JP3807967B2 - 立体柄模様を有する立毛布帛とその製造方法 - Google Patents

立体柄模様を有する立毛布帛とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、安全かつ簡易に、触感、堅牢度と意匠性に優れた凹凸柄模様を有する立体柄模様の立毛布帛及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
表面に凹凸柄模様を形成させた立毛布帛は、立体感と高級感を与えるものとして注目されている。凹凸柄模様をつける方法としては、従来より、エンボス加工のように高温加熱された彫刻ロールを立毛布帛に圧着させ、立毛繊維を熱溶融又は収縮させて凹部を形成し凹凸柄模様をつける方法や、立毛布帛に部分的に樹脂を塗布して塗布部分の立毛を抑えたり、捺染を行う際に繊維を収縮若しくは減量させる薬剤を混合して凹凸柄模様をつけることが行われている。しかしながら、エンボス加工では加熱による風合いの硬化や変色を生じる欠陥があり、樹脂を塗布する方法や繊維を収縮若しくは減量する方法では、柄部分に樹脂や薬剤が残るため立毛布帛本来の風合いが得られず、違和感の有るものである。また、特開2000−144568号には立毛布帛に部分的に樹脂を付与するか、若しくは基布に部分的に樹脂を付与した後立毛することにより立体的柄模様を形成させ、その後染色仕上げを施し風合いをソフト化した立体的柄模様の立毛布帛が開示されているが、この方法においても凹凸を形成する際に用いた樹脂を残しているので、風合いに違和感が残り、また摩擦堅牢度も低下させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、違和感のないソフトな風合い、染色物の摩擦堅牢度にも問題がなく、優れた立体柄模様を有する立毛布帛及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、立毛を形成する際に立毛の必要のない部分にエチレンオキサイド付加物を付与、皮膜化させて保護し、立毛形成の後エチレンオキサイド付加物を水洗除去することにより、違和感のないソフトな風合いと優れた立体柄模様を有する立毛布帛が得られることを見出し、この知見に基づき本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、40℃で固体状であるエチレンオキサイド付加物の水溶液を印捺により基布の表面に部分的に付与した後、乾燥して固化させ、その後立毛加工を行ってエチレンオキサイド付加物を印捺した部分以外の部分に立毛を形成させた後、水洗して立体的な柄模様を形成させることを特徴とする立体柄模様を有する立毛布帛の製造方法を提供する。
また本発明は、40℃で固体状であるエチレンオキサイド付加物の水溶液を印捺により基布の表面に部分的に付与した後、乾燥して固化させ、その後立毛加工を行ってエチレンオキサイド付加物を印捺した部分以外の部分に立毛を形成させた後、水洗して立体的な柄模様を形成させた立体柄模様を有する立毛布帛を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の立毛布帛の製造方法は、立毛前の基布表面の凹部にしたい部分にエチレンオキサイド付加物溶液を印捺した後、乾燥して固化させて覆い、その後残りの部分を立毛加工して凸部として、凹凸柄模様を形成させ、その後エチレンオキサイド付加物を水洗除去する方法である。エチレンオキサイド付加物は、立毛加工時には立毛を必要としない部分の基布表面を強固に被覆して保護し、立毛加工後には水洗除去が容易にできるので、本発明の製造方法の糊素材として特に有効である。
【0006】
本発明の印捺糊に用いられるエチレンオキサイド付加物は40℃で固体状であれば制限無く使用することができ、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシブチレングリコール、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレンモノアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンジアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジアルケニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸モノエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンモノアルケニルエーテルの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンモノアルキルアリールエーテルの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコールエーテル、ポリオキシエチレン多価カルボン酸エステル、アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物、及び上記エチレンオキサイド付加物とモノ又はポリイソシアネートとの反応物などのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。そして、これらのエチレンオキサイド付加物中のエチレンオキサイド付加モル数が90モル以上、好ましくは200モル以上、特に400モル以上であることがさらに好ましい。また、これらエチレンオキサイド付加物の融点は、JIS K 0064(1992)目視による方法に従って測定した時、50℃以上であるのがより好ましく、特に60℃以上であるのがさらに好ましい。エチレンオキサイド付加物中のエチレンオキサイド付加モル数が90モル未満、又は融点が50℃未満である場合には、強い条件の立毛加工時に印捺部分が起毛に耐えるに十分な程に被覆保護できない虞がある。
【0007】
本発明においては、エチレンオキサイド付加物にさらに他の皮膜化する水溶性高分子を併用すると、立体柄模様を形成するのにより効果的となる。この時併用する他の皮膜化する水溶性高分子としては、例えば、デンプン、アラビアゴム、クリスタルゴム、グアガム、タマリンド、アルギン酸ソーダなどの天然糊料、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、プロピオキシセルロース、アルギン酸エステル、グアガムエチレンオキサイド付加物、エチルセルロース、メチルセルロース、ブリティッシュガムなどの加工糊料、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコールなどの合成糊料が挙げられる。
【0008】
さらに本発明においては、所望により架橋剤の添加物を加えることができる。架橋剤を添加することにより立体柄模様の形成がさらに効果的となる。この時用いられる架橋剤としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ブロックドポリイソシアネート、芳香族ブロックドポリイソシアネートなどが挙げられる。
【0009】
さらにまた本発明のエチレンオキサイド付加物を含む印捺糊中には、必要に応じて従来より捺染加工に用いられている吸着剤、抜染剤、界面活性剤、顔料、染料、還元防止剤、金属イオン封鎖剤、増量剤、吸湿剤、浸透剤、電解質、油脂、蛍光増白剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の薬剤を皮膜形成効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。配合できる染料としては、他の皮膜化する水溶性高分子を併用する場合には、そのイオン性により使用可能な染料に制限は有るが、任意の染料を用いることができる。
【0010】
本発明の製造方法において、基布への印捺糊の印捺は従来より行われている方法により特に制限なく行うことができ、スクリーン捺染、ローラー捺染、ロータリー捺染、インクジェット捺染などの捺染手法により、模様等の部分印捺からほぼ全面の印捺まで任意に印捺することができる。また、他の印捺部と一部を重ねて印捺してもよい。次に必要に応じて予備乾燥した後、乾熱又は湿熱処理を施しエチレンオキサイド付加物を固化させる。これらの熱処理を行う方法には特に制限はなく、例えば、乾熱処理法としてはオーブンや乾燥機を用いてベーキングを施す方法や熱プレス機を用いてベーキングを施す方法等を採用することができ、湿熱処理法としてはHTスチーマー等を用いてスチーミングを施す方法などを採用できる。処理条件については、処理対象となる繊維材料の種類によっても異なり一概には言えないが、いずれの方法においても90〜200℃程度の温度で30秒〜30分間程度の熱処理を行うことにより好ましい効果を得ることができる。その後湿っているものについては、乾燥処理を施した後、起毛機等を用いて立毛する。立毛は、その程度により従来より行われている、エメリー起毛、針布起毛等任意の方法を採用することができる。その後、必要に応じてアルカリ剤、ソーピング剤等を添加した浴で水洗し、風合いに違和感のない凹凸模様の立毛布帛を得ることができる。
【0011】
本発明により凹凸模様に加工された立毛布帛は、当然ながら、凹凸模様に加工した後に通常の染色または捺染加工を施すこともできる。凹凸模様加工による柄、色相と、さらに行われる染色又は捺染加工での柄、色相との組み合わせによって多種多様の高度の意匠効果を付与することも可能である。
本発明に用いられる基布には特に制限はなく、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維を問わず各種繊維の単一繊維又は複合繊維の起毛布、不織布、織物、編物などが挙げられる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」は「重量部」を表す。
実施例1
重量平均分子量20000のポリエチレングリコール(融点61℃)40部、水40部からなる元糊80部中に、水20部を加えて印捺糊を調製した。ポリエステルニット布(白布)上にこの印捺糊を柄状に印捺し、乾燥した。次いで、ピンテンター型ヒートセット試験機(HZ−120S型:上野山機工(株)製)を用いて180℃で30秒間の乾熱処理を施し、その後、針布RF−1(金井重要工業(株)製)を用いた起毛機(KU−2型:金井重要工業(株)製)で起毛加工を行い、その後水洗、ソーピングを経て乾燥した。印捺糊のポリエステルニット布に対する付着率は、平均120重量%であった。
得られたポリエステル起毛布は、印捺部が被覆されたことにより、印捺部以外が起毛された立体柄を呈し、風合いも基布の触感であった。
【0013】
実施例2
重量平均分子量20000のポリエチレングリコール(融点61℃)40部、水40部からなる元糊80部中に、水18部に分散染料(C.I.Disperse Red 92)2部を溶解したものを加えて赤色の印捺糊を調製した。ポリエステルニット布(白布)上にこの印捺糊を柄状に印捺し、乾燥した。次いで、ピンテンター型ヒートセット試験機(HZ−120S型:上野山機工(株)製)を用いて180℃で30秒間の乾熱処理を施し、その後、針布RF−1(金井重要工業(株)製)を用いた起毛機(KU−2型:金井重要工業(株)製)で起毛加工を行い、その後水洗、ソーピングを経て乾燥した。印捺糊のポリエステルニット布に対する付着率は、平均120重量%であった。
得られたポリエステル起毛布は、印捺部が被覆と染色され、印捺部以外が起毛されたことにより、凹部が鮮明な赤色、凸部が白色の立体柄を呈するものであり、風合いも基布の触感であった。また、凹部の摩擦堅牢度をJIS L 0849(1996)に従って学振型試験器で評価した結果、乾式では5級、湿式では5級であった。
【0014】
実施例3
重量平均分子量20000のポリエチレングリコール(融点61℃)20部、水20部からなる元糊40部中に、ニッカガム3A(加工澱粉、日華化学(株)製)4部、水36部からなる元糊40部を加え、さらに水20部を加えて調製した印捺糊を用いた以外は、実施例1と同様の操作をしてポリエステル起毛布を得た。
得られたポリエステル起毛布は、印捺部が被覆されたことにより、印捺部以外が起毛され、立体柄は実施例1より鮮明であり、風合いも基布の触感であった。
【0015】
実施例4
重量平均分子量20000のポリエチレングリコール(融点61℃)20部、水20部からなる元糊40部中に、ニッカガム3A(加工澱粉、日華化学(株)製)4部、水36部からなる元糊40部を加え、さらに水18部に分散染料(C.I.Disperse Red 92)2部を溶解したものを加えて調製した赤色の印捺糊を用いた以外は、実施例2と同様の操作をしてポリエステル起毛布を得た。
得られたポリエステル起毛布は、印捺部が被覆と染色され、印捺部以外が起毛されたことにより、凹部が鮮明な赤色、凸部が白色の立体柄を呈し、立体柄は実施例1より鮮明であり、風合いも基布の触感であった。また、凹部の摩擦堅牢度をJIS L 0849(1996)に従って学振型試験器で評価した結果、乾式では5級、湿式では5級であった。
【0016】
実施例5
重量平均分子量6000のポリエチレングリコール(融点53℃)50部、水30部からなる元糊80部中に、水20部を加えて調製した印捺糊を用いた以外は、実施例1と同様の操作をしてポリエステル起毛布を得た。
得られたポリエステル起毛布は、印捺部が被覆されたことにより、印捺部以外が起毛された立体柄を呈し、風合いも基布の触感であった。
【0017】
実施例6
重量平均分子量6000のポリエチレングリコール(融点53℃)50部、水30部からなる元糊80部中に、水18部に分散染料(C.I.Disperse Red 92)2部を溶解したものを加えて調製した赤色の印捺糊を用いた以外は、実施例2と同様の操作をしてポリエステル起毛布を得た。
得られたポリエステル起毛布は、印捺部が被覆と染色され、印捺部以外が起毛されたことにより、凹部が鮮明な赤色、凸部が白色の立体柄を呈するものであり、風合いも基布の触感であった。また、凹部の摩擦堅牢度をJIS L 0849(1996)に準じて評価した所、乾式では5級、湿式では5級であった。
【0018】
実施例7
重量平均分子量280000のポリエチレンオキサイド(融点80℃)16部、水64部からなる元糊80部中に、水20部を加えて調製した印捺糊を用いた以外は、実施例1と同様の操作をしてポリエステル起毛布を得た。
得られたポリエステル起毛布は、印捺部が被覆されたことにより、印捺部以外が起毛された立体柄を呈し、風合いも基布の触感であった。
【0019】
実施例8
重量平均分子量280000のポリエチレンオキサイド(融点80℃)16部、水64部からなる元糊80部中に、水18部に分散染料(C.I.Disperse Red 92)2部を溶解したものを加えて調製した赤色の印捺糊を用いた以外は、実施例2と同様の操作をしてポリエステル起毛布を得た。
得られたポリエステル起毛布は、印捺部が被覆と染色され、印捺部以外が起毛されたことにより、凹部が鮮明な赤色、凸部が白色の立体柄を呈するものであり、風合いも基布の触感であった。また、凹部の摩擦堅牢度をJIS L 0849(1996)に準じて評価した所、乾式では5級、湿式では5級であった。
【0020】
実施例9
重量平均分子量20000のポリエチレングリコールのステアリン酸モノエステル(融点59℃)38部、水42部からなる元糊80部中に、水20部を加えて調製した印捺糊を用いた以外は、実施例1と同様の操作をしてポリエステル起毛布を得た。
得られたポリエステル起毛布は、印捺部が被覆されたことにより、印捺部以外が起毛された立体柄を呈し、風合いも基布の触感であった。
【0021】
実施例10
重量平均分子量20000のポリエチレングリコールのステアリン酸モノエステル(融点59℃)38部、水42部からなる元糊80部中に、水18部に分散染料(C.I.Disperse Red 92)2部を溶解したものを加えて調製した赤色の印捺糊を用いた以外は、実施例2と同様の操作をしてポリエステル起毛布を得た。
得られたポリエステル起毛布は、印捺部が被覆と染色され、印捺部以外が起毛されたことにより、凹部が鮮明な赤色、凸部が白色の立体柄を呈するものであり、風合いも基布の触感であった。また、凹部の摩擦堅牢度をJIS L 0849(1996)に準じて評価した所、乾式では5級、湿式では5級であった。
【0022】
実施例11
重量平均分子量20000のポリエチレングリコール(融点61℃)50部、水30部からなる元糊80部中に、NKアシストNY(ブロックドイソシアネート系架橋剤、日華化学(株)製)0.1部と水19.9部を加えて調製した印捺糊を用いた以外は、実施例1と同様の操作をしてポリエステル起毛布を得た。
得られたポリエステル起毛布は、印捺部が被覆されたことにより、印捺部以外が起毛され、立体柄は実施例1より鮮明であり、風合いも基布の触感であった。
【0023】
実施例12
重量平均分子量20000のポリエチレングリコール(融点61℃)50部、水30部からなる元糊80部中に、NKアシストNY(ブロックドイソシアネート系架橋剤、日華化学(株)製)0.1部と水17.9部に分散染料(C.I.Disperse Red 92)2部を溶解したものを加えて調製した赤色の印捺糊を用いた以外は、実施例2と同様の操作をしてポリエステル起毛布を得た。
得られたポリエステル起毛布は、印捺部が被覆と染色され、印捺部以外が起毛されたことにより、凹部が鮮明な赤色、凸部が白色の立体柄を呈し、立体柄は実施例1より鮮明であり、風合いも基布の触感であった。また、凹部の摩擦堅牢度をJIS L 0849(1996)に準じて評価した所、乾式では5級、湿式では5級であった。
【0024】
比較例1
ネオステッカーPB−3(アクリル酸エステル系バインダー、日華化学(株)製)80部に、水18部に分散染料(C.I.Disperse Red 92)2部を溶解したものを加えて赤色の印捺糊を調整した。ポリエステルニット布(白布)上にこの印捺糊を柄状に印捺し、乾燥した。次いで、ピンテンター型ヒートセット試験機(HZ−120S型:上野山機工(株)製)を用いて180℃で30秒間の乾熱処理を施し、その後、針布RF−1(金井重要工業(株)製)を用いた起毛機(KU−2型:金井重要工業(株)製)で起毛加工を行い、その後水洗、ソーピングを経て乾燥した。印捺糊のポリエステルニット布に対する付着率は、平均105重量%であった。
得られたポリエステル起毛布は、印捺部が被覆と染色され、印捺部以外が起毛されたことにより、凹部が鮮明な赤色、凸部が白色の立体柄を呈するものであった。しかし、風合いは凹部の触感が基布の触感とは異なりやや堅く、違和感の有るものであった。また、凹部の摩擦堅牢度をJIS L 0849(1996)に準じて評価した所、乾式では3級、湿式では2〜3級であった。
【0025】
これらの実施例の結果より、本発明の立毛布帛は、基布の風合いを残した立体柄模様の立毛布帛であり、また染色物については鮮明に染色され、摩擦堅牢度の低下もないことが分かる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、違和感のない基布本来のソフトな風合いと染色物の摩擦堅牢度にも問題がない、際立った凹凸模様を有する立体柄模様の立毛布帛を得ることができる。

Claims (5)

  1. 40℃で固体状であるエチレンオキサイド付加物の水溶液を印捺により基布の表面に部分的に付与した後、乾燥して固化させ、その後立毛加工を行ってエチレンオキサイド付加物を印捺した部分以外の部分に立毛を形成させた後、水洗して立体的な柄模様を形成させることを特徴とする立体柄模様を有する立毛布帛の製造方法。
  2. エチレンオキサイド付加物中のエチレンオキサイド付加モル数が90モル以上である、請求項1に記載の製造方法。
  3. さらに皮膜性の他の水溶性高分子を用いる、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 40℃で固体状であるエチレンオキサイド付加物の水溶液を印捺により基布の表面に部分的に付与した後、乾燥して固化させ、その後立毛加工を行ってエチレンオキサイド付加物を印捺した部分以外の部分に立毛を形成させた後、水洗して立体的な柄模様を形成させた立体柄模様を有する立毛布帛。
  5. 基布が不織布、織物、編物のいずれかである、請求項4に記載の立体柄模様を有する立毛布帛。
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