JP4186435B2 - インクタンク内のインク残量に応じて使用するインクタンクを変更する印刷 - Google Patents

インクタンク内のインク残量に応じて使用するインクタンクを変更する印刷 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷ヘッドを用いて印刷媒体上にドットを形成することによって印刷を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
主走査方向と副走査方向に走査しながら印刷ヘッドを用いて印刷を行う印刷装置としては、シリアルスキャン型プリンタやドラムスキャン型プリンタ等のようなインクジェットプリンタがある。インクジェットプリンタは、印刷ヘッドの複数のノズルからインクを吐出させることによって文字や画像を印刷媒体上に形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、このようなプリンタで印刷する方法として、千鳥に配列された2つのノズル列を用いた高速の白黒印刷が提案されている。ところが、千鳥に配列された2つのノズル列に同一色のインクが別々のインクタンクから供給される場合には、インクの消費が一方のインクタンクに偏ってしまうことが考えられる。この結果、いずれか一方のタンクのインクがなくなってしまって印刷を継続することができなくなるような場合が生じ得る。
【0004】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、同一色のインクを収容する2つのインクタンク内のインクを効率的に使用することのできる技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は、印刷ヘッドからインク滴を吐出してドットを形成することにより印刷を行う印刷装置であって、インクを吐出するための第1のノズル列と、前記第1のノズル列に対して千鳥に配列されるとともに、前記第1のノズル列から独立して前記第1のノズル列と同一の色のインクの供給を受けることが可能な第2のノズル列と、を有する印刷ヘッドと、前記第1のノズル列に供給するためのインクを収容する第1のインクタンクと、前記第2のノズル列に供給するためのインクを収容する第2のインクタンクと、を有する1つまたは複数のインクカートリッジを装着可能なカートリッジ装着部と、前記第1のインクタンクと前記第2のインクタンクのそれぞれのインクの残量を計測するインク残量計測部と、前記第1のインクタンクのインク残量と前記第2のインクタンクのインク残量とに応じて、インクドットの形成に使用するインクタンクを選択するインクタンク選択部とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の印刷装置では、同一の色のインクを収容する複数のインクタンクのそれぞれのインク残量に応じて、インクドットの形成に使用するインクタンクが選択されるので、たとえば、複数のインクタンクのうちのいずれか一方にインクが残っていれば、残っている側のインクタンクからインクの供給を受けるノズル列を使用してインクドットを形成することができる。すなわち、同一色のインクを収容する2つのインクタンク内のインクを効率的に使用することができる。
【0007】
上記印刷装置において、前記インクタンク選択部は、前記第1のインクタンクのインク残量と前記第2のインクタンクのインク残量の少なくとも一方が、予め定められた所定の閾値より少ない場合には、他方のインクタンクをインクドットの形成に使用するインクタンクに選択するようにするのが好ましい。
【0008】
この構成では、2つのインクタンクのそれぞれのインク残量が予め定められた所定の閾値より少ないか否かを判断することによって、インクドットの形成に使用するインクタンクを簡易に選択することができる。
【0009】
上記印刷装置において、前記インクタンク選択部は、前記第1のインクタンクのインク残量と前記第2のインクタンクのインク残量とに応じて、インク残量の多い方のインクタンクをインクドットの形成に使用するインクタンクに選択するようにするのが好ましい。
【0010】
こうすれば、双方のインクタンク内のインクを均等に使用して印刷を行うことができるので、一方のインクタンクの片減りを抑制することができる。
【0011】
上記印刷装置において、前記インクタンク選択部は、印刷装置が印刷開始の指示を受け取る毎に、インクドットの形成に使用するインクタンクを選択するようにするのが好ましい。
【0012】
こうすれば、インクドットの形成に使用するノズル列の切り替えを、印刷開始毎に簡易に行うことができる。
【0013】
上記印刷装置において、前記インクタンク選択部は、新たなページの印刷を開始する毎に、インクドットの形成に使用するインクタンクを選択するようにするのが好ましい。
【0014】
こうすれば、印刷中においてもインクドットの形成に使用するインクタンクの切り替えをページ毎に行うことができる。
【0015】
なお、上記印刷装置において、前記インクはブラックインクであるのが好ましい。
【0016】
こうすれば、2つのノズル列を用いて高速に白黒のテキストや線画を印刷することができるからである。
【0017】
上記印刷装置において、前記インクタンク選択部は、前記第1のインクタンクと前記第2のインクタンクの双方を用いた比較的高速の白黒印刷をしている場合に、前記第1のインクタンクのインク残量と前記第2のインクタンクのインク残量の少なくとも一方が、予め定められた所定の閾値より少なくなったと判定されたときには、他方のインクタンクのみを使用する比較的低速の白黒印刷に切り替えるようにするのが好ましい。
【0018】
こうすれば、高速の白黒印刷をしている場合に一方のインクタンクのインク残量が少なくなったときにも、インク残量が十分に残っている側のインクタンクからインクの供給を受けるノズル列を使用して印刷を続行することができる。
【0019】
上記印刷装置において、前記インクタンク選択部は、前記第1のノズル列および前記第2のノズル列の使用されていない不使用期間をそれぞれ算出するとともに、前記第1のノズル列と前記第2のノズル列の少なくとも一方の不使用期間が予め定められた所定の期間よりも長いときには、前記不使用期間が長い方のノズル列をインクドットの形成に使用するノズル列に含めるようなインクタンクの選択を行うようにするのが好ましい。
【0020】
不使用期間が長くなるとノズル内部の粘度が上昇して目詰まりを起こしやすくなるという傾向があるが、この構成では、このような目詰まりを抑制することができる。
【0021】
上記印刷装置において、前記インクタンク選択部は、前記インクタンク選択部は、前記選択の直前の印刷において前記ノズル列と前記追加ノズル列の少なくとも一方が使用されていなかった場合には、前記使用されていなかった方のノズル列をインクドットの形成に使用するノズル列に含めるようにインクタンクを選択するようにするのが好ましい。
【0022】
こうすれば、ノズル列の不使用期間をさらに短くすることができるので、ノズル内部の粘度の上昇に起因する目詰まりをさらに抑制することができる。
【0023】
上記印刷装置において、前記第1のノズル列と前記第2のノズル列のいずれか一方は、インク以外の他の液剤を収容するタンクから前記液剤の供給を受けることが可能であり、前記インクタンク選択部は、前記一方のノズル列に供給するための液剤を収容するタンクを前記液剤の塗布のために使用するインクタンクに選択するとともに、他方のノズル列に供給するためのインクを収容するインクタンクをインクドットの形成に使用するインクタンクに選択するようにするのが好ましい。
【0024】
また、上記印刷装置において、前記第1のノズル列と前記第2のノズル列のいずれか一方は、インク以外の他のインクを収容するタンクから前記インクの供給を受けることが可能であり、前記インクタンク選択部は、前記一方のノズル列に供給するためのインクを収容するタンクを前記インクのドットの形成に使用するインクタンクに選択するとともに、他方のノズル列に供給するためのインクを収容するインクタンクをインクドットの形成に使用するインクタンクに選択するのが好ましい。
【0025】
こうすれば、インク以外の他の液剤をインクとして誤って吐出することによる画質の劣化を防止するとともに、他の液剤やインクを使用することができる。
【0026】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、たとえば、印刷方法および印刷装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の態様で実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の構成:
B.印刷処理の内容:
C.インク残量の計測方法:
D.変形例:
【0028】
A.装置の構成:
図1は、本発明の一実施例としての印刷システムの構成を示すブロック図である。この印刷システムは、印刷制御装置としてのコンピュータ90と、印刷部としてのカラープリンタ20と、を備えている。なお、カラープリンタ20とコンピュータ90の組み合わせを、広義の「印刷装置」と呼ぶことができる。
【0029】
コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からは、これらのドライバを介して、カラープリンタ20に転送するための印刷データPDが出力されることになる。アプリケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオドライバ91を介してCRT21に画像を表示する。
【0030】
アプリケーションプログラム95が印刷命令を発すると、コンピュータ90のプリンタドライバ96が、画像データをアプリケーションプログラム95から受け取り、これをカラープリンタ20に供給するための印刷データPDに変換する。図1に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、解像度変換モジュール97と、色変換モジュール98と、ハーフトーンモジュール99と、ラスタライザ100と、色変換テーブルLUTと、印刷モード選択部101と、インクタンク選択部102と、が備えられている。
【0031】
解像度変換モジュール97は、アプリケーションプログラム95が扱っているカラー画像データの解像度(即ち、単位長さ当りの画素数)を、プリンタドライバ96が扱うことができる解像度に変換する役割を果たす。こうして解像度変換された画像データは、まだRGBの3色からなる画像情報である。色変換モジュール98は、色変換テーブルLUTを参照しつつ、各画素ごとに、RGB画像データを、カラープリンタ20が利用可能な複数のインク色の多階調データに変換する。
【0032】
色変換された多階調データは、例えば256階調の階調値を有している。ハーフトーンモジュール99は、インクドットを分散して形成することにより、カラープリンタ20でこの階調値を表現するためのハーフトーン処理を実行する。ハーフトーン処理された多階調データは、ラスタライザ100によりカラープリンタ20に転送すべきデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷データPDとして出力される。なお、印刷データPDは、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータと、各主走査の合間に行われる副走査送り量を表す副走査送り量を示すデータとを含んでいる。なお、印刷モード選択部101およびインクタンク選択部102の機能については後述する。
【0033】
なお、プリンタドライバ96は、印刷データPDを生成する機能を実現するためのプログラムに相当する。プリンタドライバ96の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0034】
図2は、カラープリンタ20の概略構成図である。カラープリンタ20は、紙送りモータ22によって印刷用紙Pを副走査方向に搬送する副走査送り機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ30をプラテン26の軸方向(主走査方向)に往復動させる主走査送り機構と、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドユニット60(「印刷ヘッド集合体」とも呼ぶ)を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモータ22,キャリッジモータ24,印刷ヘッドユニット60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とを備えている。制御回路40は、コネクタ56を介してコンピュータ90に接続されている。
【0035】
印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、紙送りモータ22の回転をプラテン26と用紙搬送ローラ(図示せず)とに伝達するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリッジ30を往復動させる主走査送り機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ30を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ30の原点位置を検出する位置センサ39とを備えている。
【0036】
図3は、制御回路40を中心としたカラープリンタ20の構成を示すブロック図である。制御回路40は、CPU41と、プログラマブルROM(PROM)43と、RAM44と、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG)45と、カラープリンタ20の動作環境を保持するデータベースであるMIB(Management Information Base)46とを備えた算術論理演算回路として構成されている。この制御回路40は、さらに、外部のモータ等とのインタフェースを専用に行なうI/F専用回路50と、このI/F専用回路50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモータ22およびキャリッジモータ24を駆動するモータ駆動回路54とを備えている。ヘッド駆動回路52は、データ読み込み部53と、インク残量計測部55とを備えている。なお、インク残量計測部55の機能については後述する。
【0037】
I/F専用回路50は、パラレルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ56を介してコンピュータ90から供給される印刷データPDを受け取ることができる。カラープリンタ20は、この印刷データPDに従って印刷を実行する。なお、RAM44は、ラスタデータを一時的に格納するためのバッファメモリとして機能する。また、コンピュータ90は、MIB46にアクセスすることにより、プリンタ20の動作環境に関する情報を得ることができる。この動作環境には、装着されているカートリッジに関する情報も含まれている。
【0038】
印刷ヘッドユニット60は、印刷ヘッド28を有しており、また、インクカートリッジを搭載可能である。なお、印刷ヘッドユニット60は、1つの部品としてカラープリンタ20に着脱される。すなわち、印刷ヘッド28を交換しようとする際には、印刷ヘッドユニット60を交換することになる。
【0039】
印刷ヘッドユニット60には、2個のブラックインクカートリッジ171Kと、1個のカラーインクカートリッジ170Fが装着されている。ブラックインクカートリッジ171Kと、カラーインクカートリッジ170Fには、メモリ181K、180Fがそれぞれ設けられている。これらのメモリ181K、180Fには、インクカートリッジに収容されているインクの残量や有効期限を特定するための情報が格納されている。このインク情報は、データ読み込み部53によって読み出され、I/F専用回路50とコネクタ56とを介してコンピュータ90に送られる。なお、このメモリ181K、180Fには、収容しているインクの種類等の種々の情報を格納しても良い。
【0040】
なお、本印刷装置では、ブラックインクカートリッジ171Kの代わりに、ダークイエロインクを収容するダークイエロインクカートリッジ171DYを装着することもできる。ここで、ダークイエロインクとは、イエロインクと比較して明度が低いインクをいい、暗イエロインクとも呼ばれる。具体的には、ダークイエローインクは、イエローインクに他のインク用の色材(例えば濃シアンと濃マゼンタ)が混合されたインクである。濃シアン成分と濃マゼンタ成分とを含むダークイエローインクを用いると、イエローと濃シアンと濃マゼンタのインク滴を別々に吐出する場合に比べて、印刷媒体上に吐出するインク量(特に溶剤の量)が少なくて済む。この結果、特にシャドー部の印刷画質を向上させることができるという利点がある。また、ブラックインクカートリッジ171Kの代わりに、インク以外の液剤、たとえば印刷された印刷用紙を保護するための保護剤を収容するカートリッジ(図示せず)を装着することもできる。
【0041】
図4は、印刷ヘッド28の下面におけるノズル配列を示す説明図である。印刷ヘッド28の下面には、カラーインクを吐出するために、シアンインクを吐出するためのシアンインクノズル列Cと、淡シアンインクを吐出するための淡シアンインクノズル列LCと、マゼンタインクを吐出するためのマゼンタインクノズル列Mと、淡マゼンタインクを吐出するための淡マゼンタインクノズル列LMと、イエローインクを吐出するためのイエローノズル列Yとが形成されている。さらに、ブラックインクを吐出するために、ブラックインクを吐出するためのノズル列Kと、ブラックインク又はダークイエロインクのいずれかから選択可能な追加インクを吐出するための追加ノズル列Sとが形成されている。なお、ノズル列Kは特許請求の範囲における「第1のノズル列」に相当し、追加ノズル列Sは特許請求の範囲における「第2のノズル列」に相当する。
【0042】
なお、本明細書においては、淡インク以外の4つのインクC,M,Y,Kを「4つの基本色インク」と呼ぶ。より詳しく言えば、「4つの基本色インク」とは、ほぼ等量を混合することによってブラックを再現することのできるシアンインク、マゼンタインク、およびイエローインクと、グレーでないブラックインクと、を意味している。なお、本明細書においては、これらの4つの基本色インクを吐出するための4つのノズル列Y,M,C,Kを「基本色ノズル列」と呼ぶ。
【0043】
各ノズル列の複数のノズルは、副走査方向SSに沿って一定のノズルピッチK・Dでそれぞれ整列している。ここで、Kは整数であり、Dは副走査方向における印刷解像度に相当するピッチ(「ドットピッチ」と呼ぶ)である。
【0044】
追加ノズル列Sは、ブラックインクを吐出するためブラックインクノズル列Kと千鳥に配列されている。このため、追加インクにブラックインクが選択されると、図4から分かるように、ブラックインクを吐出する複数のノズルのノズルピッチは(k/2)×Dとなるとともに、ノズル数も2倍になる。この結果、1回の主走査で形成できるラスタラインの数は、白黒印刷時においては、追加インクにダークイエロインクを選択した場合の2倍となる。なお、追加ノズル列Sは、ブラックインクノズル列Kに対して主走査方向にδの間隔を空けて設けられている。
【0045】
各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてのピエゾ素子(図示せず)が設けられている。印刷時には、印刷ヘッド28が主走査方向MSに移動しつつ、各ノズルからインク滴が吐出される。
【0046】
なお、各ノズル列の複数のノズルは、副走査方向に沿って一直線上に配列されている必要はなく、例えば千鳥状に配列されていてもよい。なお、ノズルが千鳥状に配列されている場合にも、副走査方向に測ったノズルピッチK・Dは、図4の場合と同様に定義することができる。
【0047】
図5は、印刷ヘッドユニット60の斜視図である。この印刷ヘッドユニット60は、5色のカラーインクカートリッジ装着部65と、ブラックインクカートリッジ装着部66と、追加カートリッジ装着部67とから構成されるカートリッジ装着部を備える。ここで、追加カートリッジとは、追加ノズル列Sに供給するための追加インクを収容する追加インクタンクを有するカートリッジをいい、この追加インクは、ブラックインク又はダークイエロインクのうちのいずれかから選択することができる。
【0048】
印刷ヘッドユニット60の下部の印刷ヘッド28には、追加カートリッジに収容される追加インク、ブラックインク、および5色のカラーインクに対応して計7個のノズル列が形成されており、印刷ヘッドユニット60の底部には、この各ノズル列に各カートリッジからのインクを導く導入管72〜78が立設されている。導入管72は、追加カートリッジからインクを導くための管である。導入管73は、ブラックインク用カートリッジからインクを導くための管である。導入管74〜78は、カラーインク用カートリッジからインクを導くための管である。これらの導入管は印刷ヘッド28が有する各ノズル列に接続されている。
【0049】
なお、ブラックインクカートリッジ装着部66に装着されたブラックインクカートリッジ171Kが有するインクタンクは、ブラックインクタンクに相当し、追加カートリッジ装着部67に装着されたブラックインクカートリッジ171Kが有するインクタンクは、追加インクタンクに相当する。このように、本実施例では、2個のブラックインクカートリッジ171Kが有するそれぞれのインクタンクは、装着されるカートリッジ装着部によって「ブラックインクタンク」または「追加インクタンク」に相当することになる。なお、ブラックインクタンクは特許請求の範囲における「第1のインクタンク」に相当し、追加インクタンクは特許請求の範囲における「第2のインクタンク」に相当する。
【0050】
なお、カラーインクカートリッジ170F(図3)は、5種類のインクのための5個のインクタンクが合体されたものである。このようなインクカートリッジ170Fの代わりに、各インク毎に独立したインクタンクを印刷ヘッドユニット60に装着できるように、印刷ヘッドユニット60を構成してもよい。この場合には、各インクタンク毎に、メモリが設けられる。この説明からも理解できるように、本明細書において、「インクタンク」とは、1種類のインクを収容するための容器を意味している。また、インクカートリッジとは、一体として形成され、少なくとも1つのインクタンクを有する容器を意味している。
【0051】
図6は、ヘッド駆動回路52(図3)の構成と動作を示す説明図である。図6(a)は、ヘッド駆動回路52(図3)の主要な構成を示すブロック図である。ヘッド駆動回路52は、原駆動信号発生部220と、複数のマスク回路222と、各ノズルのピエゾ素子PEとを備えている。マスク回路222は、印刷ヘッド28の各ノズル#1,#2…に対応して設けられている。なお、図6において、信号名の最後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供給されるノズルの番号を示している。
【0052】
図6(b)は、1回の主走査で主走査ラインを記録する印刷方式におけるヘッド駆動回路52の動作を示すタイミングチャートである。原駆動信号発生部220は、各ノズルに共通に用いられる原駆動信号COMDRVを生成して複数のマスク回路222に供給する。この原駆動信号COMDRVは、1画素分の主走査期間Td内に1つのパルスを含む信号である。i番目のマスク回路222は、i番目のノズルのシリアル印刷信号PRT(i)のレベルに応じて原駆動信号COMDRVをマスクする。
【0053】
具体的には、マスク回路222は、印刷信号PRT(i)が1レベルのときには原駆動信号COMDRVをそのまま通過させる。そして原駆動信号は駆動信号DRVとしてピエゾ素子PEに供給される。一方、印刷信号PRT(i)が0レベルのときには原駆動信号COMDRVを遮断する。このシリアル印刷信号PRT(i)は、i番目のノズルが1回の主走査で記録する各画素の記録状態を示す信号であり、コンピュータ90から与えられた印刷データPD(図1)をノズル毎に分解したものである。なお、図6(b)は、1画素おきにドットが記録される場合の例であり、全画素にドットが記録される場合には、原駆動信号COMDRVがそのまま駆動信号DRVとしてピエゾ素子PEに供給される。
【0054】
以上説明したハードウェア構成を有するカラープリンタ20は、紙送りモータ22により用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ30をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に印刷ヘッド28のピエゾ素子を駆動して、各色インク滴の吐出を行い、インクドットを形成して用紙P上に多色多階調の画像を形成する。
【0055】
B.印刷処理の内容:
図7は、本発明の実施例における印刷処理の手順を示すフローチャートである。ステップS101では、ユーザがコンピュータ90に印刷を指示する。また、ステップS102において、CRT21に表示された印刷用ダイアログボックス内の「プロパティボタン」(図示省略)をクリックすると、印刷モード選択部101(図1)が、図8に示すプロパティ設定画面をCRT21上に表示させる。
【0056】
ユーザは、このプロパティ設定画面内において、印刷モードを規定する種々のパラメータを指定することが可能である。図8の印刷モードの基本設定画面は、種々のパラメータを指定するためのメニューを有し、これにはインク色選択ボタンCLRが含まれている。インク色選択ボタンCLRは、カラーインクを用いるか、ブラックインクのみを用いるかを選択するためのボタンである。
【0057】
なお、ユーザは、印刷モードの詳細設定画面において、これ以外の他のパラメータも設定することが可能であるが、本実施例の説明では、この他のパラメータについてはその説明を省略する。
【0058】
図7のステップS103において、ユーザがインク色を選択し、印刷の開始を指示すると、ステップS104において、インクタンク選択部102は、印刷に使用するインクタンクを選択する。
【0059】
図9は、本発明の実施例におけるインクタンク選択処理の流れを示すフローチャートである。ステップS201では、追加インクタンクおよびブラックインクタンクそれぞれのインクの残量を計測する。この計測の方法については後述する。
【0060】
ステップS202では、インクタンク選択部102は、印刷に使用することができる使用可能インクタンクを決定する。この決定は、追加インクタンクとブラックインクタンクのインク残量に応じて行われる。具体的には、各インクタンク内のインク残量が予め定められた所定の閾値よりも多い場合には、使用可能インクタンクに決定される。この閾値は、たとえばインクを適切に吐出するために要する最低限のインク残量として設定しても良いが、数回のノズルクリーニングに使用する分量をさらに加えた値とするのが好ましい。
【0061】
ステップS203では、双方のインクタンクが使用可能インクタンクであるか否かが判断される。双方のインクタンクが使用可能インクタンクである場合には、インクタンク選択部102は、優先的に使用すべき優先使用ノズル列の決定を行う(ステップS204)。優先使用ノズル列の決定は、この選択の直前の印刷においてブラックインクノズル列と追加ノズル列の少なくとも一方が使用されていなかった場合には、使用されていなかった方のノズル列を優先使用ノズル列に決定することにより行われる。インクタンクがこの選択の直前で使用されていたか否かは、MIB46(図3)から読み出された情報に基づいて行われる。なお、少なくとも1つのインクタンクが使用可能インクタンクでない場合には、優先使用ノズル列の決定は行われない。
【0062】
ステップS205では、インクタンク選択部102は印刷に使用するインクタンクを選択する。図10は、本発明の実施例の印刷処理におけるインクタンクの選択方法を示す説明図である。インクタンクの選択は、印刷モードの設定内容と、使用可能インクタンクの決定結果と、優先使用ノズル列の決定結果とに応じて行われる。たとえば、図10に示すように、印刷モードが「白黒」である場合、双方のインクタンクが使用可能であるときには双方のインクタンクが選択され、一方のインクタンクのみが使用可能インクタンクであるときには使用可能インクタンクのみが選択される。一方、印刷モードが「カラー」である場合、双方のインクタンクが使用可能であるときには優先使用ノズル列にインクを供給するインクタンクのみが選択され、一方のインクタンクのみが使用可能インクタンクであるときは使用可能インクタンクのみが選択される。印刷に使用するインクタンクが選択されると、インクタンク選択処理は終了する。
【0063】
ステップS105(図7)では、ラスタライザ100(図1)は、インクタンク選択部102から送られてきたインクタンクの選択結果に応じて、ラスタライズ処理の内容を決定する。たとえば、カラー印刷モードにおいて、追加インクタンクが選択されている場合には、追加ノズル列Sとカラーインクノズル列C、LC、M、LM、Yを利用してカラー印刷が行われるようにラスタライズ処理の内容が設定される。また、カラー印刷モードにおいて、ブラックインクタンクが選択されている場合には、ブラックインクノズル列Kとカラーインクノズル列C、LC、M、LM、Yを利用してカラー印刷が行われるようにラスタライズ処理の内容が設定される。さらに、白黒印刷モードにおいて双方のインクタンクが選択されている場合には、追加ノズル列Sとブラックインクノズル列Kの双方を使用して高速の白黒印刷が行われるように設定される。
【0064】
図11は、本発明の実施例の印刷処理におけるラスタライズ処理の方法を示す説明図である。図11(a)は、ある主走査において各ノズル列が形成するラスタと、ハーフトーンデータに含まれる各インク色毎のプレーンと、の間の関係を示している。ここで、ハーフトーンデータとは、ハーフトーンモジュール99が多階調データをハーフトーン処理することにより生成するデータであり、各色のインクドットの形成状態を表すデータである。なお、説明を分かりやすくするために各ノズル列で使用されるノズル数は4としている。
【0065】
ハーフトーンデータには、ブラックインクドットの形成状態を示すブラックプレーンKPが含まれており、また、シアンインクドット、淡シアンインクドット、マゼンタインクドット、淡マゼンタインクドット、およびイエロインクドットのそれぞれの形成状態を示すシアンプレーンCP、淡シアンプレーンLCP、マゼンタプレーンMP、淡マゼンタプレーンLMP、およびイエロプレーンYPが含まれている。
【0066】
図11(b)(c)は、カラー印刷において、ある主走査のためにラスタライザ100で行われるラスタライズ処理の内容を示している。図11(b)は、ブラックインクタンクが選択されているときのラスタライズ処理の内容を示している。図11(c)は、追加インクタンクが選択されているときのラスタライズ処理の内容を示している。
【0067】
ブラックインクタンクが選択されている場合には、ブラックインクノズル列Kおよびシアンインクノズル列C、淡シアンインクノズル列LC、マゼンタインクノズル列M、淡マゼンタインクノズル列LM、イエロインクノズル列Yが使用され、追加ノズル列Sは使用されない。各主走査におけるドットの記録状態は、ブラックインクノズル列KについてはブラックプレーンKPに基づいて定められ、また、シアンインクノズル列CについてはシアンプレーンCPに、淡シアンインクノズル列LCについては淡シアンプレーンLCPに、マゼンタインクノズル列MについてはマゼンタプレーンMPに、淡マゼンタインクノズル列LMについては淡マゼンタプレーンLMPに、イエロインクノズル列YについてはイエロプレーンYPに、それぞれ基づいて定められる。
【0068】
たとえば、図11(b)に示す例では、ある主走査におけるブラックインクノズル列Kの記録状態は、#1ノズルについてはブラックプレーンKPの1行目のデータに基づいて定められ、また、#2ノズルについてはブラックプレーンKPの5行目のデータに、#3ノズルについてはブラックプレーンKPの9行目のデータに、#4ノズルについてはブラックプレーンKPの13行目のデータに、それぞれ基づいて定められる。カラーインクノズル列C、LC、M、LM、Yについてもそれぞれの色のプレーンに基づいて同様に定められる。
【0069】
一方、追加インクタンクが選択されている場合には、ブラックインクノズル列Kの代わりに追加ノズル列Sが使用される。すなわち、追加ノズル列Sおよびカラーインクノズル列C、LC、M、LM、Yが使用され、ブラックインクノズル列Kは使用されない。各主走査におけるドットの記録状態は、追加ノズル列SについてはブラックプレーンKPに基づいて定められ、カラーインクノズル列C、LC、M、LM、Yについてはそれぞれの色のプレーンに基づいて同様に定められる。
【0070】
たとえば、図11(C)に示す例では、ある主走査における追加ノズル列Sの記録状態は、#1ノズルについてはブラックプレーンKの3行目のデータに基づいて定められ、また、#2ノズルについてはブラックプレーンKの7行目のデータに、#3ノズルについてはブラックプレーンKの11行目のデータに、#4ノズルについてはブラックプレーンKの15行目のデータに、それぞれ基づいて定められる。一方、カラーインクノズル列C、LC、M、LM、Yの記録状態は、#1ノズルについては各色のプレーンの1行目のデータに基づいて定められ、また、#2ノズルについては各色のプレーンの5行目のデータに、#3ノズルについては各色のプレーンの9行目のデータに、#4ノズルについては各色のプレーンの13行目のデータに、それぞれ基づいて定められる。
【0071】
このように、追加インクタンクが選択されている場合には、同一の主走査で、追加ノズル列Sとカラーインクノズル列C、LC、M、LM、Yは、異なるラスタラインを形成することになる。これは、追加ノズル列Sが他のノズル列に対して副走査方向に2ドットずれているからである。しかしながら、追加ノズル列Sでは、他のノズル列と同一の数のノズルが使用され、また、ノズルピッチkも同一なので、他のノズル列で隙間や重複なしで印刷画像を形成することができるように主走査と副走査が行われれば、追加ノズル列Sでも隙間や重複なしで印刷画像を形成することができることになる。
【0072】
なお、白黒印刷モードの場合において、追加インクタンクとブラックインクタンクの双方が使用可能インクタンクに決定されている場合は、追加ノズル列Sとブラックインクノズル列Kとの双方を利用して高速に印刷が行われるようにラスタライズ処理が行われる。
【0073】
また、図4に示すように、追加ノズル列Sはブラックインクノズル列Kに対して主走査方向にδの間隔を空けて設けられているので、ラスタデータを補償しなければドット形成位置がδだけ主走査方向にずれることになる。このため、δの間隔に10個の画素が入るとすると、図6(b)に示す駆動信号DRVが10画素分の主走査期間(10×Td)だけタイミングがずれて生成されるようにラスタデータも補償されることになる。
【0074】
図7のステップS106では、ラスタライザ100は、このようにして決定された処理の内容に基づいてラスタライズ処理を行うことにより印刷データPDを生成する。印刷データPDは、コンピュータ90(図1)からコネクタ56を介して制御回路40(図3)のI/F専用回路50に送られる。プリンタ20は、この印刷データPDに応じて、カラー印刷や高速の白黒印刷を行うことができる(S107)。
【0075】
このように、本実施例では、ブラックインクタンクのインク残量と追加インクタンクのインク残量の少なくとも一方が、予め定められた所定の閾値より少ない場合には、他方のインクタンクがブラックインクドットの形成に使用するインクタンクに選択されるので、ブラックインクタンクまたは追加インクタンクのいずれか一方にブラックインクが残っていれば、残っている側のインクタンクからインクの供給を受けるノズル列を使用してブラックインクドットを形成することができる。
【0076】
なお、本実施例では、インクタンクの選択の直前の印刷においてブラックインクノズル列と追加ノズル列の少なくとも一方が使用されていなかった場合には、使用されていなかった方のノズル列をブラックインクドットの形成に使用するノズル列に含めるようなインクタンクの選択が行われるので、ノズル列の不使用期間を短くすることにより、ノズル内部の粘度の上昇に起因する目詰まりを抑制することができるという利点もある。
【0077】
また、ブラックインクノズル列および追加ノズル列の使用されていない不使用期間をそれぞれ算出するとともに、ブラックインクノズル列と追加ノズル列の少なくとも一方の不使用期間が予め定められた所定の期間よりも長いときには、不使用期間が長い方のノズル列をブラックインクドットの形成に使用するノズル列に含めるようなインクタンクの選択を行うようにするようにしても良い。このようにしても、ノズル内部の粘度の上昇に起因する目詰まりを抑制することができるからである。
【0078】
さらに、インク残量の多い方のインクタンクをブラックインクドットの形成に使用するインクタンクに選択するようにするのが好ましい。こうすれば、双方のインクタンク内のインクを均等に使用して印刷を行うことができるので、一方のインクタンクの片減りを抑制することができるからである。なお、有効期限が近づいているインクタンクを優先的に使用するようなシーケンスとしても良い。
【0079】
C.インク残量計測処理:
図12は、インク残量を計測する処理の流れを示すフローチャートである。インク残量の計測は、プリンタ20のヘッド駆動回路52内のインク残量計測部55(図1)で以下に示すように行われる。
【0080】
(a)インク吐出量累積値読込(ステップS300)
プリンタ20の電源が入ると、直ちにインク残量計測ルーチンが起動し、データ読み込み部53(図3)は、メモリ181K、180Fに記憶されているインク吐出重量の累積値を読み出す(ステップS300)。インク残量計測ルーチンが処理を終了する場合には、次回ルーチンを起動するときのためにインク吐出量の累積値を不揮発性メモリに書き込んでおくので、ルーチンが起動されたら先ず初めにこの累積値を読み出すのである。本実施例のカラープリンタ20は、C(シアン)、LC(淡シアン)、M(マゼンタ)、LM(淡マゼンタ)、Y(イエロ)、およびK(黒)の6色のインクを使用することに対応して、インク吐出重量の累積値も各色インク毎に記憶されている。
【0081】
カートリッジ内のインク残量の計測は、インク吐出量累積値を読み込んだ後、読み込んだ値とインクカートリッジのインク収容量とを比較することにより行われる。
【0082】
(b)インク供給条件検出(ステップS302)
インク吐出量累積値の読込を行った後、インク残量計測部55はインク供給条件を検出する(ステップS302)。ノズルが有するインク室へのインクの供給に関わる条件として、たとえば、インク温度と、インク種類と、インクカートリッジ内のインク残量とを検出する。
【0083】
(c)所定期間内のインク滴数計数(ステップS304)
インク残量計測部55は、インク供給条件の検出が終わると、所定期間内に吐出されるインク滴数を各色インク毎に計数する(ステップS304)。カラープリンタ20が、たとえば、大・中・小の3種類のインクドットを形成するときは、インク残量計測部55は、インクドットの大きさを区別して計数する。
【0084】
(d)インク吐出量算出(ステップS306)
所定期間内のインク滴数を計数すると、インク残量計測部55は、計数値にインク滴重量(インク滴1滴当たりのインク重量)を乗算してインク吐出重量を算出する(ステップS306)。インクの供給に関わるインク供給条件が異なると、吐出されるインク滴重量も異なってくるので、ステップS306の処理においては、予めステップS302で検出されたインク供給条件を反映させることにより、インク吐出重量の算出精度を向上させている。なお、インク滴1滴当たりの重量でなく体積を記憶しておき、インク吐出数とインクの体積とを乗算することでインク吐出体積を算出することも可能である。
【0085】
(e)インク吐出量累積・インク残量表示等(ステップS308〜S311)
所定期間内のインク吐出重量を算出すると、インク残量計測部55は得られた値を、前回算出したインク吐出重量に加算する。
【0086】
以上の処理が終わると、印刷が終了したか否かを判断し(ステップS310)、印刷が終了していなければ再びステップS304に戻って、続く一連の処理を繰り返す。印刷が終了していれば、次回のインクタンク選択時に読み出せるように、インク吐出量累積値をメモリ181K、180Fに格納する(ステップS311)。こうすれば、印刷装置の電源を切断しても、インク吐出量を累積してインクカートリッジ内のインク残量を計測することができる。
【0087】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0088】
D−1.上記実施例では、独立してインクの供給を受けることが可能な千鳥に配置された2つのブラックインクノズル列が印刷ヘッドに備えられているが、他の色のインクを吐出するノズル列であっても良い。一般に、本発明で使用される印刷ヘッドは、インクを吐出するための第1のノズル列と、この第1のノズル列に対して千鳥に配列されるとともに、この第1のノズル列から独立してこの第1のノズル列と同一の色のインクの供給を受けることが可能な第2のノズル列と、を有するものであれば良い。
【0089】
D−2.上記実施例では、インク残量計測部は、インクタンク内に最初に入っていたインク量からインク消費量を減じることによりインクの残量を計測しているが、たとえば、インクタンク内の電気抵抗値の変化に応じて計測しても良い。一般に、本発明で使用されるインク残量計測部は、ブラックインクタンクと追加インクタンクのそれぞれのインクの残量を計測できるものであれば良い。
【0090】
D−3.上記実施例では、印刷の開始が指示される毎に、ブラックインクドットの形成に使用するインクタンクの選択が行われているが、たとえば、新たなページの印刷を開始する毎にインクタンクが選択されるようにしても良い。ただし、後者の構成では、印刷中においても各ページ毎にインクタンクの切り替えを行うことができるという利点がある。
【0091】
また、ブラックインクタンクと追加インクタンクの双方を用いて高速の白黒印刷をしている場合に、ブラックインクタンクのインク残量と追加インクタンクのインク残量の少なくとも一方が、予め定められた所定の閾値より少なくなったと判定されたときには、他方のインクタンクのみを選択するようにするのが好ましい。こうすれば、高速の白黒印刷をしている場合に一方のインクタンクのインク残量が少なくなったときにも、インク残量が十分に残っている側のインクタンクからインクの供給を受けるノズル列を使用して印刷を続行することができるからである。
【0092】
D−4.上記実施例では、淡インクを含む7つのインクを吐出するノズル列を備える印刷ヘッドが使用されているが、本発明に使用する印刷ヘッドは、シアン、マゼンタ、イエロ、およびブラックの4つの基本色ノズル列と追加ノズル列の5つのノズル列を備えるものやカラーインクノズル列を有しないものであっても良い。一般に、本発明で使用される印刷ヘッドは、ブラックインクを吐出するためのブラックインクノズル列と、このブラックインクノズル列に対して千鳥に配列されるとともに、このブラックインクノズル列から独立してブラックインクの供給を受けることが可能なもう一つののブラックインクノズル列とを有するものであれば良い。
【0093】
D−5.上記実施例では、カートリッジ装着部は、5種類のカラーインクをそれぞれ収容する5個のインクタンクが合体されたカラーインクカートリッジと、ブラックインクカートリッジと、追加インクタンクを有する追加カートリッジとを装着できる構成となっているが、たとえば、各インク毎に独立したカートリッジを装着できる構成としても良い。一般に、本発明で使用されるカートリッジ装着部は、一方のブラックインクノズル列に供給するためのインクを収容するブラックインクタンクと、他方のブラックインクノズル列に供給するためのインクを収容するブラックインクタンクと、を有する1つまたは複数のインクカートリッジを装着可能であれば良い。
【0094】
この発明は、ドラムプリンタにも適用できる。尚、ドラムプリンタでは、ドラム回転方向が主走査方向、キャリッジ走行方向が副走査方向となる。また、この発明は、インクジェットプリンタのみでなく、一般に、複数のノズル列を有する記録ヘッドを用いて印刷媒体の表面に記録を行うドット記録装置に適用することができる。
【0095】
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図1に示したプリンタドライバ96の機能の一部または全部を、プリンタ20内の制御回路40が実行するようにすることもできる。この場合には、印刷データを作成する印刷制御装置としてのコンピュータ90の機能の一部または全部が、プリンタ20の制御回路40によって実現される。
【0096】
本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例として印刷システムの構成を示すブロック図。
【図2】プリンタの構成を示す説明図。
【図3】カラープリンタ20における制御回路40の構成を示すブロック図。
【図4】印刷ヘッド28の下面におけるノズル配列を示す説明図。
【図5】印刷ヘッドユニット60の斜視図。
【図6】ヘッド駆動回路52の構成と動作を示す説明図。
【図7】本発明の実施例における印刷処理の手順を示すフローチャート。
【図8】本発明の実施例における印刷モードの基本設定画面を示す図。
【図9】本発明の実施例におけるインクタンク選択処理の流れを示すフローチャート。
【図10】本発明の実施例の印刷処理におけるインクタンクの選択方法を示す説明図。
【図11】本発明の実施例の印刷処理におけるラスタライズ処理の方法を示す説明図。
【図12】インク残量を計測する処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
20…カラープリンタ
21…CRT
22…紙送りモータ
24…キャリッジモータ
26…プラテン
28…印刷ヘッド
30…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置センサ
40…制御回路
41…CPU
44…RAM
46…MIB
50…I/F専用回路
52…ヘッド駆動回路
53…データ読み込み部
54…モータ駆動回路
55…インク残量計測部
56…コネクタ
60…印刷ヘッドユニット
65…カラーインクカートリッジ装着部
66…ブラックインクカートリッジ装着部
67…追加カートリッジ装着部
72〜78…導入管
90…コンピュータ
91…ビデオドライバ
95…アプリケーションプログラム
96…プリンタドライバ
97…解像度変換モジュール
98…色変換モジュール
99…ハーフトーンモジュール
100…ラスタライザ
101…印刷モード選択部
102…インクタンク選択部
170F…カラーインクカートリッジ
171DY…ダークイエロインクカートリッジ
171K…ブラックインクカートリッジ
181K…メモリ
220…原駆動信号発生部
222…マスク回路

Claims (1)

  1. 印刷ヘッドからインク滴を吐出してドットを形成することにより印刷を行う印刷方法であって、
    インクを吐出するための第1のノズル列と、前記第1のノズル列に対して千鳥に配列されるとともに、前記第1のノズル列から独立して前記第1のノズル列と同一の色のインクの供給を受けることが可能な第2のノズル列と、を有する印刷ヘッドを準備する工程と、
    前記第1のノズル列に供給するためのインクを収容する第1のインクタンクと、前記第2のノズル列に供給するためのインクを収容する第2のインクタンクと、を有する1つまたは複数のインクカートリッジを準備する工程と、
    前記第1のインクタンクと前記第2のインクタンクのそれぞれのインクの残量を計測する工程と、
    前記インク残量の計測結果に基づいて、印刷に使用することができる使用可能インクタンクを決定する工程と、
    前記使用可能インクタンクの決定結果に基づいて、前記第1のインクタンクと前記第2のインクタンクの双方が使用可能インクタンクであるか否かを判断する工程と、
    前記双方のインクタンクが使用可能である場合であって、前記印刷装置の動作環境を保持する予め準備されたデータベースに基づいて、前記第1のノズル列と前記第2のノズル列の少なくとも一方が使用されていなかった場合には、使用されていなかった方のノズル列を優先使用ノズル列に決定する工程と、
    印刷モードに基づいてインクタンクを選択する工程と、
    を備え、
    前記印刷モードに基づいてインクタンクを選択する工程は、
    前記印刷モードが白黒である場合には、前記双方のインクタンクが使用可能であるときには、前記双方のインクタンクを選択し、一方のインクタンクのみが使用可能インクタンクであるときには、前記使用可能インクタンクのみを選択する工程と、
    前記印刷モードがカラーである場合には、前記双方のインクタンクが使用可能であるときには、前記優先使用ノズル列にインクを供給するインクタンクのみを選択し、一方のインクタンクのみが使用可能インクタンクであるときには、前記使用可能インクタンクのみを選択する工程と、
    を含むことを特徴とする印刷方法。
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