JP2010007211A - 布帛のエンボス加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
意匠性や風合いを損なうことなく、耐久性のある凹凸模様を布帛に付与することが可能なエンボス加工方法を提供する。
【解決手段】
水溶性高分子化合物を含む処理液を布帛に付与後、乾燥することにより、布帛に水溶性高分子化合物を付着させる工程、
加熱したエンボス型を布帛に押圧することにより、布帛に凹凸模様を付与する工程、
洗浄により布帛から水溶性高分子化合物を除去する工程、
をこの順で含んでなる、布帛のエンボス加工方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、布帛に凹凸模様を付与するエンボス加工方法に関する。詳しくは、耐久性のある凹凸模様を付与することが可能なエンボス加工方法に関する。
従来、布帛に凹凸模様を付与する方法の一つとして、エンボス加工が知られている。エンボス装置においては、例えば、所望の凹凸模様と反転する凹凸模様を有する、加熱された硬質ロール(いわゆる、エンボスロール)と、平坦面を有する軟質ロールの両者を、適当な圧力で圧着させながら回転させ、両ロール間に布帛を通してエンボスロールを布帛に押し当てることによって、布帛に凹凸模様を付与している。また、ロール状ではなく、平板状の押型(いわゆる、エンボス板)を備えるエンボス装置も広く用いられている。しかしながら、この方法によって付与された凹凸模様は、繰り返しの摩擦により、あるいは、単なる時間の経過により、凹部はその形状を保つことができなくなり凹凸模様が消失するという問題があった。特に、エンボスロールにより連続的に付与された凹凸模様は、エンボス板により非連続的に付与された凹凸模様と比較し、加熱押圧時間が短いため、この傾向が顕著であった。
これに対し、特許文献1には、平板状の雄型と雌型(すなわち、互いの凹凸模様が対向部において重なり合うように製造された一対のエンボス板)で布帛を挟み、加熱押圧することにより、深く、明確な輪郭線を有し、しかも消失しにくい凹凸模様を布帛に付与することのできるエンボス加工方法が開示されている。しかしながら、この方法も、凹凸模様の消失という問題を十分に解決するものではなかった。また、エンボス板を用いるため、連続加工ができず、生産性が低いという問題もある。エンボスロールを用いることにより連続加工は可能であるが、雄雌一対のエンボスロールの製造には高度な技術と時間を要し、コストが高くなってしまう。
凹凸模様の耐久性を向上させる方法として、最も一般的には、エンボスロールやエンボス板(以下、これらをまとめてエンボス型という場合がある)の加熱温度を高い温度に設定したり、押圧時の圧力を高い圧力に設定したりする方法を挙げることができる。しかしながら、エンボス型の加熱温度を、例えば布帛の融点近くまで高い温度に設定すると、付与された凹凸模様の凹部に好ましくない光沢が生じたり、変色したりして、意匠性が損なわれるという問題や、風合いが粗硬になるという問題があった。また、押圧時の圧力を高い圧力に設定すると、特にエンボスロールを用いる場合には、布帛全面を均一に押圧することができず、付与された凹凸模様は均一性を欠き、意匠性が損なわれるという問題があった。
このような問題に対し、特許文献2には、布帛に樹脂液を含浸し、熱処理などによりキュアした後に、エンボス加工を施す方法が開示されている。この方法によれば、形成した凹凸模様を持続して保持することができると説明されている。しかしながら、布帛に樹脂が付着した状態であるため、風合いが一層粗硬になるという問題があった。
特開平6−212559号公報 特開2002−242071号公報
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、意匠性や風合いを損なうことなく、耐久性のある凹凸模様を布帛に付与することが可能なエンボス加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、
水溶性高分子化合物を含む処理液を布帛に付与後、乾燥することにより、布帛に水溶性高分子化合物を付着させる工程、
加熱したエンボス型を布帛に押圧することにより、布帛に凹凸模様を付与する工程、
洗浄により布帛から水溶性高分子化合物を除去する工程、
をこの順で含んでなる、布帛のエンボス加工方法である。
布帛を構成する繊維は、ポリエステルであることが好ましい。
水溶性高分子化合物は、カルボキシメチルセルロースであることが好ましい。
布帛は、立毛を有することが好ましい。
エンボス型は、ロール状であることが好ましい。
処理液は、着色剤を含むことが好ましい。
本発明によれば、意匠性や風合いを損なうことなく、耐久性のある凹凸模様を布帛に付与することが可能なエンボス加工方法を提供することができる。本発明のエンボス加工方法は、用いるエンボス装置、すなわちエンボス型の形状に左右されることなく、例えば比較的賦型効果の低いロール状エンボス装置を用いて加工する場合にも、耐久性のある凹凸模様を布帛に付与することができる。
本発明の布帛のエンボス加工方法は、
布帛に水溶性高分子化合物を含む処理液を付与後、乾燥することにより、布帛に水溶性高分子化合物を付着させる工程、
加熱したエンボス型を布帛に押圧することにより、布帛に凹凸模様を付与する工程、
洗浄により布帛から水溶性高分子化合物を除去する工程、
をこの順で含んでなる。
布帛に、詳しくは、布帛を構成する繊維の表面に、水溶性高分子化合物を付着させることにより、布帛の弾力性が抑制される。これにより、エンボス加工の際、エンボス型の凸部が布帛に押し込まれ易くなるため、エンボス型の加熱温度を過度に高い温度に設定したり、押圧時の圧力を過度に高い圧力に設定したりしなくても、耐久性のある凹凸模様を付与することができ、したがって意匠性や風合いが損なわれることがない。また、エンボス型の加熱温度を比較的高い温度に設定した場合にあっても、水溶性高分子化合物を介して繊維に熱が伝わるため、熱による作用が緩和されて、意匠性や風合いが損なわれることがない。さらに、エンボス加工後は水溶性高分子化合物を除去するため、風合いの良好な布帛とすることができる。
本発明において加工対象となる布帛の形態は、織物、編物、不織布など特に限定されるものでなく、用途に応じて適宜選択すればよい。本発明のエンボス加工方法は、従来の方法では耐久性のある凹凸模様を付与することが困難であった弾力性に富む布帛、例えば、立毛布帛において、特に効果を発揮することができる。
布帛を構成する繊維の素材は特に限定されないが、凹凸模様の賦型性、および耐久性の観点から、熱可塑性繊維が好ましい。熱可塑性繊維としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等の合成繊維、アセテート、トリアセテート等の半合成繊維などを挙げることができる。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、物性に優れるという理由により、合成繊維がより好ましく、ポリエステルがさらに好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。本発明において、布帛は、熱可塑性繊維を主体として構成されるものが好ましいが、その物性に影響を及ぼさない範囲内で、熱可塑性繊維以外の繊維、例えば、天然繊維、再生繊維などの繊維を混紡、混繊、交撚、交織、交編などの手法により組み合わせたものであっても構わない。
糸条の形態は、紡績糸(短繊維糸)、マルチフィラメント糸、モノフィラメント糸(以上、長繊維糸)のいずれであってもよく、さらには長繊維と短繊維を組み合わせた長短複合紡績糸であってもよい。マルチフィラメント糸は、必要に応じて撚りをかけてもよいし、仮撚加工や流体撹乱処理などの加工を施してもよい。本発明のエンボス加工方法は、従来の方法では耐久性のある凹凸模様を付与することが困難であった弾力性に富む糸条、例えば、加工糸からなる布帛において、特に効果を発揮することができる。
かかる布帛は、必要に応じて、プレセット、精練などの前処理や、加色工程を経た後、本発明のエンボス加工に供される。
本発明の特徴は、布帛にエンボス加工を施すに先立ち、布帛に水溶性高分子化合物を付着させておくことにある。
本発明において用いられる水溶性高分子化合物としては、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、アルギン酸ソーダ、アルギン酸アンモニウム、とうもろこしでんぷん、アラビアガム、ローカストビーンゴム、タマリンド種子、カルボキシメチルでんぷん、ブリティッシュガム、デキストリン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸誘導体、メラミン樹脂系誘導体などを挙げることができる。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、洗浄によって除去し易く、また、安価で汎用性が高いという理由により、メチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースが好ましく、カルボキシメチルセルロースが特に好ましい。
布帛に対する水溶性高分子化合物の付着量は、布帛重量に対して、0.5〜6.0重量%であることが好ましく、2.0〜3.0重量%であることがより好ましい。付着量が、0.5重量%未満であると、布帛の弾力性を十分に抑制することができず、凹凸模様の賦型性が悪くなる虞がある。付着量が6.0重量%を超えると、布帛が硬くなり、布帛が折れやすくなったり、皺が生じやすくなったりして、加工性が悪くなる虞がある。処理液の濃度や、布帛に対する処理液の付与量を調整することにより、適当量付着させる。
水溶性高分子化合物は、水に溶解された状態で、布帛に付与される。すなわち、水溶性高分子化合物を含む処理液とは、典型的には、水溶性高分子化合物の水溶液である。さらに、必要に応じて、着色剤、pH調整剤、酸化防止剤、浸透剤、分散剤、均染剤、湿潤剤、吸湿剤、消泡剤、整泡剤、耐光向上剤、難燃剤、消臭剤、艶消し剤、柔軟剤、撥水剤、撥油剤、導電性付与剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、充填剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤などの任意成分を添加してもよい。例えば、着色剤を添加することにより、エンボス加工により部分的に加熱された凹部のみが着色され、より意匠性の高い布帛を得ることができる。
処理液を布帛に付与する方法としては、例えば、コーティング法(ナイフコーティング、ロールコーティングなど)、スプレー法、ディップニップ法、浸漬法などを挙げることができる。なかでも、処理液を均一かつ十分な量付与することができるという理由により、ディップニップ法が好ましい。
次いで、処理液を付与した布帛を乾燥する。この過程で、処理液中の水は蒸発し、水溶性高分子化合物は繊維表面に付着する。
乾燥のための熱処理温度は、100〜190℃であることが好ましく、130〜150℃であることがより好ましい。熱処理温度が100℃未満であると、乾燥に長時間を要し、工程負荷が大きくなったり、乾燥が不十分となったりする虞がある。熱処理温度が190℃を超えると、水溶性高分子化合物の除去性が悪くなる虞がある。
また、熱処理時間は、1〜5分間であることが好ましく、2〜4分間であることがより好ましい。熱処理時間が1分間未満であると、乾燥が不十分となる虞がある。熱処理時間が5分間を超えると、工程負荷が大きくなる虞がある。
乾燥には、ループ式乾燥機、ネット式ドライヤー、オーブン、ヒートセッターなどの装置を用いることができる。
上記工程を経て得られた布帛は、弾力性が抑制され、布帛自体の賦型性が高められている。したがって、エンボス装置の賦型効果に左右されることなく、耐久性のある凹凸模様を布帛に付与することができる。
しかる後に、布帛にエンボス加工を施す。すなわち、加熱したエンボス型を布帛に押圧することにより、布帛に凹凸模様を付与する。エンボス装置は、凹凸模様を有するロールと平坦面を有するロールとを備えるエンボス装置、互いの凹凸模様が対向部において重なり合うように製造された一対のエンボスロールを備えるエンボス装置、エンボスロールではなくエンボス板を備えるエンボス装置など、従来のエンボス装置を制限なく用いることができる。本発明においては、布帛自体の賦型性が高められているため、比較的賦型効果の低いロール状エンボス装置を用いて加工する場合にも、耐久性のある凹凸模様を布帛に付与することができる。
エンボス型の加熱温度(すなわち、加熱押圧時の布帛の熱処理温度に相当する)は、布帛を構成する繊維の融点に対して、−80〜0℃であることが好ましく、−60〜−40℃であることが好ましい。加熱温度が繊維の融点よりも80℃を超えて低い温度であると、付与された凹凸模様の耐久性が不十分となる虞がある。加熱温度が繊維の融点よりも高い温度であると、光沢や変色により意匠性が損なわれたり、風合いが粗硬になったりする虞がある。
加熱したエンボス型を布帛に押圧する時間は、エンボス型の形状によって大きく異なる。ロール状エンボス型を備えるエンボス装置の場合、押圧時間は0.01〜1秒であることが好ましく、0.06〜0.6秒であることがより好ましい。また、平板状エンボス型を備えるエンボス装置の場合、押圧時間は30〜120秒であることが好ましく、50〜90秒であることが好ましい。押圧時間が下限値未満であると、付与された凹凸模様の耐久性が不十分となる虞がある。押圧時間が上限値を超えると、光沢や変色により意匠性が損なわれたり、風合いが粗硬になったりする虞がある。
通常、平板状エンボス型を備えるエンボス装置を用いて加工する場合の処理速度は、0.5〜6.0m/分、好ましくは0.6〜3.0m/分であり、ロール状エンボス型を備えるエンボス装置を用いて加工する場合の処理速度は、1〜6m/分、好ましくは2〜4m/分である。
なお、押圧時の圧力や、布帛の導入張力など諸条件については、所望の凹凸模様が得られるように適宜設定すればよい。
次いで、布帛を洗浄し、水溶性高分子化合物を除去する。洗浄は、常法に従い、常温〜100℃、好ましくは40〜80℃の浴中にて、5〜30分間、好ましくは10〜20分間処理すればよい。浴中には、洗浄効果を高めるため、必要に応じて、苛性ソーダ、ソーダ灰などのアルカリ剤や、洗浄用の界面活性剤などを添加してもよい。また、水溶性高分子化合物とともに着色剤、特に、分散染料を用いた場合には、アルカリ剤と、ハイドロサルファイトや二酸化チオ尿素などの還元剤とを添加し、未固着の着色剤を還元分解させることが好ましい。さらに、必要に応じて、中和を目的とした酸処理や、水洗を施す。
洗浄に用いられる装置としては特に限定されるものでなく、ジェットウインスやバイブロワッシャーなどの洗浄装置や、ドラム型染色機、ウインス型染色機、液流染色機など、従来、洗浄や染色に通常用いられている装置を用いることができる。
次いで、ループ式乾燥機、ネット式ドライヤー、タンブラー乾燥機、オーブン、ヒートセッターなどを用いて60〜130℃で乾燥し、さらに、ヒートセッターを用いて130〜170℃で仕上げセットを行うとよい。
かくして、意匠性や風合いを損なうことなく、耐久性のある凹凸模様を布帛に付与することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでない。また、凹凸模様が付与された布帛の評価は以下の方法に従った。
[意匠性]
官能評価を行い、下記の基準に従って判定した。
○:光沢や変色が見られない。
△:光沢または変色がやや見られる。
×:光沢または変色が見られる。
[風合い]
官能評価を行い、下記の基準に従って判定した。
○:エンボス加工前の布帛と比べて、粗硬化していない。
△:エンボス加工前の布帛と比べて、やや粗硬化している。
×:エンボス加工前の布帛と比べて、粗硬化している。
[凹凸模様の耐久性(摩耗強さ)]
JIS L 1096 8.17.3 C法(テーバ形法)に準拠し、1500回、3000回摩耗後の試験片を、下記の基準に従って判定した。
○:凹凸模様の消失が見られない。
△:凹凸模様の消失がやや見られる。
×:凹凸模様の消失が見られる。
[実施例1]
28ゲージで3枚の筬を有するトリコット編機を用い、筬L3(フロント)に84dtex/72fのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を、筬L2(ミドル)とL1(バック)に84dtex/36fのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸をそれぞれフルセットで導糸し、筬L3は1−0/2−3、筬L2は1−0/1−2、筬L1は2−3/1−0の組織で、編機上の密度が70コース/インチのトリコット編物の生機を編成した。
得られた生機をヒートセッターにて190℃で1分間熱処理してプレセットした後、パイル針布ローラー12本、カウンターパイル針布ローラー12本を有する針布起毛機により、針布ローラートルク2.5Mpa、布速12m/分にて編終わり方向からと編始め方向からの起毛を交互に12回行い、ヒートセッターにて150℃で1分間熱処理して仕上げセットを行った。得られた起毛トリコット編物の編密度は41ウエル/インチ、66コース/インチ、目付は360g/mであった。
この布帛を、下記処方1に示す処理液に含浸し、マングルにてピックアップ率60%に絞り(ディップニップ法)、ヒートセッターにて150℃で1分間熱処理して乾燥した。布帛に対するカルボキシメチルセルロースの付着量は2.4重量%であった。
処方1
カルボキシメチルセルロース 4(重量%)
リンゴ酸(pH調整剤) 0.5
MSリキッド(明成化学工業株式会社製、還元防止剤) 1
水 残
次いで、凹凸模様を有するロール(205℃に加熱)と平坦面を有するロール(180℃に加熱)とを備えるエンボス装置の両ロール間に布帛を通して凹凸模様を付与した。両ロールの接圧は55kgf/cm、速度は2m/分であった。
次いで、下記処方2に示す浴中に、布帛を浴比が1:10となるように入れ、75℃で15分間処理して洗浄した。その後、ヒートセッターにて150℃で1分間熱処理して乾燥し、さらにヒートセッターにて150℃で1分間熱処理して仕上げセットを行った。
処方2
苛性ソーダ 1(g/L)
ハイドロサルファイト 1
トライポールTK(第一工業製薬株式会社製、洗浄用界面活性剤) 1
水 残
得られた布帛の評価結果を表1に示す。凹部の光沢や変色もなく、風合いの良好な布帛であった。また、1500回、3000回摩耗後も、凹凸模様の消失が見られなかった。
[実施例2]
実施例1と同様にして得た起毛トリコット編物を、下記処方3に示す処理液に含浸し、マングルにてピックアップ率60%に絞り(ディップニップ法)、ヒートセッターにて150℃で1分間熱処理して乾燥した。布帛に対するカルボキシメチルセルロースの付着量は2.4重量%であった。
処方3
カルボキシメチルセルロース 4(重量%)
リンゴ酸(pH調整剤) 0.5
MSリキッド(明成化学工業株式会社製、還元防止剤) 1
Kiwalon Polyester Yellow 6GF 0.06
(紀和化学工業株式会社製、分散染料、C.I.Disperse Yellow 114)
Kiwalon Polyester Red BFL 0.02
(紀和化学工業株式会社製、分散染料、C.I.Disperse Red 92)
Kiwalon Polyester Blue BGF 0.03
(紀和化学工業株式会社製、分散染料、C.I.Disperse Blue 73)
水 残
次いで、実施例1と同様にしてエンボス加工、洗浄、乾燥、仕上げセットを行った。
得られた布帛の評価結果を表1に示す。凹部のみが着色され、凹部の光沢や変色もなく、風合いの良好な布帛であった。また、1500回、3000回摩耗後も、凹凸模様の消失が見られなかった。
[実施例3]
実施例1と同様にしてカルボキシメチルセルロースを付着させた布帛(起毛トリコット編物)に、インクジェット方式にて加色した。条件を以下に示す。
[三原色インクセット]
下記組成のインクをそれぞれ調製し、三原色を一組とするインクセットとした。インクは、材料を混合、ホモジナイザーを用いて1時間撹拌後、ADVANTEC高純度濾紙No.5A(東洋濾紙株式会社製)にて減圧濾過し、次いで真空脱気処理することにより調製した。
Yellowインク
Kiwalon Polyester Yellow 6GF 10(重量%)
(紀和化学工業株式会社製、分散染料、C.I.Disperse Yellow 114)
Disper TL 2
(明成化学工業株式会社製、アニオン系界面活性剤)
ジエチレングリコール 5
水 残
Redインク
Kiwalon Polyester Red BFL 10(重量%)
(紀和化学工業株式会社製、分散染料、C.I.Disperse Red 92)
Disper TL 2
(明成化学工業株式会社製、アニオン系界面活性剤)
ジエチレングリコール 5
水 残
Blueインク
Kiwalon Polyester Blue BGF 10(重量%)
(紀和化学工業株式会社製、分散染料、C.I.Disperse Blue 73)
Disper TL 2
(明成化学工業株式会社製、アニオン系界面活性剤)
ジエチレングリコール 5
水 残
[印捺条件]
印捺装置:オンデマンド方式シリアル走査型インクジェット印捺装置
ノズル径:50μm
駆動電圧:100V
周波数:5kHz
解像度:360dpi
各部位印捺量:各色1〜15g/m
柄:全面グラデーション柄
次いで、実施例1と同様にしてエンボス加工、洗浄、乾燥、仕上げセットを行った。
得られた布帛の評価結果を表1に示す。凹部のみがグラデーション柄に着色され、凹部の光沢や変色もなく、風合いの良好な布帛であった。また、1500回、3000回摩耗後も、凹凸模様の消失が見られなかった。
[比較例1]
実施例1と同様にして得た起毛トリコット編物に、実施例1と同様にしてエンボス加工を行い、凹凸模様を付与した。
得られた布帛の評価結果を表1に示す。凹部の光沢や変色がやや見られ(所望の色が得られない)、風合いのやや粗硬な布帛であった。また、3000回摩耗後に、凹凸模様の消失がやや見られた。
[比較例2]
実施例1と同様にして得た起毛トリコット編物を、下記処方4に示す処理液に含浸し、マングルにてピックアップ率60%に絞り(ディップニップ法)、ヒートセッターにて150℃で1分間熱処理して乾燥した。布帛に対するメラミン樹脂およびポリエステル樹脂の付着量は12重量%であった。
処方4
メラミン樹脂 10(重量%)
ポリエステル樹脂 10
水 残
次いで、実施例1と同様にしてエンボス加工を行い、凹凸模様を付与した。
得られた布帛の評価結果を表1に示す。凹部の光沢や変色が見られ(所望の色が得られない)、風合いの粗硬な布帛であった。また、1500回、3000回摩耗後も、凹凸模様の消失が見られなかった。
Figure 2010007211

Claims (6)

  1. 水溶性高分子化合物を含む処理液を布帛に付与後、乾燥することにより、布帛に水溶性高分子化合物を付着させる工程、
    加熱したエンボス型を布帛に押圧することにより、布帛に凹凸模様を付与する工程、
    洗浄により布帛から水溶性高分子化合物を除去する工程、
    をこの順で含んでなる、布帛のエンボス加工方法。
  2. 布帛を構成する繊維がポリエステルである、請求項1に記載の方法。
  3. 水溶性高分子化合物がカルボキシメチルセルロースである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 布帛が立毛布帛である、請求項1〜3いずれか一項に記載の方法。
  5. エンボス型がロール状である、請求項1〜4いずれか一項に記載の方法。
  6. 処理液が着色剤を含む、請求項1〜5いずれか一項に記載の方法。
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JP2014070321A (ja) * 2012-09-29 2014-04-21 Suminoe Textile Co Ltd エンボス加工による同時発色方法

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