JP3828055B2 - クレンジング化粧料 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はクレンジング化粧料に関し、更に詳しくは扱いやすく、クレンジング力及び使用感に優れ、安全性が高いクレンジング化粧料に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、製剤化技術の進歩により化粧持ちに優れたメイクアップ化粧料が多数上市されている。このようなメイクアップ化粧料はその除去が非常に困難であることから、メイク落としとしては、油剤を大量に配合したクレンジングオイルが汎用されている。しかしながら従来のクレンジングオイルはべたついて感触が悪く、洗い流し後もぬるつきを感じることが多かった。また水溶性成分の配合が困難なことから水溶性の汚れの除去には適していなかった。
【０００３】
こうした問題点を解決するために、水を多量に配合したクレンジングオイルが上市されてきた。水の配合量を増やすことでべたついた感触を改善することができ、更にクレンジング力、洗い流し性を向上させることができる。またこれまで油性化粧料に配合が困難であった水溶性成分の配合も可能となる。しかしながら水を多量に配合するためには界面活性剤も多量に配合する必要があり、安全性の面で問題があった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、本発明は扱いやすく、クレンジング力及び使用感に優れ、安全性が高いクレンジング化粧料を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討した結果、ジグリセリルオリゴエステルを配合することで界面活性剤を多量に配合することなく、水を多量に配合することができ、扱いやすく、クレンジング力及び使用感に優れ、安全性が高いクレンジング化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【０００６】
すなわち本発明の請求項１は、ジグリセリルオリゴエステル、精製水１．０〜３．０質量％、及び界面活性剤８．０〜１５．０質量％を含有することを特徴とするクレンジングオイルである。
【００１０】
また本発明の請求項２は、更にα−ヒドロキシ酸及びサリチル酸からなる群より選択される１種以上を含有することを特徴とする請求項１に記載のクレンジングオイルである。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【００１２】
本発明で用いられるジグリセリルオリゴエステルは、好ましくはジグリセリンと分岐鎖を有する炭素数１６〜１８のモノカルボン酸とのエステルと、炭素数６〜１０のジカルボン酸との縮合生成物であり、分岐鎖を有する炭素数１６〜１８のモノカルボン酸としては、イソパルミチン酸又はイソステアリン酸が好ましく、炭素数６〜１０のジカルボン酸は、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸及びセバシン酸が挙げられる。ジグリセリンの水酸基と、分岐鎖を有する炭素数１６〜１８のモノカルボン酸及び炭素数６〜１０のジカルボン酸のカルボキシル基とのエステル化反応によって得ることができる。具体的には、ジグリセリルイソパルミチン酸エステルセバシン酸縮合物、ジグリセリルイソステアリン酸エステルセバシン酸縮合物、ジグリセリルイソパルミチン酸エステルアゼライン酸縮合物、ジグリセリルイソステアリン酸エステルアゼライン酸縮合物、ジグリセリルイソパルミチン酸エステルスベリン酸縮合物、ジグリセリルイソステアリン酸エステルスベリン酸縮合物、ジグリセリルイソパルミチン酸エステルピメリン酸縮合物、ジグリセリルイソステアリン酸エステルピメリン酸縮合物、ジグリセリルイソパルミチン酸エステルアジピン酸縮合物、ジグリセリルイソステアリン酸エステルアジピン酸縮合物等が例示できる。また市販されているものとして、サラコスＤＧＳ−１６［日清製油社製］等を好適に用いることができる。
【００１３】
本発明で用いられるジグリセリルオリゴエステルの配合量としては、クレンジング化粧料の総量を基準として０．５〜１０．０質量％が好ましく、特に好ましくは１．０〜５．０質量％である。配合量が０．５質量％未満では本発明の効果が十分に得られない場合があり、また１０．０質量％を超えて配合すると、クレンジング化粧料の安定性が損なわれる場合があり好ましくない。
【００１４】
本発明のクレンジング化粧料は、油剤を主成分としたクレンジングオイルとすることが好ましい。基剤となる油剤としては、通常化粧料に汎用されているものであれば特に制限されないが、使用感及び安定性に優れたクレンジングオイルを調製するためには常温で液状のものが好ましく、好適な例としてスクワラン、流動パラフィン等の炭化水素、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、アルモンド油、カロット油、グレープシード油、アボカド油、ヘーゼルナッツ油、米糠油、マカデミアナッツ油、トリ２−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ（カプリル・カプリン酸）グリセリル等のトリグリセライド、パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソセチル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ラウロイルグルタミン酸ジ（コレステリル・オクチルドデシル）、ラウロイルグルタミン酸ジ（フィトステリル・オクチルドデシル）等のエステル油等が挙げられる。
【００１５】
本発明に用いられる精製水の配合量としては、クレンジング化粧料の総量を基準として１．０〜３．０質量％が好ましく、特に好ましくは１．５〜２．５質量％である。配合量が１．０質量％未満ではクレンジング力及び洗い流し性が不十分な場合があり、また３．０質量％を超えて配合すると、白濁、分離等が生じる場合があり、クレンジング化粧料の安定性の面で好ましくない。
【００１６】
本発明によれば、油剤を主成分としたクレンジングオイルに、精製水１．０〜３．０質量％配合する場合にも、界面活性剤の配合量を８．０〜１５．０質量％と多量に配合する必要がなく、安全性に優れる。
【００１７】
本発明に用いられる界面活性剤としては、通常化粧料に汎用されているものであれば特に制限されず、例えば非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤等が挙げられるが、優れたクレンジング力を得るためには、非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
【００１８】
好適な界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ、特に好ましくは、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル（エチレンオキサイドの付加モル数が３〜６０であり、且つ脂肪酸部分の炭素数が１２〜２２であり、飽和、不飽和及び直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい）、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油（エチレンオキサイドの付加モル数が５〜１００である）、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル（エチレンオキサイドの付加モル数が６〜４０であり、且つ脂肪酸部分の炭素数が１２〜２２であり、飽和、不飽和及び直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい）である。本発明ではこれらを１種単独又は２種以上を組み合わせて用いることができる。
【００１９】
本発明に用いられる界面活性剤の配合量は、クレンジング化粧料の総量を基準として、８．０〜１５．０質量％であるが、好ましくは８．０〜１２．０質量％であり、更に好ましくは９．０〜１１．０質量％である。配合量が８．０質量％未満の場合、十分なクレンジング力が得られない場合があり、また１５．０質量％を超えて配合すると、刺激感が生じる等、安全性の面で好ましくない。
【００２０】
本発明のクレンジング化粧料は、更にα−ヒドロキシ酸及びサリチル酸からなる群より選択される１種以上を含有することにより、優れた不全角層又は角栓等の除去効果を付与することができる。
【００２１】
本発明に用いられるα−ヒドロキシ酸としては、通常化粧料に汎用されているものであれば特に制限されないが、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸及びそれらの塩等が挙げられる。
【００２２】
本発明に用いられるα−ヒドロキシ酸及び／又はサリチル酸の配合量としては、クレンジング化粧料の総量を基準として、０．００１〜１．０質量％が好ましく、特に好ましくは０．０１〜０．５質量％である。該範囲内であれば、不全角層又は角栓等の除去効果及び安全性にも優れたクレンジング化粧料を得ることができる。
【００２３】
本発明のクレンジング化粧料は、上記成分の他に一般に洗浄料、化粧料に配合される成分、例えば、スクラブ剤、紫外線吸収剤、防腐剤、香料、植物抽出液、保湿剤、酸化防止剤等を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【００２４】
また本発明のクレンジング化粧料は、常法に従って製造することができる。その剤形としては、クレンジングオイルとすることが好ましく、顔面又は口唇等に適用することができ、洗い流し用又は拭き取り用のいずれの形態にもすることができる。
【００２５】
【実施例】
以下、実施例に基いて本発明を詳述するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例中で用いた香料は、下記表１の香料処方のものである。
【００２６】
【表１】

【００２７】
下記表２及び表３に示す組成のクレンジングオイルを常法により調製し、下記の評価方法によりそれぞれ評価した。結果を表４に示す。
【００２８】

【００２９】

【００３０】

【００３１】

【００３２】
＜クレンジング力及び使用感評価方法＞
女性専門パネラー２０名の顔面に市販の油性ファンデーションを塗布し、その３０分後、実施例及び比較例のクレンジングオイル約２ｇを用い、１分間、一定の力及び速さで顔面を手でマッサージし、その後水で洗い流した。その際のクレンジング力、及び使用感（扱いやすさ、洗い流しのしやすさ、刺激感のなさ、ぬるつきのなさ）を５段階評価し、更にその平均点から下記基準により判定した。
【００３３】
５段階評価
５点：非常に良い
４点：良い
３点：普通
２点：やや悪い
１点：悪い
【００３４】
判定
◎：平均点が４．５点以上
○：平均点が３．５点以上、４．５点未満
△：平均点が２．５点以上、３．５点未満
×：平均点が２．５点未満
【００３５】

【００３６】
表４に示すように、本発明のクレンジング化粧料は扱いやすく、クレンジング力、洗い流し性に優れ、安全性が高いことは明らかである。
【００３７】
実施例２（クレンジングオイル）
下記に示す組成のクレンジングオイルを常法により調製し、上記の評価方法により評価したところ、扱いやすく、クレンジング力、洗い流し性に優れ、更に安全性が高いものであった。
【００３８】

【００３９】

【００４０】
【発明の効果】
上述したように、本発明のクレンジング化粧料が、扱いやすく、クレンジング力及び使用感に優れ、安全性が高いことは明らかである。

Claims (2)

1. ジグリセリルオリゴエステル、精製水１．０〜３．０質量％、及び界面活性剤８．０〜１５．０質量％を含有することを特徴とするクレンジングオイル。
2. 更にα−ヒドロキシ酸及びサリチル酸からなる群より選択される１種以上を含有することを特徴とする請求項１に記載のクレンジングオイル。