方向SSにからやや傾いた方向に射出され、受光部40bで受光される。
【0039】
(2)ドット抜け検査の原理:
図6は、ドット抜け検査の検査方法の原理を示す拡大図である。ドット抜け検査の際には、まず、図5の矢印ARで示されているように印刷ヘッド36を一定速度で移動させて、濃イエローYD のノズル群から順にレーザ光Lに近づけていく。このとき、レーザ光Lは、図6のように、印刷ヘッド36が送られるにつれて、濃イエローYD のノズル群の後端からノズル#48,#47,#46,,,の順に各ノズルの下方を(相対的に)横切ることとなる。なおここでは、印刷ヘッド36の1色分のノズル群がそれぞれ48個のノズル#1〜#48を有しているものと仮定している。
【0040】
そして、レーザ光Lは、濃イエローYD のノズル群の前端に位置するノズル#1を横切ると、次には、淡マゼンタインクノズル群ML のノズル群の後端からノズル#48,#47,#46,,,の順に各ノズルの下方を横切る。同様にして、図5において矢印a1 ,a2 ,a3 などに示すように、ブラックインクノズル群KD の前端のノズル#1にいたるまで、各ノズルの下方をひとつづつ(相対的に)横切ることとなる。
【0041】
各ノズルには、レーザ光Lが真下を横切る時にインク滴がレーザ光Lを横切るようなタイミングを含む前後一定の時間、インク滴の吐出指示が出される。すなわち、インク滴軌跡空間とレーザ光のインク滴検知空間とが交差するときに、インク滴が両者の共有空間を通過するように、その前後も含めてインク滴の吐出指示が出されるものである。
【0042】
ここで、レーザ光Lの「インク滴検知空間」とは、レーザ光Lの光路のうちインク滴を検出できる程度のビーム強度を有する空間である。なお、本明細書では、簡単のために、「レーザ光Lのインク滴検知空間」を単に「レーザ光L」と書くことがある。また、図においても単に「L」と表記する。なお、第1実施例では光にレーザ光を用いているが、レーザ光以外の光を用いる場合においても、「インク滴検知空間」は、発光部が発する光の光路のうち光の強度が所定値以上である空間、と定めることができる。
【0043】
また、「インク滴軌跡空間」とは、「所定の大きさを有するインク滴がノズルから吐出されて、空間を通過すると想定される軌跡」を意味している。この、「インク滴軌跡空間」は予想に基づくものであることから、現実にはインク滴がこのインク滴軌跡空間からはみ出す場合もある。このような場合には、(予想に基づく)インク滴軌跡空間とレーザ光Lのインク滴検知空間とが交差していても、インク滴が検査部の光を十分に遮らないこともある。しかし、ノズルから正常にかつ下方の想定した範囲内にインク滴が吐出されれば、吐出されたインク滴は、途中でレーザ光Lのインク滴検知空間を遮る。
【0044】
ノズルから正常にかつ下方の想定した範囲内にインク滴が吐出されると、吐出されたインク滴は、途中でレーザ光Lのインク滴検知空間を遮るので、受光部40bにおける受光が一時的に中断されるか、または弱くなり、受光される光量が所定の閾値未満となる。この場合には、そのノズルに目詰まりが無いと判断することができる。一方、あるノズルの駆動期間内に受光部40bで受光される光量が所定の閾値以上のときには、そのノズルは目詰まりしている可能性があると判断される。
【0045】
従って、レーザ光Lの「インク滴検知空間」とは、レーザ光Lの光路のうち、検知対象であるインク滴がその空間にあって自己の投影面積分の光を遮ったとき、それによる光量の低下を受光部40bで検知できるだけの、単位面積あたりの光の強さをもった空間、ということである。
【0046】
以上に説明したようにして、ブラックインクノズル群KD の前端のノズル#1がレーザ光Lの上方を通過するまでにすべてのノズルについてインク滴の吐出検査がなされる。なお、1滴のインクでは、レーザ光Lが遮断されたか否かを十分確実に検出できない可能性があるので、1つのノズルについて数滴ずつ吐出するようにすることが好ましい。
【0047】
この検査法では、飛行中のインク滴を検出することによって各ノズルの目詰まりの有無(すなわちドット抜けの有無)を検査するので、比較的短時間で検査が終了するという利点がある。
【0048】
なお、印刷ヘッド36の送りの方向については、主走査方向のいずれの向きに送ることとしても、同様の検査を実現することができる。そして、ここでは印刷ヘッド36は、キャリッジ28(図1)上で、ステップモータ30により駆動される牽引ベルト32に牽引されて、ガイドレール34に沿って主走査方向に送られるものとするが、独立に検査用のヘッド走査駆動装置を備えるものとしてもよい。すなわち、印刷装置は、ノズルと検査部の少なくとも一方を移動させることによって、両者の相対位置を変えさせる送り機構を備えていればよい。印刷においてヘッドの主走査を行う装置と検査において走査を行う装置とを同一の機構で兼用すれば、装置を小型化できる。一方、検査において走査を行う装置を独立に有するものとすれば、位置の精度が高いなどの検査の目的にそった最適な装置を備えることができる。
【0049】
なお、この検査法においては、検査部の配置と検査対象である複数のノズルの配列とは、二つ以上のノズルのインク滴軌跡空間がインク滴検知空間と同時に交差することがないように設定されていることが好ましい。すなわち、レーザ光Lのインク滴検知空間は、複数のノズルからのインク滴の行路と干渉することがあるとそれらを同時に検査することができない。このため、レーザ光Lのインク滴検知空間の形状と光軸の向き、およびノズルピッチとノズル列の間隔の関係で、レーザ光Lのインク滴検知空間が複数のノズルからのインク滴の行路と干渉する場合には、次のような工夫をすることが好ましい。
【0050】
(3)ノズルのグループ分けと検査グループごとの吐出検査:
図7は、レーザ光Lのインク滴軌跡空間と、ノズルの関係を示す説明図である。図7に示すように、レーザ光Lのインク滴検知空間の形状と光軸の向き、およびノズルピッチとノズル列の間隔の関係で、レーザ光Lのインク滴検知空間が、複数のノズルのインク滴軌跡空間と干渉する場合には、上記検査法をそのまま適用することはできない。複数のノズルから吐出されたインク滴が同時にレーザ光Lを横切り、一方のノズルがインク滴を吐出していないにも関わらず他方のノズルが吐出したインク滴によって当該ノズルを「正常動作している」と誤判定するおそれがあるからである。このような問題を解決するため、第1実施例では、印刷ヘッド36に設けられたノズルを6個の検査グループに分け、それぞれ検査グループごとに吐出検査を行うこととして、二つ以上の検査対象ノズルのインク滴軌跡空間がインク滴検知空間と同時に交差することがないようにしている。
【0051】
図8は、印刷ヘッド36a上のノズルのグループ分けの状態を示す説明図である。ここでは説明を簡単にするため、1列48個のノズル列を6列有する印刷ヘッド36に代えて、1列9個のノズル列を同じく6列有する印刷ヘッド36aを使って説明する。そして、図8においては、各ノズルは、○に自己が所属する検査グループの番号1〜6を書いたもので表されている。この印刷ヘッド36aは、上述の印刷ヘッド36の1列のノズルの数を48個から9個に変えたものであり、ノズル数以外の構成は印刷ヘッド36と同様である。そして、最初の送りで印刷ヘッド36aがレーザ光Lを横切る際には、上述の場合と同様に、ノズル列YD のノズル#9が最初にレーザ光Lを横切り、ノズル列KD のノズル#1が最後にレーザ光Lを横切ることとなる。なお、図8は、ノズルのグループ分けの状態を示す説明図であり、ノズルピッチやノズル列の間隔は実際の寸法を反映するものではない。
【0052】
これら9個×6列のノズルは、9個づつの六つのグループに分けられる。すなわち、
第1の検査グループはノズル列YD 、MD 、CD のノズル#9,#6,#3、
第3の検査グループはノズル列YD 、MD 、CD のノズル#8,#5,#2、
第5の検査グループはノズル列YD 、MD 、CD のノズル#7,#4,#1
である。以上の検査グループでノズル列YD 、MD 、CD のすべてのノズルが網羅される。また、
第2の検査グループはノズル列KD 、CL 、ML のノズル#1,#4,#7、
第4の検査グループはノズル列KD 、CL 、ML のノズル#2,#5,#8、
第6の検査グループはノズル列KD 、CL 、ML のノズル#3,#6,#9
である。以上の検査グループでノズル列KD 、CL 、ML のすべてのノズルが網羅される。
【0053】
上述のように各ノズルが検査グループに分けられているため、検査グループに含まれるあるノズルのインク滴軌跡空間とレーザ光のインク滴検知空間が交差する際には、同じ検査グループに含まれるノズルのインク滴軌跡空間が同時にレーザ光のインク滴検知空間と交差することはない。例えば、図8においては、第1の検査グループに属しているノズル列YD の#3のノズルのインク滴軌跡空間と、レーザ光のインク滴検知空間Lとが交差してる。そして、同じく第1の検査グループに属しており、この#3のノズルの一つ前にインク滴検知空間Lと交差するノズル列YD の#6のノズルのインク滴軌跡空間は、インク滴検知空間Lと交差しておらず、また、次にインク滴検知空間Lと交差するノズル列MD の#9のノズルのインク滴軌跡空間も、インク滴検知空間Lと交差していない。よって、第1の検査グループにおいて連続して吐出検査が行われるノズル列YD の#6のノズル、#3のノズル、ノズル列MD の#9のノズルのインク滴が、吐出検査において混同されることはない。
【0054】
ノズルを各列48個備える第1実施例の印刷ヘッド36の場合も、上記の説明のように、YD 、MD 、CD とKD 、CL 、ML という1列おきのノズル列内の、2個おきのノズルで各検査グループを構成する。そして、主走査の往路と復路において、各検査グループごとのインク滴の吐出検査を行う。
【0055】
図2により、主走査の往路/復路と検査グループの吐出検査の関係を説明する。印刷領域において最初の主走査による印刷を終えて、印刷ヘッド36が調整領域に退出してきたときには(復路)、まず、ドット抜け検査部40および廃インク受け46上で、第1の検査グループについてインク滴の吐出検査が行われる。そして、発光部40aと受光部40bに挟まれた廃インク受け46上を印刷ヘッド36がいったん通過した後、ヘッドキャップ210上の待機位置で反転して再び印刷領域に向かって再びドット抜け検査部40上を通過する際(往路)には、廃インク受け46上で、第2の検査グループについてインク滴の吐出検査が行われる。その後、印刷領域で印刷が行われ、再び印刷ヘッド36が調整領域に退出してきたときには、復路と往路で第3および第4の検査グループについてインク滴の吐出検査が行われる。以下同様にして、印刷領域における印刷を挟んで第5および第6の検査グループについて吐出検査が行われ、その後は再び、第1および第2の検査グループについて吐出検査から、各検査グループについて順に吐出検査がくり返される。
【0056】
すなわち、印刷ヘッドが主走査方向に沿った移動(復路又は往路)を1回完了する間に、検査グループの一つが検査され、それが繰り返される。その結果、主走査方向のいずれかの向きの移動において毎回検査を行うこととすれば、印刷ヘッド36の一度の往復の主走査において、二つの検査グループについて吐出検査が行われ、3度の往復の主走査によって、印刷ヘッド36上のすべてのノズルについて吐出検査が行われることとなる。また、後述するように、主走査方向の移動のいずれか一方においてのみ検査を行うこととすれば、6度の往復の主走査によって、印刷ヘッド36上のすべてのノズルについて吐出検査が行われることとなる。なお、これらの作業は、具体的には、システムコントローラ54(図3)が各ドライバを通じてキャリッジモータ30、ドット抜け検査部40、印刷ヘッド36を制御して実現する。
【0057】
ここでは、1列おきのノズル列内の、2個おきのノズルで各検査グループを構成し、主走査の往路または復路において、検査グループ単位でインク滴の吐出検査を行っている。よって、印刷ヘッド上のノズルをすべて対象とした場合に比べて、一の検査グループを構成するノズルで互いに最も近いノズルの間では、列方向で3倍、列間で2倍の距離が開いている。このため、ノズルピッチやノズル列間隔に対してインク滴検知空間が太く、または光軸の向きが傾いている場合にも、レーザ光Lのインク滴検知空間が複数のノズルからのインク滴の行路と干渉しない。
【0058】
なお、各検査グループを構成するノズルは、上記条件を満たすものに限られるわけではない。すなわち、各検査グループは、ノズルの列内においてn個(nは2以上の整数)に1個の割合で周期的に選択されたノズルで構成することができ、さらに、ノズルの列のうちm列(mは2以上の整数)に1列の割合で周期的に選択された列に含まれるノズルで構成することもできる。そして、ノズルピッチやノズル列間隔、インク滴検知空間の形状及び光軸の向きなどに応じて、上記nとmを適宜の値に定めて、一度の吐出検査において一の検査グループのノズルのみを対象とすれば、レーザ光Lのインク滴検知空間が複数のノズルからのインク滴の行路と干渉しないようにすることができる。
【0059】
A−5.第1実施例の手順:
図9は、第1実施例の処理手順を示すフローチャートである。システムコントローラ54は、タイマ58により特定の事象から一定時間以上の時間が経過したことを認識した場合には、図9に示す処理を開始する。すなわち、ステップS1で、復路において印刷ヘッド36を印刷領域から調整領域に送る。そして、ステップS2で、廃インク受け46上の検査領域(図2)において、あるノズルグループに含まれる各ノズルのインク滴の吐出検査を行う。ステップS3では、インク滴の吐出検査の結果、不動作ノズルが検出されたか否かを判定し、不動作ノズルが検出された場合には、ステップS4で、クリーニング領域(図2)において、ノズルのクリーニングを行う。そして、ステップS5で、印刷ヘッド36を印刷領域に向かって動かし(往路)、ステップS6で、廃インク受け46上の検査領域(図2)において、フラッシングを行う。なお、ステップS3において、不動作ノズルが検出されなかった場合には、クリーニング領域においてクリーニングを行わずに、ステップS5で、印刷ヘッド36を印刷領域に向けて動かし、ステップS6で、廃インク受け46上でフラッシングを行う。そして、調整領域における処理を終了して、印刷領域で印刷を行う。
【0060】
なお、これらの作業は、具体的には、システムコントローラ54(図2)が各ドライバを通じてキャリッジモータ30、ドット抜け検査部40、印刷ヘッド36を制御して実現する。また、システムコントローラ54は、与えられたプログラムにしたがってそれらの制御を行うものであるが、そのプログラムは、メインメモリ56に記録されている。このプログラムは、本実施例では、上記作業の実行時においてメインメモリ56に格納されている。しかし、ホストコンピュータ100(図2)のメインメモリに格納されているプログラムにしたがって、システムコントローラ54が制御を行うものとしてもよい。また、このプログラムは、実行時にメモリに格納される前の段階で、ホストコンピュータ100のハードディスク内に格納しておくことができる。さらに、このプログラムは、それら固定設置されている記録媒体のほか、可搬の記録媒体に記録することもできる。すなわち、フラッシュメモリやフロッピーディスク、CD−ROM、CD−RWなどの記録媒体に記録することもできる。また、ネットワークに直接またはコンピュータを介して接続された記録媒体に格納することもできる。すなわち、このプログラムの記録媒体としては、上記制御を行わせるプログラムを記録できる物であれば、どのようなものでもよい。
【0061】
A−6.第1実施例の効果:
第1実施例においては、印刷領域から調整領域に退出して再び印刷領域に戻るまでの復路と往路において、吐出検査とフラッシングの両方を行うことができる。よって、吐出検査とフラッシングをそれぞれの都合に応じて行う場合に比べて印刷ヘッドが調整領域にある時間(印刷を休止している時間)を短くすることができ、その結果、印刷を早く行うことができる。なお、通常、吐出検査が必要とされる時間間隔とフラッシングが必要とされる時間間隔とでは、フラッシングが必要とされる時間間隔の方が短いため、第1実施例において、主走査の合間に調整領域で吐出検査とフラッシングを行う時間間隔は、フラッシングの要請に基づいて定めればよい。
【0062】
また、第1実施例では、吐出検査とフラッシングをともに検査領域において往路と復路でそれぞれ行うため、一つの行程で両方行う場合に比べて、主走査方向に必要な廃インク受け46の幅、ひいては印刷装置の幅を小さくできる。しかも、フラッシングは往路において行うため、フラッシングのあとに吐出検査を経ないで印刷を行うことができ、フラッシングの効果を十分生かして印刷を行うことができる。
【0063】
また、第1実施例においては、レーザ光Lの光軸がノズル列の並びの方向に対して所定の傾きを有しているため、印刷ヘッド36を送りながら順次一つづつノズルの検査を行うことができる。よって、比較的短時間で検査を行うことができる。
【0064】
A−7.第1実施例の変形例:
図10は、プラテン板の両側にドット抜け検査部と、廃インク受けを備えるカラーインクジェットプリンタの主要な構成を示す概略斜視図である。第1実施例では、図1に示すように、ドット抜け検査部40と廃インク受け46は、プラテン板26の右側にのみ設けられていた。しかし、図10に示すように、プラテン板26の左側にも、ドット抜け検査部40を構成する発光部40c、受光部40dと、廃インク受け46Lとを備える態様とすることもできる。なお、変形例のプリンタ20aの他の構成は、第1実施例のプリンタ20と同様である。このような態様においては、印刷領域の両側に検査領域が存在することとなる(図2参照)。以降、発光部40c、受光部40dおよび廃インク受け46Lが設けられている方の検査領域を「左側の検査領域」と呼び、発光部40a、受光部40bおよび廃インク受け46が設けられている方の検査領域を「右側の検査領域」と呼ぶ。
【0065】
図11は、第1実施例の変形例の処理手順を示すフローチャートである。図11のステップS41からS46の処理は、それぞれ図9におけるステップS1からS6の処理と同じである。なお、ステップS43の処理は、所定の場合にはステップS3とは異なるが、それについては後述する。第1実施例の変形例では、システムコントローラ54(図3)は、ステップS46におけるフラッシングを終えると、ステップS47で往路の印刷を行う。そして、往路の主走査を終え、印刷ヘッド36がプラテン板26の左端までいったときに、ステップS48で、未検査ノズルがあるか否かの判定を行う。前述のように、印刷ヘッド36のノズルは、6個の検査グループに分けられている。そして、印刷ヘッド36が(片道の)主走査において廃インク受け46上を一度通過する際に、一つの検査グループについて吐出検査が行われる。よって、検査を行う時刻が到来して最初にステップS42で検査を行った後には、6個の検査グループのうちの第1の検査グループについてだけ検査が行われており、第2〜第6の検査グループのノズルについては、吐出検査が行われていない。そのような場合には、ステップS48において「未検査ノズルがある」と判断して、ステップS49〜S53の処理が行われる。一方、検査を行う時刻が到来した後、すでにすべての検査グループの吐出検査を行った場合には、システムコントローラ54は、吐出検査を終了する
。
【0066】
ステップS48において「未検査ノズルがある」とされた場合には、システムコントローラ54は、ステップS49で、印刷ヘッド36をプラテン板26上から廃インク受け46L上に向けてそのまま往路の向きに送る。そして、ステップS50で、左側の検査領域の廃インク受け46L上を通過させつつ、ノズルからインク滴を吐出させて、発光部40cと受光部40dを使ってインク滴の吐出検査を行う。その際、検査対象となるのは、第2の検査グループに含まれるノズルである。印刷ヘッド36が廃インク受け46L上を往路の向きに通過した後、システムコントローラ54は、ステップS51で、印刷ヘッド36をプラテン板26の方、すなわち、復路の向きに送る。そして、ステップS52で、廃インク受け46L上を通過させつつ、フラッシングを行う。その後、印刷ヘッド36はプラテン板26上の印刷領域に送られ、ステップS53で復路の印刷が行われる。
【0067】
復路の印刷が行われた後には、再びステップS41で、印刷ヘッド36が右側の検査領域に送られ、ステップS42で、インク滴の吐出検査が行われる。ここでは、第3の検査グループのノズルについて検査が行われる。その後、ステップS43で、不動作ノズルが存在したか否かの判定が行われる。ここでは、ステップS50で行った第2の検査グループについての検査、および直前のステップS41で行った第3の検査グループについての検査の結果、不動作ノズルが存在したか否かの判定が行われる。第2および第3の検査グループ内に不動作ノズルが存在した場合には、ステップS44でクリーニングが行われる。その後、ステップS45〜S47の処理が行われる。
【0068】
ステップS48では、再び、未検査ノズルが存在するか否かの判定が行われる。これまでに第1〜第3の検査グループの検査が行われているが、第4〜第6までの検査グループについてはまだ検査が行われていないので、ステップS48では、「未検査ノズルがある」と判断され、引き続きステップS49以降の処理が行われる。以下同様にして、すべての検査グループの検査が終了するまで、ステップS41〜S53の処理が行われる。
【0069】
このような態様とすれば、第1の検査グループの吐出検査を開始してから全ての検査グループの検査を終了するまでの時間を短くすることができる。このため、インク滴の吐出検査を行う時刻が到来してから実際にあるノズルの検査が行われるまでに、そのノズルに目詰まりが発生してしまう可能性が低い。
【0070】
また、主走査方向の距離が長く、主走査に要する時間と望ましい検査時間間隔とが比較的近い場合には、全ての検査グループの検査を終了するために何度も主走査を繰り返していると、次の検査時刻が到来してしまうこととなる。しかし、上記のような態様とすれば、少ない主走査回数で短時間に全ノズルの吐出検査を行うことができるので、そのような問題を回避することができる。
【0071】
なお、ドット抜け検査部と廃インク受けを印刷領域の両側に設けることとすると、それらが片側にのみ設けられているプリンタに比べて主走査方向の幅が大きくなる。しかし、現状、定期フラッシングを迅速に行うために印刷領域の両側に廃インク受けが設けられているプリンタも存在する。そのようなプリンタに対しては、さらにドット抜け検査部も印刷領域の両側に設けることとしても、プリンタの幅が大きくなるということはほとんどない。そして、現状、印刷の途中で印刷領域の両側においてフラッシングを行っているプリンタに対しては、さらに吐出検査も印刷領域の両側において行うこととしても、印刷開始から終了までの時間が大きく増大することもない。
【0072】
なお、図10に示す変形例では、クリーニング機構は印刷領域の右側にのみ設けられていたが、両側に設けるものとしてもよい。すなわち、一般に、主走査方向の印刷領域の両側に調整領域を有し、定期フラッシングと吐出検査とをそれらの調整領域において実行するものであれば、どのような態様でも上記変形例を実現可能である。
【0073】
B.第2実施例:
B−1.装置の構成:
図12は、第2実施例の印刷装置のドット抜け検査部40と、廃インク受け46と、ヘッドキャップ210の配置を示す説明図である。第2実施例の印刷装置においては、第1実施例に比べて発光部40aと受光部40bがプラテン板26から離されて設けられており、廃インク受け46は、その発光部40aと受光部40bの間の位置からプラテン板26近辺まで、主走査方向に幅広に設けられている。したがって、第2実施例においては、発光部40aと受光部40bに挟まれドット抜け検査を行う領域である「検査領域」よりもプラテン板26寄りの領域で、吐出検査とは別にフラッシングを行うことができる。この「検査領域」とプラテン板26の間のフラッシングを行う領域を「フラッシング領域」と呼ぶ。
【0074】
図13は、双方向印刷の場合と第2実施例における単方向印刷の場合の印刷ヘッドの主走査の送り速さを示すグラフである。第2実施例においては、印刷領域において、主走査の往路でのみ印刷を行い、復路では印刷を行わない。そして、復路では往路に比べて高速で印刷ヘッドを送る。すなわち、第1実施例のように、主走査の往路と復路の両方で印刷を行う双方向印刷においては、図13(a)に示すように、往路と復路のいずれも240cpsで印刷ヘッドが送られる。ここで、「cps」とは、「Character Per Second」の略であり、標準的な文字幅の文字を1秒間にいくつ印刷することができる速さであるか、を表すものである。これに対して第2実施例では、復路では正確な印刷を行えるだけの低速を保つ必要がないため、図13(b)下段に示すように、印刷領域において印刷ヘッドは600cpsで送られる。しかし、ステップS22(図14)で吐出検査を行う際には、図13(b)下段に示すように、検査領域の手前のフラッシング領域において、印刷ヘッド36は、240cpsにまで減速される。そして、検査領域で吐出検査を行う際には、印刷ヘッド36は、240cpsで送られる。第2実施例の印刷装置は、以上の各相違点以外は第1実施例と同様である。
【0075】
B−2.第2実施例の手順:
図14は、第2実施例の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、ステップS21〜S25は、それぞれ第1実施例のステップS1〜S5に対応するものである。第2実施例での処理は、ステップS26以降が第1実施例とは異なる。すなわち、ステップS25で、印刷ヘッド36を印刷領域に向かって動かした後(往路)、廃インク受け46上の検査領域(図12)において、吐出検査を行う。それ以前に行われた吐出検査(ステップS22,S23)において不動作ノズルがなかったときには、ステップS26で吐出検査の対象となるノズルグループは、ステップS22で吐出検査の対象とされたノズルグループとは別のノズルグループである。例えば、復路において、ステップS22で第1の検査グループについてインク滴の吐出検査を行った場合には、往路において、ステップS26では第2の検査グループについてインク滴の吐出検査を行う。その後、ステップS27において、インク滴の吐出検査の結果、不動作ノズルが検出されたか否かを判定する。不動作ノズルが検出されなかった場合には、ステップS28で、フラッシング領域(図12)においてフラッシングを行い、調整領域での処理を終了する。
【0076】
一方、ステップS27で、不動作ノズルが検出された場合には、さらに、ステップS29で、クリーニング回数が上限N回を超えていないかどうかを判定する。上限を超えている場合は、その旨をホストコンピュータ100のモニタに表示して、調整領域における処理および印刷を中断する。また、上限を超えていない場合は、ステップS31で、印刷ヘッド36をクリーニング領域(図12)に動かし、ステップS24で、ノズルのクリーニングを行う。そして、ステップS25で、印刷ヘッド36を印刷領域に向かって動かし(往路)、廃インク受け46上の検査領域(図12)において、再び吐出検査を行う。なお、ステップS24で不動作ノズル検出によるクリーニングを行った場合は、ステップS25では、先に吐出検査を行ったノズルグループと同じノズルグループについて、再度吐出検査を行う。その後、ステップS28において、フラッシング領域(図12)でフラッシングを行い、調整領域での処理を終了する。
【0077】
B−3.第2実施例の効果:
第2実施例においては、廃インク受け46が主走査方向に幅広に設けられており、フラッシング領域と検査領域が別に設けられている。このため、往路においては、吐出検査を行うことができ、復路においては、吐出検査とフラッシングの両方を行うことができる。すなわち、往路と復路で吐出検査を行うことができ、一度の主走査の往復で二つのノズルグループについて吐出検査を行うことができる。このため、各ノズルグループの吐出検査の間隔を短くすることができる。
【0078】
また、フラッシング領域が印刷領域と検査領域との間に設けられているため、復路と往路とのいずれの吐出検査も、フラッシングの前に行うことができ、フラッシングの後、吐出検査を経ないで印刷を行うことができる。
【0079】
さらに、第2実施例においては、印刷を行わない復路においては印刷ヘッド36を高速で送るため、印刷に要する時間を短くすることができる。しかも、吐出検査の前に印刷ヘッドの送り速さを吐出検査に適した速さに減速するので、吐出検査の精度が低下することもない。
【0080】
C.変形例:
図15は、双方向印刷の場合と上記第2実施例の変形例における単方向印刷の場合との印刷ヘッドの主走査の送り速さを示すグラフである。第2実施例では、往路において印刷領域での印刷を行い、復路において印刷を行わずに印刷ヘッドを高速で送るものとしたが、図15では、復路において印刷領域での印刷を行い、往路において印刷を行わずに印刷ヘッドを高速で送るものとしている。その場合には、図15上段に示すように、低速で吐出検査を行った後、加速して、印刷ヘッドを高速で送ることとすることができる。また、第2実施例では、印刷を行う行路では、印刷ヘッドを240cpsで送り、印刷を行わない行路では、600cpsで送るものとしたが、数値はこれに限られるものではない。すなわち、往路と復路の二つの行路のうちいずれか一方においては印刷領域における印刷を実行せず、他方の行路に比べて印刷ヘッドを高速で送る場合は、印刷ヘッドがより高速で移動する行路において、吐出検査の前に、印刷ヘッドの送り速さを吐出検査に適した速さに減速することとすれば、同様の効果が得られる。
【0081】
図16は、変形例のドット抜け検査部42の構成と、その検査方法(振動板検査法)の原理を示す説明図である。第2実施例では、検査部40は、光を使用した吐出検査を行うものとしたが、検査部の検査方法はこれに限られるものではない。例えば、第2実施例のように、フラッシング領域と検査領域が別に設けられている場合は、振動板による検査を行う検査部を採用することができる。図16のドット抜け検査部42は、その表面に設けられた振動板がインク滴で振動するか否かを調べることによってドット抜けを検査するものである。図16は、印刷ヘッド36の1つのノズルnの近傍の断面図であり、変形例のドット抜け検査部42を構成する振動板42aとマイクロフォン42bも描かれている。ピエゾ素子PEの変形によりノズルnから吐出されたインク滴Ipが振動板42aに到達すると、振動板42aが振動する。マイクロフォン42bは、この振動板42aの振動を電気信号に変換する。従って、マイクロフォン42bからの出力信号(振動音信号)を検出すれば、インク滴Ipが振動板42aに到達したか否か(すなわちノズルの目詰まりの有無)を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのカラーインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図。
【図2】プラテン板26と、ドット抜け検査部40と、廃インク受け46と、ヘッドキャップ210の位置関係を示す説明図。
【図3】プリンタ20の電気的な構成を示すブロック図。
【図4】クリーニング機構200の構成を示す概念図。
【図5】第1のドット抜け検査部40の構成と、その検査方法の原理を示す説明図。
【図6】ドット抜け検査の検査方法の原理を示す拡大図。
【図7】レーザ光Lのインク滴軌跡空間と、ノズルの関係を示す説明図。
【図8】印刷ヘッド36a上のノズルのグループ分けの状態を示す説明図。
【図9】第1実施例の処理手順を示すフローチャート。
【図10】プラテン板の両側にドット抜け検査部と、廃インク受けを備えるカラーインクジェットプリンタの主要な構成を示す概略斜視図。
【図11】第1実施例の変形例の処理手順を示すフローチャート。
【図12】第2実施例の印刷装置のドット抜け検査部40と、廃インク受け46と、ヘッドキャップ210の配置を示す説明図。
【図13】双方向印刷の場合と単方向印刷の場合の印刷ヘッドの主走査の送り速さを示すグラフ。
【図14】第2実施例の処理手順を示すフローチャート。
【図15】双方向印刷の場合と単方向印刷の場合の印刷ヘッドの主走査の送り速さを示すグラフ。
【図16】第2のドット抜け検査部42の構成と、その検査方法(振動板検査法)の原理を示す説明図。
【符号の説明】
20…カラーインクジェットプリンタ
20a…カラーインクジェットプリンタ
22…用紙スタッカ
24…紙送りローラ
26…プラテン板
28…キャリッジ
30…キャリッジモータ
31…紙送りモータ
32…牽引ベルト
34…ガイドレール
36…印刷ヘッド
40…第1のドット抜け検査部
40a,c…発光部
40b,d…受光部
46…廃インク受け
46L…廃インク受け
50…受信バッファメモリ
52…イメージバッファ
54…システムコントローラ
56…メインメモリ
58…タイマ
61…主走査駆動ドライバ
62…副走査駆動ドライバ
63…検査部ドライバ
66…ヘッド駆動ドライバ
80…インク通路
100…ホストコンピュータ
210…ヘッドキャップ
Claims (11)
- 複数のノズルからインク滴を吐出することによって印刷媒体に印刷を行う印刷装置であって、
前記複数のノズルを有する印刷ヘッドと、
前記ノズルを駆動してインク滴を吐出させるヘッド駆動部と、
前記印刷ヘッドを主走査方向に沿って双方向に駆動して主走査を行う主走査駆動部と、
インク滴によって光が遮られたか否かによって前記複数のノズルからのインク滴の吐出の有無を検査する検査部と、
前記各部を制御するための制御部と、を備え、
前記印刷ヘッドの主走査方向の移動可能な範囲は、前記印刷ヘッドが前記ノズルからインク滴を吐出して前記印刷媒体に印刷を行う印刷領域と、調整領域と、を有しており、
前記調整領域は、前記インク滴の吐出検査を行うための検査領域と、前記印刷領域と前記検査領域との間に設けられ前記複数のノズルのフラッシングを行うためのフラッシング領域と、を含み、
前記制御部は、
特定の事象から一定時間以上経過したときには、前記フラッシング領域において、前記ヘッド駆動部に前記複数のノズルの定期フラッシングを実行させ、
前記定期フラッシングを実行させるときには、
前記印刷ヘッドが前記印刷領域で印刷を実行した後に前記検査領域に到達した時点であって前記印刷ヘッドが前記調整領域から前記印刷領域に戻る前であり、かつ、前記フラッシング領域において前記定期フラッシングを行う前の時点で、前記検査領域において前記検査部に前記インク滴の吐出検査を実行させ、
前記吐出検査は、
前記主走査のうち前記印刷ヘッドが前記印刷領域から前記調整領域に向かう向きの走査である復路において、前記印刷ヘッドを移動させつつ、前記複数のノズルのうちの第1のノズル群の各ノズルについて順次、実行され、
前記主走査のうち前記印刷ヘッドが前記調整領域から前記印刷領域に向かう向きの走査である往路において、前記印刷ヘッドを移動させつつ、前記複数のノズルのうちの前記第1のノズル群とは重複しない第2のノズル群の各ノズルについて順次、実行され、
前記第1と第2のノズル群のノズルは、ノズルから吐出されたインク滴がそれぞれ通過すると想定されるインク滴軌跡空間が、前記検査部によってインク滴を検出できる強度の前記光が通過する空間であるインク滴検知空間と交差する際に、同一のノズル群に含まれる複数のノズルの前記インク滴軌跡空間が同時に前記インク滴検知空間と交差しないように、それぞれ前記複数のノズルから選択されている、印刷装置。 - 請求項1記載の印刷装置であって、
前記制御部は、
前記定期フラッシングを実行させるときには、前記往路において、前記フラッシング領域で前記ヘッド駆動部に前記定期フラッシングを実行させる、印刷装置。 - 請求項2記載の印刷装置であって、さらに、
前記複数のノズルのクリーニングを行うクリーニング機構を備え、
前記調整領域は、さらに、前記クリーニングを行うためのクリーニング領域を含み、
前記クリーニング領域は、前記検査領域を挟んで前記印刷領域の反対側に設けられており、
前記制御部は、
前記復路における前記吐出検査においてインク滴を吐出しない不動作ノズルが検出された場合には、前記クリーニング領域で前記クリーニング機構に前記クリーニングを実行させる、印刷装置。 - 請求項1記載の印刷装置であって、さらに、
前記複数のノズルのクリーニングを行うクリーニング機構を備え、
前記調整領域は、さらに、前記クリーニングを行うためのクリーニング領域を含み、
前記クリーニング領域は、前記検査領域を挟んで前記フラッシング領域の反対側に設けられており、
前記制御部は、
少なくとも前記復路において、前記検査領域で前記検査部に前記吐出検査を実行させ、
前記吐出検査においてインク滴を吐出しない不動作ノズルが検出された場合には、前記クリーニング領域で前記クリーニング機構に前記クリーニングを実行させる、印刷装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記制御部は、
前記往路と前記復路の二つの行路のうちいずれか一方においては前記印刷領域における印刷を実行せず、他方の行路に比べて前記印刷ヘッドがより高速で移動するように前記主走査駆動部を制御し、
前記印刷ヘッドがより高速で移動する行路において、前記検査部に前記吐出検査を実行させるときには、前記吐出検査の前に前記印刷ヘッドの移動速度を前記吐出検査に適した速さに減速させるように前記主走査駆動部を制御する、印刷装置。 - 複数のノズルからインク滴を吐出することによって印刷媒体に印刷を行う印刷装置の制御方法であって、
(a)特定の事象から一定時間以上経過したときには、前記複数のノズルの定期フラッシングを実行する工程、を備え、
前記工程(a)は、
(b)前記複数のノズルが設けられた印刷ヘッドが前記ノズルからインク滴を吐出して前記印刷媒体に印刷を行う印刷領域において、前記印刷ヘッドが印刷を実行した後であって、
前記複数のノズルのインク滴の吐出検査を行うための検査領域と、前記印刷領域と前記検査領域との間に設けられ前記定期フラッシングを行うためのフラッシング領域と、を含む調整領域に前記印刷ヘッドが到達した時点であって、前記印刷ヘッドが前記調整領域から前記印刷領域に戻る前であり、かつ、
前記フラッシング領域において前記定期フラッシングを行う前の時点で、
前記検査領域において、インク滴によって光が遮られたか否かによって前記吐出検査を実行する工程、を含み、
前記工程(b)は、
(b1)主走査のうち前記印刷ヘッドが前記印刷領域から前記調整領域に向かう向きの走査である復路において、前記印刷ヘッドを移動させつつ、前記複数のノズルのうちの第1のノズル群の各ノズルについて順次、前記吐出検査を実行する工程と、
(b2)前記主走査のうち前記印刷ヘッドが前記調整領域から前記印刷領域に向かう向きの走査である往路において、前記印刷ヘッドを移動させつつ、前記複数のノズルのうちの前記第1のノズル群とは重複しない第2のノズル群の各ノズルについて順次、前記吐出検査を実行する工程と、を含み、
前記第1と第2のノズル群のノズルは、ノズルから吐出されたインク滴がそれぞれ通過すると想定されるインク滴軌跡空間が、前記吐出検査においてインク滴を検出できる強度の前記光が通過する空間であるインク滴検知空間と交差する際に、同一のノズル群に含まれる複数のノズルの前記インク滴軌跡空間が同時に前記インク滴検知空間と交差しないように、それぞれ前記複数のノズルから選択されている、印刷装置の制御方法。 - 請求項6記載の印刷装置の制御方法であって、
前記工程(b)は、
主走査のうち前記印刷ヘッドが前記印刷領域から前記調整領域に向かう向きの走査である復路において、前記調整領域で前記吐出検査を実行する工程と、
主走査のうち前記印刷ヘッドが前記調整領域から前記印刷領域に向かう向きの走査である往路において、前記フラッシング領域で前記定期フラッシングを実行する工程と、
を含む、印刷装置の制御方法。 - 請求項7記載の印刷装置の制御方法であって、
前記調整領域は、さらに、前記複数のノズルのクリーニングを行うためのクリーニング領域を含み、
前記クリーニング領域は、前記検査領域を挟んで前記印刷領域の反対側に設けられており、
前記制御方法は、さらに、
前記復路における前記吐出検査においてインク滴を吐出しない不動作ノズルが検出された場合には、前記クリーニング領域で前記複数のノズルのクリーニングを実行する工程を備える、印刷装置の制御方法。 - 請求項6記載の印刷装置の制御方法であって、
前記調整領域は、さらに、前記複数のノズルのクリーニングを行うためのクリーニング領域を含み、
前記クリーニング領域は、前記検査領域を挟んで前記フラッシング領域の反対側に設けられており、
少なくとも前記復路において、前記検査領域で前記吐出検査を実行し、
前記吐出検査においてインク滴を吐出しない不動作ノズルが検出された場合には、前記クリーニング領域で前記クリーニングを実行する、印刷装置の制御方法。 - 請求項6ないし9のいずれかに記載の印刷装置の制御方法であって、
前記往路と前記復路の二つの行路のうちいずれか一方においては前記印刷領域における印刷を実行せず、他方の行路に比べて前記印刷ヘッドを高速で送り、
前記印刷ヘッドがより高速で移動する行路において、前記吐出検査を実行するときには、前記吐出検査の前に、前記印刷ヘッドの送り速さを前記吐出検査に適した速さに減速する、印刷装置の制御方法。 - 複数のノズルからインク滴を吐出することによって印刷媒体に印刷を行う印刷装置を備えたコンピュータに、前記印刷装置を制御させるための、コンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
特定の事象から一定時間以上経過したときには、前記複数のノズルの定期フラッシングを実行する機能と、
前記定期フラッシングを実行するときに、
前記複数のノズルが設けられた印刷ヘッドが前記ノズルからインク滴を吐出して前記印刷媒体に印刷を行う印刷領域において、前記印刷ヘッドが印刷を実行した後であって、
前記複数のノズルのインク滴の吐出検査を行うための検査領域と、前記印刷領域と前記検査領域との間に設けられ前記定期フラッシングを行うためのフラッシング領域と、を含む調整領域に前記印刷ヘッドが到達した時点であって、前記印刷ヘッドが前記調整領域から前記印刷領域に戻る前であり、かつ、
前記フラッシング領域において、前記定期フラッシングを行う前の時点で、
前記検査領域において、インク滴によって光が遮られたか否かによって前記吐出検査を実行する機能と、
をコンピュータに実現させるための、コンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、
前記吐出検査を実行する機能は、
主走査のうち前記印刷ヘッドが前記印刷領域から前記調整領域に向かう向きの走査である復路において、前記印刷ヘッドを移動させつつ、前記複数のノズルのうちの第1のノズル群の各ノズルについて順次、前記吐出検査を実行する機能と、
前記主走査のうち前記印刷ヘッドが前記調整領域から前記印刷領域に向かう向きの走査である往路において、前記印刷ヘッドを移動させつつ、前記複数のノズルのうちの前記第1のノズル群とは重複しない第2のノズル群の各ノズルについて順次、前記吐出検査を実行する機能と、を含み、
前記第1と第2のノズル群のノズルは、ノズルから吐出されたインク滴がそれぞれ通過すると想定されるインク滴軌跡空間が、前記吐出検査においてインク滴を検出できる強度の前記光が通過する空間であるインク滴検知空間と交差する際に、同一のノズル群に含まれる複数のノズルの前記インク滴軌跡空間が同時に前記インク滴検知空間と交差しないように、それぞれ前記複数のノズルから選択されている、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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