JP3890853B2 - ノズルを選択して行うインク滴吐出検査 - Google Patents

ノズルを選択して行うインク滴吐出検査 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のノズルからインク滴をそれぞれ吐出して印刷媒体の表面にドットを記録し画像を印刷する印刷装置の、ノズルのインク滴の吐出検査に関するものである。特に、ノズルのインク滴の吐出検査の実行/不実行を選択する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、複数のノズルからインク滴を吐出して画像の印刷を行う。インクジェットプリンタの印刷ヘッドには、多数のノズルが設けられているが、インクの粘度の増加や気泡の混入等の原因によって、いくつかのノズルが目詰まりしてインク滴を吐出できない場合がある。ノズルが目詰まりすると画像内にドットの抜けが生じ、画質を劣化させる原因となる。特に、温度や湿度等の動作環境の変化により、目詰まりを起こすことがあった。また、インク毎の使用頻度の違いにより目詰まりの起こしやすさに違いがみられた。このため、印刷の前または印刷中などに、ノズルについて実際にインク滴を吐出するかどうかを検査する吐出検査を行って、目詰まりがないかどうかを確認することが好ましい。吐出検査は、実際にインク滴を吐出させてみて行う。そして、吐出検査の結果に応じてノズルのクリーニングを行う。このインク滴の吐出検査の頻度は、もっとも目詰まりしやすいノズルを基準にして定められることが多い。なお、本明細書においては、ノズルのインク滴の吐出検査を「ドット抜け検査」とも呼ぶ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
すべてのノズルについて、もっとも目詰まりしやすいノズルを基準にして定めた頻度で吐出検査を行う場合、比較的目詰まりしにくいノズルについては、検査の必要性が低いにも係わらず検査を行うこととなる。そして、検査のために、比較的目詰まりしにくいノズルに供給されるインクも消費されてしまうという問題があった。
【0004】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、インク滴の吐出検査の際におけるインクの消費量を低減する技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、以下のような印刷装置を対象として後述する不動作ノズルの検出を行う。すなわち、対象とするのは、インクを吐出するための複数のノズル列を備える印刷ヘッドと、各ノズルがインク滴を吐出できるか否かを検査する吐出検査を行うための検査部と、を備える印刷装置である。そのような印刷装置において、まず、(a)各ノズルからのインクの吐出に関連する履歴を表す第1の履歴データと、各ノズルからのインクの吐出に関連する履歴を表す履歴データであって第1の履歴データとは異なる第2の履歴データと、を生成する。そして、(b)吐出検査を実施する対象ノズルを決定する。その後、(c)ノズル列のインク滴の吐出検査を行う。対象ノズルを決定する際には、(b1)あらかじめ定められた第1の基準データと第1の履歴データとを比較することによって第1の候補ノズルを決定する。また、(b2)あらかじめ定められた第2の基準データと第2の履歴データとを比較することによって、インク滴の吐出回数が基準吐出回数を超えている第2の候補ノズルを決定する。そして、(b3)第1および第2の候補ノズルの少なくとも一方に該当するノズルを対象ノズルとして決定する。
【0006】
なお、対象ノズルの決定とインク滴の吐出検査とは、印刷中に主走査一往復ごとに実行することが好ましい。
【0008】
また、印刷装置が、印刷ヘッドと記録媒体の少なくとも一方を駆動して、主走査を行ってドットを形成する印刷装置である場合には、次のようにすることが好ましい。すなわち、第1の基準データを、各ノズル列についての、主走査の回数を使って規定される吐出検査の頻度のデータを含むデータとする。そして、第1の履歴データの生成の際には、第1の履歴データの少なくとも一部であって、一つの印刷データに基づく印刷を開始してからの主走査の回数を表すデータを生成する。このような態様とすれば、主走査の回数に基づいて、簡単にノズルごとの検査の頻度を変えることができる。
【0010】
また、印刷装置が、複数のノズル列についてクリーニングを行う印刷装置である場合には、次のようにすることが好ましい。すなわち、第2の基準データを、各ノズル列についての、最後にクリーニングを実行してからのインク滴の基準吐出回数を使って規定される吐出検査の頻度のデータを含むデータとする。そして、第2の履歴データの生成の際には、第2の履歴データの少なくとも一部であって、各ノズルの最後にクリーニングを実行してからの吐出回数を表すデータを生成する。そして、第2の候補ノズルの決定の際には、最後にクリーニングを実行してからの吐出回数と、基準吐出回数と、を比較する。このような態様とすれば、最後にクリーニングを実行したあと一定回数以上、インク滴を吐出し、比較的目詰まりを起こしている可能性が高いと考えられるノズルを選択して吐出検査を行うことにより、効率的に不動作ノズルを検出することができる。
【0011】
また、インクの物理的特質に影響を与える複数のパラメータに基づいて、第1および第2の基準データの少なくとも一方を準備することが好ましい。なお、印刷装置の複数のノズルが、2以上の互いに異なる種類のインクを吐出するノズル列を含む場合には、対象ノズルを決定する前に、インクの種類に応じて設けられた第1または第2の基準データを準備することが好ましい。このような態様とすれば、吐出検査を行うか否かの判断基準となる基準状態を、インクの特質を反映して定めることができる。よって、比較的目詰まりしやすいインクを吐出するノズルを選択して吐出検査を行うことで、効率的に不動作ノズルを検出することができる。
【0012】
また、インクの温度に応じて設けられた第1または第2の基準データを準備することとしてもよい。このような態様とすれば、検査を行うか否かの判断基準となる基準状態を定める際に、インクの温度を反映して基準状態を定めることができる。よって、温度変化によってインクの目詰まりのしやすさが変化する場合に、その変化を反映して検査を行うか否かの判断基準を定めることができる。
【0013】
なお、各ノズルの周囲の湿度に応じて設けられた第1または第2の基準データを準備することとしてもよい。このような態様とすれば、検査を行うか否かの判断基準となる基準データを定める際に、ノズルの周囲の湿度を反映して定めることができる。よって、湿度変化によってインクの目詰まりのしやすさが変化する場合に、その変化を反映して検査を行うか否かの判断基準を定めることができる。
【0014】
なお、本発明は、以下に示すような種々の態様で実現することが可能である。
(1)印刷装置または印刷制御装置。
(2)不動作ノズル検出方法。
(3)印刷方法または印刷制御方法。
(4)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラム。
(5)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体。
(6)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を次のように分けて順次説明する。
A.第1実施例:
A−1.装置全体の構成:
A−2.ドット抜け検査:
A−3.検査対象ノズルの選択:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
【0016】
A.第1実施例:
A−1.装置全体の構成:
図1は、本発明の一実施例としてのカラーインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図である。このプリンタ20は、用紙スタッカ22と、図示しないステップモータで駆動される紙送りローラ24と、プラテン板26と、キャリッジ28と、ステップモータ30と、ステップモータ30によって駆動される牽引ベルト32と、キャリッジ28のためのガイドレール34とを備えている。キャリッジ28には、多数のノズルを備えた印刷ヘッド36が搭載されている。
【0017】
印刷用紙Pは、用紙スタッカ22から紙送りローラ24によって巻き取られて、プラテン板26の表面上を一方向に搬送される。この方向を「副走査方向」と呼ぶ。キャリッジ28は、ステップモータ30により駆動される牽引ベルト32に牽引されて、ガイドレール34に沿って副走査方向に垂直な方向に移動する。この副走査方向に垂直な方向を「主走査方向」と呼ぶ。なお、印刷ヘッド36による印刷は、この主走査においてプラテン板26上の印刷用紙Pに対して行われる。この印刷が行われるプラテン板26上の領域を「印刷領域」と呼ぶ。
【0018】
図2は、印刷ヘッド36の背面図である。印刷ヘッド36には、それぞれ2列のノズル列を駆動する三つのアクチュエータ36a〜cが設けられており、それらアクチュエータ36a〜cには、それぞれ温度センサ35a〜cが設けられている。これらの温度センサ35a〜cが測定する温度は、各アクチュエータによってノズルから吐出されるインクの温度の情報として用いられる。また、図示しないプリンタ20のボディには、湿度センサ37が取り付けられている。この湿度センサ37が測定する湿度は、印刷ヘッド36の周囲の湿度の情報として用いられる。
【0019】
印刷ヘッド36に取り付けられるインクカートリッジには、ICメモリ(インクデータ記憶部)39が取り付けられている(図1参照)。このICメモリ39には、インクの種類についての情報が格納されている。一方、印刷ヘッド36には、ICメモリ39の内容を読みとるためのインクデータ読み取り部(図示せず)が設けられている。
【0020】
印刷領域の外側(図1において右側)には、ドット抜け検査部40とクリーニング機構200が設けられている。なお、図1においては、クリーニング機構200はヘッドキャップ210のみ示し、他の構成は省略している。印刷ヘッド36がガイドレール34に沿って主走査方向に移動する行路のうち、このドット抜け検査部40とヘッドキャップ210が設けられている領域を、上記「印刷領域」に対して「調整領域」とよぶ。
【0021】
ドット抜け検査部40は、2本のガイドレール34と向かい合うように設けられた廃インク受け46を有する。この廃インク受け46は、インク滴の吐出検査の際に印刷ヘッド36から吐出されるインク滴を受けるものである。また、ドット抜け検査部40は、発光部40aと受光部40bを有する。この発光部40aと受光部40bは、廃インク受け46を挟んで向かい合うように設けられている。発光部40aはレーザ光を射出し、受光部40bは、そのレーザ光を受光する。受光部40bは、受光する光量に応じてその出力を変える装置であればよく、例えば、フォトダイオードとすることができる。この発光部40aが射出し受光部40bが受光するレーザ光は、副走査方向に対して約26度の角度をなして、2本のガイドレール34と廃インク受け46の間の空間を横切る。印刷ヘッド36の各ノズル列は副走査方向に沿って配されているので、レーザ光は、ノズル列の並び方向に対して約26度の角度をなすこととなる。ガイドレール34に沿った印刷ヘッド36の主走査方向の移動範囲のうち、この廃インク受け46上の領域を「検査領域」とよぶ。なお、ドット抜け検査部40の詳細な構成およびドット抜け検査の方法については後述する。また、図1においては、ドット抜け検査部40の他の構成要素については、図示が省略されている。
【0022】
ヘッドキャップ210は、機密性のあるキャップであり、印刷をしないときに印刷ヘッド36に被せてノズル内のインクの乾燥を防止するものである。また、ノズルが詰まった場合にも、印刷ヘッド36にヘッドキャップ210を被せて、内部の空気を吸引してクリーニングを実行する。ガイドレール34に沿った印刷ヘッド36の主走査方向の移動範囲のうち、このヘッドキャップ210上の領域を「クリーニング領域」とよぶ。
【0023】
図3は、プリンタ20の電気的な構成を示すブロック図である。プリンタ20は、ホストコンピュータ100から供給された信号を受信する受信バッファメモリ50と、印刷データを格納するイメージバッファ52と、プリンタ20全体の動作を制御するシステムコントローラ54と、メインメモリ56と、PROM51と、を備えている。システムコントローラ54には、キャリッジモータ30を駆動する主走査駆動ドライバ61と、紙送りモータ31を駆動する副走査駆動ドライバ62と、ドット抜け検査部40を駆動する検査部ドライバ63と、クリーニング機構200を駆動するクリーニングドライバ64と、印刷ヘッド36を駆動するヘッド駆動ドライバ66と、温度センサ35a〜cと、湿度センサ37とが接続されている。PROM51には、後述する検査間隔データ59aが格納されている。
【0024】
ホストコンピュータ100のプリンタドライバ(図示せず)は、ユーザの指定した印刷モード(高速印刷モード、高画質印刷モード等)に基づいて、印刷動作を規定する各種のパラメータ値を決定する。このプリンタドライバは、さらに、これらのパラメータ値に基づいて、その印刷モードで印刷を行うための印刷データを生成して、プリンタ20に転送する。転送された印刷データは、一旦、受信バッファメモリ50に蓄えられる。プリンタ20内では、システムコントローラ54が、受信バッファメモリ50から印刷データの中の必要な情報を読取り、これに基づいて、各ドライバに対して制御信号を送る。
【0025】
イメージバッファ52には、受信バッファメモリ50で受信された印刷データを色成分毎に分解して得られた複数の色成分の印刷データが格納される。ヘッド駆動ドライバ66は、システムコントローラ54からの制御信号に従って、イメージバッファ52から各色成分の印刷データを読出し、これに応じて印刷ヘッド36に設けられた各色のノズルアレイを駆動する。
【0026】
A−2.ドット抜け検査のしくみ:
(1)発光部および受光部とノズル列の関係:
図4は、ドット抜け検査部40の構成と、その検査方法の原理を示す説明図である。図4は、印刷ヘッド36を下面側から見た図であり、印刷ヘッド36の6色分のノズルアレイと、第1のドット抜け検査部40を構成する発光部40aおよび受光部40bが模式的に描かれている。
【0027】
印刷ヘッド36の下面には、ブラックインクを吐出するためのブラックインクノズル群KD と、濃シアンインクを吐出するための濃シアンインクノズル群CD と、淡シアンインクを吐出するための淡シアンインクノズル群CL と、濃マゼンタインクを吐出するための濃マゼンタインクノズル群MD と、淡マゼンタインクを吐出するための淡マゼンタインクノズル群ML と、イエローインクを吐出するためのイエローインクノズル群YD とが形成されている。
【0028】
各ノズル群の複数のノズルは副走査方向SSに沿ってそれぞれ1列のノズル列として配列されている。印刷時には、キャリッジ28(図1参照)とともに印刷ヘッド36が主走査方向MSに移動しつつ、各ノズルからインク滴が吐出される。
【0029】
発光部40aは、射出位置における外径が約1mm以下の光束Lを射出するレーザである。このレーザ光Lは、図4に示すように、副走査方向SSに対して約26度傾いた方向に射出され、受光部40bで受光される。すなわち、レーザ光Lは、副走査方向SSに沿って配列されている各ノズル列に対して約26度傾いた方向に射出される。
【0030】
(2)印刷ヘッドの送りとドット抜け検査:
ドット抜け検査の際には、まず、図4の矢印ARで示されているように印刷ヘッド36を一定速度で移動させて、濃イエローYD のノズル群から順にレーザ光Lに近づけていく。このとき、レーザ光Lは、印刷ヘッド36が送られるにつれて、濃イエローYD のノズル群の後端からノズル#48,#47,#46,,,の順に各ノズルの下方を(相対的に)横切ることとなる。なおここでは、印刷ヘッド36の1色分のノズル群がそれぞれ48個のノズル#1〜#48を有しているものと仮定している。
【0031】
そして、レーザ光Lは、濃イエローYD のノズル群の前端に位置するノズル#1を横切ると、次には、淡マゼンタインクノズル群ML のノズル群の後端からノズル#48,#47,#46,,,の順に各ノズルの下方を横切る。同様にして、図4において矢印a1 ,a2 ,a3 などに示すように、ブラックインクノズル群KD の前端のノズル#1にいたるまで、各ノズルの下方をひとつずつ(相対的に)横切ることとなる。
【0032】
図5は、インク滴の吐出検査の方法を示す側面図である。各ノズルには、レーザ光Lがインク滴の軌跡を横切る時にインク滴がレーザ光Lを横切るようなタイミングを含む前後一定の時間、インク滴の吐出指示が出される。ノズルから正常にかつ下方の想定した範囲内にインク滴が吐出されると、吐出されたインク滴は、途中でレーザ光Lを横切る。その結果、受光部40bにおける受光が一時的に中断されるか、または弱くなり、受光される光量が所定の閾値未満となる。この場合には、そのノズルに目詰まりが無いと判断することができる。一方、あるノズルの駆動期間内に受光部40bで受光される光量が所定の閾値以上のときには、そのノズルは目詰まりしている可能性があると判断される。なお、図5においてLwはビームウェストである。
【0033】
以上に説明したようにして、イエロノズル群YD の後端のノズル#48がレーザ光Lの上方を通過してから、ブラックインクノズル群KD の前端のノズル#1がレーザ光Lの上方を通過するまでに、検査対象である各ノズルについてインク滴の吐出検査がなされる。
【0034】
A−3.検査対象ノズルの選択:
(1)ノズルの選択に使用するデータ:
図6は、システムコントローラ54と、PROM51およびメインメモリ56内の各データとを示すブロック図である。メインメモリ56内には、記憶領域として、状態データ記憶部56aと、基準データ記憶部56bとが設けられている。状態データ記憶部56a内には、各ノズル列のノズルが吐出するインクの種類を表すインクデータ57a、各ノズル列が吐出するインク温度を表す温度データ57b、印刷ヘッドの周囲の湿度を表す湿度データ57c、印刷開始からの主走査回数を表す主走査回数データ57dなどのデータが格納されている。これらのデータは、システムコントローラ54によって更新される。なお、主走査回数データ57dが特許請求の範囲にいう「履歴データ」である。そして、状態データ記憶部56aが特許請求の範囲にいう「第一の記憶部」である。
【0035】
図7は、各ノズル列のノズルから吐出されるインクの種類を表すインクデータ57aを示す図である。図8は、各ノズル列の温度データ57bを示す図である。状態データ記憶部56a内には、図7に示すような、各ノズル列のノズルが吐出するインクを表すインクデータ57a、および、図8に示すような、各ノズル列が吐出するインクの温度を表す温度データ57bが格納されている。なお、第1実施例においては、温度センサ35a〜cは、それぞれ2列のノズル列を駆動しているアクチュエータ36a〜cに1個づつ取り付けられているため、ノズル列1と2、ノズル列3と4、ノズル列5と6の温度は同じである。なお、ここではインクの温度は、ノズル列2列単位で測定するが、各ノズル列単位などの、より細かい単位で温度を測定することとすれば、より詳細な情報を反映させて検査対象ノズルを選択することができ、好ましい。
【0036】
図9は、各ノズル列の基準検査間隔データ59bを表す図である。メインメモリ56の基準データ記憶部56b(図6参照)には、基準検査間隔データ59bが格納されている。プリンタ20においては、インク滴の吐出検査は主走査一往復ごとに行われる。しかし、必ずしもすべてのノズルについて主走査一往復ごとに吐出検査が行われるわけではなく、選択されたノズルのみが吐出検査の対象となる。各ノズル列は、主走査何往復に一度の割合で吐出検査を行うかが定められている。そして、吐出検査の際には、そのときの主走査の往復の回数に応じて特定のノズル列のノズルのみが選択され、吐出検査の対象とされる。この基準検査間隔データ59bは、各ノズル列につき、主走査何往復に一度の割合で吐出検査を行うかを表すデータである。この基準検査間隔データ59bが特許請求の範囲にいう「基準データ」である。そして、基準データ記憶部56bが特許請求の範囲にいう「第二の記憶部」である。
【0037】
システムコントローラ54は、図6に示すように、機能部としての基準データ生成部54aと履歴データ生成部54bと対象ノズル決定部54cとを備えている。さらに、履歴データ生成部54bは機能部として主走査カウンタ54dを備えている。基準データ生成部54aは、基準検査間隔データ59bを生成する。また、主走査カウンタ54dは、印刷実行中に主走査の回数をカウントしており、履歴データ生成部54bは、主走査が1往復行われるごとに、メインメモリ56内の主走査回数データ57dを1増やす。対象ノズル決定部54cは、インク滴の吐出検査に際して検査対象ノズルを決定する。基準データ生成部54a、履歴データ生成部54bおよび対象ノズル決定部54cの機能については後述する。
【0038】
PROM51内には、インク滴の吐出検査をどのような間隔(頻度)で行うかを示す、検査間隔データ59aが格納されている。この検査間隔データ59aは、主走査何往復に一度の割合で吐出検査を行うかを表すデータである。前述の基準検査間隔データ59bが、与えられているインクの種類、温度、湿度における検査間隔の値を保持しているのに対して、この検査間隔データ59aは、様々なインク、温度、湿度における検査間隔(検査頻度)の値を保持している。基準検査間隔データ59bは、この検査間隔データ59aをもとにして、与えられたインクデータ57a、温度データ57b、湿度データ57cに基づいて定められる。
【0039】
図10は、検査間隔データ59aの内容を示す図である。検査間隔データ59aは、インクの種類にしたがって3種設けられている。すなわち、ブラック(K)インク用のデータ、シアン(CD)、マゼンタ(MD)、イエロ(YD)インク用のデータ、ライトシアン(CL)、ライトマゼンタ(ML)インク用のデータである。また、それぞれのデータは、さらに、温度および湿度によって異なる数値を保持している。例えば図10の例では、ブラック(K)インクを吐出するノズルの検査の頻度は、インク温度が25度、湿度が50%のときには、温度区分が20〜30度の区分で、湿度区分が40〜60%の区分の値が「2」であることから、主走査2往復に1回であることが分かる。
【0040】
図11は、ライトシアン、ライトマゼンタのインクの検査間隔データを示す図である。図10と図11を比べてみれば分かるように、ブラックインク用の検査間隔データと、ライトシアン、ライトマゼンタ用の検査間隔データとでは、各区分内の数値が異なっている。例えば、ブラックインクには顔料インクを使用し、ライトシアン、ライトマゼンタインクには染料インクを使用する場合には、同じインク温度および湿度であっても、顔料インクであるブラックインクの検査頻度を高めることが好ましい。顔料インクの方がノズルの目詰まりを起こしやすいからである。また、同じ染料インク同士、顔料インク同士であっても、使用頻度が高いインクを吐出するノズルについては、使用頻度の低いインクを吐出するノズルに比べて検査頻度を高めることが好ましい。例えば、ブラック以外のインクはみな染料を使用する場合でも、中間調で多用するライトシアン、ライトマゼンタインクについては、シアン、マゼンタ、イエロインクに比べて、吐出検査の頻度を高めることが好ましい。このように、インクの種類に応じて検査頻度を定めることで、検査によるインクの消費量を抑えながら、効果的に不動作ノズルを検出することができる。なお、第1実施例では、6色のインクを3種類に分けて検査間隔データを定めている。しかし、各色ごとに検査間隔データを定めることとすれば、よりきめ細かく各色のインクの特質を反映して検査間隔を定めることができ、好ましい。
【0041】
(2)インク滴吐出検査の流れ:
印刷ヘッド36にインクカートリッジが取り付けられると、システムコントローラ54は、印刷ヘッド36、ヘッド駆動ドライバ66を介してインクカートリッジのICメモリ39(図3参照)からインクの種類のデータを取得する。そして、図7に示したようなインクデータ57aを、メインメモリ56内の状態データ記憶部56aに格納する。
【0042】
図12は、印刷の際の手続きの流れを示すフローチャートである。ステップS1で、ホストコンピュータ100から印刷指示を受け取ると、システムコントローラ54は、ステップS2で、温度センサ35a〜c(図3参照)から各ノズル列のインクの温度を取得する。そして、図8に示すような温度データ57bを状態データ記憶部56aに格納する。また、同様に、湿度センサ37からプリンタ20の周囲の湿度を取得し、それを印刷ヘッドの周囲の湿度を表す湿度データ57cとして、状態データ記憶部56aに格納する。その後、ステップS3で、システムコントローラ54の機能部である基準データ生成部54aが、インクデータ57a、温度データ57bおよび湿度データ57cを参照して、検査間隔データ59aから各ノズル列の吐出検査間隔を定め、基準検査間隔データ59bを生成し、基準データ記憶部56bに格納する。その後、ステップS4で印刷が実行される。
【0043】
図13は、印刷の際に主走査の合間に行う、インク滴の吐出検査の流れを示すフローチャートである。ステップS4で印刷が開始されると、システムコントローラ54は、まずステップS21で、主走査駆動ドライバ61,副走査ドライバ66等を制御して主走査を実施する。そして、システムコントローラ54の機能部である主走査カウンタ54dは、ステップS22で、主走査一往復ごとに状態データ記憶部56a内の主走査回数データ57d(図6参照)を1増やす。
【0044】
インク滴の吐出検査は、印刷中は、印刷ヘッドが主走査の往復の行路を行うごとに行われる。すなわち、主走査の復路を終えて印刷ヘッド36が印刷領域から退出してくると、印刷ヘッド36はそのまま廃インク受け46(図1参照)上を通過するように送られ、廃インク受け46上で、図4および図5に示したようなインク滴の吐出検査が行われる。また、印刷ヘッド36は廃インク受け46上を通過したあと、向きを変えて印刷領域に向かう向きに送られる。その際にも、廃インク受け46上でふたたびインク滴の吐出検査が行われる。
【0045】
ステップS23では、システムコントローラ54の機能部である対象ノズル決定部54cは、インク滴の吐出検査を行うノズルを選択する。すなわち、システムコントローラ54は、状態データ記憶部56a内の主走査回数データ57dと、基準データ記憶部56b内の各ノズル列の基準検査間隔データ59b(図6参照)とを比較して、今回の吐出検査で検査を実行するノズルを選択する。そして、ステップS24で、該当するノズルのみについてインク滴の吐出検査を実行する。例えば図9の例では第6のノズル列の検査間隔の値は「2」であるので、第6のノズル列については、主走査回数が2で割り切れるときに、インク滴の吐出検査が行われる。主走査の回数が「6」であれば、2と3で割り切れるので、図9の例では第2、第4、第6のノズル列について、インク滴の吐出検査が行われる。なお、検査対象に該当するノズルが存在しない場合は、インク滴の吐出検査は行われない。例えば、図9の例では、主走査の往復回数が1回目や7回目のときには、インク滴の吐出検査は行われない。
【0046】
ステップS25では、ステップS24における吐出検査の結果、不動作ノズルが存在するか否かの判定が行われる。不動作ノズルが存在しない場合は、そのままステップS27で印刷を終了するか否かの判定が行われる。全てのラスタの記録が終了した場合には、印刷を終了する。まだ記録するラスタが残っている場合は、ステップS27からふたたびステップS21に戻って主走査を行う。一方、ステップS25において、不動作ノズルが存在する場合は、ステップS26でクリーニングを行ったのちにステップS27で印刷終了の判定を行う。
【0047】
なお、ここではカラー印刷を行う場合を例にとって、印刷中の不動作ノズルの検出について説明した。しかし、本発明は、モノクロ印刷に適用することも可能である。例えば、第1実施例ではブラックノズル列は1列であったが、ブラックノズル列を複数列備え、モノクロ印刷においては、それらブラックノズル列のみ使用される場合がある。そのような場合には、ステップS23(図13)において、印刷において使用されるノズル列の中からインク滴の吐出検査を行うノズルが選択される。
【0048】
上記のように、第1実施例では、インク滴の吐出検査の際に、ノズルを選択して検査を実行するため、検査によるインクの消費量を少なくすることができる。また、検査間隔(検査頻度)がインクの種類、温度および湿度に応じて定められる。このため、インクの種類によって目詰まりのしやすさが異なる場合に、目詰まりしやすいインクを吐出するノズルの検査頻度を上げることで、他のノズルのインクの消費量を抑えながら、効率的に不動作ノズルを発見することができる。そして、温度や湿度で目詰まりのしやすさが変化する場合についても、目詰まりしやすい温度や湿度においてノズルの検査頻度を上げることで、全体として検査によるインクの消費量を抑えながら、効率的に不動作ノズルを発見することができる。
【0049】
B.第2実施例:
第1実施例では、各ノズル列について主走査の往復何回ごとに吐出検査を行うかを基準検査間隔データ59bとして定め、吐出検査時の主走査回数を基準検査間隔データ59bと比較して、検査対象ノズルを決定した。第2実施例では、最後にインク滴を吐出してからの経過時間について基準経過時間を定め、それを基準検査間隔データ59dとする。そして、吐出検査の際に、各ノズルについて最後にインク滴を吐出してからの経過時間を基準検査間隔データ59dと比較して、基準経過時間を超えているノズルを検査対象ノズルとする。
【0050】
図14は、第2実施例におけるシステムコントローラ54と、PROM51およびメインメモリ56内の各データとを示すブロック図である。第2実施例のプリンタは、タイマ58を備えている。また、メインメモリ56内およびPROM51内に格納されているデータが第1実施例とは異なる。他の構成は第1実施例と同様である。
【0051】
図15は、検査間隔データ59cを示す図である。図14に示したように、PROM51内には検査間隔データ59cが格納されている。この検査間隔データ59cは、最後にインク滴を吐出してからの経過時間がいくらを過ぎたらインク滴の吐出検査を行うか、を表すデータである。図15に示すように、インクの種類によって3種設けられており、温度、湿度によって異なる値を保持している点は、第1実施例の検査間隔データ59a(図10参照)と同様である。図15の例では、ブラックインクを吐出するノズルは、温度が25度、湿度が50%のときには、温度区分が20〜30度の区分で、湿度区分が40〜60%の区分の値が「400」であることから、最後にインク滴を吐出してから40.0秒以上経過している場合に、検査対象ノズルとされることが分かる。
【0052】
図16は、基準検査間隔データ59dを表す図である。第2実施例においても、基準検査間隔データ59dは、検査間隔データ59cと、インクデータ57a、温度データ57b、湿度データ57cに基づいて、システムコントローラ54の基準データ生成部54aによって生成され、基準データ記憶部56bに格納される。この基準検査間隔データ59dも、検査間隔データ59cと同様、最後にインク滴を吐出してからの経過時間がいくらを過ぎたらインク滴の吐出検査を行うか、を表すデータである。図16の例では、第6列目のノズルは、最後にインク滴を吐出してから40.0秒経過した場合に、検査対象ノズルとして選択される。この「最後にインク滴を吐出してからの経過時間がいくらを過ぎたらインク滴の吐出検査を行うか」の基準となる経過時間を、「基準経過時間」と呼ぶ。なお、この基準検査間隔データ59dが特許請求の範囲にいう「基準データ」である。
【0053】
図17は、経過時間データ57eを示した図である。状態データ記憶部56a内には、図14に示したように、各ノズルの最後にインク滴を吐出してから経過時間を表す、経過時間データ57eが格納されている。システムコントローラ54は、タイマ58からの時間情報をもとに、各ノズルについて、最後にインク滴を吐出してからの経過時間を計測している。そして、状態データ記憶部56a内の経過時間データ57eを更新している。なお、経過時間データ57eが特許請求の範囲にいう「履歴データ」である。
【0054】
第2実施例の印刷装置も、印刷において、主走査一往復ごとに検査対象ノズルを選択してインク滴の吐出検査を行う。そして、検査対象ノズルを選択する際には、システムコントローラ54の対象ノズル決定部54cは、状態データ記憶部56a内の経過時間データ57eと、基準データ記憶部56b内の基準検査間隔データ59dとを比較して、最後にインク滴を吐出してからの経過時間が基準検査間隔データ59dの基準経過時間を超えているノズルを、検査対象ノズルとして選択する。
【0055】
第2実施例においては、最後にインク滴を吐出してからの経過時間を基準にして検査対象ノズルを選択する。このため、所定期間インク滴の吐出を行っておらず、目詰まりを起こしている可能性の比較的高いノズルについて、インク滴の吐出検査を行って、効率的に不動作ノズルを発見することができる。また、第1実施例と同様、ノズルを選択してインク滴の吐出検査を行っているため、検査の際のインクの消費量を少なくすることができる。
【0056】
C.第3実施例:
第2実施例では、最後にインク滴を吐出してからの経過時間を基準にして検査対象ノズルを選択した。第3実施例では、最後にクリーニングを行った後のインク滴の吐出回数を基準にして、検査対象ノズルを選択する。
【0057】
図18は、第3実施例におけるシステムコントローラ54と、PROM51およびメインメモリ56内の各データとを示すブロック図である。第3実施例のプリンタは、システムコントローラ54内に機能部である履歴データ生成部54bの一部として吐出カウンタ54eを備えている。また、メインメモリ56内およびPROM51内に格納されているデータが第2実施例とは異なる。他の構成は第2実施例と同様である。
【0058】
図19は、検査間隔データ59eを示す図である。PROM51内には、検査間隔データ59eが格納されている。この検査間隔データ59eは、各ノズルが最後にクリーニングが実施されてから何回インク滴を吐出したらインク滴の吐出検査を行うか、を表すデータである。インクの種類、温度、湿度によって異なる値を保持している点は、第1実施例、第2実施例の場合(図10、図15参照)と同様である。図19の例では、ブラックインクを吐出するノズルは、温度が25度、湿度が50%のときには、温度区分が20〜30度の区分で、湿度区分が40〜60%の区分の値が「4000」であることから、最後にクリーニングが実施されてから4000回以上インク滴を吐出した場合に、検査対象ノズルとされることが分かる。この「最後にクリーニングが実施されてから何回インク滴を吐出したらインク滴の吐出検査を行うか」の基準となる吐出回数を、「基準吐出回数」と呼ぶ。
【0059】
図20は、各ノズル列の基準検査間隔データ59fを表す図である。図18に示すように、基準データ記憶部56bには、基準データ生成部54aによって生成される基準検査間隔データ59fが格納されている。第3実施例においては、この基準検査間隔データ59fも、各ノズルが最後にクリーニングが実施されてから何回インク滴を吐出したらインク滴の吐出検査を行うか、を表すデータである。この基準検査間隔データ59fが特許請求の範囲にいう「基準データ」である。図20の例では、第1列目のノズルは、最後にクリーニングが実施されてから4000回以上インク滴を吐出した場合に、検査対象ノズルとして選択される。
【0060】
図21は、吐出回数データ57fを示した図である。状態データ記憶部56a内には、クリーニングが最後に実施されてからの、各ノズルのインク滴の吐出回数を表す、吐出回数データ57fが格納されている。システムコントローラ54内の吐出カウンタ54eは、各ノズルについて、クリーニングが最後に実施されてからの、インク滴の吐出回数をカウントしている。そして、状態データ記憶部56a内の吐出回数データ57fを更新している。クリーニングが行われたときには、吐出回数データ57fはクリアされる。なお、この吐出回数データ57fが特許請求の範囲にいう「履歴データ」である。そして、吐出カウンタ54eが、特許請求の範囲にいう「第二のカウンタ」である。
【0061】
検査対象ノズルを選択する際には、システムコントローラ54の対象ノズル決定部54cは、状態データ記憶部56a内の吐出回数データ57fと、基準データ記憶部56b内の基準検査間隔データ59fとを比較して、最後にクリーニングを実施してからのインク滴の吐出回数が基準検査間隔データ59fの基準吐出回数を超えているノズルを、検査対象ノズルとして選択する。
【0062】
第3実施例においては、最後にクリーニングを実施してからのインク滴の吐出回数基準にして検査対象ノズルを選択する。このため、所定回数インク滴を吐出し、ノズルに析出物が付着するなどして目詰まりを起こしている可能性の比較的高いノズルについて、インク滴の吐出検査を行って、不動作ノズルを効率に発見することができる。また、第1および第2実施例と同様、ノズルを選択してインク滴の吐出検査を行っているため、検査の際のインクの消費量を少なくすることができる。
【0063】
D.第4実施例:
第4実施例では、各ノズルごとにあらかじめ、1ページの印刷において何回目の主走査の後にインク滴の吐出検査を行うかを定めておき、その検査タイミングの情報をもとに検査対象ノズルを選択する。
【0064】
図22は、第4実施例におけるシステムコントローラ54と、PROM51およびメインメモリ56内の各データとを示すブロック図である。第4実施例のプリンタは、メインメモリ56内およびPROM51内に格納されているデータが第1実施例とは異なる。他の構成は第1実施例と同様である。
【0065】
図23は、検査タイミングデータ59gを示す図である。この検査タイミングデータ59gは、各ノズルにつき、各用紙サイズの印刷用紙1枚を印刷する間に何回インク滴の吐出検査を行うか、を表すデータを有している。第1〜第3実施例においては、検査の頻度を規定するデータは湿度に応じて異なる値を保持していたが(図10、図15、図19参照)、第4実施例の検査タイミングデータ59gは、用紙サイズに応じて異なる値を保持している。図23の例では、ブラックインクを吐出するノズルは、温度が25度、用紙サイズがA4のときには、温度区分が20〜30度の区分で、用紙区分がA4であるときの検査タイミングデータの値は「1」である。したがって、1枚の印刷用紙を印刷する間に1回の吐出検査を実施されることが分かる。
【0066】
図24は、検査タイミングデータ59gにおける一つの区分についてのデータを示す図である。検査タイミングデータ59gは、各ノズルにつき、各用紙サイズの印刷用紙1枚を印刷する間に何回インク滴の吐出検査を行うかのデータ(図23参照)だけでなく、それぞれ印刷用紙1枚を印刷する間の、何度目の主走査でインク滴の吐出検査を行うかを表すデータも含んでいる。例えば、図23において、ノズルがブラックインクを吐出するノズルであり、温度区分が30〜40度の区分であり、用紙区分がB4である場合については、検査タイミングデータ59gは、図24に示すようなデータを有している。図24に示すデータは、印刷用紙1枚を印刷する間に、1回目の吐出検査をN1回目の主走査の後に行い、2回目の吐出検査をN2回目の主走査の後に行い、3回目の吐出検査をN3回目の主走査の後に行うべき旨を表している。なお、4回目以降の吐出検査については、何回目の主走査において実施すべきであるかの情報が書き込まれていない。よって、この条件区分においては、印刷用紙1枚を印刷する間に、3回の吐出検査がおこなわれる。このように、検査タイミングデータ59gは、図23において一つのマスで示される条件区分それぞれについて、図24に示すような、何度目の主走査でインク滴の吐出検査を行うかを表すデータを有している。
【0067】
図25は、各ノズル列の基準検査タイミングデータ59hを表す図である。図22に示すように、基準データ記憶部56bには、基準データ生成部54aによって生成される基準検査タイミングデータ59hが格納されている。第4実施例においては、この基準検査タイミングデータ59hは、印刷用紙1枚を印刷する間に行う主走査において、何度目の主走査の際にインク滴の吐出検査を行うか、を表すデータである。この基準検査タイミングデータ59hが特許請求の範囲にいう「基準データ」である。基準データ生成部54aは、ホストコンピュータ100(図3参照)のプリンタドライバから印刷用紙のサイズのデータを受け取ると、インクデータ57aおよび温度データ57bを参照して、検査タイミングデータ59gから各ノズル列の吐出検査タイミングを定め、基準検査タイミングデータ59bを生成する。図25の例では、第2列目のノズルは、A4の用紙1枚を印刷する間の第N24回目の主走査の後に1回目のインク滴の吐出検査が実行され、第N25回目の主走査の後に2回目のインク滴の吐出検査が実行される。なお、3回目以降のインク滴の吐出検査については、何回目の主走査で実施するかの情報が書き込まれていない。よって、3回目以降のインク滴の吐出検査は行われない。すなわち、第N24回目の主走査の後と第N25回目の主走査の後に、検査対象ノズルとして選択される。
【0068】
検査対象ノズルを選択する際には、システムコントローラ54の対象ノズル決定部54cは、状態データ記憶部56a内の主走査回数データ57dと、基準データ記憶部56b内の基準検査タイミングデータ59fとを比較して、その主走査回数の時にインク滴の吐出検査を行うべきノズルを、検査対象ノズルとして選択する。すなわち、主走査回数データ57dが特許請求の範囲にいう「履歴データ」である。
【0069】
第4実施例においては、主走査の回数を基準として、様々な条件における吐出検査のタイミングを規定している。このため、主走査回数データ57dのみをリアルタイムで更新すればよく、多数の変数をリアルタイムで更新する必要がない。そして、第1〜第3実施例と同様、ノズルを選択してインク滴の吐出検査を行っているため、検査の際のインクの消費量を少なくすることができる。
【0070】
また、印刷用紙の幅が異なる場合は1回の主走査の長さが異なる。このため、例えば同じように「3回目と6回目の主走査において吐出検査を行う。」と定めていても、実際には、吐出検査の間隔が異なることとなる。しかし、第4実施例においては、用紙サイズごとに各ノズルについて吐出検査をすべきタイミングを定めているため、各用紙サイズの幅を考慮して吐出検査を行うタイミングを規定すれば、吐出検査の間隔が異なってしまうことはない。
【0071】
以上、本発明の実施例およびその変形例について説明したが、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる態様で実施することができる。上記各実施例では、主走査回数、インク滴吐出後の経過時間、クリーニング後のインク滴吐出回数を履歴データとして採用したが、他の値を採用することもできる。例えば、クリーニング後の経過時間を履歴データとして採用することもできる。すなわち、一般に、各ノズル列からのインクの吐出に関連する履歴を表すデータを、履歴データとして利用することができる。
【0072】
そして上記各実施例では、図10、図15および図19に示すように、検査間隔(頻度)を決めるパラメータとして、インクの種類、インクの温度、周囲の湿度を採用したが、他のパラメータを採用することもできる。例えば、インクカートリッジが印刷ヘッドに取り付けられてからの時間を、検査間隔を決めるパラメータとして採用することもできる。これらのパラメータは、インクの物理的特質に影響を与えるものである。各ノズルからのインクの吐出に関連する履歴が同じであっても、これらのパラメータが違えば、ノズルの目詰まりのしやすさが違ってくると考えられる。そのようなノズルの目詰まりのしやすさに影響を与えるパラメータであれば、検査間隔(基準データ)を定めるパラメータとして採用することができる。なお、インクの劣化によって目詰まりにしやすさが増加する場合には、インクカートリッジが印刷ヘッドに取り付けられてからの時間を検査間隔を決めるパラメータとして採用して、長時間経過したものについては検査間隔を短くすることとすれば、効率的に不動作ノズルを検出することができる。
【0073】
また、上記各実施例では、検査間隔を決めるパラメータとしてインクの種類、インクの温度、周囲の湿度の3個のパラメータを採用していたが、例えば、インクの種類、インクの温度の2個のパラメータを採用するなど、パラメータの数は任意の数とすることができる。すなわち、それらのパラメータに応じて検査間隔(基準データ)を定めることとすればよい。そして、用紙のサイズなど、インクの物理的特質に影響を与えるパラメータ以外のパラメータも併用することができる。
【0074】
上記各実施例では、検査間隔を決める各パラメータによって区分を定め、その区分内において一定の検査間隔(頻度)を定めていた(図10、図15、図19、図23参照)。しかし、各パラメータを代入する計算式によって検査間隔を求めることとしてもよい。すなわち、一般に、各パラメータが表すノズルの状況に応じた検査の頻度を得ることができるものであれば、どのような方法で検査間隔を得るものであってもよい。そのようにして検査の頻度を定めれば、選択されたノズル列に関するインク滴の吐出検査の頻度を他のノズル列よりも高くすることができる。
【0075】
更に、各ノズル列からのインクの吐出に関連する履歴を表すパラメータと、検査間隔を決めるパラメータとは、それぞれ適宜選択して組み合わせることができる。
【0076】
また、上記各実施例では、基準検査間隔データを一つだけ備え、各ノズル列からのインクの吐出に関連する履歴を表す一つのデータ(主走査回数データ57d、経過時間データ57eまたは吐出回数データ57f)と比較して、検査対象ノズルを決定していた。しかし、各ノズル列からのインクの吐出に関連する履歴を表すデータと基準検査間隔データをそれぞれ二つ以上備え、比較を二段階以上で行って、検査対象ノズルを選択することとしてもよい。そして、いずれかの比較において検査が必要であると判断されたノズルについて、吐出検査を行うこととしてもよいし、所定数の比較において検査が必要であると判断されたノズルについて、吐出検査を行うこととしてもよい。例えば、まず、第1段階として、主走査回数データ57dに基づいて第一の検査対象候補ノズルを選択し、さらに、第2段階として、経過時間データ57eに基づいて第二の検査対象候補ノズルを選択し、第一の検査対象候補ノズルと第二の検査対象候補ノズルのいずれか一方にでも含まれるノズルは、検査対象ノズルとする、などとすることができる。このようにすれば、複数の評価基準から目詰まりを起こしている可能性の高いノズルを選定して、インク滴の吐出検査を行うことができ、効率的に不動作ノズルを検出することができる。
【0077】
また、インク滴の吐出検査の際には、必要な精度を確保するため印刷ヘッドを一定の速さで送り、吐出検査の前または後において、印刷ヘッドを高速で送る態様とすることもできる。そのような態様においては、インク滴の吐出検査を行うノズル列を選択してインク滴の吐出検査を行うノズル列の数を少なくすることで、低速で印刷ヘッドを送る時間を短くすることができる。このため、吐出検査に要する時間を短くすることができる。
【0078】
また、上記各実施例は、印刷中のインク滴の吐出検査の際に検査対象ノズルを選択するものであったが、印刷を行っていないときの吐出検査において、検査対象ノズルを選択する態様とすることもできる。
【0079】
なお、上記各実施例においては、カラープリンタを本発明の適用対象としたが、単色プリンタを適用対象とすることもできる。そして、上記各実施例の印刷装置においては、ドット抜け検査部は、印刷領域に対して一方にのみ設けられていたが、印刷領域に対して両側にドット抜け検査部が設けられている印刷装置にも、本発明は適用可能である。さらに、A0サイズやB0サイズなどの大型の印刷媒体に印刷することができる印刷装置に適用することもできる。大型の印刷媒体に印刷する印刷装置においては、一枚の印刷媒体の印刷に多大な時間を要するため、印刷の途中で不動作ノズルによるドット抜けが発生した場合には、印刷のやり直しによって無駄になる時間が大きい。よって、本発明を適用することによりインク滴の吐出検査を正確に行い、不動作ノズルを正確に検出することができれば、印刷のやり直しによって無駄になる時間を大幅に節約することができる。
【0080】
さらに、上記実施例では、インクジェットプリンタについて説明したが、本発明はインクジェットプリンタに限らず、一般に、印刷ヘッドを用いて印刷を行う種々の印刷装置に適用可能である。
【0081】
また、上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのカラーインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図。
【図2】印刷ヘッド36の背面図。
【図3】プリンタ20の電気的な構成を示すブロック図。
【図4】第1のドット抜け検査部40の構成と、その検査方法の原理を示す説明図。
【図5】インク滴の吐出検査の方法を示す側面図。
【図6】システムコントローラ54と、PROM51およびメインメモリ56内の各データとを示すブロック図。
【図7】各ノズル列のノズルから吐出されるインクの種類を表すインクデータ57aを示す図。
【図8】各ノズル列の温度データ57bを示す図。
【図9】各ノズル列の基準検査間隔データ59bを表す図。
【図10】検査間隔データ59aの内容を示す図。
【図11】ライトシアン、ライトマゼンタのインクの検査間隔データを示す図。
【図12】印刷の際の手続きの流れを示すフローチャート。
【図13】印刷の際に主走査の合間に行う、インク滴の吐出検査の流れを示すフローチャート。
【図14】第2実施例におけるシステムコントローラ54と、PROM51およびメインメモリ56内の各データとを示すブロック図。
【図15】検査間隔データ59cを示す図。
【図16】各ノズル列の基準検査間隔データ59dを表す図。
【図17】経過時間データ57eを示した図。
【図18】第3実施例におけるシステムコントローラ54と、PROM51およびメインメモリ56内の各データとを示すブロック図。
【図19】検査間隔データ59eを示す図。
【図20】各ノズル列の基準検査間隔データ59dを表す図。
【図21】吐出回数データ57fを示した図。
【図22】第4実施例におけるシステムコントローラ54と、PROM51およびメインメモリ56内の各データとを示すブロック図。
【図23】検査タイミングデータ59gを示す図。
【図24】検査タイミングデータ59gにおける一つの区分に関するデータを示す図。
【図25】各ノズル列の検査タイミングデータ59hを表す図。
【符号の説明】
20…カラーインクジェットプリンタ
22…用紙スタッカ
24…紙送りローラ
26…プラテン板
28…キャリッジ
30…キャリッジモータ
31…紙送りモータ
32…牽引ベルト
34…ガイドレール
35a〜c…温度センサ
36…印刷ヘッド
36a〜c…アクチュエータ
37…湿度センサ
39…ICメモリ
40…ドット抜け検査部
40a…発光部
40b…受光部
41…レンズ
46…廃インク受け
50…受信バッファメモリ
51…PROM
52…イメージバッファ
54…システムコントローラ
54a…主走査カウンタ
54b…基準データ生成部
54c…ノズル列選択部
54d…吐出カウンタ
55…主走査カウンタ
56…メインメモリ
56a…状態データ記憶部
56b…基準データ記憶部
57a…インクデータ
57b…温度データ
57c…湿度データ
57d…主走査回数データ
57e…経過時間データ
58…タイマ
59a,59c,59e…検査間隔データ
59b,59d,59f…基準検査間隔データ
61…主走査駆動ドライバ
62…副走査駆動ドライバ
63…検査部ドライバ
64…クリーニングドライバ
66…ヘッド駆動ドライバ
100…ホストコンピュータ
210…ヘッドキャップ

Claims (11)

  1. インクを吐出するための複数のノズル列を備える印刷ヘッドと、
    前記複数のノズル列のノズルを駆動してインク滴の吐出を行わせるヘッド駆動部と、
    前記各ノズル列のノズルがインク滴を吐出できるか否かを検査する吐出検査を行うための検査部と、
    前記印刷ヘッドと記録媒体の少なくとも一方を駆動して主走査を行う主走査駆動部と、
    前記ノズルのクリーニングを行うクリーニング機構と、
    前記印刷ヘッドと、前記ヘッド駆動部と、前記主走査駆動部と、前記検査部と、前記クリーニング機構と、を制御する制御部と、を備る印刷装置であって、
    前記制御部は、
    前記主走査の回数を計測するための第一のカウンタと、前記各ノズルについて最後にクリーニングを実行してからのインク滴の吐出回数を計測するための第二のカウンタと、を備え、前記各ノズルからのインクの吐出に関連する履歴を表し、一つの印刷データに基づく印刷を開始してからの前記主走査の回数を表すデータを含む第1の履歴データと、前記各ノズルからのインクの吐出に関連する履歴を表し、前記各ノズルの前記吐出回数を表すデータを含む履歴データであって、前記第1の履歴データとは異なる第2の履歴データと、を生成する履歴データ生成部と、
    前記吐出検査を実施する対象ノズルを、印刷中に前記主走査一往復ごとに決定する対象ノズル決定部と、を備え、
    前記印刷中に前記主走査一往復ごとに前記対象ノズルについて前記吐出検査を行い、
    前記対象ノズル決定部は、
    主走査の回数を使って規定される前記各ノズル列についての前記吐出検査を実行すべき頻度のデータを含むあらかじめ定められた第1の基準データと、前記第1の履歴データとを比較することによって第1の候補ノズルを決定し、
    最後にクリーニングを実行してからのインク滴の基準吐出回数を使って規定される前記各ノズル列についての前記吐出検査の頻度のデータを含むあらかじめ定められた第2の基準データと、前記第2の履歴データとを比較することによって、前記インク滴の吐出回数が前記基準吐出回数を超えている第2の候補ノズルを決定し、
    前記第1および第2の候補ノズルの少なくとも一方に該当するノズルを前記対象ノズルとして決定する、印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記第1および第2の基準データの少なくとも一方は、インクの物理的特質に影響を与える複数のパラメータに基づいて定められる、印刷装置。
  3. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記複数のノズル列は、
    2以上の互いに異なる種類のインクを吐出するノズル列を含み、
    前記第1および第2の基準データの少なくとも一方は、
    前記インクの種類に応じて設けられている、印刷装置。
  4. 請求項1に記載の印刷装置であって、さらに、
    前記インクの温度を判定するための温度センサを備え、
    前記制御部は、さらに、
    前記インクの温度に応じて前記第1および第2の基準データの少なくとも一方を生成する基準データ生成部を備える、印刷装置。
  5. 請求項1に記載の印刷装置であって、さらに、
    前記各ノズルの周囲の湿度を判定するための湿度センサを備え、
    前記制御部は、
    前記各ノズルの周囲の湿度に応じて前記第1および第2の基準データの少なくとも一方を生成する基準データ生成部を備える、印刷装置。
  6. インクを吐出するための複数のノズル列を備える印刷ヘッドと、前記各ノズル列のノズルがインク滴を吐出できるか否かを検査する吐出検査を行うための検査部と、を備え、前記印刷ヘッドと記録媒体の少なくとも一方を駆動して主走査を行うことができ、ドットを形成し、前記複数のノズル列についてクリーニングを行う印刷装置において、不動作ノズルを検出する方法であって、
    (a)前記各ノズルからのインクの吐出に関連する履歴を表し、一つの印刷データに基づく印刷を開始してからの前記主走査の回数を表すデータを含む第1の履歴データと、前記各ノズルからのインクの吐出に関連する履歴を表し、前記各ノズルの最後にクリーニングを実行してからの吐出回数を表すデータを含む履歴データであって、前記第1の履歴データとは異なる第2の履歴データと、を生成する工程と、
    (b)前記吐出検査を実施する対象ノズルを印刷中に主走査一往復ごとに決定する工程と、
    (c)前記対象ノズルのインク滴の吐出検査を前記印刷中に前記主走査一往復ごとに行う工程と、を含み、
    前記工程(b)は、
    (b1)主走査の回数を使って規定される各ノズル列についての前記吐出検査の頻度のデータを含むあらかじめ定められた第1の基準データと、前記第1の履歴データとを比較することによって第1の候補ノズルを決定する工程と、
    (b2)最後にクリーニングを実行してからのインク滴の基準吐出回数を使って規定される前記各ノズル列についての前記吐出検査の頻度のデータを含むあらかじめ定められた第2の基準データと、前記第2の履歴データとを比較することによって、前記最後にクリーニングを実行してからの吐出回数と、前記基準吐出回数と、を比較して、前記インク滴の吐出回数が前記基準吐出回数を超えている第2の候補ノズルを決定する工程と、
    (b3)前記第1および第2の候補ノズルの少なくとも一方に該当するノズルを前記対象ノズルとして決定する工程と、を含む、不動作ノズル検出方法。
  7. 請求項6に記載の不動作ノズル検出方法であって、さらに、
    前記工程(b)の前に、インクの物理的特質に影響を与える複数のパラメータに基づいて、前記第1および第2の基準データの少なくとも一方を準備する工程を備える、不動作ノズル検出方法。
  8. 請求項6に記載の不動作ノズル検出方法であって、
    前記印刷装置の前記複数のノズル列は、2以上の互いに異なる種類のインクを吐出するノズル列を含み、
    前記方法は、さらに、
    前記工程(b)の前に、前記インクの種類に応じて設けられた前記第1および第2の基準データの少なくとも一方を準備する工程を含む、不動作ノズル検出方法。
  9. 請求項6に記載の不動作ノズル検出方法であって、
    前記方法は、さらに、
    前記工程(b)の前に、前記インクの温度に応じて設けられた前記第1および第2の基準データの少なくとも一方を準備する工程を含む、不動作ノズル検出方法。
  10. 請求項6に記載の不動作ノズル検出方法であって、
    前記方法は、さらに、
    前記工程(b)の前に、前記各ノズルの周囲の湿度に応じて設けられた前記第1および第2の基準データの少なくとも一方を準備する工程を含む、不動作ノズル検出方法。
  11. インクを吐出するための複数のノズル列を備える印刷ヘッドと、前記各ノズル列のノズルがインク滴を吐出できるか否かを検査する吐出検査を行うための検査部と、を備え、前記印刷ヘッドと記録媒体の少なくとも一方を駆動して主走査を行うことができ、ドットを形成し、前記複数のノズル列についてクリーニングを行う印刷部を備えたコンピュータに、不動作ノズルを検出させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記各ノズルからのインクの吐出に関連する履歴を表し、一つの印刷データに基づく印刷を開始してからの前記主走査の回数を表すデータを含む第1の履歴データと、前記各ノズルからのインクの吐出に関連する履歴を表し、前記各ノズルの最後にクリーニングを実行してからの吐出回数を表すデータを含む履歴データであって前記第1の履歴データとは異なる第2の履歴データと、を生成する機能と、
    前記吐出検査を実施する対象ノズルを印刷中に主走査一往復ごとに決定する機能と、
    前記ノズル列のインク滴の吐出検査を前記印刷中に前記主走査一往復ごとに行う機能と、
    をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、
    前記対象ノズルを決定する機能は、
    主走査の回数を使って規定される各ノズル列についての前記吐出検査の頻度のデータを含むあらかじめ定められた第1の基準データと前記第1の履歴データとを比較することによって第1の候補ノズルを決定する機能と、
    最後にクリーニングを実行してからのインク滴の基準吐出回数を使って規定される前記各ノズル列についての前記吐出検査の頻度のデータを含むあらかじめ定められた第2の基準データと前記第2の履歴データとを比較することによって、前記最後にクリーニングを実行してからの吐出回数と、前記基準吐出回数と、を比較して、前記インク滴の吐出回数が前記基準吐出回数を超えている第2の候補ノズルを決定する機能と、
    前記第1および第2の候補ノズルの少なくとも一方に該当するノズルを前記対象ノズルとして決定する機能と、を含む、コンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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