JP2000158712A - プリンタ装置及び印刷方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 原データに従った標準印刷に比して高速で行
われる高速印刷に際して印刷品質の低下を抑えることが
できるプリンタ装置及び印刷方法を提供する。 【解決手段】 ドットインパクトプリンタは、プリント
ヘッド１０６からヘッドピン１０７を突出させることに
よって記録用紙にドットを形成しつつ印刷する。このプ
リンタ装置では、供給される原データに含まれるドット
データをチェックし、該ドットデータに、連続して印字
されるべき連続ドットが含まれるか否かを判別するドッ
トパターン認識部１０２と、連続ドットを含むドットパ
ターンの印刷時には、連続ドットを含まないドットパタ
ーンの印刷時に比して、ヘッドピン１０７の突出時間を
延ばす印刷制御手段（１０３、１０４、１０５）とを有
している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ装置及び
印刷方法に関し、特に、ドットインパクト又はインク滴
吐出によって記録媒体に印刷するプリンタ装置及び印刷
方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、記録用紙に複数のドットを打って
印刷するプリンタ装置、例えばドットインパクトプリン
タでは、ヘッド本体から進出／後退する複数のヘッドピ
ンを有するプリントヘッド（記録ヘッド）が、プリンタ
本体の左右に往復移動自在に配設される。このようなド
ットインパクトプリンタでは、上位装置から供給された
原データを印刷用の印刷データに変換し、一定のヘッド
送り速度で移動するプリントヘッドから印刷データに従
ってヘッドピンを選択的に突出させて、印刷を実行す
る。

【０００３】上記従来のドットインパクトプリンタで
は、標準印刷モードと高速印刷モードとを選択可能に備
えたものが知られている。このドットインパクトプリン
タでは、良好な印刷品質を得る際には標準印刷モードを
選択し、高速で印刷を行う際には高速印刷モードを選択
する。標準印刷モードの選択時には、ヘッドピン最短駆
動周期を基準とした印刷速度で印刷を行い、縦横が相互
に等しいドット間隔をもつ高いドット密度の高品質な印
刷結果を得ることができる。一方、高速印刷モードの選
択時には、ヘッドピン最短駆動周期の１／２の周期を新
たな基準とした印刷速度で印刷を行い、印刷処理速度を
上げている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記ドットイ
ンパクトプリンタでは、高速になったヘッド送り速度に
対するヘッドピンの突出動作に限界があるため、高速印
刷時には、あるドットを基準とするときその隣りのドッ
トを省きながら印字する、いわゆる間引き印刷を行う。
このため、印刷品質が低下する。例えば、原データにお
けるドットデータを１ドットおきに削除した印刷データ
を作成し、原データ印刷時の２倍の印刷速度で印刷する
場合には、原データに従って印刷する場合に比して、ド
ットを削除した様子が明らかに分かる。

【０００５】また、特開平６−２１８９８７号及び特開
平６−２１８９８８号公報に夫々記載された印刷方法で
は、ドットデータの選択を行いつつ原データを印刷デー
タに変換し、データ変換の手法によって一義的に定まる
比率を基準に印刷処理を高速化する。しかし、これらの
公報に記載の従来の印刷方法では、印刷品質を確保する
ため、高速印刷時のヘッド送り速度を、原データに従っ
た標準印刷時のヘッド送り速度の２倍未満にしなければ
ならず、印刷速度を十分に上げることができなかった。
以上のように、印刷速度の高速化と良好な印刷品質とは
トレードオフの関係にあった。

【０００６】本発明は、上記に鑑み、原データに従った
標準印刷に比して高速で行われる高速印刷に際して印刷
品質の低下を抑えることができるプリンタ装置及び印刷
方法を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のプリンタ装置は、記録ヘッドからヘッドピ
ンを突出させ又はインク滴を吐出することによって記録
媒体にドットを形成しつつ印刷するプリンタ装置におい
て、供給される原データに含まれるドットデータをチェ
ックし、該ドットデータに、連続して印字されるべき連
続ドットが含まれるか否かを判別するドットパターン判
別手段と、連続ドットを含むドットパターンの印刷時に
は、連続ドットを含まないドットパターンの印刷時に比
して、前記ヘッドピンの突出時間又はインク滴の吐出時
間を延ばす印刷制御手段とを備えることを特徴とする。

【０００８】本発明のプリンタ装置では、連続ドットを
含むドットパターンを印刷する際に、先のドットの印字
時に突出したヘッドピン又は吐出するインク滴と、移動
する記録ヘッドとによって、後続のドットも印字するこ
とができる。これにより、高速印刷時に、連続ドットに
おける後方側のドットの間引きを抑え、ほぼ原データに
沿ったドットパターンを得ることができ、印刷品質の低
下を抑えることができる。

【０００９】ここで、前記印刷制御手段は、前記連続ド
ットを含まないドットパターンには第１の駆動パルスを
出力し、前記連続ドットを含むドットパターンには前記
第１の駆動パルスよりもパルス長が長い第２の駆動パル
スを出力することが好ましい。この場合、駆動パルスの
供給を切り替えるだけで、ドットパターンに対応した印
刷を行うことができる。

【００１０】本発明の印刷方法では、記録ヘッドからヘ
ッドピンを突出させ又はインク滴を吐出して記録媒体に
ドットを形成する印刷方法において、供給される原デー
タに含まれるドットデータに、連続して印字されるべき
連続ドットが含まれるか否かを判別し、連続ドットを含
むドットパターンの印刷時には、連続ドットを含まない
ドットパターンの印刷時よりも前記ヘッドピンの突出時
間又はインク滴の吐出時間を延ばすことを特徴とする。

【００１１】本発明の印刷方法では、高速印刷時に、連
続ドットを含むドットパターンにおける先のドットの印
字に続き、後続のドットも印字することができるので、
連続ドットにおける後方側のドットの間引きを抑え、ほ
ぼ原データに沿ったドットパターンを得ることができ
る。

【００１２】

【発明の実施の形態】図面を参照して本発明を更に詳細
に説明する。図１は、本発明の一実施形態例におけるド
ットインパクトプリンタの印刷機構の要部を示すブロッ
ク図である。本ドットインパクトプリンタは、通常速度
で高品質の印刷結果を得るための標準印刷モードと、標
準印刷モードの約２倍の印刷速度で印刷するための高速
印刷モードとを有する。本印刷機構は、ドットパターン
認識部１０２、駆動パルス長決定部１０３、ドットパタ
ーン変換部１０４、ヘッドピン駆動部１０５、プリント
ヘッド１０６及びヘッドピン１０７を有している。本実
施形態例では、プリントヘッド１０６がプリントヘッド
本体の左方向から右方向へ走査する構成を有する。

【００１３】次に、上記各要素の機能を図２〜図４を参
照して説明する。図２は、原データに含まれるドットパ
ターンを示す図、図３は、原データのドットパターンを
変換したドットパターンを示す図、図４は、各ドットパ
ターンに対応するヘッドピン駆動パルスの種類を示す図
である。

【００１４】ドットパターン認識部１０２は、高速印刷
モードが選択された際に、上位装置から供給される原デ
ータ１０１のドットパターンを認識するもので、原デー
タ１０１内のドットデータにおける着目した１ドットデ
ータ（着目ドットデータ）をチェックすると共にその後
続２ドットを参照する。つまり、ドットパターン認識部
１０２は、着目ドットの後方１ドット目及び２ドット目
のドットデータの有無をチェックし、図２に示すａ〜ｄ
の４種類のドットパターンとして認識する。

【００１５】ドットパターン変換部１０４は、高速印刷
モードが選択されたとき、ドットパターン認識部１０２
による認識結果をもとに、図２に示した原データ１０１
のドットパターンａ〜ｄを、図３に示すドットパターン
Ａ〜Ｄに夫々変換する。

【００１６】駆動パルス長決定部１０３は、駆動パルス
Ｔ１〜Ｔ３（図４）を有しており、高速印刷モードが選
択されたときに、ドットパターン変換部１０４における
変換結果に従って、ドットパターンＡ〜Ｄに対応する長
さの駆動パルスを夫々決定する。駆動パルスＴ１は、後
方１ドット目及び２ドット目を打たずに着目ドットのみ
を打ってドットパターンＡを印刷するパルス長をもつ。
駆動パルスＴ２は、後方１ドット目を打たずに着目ドッ
トと後方２ドット目のみを打ってドットパターンＢ又は
Ｄを印刷するパルス長をもつ。駆動パルスＴ３は、後方
１ドット目及び２ドット目を打たずに着目ドットのみを
打つが、この着目ドットの印字時に、連続して印字され
るべき連続ドットを含まないドットパターン（ａ、ｂ）
の印刷時に比してヘッドピン１０７の突出時間を延ば
し、ドットパターンｃを印刷するパルス長をもつ。

【００１７】ヘッドピン駆動部１０５は、所定の信号に
よってプリントヘッド１０６がプリンタ本体の左方向か
ら右方向への走査を繰り返し行っている間に、ドットパ
ターン変換部１０４からのドットパターンＡ〜Ｄと、駆
動パルス長決定部１０３からの駆動パルスＴ１〜Ｔ３と
に従ってヘッドピン１０７を作動させて印刷を実行す
る。

【００１８】ここで、ドットパターンａ及びｂは、後方
１ドット目が空白であるため、記録ヘッド１０６のヘッ
ドピン最短駆動周期の１／２を基準とした印刷速度で印
刷することができる。また、ドットパターンｄは、着目
ドットデータとその後方１ドット目及び後方２ドット目
の各ドットデータとを有するが、着目ドットデータと後
方２ドット目のドットデータとによって十分な印刷ドッ
ト面積を確保できるので、後方１ドット目のドットデー
タを削除したとしても、印刷結果の品質低下はない。従
って、ドットパターンｄは、後方１ドット目を削除し
て、ドットパターンｂ（Ｂ）と同じドットパターンＤ
（図３）に変換することができ、このドットパターンＤ
を用いることによって、記録ヘッド１０６のヘッドピン
最短駆動周期の１／２を基準とした印刷速度で印刷する
ことができる。

【００１９】一方、ドットパターンｃは、着目ドットデ
ータと後方１ドット目のドットデータとを有するが、後
方２ドット目のドットデータをもたないので、後方１ド
ット目のドットデータを削除した場合には、十分な印刷
ドット面積が確保できず、印刷結果の品質が低下する。
従って、ヘッドピン最短駆動周期の１／２を基準とした
印刷速度で印刷しながらも、印刷結果の品質低下を防止
するため図３のドットパターンＣに変換し、着目ドット
を印字する際のプリントヘッド１０６のヘッドピン駆動
パルスにパルス長が長い駆動パルスＴ３を対応させる。
これにより、着目ドットの印刷結果を横長として、後方
１ドット目に相当する印刷ドット面積を得ることができ
るので、後方１ドット目のドットデータを削除した高速
印刷を行うことができる。

【００２０】次に、本実施形態例におけるドットインパ
クトプリンタの作動について説明する。図５は、本ドッ
トインパクトプリンタの作動を示すフローチャートであ
る。

【００２１】高速印刷モードが選択された際に、ドット
パターン認識部１０２が、原データ１０１に含まれるド
ットデータをチェックし、このドットデータに、連続し
て印字されるべき連続ドットが含まれるか否かを判別す
る。つまり、ドットパターン認識部１０２が、原データ
１０１内においてのあるドットデータに着目し、その後
続の２ドットデータをチェックする。この処理により、
原データ１０１のドットパターンａ〜ｄを認識する（ス
テップＳ１）。

【００２２】次いで、ドットパターン変換部１０４が、
ドットパターンａ〜ｄを４種類のドットパターンＡ〜Ｄ
に夫々変換する（ステップＳ２）。また、駆動パルス長
決定部１０３が、ドットパターン変換部１０４からのド
ットパターンＡ〜Ｄに対応する長さの駆動パルスＴ１〜
Ｔ３を夫々決定する（ステップＳ３）。

【００２３】次いで、ヘッドピン駆動部１０５が、ドッ
トパターン変換部１０４からのドットパターンＡ〜Ｄ
と、駆動パルス長決定部１０３で決定された駆動パルス
Ｔ１〜Ｔ３とを用いて、プリントヘッド１０６のヘッド
ピン１０７を駆動する（ステップＳ４）。ヘッドピン駆
動部１０５は、ドットパターンＡを印刷する際には、駆
動パルスＴ１に従って、着目ドットデータに基づくドッ
トのみを印字し、その後方１ドット目及び２ドット目双
方のドットデータに基づくドットは印字しない。また、
ドットパターンＢを印刷する際には、駆動パルスＴ２に
従って、着目ドットデータとその後方２ドット目のドッ
トデータとに基づくドットを夫々印字する。

【００２４】更に、ヘッドピン駆動部１０５は、ドット
パターンＣを印刷する際には、駆動パルスＴ１よりも長
い駆動パルスＴ３に従って、着目ドットデータに基づく
ドットのみを印字する。この場合に、ヘッドピン１０７
が、駆動パルスＴ１に応答して突出するときよりも長い
時間プリントヘッド１０６から突出するので、プリント
ヘッド１０６は、着目ドットデータに基づくドット印字
のために先端を記録用紙側に接触させたヘッドピン１０
７をその状態のまま、走査方向に伴う。これにより、記
録用紙側に接触したままのヘッドピン１０７によって、
後方１ドット目のドットデータに基づくドットが印字さ
れる。従って、記録用紙には、着目ドットとその後続１
ドット目のドットが夫々印字されるので、図２のドット
パターンｃに基づく印刷結果とほぼ同様の印刷結果を得
ることができる。

【００２５】また、ヘッドピン駆動部１０５は、ドット
パターンＤを印刷する際には、駆動パルスＴ２に従っ
て、着目ドットデータとその後方２ドット目のドットデ
ータとに基づくドットを夫々印字する。この際に、ドッ
トパターンＤは、着目ドットと後方２ドット目のドット
とによって十分な印刷ドット面積が確保されるので、後
方１ドット目のドットデータが削除されても印刷結果の
品質低下はない。

【００２６】以上のように、本ドットインパクトプリン
タによると、プリントヘッド１０６のヘッドピン最短駆
動周期の１／２を基準とした印刷速度、つまり、原デー
タにそのまま従った標準印刷時の２倍の印刷速度で印刷
する場合でも、印刷品質の低下は殆どない。

【００２７】本実施形態例では、着目した１ドットとそ
の後方２ドット目までの３ドットに関して述べたが、大
量のデータをバッファ内に持つ場合には、上述のドット
変換処理、及び該ドット変換処理を経た印刷処理が連続
的に実行される。また、本実施形態例では、プリントヘ
ッド１０６を左方向から右方向へ走査する場合の例を挙
げて説明したが、プリントヘッド１０６を右方向から左
方向へ走査する構成とすることもできる。

【００２８】なお、本実施形態例では、ドットインパク
トプリンタの例を挙げたが、本発明はこれに限られず、
プリントヘッドに備えた複数のノズルからインク滴を吐
出することによって印刷を行うインクジェット式プリン
タにも適用することができる。この場合、駆動パルスＴ
３に従って印刷するときには、駆動パルスＴ１に従って
印刷するときよりも、対応するノズルからのインク吐出
量を多くする。

【００２９】以上、本発明をその好適な実施形態例に基
づいて説明したが、本発明のドットインパクトプリンタ
等のプリンタ装置及び印刷方法は、上記実施形態例の構
成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例の構
成から種々の修正及び変更を施したプリンタ装置及び印
刷方法も、本発明の範囲に含まれる。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のプリンタ
装置及び印刷方法によると、原データに従った標準印刷
に比して高速で行われる高速印刷に際して印刷品質の低
下を抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態例におけるドットインパク
トプリンタの印刷機構の要部を示すブロック図である。

【図２】原データにおけるドットパターンを示す図であ
る。

【図３】原データのドットパターンを変換した後のドッ
トパターンを示す図である。

【図４】ドットパターンに対応するヘッドピンの駆動パ
ルスの種類を示す図である。

【図５】本実施形態例におけるドットインパクトプリン
タの作動を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１０１：原データ １０２：ドットパターン認識部（ドットパターン判別手
段） １０３：駆動パルス長決定部（印刷制御手段） １０４：ドットパターン変換部（印刷制御手段） １０５：ヘッドピン駆動部（印刷制御手段） １０６：プリントヘッド（記録ヘッド） １０７：ヘッドピン ａ〜ｄ、Ａ〜Ｄ：ドットパターン Ｔ１、Ｔ２、Ｔ３：駆動パルス

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録ヘッドからヘッドピンを突出させ又
   はインク滴を吐出することによって記録媒体にドットを
   形成しつつ印刷するプリンタ装置において、 供給される原データに含まれるドットデータをチェック
   し、該ドットデータに、連続して印字されるべき連続ド
   ットが含まれるか否かを判別するドットパターン判別手
   段と、 連続ドットを含むドットパターンの印刷時には、連続ド
   ットを含まないドットパターンの印刷時に比して、前記
   ヘッドピンの突出時間又はインク滴の吐出時間を延ばす
   印刷制御手段とを備えることを特徴とするプリンタ装
   置。
2. 【請求項２】 前記印刷制御手段は、前記連続ドットを
   含まないドットパターンには第１の駆動パルスを出力
   し、前記連続ドットを含むドットパターンには前記第１
   の駆動パルスよりもパルス長が長い第２の駆動パルスを
   出力することを特徴とする請求項１に記載のプリンタ装
   置。
3. 【請求項３】 記録ヘッドからヘッドピンを突出させ又
   はインク滴を吐出して記録媒体にドットを形成する印刷
   方法において、 供給される原データに含まれるドットデータに、連続し
   て印字されるべき連続ドットが含まれるか否かを判別
   し、 連続ドットを含むドットパターンの印刷時には、連続ド
   ットを含まないドットパターンの印刷時よりも前記ヘッ
   ドピンの突出時間又はインク滴の吐出時間を延ばすこと
   を特徴とする印刷方法。