JP2000263772A - ドット抜け検査を行う印刷方法および印刷装置、並びに、そのためのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

ドット抜け検査を行う印刷方法および印刷装置、並びに、そのためのプログラムを記録した記録媒体

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JP2000263772A
JP2000263772A JP11071788A JP7178899A JP2000263772A JP 2000263772 A JP2000263772 A JP 2000263772A JP 11071788 A JP11071788 A JP 11071788A JP 7178899 A JP7178899 A JP 7178899A JP 2000263772 A JP2000263772 A JP 2000263772A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷動作の途中でドット抜けが発生した場合
に、ドット抜けによる画質の劣化を緩和する。 【解決手段】 オーバーラップ印刷動作の途中におい
て、ノズル列に含まれる各ノズルからのインク滴の吐出
の有無を検査することによって、各ノズルが、インク滴
を吐出できる動作ノズルとインク滴を吐出できない非動
作ノズルとのうちのいずれであるかを決定する。この検
査によって非動作ノズルが検出されたときに、非動作ノ
ズルが記録を担当する主走査ラインおよび画素位置を、
補完対象ラインおよび補完対象画素位置としてそれぞれ
登録する。そして、補完対象ラインが、検査後のオーバ
ーラップ印刷動作におけるいずれかの主走査において他
の動作ノズルの記録対象となる場合に、その動作ノズル
が記録を担当する画素位置として補完対象画素位置を追
加し、その動作ノズルで補完対象ライン上の記録を行う
補完動作を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数のノズルか
らインク滴をそれぞれ吐出して印刷媒体の表面にドット
を記録することによって画像を印刷する技術に関し、特
に、各ノズルからのインク滴の吐出の有無を検査するド
ット抜け検査を利用した印刷技術に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタは、複数のノズ
ルからインク滴を吐出して画像の印刷を行う。インクジ
ェットプリンタの印刷ヘッドには、多数のノズルが設け
られているが、インクの粘度の増加や気泡の混入等の原
因によって、いくつかのノズルが目詰まりしてインク滴
を吐出できない場合がある。ノズルが目詰まりすると画
像内にドットの抜けが生じ、画質を劣化させる原因とな
る。
【0003】従来は、ノズルの目詰まりは、1回の印刷
ジョブを開始する前に専用のテストパターンを印刷用紙
上に印刷し、そのテストパターンをユーザが目視で確認
することによって検査していた。なお、本明細書におい
て、「1回の印刷ジョブ」とは、ユーザの1回の指定に
応じて実行される印刷動作の全体を意味している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来は、印刷ジョブの
開始前に検査を行っていただけなので、印刷動作の途中
でドット抜けが発生した場合には、所望の画質が得られ
ないという問題があった。
【0005】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、印刷動作の途中
でドット抜けが発生した場合にも、画質の劣化を緩和す
ることのできる技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明で
は、1回の主走査では各主走査ライン上において間欠的
な画素位置を記録対象とするとともに、複数回の主走査
によって各主走査ライン上の全画素位置を記録対象とす
るオーバーラップ印刷動作を行う。また、オーバーラッ
プ印刷動作の途中において、ノズル列に含まれる各ノズ
ルからのインク滴の吐出の有無を検査することによっ
て、各ノズルが、インク滴を吐出できる動作ノズルとイ
ンク滴を吐出できない非動作ノズルとのうちのいずれで
あるかを決定する。この検査によって非動作ノズルが検
出されたときに、非動作ノズルが記録を担当する主走査
ラインおよび画素位置を、補完対象ラインおよび補完対
象画素位置としてそれぞれ登録する。そして、補完対象
ラインが、検査後のオーバーラップ印刷動作におけるい
ずれかの主走査において他の動作ノズルの記録対象とな
る場合に、その動作ノズルが記録を担当する画素位置と
して補完対象画素位置を追加し、その動作ノズルで補完
対象ライン上の記録を行う補完動作を実行する。
【0007】こうすれば、印刷動作の途中でドット抜け
が発生した場合にも、補完動作によってドット抜けを補
完できるので、画質の劣化を緩和することができる。特
に、通常のオーバーラップ印刷動作のときにドット抜け
を補完するので、補完を効率良く行うことができる。
【0008】なお、補完対象ラインとしては、事後補完
対象ラインと事前補完対象ラインと追加補完対象ライン
とが存在する。
【0009】事後補完対象ラインは、検査前のオーバー
ラップ印刷動作において非動作ノズルが記録を担当して
いたことによってドット抜けが発生しているラインであ
る。この事後補完対象ラインについては、非動作ノズル
よりも後に事後補完対象ライン上に他の動作ノズルが位
置決めされるときに、事後補完対象画素位置を他の動作
ノズルで記録する事後補完動作を実行する。
【0010】また、事前補完対象ラインは、検査後のオ
ーバーラップ印刷動作において非動作ノズルが記録を担
当する予定であるラインである。この事前補完対象ライ
ンについては、非動作ノズルよりも前に事後補完対象ラ
イン上に他の動作ノズルが位置決めされるときに、事前
補完対象画素を他の動作ノズルで記録する事前補完動作
を実行する。
【0011】追加補完対象ラインは、検査後のオーバー
ラップ印刷動作において他の動作ノズルの記録対象とな
らないラインである。この追加補完対象ラインについて
は、オーバーラップ印刷動作の主走査とは別に補完のた
めの主走査を追加し、追加された主走査時に補完対象画
素位置を他の動作ノズルで記録する追加補完動作を実行
する。
【0012】これらの各種の補完動作を必要に応じて利
用すれば、補完のための特別な動作をあまり追加するこ
となく、ドット抜けを補完することが可能である。
【0013】なお、本発明は、印刷方法、印刷装置、お
よび、印刷方法または印刷装置の機能を実現するための
コンピュータプログラムを記録した記録媒体等の種々の
態様で実現することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】A.装置の構成:次に、本発明の
実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、本発明
の一実施例としてのカラーインクジェットプリンタ20
の主要な構成を示す概略斜視図である。このプリンタ2
0は、用紙スタッカ22と、図示しないステップモータ
で駆動される紙送りローラ24と、プラテン板26と、
キャリッジ28と、ステップモータ30と、ステップモ
ータ30によって駆動される牽引ベルト32と、キャリ
ッジ28のためのガイドレール34とを備えている。キ
ャリッジ28には、多数のノズルを備えた印刷ヘッド3
6が搭載されている。
【0015】図1の右端におけるキャリッジ28の待機
位置には第1のドット抜け検査部40と、第2のドット
抜け検査部42とが設けられている。第1のドット抜け
検査部40は、発光素子40aと受光素子40bとを備
えており、これらの素子40a,40bを利用してイン
ク滴の飛行状態を調べることによってドット抜けを検査
する。第2のドット抜け検査部42は、その表面に設け
られた振動板がインク滴で振動するか否かを調べること
によってドット抜けを検査する。各ドット抜け検査部に
よる検査の詳細な内容については後述する。
【0016】印刷用紙Pは、用紙スタッカ22から紙送
りローラ24によって巻き取られて、プラテン板26の
表面上を副走査方向へ送られる。キャリッジ28は、ス
テップモータ30により駆動される牽引ベルト32に牽
引されて、ガイドレール34に沿って主走査方向に移動
する。主走査方向は、副走査方向に垂直である。
【0017】図2は、プリンタ20の電気的な構成を示
すブロック図である。プリンタ20は、ホストコンピュ
ータ100から供給された信号を受信する受信バッファ
メモリ50と、印刷データを格納するイメージバッファ
52と、プリンタ20全体の動作を制御するシステムコ
ントローラ54と、メインメモリ56とを備えている。
システムコントローラ54には、キャリッジモータ30
を駆動する主走査駆動ドライバ61と、紙送りモータ3
1を駆動する副走査駆動ドライバ62と、2つのドット
抜け検査部40,42をそれぞれ駆動する検査部ドライ
バ63,64と、印刷ヘッド36を駆動するヘッド駆動
ドライバ66とが接続されている。
【0018】ホストコンピュータ100のプリンタドラ
イバ(図示せず)は、ユーザの指定した印刷モード(高
速印刷モード、高画質印刷モード等)に基づいて、印刷
動作を規定する各種のパラメータ値を決定する。このプ
リンタドライバは、さらに、これらのパラメータ値に基
づいて、その印刷モードで印刷を行うための印刷データ
を生成して、プリンタ20に転送する。転送された印刷
データは、一旦、受信バッファメモリ50に蓄えられ
る。プリンタ20内では、システムコントローラ54
が、受信バッファメモリ50から印刷データの中から必
要な情報を読取り、これに基づいて、各ドライバに対し
て制御信号を送る。
【0019】イメージバッファ52には、受信バッファ
メモリ50で受信された印刷データを色成分毎に分解し
て得られた複数の色成分の印刷データが格納される。ヘ
ッド駆動ドライバ66は、システムコントローラ54か
らの制御信号に従って、イメージバッファ52から各色
成分の印刷データを読出し、これに応じて印刷ヘッド3
6に設けられた各色のノズルアレイを駆動する。
【0020】なお、このプリンタ20は、オーバーラッ
プ印刷モードで印刷を実行可能である。「オーバーラッ
プ印刷モード」とは、1回の主走査では各ラスタライン
上において間欠的な画素位置のみを記録対象とするとと
もに、複数回の主走査によって各ラスタライン上の全画
素位置を記録対象とするようなモードである。例えば、
1本のラスタラインを2回の主走査で記録する場合に
は、そのラスタライン上の1回目の主走査では偶数画素
位置のみ記録対象とし、2回目の主走査では奇数画素位
置のみ記録対象とする。こうすれば、2回の主走査を行
うことによって、各ラスタライン上のすべての画素位置
を記録対象とすることができる。なお、本明細書におい
て、「画素位置」と「ドット位置」とは同義語である。
また、「主走査ライン」と「ラスタライン」も同義語で
ある。
【0021】オーバーラップ印刷モードにおいて、1本
のラスタライン上の全画素位置を記録するために実行さ
れる主走査の回数を、以下では「スキャン繰り返し数」
と呼ぶ。スキャン繰り返し数としては、2や4などの整
数値が用いられることが多いが、一般には、1以上の任
意の実数を選択することができる。スキャン繰り返し数
が1よりも大きく2未満である場合は、「部分オーバー
ラップ印刷モード」と呼ばれる。部分オーバーラップ印
刷モードでは、1回の主走査で全画素位置が記録対象と
なるラスタラインと、2回の主走査で全画素位置が記録
対象となるラスタラインとが存在する。なお、オーバー
ラップ印刷モードを成立させる条件については、本出願
人により開示された特開平10−278247号公報に
詳述されているので、ここではその説明を省略する。
【0022】オーバーラップ印刷モードでは、各ラスタ
ラインが一つのノズルでは記録されず、複数のノズルを
用いて記録される。従って、ノズルの特性(ピッチや吐
出特性等)にばらつきがある場合にも、特定のノズルの
特性の影響が1つのラスタラインの全体に及ぶことを防
止でき、この結果、画質を向上させることができるとい
う利点がある。
【0023】なお、本発明のオーバーラップ印刷機能
や、検査実行機能、補完実行機能、クリーニング実行機
能等は、システムコントローラ54によって実現され
る。なお、システムコントローラ54にこれらの機能を
実現させるためのコンピュータプログラムは、メインメ
モリ56に格納されている。
【0024】B.ドット抜け検査部の構成と原理:図3
は、第1のドット抜け検査部40の構成と、その検査方
法(飛行滴検査法)の原理を示す説明図である。図3
は、印刷ヘッド36を下面側から見た図であり、印刷ヘ
ッド36の6色分のノズルアレイと、第1のドット抜け
検査部40を構成する発光素子40aおよび受光素子4
0bが描かれている。
【0025】印刷ヘッド36の下面には、ブラックイン
クを吐出するためのブラックインクノズル群KD と、濃
シアンインクを吐出するための濃シアンインクノズル群
Dと、淡シアンインクを吐出するための淡シアンイン
クノズル群CL と、濃マゼンタインクを吐出するための
濃マゼンタインクノズル群MD と、淡マゼンタインクを
吐出するための淡マゼンタインクノズル群ML と、イエ
ローインクを吐出するためのイエローインクノズル群Y
D とが形成されている。
【0026】なお、各ノズル群を示す符号における最初
のアルファベットの大文字はインク色を意味しており、
また、添え字の「D 」は濃度が比較的高いインクである
ことを、添え字の「L 」は濃度が比較的低いインクであ
ることを、それぞれ意味している。なお、イエローイン
クノズル群YD の添え字「D 」は、このノズル群から吐
出されるイエローインクが、濃シアンインクおよび濃マ
ゼンタインクとほぼ等量ずつ混合されたときにグレー色
となることを意味している。また、ブラックインクノズ
ル群KD の添え字「D 」は、これらから吐出されるブラ
ックインクがグレー色では無く、濃度100%の黒色で
あることを意味している。
【0027】各ノズル群の複数のノズルは副走査方向S
Sに沿ってそれぞれ整列している。印刷時には、キャリ
ッジ28(図1)とともに印刷ヘッド36が主走査方向
MSに移動しつつ、各ノズルからインク滴が吐出され
る。
【0028】発光素子40aは、外径が約1mm以下の
光束Lを射出するレーザである。このレーザ光Lは、副
走査方向SSに平行に射出され、受光素子40bで受光
される。ドット抜け検査の際には、まず、図3のよう
に、1色分(例えば濃イエローYD )のノズル群が、レ
ーザ光Lの光路の上方に来るような位置に印刷ヘッド3
6を位置決めする。この状態において、ヘッド駆動ドラ
イバ66(図2)を用いて濃イエローYD のノズルを1
つずつ、かつ、所定の駆動期間ずつ順番に駆動して、各
ノズルからインク滴を順次吐出させる。吐出されたイン
ク滴は、途中でレーザ光Lの光路を遮るので、受光素子
40bにおける受光が一時的に中断される。従って、あ
るノズルから正常にインク滴が吐出されていれば、レー
ザ光Lが受光素子40bで一時的に遮光されるので、そ
のノズルに目詰まりが無いと判断することができる。ま
た、あるノズルの駆動期間内にレーザ光Lが全く遮光さ
れないときには、そのノズルは目詰まりしていると判断
することができる。なお、1滴のインクでは、レーザ光
Lが遮断されたか否かを十分確実に検出できない可能性
があるので、1つのノズルについて数滴ずつ吐出するよ
うにすることが好ましい。
【0029】1色分のすべてのノズルに関して目詰まり
の検査がすむと、印刷ヘッド36を主走査方向に少し移
動させて、次の色(図3の例では淡マゼンタML )のノ
ズルの検査を実行する。
【0030】この飛行滴検査法では、飛行中のインク滴
を検出することによって各ノズルの目詰まりの有無(す
なわちドット抜けの有無)を検査するので、比較的短時
間で検査が終了するという利点がある。
【0031】図4は、第1のドット抜け検査部40の他
の構成を示す説明図である。図4では、レーザ光Lの進
行方向が副走査方向SSからやや傾いた方向になるよう
に、発光素子40aと受光素子40bの向きが調整され
ている。このレーザ光Lの進行方向は、1つのノズルか
ら吐出されたインク滴をレーザ光Lで検出しようとする
ときに、このレーザ光Lが、他のノズルから吐出される
インク滴によって遮光されることがないように設定され
ている。換言すれば、レーザ光Lの光路が、複数のノズ
ルからのインク滴の行路と干渉することが無いように設
定されている。
【0032】このように、レーザ光Lを副走査方向SS
から傾いた斜めの方向に向けて射出するようにすれば、
印刷ヘッド36をゆっくりと主走査方向に移動させつ
つ、各ノズルを1つずつ順番に駆動してインク滴を吐出
させることによって、各ノズルの目詰まりを検査するこ
とが可能である。このようにすると、仮にいくつかのノ
ズルから吐出されるインク滴が規定の位置や方向から多
少それたときにも、そのノズルの目詰まりを検査するこ
とが可能であるという利点もある。
【0033】図5は、第2のドット抜け検査部42の構
成と、その検査方法(振動板検査法)の原理を示す説明
図である。図5は、印刷ヘッド36の1つのノズルnの
近傍の断面図であり、第2のドット抜け検査部42を構
成する振動板42aとマイクロフォン42bも描かれて
いる。
【0034】各ノズルnに設けられたピエゾ素子PE
は、ノズルnまでインクを導くインク通路80に接する
位置に設置されている。ピエゾ素子Pに電圧を印加する
とピエゾ素子PEが伸張し、インク通路80の一側壁を
変形させる。この結果、インク通路80の体積がピエゾ
素子PEの伸張に応じて収縮し、インク滴Ipがノズル
nの先端から高速に吐出される。
【0035】ノズルnから吐出されたインク滴Ipが振
動板42aに到達すると、振動板42aが振動する。マ
イクロフォン42bは、この振動板42aの振動を電気
信号に変換する。従って、マイクロフォン42bからの
出力信号(振動音信号)を検出すれば、インク滴Ipが
振動板42aに到達したか否か(すなわちノズルの目詰
まりの有無)を知ることができる。
【0036】なお、このような振動板42aとマイクロ
フォン42bのセットは、1色分の複数のノズルの個数
分と同じ数だけ副走査方向に沿って配列しておくことが
好ましい。こうすれば、1色分のすべてのノズルについ
て、目詰まりの有無を同時に検査することが可能であ
る。但し、隣接するノズルからインク滴Ipを同時に吐
出すると、隣接する振動板42a同士が干渉してしま
い、誤検出する可能性がある。このような誤検出を防止
するためには、同時に検査の対象となるノズルを数個お
きに設定することが好ましい。
【0037】なお、図1には2つのドット抜け検査部4
0,42が示されているが、1つのプリンタには1つの
ドット抜け検査部が設けられていればよい。但し、双方
向印刷を行えるプリンタの場合には、キャリッジ28の
主走査範囲の両端にドット抜け検査部を1つずつ設けて
おくことが好ましい。こうすれば、往路の1回の主走査
が終わるたびに、および、復路の1回の主走査が終わる
たびに、両端のドット抜け検査部でそれぞれ検査を実行
することができる。従って、ドット抜け検査部を1つだ
け設けた場合に比べて、ドット抜けをより早く検出する
ことができる。
【0038】C.第1実施例の印刷手順:図6は、第1
実施例の通常の印刷動作を示す説明図である。ここで、
「通常の印刷動作」とは、補完処理を行わない印刷処理
を意味している。図6では簡単のために、印刷ヘッド3
6の8つのノズルを使用して印刷処理を行うものと仮定
している。図中に示されている○で囲まれた番号は、ノ
ズルの番号である。また、二重丸で囲まれた番号は、そ
のノズルが非動作ノズル(目詰まりを起こしているノズ
ル)であることを示している。第1実施例では、2番目
以降のパスにおいて6番目のノズルが非動作ノズルとな
っており、他のノズルは動作ノズル(目詰まりを起こし
ていないノズル)に保たれているものとしている。な
お、副走査方向のノズルピッチkは3ドットである。
【0039】第1実施例では、オーバーラップ印刷モー
ドに従って印刷処理が実行されており、そのスキャン繰
り返し数sは2である。「スキャン繰り返し数」は、前
述したように、1本のラスタライン上の全画素位置を記
録するために実行される主走査の回数である。すなわ
ち、第1実施例では、2回の主走査によって各ラスタラ
イン上の全画素位置が記録対象となる。なお、本明細書
では、印刷動作中の1回の主走査を「パス」と呼ぶ。双
方向印刷の場合には、1回の往路の走査が1つのパスで
あり、1回の復路の走査も1つのパスである。
【0040】図6の通常印刷動作では、偶数画素位置を
記録対象とする3回のパスと、奇数画素位置を記録対象
とする3回のパスとが交互に実行される。パス1からパ
ス3までは偶数画素位置を記録対象としており、パス4
からパス6までは奇数画素位置を記録対象としている。
偶数画素位置が記録対象となっているときのパスにおい
て各ノズルで記録されるラスタラインは実線で描かれて
おり、奇数画素位置が記録対象となっているパスにおい
て各ノズルで記録されるラスタラインは一点鎖線で描か
れている。また、非動作ノズルの記録対象となっている
ラスタライン(すなわちドット抜けのあるラスタライ
ン)は点線で描かれている。従って、ドット抜けが無い
1本のラスタラインは、実線と一点鎖線の2本の線で表
現されている。
【0041】図6の右側には、各ラスタライン上のドッ
トの記録状態を示している。白丸はドット抜けの画素位
置を示しており、斜線のパターンで塗りつぶされた丸は
記録可能な画素位置を示している。例えば、ラスタライ
ンL1は、パス2において6番目のノズルが偶数画素位
置の記録を担当しており、パス5において2番目のノズ
ルが奇数画素位置の記録を担当しているが、6番目のノ
ズルは非動作なので、ラスタラインL1の偶数画素位置
は記録されず、ドット抜けが発生している。同様に、ラ
スタラインL2,L3,L4等でも、6番目のノズルが
記録を担当する画素位置においてドット抜けが発生して
いる。
【0042】各パスの間には、4ドットの一定の送り量
Fで副走査送りが行われる。紙送りは図6の下方から上
方に向けて実行されるが、図6では図示の便宜上、あた
かも印刷ヘッド36が紙送りの方向とは逆の方向に移動
しているかのように描いている。なお、副走査送り量F
は一定値である必要は無く、複数の異なる値を組み合わ
せて使用することも可能である。
【0043】後述するように、補完処理の具体的な内容
は、非動作ノズルが先行ノズルであるか後行ノズルであ
るかに依存する。図7は、先行ノズルと後行ノズルの分
類を示す説明図である。「先行ノズル」とは、そのノズ
ルが記録を実行したラスタライン上に、その後のいずれ
かの主走査時に他のノズルが位置決めされるようなノズ
ルを言う。また、「後行ノズル」とは、そのノズルが記
録を実行したラスタライン上に、その後のいずれかの主
走査時に他のノズルが位置決めされないようなノズルを
言う。具体的には、図7(A)に示すように、スキャン
繰り返し数sが2の場合には、5番目から8番目までの
ノズルが先行ノズルであり、1番目から4番目までのノ
ズルが後行ノズルである。また、図7(B)に示すよう
に、スキャン繰り返し数sが4の場合には、3番目から
8番目までのノズルが先行ノズルであり、1番目と2番
目のノズルが後行ノズルである。
【0044】図7の例からも解るように、先行ノズル
は、印刷処理に使用されているN個(Nは2以上の整
数)のノズルのうちで、印刷用紙の先端に最も早く到達
する{N・(s−1)/s}個のノズルである。また、
後行ノズルは、印刷用紙の先端に最も遅く到達する(N
/s)個のノズルである。なお、先行ノズルと後行ノズ
ルは、各インクのノズル列毎に定義される。例えば、図
3に示すように、6色分のノズル列が存在するときに
は、6色分の各インク毎に先行ノズルと後行ノズルが定
義される。
【0045】図8は、第1実施例の印刷処理の手順を示
すフローチャートである。第1実施例では、1回の走査
を行った後にドット抜け検査を実行し、ドット抜けが検
出されたときにもノズルクリーニングは実行しない。
【0046】図8のステップS1では、1パスの印刷を
実行する。ステップS1における1パス分の印刷処理
は、後で詳しく説明するように、ドット抜けの補完処理
を含んでいる。1パスの印刷が終了すると、ステップS
2において、第1のドット抜け検査部40を用いて6色
分のすべてのノズルのドット抜け検査を実行する。な
お、以下の説明において、特に断らない限り、第1のド
ット抜け検査部40を用いることとするが、この代わり
に第2のドット抜け検査部42を用いることも可能であ
る。
【0047】ステップS3においてドット抜けが無いと
判断された場合には、ステップS6に移行し、1ページ
分の印刷が完了したか否かを判断する。完了していなけ
れば、ステップS1に戻る。
【0048】ステップS3においてドット抜けがある
(非動作ノズルが存在する)と判断された場合には、ス
テップS4またはステップS5が実行される。非動作ノ
ズルが先行ノズルである場合には、ステップS4におい
て、後行ノズルによる事後補完処理を予約する。すなわ
ち、ここでは直ちに補完処理を行わずに、その後のいず
れかのパスにおいて、後行ノズルによる補完動作を行う
旨がメインメモリ56(図2)内に補完情報として登録
される。例えば、図6のパス2の後のドット抜け検査で
は、6番目のノズルが目詰まりを起こしており、ラスタ
ラインL1上の偶数画素位置にドット抜けが発生してい
ることが判明する。6番目のノズルは先行ノズルなの
で、パス2の後のステップS4の処理では、ラスタライ
ンL1の偶数画素位置の補完が必要であることが補完情
報として登録される。同様に、パス3の後のステップS
4の処理では、ラスタラインL2の偶数画素位置の補完
が必要であることが補完情報として登録される。パス4
以降の各パスについても同様である。なお、以下では、
ドット抜けの検出後の通常印刷動作のいずれかのパスに
おいて行われる補完処理を「事後補完処理」と呼ぶ。ま
た、事後補完処理の対象となるラスタラインを「事後補
完対象ライン」または単に「補完対象ライン」と呼び、
事後補完処理の対象となる画素位置(すなわち、ドット
抜けが発生している画素位置)を「事後補完対象画素位
置」または単に「補完対象画素位置」と呼ぶ。
【0049】なお、事後補完処理のための補完情報とし
ては、補完対象ラインの位置を示す情報と、補完対象画
素位置(偶数画素位置か奇数画素位置か)を示す情報
と、を少なくとも含んでいる。また、補完対象画素位置
の記録に使用されるはずであった印刷データ(例えばラ
スタラインL1の偶数画素位置の印刷データ)は、事後
補完処理用の印刷データとして、イメージバッファ52
内の補完処理用バッファ(図示せず)に格納されて、事
後補完処理が実行されるまで保持される。
【0050】非動作ノズルが後行ノズルである場合に
は、ステップS5が実行される。ステップS5の内容に
ついては後述する。ステップS4またはステップS5に
おける処理が終了すると、ステップS6において、1ペ
ージ分の印刷が完了したか否かを判断し、完了していな
ければステップS1に戻り、1パス分の印刷を実行す
る。
【0051】図9は、ステップS1の詳細手順を示すフ
ローチャートである。ステップS11では、補完情報と
して登録されている補完対象ライン上での記録が実行さ
れるか否かが判断される。補完対象ライン上での記録が
実行されないときには、ステップS12に移行し、通常
印刷動作と同じ1パス分の印刷が実行される。一方、補
完対象ライン上での記録が実行されるときには、ステッ
プS13に移行する。例えば、図6のパス2の後の検査
において補完対象ラインとして予約されたラスタライン
L1は、パス5において2番目のノズルによる記録対象
となる。そこで、パス5の印刷時には、ステップS13
が実行される。
【0052】ステップS13では、補完対象ライン上の
補完対象画素位置のための印刷データが、通常のオーバ
ーラップ印刷動作の印刷データと合成される。この「印
刷データの合成」は、補完対象ライン上での補完を実行
する動作ノズルに対して通常のオーバーラップ印刷動作
時に供給される印刷データと、補完処理用印刷データと
を、画素の配列順に並べる処理を意味する。例えば、図
6のパス5において、2番目のノズルは、ラスタライン
L1の奇数画素位置の記録を担当するので、2番目のノ
ズルに対して通常のオーバーラップ印刷動作時に供給さ
れる印刷データは、このラスタラインL1上の奇数画素
位置に関する印刷データのみである。一方、このラスタ
ラインL1上の偶数画素位置に関する印刷データは、補
完処理用印刷データとしてイメージバッファ52(図
2)内に保持されている。そこで、ステップS13で
は、これらの2種類の印刷データを合成して、ラスタラ
インL1上における全画素位置に関する印刷データを生
成する。なお、他のノズルに対する印刷データは、通常
のオーバーラップ印刷動作時のものと同じである。ステ
ップS14では、この合成後の印刷データを用いてドッ
ト抜けの補完処理を実行しつつ、1パスの印刷が実行さ
れる。
【0053】図10は、第1実施例において先行ノズル
が非動作である場合の補完動作を示す説明図である。パ
ス1からパス4までは、図6に示した通常印刷動作と同
じである。パス5では、2番目のノズルによって、ラス
タラインL1上の全画素位置を対象として記録が実行さ
れる。また、パス6では、2番目のノズルによって、ラ
スタラインL2上の全画素位置を対象として記録が実行
される。パス7以降の各パスにも同様である。図6と図
10を比較すれば解るように、先行ノズルが非動作の場
合には、補完のための特別なパスを追加する必要が無
く、通常のオーバーラップ印刷動作のパスを利用してド
ット抜けを補完することが可能である。
【0054】なお、スキャン繰り返し数sが2のときに
は、1回のパスにおいて各ラスタライン上の奇数画素位
置のみ、または、偶数画素位置のみが記録対象となるの
に対して、事後補完処理では補完対象ライン上の全画素
位置が記録対象となる。このため、事後補完処理を行う
ときに、通常印刷動作と同じ主走査速度(キャリッジ速
度)で印刷ヘッド36を移動させると、印刷ヘッド36
の駆動特性上の制約から、正しい画素位置にドットを形
成できない場合もある。このときには、事後補完処理を
行う際に、通常印刷動作の場合よりも遅い主走査速度で
印刷を実行する。
【0055】また、スキャン繰り返し数sが4のときに
は、1回のパスにおいて、各ラスタライン上の4画素に
1画素の割合の画素位置のみが記録対象となるのに対し
て、事後補完処理では補完対象ライン上の4画素に2画
素の割合の画素位置が記録対象となる。このときにも、
必要に応じて通常印刷動作の場合よりも遅い主走査速度
で印刷を実行するようにすればよい。このような補完動
作の際の主走査速度の調整は、後述する事前補完処理に
おいても同様に行われる。
【0056】ところで、図8のステップS3においてド
ット抜けが検出されたときに非動作ノズルが後行ノズル
であった場合には、ステップS5が以下のように実行さ
れる。すなわち、ステップS5では、非動作ノズルの近
傍の動作ノズルを用いて直ちに追加補完処理を実行し、
さらに、その後のパスにおいて非動作ノズルが記録を担
当する予定である画素位置について、先行ノズルによる
事前補完処理の予約を登録する。ここで、「追加補完処
理」とは、通常印刷動作のパスではなく、補完のために
特別に追加されたパスによって実行される補完処理を意
味している。また、「事前補完処理」とは、ドット抜け
が実際に発生する以前の通常印刷動作のパスで行われる
補完処理を意味している。
【0057】図11は、第1実施例において後行ノズル
が非動作である場合の補完動作を示す説明図である。こ
の例では、パス1とパス2の間に2番目のノズルが非動
作となっている。このとき、パス2の後のステップS5
の処理では、2番目のノズルの近傍の動作ノズルである
1番目のノズルを用いて追加補完処理が実行される。す
なわち、図11に示すように、パス2の後に過渡的な第
1の送り量FCa(=3ドット)で副走査送りを行い、
パス2においてドット抜けが発生していたラスタライン
L1上に、近傍動作ノズルである1番目のノズルを位置
決めする。そして、ラスタラインL1上の補完対象画素
位置(すなわち奇数画素位置)に関する記録を1番目の
ノズルによって実行する。この追加補完処理は、間欠的
な補完対象画素位置(ラスタラインL1上では偶数画素
位置)のみを記録対象とするものなので、「間欠補完処
理」とも呼ぶ。また、追加補完処理を行うパスを「補完
パス」と呼ぶ。さらに、また、追加補完処理の対象とな
るラスタラインを「追加補完対象ライン」または単に
「補完対象ライン」と呼び、追加補完処理の対象となる
画素位置を「追加補完対象画素位置」または単に「補完
対象画素位置」と呼ぶ。
【0058】なお、過渡的な副走査送りとしては、送り
量FCaがマイナスの値をとる「逆送り」も可能である
が、通常は、送り量FCaがプラスである「順送り」の
方が副走査送り量の誤差が小さい。従って、追加補完動
作を担当する近傍動作ノズルとしては、順送りを行える
ように、非動作ノズルよりも後ろ側(紙送り方向に沿っ
て後ろ側)に存在するノズルを選択することが好まし
い。
【0059】こうして補完パスが終了すると、第2の過
渡的な送り量FCb(=1ドット)で副走査送りを行っ
て、通常印刷動作時の次のパスのノズル位置を実現する
ように印刷ヘッド36を移動する。例えば、パス2の後
の補完パスの終了後には、パス3の位置に印刷ヘッド3
6が位置決めされる。
【0060】図11から解るように、過渡的な送り量F
Ca,FCbによる2回の副走査送りは、通常印刷動作
の2回のパス(例えばパス2とパス3)の間に実行され
る。ドット抜けが無ければ、通常の2回のパスの間に実
行される副走査送りの送り量Fは、4ドットである。従
って、過渡的な副走査送りの2つの送り量FCa,FC
bは、それらの合計値(FCa+FCb)が、通常の2
回のパスの間に実行される副走査送りの送り量Fと等し
い値になるように設定される。こうすれば、追加補完処
理後も、通常印刷動作の次のパスに適した位置に印刷ヘ
ッド36を位置決めすることができる。従って、印刷動
作の全体を変更することなく、通常印刷動作の間に追加
補完動作を挿入するだけでよいので、ドット抜けの補完
を容易に実行することが可能である。
【0061】図8のステップS5における事前補完処理
予約の内容は、以下の通りである。図11のパス2の後
のドット抜け検査では、2番目のノズルが非動作である
ことが検出されている。この2番目のノズルは後行ノズ
ルなので、2番目のノズルがその後に記録を実行する予
定であるラスタラインは、2番目のノズルが記録を実行
する以前に、いずれかのパスにおいて、先行ノズルによ
る記録対象となっているはずである。図11の例では、
パス6において2番目のノズルが記録を実行する予定で
あるラスタラインL5が、それ以前のパス3において6
番目のノズルによる記録対象となっている。
【0062】そこで、パス2の直後のステップS5の処
理では、パス3以降の各パスにおいて2番目のノズルが
記録を実行する予定であるラスタラインが補完対象ライ
ンとして予約される。具体的には、ラスタラインL2,
L3,L4,L5…が、補完対象ラインとして予約され
る。こうすれば、パス3において図9の手順に従った処
理が実行されるときに、ラスタラインL5が補完対象ラ
インとして予約されているので、このラスタラインL5
上において、ステップS13,S14の処理が実行され
る。具体的には、6番目のノズルがラスタラインL5上
の全画素位置についての記録を実行する。このように、
ドット抜けの発生前に予め行われる補完処理を「事前補
完処理」と呼ぶ。また、事前補完処理の対象となるラス
タラインを「事前補完対象ライン」または単に「補完対
象ライン」と呼び、事前補完処理の対象となる画素位置
を「事前補完対象画素位置」または単に「補完対象画素
位置」と呼ぶ。
【0063】事前補完処理のために登録される補完情報
は、補完対象ラインの位置を示す情報と、補完対象画素
位置を示す情報と、を少なくとも含んでいる。但し、事
前補完処理で使用する印刷データ(例えばラスタライン
L5の偶数画素位置の印刷データ)は、通常印刷動作の
パス3の実行時点ではホストコンピュータ100からプ
リンタ側に供給されていない可能性がある。この時に
は、事前補完処理で使用する印刷データがホストコンピ
ュータ100から供給されてから、ステップS13,S
14の事前補完処理(すなわちパス3の印刷処理)を実
行する。
【0064】なお、図11に示す補完対象ラインL1〜
L7の中で、ラスタラインL2,L3,L4は、パス2
以前のパス(図11では一部の図示が省略されている)
において先行ノズルが既に記録を完了しているので、パ
ス3以降に行われる事前補完処理の対象とすることがで
きない。このような補完対象ラインL2,L3,L4に
ついては、ステップS5において、近傍動作ノズルを用
いた追加補完処理が実行される。具体的には、図11に
示されているように、パス3,4,5の直後には、パス
3,4,5においてドット抜けが発生したラスタライン
L2,L3,L4について、それぞれ追加補完処理が実
行されている。
【0065】一方、事前補完処理が実行される補完対象
ラインL5,L6,L7…については、追加補完処理は
不要である。従って、事前補完処理が完了しているラス
タライン上に非動作ノズル(2番目のノズル)が位置決
めされるパス6以降のパスでは、追加補完処理は不要に
なる。このように、図11の例では、通常印刷動作に補
完パスを4回追加するだけですべての補完処理を行うこ
とができるので、補完処理のために全体の印刷時間を過
度に増大させることが無いという利点がある。
【0066】なお、上述のような各種の補完動作の制御
は、システムコントローラ54によって実行される。
【0067】以上のように、第1実施例では、非動作ノ
ズルが検出されたときに、その非動作ノズルによる記録
対象となるラスタラインが通常のオーバーラップ印刷動
作のいずれかのパスにおいて他の動作ノズルの記録対象
となるときに、その動作ノズルを用いて補完処理を実行
している。従って、特別の補完パスをあまり追加せず
に、ドット抜けを補完することができるという利点があ
る。
【0068】D.第2実施例の印刷手順:図12は、第
2実施例の印刷処理の手順を示すフローチャートであ
る。第2実施例では、各パスの前にドット抜け検査を実
行するが、ドット抜けが検出されたときにもノズルクリ
ーニングは実行しない。
【0069】まず、ステップS21においてドット抜け
検査を実行する。ステップS22においてドット抜けが
無いと判断された場合には、ステップS28において1
パスの印刷を実行し、ステップS27に移行する。一
方、ドット抜けが有ると判断された場合には、非動作ノ
ズルが先行ノズルであるか後行ノズルであるかがさらに
判断される。非動作ノズルが先行ノズルである場合に
は、ステップS23において1パスの印刷を実行し、そ
の後、ステップS24において、後行ノズルによる事後
補完処理を予約する。ステップS23,S28の処理内
容は図8のステップS1(すなわち図9)と同じであ
り、また、ステップS24の処理内容は図8のステップ
S4と同じである。一方、非動作ノズルが後行ノズルで
ある場合には、ステップS25において1パスの印刷を
実行し、その後、ステップS26において、近傍動作ノ
ズルによる追加補完処理を行うとともに、先行ノズルに
よる事前補完処理を予約する。ステップS25の処理内
容は図8のステップS1と同じであり、また、ステップ
S26の処理内容は図8のステップS5と同じである。
【0070】ステップS24、S26、S28のいずれ
かの処理が終了すると、ステップS27において1ペー
ジ分の印刷が完了したか否かを判断し、完了していなけ
れば、ステップS21に戻る。このように、各パスの前
にドット抜け検査を行うようにしても、ドット抜けの補
完を行いつつ印刷を実行することが可能である。
【0071】上述した第1および第2実施例では、1回
のパス毎にドット抜けの検査を行って、ドット抜けが検
出されたときには他の動作ノズルを用いて補完動作を実
行している。従って、1回のパスの途中でドット抜けが
発生しても、すぐにドット抜けを検出することができ、
また、印刷媒体上のドット抜けを容易に解消することが
可能である。特に、オーバーラップ印刷モードの通常印
刷動作のパスにおいて、他の動作ノズルが補完対象ライ
ン上の記録を実行するときに、その補完対象ライン上の
補完対象画素位置での補完動作も併せて行うようにし
た。この結果、補完のための特別のパスをあまり追加す
ることなく、ドット抜けの補完を行うことができるとい
う大きな利点がある。
【0072】E.第3実施例の印刷手順:図13は、第
3実施例の印刷処理の手順を示すフローチャートであ
る。第3実施例では、各パスの後にドット抜け検査を実
行し、ドット抜けが検出されたときにはノズルクリーニ
ングを実行する。
【0073】まず、ステップS31で1パスの印刷を行
ない、ステップS32においてドット抜け検査を実行す
る。ステップS31の処理内容は、図8のステップS1
と同じである。ステップS33においてドット抜けが無
いと判断された場合には、ステップS37に移行し、1
ページ分の印刷が完了したか否かを判断する。完了して
いなければ、ステップS31に戻る。
【0074】ステップS33においてドット抜けがある
と判断された場合には、非動作ノズルが先行ノズルであ
るか後行ノズルであるかがさらに判断される。非動作ノ
ズルが先行ノズルである場合には、ステップS34にお
いて、後行ノズルによる事後補完処理を予約する。ステ
ップS34の処理内容は図8のステップS4と同じであ
る。一方、非動作ノズルが後行ノズルである場合には、
ステップS35において、近傍動作ノズルによる補完処
理を行うとともに、先行ノズルによる事前補完処理を予
約する。ステップS35の処理内容は図8のステップS
5と同じである。
【0075】ステップS34またはステップS35の処
理が終了した後に、ステップS36においてノズルのク
リーニングを実行する。このクリーニングでは、印刷ヘ
ッド36のすべてのノズルをクリーニングしてもよく、
また、目詰まりのあるノズルのみをクリーニングするよ
うにしてもよい。ステップS37では、1ページ分の印
刷が完了したか否かを判断し、完了していなければステ
ップS31に戻る。
【0076】図14は、第3実施例において、先行ノズ
ルが非動作ノズルであり、その非動作ノズルの動作がク
リーニングで回復した場合の補完動作を示す説明図であ
る。ここでは、パス1とパス2の間で6番目のノズルが
目詰まりしているが、パス2の後のクリーニングにおい
て目詰まりが解消し、パス3以降では6番目のノズルが
正常に動作すると仮定している。
【0077】この場合には、パス3以降では非動作ノズ
ルが存在しないので、パス2においてドット抜けが生じ
たラスタラインL1のみが補完対象ラインとなる。この
補完対象ラインL1上の補完処理は、図10に示した第
1実施例と同様に、パス5において、2番目のノズルが
補完対象ラインL1上の記録を実行する際に行われる。
すなわち、パス5においては、2番目のノズルが全画素
位置の記録を実行する。ドット抜けが存在するのはラス
タラインL1のみなので、他のパスでは補完処理は行わ
れない。
【0078】図15は、第3実施例において、後行ノズ
ルが非動作ノズルであり、その非動作ノズルの動作がク
リーニングで回復した場合の補完動作を示す説明図であ
る。ここでは、パス1とパス2の間で2番目のノズルが
目詰まりしているが、パス2の後のクリーニングにおい
て目詰まりが解消し、パス3以降では2番目のノズルが
正常に動作すると仮定している。
【0079】この場合には、パス3以降では非動作ノズ
ルが存在しないので、パス2においてドット抜けが生じ
たラスタラインL1のみが補完対象ラインとなる。この
補完対象ラインL1上の補完処理は、図11に示した第
1実施例と同様に、パス2の直後に行われる補完パスに
おいて実行される。この補完パスにおいては、1番目の
ノズルが、補完対象ラインL1の補完対象画素位置の記
録を実行する。ドット抜けが存在するのはラスタライン
L1のみなので、他のパスでは補完処理は行われない。
このように、後行非動作ノズルの動作がすぐに解消する
ときには、その直後の補完パスによる追加補完処理のみ
が実行され、事前補完処理は実行されない。
【0080】上述したように、ドット抜け検査でドット
抜けが検出されたときに、ノズルのクリーニングを行う
ようにすれば、ノズルの動作が回復したときに、その後
の補完処理が少なくて済むという利点がある。なお、ス
テップS36のクリーニングは、ドット抜けの検査後に
行えばよいので、例えばステップS33の後(ステップ
S34,S35の前)に行うようにしてもよい。
【0081】F.第4実施例の印刷手順:図16は、第
4実施例の印刷処理の手順を示すフローチャートであ
る。第4実施例では、各パスの前にドット抜け検査を実
行し、ドット抜けが検出されたときにはノズルクリーニ
ングを実行する。
【0082】まず、ステップS41ではドット抜け検査
を実行する。ステップS42においてドット抜けが無い
と判断された場合には、ステップS43において1パス
の印刷を実行する。ステップS43の処理内容は、図8
のステップS1と同じである。その後、ステップS51
に移行し、1ページ分の印刷が完了したか否かを判断す
る。完了していなければ、ステップS41に戻る。
【0083】ステップS42においてドット抜けがある
と判断された場合には、ステップS44においてノズル
のクリーニングを実行する。ステップS45では、すべ
てのノズルについてドット抜け検査を再度実行する。ス
テップS46において、ノズルの目詰まりが解消してい
ると判断された場合には、ステップS43に移行し、1
パスの印刷を実行した後にステップS51に移行する。
一方、ノズルの目詰まりが解消していないと判断された
場合には、非動作ノズルが先行ノズルであるか後行ノズ
ルであるかがさらに判断される。非動作ノズルが先行ノ
ズルである場合には、ステップS47において1パスの
印刷を実行し、その後、ステップS48において、後行
ノズルによる事後補完処理を予約する。ステップS47
の処理内容は図8のステップS1と同じであり、また、
ステップS48の処理内容は図8のステップS4と同じ
である。一方、非動作ノズルが後行ノズルである場合に
は、ステップS49において1パスの印刷を実行し、そ
の後、ステップS50において、近傍動作ノズルによる
追加補完処理を行うとともに、先行ノズルによる事前補
完処理を予約する。ステップ49の処理内容は図8のス
テップS1と同じであり、また、ステップS50の処理
内容は図8のステップS5と同じである。
【0084】ステップS48またはステップS50の処
理が終了すると、ステップS51において1ページ分の
印刷が完了したか否かを判断し、完了していなければ、
ステップS41に戻る。
【0085】上述した第3および第4実施例では、1回
のパス毎にドット抜けの検査を行い、ドット抜けが検出
されたときにはノズルのクリーニングを実行しているの
で、補完処理の必要性を低減することが可能である。
【0086】なお、この発明は上記の実施例や実施形態
に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様において実施することが可能であり、
例えば次のような変形も可能である。
【0087】(1)上記実施例において、ハードウェア
によって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置
き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによっ
て実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換え
るようにしてもよい。
【0088】(2)本発明は、一般にインク滴を吐出す
るタイプの印刷装置に適用可能であり、カラーインクジ
ェットプリンタ以外の種々の印刷装置に適用可能であ
る。例えば、インクジェット方式のファクシミリ装置や
コピー装置にも適用可能である。
【0089】(3)上記第4実施例では、1回のクリー
ニングによってノズルの目詰まりが解消しないときに補
完処理を行なうようにしていたが、2回以上のクリーニ
ングによってもノズルの目詰まりが解消しないときに、
初めて補完処理を行うようにしてもよい。すなわち、一
般には、所定回数までのクリーニングによってノズルの
目詰まりが解消したときには補完処理を行なわず、所定
回数以上のクリーニングによってもノズルの目詰まりが
解消しないときにのみ補完処理を行うようにすればよ
い。
【0090】(4)印刷媒体には、ドット抜けが目立ち
易いものと、目立ち難いものとがある。例えば、インク
ジェット印刷専用の印刷用紙はドット抜けが目立ち易
く、普通のコピー用紙はドット抜けが目立ち難い。そこ
で、ドット抜けが目立ち難い印刷媒体を使用する場合に
は、所定数のノズルが目詰まりするまで補完動作を行わ
ないようにしてもよい。こうすれば、印刷速度をあまり
低下させずに画質の低下を防止することできる。
【0091】(5)印刷される画像の種類にも、ドット
抜けが目立ち易いものと、目立ち難いものとがある。例
えば、写真画像はドット抜けが目立ち易いが、文字のみ
を含むテキスト画像や、グラフなどの図形と文字とで構
成されたグラフィック画像などはドット抜けが目立ち難
い。なお、テキスト画像やグラフィック画像などのよう
に、写真画像を含まない印刷画像を、本明細書では「非
写真画像」と呼ぶ。このような非写真画像を印刷する場
合には、所定数のノズルが目詰まりするまで補完動作を
行わないようにしてもよい。なお、このように印刷画像
の種類によって補完動作を調整する際には、例えばコン
ピュータからプリンタ側に送られる印刷データのヘッダ
内に、印刷画像の種類を示す情報を登録するようにすれ
ばよい。
【0092】(6)第3または第4実施例において、印
刷媒体上の印刷領域の終端に近い所定の領域内では、ド
ット抜けが検出されたときにも、クリーニングを行わず
に直ちに補完動作を開始するようにしてもよい。例え
ば、印刷用紙の最後の約1/3(または約1/4)の領
域では、クリーニングを行わずに補完動作を行うように
してもよい。こうすれば、印刷時間を短縮できる可能性
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのカラーインクジェッ
トプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図。
【図2】プリンタ20の電気的な構成を示すブロック
図。
【図3】第1のドット抜け検査部40の構成と、その検
査方法(飛行滴検査法)の原理とを示す説明図。
【図4】第1のドット抜け検査部40の他の構成を示す
説明図。
【図5】第2のドット抜け検査部42の構成と、その検
査方法(振動板検査法)の原理を示す説明図。
【図6】第1実施例の通常印刷動作を示す説明図。
【図7】スキャン繰り返し数sが2と4の場合における
先行ノズルと後行ノズルの分類を示す説明図。
【図8】第1実施例の印刷処理の手順を示すフローチャ
ート。
【図9】ステップS1の詳細手順を示すフローチャー
ト。
【図10】第1実施例において後行ノズルが非動作であ
る場合の補完動作を示す説明図。
【図11】第1実施例において先行ノズルが非動作であ
る場合の補完動作を示す説明図。
【図12】第2実施例の印刷処理の手順を示すフローチ
ャート。
【図13】第3実施例の印刷処理の手順を示すフローチ
ャート。
【図14】第3実施例において先行非動作ノズルの動作
が回復したときの補完動作を示す説明図。
【図15】第3実施例において後行非動作ノズルの動作
が回復したときの補完動作を示す説明図。
【図16】第4実施例の印刷処理の手順を示すフローチ
ャート。
【符号の説明】
20…カラーインクジェットプリンタ 22…用紙スタッカ 24…紙送りローラ 26…プラテン板 28…キャリッジ 30…キャリッジモータ 31…紙送りモータ 32…牽引ベルト 34…ガイドレール 36…印刷ヘッド 40…第1のドット抜け検査部 40a…発光素子 40b…受光素子 42…第2のドット抜け検査部 42a…振動板 42b…マイクロフォン 50…受信バッファメモリ 52…イメージバッファ 54…システムコントローラ 56…メインメモリ 61…主走査駆動ドライバ 62…副走査駆動ドライバ 63〜65…検査部ドライバ 66…ヘッド駆動ドライバ 80…インク通路 100…ホストコンピュータ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主走査を行いつつ、副走査方向に沿って
    配列されたノズル列からインク滴を吐出して印刷媒体の
    表面の各画素位置にドットを記録することによって画像
    を印刷する印刷方法であって、(a)1回の主走査では
    各主走査ライン上において間欠的な画素位置を記録対象
    とするとともに、複数回の主走査によって各主走査ライ
    ン上の全画素位置を記録対象とするオーバーラップ印刷
    動作を行う工程と、(b)オーバーラップ印刷動作の途
    中において、前記ノズル列に含まれる各ノズルからのイ
    ンク滴の吐出の有無を検査することによって、各ノズル
    が、インク滴を吐出できる動作ノズルとインク滴を吐出
    できない非動作ノズルとのうちのいずれであるかを決定
    する工程と、(c)前記検査によって前記非動作ノズル
    が検出されたときに、前記非動作ノズルが記録を担当す
    る主走査ラインおよび画素位置を、補完対象ラインおよ
    び補完対象画素位置としてそれぞれ登録する工程と、
    (d)前記補完対象ラインが、前記検査後の前記オーバ
    ーラップ印刷動作におけるいずれかの主走査において他
    の動作ノズルの記録対象となる場合に、前記動作ノズル
    が記録を担当する画素位置として前記補完対象画素位置
    を追加し、前記動作ノズルで前記補完対象ライン上の記
    録を行う補完動作を実行する工程と、を備えることを特
    徴とする印刷方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷方法であって、 前記補完動作は、 前記補完対象ラインのうちで、前記検査前の前記オーバ
    ーラップ印刷動作において前記非動作ノズルが記録を担
    当していたことによってドット抜けが発生している事後
    補完対象ラインについては、前記非動作ノズルよりも後
    に前記事後補完対象ライン上に他の動作ノズルが位置決
    めされるときに、前記事後補完対象画素位置を前記他の
    動作ノズルで記録する事後補完動作を含む、印刷方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の印刷方法であって、 前記補完動作は、さらに、 前記補完対象ラインのうちで、前記検査後の前記オーバ
    ーラップ印刷動作において前記非動作ノズルが記録を担
    当する予定である事前補完対象ラインについては、前記
    非動作ノズルよりも前に前記事後補完対象ライン上に他
    の動作ノズルが位置決めされるときに、前記事前補完対
    象画素を前記他の動作ノズルで記録する事前補完動作を
    含む、印刷方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の印刷方法であって、さら
    に、(e)前記補完対象ラインのうちで、前記検査後の
    前記オーバーラップ印刷動作において他の動作ノズルの
    記録対象とならない追加補完対象ラインについては、前
    記オーバーラップ印刷動作の主走査とは別に補完のため
    の主走査を追加し、前記追加された主走査時に前記補完
    対象画素位置を他の動作ノズルで記録する追加補完動作
    を実行する工程、を含む印刷方法。
  5. 【請求項5】 主走査を行いつつ、副走査方向に沿って
    配列されたノズル列からインク滴を吐出して印刷媒体の
    表面の各画素位置にドットを記録することによって画像
    を印刷する印刷装置であって、 前記ノズル列を有する印刷ヘッドと、 前記印刷ヘッドと前記記録媒体の少なくとも一方を駆動
    して主走査を行う主走査駆動部と、 前記主走査の最中に前記ノズル列を駆動してドットの記
    録を行わせるヘッド駆動部と、 前記主走査が終わる度に前記印刷ヘッドと前記記録媒体
    の少なくとも一方を駆動して副走査を行う副走査駆動部
    と、 前記ノズル列に含まれる各ノズルからのインク滴の吐出
    の有無を検査することによって、各ノズルが、インク滴
    を吐出できる動作ノズルとインク滴を吐出できない非動
    作ノズルとのうちのいずれであるかを決定する検査部
    と、 前記各部を制御するための制御部と、を備え、 前記制御部は、 1回の主走査では各主走査ライン上において間欠的な画
    素位置を記録対象とするとともに、複数回の主走査によ
    って各主走査ライン上の全画素位置を記録対象とするオ
    ーバーラップ印刷動作を行うオーバーラップ印刷機能
    と、 オーバーラップ印刷動作の途中において、前記検査部に
    各ノズルの検査を実行させる検査実行機能と、 前記検査によって前記非動作ノズルが検出されたとき
    に、前記非動作ノズルが記録を担当する主走査ラインお
    よび画素位置を、補完対象ラインおよび補完対象画素位
    置としてそれぞれ登録する補完対象登録機能と、 前記補完対象ラインが、前記検査後の前記オーバーラッ
    プ印刷動作におけるいずれかの主走査において他の動作
    ノズルの記録対象となる場合に、前記動作ノズルが記録
    を担当する画素位置として前記補完対象画素位置を追加
    し、前記動作ノズルで前記補完対象ライン上の記録を行
    う補完動作を実行する補完実行機能と、を備えることを
    特徴とする印刷装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の印刷装置であって、 前記補完動作は、 前記補完対象ラインのうちで、前記検査前の前記オーバ
    ーラップ印刷動作において前記非動作ノズルが記録を担
    当していたことによってドット抜けが発生している事後
    補完対象ラインについては、前記非動作ノズルよりも後
    に前記事後補完対象ライン上に他の動作ノズルが位置決
    めされるときに、前記事後補完対象画素位置を前記他の
    動作ノズルで記録する事後補完動作を含む、印刷装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の印刷装置であって、 前記補完動作は、さらに、 前記補完対象ラインのうちで、前記検査後の前記オーバ
    ーラップ印刷動作において前記非動作ノズルが記録を担
    当する予定である事前補完対象ラインについては、前記
    非動作ノズルよりも前に前記事後補完対象ライン上に他
    の動作ノズルが位置決めされるときに、前記事前補完対
    象画素を前記他の動作ノズルで記録する事前補完動作を
    含む、印刷装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の印刷装置であって、さら
    に、 前記補完対象ラインのうちで、前記検査後の前記オーバ
    ーラップ印刷動作において他の動作ノズルの記録対象と
    ならない追加補完対象ラインについては、前記オーバー
    ラップ印刷動作の主走査とは別に補完のための主走査を
    追加し、前記追加された主走査時に前記補完対象画素位
    置を他の動作ノズルで記録する追加補完動作を実行する
    追加補完動作実行部を含む、印刷装置。
  9. 【請求項9】 主走査を行いつつ、副走査方向に沿って
    配列されたノズル列からインク滴を吐出して印刷媒体の
    表面の各画素位置にドットを記録することによって画像
    を印刷する印刷装置を備えたコンピュータに、印刷を実
    行させるためのコンピュータプログラムを記録したコン
    ピュータ読み取り可能な記録媒体であって、 1回の主走査では各主走査ライン上において間欠的な画
    素位置を記録対象とするとともに、複数回の主走査によ
    って各主走査ライン上の全画素位置を記録対象とするオ
    ーバーラップ印刷動作を行うオーバーラップ印刷機能
    と、 オーバーラップ印刷動作の途中において、前記ノズル列
    に含まれる各ノズルからのインク滴の吐出の有無を検査
    することによって、各ノズルが、インク滴を吐出できる
    動作ノズルとインク滴を吐出できない非動作ノズルとの
    うちのいずれであるかを決定する検査機能と、 前記検査によって前記非動作ノズルが検出されたとき
    に、前記非動作ノズルが記録を担当する主走査ラインお
    よび画素位置を、補完対象ラインおよび補完対象画素位
    置としてそれぞれ登録する補完対象登録機能と、 前記補完対象ラインが、前記検査後の前記オーバーラッ
    プ印刷動作におけるいずれかの主走査において他の動作
    ノズルの記録対象となる場合に、前記動作ノズルが記録
    を担当する画素位置として前記補完対象画素位置を追加
    し、前記動作ノズルで前記補完対象ライン上の記録を行
    う補完動作を実行する補完実行機能と、を、コンピュー
    タに実現させるためのコンピュータプログラムを記録し
    たコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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