JPH05229916A

JPH05229916A - ゲル状洗浄剤組成物

Info

Publication number: JPH05229916A
Application number: JP6972592A
Authority: JP
Inventors: Tadahiro Shimada; 忠洋嶋田; Yoshikazu Nakakubo; 美和中窪
Original assignee: Shiseido Co Ltd
Current assignee: Shiseido Co Ltd
Priority date: 1992-02-19
Filing date: 1992-02-19
Publication date: 1993-09-07

Abstract

(57)【要約】【目的】均一透明〜半透明なゲル状で、ゲルの温度およ
び経時安定性に優れ、洗い流しやすくさっぱりとした使
用感を持つ優れたゲル状洗浄剤組成物を得ることを目的
とする。【構成】ショ糖脂肪酸エステルと分子内に３個以上の水
酸基を有する多価アルコールと油分とを含有することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は新規なゲル状洗浄剤組成
物、更に詳しくはショ糖脂肪酸エステルと分子内に３個
以上の水酸基を有する多価アルコールと油分とを含有す
ることを特徴とする、ゲルの安定性に優れ、洗い流しや
すくさっぱりとした使用感を持つ均一で半透明〜透明な
ゲル状洗浄剤組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】皮膚の汚れやメークアップ化粧料を洗浄
することを目的として使用される化粧料としてクレンジ
ング化粧料があり、通常皮膚に塗布して洗浄したのち、
水で洗い流すか、またはティッシュで拭いとって使用さ
れる。従来、これらの化粧料は、オイル状もしくは、水
中油型、あるいは油中水型の乳化型のクリーム状のもの
が市販されている。しかし、これらのオイル状、油中水
型の乳化型のものは使用時、油成分が手にべたつき水で
洗い落としにくいといった欠点を有しており、その改良
品として、親水性非イオン界面活性剤、分子内に水酸基
を有する水溶性物質、油分、水からなる液晶ゲルによる
化粧料が知られている（特開昭６２−５３９１０）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液晶ゲ
ルは使用後のべたつきの点では優れているものの、安定
性に関しては経時で水分が揮散することによって、ゲル
がこわれ粘度が低下するなど必ずしも満足できるもので
はなかった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな欠点を有しない優れた洗浄剤を得るべく鋭意研究を
進めた結果、ショ糖脂肪酸エステルと分子内に３個以上
の水酸基を有する多価アルコールと油分とを含有するこ
とによって、均一半透明〜透明でゲルの経時安定性、温
度安定性にすぐれ、洗い流しやすくさっぱりとした使用
感を持つゲル状洗浄剤組成物が得られることを見出し、
本発明を完成するに至った。

【０００５】すなわち、本発明の請求項１は、ショ糖脂
肪酸エステルと分子内に３個以上の水酸基を有する多価
アルコールと油分とを含有することを特徴とするゲル状
洗浄剤組成物に関し、請求項２は、両性界面活性剤及び
／又は陰イオン界面活性剤を配合することを特徴とする
請求項１記載のゲル状洗浄剤組成物を提供するものであ
る。

【０００６】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明におけるショ糖脂肪酸エステルは、エステル置換度
１．８以下のものが全て包含される。ここでいう置換度
とは、ショ糖脂肪酸エステルの構成ショ糖１分子当た
り、エステル結合した脂肪酸の結合数の平均値を示す。
モノエステル含有としては、約２０〜８０％である。又
構成される脂肪酸の炭素数は、８〜２２であり、飽和ま
たは不飽和の直鎖或いは分岐の脂肪酸やヒドロキシ体等
の誘導体のうちの単独又は混合の脂肪酸である。本発明
において用いられるショ糖脂肪酸エステルとしては、置
換度１．６５以下、モノエステル含有約４０％以上が好
ましく、組成比率は、０．５〜３０％、好ましくは、１
〜１０％である。０．５％以下では、多価アルコールと
ショ糖脂肪酸エステルとの１次ゲル組成物は作りにくく
安定性の点で好ましくない。又、３０％以上では分散し
にくくなる。

【０００７】本発明で用いられる多価アルコールは、分
子内に３個以上の水酸基を有する水溶性の多価アルコー
ルで、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テ
トラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリ
ン、オクタグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリ
ン、グルコース、ソルビトール、マルチトール、シュー
クロース、ラフィノース、トレハロース、などであり、
１種又は、２種以上の混合物である。とくに好ましく
は、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ソル
ビトール、マルチトール、の１種または、２種の混合物
である。上記多価アルコールの組成比率は、得られる組
成物の使用感、粘度などにより変化するが、５〜９９
％、好ましくは、１５〜９９％である。５％以下では、
ゲル形成、賦形性の点で好ましくない。

【０００８】本発明に用いられる油分とは、通常化粧
品、医薬品などに使用される油脂類、ロウ類、炭化水素
類、高級アルコール類、エステル類から任意に使用され
る。油脂類としては例えば、オリーブ油、ヒマシ油、ツ
バキ油、パーム油、マカデミアナッツ油等が挙げられ、
ロウ類としては、カルナバロウ、キャンデリラロウ、ミ
ツロウ、ラノリン等、炭化水素類では、ワセリン、スク
ワラン、流動パラフィン等、高級アルコールでは、セタ
ノール、ステアリルアルコール、エステル類では、ミリ
スチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシ
ル、ホホバ油等が挙げられる。

【０００９】本発明においては、さらに両性界面活性剤
及び／又は陰イオン界面活性剤を配合することによっ
て、洗浄力も向上し、洗浄後の使用感をさらに高めるこ
とができる。

【００１０】本発明に用いられる両性界面活性剤として
は、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪
酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ウンデ
シル−Ｎ−ヒドロキシエチル−Ｎ−カルボキシメチルイ
ミダゾリニウムベタイン等、のアルキルイミダゾリン系
活性剤及び、ベタイン系活性剤が用いられる。陰イオン
界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナト
リウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム等のタ
ウリン系活性剤、ラウロイルサルコシンナトリウム、ヤ
シ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン等のアルキ
ルサルコシネート系活性剤、Ｎ−ヤシ油脂肪酸−Ｌ−グ
ルタミン酸ナトリウム、Ｎ−ラウロイル−Ｌ−グルタミ
ン酸ナトリウム等のアシルアミノ酸系活性剤があげられ
る。

【００１１】配合量としては、本発明のゲル状洗浄剤組
成物中の１〜１０重量％配合され、好ましくは１〜３重
量％配合される。尚、洗浄効果という点では、非イオン
界面活性剤も使用できるが、使用感の向上という点では
好ましくない。

【００１２】本発明のゲル状洗浄剤組成物においては、
水を少量加えることにより、Ｏ／Ｗ型の透明〜半透明ゲ
ルを形成し、組成物中に水溶性成分を加えることができ
安定性も増す。また、極性油をゲル状態に保つことも可
能になる。水分の含有量としては、０〜１５重量％が好
ましい。

【００１３】さらに本発明によるゲル状洗浄剤組成物に
は、発明の効果を損なわない範囲で、その使用目的に応
じて色素、香料、その他の界面活性剤、皮膚常在菌の殺
菌もしくは制菌を目的とした殺菌剤や抗菌性成分、炎症
部位の緩和を目的とした抗炎症剤、肌の湿潤を目的とし
た湿潤剤等を適宜配合することができる。このようにし
て得られたゲル状洗浄剤組成物は、均一透明〜半透明
で、安定なゲル状であり、洗い流し易く、さっぱりとし
た使用感を持つ優れたものである。

【００１４】

【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を詳細に説明す
る。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。

【００１５】実施例１〜３、比較例１〜４表中記載の組成にて洗浄剤組成物を調整し、その官能使
用感を下記評価基準に基づき評価した。その結果を第１
表に示す。

【００１６】（製法）主釜に水相成分を添加し、副釜に
油相成分を添加し、５０℃〜６０℃にて低速ミキサーに
て、油相を徐々に添加しながら乳化する。その後室温ま
で冷却する。

【００１７】（評価方法及び評価基準）１）使用感（水洗い後のさっぱりさ）健常女性パネル１０名（２０〜２８歳）に素肌を水洗、
乾燥後、耐水性のある油性ファンデーション（耐汗、耐
水性ファンデーション）を顔部に塗布、３０分後に本発
明品、比較品を用いてファンデーションを落とし、水
洗、乾燥後、肌状態を下記評価基準をもとに官能評価し
た。 ◎ ；肌が非常にさっぱりしている ○ ；ややさっぱりしている △ ；ややあとのこり感がある × ；あとのこり感がある２）経時のゲル安定性調製後の各発明品、比較品をガラス瓶（蓋付）に９分目
まで充填し、４５℃恒温槽で放置、経日の状態を観察
し、４週間後下記評価基準を基に評価した。 ◎ ；４５℃以上の温度条件で４週間後でもゲル状態安
定 ○ ；ゲルの粘度やや低下 △ ；ゲル軟化 × ；分離

【００１８】

【表１】

【００１９】表１に示すように、本発明によるゲル状洗
浄剤組成物は比較例に比べて安定性に優れている。さら
に、本発明品は安定な透明〜半透明ゲルでありながら、
洗浄剤である界面活性剤の配合量が少量で済むことか
ら、皮膚安全性も高いことが示唆される。

【００２０】実施例４（重量％）（１）精製水５．０（２）マルチトール５．０（３）ソルビトール１５．０（４）ショ糖パルミチン酸ステアリン酸混合エステル（置換度１．５）２．０（５）ＰＯＥ（６０）硬化ヒマシ油２．０（６）ＰＯＥ・ＰＯＰブロックポリマー１．０（７）流動パラフィン４７．９（８）グリセリル−２−エチルヘキサノエート２０．０（９）ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン２．０（１０）香料０．１（１１）ＥＤＴＡ３Ｎａ・２Ｈ₂Ｏ０．０２（製法）実施例１に同じ

【００２１】実施例５（重量％）（１）精製水１０．０（２）グリセリン１５．０（３）ソルビトール１０．０（４）ショ糖パルミチン酸ステアリン酸混合エステル（置換度１．２５）３．０（５）ＰＯＥ（１０）メチルグルコシド３．０（６）ＰＯＥ（３０）ジヒドロキシコレステリル１．０（７）アルキルイミダゾリン１．０（８）アルキルスルフォサクシネート１．０（９）流動パラフィン２０．８８（１０）セチルオクタノエート２５．０（１１）ネオペンチルグリコールジデカノエート１０．０（１２）香料０．１（１３）ＥＤＴＡ３Ｎａ・２Ｈ₂Ｏ０．０２（製法）実施例１に同じ

【００２２】実施例６（重量％）（１）精製水５．０（２）マルチトール５．０（３）ジグリセリン１０．０（４）ソルビトール１０．０（５）アルギン酸ナトリウム０．１（６）ショ糖パルミチン酸ステアリン酸混合エステル（置換度１．２５）２．０（７）ＰＯＥ（６０）硬化ヒマシ油１．０（８）オウバク抽出液０．１（９）グリチルリチン酸ジカリウム０．０５（１０）セチルオクタノエート１５．０（１１）流動パラフィン３１．６７９（１２）ホホバ油５．０（１３）スクワラン１０．０（１４）マカデミアナッツオイル５．０（１５）グルコン酸クロルヘキシジン０．０２（１６）β−カロチン０．００１（１７）Ｖ−Ｅアセテート０．０５（製法）実施例１に同じ

【００２３】実施例７（１）精製水１０．０（２）マルチトール１０．０（３）ジグリセリン１０．０（４）グルコース５．０（５）キサンタンガム０．０３（６）ショ糖パルミチン酸ステアリン酸混合エステル（置換度１．３５）３．０（７）アラントイン０．０１（８）グリチルレチンステアリルエステル０．０５（９）オリーブ油１０．０（１０）メチルフェニルシリコン５．０（１１）ジメチルシリコン５．０（１２）紅花油１０．０（１３）グリセリル−２−エチルオクタノエート５．０（１４）α−トコフェロール０．０５（１５）ヒアルロン酸０．００１（１６）スクワラン２６．８５９（製法）実施例１に同じ

【００２４】

【発明の効果】本発明のゲル状洗浄剤組成物は、均一透
明〜不透明で、安定なゲル状であり、洗い流しやすく、
さっぱりとした使用感を持つ優れたものである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ａ６１Ｋ 7/40 7252−4Ｃ 7/50 9051−4ＣＣ１１Ｄ 1/88 1/94 3/18 3/20 7/26 17/08

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ショ糖脂肪酸エステルと分子内に３個以上
の水酸基を有する多価アルコールと油分とを含有するこ
とを特徴とするゲル状洗浄剤組成物。
【請求項２】両性界面活性剤及び／又は陰イオン界面活
性剤を配合することを特徴とする請求項１記載のゲル状
洗浄剤組成物。