JPS6052234B2 - デニム織物構造物の製造方法 - Google Patents

デニム織物構造物の製造方法

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JPS6052234B2
JPS6052234B2 JP55169843A JP16984380A JPS6052234B2 JP S6052234 B2 JPS6052234 B2 JP S6052234B2 JP 55169843 A JP55169843 A JP 55169843A JP 16984380 A JP16984380 A JP 16984380A JP S6052234 B2 JPS6052234 B2 JP S6052234B2
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denim fabric
fabric structure
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勝 金山
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HORIE SENKO KK
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は綿繊維をその主要構成素材とする整経糸、特に
改善されたデニム織物用整経糸の製造を工程として含む
一連のデニム織物構造物の製造方法に関する。
デニム織物は作業服、船員服等の労働用衣服あるいは運
動服として従来より多用されてきたが、近時、カジユア
ルウエアー用即ちジーンズ衣料用として若年層の流行に
広く定着しつつある。
かかる流行に受け入れられる為に、デニム織物構造物、
特にジーンズ衣料品は新調の際から、恰かも着古され、
幾度も洗濯された感じの色褪せた特殊外観を具えている
ことが望ましく、色相についてもくすんだ紺系統の所謂
ブルージーンズが基調をなしてきた。一方、最近では上
記の特殊外観を具えながらも、鮮明にしてガラフルな色
相のジーンズが特に婦人、子供層に愛用されるようにな
り、かかる用途に適合した良質かつ安価なデニム織物の
出現は衣料業界の渇望するところである。デニム織物の
最も一般的な製造法は、その経糸を予め精練、漂白等の
予備処理を施した後、染色し、白色の緯糸を用いて製織
することからなるが、得られた織物あるいはその織物を
用いた縫製品はその後、前記特殊外観を付与するため通
常、洗濯その他の物理的処理を施される。ところで最終
製品であるデニム織物構造物の品質はかかる物理的処理
の条件によつても左右されるが、その大半を決定する鍵
は製織用経糸の製造条件即ち経糸の性状品質にある。
即ち、デニム繊物は主としてカジユアルウエアとして用
いられ、又、子供用衣料とされる場合、特に激しい使用
条件にたえられるよう、繊維素材の元来有する強度を最
大限に保存することが望ましく、従つて経糸の加工工程
中の強力低下は極力避けることが重要となる。又、デニ
ム織物用経糸は糸条表層部分のみを染色し、中心部は中
白の形で残すことが織物の物理的摩耗処理によつて部分
的褪色をもたらし着古した感じを与える上に有利である
とされていたが、本発明者は逆に糸条内部迄適度に染め
上げ、製織後適宜な処理により、経糸上の色を一部脱落
させると共に緯糸にも一部移染せしめることにより、却
つて興趣に富んだ外観、風合を具えた織物又は縫製品等
の構造物を得られることを知つた。従来、デニム織物用
経糸の染色および糊付方法としては、特公昭46−20
874号公報、特開昭50−69384号公報等によつ
て提案されているが、前者は染色工程に先立つて精練処
理を行なう為、糸強度の実質的低下を来たすのみならす
、染着度の浅い中白の糸しか得られず、又略々完全に顔
料の定着が行なわれているため、爾後の脱落は物理的操
作に頼らねばならず且つ緯糸への移染も達成されぬため
、本発明とは異質の経糸しか得られない。
又、後者の発明においても、経糸は染色前に糊抜、精練
、漂白等の化学処理を行なうべきことが記載されており
、前記同様繊維の実質的脆化が避けられず、更に地色染
色と表面染色とからなる2段階染色工程を経るため、工
数が増加し必ずしも工業的に有利な方法とは云えない。
本発明者はかかる従来技術の問題点に鑑み、現代の若年
層、特に婦人、子供層の趣向に最も適合したジーンズ衣
料等のデニム織物構造物を取得するに好適な製造条件、
即ち経糸の製造方法から最終製品迄の一貫した工程にお
ける製造条件を鋭意研究の結果、本発明に到達したもの
である。
即ち、本発明の目的は、紡績糸が元来具えた固有の強度
を実質的に失なうことなく、不完全固着状態において糸
条内部迄適度に顔料が染着したところのデニム織物用整
経糸を低コストで提供すると共に、かかる整経糸を使用
し、鮮明にしてガラフルな且つ均一化された色相と優れ
た耐用命数とを具え、局部的に摩耗した興趣ある外観、
風合を有する最新流行性な適合したジーンズ衣料等のデ
ニム織物構造物を提供するにある。しかして、上述の目
的を達成するための本発明の要旨は、綿繊維又は締繊維
と他種繊維との混紡よりなる糸条を精練等の予備処理を
することなく未処理のまま多数条並列シート状に保持し
つつ、少なくとも浸透剤とO〜30yIeのバインダー
とを含有する顔料浴に浸漬して、顔料を糸条にその内部
まで浸透付着せしめ、次いで中間乾燥を施すことによつ
て前記顔料を不完全固着状態となし、更に糊付、乾燥を
行なつた後、ビームに捲取ることを特徴とする実質的に
強力低下のないデニム織物用整経糸を経糸として製織を
行ない、得られた織布に防縮加工等の処理を施し、爾後
縫製工程を経て染着調整処理により、経糸上の顔料を一
部脱落させると共に、緯糸に一部移染せしめることによ
つて達成される。
本発明に適用される糸条は、綿糸又は綿繊維を主体とし
、それに他種繊維、例えば亜麻、大麻、絹、羊毛等の天
然繊維、ビスコーススフ、酢酸セルローズ繊維等の化学
繊維又はポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリア
ミド等の合成繊維を適量混紡した混紡糸であり、通常、
綿糸番手にして6〜24番手程度の比較的太いものが用
いられる。
紡績上がりのかかる糸条は、設計された織物の総経糸本
数の整数分の1の本数をもつて荒捲整経ビーム上に捲か
れているが、これら荒捲整経ビームの複数本から上記設
計経糸本数に相当する本数の糸条を引出して、均一な張
力を与えつつ並列シート状に保持して処理を受ける。
かように多数条の糸が並列シート状に保持されたものは
「ヤーンシート」と呼ばれる。ヤーンシートは精練、漂
白等の如何なる予備処理をも受けることなく、全く未処
理の状態で直ちに浸染工程に付される。
浸染工程は、希望する色調に応じた適宜量の顔料と、浸
透剤とを含有し、必要に応じて顔料よりも遥かに少ない
量のバインダー、及び糊剤、平滑剤等を配合した顔料染
浴にヤーンシートを緊張状態で浸漬通過させることから
なる。談染浴中の顔料濃度は、1〜150y1′の範囲
で適宜選択する。又、本発明は明るい色の織物を作るこ
とを目指しているので、それに応じた色の顔料を使用す
る。顔料は溶剤中に分散されている油中水滴型と水を分
散媒とする水中油滴型とに分類されるが、かかるエマル
ジョン即ち微細粒子の状態で繊維上に付着するものであ
り、繊維上に強固に固有せしめ、摩擦堅牢度や洗濯堅牢
度を高めるためには、顔料の数十倍にも及ふ合成樹脂系
バインダーを併用するのが常法とされている。又、顔料
は多量に使用すると堅牢度が低下する傾向を避けられな
いため、通常その使用濃度は低く制限され、代表的な例
を挙げれば顔料10y1′に対しバインダー100y1
eが従来の処方であつた。しかしながら、本発明方法に
あつては、中乃至濃色相の範囲まて多量の顔料を使用す
ることもあり、更にバインダー量は従来の常識とされて
いる量よりも遥かに少ない量を使用し、場合によつては
全く使用せぬこともある。
即ち、染浴中のバインダー量は0〜30y1′とし、こ
とさらに顔料の洗濯堅牢度を低く抑えると共に、バイン
ダー過剰使用による糸条の伸度、強力の低下あるいは風
合の粗剛化を避け、また経済性を高めるのにも役立てて
いる。ここに云うバインダーは顔料染色用バインダーと
して公知乃至市販のものが殆んど適用可能であり、特に
限定されないが、就中、自己架橋結合性ブタジエン共重
合体又はブチルアクリレートを主成分とするもの、例え
ば西独バデイツシユ社製ヘリザリンバインダー(登録商
標)は好ましい結果を与える。なお、適度に低い堅牢度
をもつた淡色を望む場合は、少量の顔料のみを用いバイ
ンダーを省くことができる。顔料染浴中に効力の高い浸
透剤を添加することは被染物であるヤーンシートの性状
との関連において特別な意義があり、且つ必須である。
即ち本発明方法における一つの特色は、ヤーンシートが
ソーピングは勿論、精練、漂白等の如何なる予備処理を
も受けることなく、全く未処理のまま直ちに浸染工程に
付される点にある。従来既知の技術においては、黒色又
はそれに近い濃度の一部を除外すれは、不均一染色を回
避し、染液の良好な浸透ならびに染着を保証する程度ま
で、繊維の油脂、蝋類、ペクチン、リグニン、着色成分
等の夾雑物や不純物を予め洗浄、精練、漂白等の予備処
理によつて除去することは不可欠であり、そのため、原
料繊維の強度及び優れた自然の風合が犠牲とされるのは
やむを得ぬこととされていた。本発明者はかかる従来の
固定観念にとられれることなく予備処理を全く施さずに
工程を著しく短縮し簡素化すると共に、繊維元来の強度
と風合とをそのまま維持し、なおかつ、前記夾雑物によ
る染着阻害作用を打破して均一な所望の染色度を得るた
め強力な浸透剤を浸染工程に利用することによつて一挙
に本発明の目的を達成することに成功したのである。浸
透剤は特に限定はなく、綿製品染色用浸透剤として市販
されているものの中から比較的効力大なものを選択使用
すれば良いが、特に無機酸エステル系浸透剤、例えば西
独バイエル社製エルカントールAS(商品名)は優れた
効果を奏することが確認された。
かかる浸透剤は染浴中に約2〜6v1eの量で使用され
る。染浴は更に必要に応じ糊剤と平滑剤とを含む。
糊剤は爾後の機械洗浄、洗濯等で容易に脱落する水溶性
、高粘度のもの、例えばアルギン酸ソーダ又はポリビニ
ルアルコール等の粘度300センチポイズ前後のものを
約2〜6yIeの量用いることにより、浸透剤の効果と
相俟つて顔料のマイグレーションを防止し、ビルドアッ
プ性を高めるのに効果がある。平滑剤も格別限定されず
、一般に繊維用表面平滑剤として公知のものが適用可能
てあり、糸切れを防ぎ、円滑な操業を行なうのに役立つ
。その使用量は通常30yIeあるいはそれ以下で充分
な効果を発揮する。
かような組成よりなる染浴をヤーンシートは適度の張力
を与えられつつ、2〜3秒程度の短時間室温で浸漬通過
し、染液を含浸した状態で一対の特殊なゴムロールによ
つてピックアップ約50〜60重量%迄均一に搾液され
るのであるが、ここに用いられるゴムロールの性能は本
発明の態様として頗る有用である。
即ち、通常慣用されている型式のパツデイング染色用の
硬質ゴムロールではヤーンシートに均一且つ強い絞りを
与えることは難しく、本発明方法においては、非常に軟
質で弾性に富んだ材質のゴムロールを適用することによ
り、糸条を均一に、しかも強力に絞ることができるのみ
ならず、糸の繋ぎ節等の太くなつた部分が容易にニップ
を通過し糸切れを防ぐこともできる。かかる特殊ゴムロ
ールの硬度を従来のものと対比すれば次の通りである。
本発明に適用される軟質ゴムロール ・・・・硬度45〜55水洗機
等に用いられる絞りロール ・・
・・硬度80〜85パツデイング染色用絞りロール・・
・・・・硬度82〜85■又、ロール材質と染色効果の
関係を検討した結果、スチールロールと硬質ゴムロール
との組合せの場合は、染着度が低く、軟質ゴムロール使
用の場合の約半分程度であり、一方、硬度80使の水洗
機用絞りロールは、スチールロールの組合せの場合に比
し染色性は若干改善されるが、軟質ゴムロールには到底
及ばない。
駆動軸に軟質ゴムロール、従動軸にスポンジラバー被覆
ロールを用いたものも本発明方法に適用可能であり、軟
質ゴムロール同様の良好な結果を与える。しかしながら
、ロール材質が極端に軟かいものを使用すると、糸の送
り及び張力が不良となり、満足すべき染色の結果が得ら
れない。即ち、上述せる如く従来の染色技術上は全く好
ましくなく、殆んど不可能とされていたところの未処理
のヤーンシートの短時間における深部顔料染色を、前記
の特定された処方になる染浴と、特殊性能の絞りロール
とを巧妙に組合せて、化学的作用と物理的作用との相乗
効果により経済的且つ工業的有利に達成することができ
る。
かくして強度に絞られたヤーンシートは次いで適宜な乾
燥機を用い常法により中間乾燥に付される。
乾燥機はシリンダー乾燥機、ホットブルー、ベーパージ
ェット乾燥機あるいはそれらの組合せ等、公知のものを
用いることができる。通常の顔料染色においては染液含
浸後、バインダーの性状、適用量等に応じて130〜1
40℃程度の高温下、数分間キュアリングを行ない、顔
料を略々完全に繊維上に固着せしめるのであるが、杢発
明方法においてはかようなキュアリングを行なうことな
く、若干穏和な条件下で乾燥のみを行ない、顔料を繊維
上に不完全固着状態のままにしておくのである。
中間乾燥を、120〜130℃、30〜亀秒程度の条件
により、乾燥度70〜80%の半乾燥状態で実施するこ
とは経済的見地からも好ましいことと云える。
乾燥工程を経たヤーンシートは一旦ビームに捲き取るか
又は捲取ることなく引続いて糊付槽に導かれる。糊付浴
は通常は約6重量%程度の澱粉類、酢ビ系糊剤等を含む
ものであるが、本発明方法にあつては、澱粉等の糊剤の
量を約3重量%程度に減らして糊浴の粘度を低下せしめ
、更に略々等量のバインダー並びに繊維用表面平滑剤等
の助剤を添加する。かかる助剤は染色工程に用いられる
ものの中から適宜使用することができる。約50r70
′Cの温度に保持された糊付浴中に3〜4秒浸漬された
ヤーンシートは絞りロールを経て、乾燥機により充分乾
燥され、続いてビームに捲かれた後、デニム織物製織用
整経糸として織布工程へ送られる。上述の工程のうち糊
付乾燥工程は製織工場で実施することができ、その場合
は染色後の中間乾燥を充分行ない、整経糸はビームに捲
かれた状態で製織工程へ送られる。
何れの場合も、整経糸は織成工程に付される前には織機
ビームに捲かれた状態となつていなければならず、その
為には通常、糊付乾燥後に織機ビーム上に捲取られる。
かくして得られた整経糸は織成工程において、未染色系
を緯糸としてデニム織物に織り上げられ、次いで一般に
公知の方法並びに装置を用い、例えばサンフオライズ(
登録商標)又はミニケア(登録商標)と呼はれる防縮加
工あるいはノーアイロン加工等の処理を施し、縫製工程
へ送られる。縫製工程においてスーツ、コート、ジャケ
ット、スラツクス、パンツ、ベルト、帽子等の衣料品、
スーツケース、鞄等の袋物類その他に裁断縫製され、デ
ニム織物構造物に仕立てられる。デニム織物構造物はそ
のままでも有用であるが、更に本発明方法に従つて後述
する染着調整処理を加えることにより、色相が均一化す
ると共に、染色堅牢度が増大し、また局部的に恰かも摩
耗した如き使い古され、洗い晒した感じの興趣ある外観
、風合を付与されるのである。染色調整処理は、顔料固
着剤及び必要に応じて顔料用バインダーを含有せる水性
浴中にデニム織物構造物を浸漬し、流体的又は機械的攪
拌操作を加えることからなる。
顔料固着剤あるいは洗濯堅牢度増進剤としては幾つかの
ものが市販されており、何れも適用可能であるが、本発
明者の試験結果によれば、アマイド系フイツクス剤、特
に一方社油脂製NS−1(商品名)が優れた効果を発揮
することが確認された。かかる顔料固着剤は顔料の洗濯
堅牢度を向上せしめる作用があり、その適当な使用量は
5〜20fI′である。また、必要に応じ、特に前述の
整経糸染色糊付工程においてバインダーを使用しなかつ
た場合は、この処理浴に10〜30g1e程度のバイン
ダーを併用することによつて染色摩擦堅牢度と洗濯堅牢
度を一層向上させることができる。なお、これらの薬剤
を使用せず、水のみで処理しても、製品の染色摩擦堅牢
度を改前させることが可能である。染着調整処理は常温
乃至若干の昇温下に数分〜十数分間行なわれ、処理期間
中、処理浴は攪拌状態に置かれる。
攪拌は流体自体を攪拌しても容器自体を回転せしめても
よく、攪拌方向を間欠的に逆転せしめることが好ましい
。かかる染着調整処理によつて、デニム織物の経糸に不
完全固着状態で染着していた顔料の一部は経糸表層部か
ら急速に脱落すると共に、その一部は未染色の緯糸上に
移染し、又、全く無処理の整経糸を染めたことに起因す
る経糸間の染斑が適度に均染化され、織物全体の色相均
一化が達成される。
更に攪拌中にデニム織物構造物は、構造物自体の自己摩
擦あるいは流体や器壁との間の適度な摩擦作用を受け、
局部的に色相の淡い、恰かも使い古して摩耗したかの如
き、且つ洗い晒した感じの興趣ある外観となる。更にか
かる外観は、顔料固着剤及び必要に応じて添加されたバ
インダーの作用によつて、そのまま固定され、洗濯並び
に摩擦堅牢度が著しく向上するため、爾後の使用、洗濯
等により、かかる好ましい外観、風合が簡単に失なわれ
ることがない。更に又、従来公知の中白の経糸を使用し
たデニム織物は反覆使用、洗濯によつて表面の色が脱落
して急速に極度な白さに変わり、見るからにみすぼらし
い外観を呈し、若者好みのファッション性すらも失なわ
れるに至るが、それに反して本発明方法によるデニム織
物の経糸はその深部まで染色されている為、使用、洗濯
を繰り返しても長期間、その良好な外観、風合が保され
るのである。
″なお、上記の染色調整処理を、縫製前の織物に対して
行なうこともできるが、その場合は、裁断縫製後の構造
物における縫目を境として各構成布片の色相に差異が生
じ、商品価値を損なうことがあるため、本発明方法に規
定した通り、縫製後のデニム織物構造物に対して実施す
ることが好ましい。染着調整処理を行つたデニム織物構
造物は最後に乾燥される。
乾燥は自然乾燥でもよいが、顔料固着剤又はバインダー
の作用を確実にし、固着を完結させるために、130〜
150℃の温度の加熱雰囲気に曝して強制乾燥を行なう
ことが好ましい。乾燥された構造物は通常、アイロン掛
け等によりその外観を整えられるが、その際に前記固着
剤等のキュアリングを完結させることもできる。以上詳
述したように本発明方法にあつては着色材料として顔料
を用いるため、鮮明にしてガラフルな色相を以つて淡色
から濃色に至る迄の所望通りの色調に染め上げたデニム
用整経糸を容易に得ることができる。かかる整経糸を用
いて織成されたデニム織物は近来の服飾業界の要望に良
く応えることができる。又、この整経糸は全く未処理の
ままの状態の原糸が直接染色されてなるものであるから
、原糸の強度と自然の風合とが原状のまま保存されてお
り、製織性を高めるのみならず、製織されたデニム織物
も良好な風合と高い耐用命数とを具えた衣料品を提供す
ることができる利点がある。更に本発明方法における染
色浴の特定された処方と、特殊性能を有する搾液ロール
との組合せ及び顔料染浴でありながら故らにキュアリン
グを省略したこと等により未処理系条の内部迄適度に染
色され且つその顔料は繊維上に不完全固着状態に維持さ
れているから、かかる経糸を用い未染色原糸を緯糸とし
て製織されたデニム織物を用いて仕立てられた構造物は
之に適宜な湿潤下の物理.的処理即ち染色調整処理を施
すことにより、経糸顔料の一部脱落と緯糸への移染並び
に染着状態の均一化によつて極めて興趣ある外観と風合
を有するものとなる。かくして本発明方法は既往の同種
技術に比し、工程が著しく簡略化されることと相俟ち、
経済的並びに工業的に有利であり、省資源上の見地から
も有益である。
以下に本発明を実施例によつて具体的に説明するが、そ
れらによつて本発明が限定されるもので・はない。
実施例1 次の組成の染浴を調製した。
ヘリザリンブルーRT(西独BASF社製顔料)
30y1eヘリジリンバインダ
ー(西独BASF社製バインダー)
30y1eダツクアルギンNSPM(鴨
川化成工業製糊所) 5
f1eニューワックス14−P(日新化学研究所製平滑
剤) 30yIeエルカ
ントールAS(西独バイエル社製浸透剤)
5fI18番手の綿糸308鉢に適
宜な張力を与えて整経状に保持しながら、何等の予備処
理も施すことなく、上記の染浴に室温で3.醗浸漬通過
せしめ、特殊ゴムロールでピックアップ約6喧量%にな
るように均一に絞り、シリンダー乾燥機で120〜13
0℃、あ秒間乾燥した。
特殊ゴムロールは硬度501の軟質ゴム表面を有する駆
動ロールとスポンジ層を被覆捲回した従動ロールとを組
合せたものを用いた。又、乾燥度は70〜80%程度の
半乾燥状態であり、乾燥後のヤーンシートは、下記の組
成になり、かつ約50℃の温度に保持された糊付浴中を
3五秒通過し、糊付を行なつた。 糊付浴組成 コーンスターチ 30yIeヘリ
ザリンバインダーTS3OyI′ニューワックス14−
P3Oyle 糊付後、ニップロールで絞り、次いで乾燥機にて充分乾
燥し、ビームに捲取つた。
この間のヤーンシート走行速度は2CP7,/分であつ
た。次に、一方、比較のため、同じく8番手の綿糸30
8鉢に同様に張力を与えて整経状態に保持しながら予め
苛性ソーダ、公知の中性洗剤等、通常の精練剤が0.7
%、水99.3%よりなる通例の精練浴に通して予備処
理を施し、以後は全く前記と同様に処理してビームに捲
取り、比較糸を得た。これら両整経糸について夫々、処
理前の綿糸並びに処理後の糸を引き出し、引張強度、伸
度を調べたところ次の如くであつた。上表より見て平均
的に精練予備処理を行なう公知の場合は糊付による糸強
度の増加があるとしても、相当の低下を来たしているの
に対し、本発明方法によるときは強度の低下は見られず
、むしろ糊付による糸強度の増加が加味され、却つて僅
か増加する現象を現出し、デニム製品としての激しい使
用条件に耐えるのに好適であることが首肯さ−れる。
次に前記本発明によりビームに捲取つた整経糸を織布工
場に送り、8番手の未染色綿糸を緯糸に打込んで経×緯
が65.9×42本/吋で3ハ綾組識の織上幅略110
.5cmのデニム織物とした。
得られたデニム織物は常法により防縮加工機にて防縮加
工を施した上、小児用スラツクスに裁断縫製された。縫
製品は噴流逆転式機械洗濯機中にて、アマイド系フイツ
クス剤NS−1(一方社製)の20v′e濃度の水溶液
を用いて常温にて10分間1サイクルの洗濯操作を行な
うことにより染着度調整が行なわれた。即ち、かかる染
着度調整処理の間に物理的表面摩擦による顔料の一部脱
落と、経糸より緯糸への一部顔料の移染並びに経糸染斑
の均一化が行なわれ、これを130℃で5分間熱風乾燥
したところ、かなり着古した感じの特殊外観を有する淡
青色の、かつ良好な染色堅牢度を有する製品が得られた
。一方、特公昭46−20874号の実施例1記載の方
法により中白経糸を用いたデニム織物の対照品を作り、
それから採取した試料片と、上記本発明方法により得た
製品より採取した試料片とを学振型摩擦堅牢度試験機に
仕掛け、試験機の摩擦子を鉄ベーパーで覆つて摩擦試験
を行なつた。
摩擦子の5徊の往復により、対照品は中白部分が露出し
全面的にみすぼらしい感じに変つたが、本発明品は鮮明
な淡青色を保ち若干色調が薄くなつた程度であつた。実
施例2 前記実施例1における染浴組成の代りに下記組成のもの
を使用した。
ヘリザリングリーンBT(BASF社製顔料)
47fIeヘリザリンオレンジ
FLR(同上) 70y1eヘリザリンバインダー
TS3OyIeダツクルアルギンNSPM5fIIl ニューワックス14−P3OfIe エルカントールAS5gl′ 7番手の綿糸を整経ビーム6本より引き出し、総本数2
956X.で他は実施例1と同様の条件、操作にて処理
し、黄味がかつたグリーン色調の整経糸を得た。
この得られた経糸について5本を抜き出し、夫々につい
て引張強度及び伸度を実測したところ、引張強度は95
6y..I076y11245V11186y1115
2fであり、伸度は7.4%、9.8%、9.0%、7
.8%、10.4%であつた。これは予め実測した夫々
の処理前の糸の各強度918y11011V11216
y11032y11096f並びに各伸度8.0%、1
0.4%、9.5%、8.3%、10.8%と比較し、
糸強度が少し増加していることが窺知される。このこと
は通常の場合が、即ち通常、精練を行なう場合には番手
が約10%減少し、同時に精練作用の化学的損傷により
強度も約10%低下するのに対し、精練等の予備処理を
しないため数%の低下に止まり、却つて糊付を行なうこ
とによる糸強度の増加割合が低下分を上廻り、最終的に
糸強度の増加をもたらしたものと考えられ、本発明方法
では実質的に糸強度が何等、低下されないことが分る。
次に前記本発明により処理された整経糸を経糸とし、1
0番手の未染色綿糸を緯糸に用いて66.6本/吋×5
0本/吋、織上幅1150c!nの3ハ綾組識デニム織
物とした。
得られたデニム織物を前記実施例1の方法に準jじて処
理を行ない、着古した感じの特殊外観を有する黄緑色の
良好な染色堅牢度を有する製品が得られた。
この製品の試料片を作り学振型摩擦堅牢度試験機に仕掛
け、試験機の摩擦子の50回の往復を行なつたところ、
大して変化は見られず、若干色調は薄くなつたが鮮明な
黄緑色を保つていた。
実施例3 1幡手の綿糸で経糸総本数26錫本に合せ、かつ前記実
施例1における染浴組成の代りに次の組成のものを使用
し、他は実施例1に準じて処理を行なつた。
但し、染着調整処理の際にヘリザリンバインダー′YS
2Oyl′を併用した。ヘリザリンレツドBBT(BA
SF社製顔料) 5y1
eヘリザリンオレンジFLR5OfI′ ダツクアルギンNSPM5fle ニューワックス14−P3OyIe エルカントールAs5fle 得られた糸を経糸とし、14番手の未染色綿糸を緯糸に
打ち込み、前記実施例1に準じて処理を行ない赤味調の
橙色の製品が得られた。
実施例4 実施例1の8番手綿糸に代え、1旙手のポリエステル5
0%、綿50%からなる混紡糸を用いる他は、実施例1
に準じて処理することにより、同様の色調の製品を得た

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 綿繊維または綿繊維と他種繊維との混紡よりなる糸
    条を精練等の予備処理をすることなく未処理のまま多数
    条並列シート状に保持しつつ、少なくとも浸透剤と0〜
    30g/lのバインダーとを含有する顔料浴に浸漬して
    、顔料を糸条にその内部迄浸透付着せしめ、次いで中間
    乾燥を施すことによつて前記顔料を不完全固着状態とな
    し、更に糊付、乾燥を行なつた後、ビームに捲取り、該
    ビームを経糸として製織を行ない、得られた織布に防縮
    加工等の処理を施し、爾後縫製工程を経て染着調整処理
    により、経糸上の顔料を一部脱落させると共に緯糸に一
    部移染せしめることを特徴とする均一化された色相と興
    趣ある風合を備えたデニム織物構造物の製造方法。 2 顔料浴が1〜150g/lの顔料を含有する特許請
    求の範囲第1項記載のデニム織物構造物の製造方法。 3 バインダーとして自己架橋結合性ブタジエン共重合
    体又はブチルアクリレートを主成分とするものを用いる
    特許請求の範囲第1項又は第2項記載のデニム織物構造
    物の製造方法。 4 浸透剤が2〜6g/lの量、顔料浴に含有される特
    許請求の範囲第1項乃至第3項の何れか各項記載のデニ
    ム織物構造物の製造方法。 5 浸透剤として無機酸エステル系浸透剤を用いる特許
    請求の範囲第4項記載のデニム織物構造物の製造方法。 6 顔料浴が更に糊剤と繊維用表面平滑剤とを含む特許
    請求の範囲第1項乃至第5項の何れか各項記載のデニム
    織物構造物の製造方法。7 糊剤として粘度約300セ
    ンチポイズのアルギン酸ソーダ又はポリビニルアルコー
    ルを2〜6g/lの量用いる特許請求の範囲第6項記載
    のデニム織物構造物の製造方法。 8 繊維用表面平滑剤が30g/l以下の量含まれる特
    許請求の範囲第6項記載のデニム織物構造物の製造方法
    。 9 顔料を糸条内部まで浸透付着せしめる手段として軟
    質で弾性に富んだ表面材質の特殊ロールにて形成された
    ニップで搾液する特許請求の範囲第1項乃至第8項の何
    れか各項記載のデニム織物構造物の製造方法。 10 特殊ロールとして表面材質が硬度45〜55°の
    軟質ゴムであるものを用いる特許請求の範囲第9項記載
    のデニム織物構造物の製造方法。 11 特殊ロールとして駆動軸に硬度45〜55°の軟
    質ゴム被覆ロールを、従動軸にスポンジラバー被覆ロー
    ルを用いる特許請求の範囲第9項記載のデニム織物構造
    物の製造方法。 12 中間乾燥が温度120〜130℃で30〜40秒
    程度の条件で行なわれる特許請求の範囲第1項乃至第1
    1項記載のデニム織物構造物の製造方法。 13 糊付が約3重量%の糊剤と略々等量のバインダー
    と繊維用表面平滑剤とを含む糊浴を用いて行なわれる特
    許請求の範囲第1項乃至第12項記載のデニム織物構造
    物の製造方法。 14 染着調整処理が顔料固着剤を含有する水性浴中に
    デニム織物縫製品を浸漬し、流体的又は機械的撹拌操作
    を加えることからなる特許請求の範囲第1項乃至第13
    項の何れか各項に記載のデニム織物構造物の製造方法。 15 顔料固着剤としてアマイド系フイツクス剤を用い
    る特許請求の範囲第14項記載のデニム織物構造物の製
    造方法。16 顔料固着剤が5〜20g/lの量用いら
    れる特許請求の範囲第17項記載のデニム織物構造物の
    製造方法。 17 水性浴が更に顔料用バインダーを含有する特許請
    求の範囲第14項、第15項又は第16項記載のデニム
    織物構造物の製造方法。 18 顔料用バインダーが10〜30g/lの量用いら
    れる特許請求の範囲第17項記載のデニム織物構造物の
    製造方法。
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