JP3808902B2 - プラズマエッチング方法 - Google Patents

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Description

[技術分野]
本発明は、半導体ウエハ等の被処理体の表面上に配設されたシリコン窒化膜(SiNx)を優先的にエッチングするためのプラズマエッチング方法に関する。
[背景技術]
ICやLSI等の半導体デバイスの製造プロセスにおいては、半導体ウエハに対してCVD(Chemical Vapor Deposition)等による成膜やエッチング等によるパターニングを繰り返し施すことにより、所望の回路パターンを形成する。エッチングの代表的なものの1つはプラズマドライエッチングである。プラズマドライエッチングでは、パターン化されたフォトレジスト膜をマスクとして用い、目的膜の露出部分をプラズマ化されたエッチングガスで削り取る。
プラズマドライエッチングにおいては、エッチング対象となる目的膜とエッチング対象とならない異種膜との選択比をできるだけ大きく設定することが重要となる。従来、シリコン酸化膜(SiO2)に対してシリコン窒化膜(SiNx)を優先的にエッチングするため、CHF3ガスとO2ガスとの混合ガスが用いられている。この混合ガスはキャリアガスであるArガスと共に使用される。CHF3ガスとO2ガスとの混合ガスを使用した場合、SiO2に対するSiNxの選択比([SiNxのエッチングレート]/[SiO2のエッチングレート])は高々2程度である。また、Siに対するSiNxの選択比([SiNxのエッチングレート]/[Siのエッチングレート])も高々2程度である。
エッチングにより形成される線幅やホール径の要求がそれ程厳しくない場合、2程度の選択比でもそれ程問題は生じない。しかし、半導体デバイスの高密度、高集積化が更に推進されて、線幅やホール径に対してサブミクロンのオーダーが要求されると、2程度の選択比では十分ではない。
特開平8−59215(US No.08/189027)は、シリコン酸化物、金属シリサイド、及びシリコンに対して、シリコン窒化物を優先的にエッチングするため、CHx4-x(x=2〜3)と、O2、CO、及びCO2の群から選択された1つまたは複数の酸素含有ガスとの混合ガスを用いるエッチング方法を開示する。このエッチング方法において、望ましくはCHx4-xはCHF3から本質的になり、酸素含有ガスは、CO、CO2若しくはこれら両者、より望ましくはCO2から本質的になる。その結果、この公報は、同エッチング方法により、選択比([SiNxのエッチングレート]/[SiO2のエッチングレート])が4程度まで向上すると述べている。
一方、プラズマドライエッチングにおいては、被処理基板の中央部分と周辺部分との加工寸法の差で規定されるエッチングの面内均一性が高いことが重要となる。例えば、面内均一性は、中央部分と周辺部分との加工寸法の差が±7%以内であれば良好であり、±5%であればかなり良好であるといえる。選択比と面内均一性とは、あるパラメータに関してはトレードオフの関係を有する。上述の特開平8−59215は、選択比に関して概要を述べているが、面内均一性について何ら考慮していない。
[発明の開示]
本発明は、以上のような従来技術に着目し、シリコン酸化物及びシリコンに対するシリコン窒化物のエッチング選択性とエッチング面内均一性とのバランスがとれたプラズマエッチング方法を提供することを目的とする。
本発明は、シリコン窒化物から基本的になる第1層と、シリコン若しくはシリコン酸化物から基本的になる第2層とが配設された表面を有する被処理基板を、プラズマエッチング装置においてプラズマエッチングする方法であって、
前記第2層に対する前記第1層のエッチング選択比の設定値と、前記被処理基板の中央部分と周辺部分との加工寸法の差で規定されるエッチングの面内均一性の設定値と、に基づいて前記エッチング装置を設定する工程と、
前記被処理基板を前記エッチング装置の処理室内に収納する工程と、
前記処理室内を排気しながら、前記処理室内に処理ガスを導入する工程と、前記処理ガスはCH22ガスとO2ガスとの混合ガスを容積比で55%〜100%具備することと、前記CH22ガスと前記O2ガスとの第1混合比(CH22/O2)は容積比で0.2〜0.6であることと、
前記処理室内を50mTorr〜100mTorrの第1圧力に維持しながら、前記処理ガスを放電させてプラズマに転化する工程と、
前記プラズマを用いて前記第2層に対して前記第1層を優先的にエッチングする工程と、
ここで、前記面内均一性の設定値に基づいて前記エッチング装置を設定するための均一性用パラメータが前記第1圧力及び前記第1混合比を具備し、前記面内均一性の設定値が厳しいほど、前記第1圧力及び前記第1混合比のいずれか一つを高くすることと、
を具備する。
本発明によれば、CH22ガスとO2ガスの混合ガスを用いると共に、特定のパラメータを設定することにより、シリコン酸化物及びシリコン、特にシリコン酸化物に対するシリコン窒化物のエッチング選択性とエッチング面内均一性とのバランスがとれたプラズマエッチング方法を提供することができる。例えば、本発明によれば、選択比([SiNxのエッチングレート]/[SiO2のエッチングレート])が3.5以上で且つ面内均一性が±7%以内の条件でプラズマエッチングを行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の実施の形態に係るプラズマエッチング方法を実施するためのプラズマエッチング装置を示す構成図。
図2A〜Cは、比較例方法によるエッチング結果を示す断面写真図。
図3A〜Cは、本発明方法によるエッチング結果を示す断面写真図。
図4は半導体デバイスのコンタクトホールを形成する途中を示す部分拡大断面図。
図5は混合比(CH22/O2)と、選択比(SiNx/SiO2]及び面内均一性との関係を示すグラフ。
図6は処理圧力と、選択比(SiNx/SiO2)及び面内均一性との関係を示すグラフ。
図7は混合比(混合ガス/キャリアガス)と、選択比(SiNx/SiO2)及び面内均一性との関係を示すグラフ。
[発明を実施するための最良の形態]
図1図示の如く、本発明方法を実施するためのプラズマエッチング装置14は、例えばアルミニウムにより筒体状に成形された処理室16を有する。処理室16の上部は段部状にその径が僅かに縮径され、そこに後述するリング状の磁石が配設される。処理室16は接地され、この内部には下部電極として導電材料、例えばアルミニウムよりなる円板状の載置台18が設置される。載置台18は、例えばセラミックスよりなる絶縁部材20を介して導電性材料よりなる容器状の載置台支持台22に支持される。
載置台支持台22の底部は、処理室底部16Aの中央部の開口24を介して挿入された昇降軸26の上端に支持固定される。昇降機構(図示せず)により昇降軸26を昇降駆動することにより、載置台18を上昇或いは下降し得る。
載置台18の上面には、内部に直流高電圧を印加する導電板を有する例えばセラミック製、或いはポリイミド樹脂製の静電チャック28が配設される。静電チャック28の上面にクーロン力により被処理体としての半導体ウエハWを吸着保持する。
載置台18の上面の周辺部分には、ウエハWの外周全体をこれと略同一水平レベルで囲むように例えば石英製のフォーカスリング30が配設される。フォーカスリング30により、プラズマ生成時の電界をウエハ表面側に集中させることができる。
載置台支持台22の裏面と処理室底部16Aの開口24の周辺との間は、伸縮可能になされたベローズ32を介して気密に連結される。ベローズ32は、処理室16内の気密性を保持しつつ、載置台18の昇降を許容する。
載置台18内には、通路状の冷却ジャケット34が配設され、これに冷媒を流すことによりウエハWを所望の温度に維持する。載置台18の周辺部の所定の位置には、複数のリフタ孔36が上下方向に貫通して形成される。リフタ孔36に対応させて上下方向に昇降可能にウエハリフタピン38が配設される。リフタピン38は底部開口24を通って上下動可能になされたピン昇降ロッド40によって一体的に昇降移動可能となる。ピン38の貫通部には、載置台支持台22の裏面との間で金属性の伸縮ベローズ42が配設される。ベローズ42は、ピン38が気密性を保持しつつ上下動することを許容する。図1中、載置台18を一点鎖線に示すところに位置させた状態でピン38を昇降させることにより、ウエハWを持ち上げたり、持ち下げたりすることができる。このようなウエハリフタピン38は一般的にはウエハ周辺部分に対応させて4本配設される。
載置台18にはリード線44が接続され、リード線44は絶縁状態で外部に引き出される。リード線44には、マッチング回路46を介して例えば13.56MHzの高周波電力を出力する高周波電源48が接続され、載置台18にプラズマ発生用の高周波電力を印加することができる。
一方、処理室16の天井16Bには載置台18に対向させて薄い容器状のシャワーヘッド50が配設される。シャワーヘッド50の下面のガス噴射面には、ヘッド50内に導入されたプラズマガス等を処理空間Sに向けて噴出する多数の噴射孔52が配設される。シャワーヘッド50は、電極を構成するように、導電性材料、例えば表面がアルマイト処理されたアルミニウムにより形成される。
処理室外側には、リング状になされた磁石56がその周方向へ回転可能に配設される。磁石56は、ウエハ面に対して平行となるような回転磁界Mを処理空間S内に発生させる。回転磁界Mとプラズマとの間で生ずるローレンツ力等によってプラズマ密度を高めることが可能となる。
シャワーヘッド50のガス導入口58には、ガス導入管60が接続される。ガス導入管60は複数に分岐され、Arガス源62、CH22ガス源64、O2ガス源66、C48ガス源71、COガス源72、H2ガス源73に接続される。ガス源62からのArガスは希釈用の添加ガス即ちキャリアガスとして使用される。ガス源64、66からのCH22ガス及びO2ガスは、シリコン窒化膜をエッチングするためのエッチングガスとして使用される。ガス源73からのH2ガスは必要に応じて添加される添加ガスとして使用される。ガス源71、72からのC48ガス及びCOガスはシリコン酸化膜をエッチングするためのエッチングガスとして使用される。これらの各ガスは、途中に介設したマスフローコントローラ68や開閉弁70により流量制御されつつ供給される。
処理室16の側壁の一部には、載置台18を降下させた位置に対応させてウエハ搬出入口74が形成される。搬出入口74には、真空引き可能になされたロードロック室66との間を選択的に連通させるためのゲートバルブGが配設される。処理室16の側壁にはまた、真空ポンプ(図示せず)等を介設した真空排気系に接続される排気口78が配設される。
載置台18の支持台22には、処理室内壁に向けて延びるバッフルプレート80が配設される。バッフルプレート80には、処理空間S内の雰囲気を排出口78に導く、複数のバッフル孔82が形成される。
次に、以上の構成を有する装置14を用いた本発明の実施の形態にかかるプラズマエッチング方法について説明する。なお、以下では、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)プロセスにより形成された、半導体デバイスのフィールド酸化膜の近傍にコンタクトホールを形成するプロセスを例に挙げて説明する。
半導体ウエハ上で2つの素子形成領域間や素子形成領域とフィールド領域とを分離する素子分離領域を形成するためLOCOSプロセスが行われる。素子分離領域は、MOSLSI等において重要な領域であり、この近傍にコンタクトホール形成のためのエッチングを施す場合には、素子分離領域のシリコン酸化膜がエッチング時に削り取られることを極力抑制しなければならない。
図4は半導体デバイスのコンタクトホールを形成する途中の状態を示す部分拡大断面図である。図示の工程段階において、シリコン基板2全体が層間絶縁膜となるSiO2絶縁膜6により被覆される。シリコン基板2の表面内には、素子形成領域を形成するためのLOCOSフィールド酸化膜4が配設される。フィールド酸化膜4に重なるように、配線層10が延在する。
配線層10に対してコンタクトホールを形成する場合、図示の状態から、先ず、絶縁膜6の上にフォトレジスト層8をパターン形成する。次に、フォトレジスト層8をマスクとして絶縁膜6にエッチングを施す。
絶縁膜6とフィールド酸化膜4とは同じシリコン酸化物であることから両膜6、4の間にエッチング選択性をもたせることはできない。従って、もし、絶縁膜6の下にフィールド酸化膜4が直接接触していると、フィールド酸化膜4にダメージを与えることなくエッチングを終了させることは難しい。このような理由から、絶縁膜6を基板2上に形成する前に、異種材料であるシリコン窒化膜12を全面に形成し、2段階でエッチングを行なう。
即ち、先ず、第1ステップでSiNx(シリコン窒化物)に対するSiO2のエッチング選択比([SiO2のエッチングレート]/[SiNxのエッチングレート])が大きいエッチングガスを用いて絶縁膜6をエッチングする。次に、第2段階でSiO2に対するSiNx(シリコン窒化物)のエッチング選択比([SiNxのエッチングレート]/[SiO2のエッチングレート])が大きいエッチングガスを用いてシリコン窒化膜12をエッチングする。これにより、フィールド酸化膜4及びSi基板2のダメージをできるだけ少なくして配線層10に対するコンタクトホールを形成することができる。
より具体的には、先ず、後述の第1及び第2段階のエッチングにおける、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜のエッチングレート、シリコン酸化膜に対するシリコン窒化膜のエッチング選択比、ウエハの中央部分と周辺部分との加工寸法の差で規定されるエッチングの面内均一性、等の設定値に基づいてプラズマエッチング装置14を設定する。このため、予めこれらの設定値と、エッチング装置14の調節可能なパラメータとの関係を実験により求め、これらの関係をCPUに入力しておく。これにより、エッチング条件の規定値をCPUに入力することにより、装置14のパラメータを自動的に調節することができる。
被処理体である半導体ウエハWは、真空状態に維持された処理室16内に、ロードロック質76側からウエハ搬出入口74を介して搬入する。この時、ウエハW上においては、図4に示すように、コンタクトホールの開口寸法にあわせてパターニングされたフォトレジスト層8が、層間絶縁膜6上に配設された状態となっている。図1中、一点鎖線で示すように降下された載置台18上にウエハWを載置し、静電チャック28のクーロン力によりこれを吸着保持する。そして、載置台18を上昇させて所定のプロセス位置に位置させる。
次に、処理室16内を真空排気しながら、処理室16内にシャワーヘッド50より所定の処理ガスを供給し、所定のプロセス圧に維持する。これと同時に、上下の電極、即ち、シャワーヘッド50と載置台18との間に13.56MHzの高周波電界を印加し、処理ガスをプラズマに転化してエッチングを行なう。また、処理室16の外側に設けた磁石56を回転することによって処理空間Sに回転磁界Mを発生させる。回転磁界Mを発生すると、ローレンツ力によってプラズマを閉じ込めることができ、従って、プラズマ密度を高めてエッチングレートを高くすることができる。
先ず、第1段階として、SiO2絶縁膜6のコンタクトホール部分のみをエッチングする。この時、処理ガスとして、C48ガスとCOガスとの混合ガスをArガス等のキャリアガスと共に用いる。ここで、処理室16の容量が35リットル〜45リットルであるとすると、処理圧力を20mTorr〜60mTorr、C48ガス、COガス及びArガスの夫々の流量を10sccm〜20sccm、20sccm〜300sccm及び0sccm〜400sccmとなるようにする。また、載置台18の上面の温度を−30℃〜30℃に設定する。
このようにして、第1段階のエッチングにより絶縁膜6のコンタクトホール部分のエッチングが終了した時点で、C48ガス及びCOガスの供給を停止する。そして、第2段階である、シリコン窒化膜12のコンタクトホール部分のエッチングに移行する。
第2段階において、処理ガスとして、CH22ガスとO2ガスとの混合ガスをArガス等のキャリアガスと共に用いる。O2ガスは、エッチングによりコンタクトホールの底に生成される反応生成物によるデポジションを除去するという機能を発揮する。ここで、処理室16の容量が35リットル〜45リットルであるとすると、処理圧力を50mTorr〜100mTorr、望ましくは65mTorr〜100mTorrとする。また、CH22ガス、O2ガス及びArガスの夫々の流量を20sccm〜60sccm、20sccm〜100sccm及び50sccm〜300sccmとなるようにする。混合ガスの流量が大きすぎるとウエハのダメージが大きくなり、流量が小さすぎると十分なエッチングレートが得られない。また、載置台18の上面の温度を−30℃〜30℃に設定する。
なお、上述の如く、第2段階においても、処理室16内を真空排気しながら、処理室16内にシャワーヘッド50より処理ガスを供給し、所定のプロセス圧に維持する。これと同時に、上下の電極、即ち、シャワーヘッド50と載置台18との間に13.56MHzの高周波電界を印加し、処理ガスをプラズマに転化してエッチングを行なう。また、処理室16の外側に設けた磁石56を回転することによって処理空間Sに回転磁界Mを発生させる。
このようにエッチングガスとしてCH22ガス及びO2ガスの混合ガスを用いることにより、シリコン窒化膜に対するシリコン膜及びSi膜に対する選択比を大幅に向上させることができる。例えばエッチングガスとしてCHF3ガスを用いた従来の方法と比較して、選択比を2、3倍程度、向上させることができる。従って、図4においてシリコン窒化膜12のコンタクトホール部分のみを精度良くエッチング除去することができ、SiO2よりなるフィールド酸化膜4やSi基板2がエッチングにより削られることを極力抑制することが可能となる。
なお、上述の実施の形態では、不活性ガスよりなる添加ガスとしてArガスを加えたが、このガスは加えなくてもよい。或いはArガスに代えて他の不活性ガス、例えばN2ガス、Neガス、Heガス、Xeガス等を用いてもよい。
また、上述の実施の形態では、同一の処理装置内で、第1段階(シリコン酸化膜6のエッチング)及び第2段階(シリコン窒化膜12のエッチング)を連続的に行なっている。しかし、例えば第1段階を別の処理装置で行ない、第2段階のみを図1に示す処理装置で行なうようにしてもよい。
次に、CH22及びO2の使用の効果を、実験結果に基づいて説明する。
図2A〜CはCHF3を用いた方法によるエッチング結果を示す断面写真図であり、図3A〜CはCH22を用いた方法によるエッチング結果を示す断面写真図である。ここではSiNx、SiO2、Siについて夫々直径0.6μmのホールをエッチング形成した時の結果を示している。図中においてセンターは、ホールの位置がウエハの表面の略中央にある場合を示し、エッジは、ホールの位置が上表面の周辺部分にある場合を示す。また、各写真にエッチングタイムとエッチングレートとを併記してある。
図2A〜Cに示すCHF3を用いた方法のプロセス条件に関し、プロセス圧を40mTorr、RFパワーを500Wとした。処理ガスに関し、CHF3/Ar/O2を夫々20/100/20sccmの流量とした。また、処理室内の上部電極及び側壁の温度を60℃、下部電極の温度を20℃とした。
図3A〜Cに示すCH22を用いた方法のプロセス条件に関し、プロセス圧を40mTorr、RFパワーを500Wとした。エッチングガスに関し、CH22/Ar/O2を夫々20/100/20sccmの流量とした。また、処理室内の上部電極及び側壁の温度を60℃で、下部電極の温度を20℃とした。従って、両方法は、エッチングガスがCHF3であるか、CH22であるかの点でのみ異なっている。
図2A〜Cに示すようにCHF3を用いた方法において、SiNxに対するエッチングレートは、SiO2、Siに対するエッチングレートに比べて高くなった。これらエッチングレートを平均すると、SiNxに対しては251.7nm/min、SiO2に対しては118.9nm/min、Siに対しては94.0nm/minであった。従って、SiO2及びSi夫々に対するSiNxの選択比は、略2.1及び略2.7であった。
これに対して、図3A〜Cに示すようにCH22を用いた方法においては、SiNxに対するエッチングレートはCHF3を用いた方法と同様に大きいが、SiO2、Siに対するエッチングレートがかなり低くなった。これらエッチングレートを平均すると、SiNxに対しては252.9nm/min、SiO2に対しては65.3nm/min、Siに対しては38.3nm/minであった。従って、SiO2及びSi夫々に対するSiNxの選択比は、略3.9及び略6.6であった。
このように、CH22を用いた方法においては、SiO2及びSi夫々に対するSiNxの選択比をCHF3を用いた方法の略2倍に向上させることができた。しかし、面内均一性は、この実験条件において、CH22を用いた方がCHF3を用いた場合に比べて幾分低下した。
次に、本発明のエッチング方法におけるSiO2に対するSiNxの選択性と面内均一性との関係を、実験結果に基づいて説明する。
図5〜図7は、種々のパラメータと選択性(SiNx/SiO2)及び面内均一性との関係を調べた結果を示すグラフである。図5〜図7において、「Sel.」及び「Uni.」は夫々選択性(SiNx/SiO2)及び面内均一性を示す。「Sel.」は選択比そのものを表すため、数値が大きいほど特性が良好となり、「Uni.」はウエハの中央部分と周辺部分とのエッチング加工寸法の差を表すため、数値(絶対値)が小さいほど特性が良好となる、
図5〜図7に関する実験において、次の3つのパラメータ、即ち、CH22ガスとO2ガスとの混合比(CH22/O2)と、処理室16内の処理圧力と、混合ガス(CH22ガス+O2ガス)とArキャリアガスとの混合比(混合ガス/キャリアガス)と、に注目した。なお、これら実験において、共通条件として、RFパワーを500W、処理室内の上部電極及び側壁の温度を60℃、下部電極の温度を20℃とした。
図5は混合比(CH22/O2)と選択比(SiNx/SiO2)及び面内均一性との関係を示す。この実験では、処理圧力を100mTorr、Arキャリアガスの流量を0(ゼロ)sccmとした。図5図示の如く、混合比(CH22/O2)が0.2〜0.6において、選択比が4.5以上、均一性が±7.0%以内という従来の方法に比べて選択比及び均一性のバランスがとれた条件が得られた。この範囲において、選択比は混合比(CH22/O2)が低くなるほど良好となり、逆に、均一性は混合比(CH22/O2)が高くなるほど良好となった。また,混合比(CH22/O2)が0.3〜0.5において、選択比が5.0以上、均一性が±6.0%以内という望ましい値が得られ、更に、混合比(CH22/O2)が0.3〜0.4において、選択比が5.0以上、均一性が±5.0%以内というより望ましい値が得られた。
図6は処理圧力と選択比(SiNx/SiO2)及び面内均一性との関係を示す。この実験では、CH22ガス、O2ガス及びArキャリアガスの流量を夫々60sccm、100sccm、及び0(ゼロ)sccmとした。図6図示の如く、処理圧力が50mTorr〜100mTorrにおいて、選択比が4.3以上、均一性が±7.0%以内という従来の方法に比べて選択比及び均一性のバランスがとれた条件が得られた。この範囲において、選択比及び均一性は共に処理圧力が高くなるほど良好となった。また、処理圧力が65mTorr〜100mTorrにおいて均一性が±5.0%以内という望ましい値が得られた。
図7は混合比(混合ガス/キャリアガス)と選択比(SiNx/SiO2)及び面内均一性との関係を示す。この実験では、処理圧力を40mTorr、
混合比(CH22/O2)を1とした。図7図示の如く、混合比(混合ガス/キャリアガス)が1.3以上において、選択比が3.5以上、均一性が±7.0%以内という従来の方法に比べて選択比及び均一性のバランスがとれた条件が得られた。この範囲において、選択比及び均一性は共に混合比(混合ガス/キャリアガス)が高くなるほど良好となった。なお、図5及び図6図示の如く、キャリアガスはない場合にも良好な結果が得られ、これらから、処理ガスにおける混合ガスの割合は容積比で約55%〜100%が望ましい範囲であることが判明した。
実験の結果を整理すると、上述の3つのパラメータと選択性(SiNx/SiO2)及び面内均一性との概略的な関係は表1及び表2の様なものとなる。
Figure 0003808902
Figure 0003808902
従って、以上述べた実験結果を考慮することにより、本発明によれば、図4図示のようなコンタクトホールの形成プロセスだけでなく、次のような汎用性の高いプラズマエッチングする方法を提供することができる。
即ち、シリコン窒化物から基本的になる第1層と、シリコン若しくはシリコン酸化物から基本的になる第2層とが配設された表面を有する被処理基板を、プラズマエッチング装置においてプラズマエッチングする方法であって、
前記第2層に対する前記第1層のエッチング選択比の設定値と、前記被処理基板の中央部分と周辺部分との加工寸法の差で規定されるエッチングの面内均一性の設定値と、に基づいて前記エッチング装置を設定する工程と、
前記被処理基板を前記エッチング装置の処理室内に収納する工程と、
前記処理室内を排気しながら、前記処理室内に処理ガスを導入する工程と、前記処理ガスはCH22ガスとO2ガスとの混合ガスを容積比で55%〜100%具備することと、前記CH22ガスと前記O2ガスとの第1混合比(CH22/O2)は容積比で0.2〜0.6であることと、
前記処理室内を50mTorr〜100mTorrの第1圧力に維持しながら、前記処理ガスを放電させてプラズマに転化する工程と、
前記プラズマを用いて前記第2層に対して前記第1層を優先的にエッチングする工程と、
ここで、前記面内均一性の設定値に基づいて前記エッチング装置を設定するための均一性用パラメータが前記第1圧力及び前記第1混合比を具備し、前記面内均一性の設定値が厳しいほど、前記第1圧力及び前記第1混合比のいずれか一つを高くすることと、
を具備する。
前記第1圧力の望ましい値は65mTorr〜100mTorrである。前記第1混合比の望ましい値は0.3〜0.5で、より望ましい値は0.3〜0.4である。
前記処理ガスはAr、He、Ne、Xe、N2からなる群から選択された不活性ガスからなるキャリアガスを更に具備することができる。この場合、前記均一性用パラメータは、前記混合ガスと前記キャリアガスとの第2混合比(混合ガス/キャリアガス)を更に具備することができる。前記面内均一性の設定値が厳しいほど、前記第1圧力、前記第1混合比、及び前記第2混合比のいずれか一つを高くする。
また、前記選択比の設定値に基づいて前記エッチング装置を設定するための選択比用パラメータも、前記第1圧力及び前記第1混合比を具備することができる。この場合、前記選択比の設定値が高いほど、前記第1圧力を高くするか、前記第1混合比を低くする。
前記選択比用パラメータも前記混合ガスと前記キャリアガスとの第2混合比(混合ガス/キャリアガス)を更に具備することができる。前記選択比の設定値が厳しいほど、前記第1圧力及び前記第2混合比のいずれか一つを高くするか、前記第1混合比を低くする。
前記処理ガスを放電させてプラズマに転化する工程において、前記被処理基板の温度を制御するため、前記被処理基板は−30℃〜30℃の範囲の温度に設定された載置台上に載置されることが望ましい。
前記第2層はシリコン酸化物から基本的になることが望ましい。例えば、コンタクトホールを形成する場合、前記第2層が、シリコン酸化物から基本的になり且つ前記第1層の上に配設された層間絶縁膜と、シリコン酸化物から基本的になり且つ前記第1層の下に配設されたフィールド酸化膜と、を具備する。この場合、本発明の方法は、前記処理室内に前記処理ガスを導入する工程前に、前記処理室内を排気しながら、前記処理室内にC48を含む別の処理ガスを導入し、前記別の処理ガスをプラズマに転化することにより、前記層間絶縁膜のプラズマエッチングを行い、前記第1層に到達するホールを前記層間絶縁膜に形成する工程を更に具備する。
また、前記記プラズマを用いて前記第2層に対して前記第1層を優先的にエッチングする工程において、前記プラズマを閉じ込めるように、前記被処理基板の前記表面に対して略平行となる回転磁界を前記処理室内に形成することが望ましい。
なお、上記実施の形態では、処理空間Sに回転磁界を付与してプラズマ密度を向上させた、いわゆるダイポール型の反応性イオンエッチング(RIE)装置を例にとって説明した。しかし、本発明は、プラズマ処理装置の種類には限定されず、どのような形式の装置にも適用できる。例えば上部電極のみに高周波電圧を印加した型式のプラズマエッチング装置、上下電極の双方に高周波電圧を印加した型式のプラズマエッチング装置、或いは、マイクロ波によりプラズマを発生させる型式のプラズマエッチング装置にも適用することができる。また、上記実施の形態では、被処理体として半導体ウエハをエッチングする場合を例にとって説明したが、本発明は、例えばガラス基板やLCD基板等に成膜する場合にも適用し得る。

Claims (15)

  1. シリコン窒化物から基本的になる第1層と、シリコン若しくはシリコン酸化物から基本的になる第2層とが配設された表面を有する被処理基板を、プラズマエッチング装置においてプラズマエッチングする方法であって、
    前記第2層に対する前記第1層のエッチング選択比の設定値と、前記被処理基板の中央部分と周辺部分との加工寸法の差で規定されるエッチングの面内均一性の設定値と、に基づいて前記エッチング装置を設定する工程と、
    前記被処理基板を前記エッチング装置の処理室内に収納する工程と、
    前記処理室内を排気しながら、前記処理室内に処理ガスを導入する工程と、前記処理ガスはCH22ガスとO2ガスとの混合ガスを容積比で55%〜100%具備することと、前記CH22ガスと前記O2ガスとの第1混合比(CH22/O2)は容積比で0.2〜0.6であることと、
    前記処理室内を50mTorr〜100mTorrの第1圧力に維持しながら、前記処理ガスを放電させてプラズマに転化する工程と、
    前記プラズマを用いて前記第2層に対して前記第1層を優先的にエッチングする工程と、
    ここで、前記面内均一性の設定値に基づいて前記エッチング装置を設定するための均一性用パラメータが前記第1圧力及び前記第1混合比を具備し、前記面内均一性の設定値が厳しいほど、前記第1圧力及び前記第1混合比のいずれか一つを高くすることと、
    を具備する方法。
  2. 前記第1圧力が65mTorr〜100mTorrである請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1混合比が0.3〜0.5である請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1混合比が0.3〜0.4である請求項3に記載の方法。
  5. 前記処理ガスが不活性ガスからなるキャリアガスを更に具備する請求項1に記載の方法。
  6. 前記均一性用パラメータが、前記混合ガスと前記キャリアガスとの第2混合比(混合ガス/キャリアガス)を更に具備し、前記面内均一性の設定値が厳しいほど、前記第1圧力、前記第1混合比、及び前記第2混合比のいずれか一つを高くする請求項5に記載の方法。
  7. 前記キャリアガスがAr、He、Ne、Xe、N2からなる群から選択される請求項5に記載の方法。
  8. 前記選択比の設定値に基づいて前記エッチング装置を設定するための選択比用パラメータが前記第1圧力及び前記第1混合比を具備し、前記選択比の設定値が高いほど、前記第1圧力を高くするか、前記第1混合比を低くする請求項1に記載の方法。
  9. 前記処理ガスが不活性ガスからなるキャリアガスを更に具備する請求項8に記載の方法。
  10. 前記選択比用パラメータが前記混合ガスと前記キャリアガスとの第2混合比(混合ガス/キャリアガス)を更に具備し、前記選択比の設定値が厳しいほど、前記第1圧力及び前記第2混合比のいずれか一つを高くするか、前記第1混合比を低くする請求項9に記載の方法。
  11. 前記キャリアガスがAr、He、Ne、Xe、N2からなる群から選択される請求項9に記載の方法。
  12. 前記処理ガスを放電させてプラズマに転化する工程において、前記被処理基板の温度を制御するため、前記被処理基板が−30℃〜30℃の範囲の温度に設定された載置台上に載置される請求項1に記載の方法。
  13. 前記第2層がシリコン酸化物から基本的になる請求項1に記載の方法。
  14. 前記第2層が、シリコン酸化物から基本的になり且つ前記第1層の上に配設された層間絶縁膜と、シリコン酸化物から基本的になり且つ前記第1層の下に配設されたフィールド酸化膜と、を具備し、
    前記方法が、前記処理室内に前記処理ガスを導入する工程前に、前記処理室内を排気しながら、前記処理室内にC48を含む別の処理ガスを導入し、前記別の処理ガスをプラズマに転化することにより、前記層間絶縁膜のプラズマエッチングを行い、前記第1層に到達するホールを前記層間絶縁膜に形成する工程を更に具備する請求項13に記載の方法。
  15. 前記プラズマを用いて前記第2層に対して前記第1層を優先的にエッチングする工程において、前記プラズマを閉じ込めるように、前記被処理基板の前記表面に対して略平行となる回転磁界を前記処理室内に形成する請求項1に記載の方法。
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