JP2977546B1 - 合成系繊維材料用抜染剤、抜染加工方法および抜染加工合成系繊維材料 - Google Patents
合成系繊維材料用抜染剤、抜染加工方法および抜染加工合成系繊維材料Info
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Abstract
【要約】
【課題】 糊剤の限定や印捺糊中の染料の変色を無く
し、鮮明な色相を有する柄の形成と印捺模様の型際の極
めてシャープな模様を提供し、加えて抜蝕効果を有する
ことにより、起毛品においては型際の極めてシャープな
凹凸模様を有する、意匠性に優れた抜染加工合成系繊維
材料を、極めて安全に製造することのできる抜染剤およ
び抜染方法を提供する。 【解決手段】 炭酸グアニジンおよび吸着性物質を含有
する合成系繊維材料用抜染剤、炭酸グアニジンおよび吸
着性物質を含有する抜染剤を用いる合成系繊維材料の抜
染加工方法、および炭酸グアニジンおよび吸着性物質を
含有する抜染剤を用いて抜染加工された合成系繊維材
料。
し、鮮明な色相を有する柄の形成と印捺模様の型際の極
めてシャープな模様を提供し、加えて抜蝕効果を有する
ことにより、起毛品においては型際の極めてシャープな
凹凸模様を有する、意匠性に優れた抜染加工合成系繊維
材料を、極めて安全に製造することのできる抜染剤およ
び抜染方法を提供する。 【解決手段】 炭酸グアニジンおよび吸着性物質を含有
する合成系繊維材料用抜染剤、炭酸グアニジンおよび吸
着性物質を含有する抜染剤を用いる合成系繊維材料の抜
染加工方法、および炭酸グアニジンおよび吸着性物質を
含有する抜染剤を用いて抜染加工された合成系繊維材
料。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、抜蝕効果を有する
合成系繊維材料用抜染剤、抜染加工方法および抜染加工
された合成系繊維材料に関する。
合成系繊維材料用抜染剤、抜染加工方法および抜染加工
された合成系繊維材料に関する。
【０００２】
【従来の技術】ポリエステル系繊維の抜染加工におい
て、アルカリ剤を用いる抜染加工では、炭酸ソーダ、炭
酸カリ、第三リン酸カリ、水酸化ナトリウム、ケイ酸ソ
ーダ、第三リン酸ソーダ等を抜染剤として印捺付着させ
た後、熱処理して抜染模様を形成させる方法が知られて
いる。
て、アルカリ剤を用いる抜染加工では、炭酸ソーダ、炭
酸カリ、第三リン酸カリ、水酸化ナトリウム、ケイ酸ソ
ーダ、第三リン酸ソーダ等を抜染剤として印捺付着させ
た後、熱処理して抜染模様を形成させる方法が知られて
いる。
【０００３】しかしながら、アルカリ金属水酸化物を用
いる方法では使用できる糊剤が耐アルカリ性のあるもの
に限られ、また所望の効果を得るためにはアルカリ剤を
多量に使用することもあり、印捺糊の安定性や流動性に
影響が生じ、型際のシャープさに欠ける等の問題が起こ
り、満足な印捺柄が得られない。また、印捺糊に染料を
含有させ、印捺部のポリエステル繊維を染色する際に
は、従来のアルカリ金属水酸化物の抜染剤を用いた印捺
糊に染料を含有させると、染料が変色し、満足する色相
が得られないという問題がある。
いる方法では使用できる糊剤が耐アルカリ性のあるもの
に限られ、また所望の効果を得るためにはアルカリ剤を
多量に使用することもあり、印捺糊の安定性や流動性に
影響が生じ、型際のシャープさに欠ける等の問題が起こ
り、満足な印捺柄が得られない。また、印捺糊に染料を
含有させ、印捺部のポリエステル繊維を染色する際に
は、従来のアルカリ金属水酸化物の抜染剤を用いた印捺
糊に染料を含有させると、染料が変色し、満足する色相
が得られないという問題がある。
【０００４】さらに、上記に述べられている従来の方法
では、印捺する抜染色糊は危険なものが多く、特にアル
カリ金属水酸化物を抜染色糊に使用するにあたっては作
業の際に特段の注意を要する。
では、印捺する抜染色糊は危険なものが多く、特にアル
カリ金属水酸化物を抜染色糊に使用するにあたっては作
業の際に特段の注意を要する。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のアル
カリ抜染におけるアルカリ剤の使用をやめることによ
り、糊剤の限定や印捺糊中の染料の変色を無くし、鮮明
な色相を有する柄の形成と印捺模様の型際の極めてシャ
ープな模様を提供し、加えて抜蝕効果を有することによ
り、起毛品においては型際の極めてシャープな凹凸模様
を有する、意匠性に優れた抜染加工合成系繊維材料を、
極めて安全に製造することのできる抜染剤および抜染方
法を提供することを目的になされたものである。
カリ抜染におけるアルカリ剤の使用をやめることによ
り、糊剤の限定や印捺糊中の染料の変色を無くし、鮮明
な色相を有する柄の形成と印捺模様の型際の極めてシャ
ープな模様を提供し、加えて抜蝕効果を有することによ
り、起毛品においては型際の極めてシャープな凹凸模様
を有する、意匠性に優れた抜染加工合成系繊維材料を、
極めて安全に製造することのできる抜染剤および抜染方
法を提供することを目的になされたものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討を重ねた結果、抜染成分として炭
酸グアニジンを用いることにより、従来の問題点を解決
でき、さらに抜蝕効果も付与できることを見出し、この
知見に基づき本発明を完成させた。すなわち、本発明
は、炭酸グアニジンおよび吸着性物質を含有する合成系
繊維材料用抜染剤、炭酸グアニジンおよび吸着性物質を
含有する抜染剤を用いる合成系繊維材料の抜染加工方
法、および炭酸グアニジンおよび吸着性物質を含有する
抜染剤を用いて抜染加工された合成系繊維材料を提供す
る。
解決するため鋭意検討を重ねた結果、抜染成分として炭
酸グアニジンを用いることにより、従来の問題点を解決
でき、さらに抜蝕効果も付与できることを見出し、この
知見に基づき本発明を完成させた。すなわち、本発明
は、炭酸グアニジンおよび吸着性物質を含有する合成系
繊維材料用抜染剤、炭酸グアニジンおよび吸着性物質を
含有する抜染剤を用いる合成系繊維材料の抜染加工方
法、および炭酸グアニジンおよび吸着性物質を含有する
抜染剤を用いて抜染加工された合成系繊維材料を提供す
る。
【０００７】
【発明の実施の形態】本発明の抜染剤は、炭酸グアニジ
ンおよび吸着性物質を抜染成分として含有するものであ
り、その形態としては、例えば、炭酸グアニジンと吸着
性物質との混合物、糊ペースト中に炭酸グアニジンと吸
着性物質とを混合したもの等が挙げられ、この抜染剤を
元糊に配合することによって印捺糊とすることができ
る。その配合量は、抜染の対象となる合成系繊維材料の
種類および目標とする抜染の程度によって適宜選択すれ
ばよく、特に限定されるものではないが、印捺糊中に炭
酸グアニジンが０．１〜５０重量％、好ましくは０．５
〜４０重量％配合されていればよく、かかる範囲で十分
な抜染効果が得られる。
ンおよび吸着性物質を抜染成分として含有するものであ
り、その形態としては、例えば、炭酸グアニジンと吸着
性物質との混合物、糊ペースト中に炭酸グアニジンと吸
着性物質とを混合したもの等が挙げられ、この抜染剤を
元糊に配合することによって印捺糊とすることができ
る。その配合量は、抜染の対象となる合成系繊維材料の
種類および目標とする抜染の程度によって適宜選択すれ
ばよく、特に限定されるものではないが、印捺糊中に炭
酸グアニジンが０．１〜５０重量％、好ましくは０．５
〜４０重量％配合されていればよく、かかる範囲で十分
な抜染効果が得られる。
【０００８】本発明で用いられる吸着物質としては、従
来より吸着物質として用いられているものを使用するこ
とができ、例えば、タルク、カオリン等の鉱産物、酸化
アルミニウム等の金属酸化物、活性炭、セラミックス、
金属粉末等が挙げられる。本発明の抜染剤は、通常、元
糊に配合した印捺糊の形に調整して使用される。印捺糊
を調整するための元糊としては特に限定されず、通常の
各種印捺糊に用いられる元糊を適宜選択して用いること
ができる。例えば、デンプン、アラビアゴム、クリスタ
ルゴム、タマリンド、アルギン酸ソーダ等の天然糊料、
カルボキシメチル繊維素ソーダ、プロピオキシセルロー
ス、アルギン酸エステル、グアガムエチレンオキサイド
付加物、エチルセルロース、メチルセルロース、ブリテ
ィッシュガム等の加工糊料、ポリアクリル酸塩、ポリア
クリル酸誘導体、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸エステル
−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルブチラール、ポリウレタン、ポリマレイン酸共重合
体塩、非イオン界面活性剤等の合成糊料や合成樹脂エマ
ルジョン、珪藻土、ケイ酸コロイド等の無機系糊料など
の各種糊料を、各々単独であるいは２種以上を混合し
て、糊料として用い、これを水または有機溶剤に加えて
溶液または分散液としたもの、水と石油系溶剤との粘液
エマルジョンとしたもの、前記２者の混合物など、従来
から用いられている元糊を使用することができる。
来より吸着物質として用いられているものを使用するこ
とができ、例えば、タルク、カオリン等の鉱産物、酸化
アルミニウム等の金属酸化物、活性炭、セラミックス、
金属粉末等が挙げられる。本発明の抜染剤は、通常、元
糊に配合した印捺糊の形に調整して使用される。印捺糊
を調整するための元糊としては特に限定されず、通常の
各種印捺糊に用いられる元糊を適宜選択して用いること
ができる。例えば、デンプン、アラビアゴム、クリスタ
ルゴム、タマリンド、アルギン酸ソーダ等の天然糊料、
カルボキシメチル繊維素ソーダ、プロピオキシセルロー
ス、アルギン酸エステル、グアガムエチレンオキサイド
付加物、エチルセルロース、メチルセルロース、ブリテ
ィッシュガム等の加工糊料、ポリアクリル酸塩、ポリア
クリル酸誘導体、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸エステル
−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルブチラール、ポリウレタン、ポリマレイン酸共重合
体塩、非イオン界面活性剤等の合成糊料や合成樹脂エマ
ルジョン、珪藻土、ケイ酸コロイド等の無機系糊料など
の各種糊料を、各々単独であるいは２種以上を混合し
て、糊料として用い、これを水または有機溶剤に加えて
溶液または分散液としたもの、水と石油系溶剤との粘液
エマルジョンとしたもの、前記２者の混合物など、従来
から用いられている元糊を使用することができる。
【０００９】上記元糊中には、本発明の抜染剤以外に
も、必要に応じて染料、顔料、界面活性剤、還元防止
剤、金属イオン封鎖剤、増量剤、吸湿剤、浸透剤、電解
質、油脂、蛍光増白剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤等、通常の染色用薬剤を適宜配合することができ
る。配合できる染料としては、任意の染料を用いること
ができが、特に好ましくはアルカリに耐え得る染料でキ
ノン系、キノフタロン系の分散染料や反応染料が用いら
れる。
も、必要に応じて染料、顔料、界面活性剤、還元防止
剤、金属イオン封鎖剤、増量剤、吸湿剤、浸透剤、電解
質、油脂、蛍光増白剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤等、通常の染色用薬剤を適宜配合することができ
る。配合できる染料としては、任意の染料を用いること
ができが、特に好ましくはアルカリに耐え得る染料でキ
ノン系、キノフタロン系の分散染料や反応染料が用いら
れる。
【００１０】布帛への印捺糊の印捺は、従来より行われ
ている任意の方法によって行うことができ、模様等の部
分印捺からほぼ全面の印捺まで任意に印捺することがで
きる。また、他の印捺部と一部を重ねて印捺してもよ
い。次に、必要に応じて予備乾燥した後、乾熱または湿
熱処理を施す。これらの処理を行う方法は、特に限定さ
れず、例えば、乾熱処理法としてはオーブンや乾燥機を
用いてベーキングを施す方法や熱プレス機を用いてベー
キングを施す方法等を採用することができ、湿熱処理法
としてはＨＴスチーマー等を用いてスチーミングを施す
方法などを採用できる。処理条件については、対象とな
る合成系繊維材料の種類によっても異なり、一概には言
えないが、いずれの方法においても９０〜２００℃程度
の温度で３０秒〜３０分程度の処理を行えば好ましい効
果を得ることができる。その後、必要に応じて、処理材
料に水洗、ソーピング等の後処理を施し、乾燥する。
ている任意の方法によって行うことができ、模様等の部
分印捺からほぼ全面の印捺まで任意に印捺することがで
きる。また、他の印捺部と一部を重ねて印捺してもよ
い。次に、必要に応じて予備乾燥した後、乾熱または湿
熱処理を施す。これらの処理を行う方法は、特に限定さ
れず、例えば、乾熱処理法としてはオーブンや乾燥機を
用いてベーキングを施す方法や熱プレス機を用いてベー
キングを施す方法等を採用することができ、湿熱処理法
としてはＨＴスチーマー等を用いてスチーミングを施す
方法などを採用できる。処理条件については、対象とな
る合成系繊維材料の種類によっても異なり、一概には言
えないが、いずれの方法においても９０〜２００℃程度
の温度で３０秒〜３０分程度の処理を行えば好ましい効
果を得ることができる。その後、必要に応じて、処理材
料に水洗、ソーピング等の後処理を施し、乾燥する。
【００１１】本発明による抜染加工された合成系繊維材
料には、当然ながら、抜染加工後に通常の染色または捺
染加工を施すこともできる。抜染加工での柄、色相とさ
らなる染色または捺染加工での柄、色相との組み合わせ
によって多種多様の高度の意匠効果を付与することも可
能である。本発明に用いられる合成系繊維材料として
は、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、およびこれら
の繊維と綿、レーヨン、絹、アセテート等との複合繊維
を素材とした、織物、編物、起毛布、不織布等が挙げら
れる。
料には、当然ながら、抜染加工後に通常の染色または捺
染加工を施すこともできる。抜染加工での柄、色相とさ
らなる染色または捺染加工での柄、色相との組み合わせ
によって多種多様の高度の意匠効果を付与することも可
能である。本発明に用いられる合成系繊維材料として
は、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、およびこれら
の繊維と綿、レーヨン、絹、アセテート等との複合繊維
を素材とした、織物、編物、起毛布、不織布等が挙げら
れる。
【００１２】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではな
い。実施例、比較例中の「部」は「重量部」を表す。 試験布の作成 供試布：ポリエステル起毛布（白布、精練上がり） 染色浴：染料（C.I. Dispers Blue 73） １．０％o.w.f. ＲＭ−ＥＸ（分散均染剤、日華化学（株）製） ０．５g/リットル ９０％酢酸 ０．１g/リットル 浴 比：１：２０ 染色条件：２℃／分で昇温し、１３０℃で３０分保持 その後、水洗、ソーピングし、乾燥して試験布とする。
るが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではな
い。実施例、比較例中の「部」は「重量部」を表す。 試験布の作成 供試布：ポリエステル起毛布（白布、精練上がり） 染色浴：染料（C.I. Dispers Blue 73） １．０％o.w.f. ＲＭ−ＥＸ（分散均染剤、日華化学（株）製） ０．５g/リットル ９０％酢酸 ０．１g/リットル 浴 比：１：２０ 染色条件：２℃／分で昇温し、１３０℃で３０分保持 その後、水洗、ソーピングし、乾燥して試験布とする。
【００１３】実施例１ ニッカガムＡＬ（アルギン酸ソーダ、日華化学（株）
製）３部、水５７部からなる元糊６０部に、炭酸グアニ
ジン１５部、活性炭１０部、分散染料（Ｃ．Ｉ．Ｄｉｓ
ｐｅｒｓｅ Ｒｅｄ ９２））２部、水１３部を混合
し、赤色の印捺糊を調製した。前記の青色に染色された
ポリエステル起毛布上にこの印捺糊を柄状に印捺し、乾
燥した。次いで、ＨＴスチーマー（ＨＴ−３−５５０
型：辻井染機工業（株）製）を用いて１８０℃で７分間
のスチーミング処理を施し、その後、水洗、ソーピング
を経て乾燥した。印捺糊のポリエステル起毛布に対する
付着率は、平均１２０重量％であった。
製）３部、水５７部からなる元糊６０部に、炭酸グアニ
ジン１５部、活性炭１０部、分散染料（Ｃ．Ｉ．Ｄｉｓ
ｐｅｒｓｅ Ｒｅｄ ９２））２部、水１３部を混合
し、赤色の印捺糊を調製した。前記の青色に染色された
ポリエステル起毛布上にこの印捺糊を柄状に印捺し、乾
燥した。次いで、ＨＴスチーマー（ＨＴ−３−５５０
型：辻井染機工業（株）製）を用いて１８０℃で７分間
のスチーミング処理を施し、その後、水洗、ソーピング
を経て乾燥した。印捺糊のポリエステル起毛布に対する
付着率は、平均１２０重量％であった。
【００１４】かくして得られたポリエステル起毛布は、
印捺部が抜蝕され、抜染されたことにより、凹部が赤色
に染色され、凸部の青色が残った立体柄を呈するもので
あった。 実施例２ 実施例１において、活性炭１０部に代えてカオリン１０
部を用いた以外は、実施例１と同様にして抜染加工し
た。
印捺部が抜蝕され、抜染されたことにより、凹部が赤色
に染色され、凸部の青色が残った立体柄を呈するもので
あった。 実施例２ 実施例１において、活性炭１０部に代えてカオリン１０
部を用いた以外は、実施例１と同様にして抜染加工し
た。
【００１５】かくして得られたポリエステル起毛布は、
実施例１と同様であり、印捺部が抜蝕され、抜染された
ことにより、凹部が赤色に染色され、凸部の青色が残っ
た立体柄を呈するものであった。 実施例３ ニッカガム３Ａ（加工澱粉、日華化学（株）製）６部、
水５４部からなる元糊６０部に、炭酸グアニジン１５
部、カオリン１０部、分散染料（Ｃ．Ｉ． Ｄｉｓｐｅ
ｒｓｅ Ｒｅｄ ９２）２部、水１３部を混合し、赤色
の印捺糊を調製した。前記の青色に染色されたポリエス
テル起毛布上にこの印捺糊を柄状に印捺し、乾燥した。
次いで、ＨＴスチーマー（ＨＴ−３−５５０型：辻井染
機工業（株）製）を用いて１８０℃で７分間のスチーミ
ング処理を施し、その後、水洗、ソーピングを経て乾燥
した。印捺糊のポリエステル起毛布に対する付着率は、
平均１１０重量％であった。
実施例１と同様であり、印捺部が抜蝕され、抜染された
ことにより、凹部が赤色に染色され、凸部の青色が残っ
た立体柄を呈するものであった。 実施例３ ニッカガム３Ａ（加工澱粉、日華化学（株）製）６部、
水５４部からなる元糊６０部に、炭酸グアニジン１５
部、カオリン１０部、分散染料（Ｃ．Ｉ． Ｄｉｓｐｅ
ｒｓｅ Ｒｅｄ ９２）２部、水１３部を混合し、赤色
の印捺糊を調製した。前記の青色に染色されたポリエス
テル起毛布上にこの印捺糊を柄状に印捺し、乾燥した。
次いで、ＨＴスチーマー（ＨＴ−３−５５０型：辻井染
機工業（株）製）を用いて１８０℃で７分間のスチーミ
ング処理を施し、その後、水洗、ソーピングを経て乾燥
した。印捺糊のポリエステル起毛布に対する付着率は、
平均１１０重量％であった。
【００１６】かくして得られたポリエステル起毛布は、
実施例１と同様であり、印捺部が抜蝕され、抜染された
ことにより、凹部が赤色に染色され、凸部の青色が残っ
た立体柄を呈するものであった。 比較例１ 実施例３において、炭酸グアニジン１５部に代えて４８
％水酸化ナトリウム水溶液１５部を用いた以外は、実施
例３と同様にして抜染加工した。
実施例１と同様であり、印捺部が抜蝕され、抜染された
ことにより、凹部が赤色に染色され、凸部の青色が残っ
た立体柄を呈するものであった。 比較例１ 実施例３において、炭酸グアニジン１５部に代えて４８
％水酸化ナトリウム水溶液１５部を用いた以外は、実施
例３と同様にして抜染加工した。
【００１７】この加工では、抜染加工されたポリエステ
ル起毛布は得られたが、抜染部のエッジングが不十分で
あり、赤色の変色も大きいものであった。水酸化ナトリ
ウムの添加量を増やすと、エッジング効果は大きくなっ
たものの、印捺糊の粘度が保てなくなった。
ル起毛布は得られたが、抜染部のエッジングが不十分で
あり、赤色の変色も大きいものであった。水酸化ナトリ
ウムの添加量を増やすと、エッジング効果は大きくなっ
たものの、印捺糊の粘度が保てなくなった。
【００１８】
【発明の効果】本発明によれば、型際のシャープな模様
および凹凸模様を有し、また色糊中の染料変色がなく、
鮮明な色相を有する柄部が形成され、意匠性に優れた抜
染加工合成系繊維材料を簡易に、かつ、安全に提供でき
る。
および凹凸模様を有し、また色糊中の染料変色がなく、
鮮明な色相を有する柄部が形成され、意匠性に優れた抜
染加工合成系繊維材料を簡易に、かつ、安全に提供でき
る。
Claims (7)
- 【請求項１】 炭酸グアニジンおよび吸着性物質を含有
する合成系繊維材料用抜染剤。 - 【請求項２】 炭酸グアニジンおよび吸着性物質を含有
する抜染剤を用いる合成系繊維材料の抜染加工方法。 - 【請求項３】 炭酸グアニジンおよび吸着性物質を含有
する印捺糊を用いる合成系繊維材料の抜染加工方法。 - 【請求項４】 炭酸グアニジンが印捺糊中に０．１〜５
０．０重量％の量で含まれる請求項２または３記載の方
法。 - 【請求項５】 印捺糊を印捺し、次いで乾熱処理または
湿熱処理を施す、請求項２〜４のいずれかに記載の方
法。 - 【請求項６】 合成系繊維材料がポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維またはこれらの繊維と他の繊維との複合繊
維からなる、請求項２〜５のいずれかに記載の方法。 - 【請求項７】 炭酸グアニジンおよび吸着性物質を含有
する抜染剤を用いて抜染加工された合成系繊維材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10268143A JP2977546B1 (ja) | 1998-09-22 | 1998-09-22 | 合成系繊維材料用抜染剤、抜染加工方法および抜染加工合成系繊維材料 |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10268143A JP2977546B1 (ja) | 1998-09-22 | 1998-09-22 | 合成系繊維材料用抜染剤、抜染加工方法および抜染加工合成系繊維材料 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2977546B1 true JP2977546B1 (ja) | 1999-11-15 |
| JP2000096461A JP2000096461A (ja) | 2000-04-04 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP10268143A Expired - Fee Related JP2977546B1 (ja) | 1998-09-22 | 1998-09-22 | 合成系繊維材料用抜染剤、抜染加工方法および抜染加工合成系繊維材料 |
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|---|---|
| JP (1) | JP2977546B1 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP3699355A1 (en) * | 2019-02-22 | 2020-08-26 | The Hong Kong Research Institute of Textiles and Apparel Limited | Methods and systems for decolorizing textile materials |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1645603A4 (en) * | 2003-07-15 | 2007-01-24 | Seiren Co Ltd | 3-D PATTERN FORMING INK INK, USE THEREOF, AND 3-D PATTERN THROUGH THIS |
| CN1860191A (zh) * | 2003-09-30 | 2006-11-08 | 世联株式会社 | 喷墨用拔染油墨与拔染加工的聚酯系纤维布的制造方法 |
| JP4563666B2 (ja) * | 2003-10-24 | 2010-10-13 | セーレン株式会社 | 模様が形成された繊維布帛の製造方法 |
| JP2007154354A (ja) * | 2005-12-05 | 2007-06-21 | Dainippon Ink & Chem Inc | 合成繊維起毛布の加工方法及び表面加工した合成繊維起毛布 |
| KR101162253B1 (ko) | 2009-06-23 | 2012-07-03 | 태광개발(주) | 발염제 제조방법 및 발염제 조성물 |
-
1998
- 1998-09-22 JP JP10268143A patent/JP2977546B1/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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