JP2001277543A - 定期フラッシング前におけるインク滴吐出検査の実行 - Google Patents

定期フラッシング前におけるインク滴吐出検査の実行

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JP2001277543A JP2000101754A JP2000101754A JP2001277543A JP 2001277543 A JP2001277543 A JP 2001277543A JP 2000101754 A JP2000101754 A JP 2000101754A JP 2000101754 A JP2000101754 A JP 2000101754A JP 2001277543 A JP2001277543 A JP 2001277543A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、ノズルのフラッシングやインク
滴の吐出検査を効率よく行う技術を提供することを目的
とする。 【解決手段】 本発明では、特定の事象から一定時間以
上経過したときには、複数のノズルの定期フラッシング
を実行する。そして、定期フラッシングを実行するとき
には、印刷領域において印刷ヘッドが印刷を実行した後
に、調整領域に印刷ヘッドが到達した時点であって、印
刷ヘッドが調整領域から印刷領域に戻る前に、吐出検査
を実行する。この吐出検査は、調整領域において、定期
フラッシングを行う前の時点で実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、印刷装置のノズ
ルのインク滴の吐出検査、フラッシングおよびクリーニ
ングを行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの出力装置として、
数色のインクをヘッドから吐出するタイプのプリンタが
広く普及している。このようなプリンタの中には、イン
クの増粘による吐出不良を防止するために、所定の時間
間隔をおいてノズルからインク滴を吐出する「定期フラ
ッシング」を行うものがある。また、定期的にインク滴
の吐出検査を行って、不動作ノズルが検出された場合に
はノズルのクリーニングを行うものがある。これらの定
期フラッシング、定期的なインク滴の吐出検査およびノ
ズルのクリーニングは、印刷における主走査と主走査の
間に行われる場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、印刷の主走査
の合間に、定期フラッシングおよび定期的なインク滴の
吐出検査を、それぞれの都合に応じたタイミングで行っ
たのでは、印刷を中断する回数が多くなり、全体として
印刷を終了するまでに要する時間が長くなる。また、フ
ラッシングの後に吐出検査やノズルのクリーニングを行
ったのでは、その間に再びインクの粘度が増し、その後
の印刷においてフラッシングの効果を十分に生かすこと
ができないことがある。
【0004】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、各ノズルのフラ
ッシングやインク滴の吐出検査を効率よく行う技術を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明で
は、以下のような印刷装置を対象としてその制御を行
う。なお、以下では、インク滴の吐出検査を「ドット抜
け検査」とも表記する。本発明が対象とするのは、複数
のノズルからインク滴を吐出することによって印刷媒体
に印刷を行う印刷装置であって、複数のノズルを有する
印刷ヘッドと、ノズルを駆動してインク滴を吐出させる
ヘッド駆動部と、印刷ヘッドを主走査方向に沿って双方
向に駆動して主走査を行う主走査駆動部と、複数のノズ
ルからのインク滴の吐出の有無を検査する検査部と、各
部を制御するための制御部と、を備える印刷装置であ
る。印刷ヘッドの主走査方向の移動可能な範囲は、印刷
ヘッドがノズルからインク滴を吐出して印刷媒体に印刷
を行う印刷領域と、複数のノズルのインク滴の吐出検査
とフラッシングとを行うための調整領域と、を有してい
る。
【0006】本発明では、特定の事象から一定時間以上
経過したときには、複数のノズルの定期フラッシングを
実行する。そして、定期フラッシングを実行するときに
は、複数のノズルが設けられた印刷ヘッドがノズルから
インク滴を吐出して印刷媒体に印刷を行う印刷領域にお
いて、印刷ヘッドが印刷を実行した後に、複数のノズル
のインク滴の吐出検査とフラッシングとを行うための調
整領域に印刷ヘッドが到達した時点であって、印刷ヘッ
ドが調整領域から印刷領域に戻る前に、調整領域におい
て、定期フラッシングを行う前の時点で、吐出検査を実
行する。
【0007】このような態様とすれば、フラッシングの
後にインク滴の吐出検査を経ないで印刷を行うことがで
きる。よって、インク滴の吐出検査を行ってもフラッシ
ングの効果を損なうことがない。すなわち、このような
態様とすれば、ノズル検査及び定期フラッシングを同時
に行うことができ、さらに、フラッシングの効果を有効
に生かして印刷を行うことができる。
【0008】なお、定期フラッシングを実行するときに
は、主走査のうち印刷ヘッドが印刷領域から調整領域に
向かう向きの走査である復路において、調整領域で吐出
検査を実行し、主走査のうち印刷ヘッドが調整領域から
印刷領域に向かう向きの走査である往路において、調整
領域で定期フラッシングを実行することが好ましい。
【0009】このような態様とすれば、印刷領域から調
整領域に退出して再び印刷領域に戻るまでの復路と往路
において、吐出検査とフラッシングの両方を行うことが
できる。そして、それぞれ吐出検査とフラッシングを往
路と復路で行うため、一つの行程で両方行う場合に比べ
て、調整領域として必要な距離が短い。しかも、フラッ
シングのあとに検査を経ないで印刷を行うことができ
る。
【0010】また、調整領域に、吐出検査を行うための
検査領域と、複数のノズルのクリーニングを行うための
クリーニング領域と、を設け、そのクリーニング領域は
検査領域を挟んで印刷領域の反対側に設け、復路におけ
る吐出検査においてインク滴を吐出しない不動作ノズル
が検出された場合には、クリーニング領域で複数のノズ
ルのクリーニングを実行することが好ましい。このよう
な態様とすれば、調整領域において、復路から往路に至
る一つづきの流れの中で、印刷ヘッドの送りの向きを変
えることなく、吐出検査とクリーニングとフラッシング
を行うことができる。
【0011】なお、調整領域に、フラッシングを行うた
めのフラッシング領域と、インク滴の吐出の有無の検査
を行うための検査領域と、を設け、そのフラッシング領
域は印刷領域と検査領域との間に設け、定期フラッシン
グを実行するときには、主走査のうち印刷ヘッドが印刷
領域から調整領域に向かう向きの走査である復路と、主
走査のうち印刷ヘッドが調整領域から印刷領域に向かう
向きの走査である往路と、の少なくとも一方において、
検査領域で吐出検査を実行し、往路において、フラッシ
ング領域で定期フラッシングを実行することが好まし
い。
【0012】このような態様においては、フラッシング
領域と検査領域が別に設けられているため、復路におい
て、必要に応じて吐出検査とフラッシングの両方を行う
ことができる。また、フラッシング領域が印刷領域と検
査領域との間に設けられているため、復路と往路とのい
ずれで吐出検査をする場合にも、フラッシングの前に吐
出検査を行うことができ、フラッシングの後、吐出検査
を経ないで印刷を行うことができる。
【0013】また、調整領域に、さらに、複数のノズル
のクリーニングを行うためのクリーニング領域を設け、
そのクリーニング領域は、検査領域を挟んでフラッシン
グ領域の反対側に設け、少なくとも復路において、検査
領域で吐出検査を実行し、吐出検査においてインク滴を
吐出しない不動作ノズルが検出された場合には、クリー
ニング領域でクリーニングを実行することが好ましい。
【0014】このような態様とすれば、調整領域におい
て、復路から往路に至る一つづきの流れの中で、印刷ヘ
ッドの送りの向きを変えることなく、吐出検査とクリー
ニングとフラッシングを行うことができる。そして、必
要に応じて、復路と往路の両方で吐出検査を行うことが
できる。
【0015】なお、往路と復路の二つの行路のうちいず
れか一方においては印刷領域における印刷を実行せず、
他方の行路に比べて印刷ヘッドを高速で送り、印刷ヘッ
ドがより高速で移動する行路において吐出検査を実行す
るときには、吐出検査の前に、印刷ヘッドの送り速さを
吐出検査に適した速さに減速することが好ましい。
【0016】このような態様においては、印刷を行わな
い行程においては印刷ヘッドを速く送るため、印刷に要
する時間を短くすることができる。しかも、吐出検査の
前に印刷ヘッドの送り速さを吐出検査に適した速さに減
速するので、同時に吐出検査の精度も確保することがで
きる。
【0017】なお、本発明は、以下に示すような種々の
態様で実現することが可能である。 (1)印刷装置または印刷制御装置。 (2)印刷方法、印刷制御方法または印刷装置の保全方
法。 (3)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータ
プログラム。 (4)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータ
プログラムを記録した記録媒体。 (5)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータ
プログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号。
【0018】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の実施の形態を
次のように分けて順次説明する。 A.第1実施例: A−1.装置の構成: A−2.フラッシング: A−3.クリーニング: A−4.ドット抜け検査: A−5.第1実施例の手順: A−6.第1実施例の効果: A−7.第1実施例の変形例: B.第2実施例: B−1.装置の構成: B−2.第2実施例の手順: B−3.第2実施例の効果: C.変形例:
【0019】A.第1実施例: A−1.装置の構成:図1は、本発明の一実施例として
のカラーインクジェットプリンタ20の主要な構成を示
す概略斜視図である。このプリンタ20は、用紙スタッ
カ22と、図示しないステップモータで駆動される紙送
りローラ24と、プラテン板26と、キャリッジ28
と、ステップモータ30と、ステップモータ30によっ
て駆動される牽引ベルト32と、キャリッジ28のため
のガイドレール34とを備えている。キャリッジ28に
は、多数のノズルを備えた印刷ヘッド36が搭載されて
いる。
【0020】印刷用紙Pは、用紙スタッカ22から紙送
りローラ24によって巻き取られて、プラテン板26の
表面上を副走査方向へ送られる。キャリッジ28は、ス
テップモータ30により駆動される牽引ベルト32に牽
引されて、ガイドレール34に沿って主走査方向に移動
する。主走査方向は、副走査方向に垂直である。なお、
印刷ヘッド36による印刷は、この主走査においてプラ
テン板26上の印刷用紙Pに対して行われるが、この印
刷が行われるプラテン板26上の領域を「印刷領域」と
呼ぶ。
【0021】図2は、ドット抜け検査が行われる検査領
域の近傍におけるプリンタの構成を示す説明図である。
印刷領域の外側(図1において右側)のガイドレール3
4下方には、ドット抜け検査部40と、廃インク受け4
6と、クリーニング機構200が設けられている。な
お、図1および図2においては、クリーニング機構20
0はヘッドキャップ210のみ示し、他の構成は省略し
ている。印刷ヘッド36がガイドレール34に沿って主
走査方向に移動する行路のうち、このドット抜け検査部
40と、廃インク受け46と、ヘッドキャップ210が
設けられている領域を、上記「印刷領域」に対して「調
整領域」とよぶ。
【0022】ドット抜け検査部40は、発光部40aと
受光部40bとを備えており、これらを利用してインク
滴の飛行状態を調べることによってドット抜けを検査す
る。ドット抜け検査部40による検査の詳細な内容につ
いては後述する。
【0023】廃インク受け46は、ドット抜け検査の際
にノズルから吐出されるインク滴を受ける容器である。
この廃インク受け46の底部には、インク滴のはね防止
のためのフェルトが敷かれている。また、印刷ヘッド3
6のノズルについては、インクの増粘による吐出不良の
防止のために所定の時間間隔をおいてノズルからインク
滴を吐出する「フラッシング」が行われるが、このフラ
ッシングも廃インク受け46上で行われる。そして、そ
の際に吐出されるインク滴も廃インク受け46が受け
る。すなわち、ドット抜け検査とフラッシングは同じ場
所で行われるため、印刷ヘッド36を廃インク受け46
上に一旦停止させて順に行うのでない限り、主走査の同
一行路で印刷ヘッド36を送りながらドット抜け検査と
フラッシングの両方を行うことはできない。なお、この
廃インク受け46上の領域でインク滴の吐出検査を行う
ことから、印刷ヘッド36の主走査方向の移動範囲のう
ち、この廃インク受け46上の領域を「検査領域」とよ
ぶ。
【0024】ヘッドキャップ210は、機密性のあるキ
ャップであり、印刷をしないときに印刷ヘッド36に被
せてノズル内のインクの乾燥を防止するものである。ま
た、ノズルが詰まった場合にも印刷ヘッド36にヘッド
キャップ210を被せて、後述するクリーニングを実行
する。なお、このヘッドキャップ210上の領域でノズ
ルクリーニングを行うことから、印刷ヘッド36の主走
査方向の移動範囲のうち、このヘッドキャップ210上
の領域を「クリーニング領域」とよぶ。
【0025】図3は、プリンタ20の電気的な構成を示
すブロック図である。プリンタ20は、ホストコンピュ
ータ100から供給された信号を受信する受信バッファ
メモリ50と、印刷データを格納するイメージバッファ
52と、プリンタ20全体の動作を制御するシステムコ
ントローラ54と、メインメモリ56と、タイマ58
と、を備えている。システムコントローラ54には、キ
ャリッジモータ30を駆動する主走査駆動ドライバ61
と、紙送りモータ31を駆動する副走査駆動ドライバ6
2と、ドット抜け検査部40を駆動する検査部ドライバ
63と、印刷ヘッド36を駆動するヘッド駆動ドライバ
66とが接続されている。
【0026】ホストコンピュータ100のプリンタドラ
イバ(図示せず)は、ユーザの指定した印刷モード(高
速印刷モード、高画質印刷モード等)に基づいて、印刷
動作を規定する各種のパラメータ値を決定する。このプ
リンタドライバは、さらに、これらのパラメータ値に基
づいて、その印刷モードで印刷を行うための印刷データ
を生成して、プリンタ20に転送する。転送された印刷
データは、一旦、受信バッファメモリ50に蓄えられ
る。プリンタ20内では、システムコントローラ54
が、受信バッファメモリ50から印刷データの中から必
要な情報を読取り、これに基づいて、各ドライバに対し
て制御信号を送る。
【0027】イメージバッファ52には、受信バッファ
メモリ50で受信された印刷データを色成分毎に分解し
て得られた複数の色成分の印刷データが格納される。ヘ
ッド駆動ドライバ66は、システムコントローラ54か
らの制御信号に従って、イメージバッファ52から各色
成分の印刷データを読出し、これに応じて印刷ヘッド3
6に設けられた各色のノズルアレイを駆動する。
【0028】A−2.フラッシング:印刷ヘッドに設け
られたノズルのうち使用頻度の低いノズルについては、
使用されない間に、ノズル内のインクから揮発成分が抜
けていき、インクの粘度が少しずつ増加(増粘)して、
吐出されるインク滴の飛行速度が小さくなる現象が起き
る。あまりに長期間使用されないノズルでは、インクの
増粘が進んでノズルが目詰まりする場合もある。目詰ま
りには至らないまでも、吐出するインク滴の飛行速度が
一部のノズルで小さくなり、その結果、ノズルごとのイ
ンク滴の飛行速度のばらつきが大きくなると、印刷画質
が損なわれてしまう。すなわち、ヘッドは印刷媒体に対
して相対移動しながらインク滴を吐出するので、飛行速
度にばらつきが生じると、インク滴が印刷媒体上に到達
する位置(着弾位置、すなわちインクドットが形成され
る位置)にばらつきが生じ、印刷画質の悪化を引き起こ
すのである。
【0029】このようなインクの増粘による画質の悪化
を避けるために、印刷装置20ではフラッシング(空打
ち)と呼ばれる動作を行う。これは、全ノズルからイン
ク滴を強制的に吐出して増粘インクを排出する動作であ
る。定期的なフラッシングを行ってインクの増粘を防げ
ば、インクの増粘による画質の悪化を回避することがで
きる。ノズルの使用頻度は、印刷しようとする画像に依
存するのはもちろんのこと、得ようとする印刷画質や印
刷速度の設定等によっても複雑に変化するので、予めど
のノズルでいつ頃増粘が起きるかを予測することは困難
である。このため、フラッシングは、インク滴の定期的
な排出を全ノズルについて実施する。
【0030】このフラッシングは、通常のインク滴の吐
出動作と同様に、ヘッド駆動ドライバ66によってノズ
ルからインク滴が吐出されて行われる。したがって、特
にフラッシングのための機構が設けられているわけでは
ない。ただし、吐出するインク滴を受けるために、廃イ
ンク受け46が設けられている。すなわち、フラッシン
グは、検査領域(図2)で、印刷ヘッド36が廃インク
受け46上に位置する状態で行う。
【0031】A−3.クリーニング:図4は、クリーニ
ング機構200の構成を示す概念図である。クリーニン
グ機構200は、ヘッドキャップ210と、ホース22
0と、ポンプローラ230とを備えている。このクリー
ニング機構200は、図1の廃インク受け46を挟んで
プラテン版の反対側に設けられている。なお図1では、
ヘッドキャップ210以外のクリーニング機構200の
構成については、図示を省略している。
【0032】ヘッドキャップ210の箱体212の上面
には、ゴム枠214が設けられている。クリーニングを
行う場合には、クリーニング時に印刷ヘッド36が主走
査方向のクリーニング領域(図2)に移動すると、ヘッ
ドキャップ210が上昇して印刷ヘッド36の下面にゴ
ム枠214が密着する。この結果、印刷ヘッド36の下
面とヘッドキャップ210とによって閉空間が形成され
る。
【0033】ポンプローラ230は、その周縁部の近傍
に2つの小ローラ232,234を有している。これら
の2つの小ローラ232,234の周囲には、ホース2
20が巻回されている。紙送りモータ31(図2)に駆
動されてポンプローラ230が矢印A方向に回転する
と、小ローラ232,234によってホース220内の
空気が押され、これによってヘッドキャップ210内の
閉空間が排気される。この結果、印刷ヘッド36の各ノ
ズルからインクが吸引され、ホース220を介して図示
しない廃インク排出部に排出される。また、ノズル先端
に存在するインクが排出されると、インクカートリッジ
側から新しいインクがノズルに供給される。
【0034】A−4.ドット抜け検査: (1)ドット抜け検査部の構成:図5は、ドット抜け検
査部40の構成と、その検査方法の原理を示す説明図で
ある。図5は、印刷ヘッド36を下面側から見た図であ
り、印刷ヘッド36の6色分のノズルアレイと、第1の
ドット抜け検査部40を構成する発光部40aおよび受
光部40bが描かれている。
【0035】印刷ヘッド36の下面には、ブラックイン
クを吐出するためのブラックインクノズル群Kと、
濃シアンインクを吐出するための濃シアンインクノズル
群C と、淡シアンインクを吐出するための淡シアン
インクノズル群Cと、濃マゼンタインクを吐出する
ための濃マゼンタインクノズル群Mと、淡マゼンタ
インクを吐出するための淡マゼンタインクノズル群M
と、イエローインクを吐出するためのイエローイン
クノズル群Yとが形成されている。
【0036】なお、各ノズル群を示す符号における最初
のアルファベットの大文字はインク色を意味しており、
また、添え字の「」は濃度が比較的高いインクであ
ることを、添え字の「」は濃度が比較的低いインク
であることを、それぞれ意味している。なお、イエロー
インクノズル群Yの添え字「」は、このノズル
群から吐出されるイエローインクが、濃シアンインクお
よび濃マゼンタインクとほぼ等量ずつ混合されたときに
グレー色となることを意味している。また、ブラックイ
ンクノズル群Kの添え字「」は、これらから吐
出されるブラックインクがグレー色では無く、濃度10
0%の黒色であることを意味している。
【0037】各ノズル群の複数のノズルは副走査方向S
Sに沿ってそれぞれ整列している。印刷時には、キャリ
ッジ28(図1)とともに印刷ヘッド36が主走査方向
MSに移動しつつ、各ノズルからインク滴が吐出され
る。
【0038】発光部40aは、外径が約1mm以下の光
束Lを射出するレーザである。このレーザ光Lは、図5
に示すように、副走査方向SSにからやや傾いた方向に
射出され、受光部40bで受光される。
【0039】(2)ドット抜け検査の原理:図6は、ド
ット抜け検査の検査方法の原理を示す拡大図である。ド
ット抜け検査の際には、まず、図5の矢印ARで示され
ているように印刷ヘッド36を一定速度で移動させて、
濃イエローYのノズル群から順にレーザ光Lに近づ
けていく。このとき、レーザ光Lは、図6のように、印
刷ヘッド36が送られるにつれて、濃イエローY
ノズル群の後端からノズル#48,#47,#4
6,,,の順に各ノズルの下方を(相対的に)横切るこ
ととなる。なおここでは、印刷ヘッド36の1色分のノ
ズル群がそれぞれ48個のノズル#1〜#48を有して
いるものと仮定している。
【0040】そして、レーザ光Lは、濃イエローY
のノズル群の前端に位置するノズル#1を横切ると、次
には、淡マゼンタインクノズル群Mのノズル群の後
端からノズル#48,#47,#46,,,の順に各ノ
ズルの下方を横切る。同様にして、図5において矢印a
,a,aなどに示すように、ブラックイン
クノズル群Kの前端のノズル#1にいたるまで、各
ノズルの下方をひとつづつ(相対的に)横切ることとな
る。
【0041】各ノズルには、レーザ光Lが真下を横切る
時にインク滴がレーザ光Lを横切るようなタイミングを
含む前後一定の時間、インク滴の吐出指示が出される。
すなわち、インク滴軌跡空間とレーザ光のインク滴検知
空間とが交差するときに、インク滴が両者の共有空間を
通過するように、その前後も含めてインク滴の吐出指示
が出されるものである。
【0042】ここで、レーザ光Lの「インク滴検知空
間」とは、レーザ光Lの光路のうちインク滴を検出でき
る程度のビーム強度を有する空間である。なお、本明細
書では、簡単のために、「レーザ光Lのインク滴検知空
間」を単に「レーザ光L」と書くことがある。また、図
においても単に「L」と表記する。なお、第1実施例で
は光にレーザ光を用いているが、レーザ光以外の光を用
いる場合においても、「インク滴検知空間」は、発光部
が発する光の光路のうち光の強度が所定値以上である空
間、と定めることができる。
【0043】また、「インク滴軌跡空間」とは、「所定
の大きさを有するインク滴がノズルから吐出されて、空
間を通過すると想定される軌跡」を意味している。こ
の、「インク滴軌跡空間」は予想に基づくものであるこ
とから、現実にはインク滴がこのインク滴軌跡空間から
はみ出す場合もある。このような場合には、(予想に基
づく)インク滴軌跡空間とレーザ光Lのインク滴検知空
間とが交差していても、インク滴が検査部の光を十分に
遮らないこともある。しかし、ノズルから正常にかつ下
方の想定した範囲内にインク滴が吐出されれば、吐出さ
れたインク滴は、途中でレーザ光Lのインク滴検知空間
を遮る。
【0044】ノズルから正常にかつ下方の想定した範囲
内にインク滴が吐出されると、吐出されたインク滴は、
途中でレーザ光Lのインク滴検知空間を遮るので、受光
部40bにおける受光が一時的に中断されるか、または
弱くなり、受光される光量が所定の閾値未満となる。こ
の場合には、そのノズルに目詰まりが無いと判断するこ
とができる。一方、あるノズルの駆動期間内に受光部4
0bで受光される光量が所定の閾値以上のときには、そ
のノズルは目詰まりしている可能性があると判断され
る。
【0045】従って、レーザ光Lの「インク滴検知空
間」とは、レーザ光Lの光路のうち、検知対象であるイ
ンク滴がその空間にあって自己の投影面積分の光を遮っ
たとき、それによる光量の低下を受光部40bで検知で
きるだけの、単位面積あたりの光の強さをもった空間、
ということである。
【0046】以上に説明したようにして、ブラックイン
クノズル群Kの前端のノズル#1がレーザ光Lの上
方を通過するまでにすべてのノズルについてインク滴の
吐出検査がなされる。なお、1滴のインクでは、レーザ
光Lが遮断されたか否かを十分確実に検出できない可能
性があるので、1つのノズルについて数滴ずつ吐出する
ようにすることが好ましい。
【0047】この検査法では、飛行中のインク滴を検出
することによって各ノズルの目詰まりの有無(すなわち
ドット抜けの有無)を検査するので、比較的短時間で検
査が終了するという利点がある。
【0048】なお、印刷ヘッド36の送りの方向につい
ては、主走査方向のいずれの向きに送ることとしても、
同様の検査を実現することができる。そして、ここでは
印刷ヘッド36は、キャリッジ28(図1)上で、ステ
ップモータ30により駆動される牽引ベルト32に牽引
されて、ガイドレール34に沿って主走査方向に送られ
るものとするが、独立に検査用のヘッド走査駆動装置を
備えるものとしてもよい。すなわち、印刷装置は、ノズ
ルと検査部の少なくとも一方を移動させることによっ
て、両者の相対位置を変えさせる送り機構を備えていれ
ばよい。印刷においてヘッドの主走査を行う装置と検査
において走査を行う装置とを同一の機構で兼用すれば、
装置を小型化できる。一方、検査において走査を行う装
置を独立に有するものとすれば、位置の精度が高いなど
の検査の目的にそった最適な装置を備えることができ
る。
【0049】なお、この検査法においては、検査部の配
置と検査対象である複数のノズルの配列とは、二つ以上
のノズルのインク滴軌跡空間がインク滴検知空間と同時
に交差することがないように設定されていることが好ま
しい。すなわち、レーザ光Lのインク滴検知空間は、複
数のノズルからのインク滴の行路と干渉することがある
とそれらを同時に検査することができない。このため、
レーザ光Lのインク滴検知空間の形状と光軸の向き、お
よびノズルピッチとノズル列の間隔の関係で、レーザ光
Lのインク滴検知空間が複数のノズルからのインク滴の
行路と干渉する場合には、次のような工夫をすることが
好ましい。
【0050】(3)ノズルのグループ分けと検査グルー
プごとの吐出検査:図7は、レーザ光Lのインク滴軌跡
空間と、ノズルの関係を示す説明図である。図7に示す
ように、レーザ光Lのインク滴検知空間の形状と光軸の
向き、およびノズルピッチとノズル列の間隔の関係で、
レーザ光Lのインク滴検知空間が、複数のノズルのイン
ク滴軌跡空間と干渉する場合には、上記検査法をそのま
ま適用することはできない。複数のノズルから吐出され
たインク滴が同時にレーザ光Lを横切り、一方のノズル
がインク滴を吐出していないにも関わらず他方のノズル
が吐出したインク滴によって当該ノズルを「正常動作し
ている」と誤判定するおそれがあるからである。このよ
うな問題を解決するため、第1実施例では、印刷ヘッド
36に設けられたノズルを6個の検査グループに分け、
それぞれ検査グループごとに吐出検査を行うこととし
て、二つ以上の検査対象ノズルのインク滴軌跡空間がイ
ンク滴検知空間と同時に交差することがないようにして
いる。
【0051】図8は、印刷ヘッド36a上のノズルのグ
ループ分けの状態を示す説明図である。ここでは説明を
簡単にするため、1列48個のノズル列を6列有する印
刷ヘッド36に代えて、1列9個のノズル列を同じく6
列有する印刷ヘッド36aを使って説明する。そして、
図8においては、各ノズルは、○に自己が所属する検査
グループの番号1〜6を書いたもので表されている。こ
の印刷ヘッド36aは、上述の印刷ヘッド36の1列の
ノズルの数を48個から9個に変えたものであり、ノズ
ル数以外の構成は印刷ヘッド36と同様である。そし
て、最初の送りで印刷ヘッド36aがレーザ光Lを横切
る際には、上述の場合と同様に、ノズル列YD のノズ
ル#9が最初にレーザ光Lを横切り、ノズル列KD
ノズル#1が最後にレーザ光Lを横切ることとなる。な
お、図8は、ノズルのグループ分けの状態を示す説明図
であり、ノズルピッチやノズル列の間隔は実際の寸法を
反映するものではない。
【0052】これら9個×6列のノズルは、9個づつの
六つのグループに分けられる。すなわち、第1の検査グ
ループはノズル列YD 、MD 、CD のノズル#9,
#6,#3、第3の検査グループはノズル列YD 、M
D 、CD のノズル#8,#5,#2、第5の検査グル
ープはノズル列YD 、MD 、CD のノズル#7,#
4,#1である。以上の検査グループでノズル列
D 、MD 、CD のすべてのノズルが網羅される。
また、第2の検査グループはノズル列KD 、C
のノズル#1,#4,#7、第4の検査グループ
はノズル列KD 、C、Mのノズル#2,#
5,#8、第6の検査グループはノズル列KD 、C
、Mのノズル#3,#6,#9である。以上の
検査グループでノズル列KD 、C、Mのすべ
てのノズルが網羅される。
【0053】上述のように各ノズルが検査グループに分
けられているため、検査グループに含まれるあるノズル
のインク滴軌跡空間とレーザ光のインク滴検知空間が交
差する際には、同じ検査グループに含まれるノズルのイ
ンク滴軌跡空間が同時にレーザ光のインク滴検知空間と
交差することはない。例えば、図8においては、第1の
検査グループに属しているノズル列YD の#3のノズ
ルのインク滴軌跡空間と、レーザ光のインク滴検知空間
Lとが交差してる。そして、同じく第1の検査グループ
に属しており、この#3のノズルの一つ前にインク滴検
知空間Lと交差するノズル列YD の#6のノズルのイ
ンク滴軌跡空間は、インク滴検知空間Lと交差しておら
ず、また、次にインク滴検知空間Lと交差するノズル列
D の#9のノズルのインク滴軌跡空間も、インク滴
検知空間Lと交差していない。よって、第1の検査グル
ープにおいて連続して吐出検査が行われるノズル列YD
の#6のノズル、#3のノズル、ノズル列MD の#9
のノズルのインク滴が、吐出検査において混同されるこ
とはない。
【0054】ノズルを各列48個備える第1実施例の印
刷ヘッド36の場合も、上記の説明のように、YD
D 、CD とKD 、C、Mという1列おき
のノズル列内の、2個おきのノズルで各検査グループを
構成する。そして、主走査の往路と復路において、各検
査グループごとのインク滴の吐出検査を行う。
【0055】図2により、主走査の往路/復路と検査グ
ループの吐出検査の関係を説明する。印刷領域において
最初の主走査による印刷を終えて、印刷ヘッド36が調
整領域に退出してきたときには(復路)、まず、ドット
抜け検査部40および廃インク受け46上で、第1の検
査グループについてインク滴の吐出検査が行われる。そ
して、発光部40aと受光部40bに挟まれた廃インク
受け46上を印刷ヘッド36がいったん通過した後、ヘ
ッドキャップ210上の待機位置で反転して再び印刷領
域に向かって再びドット抜け検査部40上を通過する際
(往路)には、廃インク受け46上で、第2の検査グル
ープについてインク滴の吐出検査が行われる。その後、
印刷領域で印刷が行われ、再び印刷ヘッド36が調整領
域に退出してきたときには、復路と往路で第3および第
4の検査グループについてインク滴の吐出検査が行われ
る。以下同様にして、印刷領域における印刷を挟んで第
5および第6の検査グループについて吐出検査が行わ
れ、その後は再び、第1および第2の検査グループにつ
いて吐出検査から、各検査グループについて順に吐出検
査がくり返される。
【0056】すなわち、印刷ヘッドが主走査方向に沿っ
た移動(復路又は往路)を1回完了する間に、検査グル
ープの一つが検査され、それが繰り返される。その結
果、主走査方向のいずれかの向きの移動において毎回検
査を行うこととすれば、印刷ヘッド36の一度の往復の
主走査において、二つの検査グループについて吐出検査
が行われ、3度の往復の主走査によって、印刷ヘッド3
6上のすべてのノズルについて吐出検査が行われること
となる。また、後述するように、主走査方向の移動のい
ずれか一方においてのみ検査を行うこととすれば、6度
の往復の主走査によって、印刷ヘッド36上のすべての
ノズルについて吐出検査が行われることとなる。なお、
これらの作業は、具体的には、システムコントローラ5
4(図3)が各ドライバを通じてキャリッジモータ3
0、ドット抜け検査部40、印刷ヘッド36を制御して
実現する。
【0057】ここでは、1列おきのノズル列内の、2個
おきのノズルで各検査グループを構成し、主走査の往路
または復路において、検査グループ単位でインク滴の吐
出検査を行っている。よって、印刷ヘッド上のノズルを
すべて対象とした場合に比べて、一の検査グループを構
成するノズルで互いに最も近いノズルの間では、列方向
で3倍、列間で2倍の距離が開いている。このため、ノ
ズルピッチやノズル列間隔に対してインク滴検知空間が
太く、または光軸の向きが傾いている場合にも、レーザ
光Lのインク滴検知空間が複数のノズルからのインク滴
の行路と干渉しない。
【0058】なお、各検査グループを構成するノズル
は、上記条件を満たすものに限られるわけではない。す
なわち、各検査グループは、ノズルの列内においてn個
(nは2以上の整数)に1個の割合で周期的に選択され
たノズルで構成することができ、さらに、ノズルの列の
うちm列(mは2以上の整数)に1列の割合で周期的に
選択された列に含まれるノズルで構成することもでき
る。そして、ノズルピッチやノズル列間隔、インク滴検
知空間の形状及び光軸の向きなどに応じて、上記nとm
を適宜の値に定めて、一度の吐出検査において一の検査
グループのノズルのみを対象とすれば、レーザ光Lのイ
ンク滴検知空間が複数のノズルからのインク滴の行路と
干渉しないようにすることができる。
【0059】A−5.第1実施例の手順:図9は、第1
実施例の処理手順を示すフローチャートである。システ
ムコントローラ54は、タイマ58により特定の事象か
ら一定時間以上の時間が経過したことを認識した場合に
は、図9に示す処理を開始する。すなわち、ステップS
1で、復路において印刷ヘッド36を印刷領域から調整
領域に送る。そして、ステップS2で、廃インク受け4
6上の検査領域(図2)において、あるノズルグループ
に含まれる各ノズルのインク滴の吐出検査を行う。ステ
ップS3では、インク滴の吐出検査の結果、不動作ノズ
ルが検出されたか否かを判定し、不動作ノズルが検出さ
れた場合には、ステップS4で、クリーニング領域(図
2)において、ノズルのクリーニングを行う。そして、
ステップS5で、印刷ヘッド36を印刷領域に向かって
動かし(往路)、ステップS6で、廃インク受け46上
の検査領域(図2)において、フラッシングを行う。な
お、ステップS3において、不動作ノズルが検出されな
かった場合には、クリーニング領域においてクリーニン
グを行わずに、ステップS5で、印刷ヘッド36を印刷
領域に向けて動かし、ステップS6で、廃インク受け4
6上でフラッシングを行う。そして、調整領域における
処理を終了して、印刷領域で印刷を行う。
【0060】なお、これらの作業は、具体的には、シス
テムコントローラ54(図2)が各ドライバを通じてキ
ャリッジモータ30、ドット抜け検査部40、印刷ヘッ
ド36を制御して実現する。また、システムコントロー
ラ54は、与えられたプログラムにしたがってそれらの
制御を行うものであるが、そのプログラムは、メインメ
モリ56に記録されている。このプログラムは、本実施
例では、上記作業の実行時においてメインメモリ56に
格納されている。しかし、ホストコンピュータ100
(図2)のメインメモリに格納されているプログラムに
したがって、システムコントローラ54が制御を行うも
のとしてもよい。また、このプログラムは、実行時にメ
モリに格納される前の段階で、ホストコンピュータ10
0のハードディスク内に格納しておくことができる。さ
らに、このプログラムは、それら固定設置されている記
録媒体のほか、可搬の記録媒体に記録することもでき
る。すなわち、フラッシュメモリやフロッピー(登録商
標)ディスク、CD−ROM、CD−RWなどの記録媒
体に記録することもできる。また、ネットワークに直接
またはコンピュータを介して接続された記録媒体に格納
することもできる。すなわち、このプログラムの記録媒
体としては、上記制御を行わせるプログラムを記録でき
る物であれば、どのようなものでもよい。
【0061】A−6.第1実施例の効果:第1実施例に
おいては、印刷領域から調整領域に退出して再び印刷領
域に戻るまでの復路と往路において、吐出検査とフラッ
シングの両方を行うことができる。よって、吐出検査と
フラッシングをそれぞれの都合に応じて行う場合に比べ
て印刷ヘッドが調整領域にある時間(印刷を休止してい
る時間)を短くすることができ、その結果、印刷を早く
行うことができる。なお、通常、吐出検査が必要とされ
る時間間隔とフラッシングが必要とされる時間間隔とで
は、フラッシングが必要とされる時間間隔の方が短いた
め、第1実施例において、主走査の合間に調整領域で吐
出検査とフラッシングを行う時間間隔は、フラッシング
の要請に基づいて定めればよい。
【0062】また、第1実施例では、吐出検査とフラッ
シングをともに検査領域において往路と復路でそれぞれ
行うため、一つの行程で両方行う場合に比べて、主走査
方向に必要な廃インク受け46の幅、ひいては印刷装置
の幅を小さくできる。しかも、フラッシングは往路にお
いて行うため、フラッシングのあとに吐出検査を経ない
で印刷を行うことができ、フラッシングの効果を十分生
かして印刷を行うことができる。
【0063】また、第1実施例においては、レーザ光L
の光軸がノズル列の並びの方向に対して所定の傾きを有
しているため、印刷ヘッド36を送りながら順次一つづ
つノズルの検査を行うことができる。よって、比較的短
時間で検査を行うことができる。
【0064】A−7.第1実施例の変形例:図10は、
プラテン板の両側にドット抜け検査部と、廃インク受け
を備えるカラーインクジェットプリンタの主要な構成を
示す概略斜視図である。第1実施例では、図1に示すよ
うに、ドット抜け検査部40と廃インク受け46は、プ
ラテン板26の右側にのみ設けられていた。しかし、図
10に示すように、プラテン板26の左側にも、ドット
抜け検査部40を構成する発光部40c、受光部40d
と、廃インク受け46Lとを備える態様とすることもで
きる。なお、変形例のプリンタ20aの他の構成は、第
1実施例のプリンタ20と同様である。このような態様
においては、印刷領域の両側に検査領域が存在すること
となる(図2参照)。以降、発光部40c、受光部40
dおよび廃インク受け46Lが設けられている方の検査
領域を「左側の検査領域」と呼び、発光部40a、受光
部40bおよび廃インク受け46が設けられている方の
検査領域を「右側の検査領域」と呼ぶ。
【0065】図11は、第1実施例の変形例の処理手順
を示すフローチャートである。図11のステップS41
からS46の処理は、それぞれ図9におけるステップS
1からS6の処理と同じである。なお、ステップS43
の処理は、所定の場合にはステップS3とは異なるが、
それについては後述する。第1実施例の変形例では、シ
ステムコントローラ54(図3)は、ステップS46に
おけるフラッシングを終えると、ステップS47で往路
の印刷を行う。そして、往路の主走査を終え、印刷ヘッ
ド36がプラテン板26の左端までいったときに、ステ
ップS48で、未検査ノズルがあるか否かの判定を行
う。前述のように、印刷ヘッド36のノズルは、6個の
検査グループに分けられている。そして、印刷ヘッド3
6が(片道の)主走査において廃インク受け46上を一
度通過する際に、一つの検査グループについて吐出検査
が行われる。よって、検査を行う時刻が到来して最初に
ステップS42で検査を行った後には、6個の検査グル
ープのうちの第1の検査グループについてだけ検査が行
われており、第2〜第6の検査グループのノズルについ
ては、吐出検査が行われていない。そのような場合に
は、ステップS48において「未検査ノズルがある」と
判断して、ステップS49〜S53の処理が行われる。
一方、検査を行う時刻が到来した後、すでにすべての検
査グループの吐出検査を行った場合には、システムコン
トローラ54は、吐出検査を終了する。
【0066】ステップS48において「未検査ノズルが
ある」とされた場合には、システムコントローラ54
は、ステップS49で、印刷ヘッド36をプラテン板2
6上から廃インク受け46L上に向けてそのまま往路の
向きに送る。そして、ステップS50で、左側の検査領
域の廃インク受け46L上を通過させつつ、ノズルから
インク滴を吐出させて、発光部40cと受光部40dを
使ってインク滴の吐出検査を行う。その際、検査対象と
なるのは、第2の検査グループに含まれるノズルであ
る。印刷ヘッド36が廃インク受け46L上を往路の向
きに通過した後、システムコントローラ54は、ステッ
プS51で、印刷ヘッド36をプラテン板26の方、す
なわち、復路の向きに送る。そして、ステップS52
で、廃インク受け46L上を通過させつつ、フラッシン
グを行う。その後、印刷ヘッド36はプラテン板26上
の印刷領域に送られ、ステップS53で復路の印刷が行
われる。
【0067】復路の印刷が行われた後には、再びステッ
プS41で、印刷ヘッド36が右側の検査領域に送ら
れ、ステップS42で、インク滴の吐出検査が行われ
る。ここでは、第3の検査グループのノズルについて検
査が行われる。その後、ステップS43で、不動作ノズ
ルが存在したか否かの判定が行われる。ここでは、ステ
ップS50で行った第2の検査グループについての検
査、および直前のステップS41で行った第3の検査グ
ループについての検査の結果、不動作ノズルが存在した
か否かの判定が行われる。第2および第3の検査グルー
プ内に不動作ノズルが存在した場合には、ステップS4
4でクリーニングが行われる。その後、ステップS45
〜S47の処理が行われる。
【0068】ステップS48では、再び、未検査ノズル
が存在するか否かの判定が行われる。これまでに第1〜
第3の検査グループの検査が行われているが、第4〜第
6までの検査グループについてはまだ検査が行われてい
ないので、ステップS48では、「未検査ノズルがあ
る」と判断され、引き続きステップS49以降の処理が
行われる。以下同様にして、すべての検査グループの検
査が終了するまで、ステップS41〜S53の処理が行
われる。
【0069】このような態様とすれば、第1の検査グル
ープの吐出検査を開始してから全ての検査グループの検
査を終了するまでの時間を短くすることができる。この
ため、インク滴の吐出検査を行う時刻が到来してから実
際にあるノズルの検査が行われるまでに、そのノズルに
目詰まりが発生してしまう可能性が低い。
【0070】また、主走査方向の距離が長く、主走査に
要する時間と望ましい検査時間間隔とが比較的近い場合
には、全ての検査グループの検査を終了するために何度
も主走査を繰り返していると、次の検査時刻が到来して
しまうこととなる。しかし、上記のような態様とすれ
ば、少ない主走査回数で短時間に全ノズルの吐出検査を
行うことができるので、そのような問題を回避すること
ができる。
【0071】なお、ドット抜け検査部と廃インク受けを
印刷領域の両側に設けることとすると、それらが片側に
のみ設けられているプリンタに比べて主走査方向の幅が
大きくなる。しかし、現状、定期フラッシングを迅速に
行うために印刷領域の両側に廃インク受けが設けられて
いるプリンタも存在する。そのようなプリンタに対して
は、さらにドット抜け検査部も印刷領域の両側に設ける
こととしても、プリンタの幅が大きくなるということは
ほとんどない。そして、現状、印刷の途中で印刷領域の
両側においてフラッシングを行っているプリンタに対し
ては、さらに吐出検査も印刷領域の両側において行うこ
ととしても、印刷開始から終了までの時間が大きく増大
することもない。
【0072】なお、図10に示す変形例では、クリーニ
ング機構は印刷領域の右側にのみ設けられていたが、両
側に設けるものとしてもよい。すなわち、一般に、主走
査方向の印刷領域の両側に調整領域を有し、定期フラッ
シングと吐出検査とをそれらの調整領域において実行す
るものであれば、どのような態様でも上記変形例を実現
可能である。
【0073】B.第2実施例: B−1.装置の構成:図12は、第2実施例の印刷装置
のドット抜け検査部40と、廃インク受け46と、ヘッ
ドキャップ210の配置を示す説明図である。第2実施
例の印刷装置においては、第1実施例に比べて発光部4
0aと受光部40bがプラテン板26から離されて設け
られており、廃インク受け46は、その発光部40aと
受光部40bの間の位置からプラテン板26近辺まで、
主走査方向に幅広に設けられている。したがって、第2
実施例においては、発光部40aと受光部40bに挟ま
れドット抜け検査を行う領域である「検査領域」よりも
プラテン板26寄りの領域で、吐出検査とは別にフラッ
シングを行うことができる。この「検査領域」とプラテ
ン板26の間のフラッシングを行う領域を「フラッシン
グ領域」と呼ぶ。
【0074】図13は、双方向印刷の場合と第2実施例
における単方向印刷の場合の印刷ヘッドの主走査の送り
速さを示すグラフである。第2実施例においては、印刷
領域において、主走査の往路でのみ印刷を行い、復路で
は印刷を行わない。そして、復路では往路に比べて高速
で印刷ヘッドを送る。すなわち、第1実施例のように、
主走査の往路と復路の両方で印刷を行う双方向印刷にお
いては、図13(a)に示すように、往路と復路のいず
れも240cpsで印刷ヘッドが送られる。ここで、
「cps」とは、「Character Per Se
cond」の略であり、標準的な文字幅の文字を1秒間
にいくつ印刷することができる速さであるか、を表すも
のである。これに対して第2実施例では、復路では正確
な印刷を行えるだけの低速を保つ必要がないため、図1
3(b)下段に示すように、印刷領域において印刷ヘッ
ドは600cpsで送られる。しかし、ステップS22
(図14)で吐出検査を行う際には、図13(b)下段
に示すように、検査領域の手前のフラッシング領域にお
いて、印刷ヘッド36は、240cpsにまで減速され
る。そして、検査領域で吐出検査を行う際には、印刷ヘ
ッド36は、240cpsで送られる。第2実施例の印
刷装置は、以上の各相違点以外は第1実施例と同様であ
る。
【0075】B−2.第2実施例の手順:図14は、第
2実施例の処理手順を示すフローチャートである。この
フローチャートにおいて、ステップS21〜S25は、
それぞれ第1実施例のステップS1〜S5に対応するも
のである。第2実施例での処理は、ステップS26以降
が第1実施例とは異なる。すなわち、ステップS25
で、印刷ヘッド36を印刷領域に向かって動かした後
(往路)、廃インク受け46上の検査領域(図12)に
おいて、吐出検査を行う。それ以前に行われた吐出検査
(ステップS22,S23)において不動作ノズルがな
かったときには、ステップS26で吐出検査の対象とな
るノズルグループは、ステップS22で吐出検査の対象
とされたノズルグループとは別のノズルグループであ
る。例えば、復路において、ステップS22で第1の検
査グループについてインク滴の吐出検査を行った場合に
は、往路において、ステップS26では第2の検査グル
ープについてインク滴の吐出検査を行う。その後、ステ
ップS27において、インク滴の吐出検査の結果、不動
作ノズルが検出されたか否かを判定する。不動作ノズル
が検出されなかった場合には、ステップS28で、フラ
ッシング領域(図12)においてフラッシングを行い、
調整領域での処理を終了する。
【0076】一方、ステップS27で、不動作ノズルが
検出された場合には、さらに、ステップS29で、クリ
ーニング回数が上限N回を超えていないかどうかを判定
する。上限を超えている場合は、その旨をホストコンピ
ュータ100のモニタに表示して、調整領域における処
理および印刷を中断する。また、上限を超えていない場
合は、ステップS31で、印刷ヘッド36をクリーニン
グ領域(図12)に動かし、ステップS24で、ノズル
のクリーニングを行う。そして、ステップS25で、印
刷ヘッド36を印刷領域に向かって動かし(往路)、廃
インク受け46上の検査領域(図12)において、再び
吐出検査を行う。なお、ステップS24で不動作ノズル
検出によるクリーニングを行った場合は、ステップS2
5では、先に吐出検査を行ったノズルグループと同じノ
ズルグループについて、再度吐出検査を行う。その後、
ステップS28において、フラッシング領域(図12)
でフラッシングを行い、調整領域での処理を終了する。
【0077】B−3.第2実施例の効果:第2実施例に
おいては、廃インク受け46が主走査方向に幅広に設け
られており、フラッシング領域と検査領域が別に設けら
れている。このため、往路においては、吐出検査を行う
ことができ、復路においては、吐出検査とフラッシング
の両方を行うことができる。すなわち、往路と復路で吐
出検査を行うことができ、一度の主走査の往復で二つの
ノズルグループについて吐出検査を行うことができる。
このため、各ノズルグループの吐出検査の間隔を短くす
ることができる。
【0078】また、フラッシング領域が印刷領域と検査
領域との間に設けられているため、復路と往路とのいず
れの吐出検査も、フラッシングの前に行うことができ、
フラッシングの後、吐出検査を経ないで印刷を行うこと
ができる。
【0079】さらに、第2実施例においては、印刷を行
わない復路においては印刷ヘッド36を高速で送るた
め、印刷に要する時間を短くすることができる。しか
も、吐出検査の前に印刷ヘッドの送り速さを吐出検査に
適した速さに減速するので、吐出検査の精度が低下する
こともない。
【0080】C.変形例:図15は、双方向印刷の場合
と上記第2実施例の変形例における単方向印刷の場合と
の印刷ヘッドの主走査の送り速さを示すグラフである。
第2実施例では、往路において印刷領域での印刷を行
い、復路において印刷を行わずに印刷ヘッドを高速で送
るものとしたが、図15では、復路において印刷領域で
の印刷を行い、往路において印刷を行わずに印刷ヘッド
を高速で送るものとしている。その場合には、図15上
段に示すように、低速で吐出検査を行った後、加速し
て、印刷ヘッドを高速で送ることとすることができる。
また、第2実施例では、印刷を行う行路では、印刷ヘッ
ドを240cpsで送り、印刷を行わない行路では、6
00cpsで送るものとしたが、数値はこれに限られる
ものではない。すなわち、往路と復路の二つの行路のう
ちいずれか一方においては印刷領域における印刷を実行
せず、他方の行路に比べて印刷ヘッドを高速で送る場合
は、印刷ヘッドがより高速で移動する行路において、吐
出検査の前に、印刷ヘッドの送り速さを吐出検査に適し
た速さに減速することとすれば、同様の効果が得られ
る。
【0081】図16は、変形例のドット抜け検査部42
の構成と、その検査方法(振動板検査法)の原理を示す
説明図である。第2実施例では、検査部40は、光を使
用した吐出検査を行うものとしたが、検査部の検査方法
はこれに限られるものではない。例えば、第2実施例の
ように、フラッシング領域と検査領域が別に設けられて
いる場合は、振動板による検査を行う検査部を採用する
ことができる。図16のドット抜け検査部42は、その
表面に設けられた振動板がインク滴で振動するか否かを
調べることによってドット抜けを検査するものである。
図16は、印刷ヘッド36の1つのノズルnの近傍の断
面図であり、変形例のドット抜け検査部42を構成する
振動板42aとマイクロフォン42bも描かれている。
ピエゾ素子PEの変形によりノズルnから吐出されたイ
ンク滴Ipが振動板42aに到達すると、振動板42a
が振動する。マイクロフォン42bは、この振動板42
aの振動を電気信号に変換する。従って、マイクロフォ
ン42bからの出力信号(振動音信号)を検出すれば、
インク滴Ipが振動板42aに到達したか否か(すなわ
ちノズルの目詰まりの有無)を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのカラーインクジェッ
トプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図。
【図2】プラテン板26と、ドット抜け検査部40と、
廃インク受け46と、ヘッドキャップ210の位置関係
を示す説明図。
【図3】プリンタ20の電気的な構成を示すブロック
図。
【図4】クリーニング機構200の構成を示す概念図。
【図5】第1のドット抜け検査部40の構成と、その検
査方法の原理を示す説明図。
【図6】ドット抜け検査の検査方法の原理を示す拡大
図。
【図7】レーザ光Lのインク滴軌跡空間と、ノズルの関
係を示す説明図。
【図8】印刷ヘッド36a上のノズルのグループ分けの
状態を示す説明図。
【図9】第1実施例の処理手順を示すフローチャート。
【図10】プラテン板の両側にドット抜け検査部と、廃
インク受けを備えるカラーインクジェットプリンタの主
要な構成を示す概略斜視図。
【図11】第1実施例の変形例の処理手順を示すフロー
チャート。
【図12】第2実施例の印刷装置のドット抜け検査部4
0と、廃インク受け46と、ヘッドキャップ210の配
置を示す説明図。
【図13】双方向印刷の場合と単方向印刷の場合の印刷
ヘッドの主走査の送り速さを示すグラフ。
【図14】第2実施例の処理手順を示すフローチャー
ト。
【図15】双方向印刷の場合と単方向印刷の場合の印刷
ヘッドの主走査の送り速さを示すグラフ。
【図16】第2のドット抜け検査部42の構成と、その
検査方法(振動板検査法)の原理を示す説明図。
【符号の説明】
20…カラーインクジェットプリンタ 20a…カラーインクジェットプリンタ 22…用紙スタッカ 24…紙送りローラ 26…プラテン板 28…キャリッジ 30…キャリッジモータ 31…紙送りモータ 32…牽引ベルト 34…ガイドレール 36…印刷ヘッド 40…第1のドット抜け検査部 40a,c…発光部 40b,d…受光部 46…廃インク受け 46L…廃インク受け 50…受信バッファメモリ 52…イメージバッファ 54…システムコントローラ 56…メインメモリ 58…タイマ 61…主走査駆動ドライバ 62…副走査駆動ドライバ 63…検査部ドライバ 66…ヘッド駆動ドライバ 80…インク通路 100…ホストコンピュータ 210…ヘッドキャップ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズルからインク滴を吐出するこ
    とによって印刷媒体に印刷を行う印刷装置であって、 前記複数のノズルを有する印刷ヘッドと、 前記ノズルを駆動してインク滴を吐出させるヘッド駆動
    部と、 前記印刷ヘッドを主走査方向に沿って双方向に駆動して
    主走査を行う主走査駆動部と、 前記複数のノズルからのインク滴の吐出の有無を検査す
    る検査部と、 前記各部を制御するための制御部と、を備え、 前記印刷ヘッドの主走査方向の移動可能な範囲は、前記
    印刷ヘッドが前記ノズルからインク滴を吐出して前記印
    刷媒体に印刷を行う印刷領域と、前記インク滴の吐出検
    査と前記複数のノズルのフラッシングとを行うための調
    整領域と、を有しており、 前記制御部は、 特定の事象から一定時間以上経過したときには、前記ヘ
    ッド駆動部に前記複数のノズルの定期フラッシングを実
    行させ、 前記定期フラッシングを実行させるときには、 前記印刷ヘッドが前記印刷領域で印刷を実行した後に前
    記調整領域に到達した時点であって前記印刷ヘッドが前
    記調整領域から前記印刷領域に戻る前に、前記調整領域
    において、前記定期フラッシングを行う前の時点で、前
    記検査部に前記インク滴の吐出検査を実行させる、印刷
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記制御部は、 前記定期フラッシングを実行させるときには、 主走査のうち前記印刷ヘッドが前記印刷領域から前記調
    整領域に向かう向きの走査である復路において、前記調
    整領域で前記検査部に前記吐出検査を実行させ、 主走査のうち前記印刷ヘッドが前記調整領域から前記印
    刷領域に向かう向きの走査である往路において、前記調
    整領域で前記ヘッド駆動部に前記定期フラッシングを実
    行させる、印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の印刷装置であって、さら
    に、 前記複数のノズルのクリーニングを行うクリーニング機
    構を備え、 前記調整領域は、前記吐出検査を行うための検査領域
    と、前記クリーニングを行うためのクリーニング領域
    と、を含み、 前記クリーニング領域は、前記検査領域を挟んで前記印
    刷領域の反対側に設けられており、 前記制御部は、 前記復路における前記吐出検査においてインク滴を吐出
    しない不動作ノズルが検出された場合には、前記クリー
    ニング領域で前記クリーニング機構に前記クリーニング
    を実行させる、印刷装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記調整領域は、前記定期フラッシングを行うためのフ
    ラッシング領域と、前記インク滴の吐出の有無の検査を
    行うための検査領域と、を含み、 前記フラッシング領域は、前記印刷領域と前記検査領域
    との間に設けられており、 前記制御部は、 前記定期フラッシングを実行させるときには、 主走査のうち前記印刷ヘッドが前記印刷領域から前記調
    整領域に向かう向きの走査である復路と、主走査のうち
    前記印刷ヘッドが前記調整領域から前記印刷領域に向か
    う向きの走査である往路と、の少なくとも一方におい
    て、前記検査領域で前記検査部に前記吐出検査を実行さ
    せ、 前記往路において、前記フラッシング領域で前記ヘッド
    駆動部に前記定期フラッシングを実行させる、印刷装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の印刷装置であって、さら
    に、 前記複数のノズルのクリーニングを行うクリーニング機
    構を備え、 前記調整領域は、さらに、前記クリーニングを行うため
    のクリーニング領域を含み、 前記クリーニング領域は、前記検査領域を挟んで前記フ
    ラッシング領域の反対側に設けられており、 前記制御部は、 少なくとも前記復路において、前記検査領域で前記検査
    部に前記吐出検査を実行させ、 前記吐出検査においてインク滴を吐出しない不動作ノズ
    ルが検出された場合には、前記クリーニング領域で前記
    クリーニング機構に前記クリーニングを実行させる、印
    刷装置。
  6. 【請求項6】 請求項2ないし5のいずれかに記載の印
    刷装置であって、 前記制御部は、 前記往路と前記復路の二つの行路のうちいずれか一方に
    おいては前記印刷領域における印刷を実行せず、他方の
    行路に比べて前記印刷ヘッドがより高速で移動するよう
    に前記主走査駆動部を制御し、 前記印刷ヘッドがより高速で移動する行路において、前
    記検査部に前記吐出検査を実行させるときには、前記吐
    出検査の前に前記印刷ヘッドの移動速度を前記吐出検査
    に適した速さに減速させるように前記主走査駆動部を制
    御する、印刷装置。
  7. 【請求項7】 複数のノズルからインク滴を吐出するこ
    とによって印刷媒体に印刷を行う印刷装置の制御方法で
    あって、(a)特定の事象から一定時間以上経過したと
    きには、前記複数のノズルの定期フラッシングを実行す
    る工程、を備え、 前記工程(a)は、(b)前記複数のノズルが設けられ
    た印刷ヘッドが前記ノズルからインク滴を吐出して前記
    印刷媒体に印刷を行う印刷領域において、前記印刷ヘッ
    ドが印刷を実行した後に、前記複数のノズルのインク滴
    の吐出検査とフラッシングとを行うための調整領域に前
    記印刷ヘッドが到達した時点であって、前記印刷ヘッド
    が前記調整領域から前記印刷領域に戻る前に、前記調整
    領域において、前記定期フラッシングを行う前の時点
    で、前記吐出検査を実行する工程、を含む、印刷装置の
    制御方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の印刷装置の制御方法であ
    って、 前記工程(b)は、 主走査のうち前記印刷ヘッドが前記印刷領域から前記調
    整領域に向かう向きの走査である復路において、前記調
    整領域で前記吐出検査を実行する工程と、 主走査のうち前記印刷ヘッドが前記調整領域から前記印
    刷領域に向かう向きの走査である往路において、前記調
    整領域で前記定期フラッシングを実行する工程と、を含
    む、印刷装置の制御方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の印刷装置の制御方法であ
    って、 前記調整領域は、前記吐出検査を行うための検査領域
    と、前記複数のノズルのクリーニングを行うためのクリ
    ーニング領域と、を含み、 前記クリーニング領域は、前記検査領域を挟んで前記印
    刷領域の反対側に設けられており、 前記制御方法は、さらに、 前記復路における前記吐出検査においてインク滴を吐出
    しない不動作ノズルが検出された場合には、前記クリー
    ニング領域で前記複数のノズルのクリーニングを実行す
    る工程を備える、印刷装置の制御方法。
  10. 【請求項10】 請求項7記載の印刷装置の制御方法で
    あって、 前記調整領域は、前記フラッシングを行うためのフラッ
    シング領域と、前記インク滴の吐出の有無の検査を行う
    ための検査領域と、を含み、 前記フラッシング領域は、前記印刷領域と前記検査領域
    との間に設けられており、前記工程(b)は、 主走査のうち前記印刷ヘッドが前記印刷領域から前記調
    整領域に向かう向きの走査である復路と、主走査のうち
    前記印刷ヘッドが前記調整領域から前記印刷領域に向か
    う向きの走査である往路と、の少なくとも一方におい
    て、前記検査領域で前記吐出検査を実行する工程と、 前記往路において、前記フラッシング領域で前記定期フ
    ラッシングを実行する工程と、を含む、印刷装置の制御
    方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の印刷装置の制御方法
    であって、 前記調整領域は、さらに、前記複数のノズルのクリーニ
    ングを行うためのクリーニング領域を含み、 前記クリーニング領域は、前記検査領域を挟んで前記フ
    ラッシング領域の反対側に設けられており、 少なくとも前記復路において、前記検査領域で前記吐出
    検査を実行し、 前記吐出検査においてインク滴を吐出しない不動作ノズ
    ルが検出された場合には、前記クリーニング領域で前記
    クリーニングを実行する、印刷装置の制御方法。
  12. 【請求項12】 請求項8ないし11のいずれかに記載
    の印刷装置の制御方法であって、 前記往路と前記復路の二つの行路のうちいずれか一方に
    おいては前記印刷領域における印刷を実行せず、他方の
    行路に比べて前記印刷ヘッドを高速で送り、 前記印刷ヘッドがより高速で移動する行路において、前
    記吐出検査を実行するときには、前記吐出検査の前に、
    前記印刷ヘッドの送り速さを前記吐出検査に適した速さ
    に減速する、印刷装置の制御方法。
  13. 【請求項13】 複数のノズルからインク滴を吐出する
    ことによって印刷媒体に印刷を行う印刷装置を備えたコ
    ンピュータに、前記印刷装置を制御させるための、コン
    ピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可
    能な記録媒体であって、 特定の事象から一定時間以上経過したときには、前記複
    数のノズルの定期フラッシングを実行する機能と、 前記定期フラッシングを実行するときに、 前記複数のノズルが設けられた印刷ヘッドが前記ノズル
    からインク滴を吐出して前記印刷媒体に印刷を行う印刷
    領域において、前記印刷ヘッドが印刷を実行した後に、
    前記複数のノズルのインク滴の吐出検査とフラッシング
    とを行うための調整領域に前記印刷ヘッドが到達した時
    点であって、前記印刷ヘッドが前記調整領域から前記印
    刷領域に戻る前に、前記調整領域において、前記定期フ
    ラッシングを行う前の時点で、前記吐出検査を実行する
    機能と、をコンピュータに実現させるための、コンピュ
    ータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な
    記録媒体。
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