JP2006037247A - 染色布帛の製造方法および染色布帛 - Google Patents

染色布帛の製造方法および染色布帛 Download PDF

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Abstract

【課題】 捺染法あるいは浸染法で染色された染色布帛として、染色により形成された模様や着色の耐久性、特に使用時の摩擦や洗濯に対する耐久性を向上させる。
【解決手段】 染色により着色された布帛を製造する方法であって、前記布帛に染色剤を付与する染色工程(a)と、前記染色工程(a)を終えた前記布帛を加熱して前記染色剤を布帛に固着させるベイキング工程(b)と、前記ベイキング工程(b)を終えた布帛を、一対のロール間で挟圧する挟圧工程(c)とを含む。染色工程(a)は、前記布帛に前記染色剤として捺染剤を塗工する塗工工程(a1)、あるいは、前記染色剤である染料液に前記布帛を浸漬する浸漬工程(a2)が採用できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、染色布帛の製造方法および染色布帛に関し、詳しくは、布帛に捺染法などにより柄模様などの着色を行って、浴衣地などの用途に利用される染色布帛を製造する方法と、このような染色法を適用して得られる染色布帛とを対象にしている。
布帛に着色して柄模様を形成する技術の一つとして、捺染法が知られている。
捺染法は、染料や顔料などの着色剤に樹脂や糊を加えたインク状の捺染剤を、スクリーン印刷その他の各種の印刷技法を利用して、布帛の表面に塗工し、その後に加熱処理などを施して、捺染剤に含まれる着色成分を布帛に定着させる。複雑な模様パターンや多色模様などを能率的かつ鮮明に形成できる工業的に優れた方法として広く採用されている。このような捺染法で模様付けがされた布帛の用途としては、浴衣や病衣などが良く知られている。
捺染法において、形成される模様の精度を高めたり耐久性を向上させたりする技術が種々提案されている。
特許文献1には、布帛表面に糊剤を塗ったあとカレンダ処理を行い、その後、インクジェット方式で染料による印刷模様を形成させる技術が示されている。カレンダ処理で平滑化された布帛表面に印刷することで、鮮明な捺染柄が形成できるとされている。
特許文献2には、布帛に捺染模様を形成したあと、着色成分を定着させるベイキング工程の前に、カレンダで捺染面を押圧しておくことで、柄の透明感や光沢をより強調する技術が示されている。
特開平5−148776号公報 特開平2−160981号公報
従来の捺染法による布帛の模様付け技術では、捺染された模様の耐久性があまり良くないという問題がある。
捺染布帛から浴衣などの衣料製品を製造し使用する場合、その用途によっては頻繁に洗濯を繰り返すことがある。例えば、旅館やホテルで使用される浴衣は、短い間隔で頻繁に洗濯が行われる。病院で使用される病衣も、頻繁な洗濯が行われる。
洗濯を繰り返すと、捺染布帛の模様を構成している染料や顔料からなる着色成分が徐々に脱落して、模様が薄くなってしまう。あまり模様が薄くなると、布帛自体は傷んでいなくても、外観性が悪くなるので、使用に適さなくなる。大量の浴衣を使用する旅館や、大量の病衣を使用する病院などでは、模様が薄くなったために早期に布帛製品を廃棄しなければならないことは、経済的に大きな負担となる。
また、衣料製品のうち、使用時に摩擦作用を受けやすい部位では、捺染された着色剤が摩擦によって脱落し易く、部分的に模様や色が薄くなり易い。衣料製品の全体を平均するとそれほど模様や色が薄くなっていなくても、一部に模様や色が薄くなったところがあると、外観的には良くなく、交換あるいは廃棄が必要になってしまう。
前記した特許文献1のように、カレンダ処理を行ったあとで捺染剤を塗工すると、捺染柄は鮮明になっても、捺染模様の耐久性を高める機能はあまり期待できない。特許文献2のように、ベイキング工程の前にカレンダ処理を行うと、塗工された捺染剤を布帛に浸透させるという作用は生じても、十分ではない。しかも、ベイキング工程の前に、カレンダ処理で強い押圧力を加えると、布帛に十分には固着していない捺染剤がカレンダロールに付着して布帛から脱落してしまったり、捺染剤に含まれベイキング工程で加熱除去すべき薬剤成分までが布帛の内部深くに浸入して、その後のベイキング工程で除去でき難くなったりしてしまう。
捺染法に限らず、例えば、浸染法による染色布帛の製造においても、同様の問題がある。例えば、顔料系染色液に布帛を浸漬して染色する場合でも、染色された模様の耐久性があまり良くない。
本発明の課題は、前記したような捺染法あるいは浸染法で染色された染色布帛として、染色により形成された模様や着色の耐久性、特に使用時の摩擦や洗濯に対する耐久性を向上させることである。
本発明にかかる捺染布帛の製造方法は、染色により着色された布帛を製造する方法であって、前記布帛に染色剤を付与する染色工程(a)と、前記染色工程(a)を終えた前記布帛を加熱して前記染色剤を布帛に固着させるベイキング工程(b)と、前記ベイキング工程(b)を終えた布帛を、一対のロール間で挟圧する挟圧工程(c)とを含む。
〔布帛〕
通常の染色布帛の製造に利用されている布帛が使用できる。
染色布帛の最終的な利用用途や要求性能に合わせて、一般的な布帛材料、布帛製造技術が適用できる。布帛は、織布、編布、不織布などに分類されるが、何れの布帛も使用できる。布帛を構成する糸または繊維の材料は、木綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維からなるもの、ポリエステル、アクリルなどの合成繊維や再生繊維からなるものが含まれる。さらに、複数種類の繊維を組み合わせた混紡繊維も採用できる。特に好ましい繊維として、ポリエステル・綿混紡が挙げられる。
布帛の厚みや目付け量は、用途や要求性能に合わせて設定できる。
布帛は、色付けされていないものであってもよいし、糸あるいは繊維に着色されたものを用いた着色布帛であってもよい。
布帛は、通常、長尺帯状に製造されロール状に巻回された状態から順次引き出して連続的に供給し、連続的に染色処理を行う。但し、用途によっては、所定の大きさに裁断された布片の状態で染色処理を行うこともできる。最終製品の形態に合わせて切り抜いたり、縫製したりした布帛製品あるいは中間製品に染色処理を行う場合もある。
〔染色剤〕
基本的には、通常の染色法で利用されている染色剤が使用できる。
一般的な染色剤は、着色剤あるいは着色成分となる顔料や染料を含む。複種類の顔料や染料を組み合わせて使用することもできる。染色剤を布帛に付着し易くする糊剤も配合できる。顔料のような着色剤の場合、布帛の糸や繊維への固着を図る固着用樹脂も配合できる。その他、必要に応じて、固着促進剤や風合改良剤、消泡剤など、通常の染色剤に使用されている添加剤を配合しておくことができる。勿論、捺染法と浸染法とでは、使用する染色剤の配合が違ってくる。
本発明は、布帛への固着性が染料に比べると劣るものになり易い顔料系の染色剤を用いた場合に、優れた効果が発揮できる。
染色剤は、着色しようとする色によって、着色剤に使用する顔料や染料の配合を変える。多色染めを行う場合は、必要な色数の染色剤を用意する。
〔染色工程(a)〕
基本的には、通常の染色布帛の製造技術で採用されている染色技術が適用できる。
布帛に染色剤として捺染剤を塗工する塗工工程(a1)と、染色剤である染料液に布帛を浸漬する浸漬工程(a2)とがある。
<塗工工程(a1)>
基本的には、通常の捺染法における捺染剤の塗工技術が適用できる。
布帛の表面に、所望の柄模様に合わせてパターン状に捺染剤を塗工する。柄模様ではなく、布帛の全面に捺染剤を塗工して全面が同じ色に着色された無地染めの布帛を製造することもできる。布帛の片面だけに捺染剤を塗工するほか、布帛の両面に捺染剤を塗工する場合もある。
一般的な捺染法あるいは捺染装置として、ローラー捺染、スクリーン捺染、ロータリースクリーン捺染、インクジェット捺染、転写捺染、間欠捺染などの技術が適用できる。
色の異なる捺染剤を順次塗工することで、多色に着色された捺染布帛を製造することもできる。全体が単色に着色された布帛に、さらに模様付けの着色を部分的あるいは全体に施すこともできる。
<浸染工程(a2)>
基本的には、通常の浸染法と共通する染料液への布帛の浸染技術が適用できる。
例えば、貯留槽に貯えられた染料液に布帛を沈めて一定時間保持したり、染料液を含んだ布帛を絞ったり、布帛を連続的に走行させながら染料液に漬けて引き上げたりすることができる。
一般的に、浸染法では、布帛の全体を同じ色に染める無地染めが行われるが、布帛の一部を染料液が浸透しないように処理しておいて、着色されない個所を模様状に残すこともできる。布帛の一部だけが染料液に浸かるようにすることもできる。
具体的な浸染技術として、バケット染め、無地染めと呼ばれる技術が適用される。
浸染法では、大量の染料液が布帛に浸透するので、布帛を絞ったり脱水処理したりして、布帛から余分の染料液を取り除く処理を行っておくことが多い。
〔ベイキング工程(b)〕
基本的には、通常の染色法におけるベイキング処理技術が適用できる。ベイキング処理は、布帛に塗工された染色剤に熱を加えることで、布帛への着色成分の固着を図る。セット処理やテンター処理とも呼ばれる処理である。
ベイキング工程では、染色剤が付与された布帛を、所定の温度で所定の時間保持する。染色剤に含まれる固着用樹脂の溶融温度などに合わせて、処理温度および処理時間が設定される。通常は、120〜180℃で20〜200秒間の処理が行われる。好ましくは、150〜160℃で30〜180秒間である。
ベイキング工程を行うことで、布帛への着色成分の固着性は高まるが、ベイキング工程だけでは限界がある。ベイキング工程の温度が高過ぎると、固着用樹脂が流れ出したり着色成分が変質したりすることがある。ベイキング工程の時間が長過ぎると、布帛が傷んだり変色したりする。
本発明では、十分なベイキング処理を行った上で挟圧工程を行うことで、より優れた性能が発揮できる。
ベイキング工程で加熱昇温された布帛は、通常、常温まで冷却させてから、次の処理工程、具体的には挟圧工程に供給される。冷却は放冷あるいは強制冷却で行える。挟圧工程に送る前に、布帛を乾燥させる乾燥工程を行うこともできる。
〔挟圧工程(c)〕
ベイキング工程を終えた布帛を、一対のロール間で挟圧する。挟圧とは、布帛を両面から挟み付けた状態で圧力を加えることを意味する。
一方のロールあるいは両方のロールを回転させ、その隙間に帯状の布帛を供給することで、布帛を連続的に挟圧することができる。挟圧工程によって、布帛の表面に存在する染色剤の着色成分が、布帛の内部に強く押し込まれるようになる。布帛を構成する糸や繊維の内部まで着色成分が侵入して、強固に接合されることになる。
布帛を強圧する一対のロールは、ステンレスなどの金属やセラミック、フッ素樹脂コーティング材など、表面が平滑で、染色剤に対して付着性の少ない材質からなるものが用いられる。ロールの表面に鏡面仕上げを施しておくことが有効である。但し、ベイキング工程を終えて、着色成分が布帛に十分に固着しているので、挟圧工程で強く押圧しても、染色剤がロールに付着したり布帛から脱落してしまったりすることは、ほとんどない。特に、少なくとも表面がステンレスからなるロールは、挟圧工程で高温の加熱を行っても問題が起き難く、好ましい。
このような一対のロールを挟圧する機構を備えた装置として、布帛処理の技術分野で知られたカレンダ装置がある。カレンダ装置は、一対のロールの片方または両方の軸受を油圧シリンダなどで移動させて挟圧力を発生させることができる。一つのロールに加えて、布帛の案内用のロールや、布帛に接触するロールを押圧するための別のロールを備えているものもある。カレンダ装置は、一般的な布帛製造や紙製造などの技術分野で使用されているカレンダ装置と基本的に共通する装置が使用できる。但し、装置の仕様や処理条件の設定は、布帛の平滑化や光沢増強を目的とする通常のカレンダ装置とは異なってくる。
挟圧工程の作用効果を良好に発揮させるには、挟圧力の設定が重要である。一般的には、挟圧力が大きい方が布帛に対する着色成分の固着性が高まり、耐摩擦性や耐洗濯性が向上する。これらの作用効果が十分に達成できる程度の挟圧力に設定する。挟圧力が大き過ぎても、それほど効果は高まらず、布帛を傷めたり、装置が大掛りになったりする弊害が出る。通常、挟圧力を30〜80t/cmに設定できる。好ましくは、50〜65t/cm、より好ましくは、55〜60t/cmである。
挟圧工程では、布帛を加熱しておくことで、より効果が高まる。加熱によって染色剤の構成成分が軟化することで、布帛への着色成分の浸透あるいは固着がより良好で強固になる。比較的に少ない挟圧力でも目的の効果が達成し易くなる。
布帛の加熱を、挟圧するロールを介して行えば、加熱と同時に挟圧することができ、有効である。具体的には、ヒータなどの加熱手段を内蔵したロールを使用すればよい。
挟圧工程における布帛の加熱温度は、使用している染色剤の配合や特性によっても異なるが、通常、80〜180℃に設定できる。好ましくは、100〜150℃である。温度が高過ぎてもそれほど効果は上がらず、かえって布帛を傷める心配がある。但し、布帛に対してロールで加熱する場合は、極めて短時間の加熱になるので、高温であっても比較的に布帛の傷みは少ない。
〔その他の工程〕
前記した各工程に加えて、通常の染色布帛の製造方法で採用されている各種の処理工程を組み合わせることができる。
例えば、染色の前工程として行われる毛焼き工程、精練工程、漂白工程、シルケット加工工程、蛍光晒し工程、糊付け工程などがある。染色の後工程として行われる乾燥工程、樹脂加工工程などがある。
<カレンダ工程(m)>
塗工工程の前に布帛にカレンダ加工を施すカレンダ工程を行うことができる。
カレンダ工程は、布帛をロール間に挟んで押さえ付けることで、布帛の表面を平滑にしたり光沢を高めたり毛羽立ちを抑えたりする機能がある。
カレンダ工程を行っておくことで、特に、染色剤の塗工が行い易くなる。柄模様がかすれたり部分的に薄くなったりし難くなり、精度の高い明瞭な柄模様が形成できる。カレンダ工程を、加熱を伴って行うこともできる。加熱によって布帛表面の平滑化を促進したり光沢を向上させたりすることができる。
この段階におけるカレンダ工程は、通常の布帛に対するカレンダ処理の処理条件が採用される。挟圧工程における挟圧力よりは、かなり小さな挟圧力でよい。通常、15〜25t/cmに設定される。
〔染色布帛〕
以上に説明した処理工程を経て得られた染色布帛は、布帛の全体あるいは一部に、染色剤に含まれる着色成分によって着色された部分を備えている。
着色成分による柄模様は、布帛を使用する衣料製品や用途、意匠デザインによって変えることができる。多色模様の色の組み合わせや色と柄との組み合わせも変えられる。勿論、布帛全体が一様に着色された無地染め布帛もある。
染色布帛は、柄模様や着色が布帛と強固に接合一体化されている。使用時に表面を摩擦されたり、洗濯を繰り返したりしても、着色が薄くなったり消えたりし難い。
着色の耐久性を、JIS−L0849(II形、乾燥および湿潤)で規定される摩擦堅牢度やJIS−L1096(F−2法、タンブル)で規定される耐洗濯性(寸法変化率)で評価することができる。本発明では、摩擦堅牢度4〜5級、耐洗濯性(寸法変化率)1.5〜4%の染色布帛が得られる。特に、摩擦堅牢度4−5〜5級、耐洗濯性(寸法変化率)1.5〜3.0%の染色布帛が実用的に好ましい。
このような摩擦堅牢度や耐洗濯性に優れた染色布帛は、これらの特性が要求される各種の用途に好適に使用できる。例えば、浴衣、病衣、ガウン、Tシャツ、寝装品などが挙げられる。寝装品には、シーツ、パジャマ、布団側、ピローケース、包布などが含まれる。
本発明にかかる染色布帛の製造方法では、染色剤が付与されたあとベイキングされて染色剤に含まれる着色成分が固着した状態の布帛を、一対のロール間で挟圧することで、着色成分が布帛を構成する糸や繊維の中まで強力に浸入して強固に接合一体化される。
その結果、製造された染色布帛を、使用時に繰り返し摩擦作用を受けたり、洗濯を繰り返したりする用途に用いても、染色模様や色が薄くなったり消えたりすることが防止される。使用開始段階と一定期間の使用を経た段階とで、染色布帛の模様や色付けに大きな差やバラツキが生じず、長期間にわたって外観性の良い高品質の染色布帛製品を継続して使用することが可能になる。
本発明の製造方法で染色布帛を製造し、その性能を評価した結果を説明する。
〔布帛〕
浴衣用の布帛を用いた。具体的には、ポリエステル・綿混紡繊維〔22.5/1×22.5/1(64×61)〕による平織布帛を用いた。
布帛は、幅152cm(蛍光晒し)の長尺帯状をなし、ロールに巻回された状態で供給される。
〔染色剤(捺染剤)〕
界面活性剤タイプの顔料系捺染剤を使用した。顔料系捺染剤には、顔料の分散体であるカラーベース、固着用樹脂であるバインダー、糊剤となる媒体である加強剤が配合されている。バインダー83重量%、加強剤2重量%、カラーベース15重量%の配合割合である。
〔製造工程〕
布帛を連続的に走行させながら、以下の処理を順次、実行した。
<生機のガス焼き処理>
常法にしたがって、布帛のガス焼き処理を、2回繰り返して行った。
<晒し処理>
常法にしたがって、PT下晒し処理および蛍光晒し処理を行った。PT下晒し処理の処理温度は60〜90℃、蛍光晒し処理の処理温度は150℃であった。
<捺染剤の塗工処理>
ロータリースクリーン捺染機を用いた。ロータリースクリーン捺染機には、塗工ロールの前に圧力ロールおよび空ロールを備えている。
布帛は、捺染剤を塗工される前に、圧力ロールで加圧され、布帛表面が平滑化されたり、布帛への捺染剤の浸透性が良好になったりする。
<ベイキング処理>
常法にしたがって、ベイキング処理を行った。処理条件は、150℃で33秒であった。処理後、布帛が常温まで冷却してから、次の挟圧処理を行った。
<挟圧処理>
特殊カレンダ装置(最大挟圧力80t/cm、最大加熱温度150℃、モーター主力30kW)を用いた。
処理条件を、加熱温度117℃、挟圧力60t/cmに設定した。
〔性能評価〕
上記製造工程を経て得られた捺染布帛(実施例1)と、挟圧処理を行わない以外は実施例1と同じ製造工程を採用して得られた捺染布帛(比較例1)とについて、各種の性能評価試験を行なった。それぞれの試験条件は、規格条件に準拠した。規格で規定されていない細部の試験条件は、当該技術分野で一般的に採用されている条件を採用した。摩擦係数については、DS式摩擦係数試験機を用いた。
試験の結果を、下表に示す。
Figure 2006037247
<評価>
(1) 実施例1では、ベイキング処理の後で、大きな圧力と熱を加えて挟圧処理を行うことで、挟圧処理を行わなかった比較例1に比べて、摩擦堅牢度および耐洗濯性が格段に向上している。
このことから、実施例1の捺染布帛で製造された衣料製品などを、実用上、過酷な使用環境で使用したとしても、長期間にわたって、柄模様の色落ちや退色を起こさず、良好な外観意匠を維持できることが確認された。
(2) 実施例1では、比較例1に比べて通気性が少なくなっている。これは、挟圧工程が行われたことによって、布帛の目が詰まった状態になっていることを表している。
(3) 実施例1は比較例1よりも摩擦係数が大幅に低減している。表面の手触りが良好になっている。これは、挟圧工程には、布帛表面の平滑化を果たすという機能も有していることを裏付けている。
本発明で得られる染色布帛は、例えば、旅館などで使用される浴衣の生地に使用することができる。短い間隔で繰り返し洗濯を繰り返しても、浴衣に染色された柄模様などの色が薄くなったり消えたりすることがなく、1枚の浴衣の耐用期間を大幅に延長することができる。

Claims (8)

  1. 染色により着色された布帛を製造する方法であって、
    前記布帛に染色剤を付与する染色工程(a)と、
    前記染色工程(a)を終えた前記布帛を加熱して前記染色剤を布帛に固着させるベイキング工程(b)と、
    前記ベイキング工程(b)を終えた布帛を、一対のロール間で挟圧する挟圧工程(c)と
    を含む染色方法。
  2. 前記挟圧工程(c)が、前記布帛を80〜180℃に加熱しながら挟圧力30〜80t/cmで挟圧する
    請求項1に記載の染色方法。
  3. 前記ベイキング工程(b)が、120〜180℃で20〜200秒間にわたって加熱する
    請求項1または2に記載の捺染方法。
  4. 前記塗工工程(a)の前に、布帛にカレンダ加工を施すカレンダ工程(m)をさらに含む
    請求項1〜3の何れかに記載の捺染方法。
  5. 前記布帛が、木綿、麻、羊毛、絹、ポリエステル・綿混紡、麻混、アクリル・綿混紡からなる群から選ばれる繊維を用いた編織布であり、
    前記染色剤が、着色剤である顔料と固着用樹脂と糊剤とを含む顔料系染色剤である
    請求項1〜4の何れかに記載の捺染方法。
  6. 前記染色工程(a)が、前記布帛に前記染色剤として捺染剤を塗工する塗工工程(a1)、または、前記染色剤である染料液に前記布帛を浸漬する浸漬工程(a2)の何れかである
    請求項1〜5の何れかに記載の染色方法。
  7. JIS−L0849(II形、乾燥および湿潤)で規定される摩擦堅牢度が、4〜5級であり、
    JIS−L1096(F−2法、タンブル)で規定される耐洗濯性(寸法変化率)が、1.5〜4%である
    捺染布帛。
  8. 浴衣、病衣、ガウン、Tシャツ、寝装品からなる群から選ばれる用途に使用される
    請求項7に記載の捺染布帛。
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