JP4071064B2 - エッチング方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電プラズマを利用したエッチング方法に関し、特に、半導体装置の低誘電率絶縁膜をエッチングする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、SiO2からなる絶縁膜のエッチングには、CF4やC38のようなぺルフルオロカーボンガスに酸素ガスのような添加ガスを混合させた反応ガスが用いられる。
【0003】
しかし、多孔質性の絶縁材料からなり、比誘電率(k)が2.6以下と低い低誘電率絶縁膜をエッチングするには、従来のSiO2エッチング技術をそのまま適用したとするといくつかの問題が発生する。
【0004】
その中の一つとしてエッチング後の低誘電率絶縁膜の表面荒れの問題がある。エッチング工程中に、一旦表面荒れが発生すると、深さ方向に低誘電率絶縁膜のエッチングを行っても解消されず、低誘電率絶縁膜とシリコンウェハとの間にある下地層までオーバーエッチしたとしてもその荒れた表面は解消されず、表面荒れ(凸凹)が残る。
【0005】
表面荒れが起こると、バリアメタルとの密着性が極端に悪くなり、バリア膜形成の大きな問題となるだけではなく、また、低誘電率絶縁膜自体のダメージにより電気的特性も悪くなる。
【0006】
これは従来用いられていたSiO2の絶縁膜に比べて、多孔質性の絶縁材料で構成された低誘電率絶縁膜は、その密度が低く、かつ、膜構造も異なることが主たる原因である。
特にエッチング工程でプロセス圧力が1Pa以上と大きい場合、表面荒れが増すだけでなく膜へ与えるダメージ(誘電率の増加)も大きくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の要求に応じるために創作されたものであり、その目的は、エッチング後の低誘電率膜の表面荒れを小さくする技術を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は反応ガスに着目し、2種類のぺルフルオロカーボンガス(CF4、C38)と、フッ化窒素(NF3)と、酸素ガス(O2)と、トリフルオロメタン(CHF3)を反応ガスとして用いて、低誘電率絶縁膜のエッチングを行い、エッチング後の低誘電率絶縁膜の表面粗さ(算術平均粗さ:Ra)を測定した。
【0009】
図5は反応ガスの種類と、表面粗さとの関係を示すグラフである。図5から明かなように、ぺルフルオロカーボンガスと、フッ化窒素と、酸素ガスを用いた場合には、表面粗さが10nm以上と非常に大きかったのに対し、ハイドロフルオロカーボンガスであるトリフルオロメタンを用いた場合には、表面粗さが2nm以下であった。
【0010】
更に、本発明者等はトリフルオロメタンガスを反応ガスとして用い、エッチング時の真空槽内の圧力(プロセス圧力)を変えて低誘電率絶縁膜のエッチングを行い、エッチング後の表面粗さ(Ra)を測定した。
【0011】
図6はプロセス圧力と表面粗さとの関係を示すグラフである。図6から明かなようにプロセス圧力が大きくなる程、表面粗さが大きくなっており、プロセス圧力が1Paを超えると、表面粗さが10nmを超えることから、プロセス圧力は1Pa以下に抑える必要があることがわかる。
【0012】
これらのことから、エッチング後の低誘電率絶縁膜の表面粗さは、プロセス圧力と、反応ガスの種類に大きく依存することが分かる。
比誘電率が2.6以下と低い低誘電率絶縁膜は、メチルシルセスキオキサン(以下MSQと略記する)のように、その構造中に有機官能基を含むものが多く、該有機官能基はプラズマ中で形成された反応ガスのプラズマ(H、F、O)により容易にエッチングされる。
【0013】
この反応は化学反応であるため、ラジカルの濃度(圧力)と温度に強く依存する。従って、ぺルフルオロカーボンガス、フッ化窒素ガス、又は酸素ガスのように、有機官能基との反応性の強いFやOを多く生成する反応ガスを真空槽内に導入し、真空槽内の圧力を高くしてエッチングを行うと、反応が急激に進むため、エッチング後の低誘電率絶縁膜表面が荒れると考えられる。
【0014】
一方、ハイドロフルオロカーボンのガスは放電によって分解されると、HやF等の反応性の高いイオンを生成すると同時に、CとHとFで構成される適度に重合しやすい物質(Cbcd)を形成し、その物質が低誘電率絶縁膜中の有機官能基と重合する反応と、HやF等のイオンで低誘電率絶縁膜がエッチングされる反応が同時に進行する。
【0015】
低誘電率絶縁膜は、その膜中に比誘電率が2.6以下になる程度の多孔質構造を有しており、CとHとFで構成される重合しやすい物質は、低誘電率絶縁膜の細孔に入り込み、膜内部での反応を抑制する。また、荒れた表面の凹部に入り込み凹部の反応をも抑制するものと考えられる。
この抑制効果とラジカル反応(エッチング)は競合しているであろう。
【0016】
即ち、プロセス圧力が高くなるとラジカル濃度も高くなり、抑制効果よりもラジカル反応が勝り表面荒れを起こし、プロセス圧力が低くなるとラジカルの量が減少して抑制効果が勝り表面の平坦化が達成されると考えられる。
以上のことより、ハイドロフルオロカーボンのガスを反応ガスとして用い、かつ、プロセス圧力を1Pa以下と低くしてラジカル反応を抑制すれば、低誘電率絶縁膜の表面荒れが抑制されると考えられる。
【0017】
上記知見にもとづいてなされた請求項1記載の発明は、シロキサン結合の繰り返し単位を有し、少なくとも一つのシロキサン結合に有機官能基が結合した重合体で構成され、比誘電率が2.6以下の低誘電率絶縁膜と、前記低誘電率絶縁膜表面に配置されたキャップ層とを有するエッチング対象物を真空槽中に配置し、前記真空槽中に真空雰囲気を形成した後、第一の反応ガスを導入し、該第一の反応ガスのプラズマを発生させ、前記キャップ層をエッチングし、前記低誘電率絶縁膜を露出させる第一のエッチング工程と、前記真空槽内に下記一般式(1)で表されるハイドロフルオロカーボンのガスを主成分とし、プラズマ化した時の前記低誘電率絶縁膜のエッチング速度が前記第一の反応ガスよりも遅い第二の反応ガスを導入し、前記真空槽内の圧力を1Pa以下に維持した状態で、前記第二の反応ガスをプラズマ化させて、前記有機官能基と重合しやすい物質とイオンとを生成し、当該物質と前記低誘電率絶縁膜中の有機官能基とを重合させて前記低誘電率絶縁膜表面の凹部を埋めながら、前記イオンと前記低誘電率絶縁膜とを反応させて、前記低誘電率絶縁膜をエッチングし、前記低誘電率絶縁膜を100nm/分以下のエッチング速度でエッチングする第二のエッチング工程とを有するエッチング方法である。
CxHyFzOa……一般式(1)
(上記一般式(1)中のxは1又は2であり、aは0又は1である。aが0のときは、zは1以上2x+1以下の整数であり、yは2x+2−zである。aが1であり、酸素が炭素に結合してケト基を構成する場合、zは1以上2x−1以下の整数であり、yは2x−zである。aが1であり、酸素に水素が結合して水酸基を構成する場合、zは1以上2x以下の整数であり、yは2x+2−zである。)
請求項2記載の発明は、請求項1記載のエッチング方法であって、前記低誘電率絶縁膜を構成する重合体は、メチルシルセスキオキサンであるエッチング方法である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のエッチング方法であって、前記第一の反応ガスは、ぺルフルオロカーボンのガスと、酸素ガスとを含有するエッチング方法である。
【0018】
尚、エッチング速度とは、エッチングによる膜厚の減少量(nm)をエッチング時間(分)で除した値のことである。
【0019】
本発明は上記のように構成されており、低誘電率絶縁膜を構成する重合体は、下記構造式(1)に示すように、シロキサン結合の酸素に有機官能基の炭素が結合したものである。
【0020】
【化1】
Figure 0004071064
【0021】
上記構造式(1)は有機官能基としてメチル基が結合した例である。
低誘電率絶縁膜を構成する重合体の具体例としては、OSG、SiOC、a-SiCO:H、MSX、MSQ、MHSQ、HSQ、Organic-SOG、LKDTM、Black DiamondTM、FlowfillTM、CoralTM、AuroraTM、NanoglassETM、FOxTM、OCD TM、Accuspin TM、HOSP TM、Aerogel、Xelogel、Porous Silica:ISM-1.5等がある。
【0022】
キャップ層を構成する物質としては炭化ケイ素や炭素等があり、第一の反応ガスとしてはぺルフルオロカーボンと酸素ガスとを含有するものを用いると、キャップ層を効率良くエッチングすることができる。
ぺルフルオロカーボンや酸素ガスのプラズマは、上述したような低誘電率絶縁膜に対するエッチング性が高く、これらの反応ガスが真空雰囲気中に残留した状態で低誘電率絶縁膜のエッチングを行うと、表面荒れが起こる。
【0023】
第一の反応ガスのプラズマを消滅させると共に、第一の反応ガスの導入を停止して第一のエッチング工程を終了させた後、真空槽内を真空排気すれば、真空槽内から第一の反応ガスが除去されるので、引き続き行われる第二のエッチング工程で、第一の反応ガスのプラズマが発生せず、低誘電率絶縁膜の表面荒れが起こらない。
【0024】
第二の反応ガスの主成分であるハイドロフルオロカーボン(以下HFCと略記する)の具体例について説明すると、一般式(1)中のxが1であり、aが0の場合は、CHF3と、CH22と、CH3Fがある。
xが2であり、aが0の場合には、CH3CF3、CH3CF2H、CH3CFH2、CH2FCF3、CH2FCF2H、CH2FCFH2、CHF2CF3、CHF2CF2H、CHF2CFH2、CF3CFH2がある。
【0025】
酸素がケト基(C=O)を構成し、xが1の場合にはCHFOがあり、xが2の場合はCH3CFOと、CH2FCFOと、CHF2CFOと、CF3CHOと、CHF3CHOと、CH3FCHOとがある。
【0026】
酸素に水素が結合して水酸基を構成し、xが1の場合は、CHF2OHと、CH2FOHとがあり、xが2の場合はCH3CHFOHと、CH3CF2OHと、CH2FCF2OHと、CHF2CF2OHと、CHF2CHFOHと、CHF2CH2OHと、CH2FCHFOHと、CH2FCH3OHと、CF3CH2OHと、CF3CHFOHとがある。
【0027】
【発明の実施の形態】
図2(a)の符号10は本発明のエッチング方法によりエッチングされるエッチング対象物の一例を示している。
このエッチング対象物10は、シリコンウェハ11と、低誘電率絶縁膜15と、キャップ層16とを有している。
【0028】
シリコンウェハ11の片面には下地層14が形成されており、低誘電率絶縁膜15は下地層14の表面に配置されている。
キャップ層16は低誘電率絶縁膜15の表面に形成されており、キャップ層16の表面には所定パターンにパターニングされたレジスト層18が配置されている。レジスト層18には、パターニングによって複数の開口19が形成されており、各開口19の底面にはそれぞれキャップ層16の表面が露出している。
【0029】
図1の符号1は上述したエッチング対象物10のエッチングに用いられるエッチング装置の一例を示している。
エッチング装置1は真空槽2を有している。真空槽2内の底壁側には電極6が配置されており、上述したエッチング対象物10を真空槽2内に搬入し、レジスト層18が形成された面を天井側に向けて電極6表面に載置する。
【0030】
次いで、真空槽2に接続された真空排気系8を起動し、真空槽2内を所定圧力まで真空排気する。
真空槽2外には第一、第二のガス供給系21、22が配置されており、第二のガス供給系22のバルブを閉じた状態で、第一のガス供給系21のバルブ21を開け、第一のガス供給系21のガスタンクに充填された第一の反応ガスを、真空槽2内の天井側に設置されたシャワーヘッド7から真空槽2内に導入する。
【0031】
真空槽2内の圧力が所定圧力で安定したところで、コイル用高周波電源24を起動し、真空槽2の外壁に巻きつけられたコイル9に高周波電流を流すと共に、電極用高周波電源23を起動し、電極6に高周波電圧を印加すると、高周波電流によって真空槽2内に磁界が形成されて第一の反応ガスがプラズマ化し、第一の反応ガスのイオンが発生し、そのイオンが高周波電圧が印加された電極6に引き付けられ、電極6上のエッチング対象物10に向って加速される。
【0032】
ここでは、キャップ層16は炭化ケイ素(SiC)で構成されている。第一の反応ガスとして、ぺルフルオロカーボンであるぺルフルオロメタン(CF4)に酸素ガス(O2)が添加された混合ガスが導入されており、これらのガスのイオンが炭化ケイ素で構成されたキャップ層16の表面に垂直に入射すると、キャップ層16が膜厚方向にエッチングされる。
【0033】
各開口19の底面のキャップ層16が除去されたところで、電極用高周波電源23を停止してエッチング対象物10へのプラズマ入射を停止させ、コイル用高周波電源24を停止してプラズマを消滅させ、第一のガス供給系21のバルブを閉じて第一の反応ガスの導入を停止して、第一のエッチング工程を終了する。
【0034】
図2(b)は第一のエッチング工程を終了した直後の状態を示している。
各開口19のキャップ層16が除去された後、各開口19内に位置する低誘電率絶縁膜15の表面は第一の反応ガスのプラズマに曝されることで、その一部がエッチングされている。
【0035】
低誘電率絶縁膜15は、MSQのように、有機官能基(ここではメチル基)を有するポリシロキサンで構成されており、その膜中には比誘電率が2.6以下となる程度の多孔質構造が形成されている。
このような低誘電率絶縁膜15は、上述した第一の反応ガスでエッチングされる速度がキャップ層16に比べて速いので、低誘電率絶縁膜15の表面はその表面粗さが大きくなっている。
【0036】
第一のエッチング工程終了後、第一の反応ガスの導入を停止した状態で真空排気を続け、真空槽2内から第一の反応ガスを排出し、真空槽2内の圧力が所定圧力まで低下したところで、第二のガス供給系22のバルブを開け、第二の反応ガスをシャワーヘッド7から真空槽2内に導入する。
【0037】
真空槽2内の圧力が1Pa以下の所定圧力で安定したところで、コイル9に高周波電流を流すと共に、電極6に高周波電圧を印加すると、高周波電流によって真空槽2内にプラズマが形成され、第二の反応ガスがプラズマ化してイオンが発生し、それらのイオンが高周波電圧が印加された電極6に引きつけられ、開口19の底面に露出する低誘電率絶縁膜15の表面に垂直に入射する。
【0038】
ここでは、第二の反応ガスはトリフルオロメタン(CHF3)のようなHFCガスで構成されており、第二の反応ガスがプラズマ化すると、上述した低誘電率絶縁膜15をエッチングするイオン(C、H、F)と、CとHとFとで構成され、有機官能基と重合しやすい物質とが生成される。
【0039】
それらのイオンと物質が、低誘電率絶縁膜15の表面に入射すると、重合しやすい物質が低誘電率絶縁膜15中の有機官能基と重合し、低誘電率絶縁膜15の表面に薄膜が形成されて凹部が埋められる反応と、イオンと低誘電率絶縁膜15とが反応し、その表面がエッチングされる反応とが同時に進行する。
【0040】
予め、真空槽2内の圧力と、電極6への投入電力と、コイル9への投入電力と、低誘電率絶縁膜15のエッチング速度との関係は測定されており、真空槽2内の圧力が1Pa以下の所定圧力のときに、低誘電率絶縁膜15のエッチング速度が100nm/分以下になるように電極6の投入電力とコイル9への投入電力を設定すると、低誘電率絶縁膜15はエッチングが停止しない程度の速度でゆっくりエッチングされ、結果として低誘電率絶縁膜15の表面が平坦化される。
【0041】
低誘電率絶縁膜15が所定深さまでエッチングされたところで、コイル用高周波電源24と電極用高周波電源23とを停止し、第二のエッチング工程を終了させた後、レジスト層18を除去する。
エッチング対象物10の開口19が形成された面にバリア膜を形成すると、開口19の底面と側壁がバリア膜で覆われる。その開口19に銅のような導電性材料を充填すれば、半導体装置が作製される。
【0042】
開口19底面に位置する低誘電率絶縁膜15の表面は、従来技術のエッチング方法でエッチングされた場合に比べて平坦であり、バリア膜と低誘電率絶縁膜15との密着性が非常に高いので、半導体装置の信頼性が高くなっている。
【0043】
尚、第一のエッチング工程と、第二のエッチング工程の際に、不図示の冷却手段によってエッチング対象物10を所定温度まで冷却すれば、エッチング速度が設定速度よりも上昇したり、エッチング対象物10が熱損傷を受けることがない。
【0044】
【実施例】
<実施例>
第二の反応ガスとしてトリフルオロメタン(CHF3)を用い、第二の反応ガスの流量を50sccmにして真空槽2内の圧力を0.13Paとし、エッチング対象物10の温度を0℃、コイル9の消費電力を1200W、電極6の消費電力が80Wにすることで、エッチング速度100nm/分以下にし、MSQからなる低誘電率絶縁膜15をエッチングした。
【0045】
<比較例>
第二の反応ガスとして、ぺルフルオロメタン(CF4)とぺルフルオロプロパン(C38)の混合ガスを用い、真空槽2内の圧力を1.3Paとした以外は実施例と同じ条件で第二のエッチング工程を行った。
【0046】
<評価>
上記実施例のエッチング方法でエッチングされた低誘電率絶縁膜15の電子顕微鏡写真を図3に示し、比較例のエッチング方法でエッチングされた低誘電率絶縁膜の電子顕微鏡写真を図4に示す。
【0047】
図3と図4とを見ると明かなように、実施例のエッチング方法によりエッチングした低誘電率絶縁膜15の表面は、比較例に比べて平坦であることがわかる。
また、実施例のエッチング方法でエッチングした低誘電率絶縁膜15の表面粗さ(Ra)は1.7nm前後と、実用上問題の無い程度に小さかったのに対し、比較例の場合には表面粗さ(Ra)が3〜4nmと大きかった。
【0048】
これらのことから、第二の反応ガスとしてHFCガスを用い、かつ、真空槽2内の圧力が1Pa以下の条件でエッチングを行えば、低誘電率絶縁膜15の表面がより平坦になることがわかる。
【0049】
以上は、炭化ケイ素で構成されたキャップ層16をエッチングする場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、炭素等種々の物質で構成されたキャップ層16をエッチングすることができる。
【0050】
以上は、第一の反応ガスとしてぺルフルオロカーボンと酸素ガスとの混合ガスを用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ぺルフルオロカーボンのガスを単独で用いたり、ぺルフルオロカーボン以外にもフッ化ケイ素等種々のものを用いることができる。
また、第一の反応ガスに、キャップ層16や低誘電率絶縁膜15に対して化学的活性が低い希釈ガスを添加し、その濃度を調整することも可能である。
【0051】
以上は、電極6への投入電力を設定値にすることで、エッチング速度を100nm/分以下とする場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、HFCガスの濃度と低誘電率絶縁膜15のエッチング速度との関係を予め求めておき、低誘電率絶縁膜15に対して化学的に不活性なガスを希釈ガスとして第二の反応ガスに添加して、低誘電率絶縁膜15のエッチング速度が100nm/分以下になるようにHFCガスの濃度を設定することもできる。
【0052】
第二の反応ガスに添加する希釈ガスとしては、低誘電率絶縁膜15を構成する物質に対して化学的に不活性であれば、特に限定されることはない。そのような希釈ガスの例としては、例えば、アルゴン、キセノン等の希ガスや、窒素ガス(N2)がある。
【0053】
上記のような低誘電率絶縁膜は酸素ガスのプラズマとの反応性が高く、真空雰囲気中の酸素濃度が5%を越えた状態で第二のエッチング工程を行うと、低誘電率絶縁膜の表面荒れが起こるので、第二の反応ガスの酸素ガス濃度は5%以下が好ましい。
【0054】
上述したように、第二のエッチング工程の速度は100nm/分以下と遅いので、処理時間が長くなるという問題があるが、第一のエッチング工程でキャップ層16をエッチング除去するだけではなく、低誘電率絶縁膜15をエッチングすべき深さの直前までエッチングを行った後に、第二のエッチング工程で低誘電率絶縁膜15の平坦化を行えば、処理時間を短くすることができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、反応性の高いエッチングガスを用いて第一のエッチング工程を行うので、キャップ層が効率良くエッチングされる。第一のエッチング工程で低誘電率絶縁膜の表面が荒れたとしても、第二のエッチング工程で低誘電率絶縁膜が平坦化されるので、エッチング後に低誘電率絶縁膜の表面にバリアメタルの薄膜を形成して半導体装置を製造する場合、バリアメタル薄膜と低誘電率絶縁膜との密着性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるエッチング装置の一例を説明する図
【図2】(a)〜(c):本発明のエッチング方法を説明するための断面図
【図3】本発明のエッチング方法によりエッチングされた低誘電率絶縁膜の電子顕微鏡写真
【図4】従来技術のエッチング方法によりエッチングされた低誘電率絶縁膜の電子顕微鏡写真
【図5】低誘電率絶縁膜の表面粗さと、反応ガスの種類との関係を説明するグラフ
【図6】低誘電率絶縁膜の表面粗さと、プロセス圧力との関係を説明するグラフ
【符号の説明】
1……エッチング装置 2……真空槽 10……エッチング対象物 15……低誘電率絶縁膜 16……キャップ層 16……レジスト層 6……電極 7……シャワーヘッド 9……コイル 21……第一のガス供給系 22……第二のガス供給系 23……電極用高周波電源 24……コイル用高周波電源

Claims (3)

  1. シロキサン結合の繰り返し単位を有し、少なくとも一つのシロキサン結合に有機官能基が結合した重合体で構成され、比誘電率が2.6以下の低誘電率絶縁膜と、前記低誘電率絶縁膜表面に配置されたキャップ層とを有するエッチング対象物を真空槽中に配置し、
    前記真空槽中に真空雰囲気を形成した後、第一の反応ガスを導入し、該第一の反応ガスのプラズマを発生させ、前記キャップ層をエッチングし、前記低誘電率絶縁膜を露出させる第一のエッチング工程と、
    前記真空槽内に下記一般式(1)で表されるハイドロフルオロカーボンのガスを主成分とし、プラズマ化した時の前記低誘電率絶縁膜のエッチング速度が前記第一の反応ガスよりも遅い第二の反応ガスを導入し、
    前記真空槽内の圧力を1Pa以下に維持した状態で、前記第二の反応ガスをプラズマ化させて、前記有機官能基と重合しやすい物質とイオンとを生成し、当該物質と前記低誘電率絶縁膜中の有機官能基とを重合させて前記低誘電率絶縁膜表面の凹部を埋めながら、前記イオンと前記低誘電率絶縁膜とを反応させて、前記低誘電率絶縁膜をエッチングし、前記低誘電率絶縁膜を100nm/分以下のエッチング速度でエッチングする第二のエッチング工程とを有するエッチング方法。
    CxHyFzOa……一般式(1)
    (上記一般式(1)中のxは1又は2であり、aは0又は1である。aが0のときは、zは1以上2x+1以下の整数であり、yは2x+2−zである。aが1であり、酸素が炭素に結合してケト基を構成する場合、zは1以上2x−1以下の整数であり、yは2x−zである。aが1であり、酸素に水素が結合して水酸基を構成する場合、zは1以上2x以下の整数であり、yは2x+2−zである。)
  2. 前記低誘電率絶縁膜を構成する重合体は、メチルシルセスキオキサンである請求項1記載のエッチング方法。
  3. 前記第一の反応ガスは、ぺルフルオロカーボンのガスと、酸素ガスとを含有する請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のエッチング方法。
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