JPH07118474B2 - エツチングガス及びこれを用いたエツチング方法 - Google Patents

エツチングガス及びこれを用いたエツチング方法

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JPH07118474B2 JP59265577A JP26557784A JPH07118474B2 JP H07118474 B2 JPH07118474 B2 JP H07118474B2 JP 59265577 A JP59265577 A JP 59265577A JP 26557784 A JP26557784 A JP 26557784A JP H07118474 B2 JPH07118474 B2 JP H07118474B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はエッチングガス及び該エッチングガスを使用し
たエッチング方法に関する。この種の技術は、例えば半
導体の製造プロセスなどにおいて利用される。
〔従来の技術〕
従来のこの種の技術にあっては、例えば半導体の製造過
程でSiO2膜上のSi3N4膜等のシリコンナイトライドをド
ライエッチングする場合、CF4にO2を混合したガス、あ
るいはCF4にO2及びArを混合したガスなどをエッチング
ガスとして用い、トンネル型のプラズマエッチャーや、
平行平板型アノードカップリング方式のプラズマエッチ
ャーや、放電室分離型のCDE等の装置により、エッチン
グが実用化されている。
これらの装置を用いると、Si3N4膜を下地のSiO2膜とあ
る程度の選択比(約5程度)をもってエッチングするこ
とが可能である。しかし、エッチング装置に起因する反
応メカニズム、特にCF4が解離して生ずるラジカルが各
々の膜をアタックする反応メカニズムから、上記各エッ
チング方式はいずれも等方性エッチングであり、溶液エ
ッチングと同様、マスクの下にサイドエッチを生ずる。
ところが、最近の半導体素子の微細化に伴って、Si3N4
膜に関しても上記のような等方性エッチングでは、要求
を満たすことができなくなっている。よって、RIEによ
る、マスクの寸法どおりの異方性エッチングが必要不可
欠となってきている。ところがSi3N4膜をRIEによりエッ
チングする場合でも、従来は、SiO2膜に対するのと同じ
エッチングガスを使用してのエッチングしかできなかっ
た。従って、下地のSiO2膜との間に選択性をもたせるこ
とは困難であった。
例えば、SiO2のRIEに用いるSiO2用エッチングガスとし
て知られるCHF3に、O2をCHF3/O2=40/7SCCMの割合で添
加して、0.06Torr,400W(0.20W/cm2)の条件でエッチン
グを行うと、エッチング速度はSi3N4に対しては980Å/m
in.、SiO2に対しては510Å/min.で、それ程の差は出な
い。エッチングの形状はアンダーカットの無い異方性と
なるが、Si3N4/SiO2選択比はわずかに1.9である。これ
では、下地SiO2との選択性を要求されるプロセスには、
制御性を考慮すると使用不可能である。例えば、薄いパ
ッドSiO2上の選択酸化マスク用Si3N4のエッチング等の
場合には、使用できない。
ところで最近、Si3N4とSiO2との間に高選択比を得るこ
とが可能なエッチングガスが発表され、上記問題点を解
決できるものとして注目を集めた。これはフロン32(CH
2F2)を用いたエッチングガスである(インターナショ
ナル・エレクトリック・デバイス・ミーティング;198
3、「VLSI・デバイス・ファブリケーション・ユージン
グ・ア・ユニーク・ハイリーセレクティブ・Si3N4・ド
ライエッチング」International Electric Device Meet
ing,1983,“VLSI Device Fabrication Using a Unique,
Highly−Selective Si3N4 Dry Etching"参照)。
しかし、このエッチングガスは、実用化のためには未だ
問題が残されている。即ちこのガスを選択比が高い条件
で用いると、エッチング後の表面に除去しにくい重合膜
が生成したり、エッチング残渣が発生したりする。従っ
てこのエッチングガスを実用に供するのは未だ困難であ
る。
この問題につき更に説明すると次の通りである。第2図
は、CH2F2をエッチングガスとした場合の、Si3N4とSiO2
のエッチング速度のCH2F2流量依存性を調べたグラフで
ある。第2図から明らかなように、CH2F2ガスの流量
(グラフの横軸)の増加とともに、SiO2のエッチング速
度Iは急激に低下し、CH2F2流量15SCCM(但しこのグラ
フのデータはいずれもRFパワー350W,RFパー密度0.28W/c
m2,圧力5Pa)のときに、Si3N4/SiO2選択比IIIは約30に
も達する。このように、条件によってはSi3N4/SiO2選択
比IIIを高くすることができる。なお図中IIはSi3N4のエ
ッチング速度である。エッチング装置は平行平板型RI
E、下部電極被覆材は石英を使用した。
しかしCH2F2は、従来Si3N4のエッチングに使用されてい
たCF4やCHF3に比べ、F/C比が小さく、かつH2分子中にと
りこまれた形のガスであるため、プラズマ中で非常にカ
ーボンリッチになり、C−F系重合膜を生成し易い。特
に、上記した如き高選択比が得られる条件では、エッチ
ング後の表面に重合膜がデポジットし、これらが何らか
の後処理を施しても取り除けなかったり、またこの重合
膜の堆積が原因と思われるエッチング残渣がエッチング
後の基板表面に発生したりする。かつ、エッチャーのチ
ェンバー内への上記のような重合物の堆積も激しく、再
現性のある安定したエッチングが行えないという問題が
ある。
このように、CH2F2を使用する場合、このガス単独で実
用的なRIEを行うのは大変困難である。
従来より、これらのC−F系ポリマーの生成を抑える技
術として、ガス中にO2またはCO2等をわずかに、つまり
5%程度、多くても10%程度添加する方法が良く知られ
ている。これは、プラズマ中において、添加されたガス
により酸素ラジカルが発生し、これがカーボンをCOやCO
2として除去するため、プラズマ中のF/C比が大きくな
り、ポリマーのディポジションを防止し得るというもの
である。またこれによりエッチング速度も速くなるが、
SiO2上のSi3N4のエッチングに用いる場合には、ポリマ
ーの生成を抑えた結果はポリマーによって阻止されてい
た下地のエッチング速度も高くなり、選択比がとれなく
なるという問題が生じる。この効果がO2ほど顕著ではな
いCO2を添加しても、結局同じことで、抜本的な解決に
はならない。
〔発明の目的〕
本発明は、上記従来技術の問題点を解決すべくなされた
もので、その目的はSiO2上のSi3N4(あるいはその他の
シリコンナイトライド)をエッチングする場合でもその
選択比を高くとれるとともに、しかも重合膜生成などの
実用上の難点のないエッチングガスを提供すること、及
びこのようなエッチングガスの有効な使用方法を提供す
ることにある。
〔発明の構成及び作用〕
本発明のエッチングガスは、SiO2上のシリコンナイトラ
イドを選択的にエッチングする場合に用いるエッチング
ガスであって、炭素とフッ素とを構成元素として少なく
とも有するとともに、フッ素/炭素比(F/C)が2以下
のガスであって、かつ解離の大部分がCF3 +となるもので
はないガスに、CO2を混合し、該CO2の混合量は、フッ素
ラジカル炭素原子と結合せしめることによりフッ素ラジ
カルを除去して、フッ素ラジカルの再結合により生じ得
るSiO2のエッチャントの発生を抑制する量である20流量
%以上としたものである。
ここで、F/Cが2以下のガスとは、CF4やCHF3の如くF/C
が4:1:や3:1の如くフッ素リッチになってF/C比が大きく
なっている(2を越えている)ものに対し、例えばCH2F
2やCH3Fの如くF/C比が2:1や1:1のようにそのF/C比が2
以下のものを称する。また、CO2の混合については、従
来技術にあってはポリマー生成抑制のために少量のCO2
を加えるものに対して、ここではFをCOFとして除去
することにより、Fの再結合によるCF3 +(SiO2エッチ
ャントとして作用する)の発生を抑制できる量である20
流量%以上を、本発明では混合するのである。
例えば、本発明の好ましい実施の態様にあっては、F/C
比が2以下のガスとしてCH2F2を用い、これにCO2を流量
比で30〜70%混合して、エッチングガスを得る。(但
し、流量比はこれに限らず、装置や条件によって適宜設
定する)。
上記した本発明のエッチングガスは、SiO2上のシリコン
ナイトライドを選択的にエッチングする場合に、有効に
使用できる。
即ち、F/C比が2以下のガスにCO2を過剰に混合して、F
をCOFとして除去することによりFの再結合によるC
F3 +の発生を抑えるようにすると、CF3 +によりエッチン
グされ易いSiO2のエッチング速度は低下するが、一方Si
3N4は、CF3 +以外のイオン,ラジカルで充分エッチング
が進行するので、Si3N4/SiO2の選択比が高まり、その選
択エッチングが効果的に達成されるわけである。しか
も、CF2H2単独使用の従来技術に比し、ポリマー堆積な
どの不都合は生じず、実用的なエッチングが可能とな
る。
本発明におけるCO2の大量添加は、従来から知られてい
るCO2添加とは技術的に全く異質のものであり、従来技
術とは全く無関係であり、勿論従来技術から想到され得
るものでもない。
即ち、従来から知られているO2やCO2の添加は、プラズ
マ中のカーボンの捕捉及び被エッチング物のエッチング
速度の増加が目的である。例えば、シングル−Siやポリ
−Siのエッチングに用いられるCF4+O2系では、O2を5
%程度添加することにより、Si表面に降りつもるカーボ
ンがマスクとなってSi表面が荒れるのが防止される。か
つ、F/C比が大きくなるためSiやポリ−Siのエッチング
速度が上昇する。一方、SiO2RIEでCHF3+CO2の系を用い
るのは、前述の如くポリマーの生成を防ぎたいが、O2
添加ではカーボンが捕捉されすぎて下地のSiとの選択比
がとれなくなってしまうので、O2ほど顕著な効果は無い
CO2を微量(多くとも10%以下)添加する訳である。
このように、従来のガス系におけるCO2添加と、再結合
によるSiO2エッチャントの生成を抑制する本発明でのCO
2の過剰の添加とはその技術的意味を異にする。かつそ
ればかりでなく、従来のガス系に本発明の如くCO2を大
量に添加しても、F/C比が2以下のガス例えばCH2F2に添
加した時のような効果は期待できない。というのは、F/
C比が2以下であるCH2F2ガスはプラズマ中での再結合に
よってしかSiO2の主なエッチャントであるCF3 +を生成し
ないが、CF4やCHF3はそ解離の大部分がCF3 +となるた
め、COがフリーのFを捕捉して再結合によるエッチ
ャントの生成を減少させても、大きな影響は無い。従っ
てこのCO2大量添加の効果があるのは、F/C比が2以下で
あって、かつ解離の大部分がCF3 +となるものではないガ
ス(CH2F2,CH3F等)についてということになる。
上述の通り、本発明におけるCO2の混合は従来技術とは
全く意味が異なり、考え方が全く異なるものであって、
また、従来技術から想到され得るものでもない。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の一実施例について説明する。但し、以下
述べる実施例は本発明を例証するものではあるが、当然
のことながらこれにより本発明は限定されない。
本実施例は、F/C比が2以下のガスとしてCH2F2を用い、
これCO2をその流量を変えて混合して、これらをエッチ
ングガスとした場合のSiO2及びSi3N4のエッチングレー
トの変化を確認することにより、CO2を大量に混合した
ときの効果を見たものである。
第1図を参照する。第1図は、圧力5Pa,RFパワー300W,R
Fパワー密度0.24W/cm2の条件下で、CH2F210SCCMにCO2
添加していった時の、Si3N4とSiO2のエッチング速度を
示したグラフである。横軸にCO2の添加量(流量%)を
とり、たて軸(左)にエッチング速度(Å/min.)、た
て軸(右)に選択比(及び後記する均一性(%))をと
って示す。
このグラフから明らかなように、CO2流量20%前後まで
はSiO2のエッチング速度Iは上昇するが、30%程度を境
にしてSiO2のエッチング速度が低下し、Si3N4/SiO2選択
比IIIが高くなる。(図中IIがSi3N4のエッチング速度で
ある)。CO270%では、Si3N4のエッチング速度IIが600
Å/min.,SiO2のエッチング速度Iが85Å/min.で、Si3N4
/SiO2選択比が7という、良好な結果が得られた。
このように、CH2F2を用い、これにCO2を30〜70%混合し
た本実施例にあっては、Si3N4/SiO2選択比が高くとれ、
しかも、ポリマーの堆積などに伴う不都合も生じない。
これはCH2F2にCO2を通常よりも過剰に混合した結果、CF
系ポリマーの生成を抑えつつ、かつ下地SiO2膜との間に
高選択比を取れるようになったためと考えられる。
即ち、CH2F2にCO2をその流量比が30〜70%となるよう
に、混合すると、プラズマ中での CO2→CO+O の解離によって生成したCOが CH2F2→CH2F+F 等の反応で生成したFを CO+F→COF という形で捕捉するためプラズマ中でFが不足し CF2 +→CF3 + という再結合反応によるSiO2エッチャントが生成しにく
くなる。これに対しSi3N4は、 Si−N=50kcal/moleと Si−O=80kcal/moleよりも結合エネルギーが小さいた
め、CF3 +以外のイオン,ラジカルで充分エッチングが進
行する事からSi3N4/SiO2の選択エッチングが達成される
ものと考えられる。
なおCO2流量20%前後までSiO2のエッチング速度Iが上
昇するのは、このあたりでは CO2→CO+O のOがプラズマ中のカーボンを除去する、従来の添加
ガスとしての効果の方がCOによるF捕捉効果よりも
大きいためと思われる。
第1図には、ウェハの均一性IV(たて軸右に%で示す)
も示す。これはSi3N4のエッチングの均一性を表すが、C
O2が70%を超えると、この均一性IVが劣るようになる。
また、CO2が20%を下回る領域、つまり第1図の符号VI
で示す領域は、ポリマーのデポジションが生じ、この例
の条件では実用に供しにくくなっている。
なお、図中Vはレジストの1種であるOFPR 800のエッチ
ング速度を示す。このデータから、レジストにあらかじ
めテーパーをつけておく事によりSi3N4/PRの選択比が低
い事を利用したSi3N4テーパーエッチが、下地となるSiO
2との間に選択比をとりながら達成できることがわか
る。ここでのPRのエッチング速度の上昇は、CO2からの
の影響である。
〔発明の効果〕
上述の如く、本発明によればSiO2上のSi3N4などをエッ
チングする場合でも、その選択比を高くとれるととも
に、しかも重合膜生成などの実用上の難点がないという
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の効果を説明するためのグラフ
である。第2図は従来例を説明するためのグラフであ
る。 I……SiO2エッチング速度、II……Si3N4エッチング速
度、III……Si3N4/SiO2選択比。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiO2上のシリコンナイトライドを選択的に
    エッチングする場合に用いるエッチングガスであって、 炭素とフッ素とを構成元素として少なくとも有するとと
    もに、フッ素/炭素比が2以下であって、かつ解離の大
    部分がCF3 +となるものではないガスに、 CO2を混合し、該CO2の混合量は、フッ素ラジカルを炭素
    原子と結合せしめることによりフッ素ラジカルを除去し
    て、フッ素ラジカルの再結合により生じ得るSiO2のエッ
    チャントの発生を抑制する量である20流量%以上とした
    ものである、エッチングガス。
  2. 【請求項2】SiO2上のシリコンナイトライドを選択的に
    エッチングする場合に、 炭素とフッ素とを構成元素として少なくとも有するとと
    もに、フッ素/炭素比が2以下であって、かつ解離の大
    部分がCF3 +となるものではないガスに、 CO2を混合し、該CO2の混合量は、フッ素ラジカルを炭素
    原子と結合せしめることによりフッ素ラジカルを除去し
    て、フッ素ラジカルの再結合により生じ得るSiO2のエッ
    チャントの発生を抑制する量である20流量%以上とした
    ものを用いることを特徴とするエッチング方法。
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