JP3794454B2 - 窒化物セラミックス基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワートランジスタモジュールなどの半導体装置用として主に使用される、セラミックス板と銅板とを接合したセラミックス基板、特にそのセラミックス板が窒化物焼結体である窒化物セラミックス基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
大容量のパワートランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以下IGBTと記す)等をモジュール化したパワーモジュールには、絶縁と放熱との機能をもつ基板としてセラミックス基板が使われている。セラミックスとしては、絶縁性が良好であり熱伝導率が比較的大きく、強度も高いことから、従来は酸化アルミニウム(以下Al2 O3 と記す)が広く使用されてきた。近年、パワーモジュールの小型化、高機能化に向けて放熱性改善のために、さらに熱伝導率が高い絶縁材料として窒化アルミニウム(以下AlNと記す)や窒化けい素(以下Si3 N4 と記す)などの窒化物セラミックスが使用されてきている。
【0003】
セラミックス板を半導体用の基板として用いる場合、セラミックス板に回路導体や冷却体としての金属板を接合する必要がある。接合する金属材料としては電気伝導性、熱伝導性、価格の点から一般に銅が使用されている。
AlN板と金属板との接合方法としては、▲1▼チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの活性金属を含む銀−銅系ロウ材を使って銅板を接合する活性金属法、▲2▼あらかじめAlN表面を酸化させ銅と酸素の共晶反応を利用して直接銅板を接合する直接接合法、▲3▼銀、銀―パラジウム、銀―白金、銅などの粉末を含むペーストを印刷し加熱して付ける厚膜法、▲4▼高融点金属であるタングステンやモリブデンとAlNとを同時焼結して接合する同時焼結法などが知られている。
【0004】
一般には、窒化物セラミックス板と銅板とを接合する時には、▲1▼の活性金属法、▲2▼の直接接合法が多く用いられている。
▲1▼の活性金属法では、熱処理によりAlN表面付近の窒素原子がロウ材のチタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの活性金属と反応して、界面に窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウムができる。そのためAlN板と銅板とが強固に接合される。
【0005】
図4は、活性化金属法で作製した銅貼りAlN基板の断面図である。AlN板1の上に活性ロウ材層4で銅板2が接合されている。
▲2▼の直接接合法においては、あらかじめ表面を熱酸化させたAlN板を用いる。そして、銅板との界面に銅と亜酸化銅との共晶相の溶融層が形成されてAlN板と銅板とが強固に接合されるものである。
【0006】
図5は、直接接合法で作製したAlN基板の断面図である。AlN板1の上に銅板2が共晶層6により直接接合されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の接合方法による窒化物セラミックス板と銅板との接合方法にはそれぞれ欠点があった。
そもそも、銅の熱膨張率は17×10-6/Kであるのに対し、AlNやSi3 N4 などの窒化物セラミックスでは4×10-6/Kであり両者に大きな差がある。そして、▲1▼の活性金属法の接合温度は、780℃以上、▲2▼の直接接合法では1050℃以上の高温が必要である。このような高温で窒化物セラミックス板と銅板とを接合すると、その熱膨張差により大きな接合応力が発生して、室温付近で使用する場合には大きな残留歪みや残留応力が残る。
【0008】
そのため、接合物が大きく反ったり、また、低強度で破壊してしまったりして、その信頼性に問題があった。詳細は、発明の実施の形態の項の比較実験で記載したのでそちらを参照されたい。
▲3▼の厚膜法で接合した場合には、窒化物セラミックス板と厚膜導体との接合力が弱く、厚膜導体に半導体をはんだ接合した時に窒化物セラミックスと厚膜導体間で剥離してしまうという問題があった。
【0009】
▲4▼の同時焼結法は、窒化物セラミックスと高融点金属との熱膨張係数の差による残留応力、また、それによるセラミックスの割れや接合体の反りがあり、その信頼性に問題があった。
このような状況に鑑み本発明は、窒化物セラミックス板と銅板とを強固に接合し、しかも接合による残留応力を極力抑えて、信頼性の高い窒化物セラミックス基板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の参考例は、窒化物セラミックス板と銅板とを接合した窒化物セラミックス基板において、窒化物セラミックス板と銅板との間にはんだ層を有するものとする。
具体的には、窒化物セラミックス板に活性金属を含む銅系、銀系、または銅―銀系のろう材層を形成し、ろう材層と銅板とをはんだにより接合するものとする。
【0011】
本発明の参考例によれば、窒化物セラミックス板と下地銅板とを、活性金属を含む銅系、銀系、または銅―銀系のろう材層により接合し、その下地銅板と下地銅板より厚い銅板とをはんだにより接合する。窒化物セラミックス板と銅板とを活性金属を含む銅系、銀系、または銅―銀系のろう材により接合すると、両者の熱膨張の差により大きな残留応力を生じたが、間にはんだを挟み、あるいは薄い下地銅板とはんだを挟むことにより、応力が緩和されたと考えられる。回路導体として必要な厚さの銅は、はんだにより例えば35℃以下の低温で接合するので、熱膨張による差が小さく、発生する応力は小さい。
【0012】
特に、下地銅板の厚さが0.03〜0.15mmの範囲にあることが重要である。
そのような範囲であれば、クラックの発生が見られなかった。
また、ろう材層中の活性金属が チタン、ジルコニウム、ハフニウムのいずれかであるものとする。
【0013】
そのような金属であれば、窒化物セラミックスと反応して窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウムを生じて、強固な接合が得られる。
本発明によれば、窒化物セラミックス板と下地銅板とを、直接接合法により接合し、その下地銅板と下地銅板より厚い銅板とをはんだにより接合する。この場合も、薄い下地銅板を挟むことにより、応力が緩和される。
【0014】
特に、下地銅板の厚さが0.03〜0.15mmの範囲にあれば、クラックの発生が抑えられる。
窒化物セラミックス板が窒化アルミニウムまたは窒化けい素を主成分とする焼結体であるものとする。
窒化アルミニウムまたは窒化けい素を主成分とする焼結体は、熱伝導率が大きく、入手も容易であり、窒化物セラミックス基板の材料として適当である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にいたるまでの実験およびその結果、ならびに比較のための従来法による実験の経過およびその結果を詳細に説明する。
[実験1]
図1は本発明の参考例である第1の方法によりAlN板に銅板を接合したAlN基板の断面図である。
【0016】
AlN板1の上に活性ロウ材層4が設けられ、その上に銅板2がはんだ層3で接合されている。
図1のAlN基板は、次のような工程で作製した。
まず、寸法が30mm×60mmで厚さ0.635mmのAlN板1の表面に、チタンを2重量%含み銀が70重量%、銅が28重量%である銀−銅−チタン系ロウ材のペーストをAlN板1の周囲1mmを除く28mm×58mmの範囲にスクリーン印刷により、厚さ30μm塗布した。それを大気中で120℃で10分間乾燥し、1×10-2Paより低圧の真空中で450℃で30分間加熱脱脂し、さらにそのまま1×10-2Paより低圧の真空中で850℃で10分間熱処理した。そうしてAlN板1の上に強固に接合したロウ材層4を形成した。なお、この時点でロウ材層4の厚さは約10μm、反りは10μm以下であった。
【0017】
このロウ材層4の上に、寸法が28mm×58mmで厚さ0.1mmの鉛/錫(Pb95%、Sn5%)はんだシートを周囲1mmを除く所定の位置に設置し、さらに寸法が28mm×58mmで厚さが0.2〜5.0mmである銅板2をその上に積層した。そして、窒素対水素が1:1の雰囲気中で350℃で5分間熱処理して接合し、AlN基板を作製した。
【0018】
こうして得られたAlN基板をカラーチェックし、また顕微鏡でクラックおよび剥離を観察した。次に、接触式の反り測定装置で表面の反りを測定した。さらに、剥離強度を調べるためにエッチングで2mm×2mmのパッドを作製し、各パッドに直径0.6mmのはんだめっき銅線を200℃ではんだ付けし、90度ピールテストをおこなった。その結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
厚さが0.2〜5.0mmの銅板2をはんだ接合したいずれのサンプルにおいても、クラック、剥離ともに観察されなかった。
また反りは、銅板2の厚さが0.2mmから5.0mmまで増すに従って12μmから40μmまで増大したが、半導体の接合に差し支える程大きくはならなかった。 剥離強度は、いずれのサンプルについても40N/mm2 以上であり、はんだめっき銅線の接合部で剥がれた。
【0021】
表1の結果から、AlN板に活性金属を含んだ銅−銀系のろう材層を形成した窒化物板と銅板とをはんだで接合したAlN基板は、クラック、剥離等の欠陥がなく、接合強度も大きい窒化物セラミックス基板となると考えられる。
この場合、活性金属を含むロウ材は窒化物系セラミックスと強固な接合をするが、銅板2を接合しないため、780℃以上の高温を経ても発生する応力は小さい。一方、回路導体/冷却体として必要な銅板2は、はんだ付けにより350℃以下の低温で接合する。そのために熱膨張による差が小さく発生する応力は小さい。よって、残留応力が小さくなるのである。
【0022】
[実験2]
図2は本発明の参考例である第2の方法による窒化物セラミックス基板の部分断面図である。
AlN板1の上に活性ロウ材層4で下地銅板5が接合され、その上に銅板2がはんだ層3で接合されている。
【0023】
図2のAlN基板は、次のような工程で作製した。
実験1と同様にして、AlN板1に銀−銅−チタン系ロウ材のペーストを塗布し、大気中で120℃で10分間乾燥した後、ロウ材層4の上に寸法が28mm×58mmで厚さが0.05、0.1、0.2mmの下地銅板5を積み重ねた。次に、実施例1と同じ条件すなわち、1×10-2Paより低圧の真空中で450℃で30分間加熱脱脂し、さらにそのまま1×10-2Paより低圧の真空中で850℃で10分間熱処理した。そうしてAlN板1の上に強固に薄い下地銅板5を接合した。なお、この時点での反りは、厚さ0.05mmの下地銅板で7μm、厚さ0.1mmのもので12μm、厚さ0.2mmのもので65μmであった。
【0024】
この下地銅板5の上に、実験1と同様に鉛/錫はんだシートを所定の位置に置き、さらに厚さが0.2〜5.0mmである銅板2をその上に積み重ねた。そして、窒素対水素が1:1の雰囲気中で350℃で5分間熱処理しサンプルを作製した。
こうして得られた厚さ0.05mmと0.1mmの下地銅板5を持つサンプルを実験1と同様にクラック・剥離観察、反り測定、剥離強度測定を行った。その結果を表2に示す。
【0025】
なお、厚さ0.2mmの下地銅板5を用いたサンプルにおいては、下地銅板5をろう付けした段階では、クラックの発生が見られなかったが、銅板2をはんだづけしたところ全てのサンプルでAlN板1にクラックが発生し、接合することができなかったので、表2には記載しなかった。
【0026】
【表2】
【0027】
厚さが0.2〜5.0mmの銅板2をはんだ接合したいずれのサンプルにおいても、クラック、剥離ともに観察されなかった。
また反りは、0.2mmから5.0mmまで厚さを増すに従って下地銅板が0.05mmのものでは14μmから44μmまで、下地銅板が0.1mmのものでは16μmから45μmまで増大したが、半導体の接合に差し支える程大きくはならなかった。
【0028】
剥離強度は、いずれのサンプルについても40N/mm2 以上であり、はんだめっき銅線の接合部で剥がれた。
活性金属を含むロウ材は窒化物系セラミックスと強固な接合をするが、下地銅板5の厚さが薄いため、780℃以上の高温で接合しても発生する応力は小さく、下地銅板5で吸収される。一方回路導体/冷却体として必要な銅板2は、はんだ付けにより350℃以下の低温で接合する。そのために熱膨張による差が小さく発生する応力は小さい。よって、残留応力が小さくなるのである。
【0029】
厚さ0.2mmの下地銅板5を用いると、780℃以上の高温で接合したときの応力が大きくて下地銅板5で吸収しきれず、AlN板1にクラックが発生すると考えられる。
[実験3]
図3は本発明である第3の方法による銅貼り窒化物セラミックス基板に銅板をはんだ接合した半導体装置の部分断面図である。
【0030】
AlN板1の上に下地銅板5が直接接合され、その上に銅板2がはんだ層3で接合されている。6は銅と亜酸化銅との共晶層である。
図3のAlN基板は、次のような工程で作製した。
寸法が30mm×60mmで厚さ0.635mmのAlN板1を大気中で1200℃で10分間熱処理した。これにより、AlN板1の表面に約5μmの厚さの酸化物層が生成した。
【0031】
この表面酸化させたAlN板1の上の周囲1mmを除く所定の位置に寸法が28mm×58mmで厚さが0.05、0.1、0.2mmの200〜300ppmの酸素を含有するタフピッチ銅からなる下地銅板5を積層し、窒素雰囲気中で1070℃で10分間熱処理した。そうしてAlN板1の上に薄い下地銅板5を接合した。なお、この時点での反りは、厚さ0.05の下地銅板で5μm、厚さ0.1mmのもので10μm、厚さ0.2mmのもので60μmであった。
【0032】
この薄い下地銅板5上に、実験1、2と同様にして鉛/錫はんだシートを用いて厚さが0.2〜5.0mmの銅板2を積層し、窒素対水素の流量比が1:1の雰囲気中で350℃で5分間熱処理し、実験3のサンプルを作製した。
こうして得られたサンプルについて、実験1と同様にクラック・剥離観察、反り測定、剥離強度測定をおこなった。厚さ0.05mmと0.1mmの下地銅板を持つサンプルについての結果を表3に示す。
【0033】
なお、この実験3においても厚さ0.2mmの下地銅板をもつサンプルでは、はんだ付け後の全てのサンプルでAlN板にクラックが発生し、接合することができなかったので、表3には記載していない。
【0034】
【表3】
【0035】
厚さが0.2〜5.0mmの銅板2をはんだ接合したいずれのサンプルにおいても、クラック、剥離ともに観察されなかった。
また反りは、0.2mmから5.0mmまで厚さを増すに従って下地銅板が0.05mmのものでは10μmから42μmまで、下地銅板が0.1mmのものでは15μmから42μmまで増大したが、半導体の接合に差し支える程大きくはならなかった。
【0036】
剥離強度は、いずれのサンプルについても40N/mm2 以上であり、はんだめっき銅線の接合部で剥がれた。
直接接合法においてAlN板1と下地銅板5とは強固に接合される。また下地銅板5が薄いため、直接接合法で1050℃以上の高温で接合しても発生する応力は小さく、下地銅板5で吸収される。そして、回路導体/冷却体となる厚い銅板2は下地銅板5にはんだ付けにより低温で接合される。そのために熱膨張による差が小さく発生する応力は小さい。よって、本発明の方法により残留応力が小さくなるのである。
【0037】
直接接合法によって厚さ0.2mmの下地銅板5を用いたときも、1050℃の高温で接合したときの応力が大きくて下地銅板5で吸収しきれず、銅板2のハンダ付け時にAlN板1にクラックが発生したと考えられる。
[比較実験1]
比較実験1として従来の活性化金属法でAlN板に銅板を接合した。
【0038】
実験1と同様にして寸法が30mm×60mm、厚さ0.635mmのAlN板1の表面に、銀−銅−チタン系ロウ材のペーストをスクリーン印刷により厚さ30μm塗布し、大気中で乾燥した。その上に寸法が28mm×58mm、厚さが0.2〜5.0mmである銅板2を積層した。そして、実験1と同様の条件で、真空加熱脱脂し、さらにそのまま真空中で850℃10分間熱処理してAlN板1と銅板2とを接合した。接合したAlN基板の断面は、図4に示すようになる。
【0039】
こうして得られた比較実験サンプルを実験1〜3のサンプルと同様にクラック・剥離観察、反り測定、剥離強度測定をおこなった。その結果を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】
厚さ0.2mmと0.5mmの銅板の場合は、クラック、剥離とも認められなかったが、厚さ0.2mmのもので反りが70μm、0.5mmのもので200μmあり、シリコンチップなどを接合することが困難であった。剥離強度試験においても、0.2mmのものでは20N/mm2 、0.5mmの銅板のものでは10N/mm2 でAlN板1にクラックが発生し、AlN基板としては使えない。この原因は、接合時の残留応力のためと考えられる。
【0042】
厚さ1mmの銅板の場合は、接合後にクラックの発生があったし、厚さ2mmの銅板の場合は、クラックと剥離が認められた。そのためこれらでは、剥離強度試験をおこなえなかった。反りも250μm以上と大きかった。
[比較実験2]
比較実験2として従来の直接接合法でAlN板1に銅板2を接合した。
【0043】
実験3と同様にして寸法が30mm×60mm、厚さ0.635mmのAlN板1を大気中で熱処理し、表面酸化させたAlN板1の上に寸法が28mm×58mm、厚さが0.2〜5.0mmで、200〜300ppmの酸素を含有するタフピッチ銅板2を積層し、窒素雰囲気中で1070℃で10分間熱処理して直接接合した。接合したAlN基板の断面は、図5に示すようになる。
【0044】
こうして得られたサンプルを実験1〜3のサンプルと同様にクラック・剥離観察、反り測定、剥離強度測定をおこなった。その結果を表5に示す。
【0045】
【表5】
【0046】
厚さ0.2mmと0.5mmの銅板の場合は、クラック、剥離とも認められなかったが、反りが厚さ0.2mmのもので60μm、0.5mmのものでは170μmあり、シリコンチップなどを接合することが困難であった。剥離強度試験においても、0.2mmのものでは20N/mm2 、0.5mmの銅板のものでは10N/mm2 でAlN板1にクラックが発生し、半導体用基板としては使えない。この原因は、接合時の残留応力のためと考えられる。
【0047】
厚さ1mmの銅板の場合は、接合後にクラックの発生があったし、厚さ2mmの銅板の場合は、クラックと剥離が認められた。そのためこれらでは、剥離強度試験をおこなえなかった。反りも250μm以上と大きかった。
以上の実験を総合すると、本発明の参考例ならびに実施例のいずれの例でも、厚い銅板を接合したAlN板にクラックの発生がなく、また銅板の剥離がないのものが得られた。反り量も45μm以下と小さく、半導体チップの搭載に支障となることは無かった。これらは、はんだ層または下地銅板で応力が緩和され、接合による残留応力が小さくなったためと考えられる。さらに、剥離強度も40N/mm2 以上と高く、半導体装置用基板として適当な、信頼性の高いセラミックス基板ができたと考えられる。
【0048】
特に、5mmと厚い銅板に対しても信頼性があることは驚異的であり、反り量もほぼ飽和する傾向にあることから、更に厚い銅板にも適用できると考えられ、特に大電力用のパワーデバイスにとって極めて有望な基板となると思われる。
上記の実験では、窒化物セラミックスとしてAlNを例示したが、AlNに限ることはなく窒化けい素、或いはAlNと窒化ほう素との混合物などの窒化物セラミックスで同様の効果が得られた。また、活性金属ロウ材としてチタンを2重量%含み銀が70質量%、銅が28質量%である銀−銅−チタン系ロウ材を例示したが、チタンの代わりにジルコニウムやハフニウムなどの活性金属でもよく、また、重量比もこれに限ることはなくチタンであれば0.5〜5質量%でほぼ同様の効果が得られる。銅板2をAlN板1の片側だけに接合した例だけを示したが、両側に接合しても良い。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の参考例によれば、窒化物セラミックス板に活性金属を含むろう材層を形成し、そのろう材層と銅板とをはんだにより接合し、または、窒化物セラミックス板と、薄い下地銅板とを活性金属を含む銅系、銀系、または銅―銀系のろう材層により接合し、その下地銅板と下地銅板より厚い銅板とをはんだにより接合することによって、従来銅板との接合が困難で問題の多かった、窒化物セラミックスを用いた窒化物セラミックス基板の問題が解決され、高信頼性の基板を実現できた。本発明によれば、窒化物セラミックス板と薄い下地銅板とを直接接合法により接合し、その下地銅板と下地銅板より厚い銅板とをはんだにより接合する。
【0050】
よって、伝導率の大きい窒化アルミニウム、窒化けい素等を用いて低い熱抵抗と共に、熱衝撃や熱履歴に対する優れた耐久性をもつトランジスタモジュール等の半導体装置が実現できることとなった。
厚い銅板に対しても適用できるため、特に電力用のパワーモジュール等の普及、発展に貢献するものであり、工業的、経済的な効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験1の方法により銅板を接合したAlN基板の断面図
【図2】実験2の方法により銅板を接合したAlN基板の断面図
【図3】実験3の方法により銅板を接合したAlN基板の断面図
【図4】活性金属法により銅板を接合したAlN基板の断面図
【図5】直接接合法により銅板を接合したAlN基板の断面図
【符号の説明】
1 AlN板
2 銅板
3 はんだ層
4 ロウ材層
5 下地銅板
6 共晶層
Claims (2)
- 窒化物セラミックス板と、下地銅板とを直接接合法により接合し、その下地銅板と下地銅板より厚い銅板とをはんだにより接合するとともに、下地銅板の厚さが0.03〜0.15mmの範囲にあることを特徴とする窒化物セラミックス基板。
- 窒化物セラミックス板が窒化アルミニウムまたは窒化けい素を主成分とする焼結体であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物セラミックス基板。
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---|---|---|---|
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