JP7193917B2 - 消火栓装置 - Google Patents
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Description
内巻きされたホースを前面開口部から引き出す場合、ホースは前面開口部に向かって下側から上方に向かって立ち上がった後に外部に引き出される。このとき前面開口部の下側でホースが大きく屈曲してホース引出しの円滑化ができず、また放水圧に悪影響を及ぼす可能性があるため、これを解決するために特許文献1では、「ホース取出口の下側を前方に張り出すように形成した張出ホースガイド部を設ける」ことが提案されている。
しかしながら、例えばシールドトンネルのようにトンネル壁面が鋼製のセグメントで構築されたトンネルでは箱抜きができず、他の設置場所や設置方法が検討されている。その場合に、もっとも重要となるのは、消火栓装置の筐体の薄型化である。
前記前面開口部に配置されると共に前後方向に揺動可能に取り付けられ、引き出されるホースを支持してガイドするホースガイドを備えたことを特徴とするものである。
以下においては、消火栓装置1の全体構成を概説した後、本発明の特徴部分であるホースガイド13について詳細に説明する。
消火栓装置1は、図1、図2に示すように、箱状の筺体3と、筐体3の前面に設けられた前面開口部9aを有する前面パネル9と、前面パネル9の前面開口部9aに開閉可能に設けられた前傾式扉11とを備えている。
なお、本明細書において、消火栓装置1における位置を示す用語としての「前」とは、図1~9における前面パネル9側をいい、「後」とは背面パネル35側をいう。
以下、各構成を詳細に説明する。
筐体3は、図1、図2に示すように、矩形の箱状からなり、筐体3内には内巻きに巻き回されたホース5を収納するホース収容部7が設けられ、またホース収容部7の右側に、メンテナンス弁等を有する配管系統15が設けられている。配管系統15は、その先端側がホース収容部7の側部に位置し、該先端にホース5の基端側が接続され、配管系統15の基端側は図示しない給水源に接続されており、筐体3外に図示しない消火栓弁や自動調圧弁を備えている。
前面パネル9は、筐体3の前面に設けられ、ホース収容部7における中央開口部17の前方に位置する部位が開口しており、この前面開口部9aを開閉可能に前傾式扉11が取り付けられ、また前面パネル9の左側には消火器扉19が開閉可能に設けられている。
前傾式扉11は板状の金属板から構成された横長の矩形状をしており、上述のように前面パネル9の前面開口部9aを開閉可能に取り付けられている。
前傾式扉11は、下辺両端に回動軸21が設けられ、前面開口部9aを閉鎖状態から、図2に示すように、略180°開くことができる。
前傾式扉11の内面側には、消火ノズル23を着脱可能に保持するノズル保持部25及び、ホース5に消火水を供給する消火水供給管路に設けられた消火栓弁を開閉操作する操作レバー27が設けられている。
なお、前傾式扉11におけるノズル保持部25に対応する箇所は透明なアクリル板が設置されており、前傾式扉11の内面側に着脱可能に固定されている消火ノズル23が見える。
ホース収容部7は、図1~図7に示すように、中央開口部17を挟んで立設された一対の縦辺部29と、一対の縦辺部29の上端同士及び下端同士を連結するように設けられた一対の横辺部31を備え、この枠体における一対の縦辺部29に平面視で略L字状の帯板部33が一対設けられている。
ホース5は、この一対の帯板部33と背面パネル35との空間において内巻きされている(図7参照)。
ホースガイド13は、前面開口部9aに配置されると共に前後方向に揺動可能に取り付けられ、引き出されるホース5を支持してガイドするものである。
具体的には、図3に示すように、下方に凸となるように湾曲した金属パイプ37にチェーン39を挿通し、チェーン39の両端を縦辺部29に設けられた係止部41に着脱可能に取り付けて構成されている。
チェーン39の両端が係止部41に係止されることで、チェーン39が挿通された金属パイプ37が前後に揺動するようになっている。
なお、図3に示すように、図中右側のチェーン39は長さに余裕があるので、カラビナを取り付ける位置を変更することでチェーン39の垂れ下がり量を変えることができる。これによって、金属パイプ37の高さ位置を変更することができる。金属パイプ37の高さ位置とホースガイド13としての機能との関係については後述する。
ホース5を正面に引き出す場合、図3に示すように、ホース5がホースガイド13に支持されるが、このとき図4に示すように、ホースガイド13が前方側に揺動するので、ホース5がホースガイド13に支持される位置は前面開口部9aよりも前方に突出した位置となる。つまり、ホース5を引き出すときに、ホースガイド13が揺動することで、ホースガイド13のホース支持位置を自動的に張り出させることができる。これによって、図4に示すように、前面開口部9aの下側でのホース5の屈曲の曲率半径を大きくすることができ、ホース引出しの円滑化が図れると共に放水圧に悪影響を及ぼすことがない。
このため、図7(b)に示すようにホースガイド13がない場合に比較して、同じ方向に引き出す場合でも、図7(a)に示すように、ホース5の屈曲の曲率半径を大きくすることができ、ホース引出しの円滑化を図ることができる。
さらに、上記の実施の形態は棒状体が湾曲する場合の例であるが、棒状体は屈曲されたものであってもよい。この場合、例えば倒立させた台形のように上底を底辺として、斜辺の上端を揺動可能に吊下げるようにすればよい。
このような線状の部材の場合、ホース5を横方向に引き出す場合には、図8に示すチェーン39のように、チェーン39が前方に揺動すると共に屈曲変形してホース5の横への移動を規制しながらガイドするので、上記の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
なお、線状の部材のチェーン39以外の例としては、例えばある程度の太さ(例えば、直径1~4cm程度)を有するワイヤロープ等が挙げられる。
このように、ホース5を横方向に引き出す際のホース5の屈曲の曲率半径を大きくするための手段として、例えば、図9に示すように、ホース5を挿通可能なリングからなるリング部材43の両側をワイヤロープ45のような紐状の部材で吊下げ支持するようにしてもよい。これよって、ホース5が前面開口部9aの端に移動するのを規制することができる。このリング部材43は、本発明の「引き出し時において前記ホースが両端側に移動するのを規制する移動規制部」の一態様である。
また、ホースガイド13が支持するホース5の位置が、前面開口部9aの下辺の位置よりも高くなることで、引き出されるホース5が支持される位置よりも下方に残存するホース5の量が多くなり、充水時においてホース5が下方に押し付ける力が強くなり、これによってホースのばらけ現象を防止できる。
さらに、ホースガイド13は前面開口部9aの左右に亘って設けられているので、内巻きされたホース5の巻きの上辺側のものが前面開口部9aに倒れ込んだときにこれに当接して支持することで、ホースのばらけ現象を防止できる。
しかしながら、内巻き作業が完了した時点で、ホースガイド13の一端を係止部41に係止させるのを忘れることが考えられる。
これを防止するために、ホースガイド13の一端を一時的に保持するための仮保持部を筐体3又は筐体3内部、前傾式扉11の裏側(前傾式扉11を開放した際の前面側)等に設け、該仮保持部にホースガイド13の一端を保持した状態では前傾式扉11がホースガイド13と干渉して閉止できないようにし、内巻き作業時にはホースガイド13の一端を前記仮保持部に保持し、内巻き作業が完了した時点で、前記仮保持部から係止部41にホースガイド13の一端を掛け替えるようにするのが好ましい。
したがって、例えばホースガイドの両端を前面開口部の上部(上辺部)の両端付近に取り付けて、下方に向かって垂れ下がるようにしてもよいし、あるいはホースガイドの一端を前面開口部9aの縦辺部に取り付け、他端を前面開口部の上部(上辺部)(前記縦辺部と対向する縦辺部の上端近傍)に取り付けるようにしてもよい。
さらに、図9に示したリング部材43を用いる場合には、リング部材43を吊下げ支持するワイヤロープ45の端部の取り付け位置はより広範囲に選択可能である。
3 筐体
5 ホース
7 ホース収容部
9 前面パネル
9a 前面開口部
11 前傾式扉
13 ホースガイド
15 配管系統
17 中央開口部
19 消火器扉
21 回動軸
23 消火ノズル
25 ノズル保持部
27 操作レバー
29 縦辺部
31 横辺部
33 帯板部
35 背面パネル
37 金属パイプ
39 チェーン
41 係止部
43 リング部材
45 ワイヤロープ
51 ホース収容部(従来例)
53 ホース
Claims (4)
- 筐体内に消火用のホースを内巻きして収容するホース収容部と前記筐体の前面パネルに形成した前面開口部に開閉可能に設けられ、下辺を回動軸として略180°開くことができる前傾式扉とを有し、該前傾式扉を開放した状態で前記前面開口部から前記ホースを引き出す消火栓装置であって、
前記前面開口部に配置されると共に前後方向に揺動可能に取り付けられ、引き出されるホースを支持してガイドするホースガイドを備え、
前記ホースガイドは、両端が前記筐体又は筐体内の固定部に取り付けられて、下方に向かって凸となるように湾曲又は屈曲した棒状体を吊下げ支持してなり、前記ホースが前記棒状体に沿って該棒状体の軸線方向に移動可能に支持され、前記ホースを正面に引き出す場合にホース支持位置が前記前面開口部よりも前方に突出した位置となることを特徴とする消火栓装置。 - 筐体内に消火用のホースを内巻きして収容するホース収容部と前記筐体の前面パネルに形成した前面開口部に開閉可能に設けられ、下辺を回動軸として略180°開くことができる前傾式扉とを有し、該前傾式扉を開放した状態で前記前面開口部から前記ホースを引き出す消火栓装置であって、
前記前面開口部に配置されると共に前後方向に揺動可能に取り付けられ、引き出されるホースを支持してガイドするホースガイドを備え、
前記ホースガイドは、両端が前記筐体又は筐体内の固定部に取り付けられて、下方に向かって凸となるように垂れ下がる変形自在な線状の部材からなり、前記ホースが前記線状の部材に沿って移動可能に支持されると共に該線状の部材が屈曲変形して前記前面開口部の端に移動するのを規制され、前記ホースを正面に引き出す場合にホース支持位置が前記前面開口部よりも前方に突出した位置となることを特徴とする消火栓装置。 - 前記ホースガイドの両端が、前記筐体又は筐体内の固定部に、高さ位置調整可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の消火栓装置。
- 前記ホースガイドの一端又は両端が着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の消火栓装置。
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