JPH1019360A - 船舶における通風筒の非常閉鎖装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 船舶の居住区等の室壁に設けられた通風筒の
非常閉鎖装置であって、室外から簡単、安全な操作で、
即時に閉鎖することができる閉鎖装置を提供することに
ある。 【解決手段】 船舶の居住区等の室壁に設けられた通風
筒の開閉カバーを通風筒の壁面に回動自在に取り付け、
該開閉カバーの一端にバランスウエートを取り付けると
共に、他端にはロープを固縛し、このロープを解き放ち
あるいは切断することによって即時に通風筒を閉鎖する
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、船舶における室壁
に設けられる通風筒の非常閉鎖装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】船舶の居住区や機関室には室内に外気を
取り入れるため、室壁に通風筒が設けられている。この
通風筒には、室内に火災が発生した場合等非常時には室
内に外気の侵入を遮断するための装置を装備しなければ
ならない。

【０００３】このため、通風筒には通風口である外開口
部を覆うカバーを備えたものが知られているが、従来の
カバーは図４に示すように通風筒１に対し人手でカバー
２を押し当て閉鎖状態として、蝶ねじ３等で固定するよ
うになっている。この作業は繁雑な操作を要すると共
に、非常時に時間のかかる作業であった。

【０００４】又、通風筒が高所に在る場合は図４の
（Ａ）に示すように梯子４等の交通手段がまた必要であ
り、安全面、コスト面での問題が指摘されていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、船舶の室壁
に設けられた通風筒の非常閉鎖装置であって、室外から
操作でき、操作が簡単であり、安全に操作でき、即時に
閉鎖することができる閉鎖装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、船舶の居住区
等の室壁に設けられた通風筒の開閉カバーを通風筒の壁
面に回動自在に取り付け、該開閉カバーの一端にバラン
スウエートを取り付けると共に、他端にはロープを固縛
し、このロープを室壁等に設けた止め金具に固定してお
き、火災等の非常時にはロープを解き放ちあるいは切断
することにより極めて短時間のうちに通風筒を閉鎖する
ようにした。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図１乃至図３に沿い本発明
の実施の形態について説明する。図１は本発明の概要を
示す斜視図である。１は室壁ａに設けられた通風筒であ
って、室内外を通気する。２は通風筒１の外開口部ｂを
覆うカバーであって、通風筒１の側面壁に張り出して固
定されたブラケット５に、回動自在にピン着６されてい
る。

【０００８】７はカバー２のアームの延在部２’に取り
付けられたバランスウエートである。８はカバー２の先
部に固縛されたカバー開閉用のロープであって、その端
部は室壁ａの下方に設けられたロープ止め金具９に巻き
止められる。

【０００９】この例では、カバー２を通風筒１の側面壁
に固定されたブラケット５に回動自在にピン着６させた
が、通風筒１の正面壁に蝶番等で回動するように装着し
てもよい。ロープ８の固定については止め金具９に巻止
め固定するほか、ロープ端部を輪止めしたり、あるいは
フックを取り付け、これらの輪、フックを止め金具９に
引掛けて固定するようにしてもよい。

【００１０】本発明は以上の構成であるから、図２の
（Ａ）に示すように、先ずロープ８を引っ張ることによ
ってカバー２は通風筒１から開放されるので、通常時は
この状態でロープ８の他端をロープ止め金具９に巻き止
めておけば、通風筒１は開口した状態を保たれる。

【００１１】そして、室内が火災等非常時に到った際に
は、直ちにロープ８を解き放ちあるいは切断すると、カ
バー２はバランスウエート７の重量によって回動され、
図２の（Ｂ）に示すようにカバー２の平板部２”が通風
筒１の外開口部ｂに接し同開口部ｂを閉鎖することにな
る。

【００１２】尚、カバー２は室壁ａの外面に向かって回
動するので、カバー２の先端部が室壁面に接触しないよ
うにしなければならないが、通風筒１の外開口部ｂに
は、通常図１に示すように目板が取り付けられているの
で、室壁ａ側に一番近い目板の幅内にカバー２の平板部
２”の先端線が当たるようにすればスムーズに密閉度が
高められる。

【００１３】仮に、通風筒１の外開口部ｂに目板が取り
付けられていないときは、図３に示すように外開口部ｂ
の室壁ａ側に１枚だけ当り板１０を取付け、この当り板
１０の幅内に平板部２”の先端線が当たるようにすれば
よい。

【００１４】又、ロープ８の解き放ちあるいは切断につ
いては人手によっても行えるが、押釦スイッチあるいは
室内の火災報知センサーの倹知信号により作動される自
動切断機を備えてもよい。図２中の１１は、室壁ａに固
定して設けられた自動切断機である。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば、室内の火災等非常時に
あってロープ８を解き放つあるいは切断すると云うだけ
の簡単な、そして安全な操作で即時に通風筒の外開口部
を遮蔽することが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の概要を示す斜視図。

【図２】通風筒の開閉の状態を示す本発明の説明図。

【図３】本発明の他の実施例を示す側面図。

【図４】通風筒の開閉の状態を示す従来例の説明図。

【符号の説明】

１ 通風筒 ２ カバー ３ 蝶ねじ ４ 梯子 ５ ブラケット ７ バランスウエート ８ ロープ ９ 止め金具

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】船舶の室壁に設けられた通風筒の外開口部
   を覆うカバーを、通風筒の壁面に回動自在に取り付け、
   該カバーの一端にバランスウエートを取り付けると共
   に、他端には開閉ロープを固縛し、このロープを室壁な
   どに固設した止め金具に固定したことを特徴とする船舶
   における通風筒の非常閉鎖装置。
2. 【請求項２】通風筒の外開口部の端部に当たり板を設け
   たことを特徴とする請求項１記載の船舶における通風筒
   の非常閉鎖装置。
3. 【請求項３】開閉ロープの自動切断機を室壁等に固設し
   て備えたことを特徴とする請求項１記載の船舶における
   通風筒の非常閉鎖装置。