JP2004049775A - 消火栓装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】通路のコーナ部や柱付近に設置でき、消火作業時の非難通路を確保して迅速に放水態勢をとることのできる消火栓装置を提供する。
【解決手段】前面に扉1を有し、横幅が奥行きより小さい狭幅の消火栓ボックス2と、消火用水を放水するノズル部3および消火栓7に基端を接続するホース部4からなる消火ホース5と、閉扉時にはノズル部3を扉側に向けて巻回されたホース部4を保持し、開扉時にはノズル部3を引き出すことによりホース部4が前方に転がり出るように、消火ホース5を消火栓ボックス2内で支持するホース支持具6とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】前面に扉1を有し、横幅が奥行きより小さい狭幅の消火栓ボックス2と、消火用水を放水するノズル部3および消火栓7に基端を接続するホース部4からなる消火ホース5と、閉扉時にはノズル部3を扉側に向けて巻回されたホース部4を保持し、開扉時にはノズル部3を引き出すことによりホース部4が前方に転がり出るように、消火ホース5を消火栓ボックス2内で支持するホース支持具6とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、初期消火作業を行う消火ホースを格納する消火栓装置、特にビル等の建物の通路に設置される消火栓装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の消火栓装置は、ビル等の建物の通路の非常口や非常階段に近い場所、例えば通路のコーナ部の壁面に突出あるいは埋設して設置されることが多い。そして消火栓装置は常設物であるので、通路側に余り張り出さないように、消火栓ボックスの形状を、横幅が奥行きより大きい広幅の矩形状に形成し、その広幅の前面が開放可能になるように扉を設けている。
【0003】
この消火栓ボックス内に、消火用水を放水するノズル部および消火栓に基端が接続されたホース部からなる消火ホースが、開扉時にノズル部を引き出して消火作業を行えるような形で格納されている。格納方式としては、消火栓ボックス内のホース掛けに消火ホースを折り曲げながら掛吊する櫛歯方式や、消火栓ボックス内に設けた支持軸によって回転リールを回転自在に支持し、その回転リールによって、巻回された消火ホースの巻取りや繰出しを行う回転リール方式がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来の消火栓装置は、消火栓ボックスの広幅の前面を開放できるという条件の下で考えられている。上記櫛場方式では、消火ホースを消火ボックスの幅方向に沿って掛吊しているため、それを取外すのに広幅の前面を開放することが必要であるし、上記回転リール方式でも、回転リールを回転させながら消火ホースを繰り出す作業を行うのにやはり広幅の前面を開放する必要がある。
【0005】
しかしながら、消火栓装置の設置場所は上述したように、非常口や非常階段に近い通路のコーナ部が多いため、図6(a)に示すように、消火作業時に大きく開いた消火栓ボックスaの扉bが、非常階段dに至る非難通路cの邪魔になるというおそれが生じる。
【0006】
また、消火栓装置は重要な常設物であるものの、普段は通路スペースをなるだけ占有しない方が望ましいため、コーナ部にありがちな柱の影等のデッドスペースへの設置を要望するユーザーも多い。しかし図6(b)に示すように、従来の消火栓装置を前記デッドスペースに仮に2箇所配置してみて分かるように、消火栓ボックスaの広幅の前面側に柱eが位置するので、扉bを開く動作自体が困難であり、設置不可能である。
【0007】
さらに上記従来の消火栓装置は、開扉状態で、掛吊された消火ホースを取外したり、回転リールを回転させたりして消火ホースを繰り出すまでの放水態勢をとるのに手間がかかり、初期消火作業が遅れてしまうという問題もある。
【0008】
そこで本発明は、通路のコーナ部や柱付近に設置でき、消火作業時の非難通路を確保して迅速に放水態勢をとることのできる消火栓装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、前面に扉を有し、横幅が奥行きより小さい狭幅の消火栓ボックスと、消火用水を放水するノズル部および消火栓に基端を接続するホース部からなる消火ホースと、閉扉時にはノズル部を扉側に向けて巻回されたホース部を保持し、開扉時にはノズル部を引き出すことにより巻回されたホース部が前方に転がり出るように、消火ホースを消火栓ボックス内で支持するホース支持具とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、扉を開いた後、扉側にあるノズル部を引き出すと、巻回されてホース支持具に保持されていたホース部が前方に転がり出て床面に投げ出されることによって、消火ホースが放水可能な状態になるので、迅速に放水態勢をとり初期消火作業を行うことができる。また、従来の消火栓ボックスにおける狭幅の側面が本発明のものでは前面となるので、通路のコーナ部の壁面に設置した場合でも、消火作業時に開放した扉が非難通路の邪魔になることがない。また、従来の消火栓ボックスにおける広幅の前面が本発明のものでは側面となり、その側面は開扉動作とは無関係であるので、柱付近、例えばコーナ部における柱と壁面とのデッドスペースを利用したり、壁面より突出した柱がある場合に柱の突出量に消火栓ボックスの奥行きを合わせ、柱と一体化してまとまり良くコンパクトに設置することが可能になる。
【0011】
上記発明において、ホース支持具を、前後に傾斜する断面V字状または断面U字状に形成された板状部材とし、そのV字部またはU字部に、巻回されたホース部が保持されるようにすれば、消火ホースは、閉扉時には前の傾斜面で前方への移動を阻止され、開扉時にノズル部を引き出したときの引っ張り力で巻回されたホース部が前記傾斜面の先端を乗り越えて前方に転がり出る。また、V字部またはU字部で保持されるホース部は消火栓ボックスの底面に接触することなく浮いた状態で格納されているので、消火用水によってホース部が濡れて劣化するのを防止することができる。尚、消火栓ボックスは狭幅であるので格納時のホース部が幅方向に傾いても問題はなく、複雑な支持機構や支持部材を用いない簡単な構成のホース支持具でも、上記のような状態で適正に消火ホースを支持できる。
【0012】
上記各発明において、扉内面に、ノズル部を直立状態で支持するノズル支持具を設けると、ノズル部を扉側に向けた状態で消火ホースを消火栓ボックス内に確実に支持できると共に、扉を開いてすぐにノズル部の支持を解除して引き出すことができるので、より迅速に放水態勢をとることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の消火栓装置を図1〜図5に示す実施形態に基づき、具体的に説明する。
【0014】
本実施形態の消火栓装置は、前面に扉1を有し、横幅が奥行きより小さい狭幅の消火栓ボックス2と、消火用水を放水するノズル部3および消火栓7に基端を接続するホース部4からなる消火ホース5と、閉扉時にはノズル部3を扉1側に向けて巻回されたホース部4を保持し、開扉時にはノズル部3を引き出すことにより前記ホース部4が前方に転がり出るように、消火ホース5を消火栓ボックス2内に支持するホース支持具6とを備えている。
【0015】
消火ホース5はホース部4の先端にノズル部3を取付ける接続金具4aを有し、基端に消火栓7に接続される接続金具4bを有し、その中央部で2つ折りに折返して扁平に折畳む通称「しのだ巻き」と呼ばれる巻き方で、前記中央部を中心にして渦巻き状に巻回されている。
【0016】
尚、本実施形態では1対のジョイント8を用いて折り返し部を接続しているが、一連の長尺な消火ホースを用いてもよい。また、上述したように、開扉時にホース部4が前方に転がり出るように支持されている限り、非保形性のホースに限定されないが、「しのだ巻き」にした非保形性のホースを用いることにより、長尺なホースであっても巻回径が小さくコンパクトに格納できると共に、消火作業時のホースの伸長距離を半分にすることができるので好適である。さらに「しのだ巻き」であれば、消火ホース5の巻回を消火栓装置の設置現場とは別な場所で行い、そして巻回された束を消火栓ボックス2内に格納することができるので、従来方式のように設置現場で消火ホース5を掛吊したり巻回する等して消火栓ボックス2内へ格納する手間や時間が要らなくなる。
【0017】
消火栓7は給水源からの消火用水を供給する給水管9に接続され、ハンドル7aの回転操作により消火栓弁を開閉することにより、消火用水の給水とその停止を行う。
【0018】
ホース支持具6は、前後に傾斜する断面V字状(または断面U字状)の板状部材を消火栓ボックス2内の底面に取付けることで構成されている。消火ホース5は、ホース部4が前の傾斜面6aで前方への移動を阻止され、かつ自重によってホース支持具6のV字部(またはU字部)6cに保持されている。このようにして消火ホース5は、消火栓ボックス2の下部に格納されており、開扉時にノズル部3を引き出すときの引っ張り力で、前記傾斜面6aの先端をホース部4が乗り越えて前方に転がり出る。また、V字部6cで保持されるホース部4は、消火栓ボックス2の底面に接触することなく浮いた状態で格納されているので、消火用水によって濡れて劣化するのを防止することができる。尚、図示はしないが、後ろの傾斜面6bに貫通孔を多数設けることによって通気性を良くすると、ホース部4の劣化をさらに防止することができ好適である。
【0019】
ホース支持具6の形状は、図示するものに限定されず、例えば、V字部6cの底辺が枢支され、ノズル部3を引き出したときに枢支部を中心に全体が前倒れするように構成しても良い。要は、ホース部4が開扉時に前方に転がり出るまでは消火栓ボックス2内で定位置に格納されていれば良い。また、本実施形態の消火栓ボックス2は幅が小さいので格納時のホース部4が幅方向に傾いても問題はないので、複雑な支持機構や支持部材が要らず、図示するような板状の簡単な構成のホース支持具6でも充分に消火ホース5を支持することができるので好適である。
【0020】
扉1の内面には図2に示すように、消火ホース5のノズル部3を直立状態で支持するノズル支持具10が設けられている。このノズル支持具10は、扉1の内面からボックス奥に突出する取付具10aと、この取付具10aに取付けられて直立状態のノズル部3を弾性挟持する断面円弧状の支持環10bとからなる。この支持環10bが扉1の内面にあることで、扉1を開いてすぐにノズル部3の支持を解除して引き出すことができるので、迅速に放水態勢をとって初期消火活動を行うことができる。
【0021】
本実施形態の消火栓装置は、上下2段に分けられた消火栓ボックス2の下段部に消火ホース5を格納しており、扉1は上下2段の前面を覆うように形成されたコンパクト設計である。扉1の外面中央には図1に示すように、扉1を開閉するための引抜把手13が設けられ、その上方には警報スイッチ11と表示灯12が設けられ、上段部内には警報スイッチ11の操作に基づいて図示しないスピーカから警報を発する図示しない警報装置が内装されている。
【0022】
本実施形態の消火栓装置は上記のように構成され、消火作業の際には、扉1を開いた後に図2に示すように、ノズル部3をノズル支持具10の支持環10bから外して引き出すことによって、巻回されたホース部4がホース支持具6の傾斜面6aの先端を乗り越え、矢印および仮想線に示すように前方に転がり出る。すると図示はしないが、巻回されているホース部4の束は倒れて床面に投げ出されて、放水可能な状態になり、櫛歯方式のようにいちいちホース掛けからホースを取外したり、回転リール方式のようにリール操作してホースを繰り出す手間なく消火ホース5を伸長して迅速に放水態勢をとることができる。
【0023】
上記放水態勢をとるのと並行して消火栓7のハンドル7aを操作し、消火栓弁を開いて消火ホース5内に給水管9から消火用水を供給することによって、ホース部4を経てノズル部3から放水し、迅速に初期消火作業を行うことができる。
【0024】
また本実施形態の扉1は狭幅の前面を開放するものであるので、図3(a)に示すように、非常階段17に至る通路14のコーナ部の壁面16に消火栓装置を設置した場合でも、消火作業時に消火栓ボックス2の扉1を開いて消火ホース5(仮想線)をとり出したときに、開いた扉1が非難通路の邪魔になることはない。また図3(b)に示すように、コーナ部における消火栓装置の設置場所の前方に柱15がある場合でも、従来の消火栓ボックスにおける広幅の前面が本実施形態のものでは側面2aとなり、その側面2aの前方に柱15があっても開扉動作とは無関係であるので、柱15と壁面16とのデッドスペースSを利用して消火栓装置を設置することが可能になる。
【0025】
また図4に示すように、壁面16より通路14に突出(突出量P=400mm)した柱15がある場合には、その突出量Pに消火栓ボックス2の奥行きを合わせ、柱15の前面と消火栓装置の前面を面一にし、柱15に一体化してまとまり良くコンパクトに消火栓装置を設置することもできる。尚、柱15の影には従来の広幅の消火栓装置を設置することはできるが、柱15が邪魔になり消火ホース5の取出し等が不便になるので実用的ではない。
【0026】
本発明は上記実施形態に示すほか種々の態様に構成することができ、例えば、図5に示すように、消火栓ボックス2の広幅の側面に、その下段部を開放できる補助扉18を設けることもできる。この補助扉18は、消火ホース5の組付け時に利用することができ、また設置後であっても、図4に示したように消火栓ボックス2の側方にスペースがある場合には、消火ホース5の補修時にも利用することができる。また、上記実施形態の消火栓装置では、通路の壁面より突出して設置する場合で示したが、壁面構造によっては通路の壁面に埋設して設置することも可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、扉を開いてノズル部を引き出すことによって、巻回されてホース支持具に保持されていたホース部が転げ出て消火ホースが放水可能な状態になり、迅速に放水態勢をとり初期消火作業が行えると共に、扉が狭幅の前面を開放するものであるので、消火栓装置を通路の壁面に設置した場合、開いた扉が非難通路の邪魔にならず、コーナ部における柱と壁面とのデッドスペースや通路側に突出した柱の影等を利用して設置することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における消火栓装置の要部を破断して示す斜視図。
【図2】同実施形態における消火栓装置の要部を破断して示す側面図。
【図3】同実施形態における消火栓装置の設置状態を示し、(a)は消火栓装置を通路のコーナ部に設置した場合を示す概略図、(b)は消火栓装置をコーナ部の柱付近に設置した場合を示す概略図。
【図4】同実施形態における消火栓装置を、通路に突出した柱の影に設置した状態を示す概略図。
【図5】本発明の他の実施形態の消火栓装置の外観を示す斜視図。
【図6】従来例における消火栓装置の開扉状態を示し、(a)は消火栓装置を通路のコーナ部に設置した場合を示す概略図、(b)はコーナ部の柱付近に仮に配置してみた場合を示す概略図。
【符号の説明】
1 扉
2 消火栓ボックス
3 ノズル部
4 ホース部
5 消火ホース
6 ホース支持具
6c V字部
7 消火栓
10 ノズル支持具
【発明の属する技術分野】
本発明は、初期消火作業を行う消火ホースを格納する消火栓装置、特にビル等の建物の通路に設置される消火栓装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の消火栓装置は、ビル等の建物の通路の非常口や非常階段に近い場所、例えば通路のコーナ部の壁面に突出あるいは埋設して設置されることが多い。そして消火栓装置は常設物であるので、通路側に余り張り出さないように、消火栓ボックスの形状を、横幅が奥行きより大きい広幅の矩形状に形成し、その広幅の前面が開放可能になるように扉を設けている。
【0003】
この消火栓ボックス内に、消火用水を放水するノズル部および消火栓に基端が接続されたホース部からなる消火ホースが、開扉時にノズル部を引き出して消火作業を行えるような形で格納されている。格納方式としては、消火栓ボックス内のホース掛けに消火ホースを折り曲げながら掛吊する櫛歯方式や、消火栓ボックス内に設けた支持軸によって回転リールを回転自在に支持し、その回転リールによって、巻回された消火ホースの巻取りや繰出しを行う回転リール方式がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来の消火栓装置は、消火栓ボックスの広幅の前面を開放できるという条件の下で考えられている。上記櫛場方式では、消火ホースを消火ボックスの幅方向に沿って掛吊しているため、それを取外すのに広幅の前面を開放することが必要であるし、上記回転リール方式でも、回転リールを回転させながら消火ホースを繰り出す作業を行うのにやはり広幅の前面を開放する必要がある。
【0005】
しかしながら、消火栓装置の設置場所は上述したように、非常口や非常階段に近い通路のコーナ部が多いため、図6(a)に示すように、消火作業時に大きく開いた消火栓ボックスaの扉bが、非常階段dに至る非難通路cの邪魔になるというおそれが生じる。
【0006】
また、消火栓装置は重要な常設物であるものの、普段は通路スペースをなるだけ占有しない方が望ましいため、コーナ部にありがちな柱の影等のデッドスペースへの設置を要望するユーザーも多い。しかし図6(b)に示すように、従来の消火栓装置を前記デッドスペースに仮に2箇所配置してみて分かるように、消火栓ボックスaの広幅の前面側に柱eが位置するので、扉bを開く動作自体が困難であり、設置不可能である。
【0007】
さらに上記従来の消火栓装置は、開扉状態で、掛吊された消火ホースを取外したり、回転リールを回転させたりして消火ホースを繰り出すまでの放水態勢をとるのに手間がかかり、初期消火作業が遅れてしまうという問題もある。
【0008】
そこで本発明は、通路のコーナ部や柱付近に設置でき、消火作業時の非難通路を確保して迅速に放水態勢をとることのできる消火栓装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、前面に扉を有し、横幅が奥行きより小さい狭幅の消火栓ボックスと、消火用水を放水するノズル部および消火栓に基端を接続するホース部からなる消火ホースと、閉扉時にはノズル部を扉側に向けて巻回されたホース部を保持し、開扉時にはノズル部を引き出すことにより巻回されたホース部が前方に転がり出るように、消火ホースを消火栓ボックス内で支持するホース支持具とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、扉を開いた後、扉側にあるノズル部を引き出すと、巻回されてホース支持具に保持されていたホース部が前方に転がり出て床面に投げ出されることによって、消火ホースが放水可能な状態になるので、迅速に放水態勢をとり初期消火作業を行うことができる。また、従来の消火栓ボックスにおける狭幅の側面が本発明のものでは前面となるので、通路のコーナ部の壁面に設置した場合でも、消火作業時に開放した扉が非難通路の邪魔になることがない。また、従来の消火栓ボックスにおける広幅の前面が本発明のものでは側面となり、その側面は開扉動作とは無関係であるので、柱付近、例えばコーナ部における柱と壁面とのデッドスペースを利用したり、壁面より突出した柱がある場合に柱の突出量に消火栓ボックスの奥行きを合わせ、柱と一体化してまとまり良くコンパクトに設置することが可能になる。
【0011】
上記発明において、ホース支持具を、前後に傾斜する断面V字状または断面U字状に形成された板状部材とし、そのV字部またはU字部に、巻回されたホース部が保持されるようにすれば、消火ホースは、閉扉時には前の傾斜面で前方への移動を阻止され、開扉時にノズル部を引き出したときの引っ張り力で巻回されたホース部が前記傾斜面の先端を乗り越えて前方に転がり出る。また、V字部またはU字部で保持されるホース部は消火栓ボックスの底面に接触することなく浮いた状態で格納されているので、消火用水によってホース部が濡れて劣化するのを防止することができる。尚、消火栓ボックスは狭幅であるので格納時のホース部が幅方向に傾いても問題はなく、複雑な支持機構や支持部材を用いない簡単な構成のホース支持具でも、上記のような状態で適正に消火ホースを支持できる。
【0012】
上記各発明において、扉内面に、ノズル部を直立状態で支持するノズル支持具を設けると、ノズル部を扉側に向けた状態で消火ホースを消火栓ボックス内に確実に支持できると共に、扉を開いてすぐにノズル部の支持を解除して引き出すことができるので、より迅速に放水態勢をとることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の消火栓装置を図1〜図5に示す実施形態に基づき、具体的に説明する。
【0014】
本実施形態の消火栓装置は、前面に扉1を有し、横幅が奥行きより小さい狭幅の消火栓ボックス2と、消火用水を放水するノズル部3および消火栓7に基端を接続するホース部4からなる消火ホース5と、閉扉時にはノズル部3を扉1側に向けて巻回されたホース部4を保持し、開扉時にはノズル部3を引き出すことにより前記ホース部4が前方に転がり出るように、消火ホース5を消火栓ボックス2内に支持するホース支持具6とを備えている。
【0015】
消火ホース5はホース部4の先端にノズル部3を取付ける接続金具4aを有し、基端に消火栓7に接続される接続金具4bを有し、その中央部で2つ折りに折返して扁平に折畳む通称「しのだ巻き」と呼ばれる巻き方で、前記中央部を中心にして渦巻き状に巻回されている。
【0016】
尚、本実施形態では1対のジョイント8を用いて折り返し部を接続しているが、一連の長尺な消火ホースを用いてもよい。また、上述したように、開扉時にホース部4が前方に転がり出るように支持されている限り、非保形性のホースに限定されないが、「しのだ巻き」にした非保形性のホースを用いることにより、長尺なホースであっても巻回径が小さくコンパクトに格納できると共に、消火作業時のホースの伸長距離を半分にすることができるので好適である。さらに「しのだ巻き」であれば、消火ホース5の巻回を消火栓装置の設置現場とは別な場所で行い、そして巻回された束を消火栓ボックス2内に格納することができるので、従来方式のように設置現場で消火ホース5を掛吊したり巻回する等して消火栓ボックス2内へ格納する手間や時間が要らなくなる。
【0017】
消火栓7は給水源からの消火用水を供給する給水管9に接続され、ハンドル7aの回転操作により消火栓弁を開閉することにより、消火用水の給水とその停止を行う。
【0018】
ホース支持具6は、前後に傾斜する断面V字状(または断面U字状)の板状部材を消火栓ボックス2内の底面に取付けることで構成されている。消火ホース5は、ホース部4が前の傾斜面6aで前方への移動を阻止され、かつ自重によってホース支持具6のV字部(またはU字部)6cに保持されている。このようにして消火ホース5は、消火栓ボックス2の下部に格納されており、開扉時にノズル部3を引き出すときの引っ張り力で、前記傾斜面6aの先端をホース部4が乗り越えて前方に転がり出る。また、V字部6cで保持されるホース部4は、消火栓ボックス2の底面に接触することなく浮いた状態で格納されているので、消火用水によって濡れて劣化するのを防止することができる。尚、図示はしないが、後ろの傾斜面6bに貫通孔を多数設けることによって通気性を良くすると、ホース部4の劣化をさらに防止することができ好適である。
【0019】
ホース支持具6の形状は、図示するものに限定されず、例えば、V字部6cの底辺が枢支され、ノズル部3を引き出したときに枢支部を中心に全体が前倒れするように構成しても良い。要は、ホース部4が開扉時に前方に転がり出るまでは消火栓ボックス2内で定位置に格納されていれば良い。また、本実施形態の消火栓ボックス2は幅が小さいので格納時のホース部4が幅方向に傾いても問題はないので、複雑な支持機構や支持部材が要らず、図示するような板状の簡単な構成のホース支持具6でも充分に消火ホース5を支持することができるので好適である。
【0020】
扉1の内面には図2に示すように、消火ホース5のノズル部3を直立状態で支持するノズル支持具10が設けられている。このノズル支持具10は、扉1の内面からボックス奥に突出する取付具10aと、この取付具10aに取付けられて直立状態のノズル部3を弾性挟持する断面円弧状の支持環10bとからなる。この支持環10bが扉1の内面にあることで、扉1を開いてすぐにノズル部3の支持を解除して引き出すことができるので、迅速に放水態勢をとって初期消火活動を行うことができる。
【0021】
本実施形態の消火栓装置は、上下2段に分けられた消火栓ボックス2の下段部に消火ホース5を格納しており、扉1は上下2段の前面を覆うように形成されたコンパクト設計である。扉1の外面中央には図1に示すように、扉1を開閉するための引抜把手13が設けられ、その上方には警報スイッチ11と表示灯12が設けられ、上段部内には警報スイッチ11の操作に基づいて図示しないスピーカから警報を発する図示しない警報装置が内装されている。
【0022】
本実施形態の消火栓装置は上記のように構成され、消火作業の際には、扉1を開いた後に図2に示すように、ノズル部3をノズル支持具10の支持環10bから外して引き出すことによって、巻回されたホース部4がホース支持具6の傾斜面6aの先端を乗り越え、矢印および仮想線に示すように前方に転がり出る。すると図示はしないが、巻回されているホース部4の束は倒れて床面に投げ出されて、放水可能な状態になり、櫛歯方式のようにいちいちホース掛けからホースを取外したり、回転リール方式のようにリール操作してホースを繰り出す手間なく消火ホース5を伸長して迅速に放水態勢をとることができる。
【0023】
上記放水態勢をとるのと並行して消火栓7のハンドル7aを操作し、消火栓弁を開いて消火ホース5内に給水管9から消火用水を供給することによって、ホース部4を経てノズル部3から放水し、迅速に初期消火作業を行うことができる。
【0024】
また本実施形態の扉1は狭幅の前面を開放するものであるので、図3(a)に示すように、非常階段17に至る通路14のコーナ部の壁面16に消火栓装置を設置した場合でも、消火作業時に消火栓ボックス2の扉1を開いて消火ホース5(仮想線)をとり出したときに、開いた扉1が非難通路の邪魔になることはない。また図3(b)に示すように、コーナ部における消火栓装置の設置場所の前方に柱15がある場合でも、従来の消火栓ボックスにおける広幅の前面が本実施形態のものでは側面2aとなり、その側面2aの前方に柱15があっても開扉動作とは無関係であるので、柱15と壁面16とのデッドスペースSを利用して消火栓装置を設置することが可能になる。
【0025】
また図4に示すように、壁面16より通路14に突出(突出量P=400mm)した柱15がある場合には、その突出量Pに消火栓ボックス2の奥行きを合わせ、柱15の前面と消火栓装置の前面を面一にし、柱15に一体化してまとまり良くコンパクトに消火栓装置を設置することもできる。尚、柱15の影には従来の広幅の消火栓装置を設置することはできるが、柱15が邪魔になり消火ホース5の取出し等が不便になるので実用的ではない。
【0026】
本発明は上記実施形態に示すほか種々の態様に構成することができ、例えば、図5に示すように、消火栓ボックス2の広幅の側面に、その下段部を開放できる補助扉18を設けることもできる。この補助扉18は、消火ホース5の組付け時に利用することができ、また設置後であっても、図4に示したように消火栓ボックス2の側方にスペースがある場合には、消火ホース5の補修時にも利用することができる。また、上記実施形態の消火栓装置では、通路の壁面より突出して設置する場合で示したが、壁面構造によっては通路の壁面に埋設して設置することも可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、扉を開いてノズル部を引き出すことによって、巻回されてホース支持具に保持されていたホース部が転げ出て消火ホースが放水可能な状態になり、迅速に放水態勢をとり初期消火作業が行えると共に、扉が狭幅の前面を開放するものであるので、消火栓装置を通路の壁面に設置した場合、開いた扉が非難通路の邪魔にならず、コーナ部における柱と壁面とのデッドスペースや通路側に突出した柱の影等を利用して設置することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における消火栓装置の要部を破断して示す斜視図。
【図2】同実施形態における消火栓装置の要部を破断して示す側面図。
【図3】同実施形態における消火栓装置の設置状態を示し、(a)は消火栓装置を通路のコーナ部に設置した場合を示す概略図、(b)は消火栓装置をコーナ部の柱付近に設置した場合を示す概略図。
【図4】同実施形態における消火栓装置を、通路に突出した柱の影に設置した状態を示す概略図。
【図5】本発明の他の実施形態の消火栓装置の外観を示す斜視図。
【図6】従来例における消火栓装置の開扉状態を示し、(a)は消火栓装置を通路のコーナ部に設置した場合を示す概略図、(b)はコーナ部の柱付近に仮に配置してみた場合を示す概略図。
【符号の説明】
1 扉
2 消火栓ボックス
3 ノズル部
4 ホース部
5 消火ホース
6 ホース支持具
6c V字部
7 消火栓
10 ノズル支持具
Claims (3)
- 前面に扉を有し、横幅が奥行きより小さい狭幅の消火栓ボックスと、消火用水を放水するノズル部および消火栓に基端を接続するホース部からなる消火ホースと、閉扉時にはノズル部を扉側に向けて巻回されたホース部を保持し、開扉時にはノズル部を引き出すことにより巻回されたホース部が前方に転がり出るように、消火ホースを消火栓ボックス内で支持するホース支持具とを備えたことを特徴とする消火栓装置。
- ホース支持具は、前後に傾斜する断面V字状または断面U字状に形成された板状部材であり、そのV字部またはU字部に、巻回されたホース部が保持される請求項1記載の消火栓装置。
- 扉内面には、ノズル部を直立状態で支持するノズル支持具が設けられる請求項1または2に記載の消火栓装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009045419A (ja) * | 2007-07-20 | 2009-03-05 | Itachibori Mfg Co Ltd | 消火栓格納箱 |
KR101503760B1 (ko) * | 2013-08-08 | 2015-03-18 | 중경기술주식회사 | 소방함 |
JP2021132743A (ja) * | 2020-02-25 | 2021-09-13 | 沖電気工業株式会社 | 道路用消火栓 |
-
2002
- 2002-07-24 JP JP2002214741A patent/JP2004049775A/ja active Pending
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