JP3799567B2 - 内巻き式消火栓装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トンネル等に配設される内巻き式消火栓装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内巻き式消火栓装置では、消火栓箱の中にホース格納箱が設けられている。このホース格納箱の前面には、ホース取出口が設けられているが、この取出口は、ホース収納及びホース引出ができる大きさに形成されている。ホース格納箱内には、外側から内側に向かって円形に巻き込まれたホースが収納されている。火災発生時には前記消火栓箱の前傾扉をあけてホース先端のノズルを握り、ホース取出口を介してホースを引き出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
トンネル等の側壁に内巻き式消火栓装置を設ける場合、路面から所定の高さ、例えば、70cm〜100cmに配設されると、前傾扉を開けて放水のため消火栓弁を開放してホースを少しでも引き出すしたときには、ホース内の水の重量で上側のホースが落下する様にしながら路面側に引っ張られるため、ホースが必要以上に飛び出してしまう。
この飛び出したホースが路面で絡んだり、又、消火栓装置の直前に車両が停車している場合には、該車両の下にもぐり込み消火活動に支障をきたす恐れがある。特に、放水中は消火水が充填されて、ホースが内圧により真っ直ぐになろうとする力と水の重量とによりその弊害は顕著となる。
【0004】
そこで、前記ホースの飛び出しを規制するため、ホース取出口の開口面積を小さくすることが考えられる。
しかし、この開口面積はホースの収納し易さと引き出し易さの両方を考慮して決定されているので、この開口面積を小さくすると、ホースの収納作業に支障をきたすことになる。
そのため、前記開口面積を小さくすることはできず、結局ホースを引き出すのには大きすぎる開口面積とせざるを得ない。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、ホースの飛び出しを規制することを目的とする。
【0006】
この発明は、壁面の所定高さに設置され、消火栓箱に内蔵されたホース収納箱と、該ホース収納箱の前面に設けられたホース取出口と、を備えた内巻き式消火栓装置であって;前記ホース取出口の上側に、ばねにより閉方向に付勢されて、前記ホース収納箱の前面に固定し、消火用ホースの移動を規制するブレーキ扉を設け、前記ブレーキ扉は、前記ホース取出口の上部を覆う共に、前記消火用ホースをホース収納箱に収納するときに、ステーによって全開に支持されるものであることを特徴とする。
【0007】
この発明のブレーキ扉はその下端部に、円弧状押さえ部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、ホース取出口にブレーキ扉又は着脱可能なブレーキ回転リングを設け、ホース引き出しの際に開口面積を狭めることによって、ホースの移動にブレーキをかけて飛び出しを規制するものである。
又、ホース収納時には、ブレーキ扉を開放又はブレーキ回転リングを除去してホース取出口を元の開口面積に戻し、ホースの収納作業がしやすい様にするものである。
【0009】
【実施例】
この発明の第1実施例を図1、図2により説明する。
トンネルの側壁1に内巻き式消火栓装置2が設けられている。
この消火栓装置2は、路面3より所定の高さ、例えば、70cm〜100cmの位置に配設されており、消火栓箱5と、該消栓箱5内に配設されたホース格納箱6とを備えている。
【0010】
消火栓箱5の前面には、前傾扉7が設けられ、又、ホース格納箱6の前面にはホース取出口10が設けられている。
【0011】
このホース取出口10は、下半分10aが半円状に形成され、その上半分10bは長方形状に形成されている。ホース取出口の下半分10aの周縁部には、パイプ11が張設されている。
【0012】
ホース取出口の上半分10bは、ブレーキ扉12により覆われている。
このブレーキ扉12は図示しないばねにより閉方向に不勢されており、その上端は、蝶番13を介してホース格納箱6の前面6aに固定され、その側部はステー14を介してホース格納箱6の前面6aに固定されている。
このブレーキ扉12の下端部には、円弧状の押さえ部15が形成され、該押さえ部15の周縁部にはパイプ16が張設されている。
【0013】
前記下半分10aのパイプ11と、ブレーキ扉12の押さえ部のパイプ16とによりホース取出口10は、ほぼ楕円形状に開口となり、開口面積が挟められる。
【0014】
ホース格納箱6内には、外側から内側に向かって巻き込まれたホース20が収納され、その先端20aにはノズル21が設けられている。
【0015】
次に、本実施例の作動について説明する。
消火の際、前傾扉7を手前に引いて開けた後、ノズル21を握り、ホース20を引き出すと、該ホース20はホース取出口10から出てくる。
【0016】
この時、ブレーキ扉12は図示しないばねの力によって閉まっているので、該ホースはその上面20uをパイプ16で押さえられ、通常に引き出すときには、制動力を受けながら出てくる。
その為、該ホース20は必要以上に飛び出すことはない。
なお、引っ掛かりなどでホース20を力強く引いた場合には、図示しないばねの力に対抗してブレーキ扉12がスイングするので、該扉に無理な力が加わることなく円滑にホースの出具合いを制御できる。
【0017】
放水中、ホース20には内圧により真っ直ぐになろうとする力が働き、ホース20の下面20dは前傾扉12の先端12aに圧接され摩擦力を受ける。
そのため、該ホース20は前記摩擦力による制動力を受け、ここでもその移動を規制される。
【0018】
消火作業終了後、ホース20を格納箱6に収納する時にはブレーキ扉12を上方に回して開扉し、ホース取出口10を全開にする。この時、ブレーキ扉12はステー14で支持されているので、閉まることはない。
そして、格納箱6にホース20を収納した後は、再度ブレーキ扉12を閉じ、開口面積が狭められる。
【0019】
この発明の第2実施例を図3により説明する。
この実施例と第1実施例との相違点はブレーキ扉12の下端部に円弧状の押さえ部を形成する代わりに、その円弧状の押さえ部を省略し、その下端に直筒パイプ25を張設したことである。この様にすると、該ホース20を引き出す時のホース取出口は半円状になり、第1実施例に比べ開口面積が狭くなるので、ホース20への制動力はより大きくなる。
【0020】
この発明の第3実施例を図4により説明する。この実施例と第1実施例との相違点はブレーキ扉を設ける代わりに、着脱自在なブレーキ回転リング30を設けることである。
【0021】
このブレーキ回転リング30は三角形状の支持リング33と、該支持リング33に挿着されたパイプ34と、該支持リング33とホース格納箱6とを連結する取付バンド35と、から構成されている。この取付バンド35は、図示しない着脱手段を介してホース格納箱6に着脱される。このブレーキ回転リング30はホース20の移動を規制すると共に、ホースのガイドともなる。
【0022】
この着脱手段は、例えば、格納箱6の外側に爪部を形成して取付ハンドル35の端部に引掛リングを設ければ良く、構造として内部のホース20が引っ掛かるような内側に突出しないものが好ましい。
【0023】
次に、第3実施例の作動について説明する。
第1の実施例と同様、消火の際、前傾扉7を手前に引いて開いた後、ノズル21を握りホース20を引き出すと、該ホース20はホース取出口10から出てくる。このとき、ホース取出口10にはブレーキ回転リング30が設けられているので、該ホース20は回転するパイプ34によって制動力を受けながら出てくる。そのため、ホース20は必要以上に飛び出さない。
【0024】
なお、ブレーキ回転リング30による開口度合が小さいので、パイプ34を回転するようにしているが、パイプ34の表面の摩擦力が小さければ回転は必要でなく、また、開口度合を大きくしてホース20への制動力を調整しても良い。
【0025】
また、消火作業終了後ホース20を格納箱6に収納するときには、ブレーキ回転リング30を外してホース取出口10を全開にする。
そして、ホース20を完全に収納した後に、ブレーキ回転リング30を元に戻し、次の使用時に制動をかけられる様にしておく。
このとき、ブレーキ回転リング30はホース20を通したままでよいが、リング自体を開放可能としてホース20から外せるようにしても良い。
【0026】
この発明の第4実施例を図5により説明する。この実施例と第3実施例(図4)との相違点は、次の通りである。
(1)ブレーキ回転リング40の支持リング43を三角形状にする代わりに、6角形状にしたこと、
【0027】
(2)該支持リング43を上下一対の取付バンドでホース格納箱に着脱する代わりに、上の取付バンド45a、45bを左右一組にし、又、下の取付バンド46a、46bを左右一組にしたこと。
【0028】
この発明の実施例は上記に限定されるものではなく、例えば、ホース取出口10及びブレーキ扉12の形状、大きさ等は必要に応じて適宜選択される。
また、ブレーキ回転リングの支持リング及び取付バンドの形状、大きさ等も必要に応じて適宜選択される。
なお、内巻き式消火栓装置は、トンネル以外にも用いることが出来ることは勿論である。
【0029】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成したので、ホース引き出しの際にはホース開口面積を狭くすることが出来る。そのため、ホースに制動力が働くので、従来例の様に、必要以上にホースが出ることはない。
【0030】
また、ホースをホース格納箱に収納する場合には、ホース引き出しの際に狭くなっていたホース取出口を元の開口面積にすることができる。そのため、ホース収納作業を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】同図の正面図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す図で、ブレーキ扉の正面図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す要部正面図である。
【図5】本発明の第4実施例を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
2 内巻き式消火栓装置
5 消火栓箱
6 ホース格納箱
10 ホース取出口
11 パイプ
12 ブレーキ扉

Claims (2)

  1. 壁面の所定高さに設置され、消火栓箱に内蔵されたホース収納箱と、該ホース収納箱の前面に設けられたホース取出口と、を備えた内巻き式消火栓装置であって;
    前記ホース取出口の上側に、ばねにより閉方向に付勢されて、前記ホース収納箱の前面に固定し、消火用ホースの移動を規制するブレーキ扉を設け、
    前記ブレーキ扉は、前記ホース取出口の上部を覆う共に、前記消火用ホースをホース収納箱に収納するときに、ステーによって全開に支持されるものであることを特徴とする内巻き式消火栓装置。
  2. ブレーキ扉の下端部に、円弧状押さえ部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の内巻き式消火栓装置。
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