JP7379813B2 - 接合体及び接合体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パワーモジュールなどの電子部品に用いられるセラミックと金属の接合体及び接合体の製造方法に関する。
例えば、パワーモジュールなどに用いられる回路基板は、セラミックス部材に金属部材を接合させている。一般に、セラミックスと金属部材の接合は、例えば、ろう材をセラミックス部材と金属部材との間に配置し、加熱溶融させることでセラミックスと金属部材との接合を行っている。このようなろう材としては、金属間化合物を生成することなく、常温でも容易に加工でき、且つろう付けする際に使い易い形状まで成形することができるろう材が特許文献1に開示されている。
特開平8-52589号公報
このようにセラミックスと金属との接合は、ろう材を加熱溶融させることで行われている。しかし、セラミックス部材と金属部材とは、熱膨張係数が互いに異なる。このため、例えば、ろう材を加熱溶融させる際に熱が加えられると、両者の熱膨張係数の差から熱応力が発生する。この熱応力は、セラミックスが割れる要因となり、残留応力が発生する要因となる。
セラミックス部材の残留応力が大きくなると、セラミックスにクラックが発生したり、セラミックスが反ったりする要因となる。この結果、セラミックスと金属部材の接合強度の低下を招き得る。
よって、本発明は、信頼性の高いセラミックスと金属部材の接合体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の接合体は、セラミックス部材と、前記セラミックス部材上に形成され、活性金属化合物を含む第1の金属層と、前記第1の金属層上に形成され、かつ2種以上の金属からなる金属間化合物を含む第2の金属層と、前記第2の金属層上に形成された金属部材と、を含むことを特徴とする。
本発明の接合体によれば、第2の金属層がセラミック部材に強固に接合した第1の金属層及び金属部材と強固に接合されている。すなわち、高い接合強度を有するセラミックス部材と金属部材との接合体を提供することが可能となる。その結果、接合体の信頼性を向上させることができる。
本発明の接合体においては、前記金属間化合物は、一の金属及び前記一の金属よりも融点が低い他の金属によって構成されていることが好ましい。
上記態様によれば、金属間化合物が一の金属及び一の金属よりも融点が低い他の金属により構成されていることにより、第2の金属層が金属部材と接合しつつ、第1の金属層と接合することが可能となる。
本発明の接合体においては、前記一の金属は、前記セラミックス部材と前記活性金属との反応開始温度よりも高い融点を有し、前記他の金属は、前記セラミックス部材と前記活性金属との反応開始温度よりも低い融点を有することが好ましい。
上記態様によれば、一の金属の融点がセラミックス部材と活性金属との反応開始温度よりも高く、かつ他の金属の融点がセラミックス部材と活性金属との反応開始温度よりも低いことにより、第2の金属層が金属部材と接合しつつ、第1の金属層と接合することが可能となる。
本発明の接合体においては、前記活性金属は、Ti、Zr、Hf、V又はCrを含み、前記活性金属化合物は、前記活性金属の窒化物、酸化物又は炭化物のいずれかであり、前記金属間化合物は、Cu、Ag又はNiのいずれかとSnとによって構成されていることが好ましい。
上記態様によれば、例えば、活性金属がTiの場合、TiO2、TiN、TiCのいずれかが第1の金属層に含まれる。また、金属間化合物は、Cu-Sn、Ag-Sn、Ni-Snのいずれかとなる。これらの第1の金属層と第2の金属層は、互いに濡れ性が高く、第1の金属層と第2の金属層との接合状態をより強固にすることができる。
本発明の接合体においては、前記金属部材は、Cuであることが好ましい。
上記態様によれば、Cu-Sn、Ag-Sn、Ni-Snのいずれかが主な組成となる金属間化合物は、Cuとの濡れ性が高く、金属間化合物と金属層との接合状態をより強固にすることができる。したがって、接合体の強固な接合状態を維持することが可能となる。
本発明のパワーモジュールは、上記の接合体を回路部品として含むことを特徴とする。上記態様によれば、セラミックス部材と金属部材との良好な接合状態を維持することが可能となるため、パワーモジュールの信頼性を高めることが可能となる。
本発明の接合体の製造方法は、セラミックス部材上に活性金属からなる活性金属層を形成する工程と、前記活性金属層上に、一の金属からなる一の金属層を形成する工程と、前記一の金属層上に前記一の金属よりも融点が低い他の金属からなる他の金属層を形成する工程と、前記他の金属層上に金属部材を載置する工程と、前記他の金属の融点よりも高くかつ前記一の金属の融点よりも低い温度に加熱する工程と、を含むことを特徴とする。
上記発明によれば、加熱する工程によって、他の金属が融点に達すると、他の金属が一の金属に対して拡散することによって、一の金属及び他の金属の金属間化合物が生成される。また、当該加熱温度においてセラミックス部材を構成する化合物と活性金属との反応が進行し、活性金属及びセラミックス部材の反応物が生成する。金属間化合物は、金属部材との結合状態がよく、かつ活性金属及びセラミックス部材の反応物との接合状態がよい。従って、従来の接合体を製造する際の加熱温度よりも十分に低い温度で、金属部材をセラミックス部材に接合することが可能となる。このため、セラミックス部材に生じる残留応力を低減することが可能となる。この結果、セラミックス部材のクラックや反りによる破損を防止することが可能となる。
本発明の接合体の製造方法においては、前記セラミックス部材は、窒化物、酸化物又は炭化物のいずれかを含む化合物であり、前記活性金属は、Ti、Zr、Hf、V又はCrを含み、前記一の金属は、Cu、Ag又はNiのいずれかであり、前記他の金属は、Snであり、前記金属部材は、Cuであることが好ましい。
上記態様によれば、Snは、Cuよりも融点が低いためCuよりも先に溶融する。溶融したSnは、一の金属層内に拡散する。その結果、一の金属及び他の金属の金属間化合物として、Cu-Sn、Ag-Sn、Ni-Snのいずれかが生成される。
次いで、例えば、活性金属がTiの場合、活性金属はセラミックス部材との反応によってTiO2、TiN、TiCのいずれかを生成する。
金属間化合物を含む金属層は、活性金属を含む金属層と濡れ性が高い。このため、金属間化合物を含む金属層の活性金属を含む金属層との接合を強固にすることができる。また金属間化合物を含む金属層は、Cuである金属部材との濡れ性が高い。このため、金属間化合物を含む金属層の金属部材との接合を強固にすることができる。
本発明の接合体の製造方法においては、前記一の金属は、前記セラミックス部材と前記活性金属との反応開始温度よりも高い融点を有し、前記他の金属は、前記セラミックス部材と前記活性金属との反応開始温度よりも低い融点を有することが好ましい。
上記態様によれば、一の金属の融点がセラミックス部材と活性金属との反応開始温度よりも高く、かつ他の金属の融点がセラミックス部材と活性金属との反応開始温度よりも低いことにより、一の金属及び他の金属の金属間化合物を含む金属層が金属部材と接合しつつ、活性金属層と接合することが可能となる。
本発明によれば、第2の金属層が、セラミック部材に強固に接合した第1の金属層及び金属部材と強固に接合されている。すなわち、高い接合強度を有するセラミックス部材と金属部材との接合体を提供することが可能となる。その結果、接合体の信頼性を向上させることができる。
図1は、実施例に係るパワーモジュールの内部構成を示す平面図である。 図1のA-A線に沿ったパワーモジュールの内部構成の断面図である。 セラミックスと金属の接合体の製造工程の一部の態様を示す断面図である。 セラミックスと金属の接合体の製造工程の一部の態様を示す断面図である。 セラミックスと金属の接合体の製造工程の一部の態様を示す断面図である。 セラミックスと金属の接合体の製造工程の一部の態様を示す断面図である。 試験例2に用いた試験片を説明する図である。 試験例2における試験態様を説明する図である。
本発明のセラミックスと金属の接合体を回路部品としてパワーモジュールに採用した例を説明する。図1は、パワーモジュール100の内部構成の平面を示している。図1に示すように、パワーモジュール100は、回路部品10を有する。
回路部品10上には、回路パターン10a,10b,10c,10dが形成されている。回路パターン10a,10bの上には、パワー半導体素子としてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)1a,1b及び3個の還流用のダイオードであるFWD(フリー・ホイリング・ダイオード)2a,2bがはんだなどによりろう付けされている。尚、回路部品10に搭載される半導体素子は、IGBT1aに限られず、例えば、電気信号を増幅するパワー半導体素子を搭載してもよい。
IGBT1a,1bのエミッタ電極およびFWD2a,2bのアノード電極の間は、導電性のワイヤ11aに接続され、これらと回路パターン10a,10b,10c,10dとの間は、導電性のワイヤ11bにより接続されている。
なお、パワーモジュールの主端子3aは、回路パターン10aに接続されている。主端子3bは、回路パターン10cに接続されている。主端子3cは、回路パターン10bに接続されている。補助端子3d,3eは、回路パターン10dに接続されている。
図2は、図1のA-A線に沿ったパワーモジュール100の内部構成の断面を示している。図2に示すように、回路部品10は、セラミックス部材として矩形板状のセラミックス基板20を含む。回路部品10は、セラミックス基板20の主面S1上に形成されている第1の金属層30及び第1の金属層30上に形成されている第2の金属層40を含む。また、回路部品10は、第2の金属層40上に接合されている金属部材としての銅板50を含む。すなわち、パワーモジュール100は、セラミックス部材と金属部材の接合体を有する回路部品10を含む。銅板50上には回路パターン10aが形成され、導電体の接着剤によってIGBT1aが接合されている。尚、金属部材は、導電体であればよく、銅に限られず、例えば、銀や金であってもよい。
セラミックス基板20は、例えば、矩形板状に形成されている。セラミックス基板20は、窒化物、酸化物又は炭化物のいずれかを含む化合物で構成されている。セラミックス基板20を構成する化合物としては、例えば、SiC(炭化ケイ素)、Si34(窒化ケイ素)、AlN(窒化アルミニウム)、Al23(アルミナ)が挙げられる。このうち、Si34(窒化ケイ素)、AlN(窒化アルミニウム)及びAl23(アルミナ)は、耐熱性、および絶縁性に優れているため好ましいが、セラミックス基板20を構成する化合物は特には限定されない。
第1の金属層30は、活性金属化合物を含む。活性金属化合物は、水素よりも低いイオン化エネルギーを有し、水または酸と反応して容易に溶解する金属の化合物である。活性金属化合物は、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、V(バナジウム)又はCr(クロム)から選択される1種又は2種以上の活性金属を含んで構成されている。
セラミックス基板20と第1の金属層30との界面及びその近傍には、セラミックス基板20と第1の金属層30との化合物が含まれている。例えば、活性金属がTiであり、セラミックス基板20が酸化物である場合、セラミックス基板20と第1の金属層30との界面及びその近傍にはTiO2(酸化チタン)が含まれる。
第2の金属層40は、2種以上の金属からなる金属間化合物を含む。金属間化合物は、一の金属及び一の金属よりも融点が低い他の金属によって構成されている。一の金属は、セラミックス部材と活性金属との反応開始温度(例えば、活性金属とセラミックスの成分との反応によってTiO2が生成される反応開始温度は300℃)よりも高い融点を有する。一の金属には、例えば、Cu(銅)、Ag(銀)及びNi(ニッケル)を用いることができる。尚、Cuの融点は、1085℃である。Agの融点は、961.8℃である。Niの融点は、1455℃である。
他の金属は、セラミックス部材と活性金属との反応開始温度よりも低い融点を有する。他の金属には、例えば、Sn(錫)を用いることができる。尚、Snの融点は、231.9℃である。
すなわち、金属間化合物は、例えば、Cu、Ag及びNiのいずれかとSnとによって形成された、Cu-Sn、Ag-Sn及びNi-Snのいずれかを含むことができる。
上記構成からなる第1の金属層と第2の金属層は、互いに濡れ性が高く、第1の金属層30と第2の金属層40との接合状態をより強固にすることができる。
また、第2の金属層40に含まれる金属間化合物は、金属部材としての銅板50との濡れ性が高く、第2の金属層40と銅板50との接合状態をより強固にすることができる。したがって、接合体の強固な接合状態を維持することが可能となる。
このように金属間化合物が一の金属及び一の金属よりも融点が低い他の金属により構成されていることにより、第2の金属層40が銅板50と接合しつつ、第1の金属層30と接合することが可能となる。
尚、本実施形態においては、セラミックス基板20の主面S1上に回路部品10が形成されるように説明した。しかし、セラミックス基板20の主面S1とは反対側の面S2に回路部品10が形成されるようにしてもよい。また、セラミックス基板20の主面S1及び主面S1の反対側の面S2に回路部品10が形成されるようにしてもよい。
以上のように、本発明の接合体によれば、活性金属とセラミックス部材との反応物を介して、セラミックス基板20と第1の金属層30とが強固に接合し、金属間化合物を含む第2の金属層40を介して、第1の金属層30と金属部材である銅板50とが強固に接合されるので、高い接合強度を有するセラミックス基板20と金属部材である銅板50との接合体を提供することが可能となる。その結果、接合体の信頼性を向上させることができる。また、セラミックス基板20と銅板50との良好な接合状態を維持することが可能となるため、パワーモジュールの信頼性を高めることが可能となる。
以上で説明したセラミックスと金属部材の接合体としての回路部品10の製造方法について説明する。図3Aから図3Dは、セラミックスと金属の接合体の製造工程の一部の態様を示している。
図3Aに示すように、セラミックス基板20上に活性金属からなる活性金属層70が形成される。活性金属層70を形成するにあたって、セラミックス基板20に付着しているコンタミネーションは活性金属の拡散を阻害するため、セラミックス基板20を洗浄するとよい。セラミックス基板20の洗浄は、エタノール、アセトン等の有機溶剤でコンタミネーションを除去することが望ましい。
セラミックス基板20上に活性金属層70が形成される工程は、活性金属層70の酸化を防止するため、低酸素雰囲気中で行われることが望ましい。低酸素雰囲気は、例えば、窒素や希ガスといった不活性ガスで満たされた雰囲気である。
セラミックス基板20上に活性金属層70が形成される工程は、例えば、スパッタリングによって行われる。活性金属層70が形成される工程は、スパッタリング以外には、蒸着やメッキによって行われてもよい。活性金属は、上記したTi、Zr、Hf、V又はCrから選択される1種又は2種以上の活性金属である。
図3Bに示すように、活性金属層70上に、一の金属からなる一の金属層80が形成される。活性金属層70上に一の金属からなる一の金属層80が形成される工程は、低酸素雰囲気中において、例えば、スパッタリングによって行われる。一の金属層80が形成される工程は、スパッタリング以外には、蒸着やメッキによって行われてもよい。一の金属は、セラミックス基板20と活性金属との反応開始温度よりも高い融点を有する。一の金属としては、例えば、上記したCu、Ag及びNiのうち、いずれかから選択される金属を用いることができる。
図3Cに示すように、一の金属層80上に、他の金属からなる他の金属層90が形成される。一の金属層80上に他の金属からなる他の金属層90が形成される工程は、低酸素雰囲気中において、例えば、スパッタリングによって行われる。他の金属層90が形成される工程は、スパッタリング以外には、蒸着やメッキによって行われてもよい。他の金属は、一の金属よりも融点が低く、かつセラミックス部材と活性金属との反応開始温度よりも低い融点を有する。他の金属としては、例えば、上記したSnを用いることができる。
図3Dに示すように、他の金属層90上に金属部材としての銅板50が載置される。他の金属層90上に銅板50が載置された後、加熱することによって銅板50がセラミックス基板20に接合される。
当該加熱工程は、他の金属の融点よりも高くかつ一の金属の融点よりも低い温度に加熱する。加熱工程は、低酸素雰囲気下で行われる。また、加熱工程は、還元雰囲気下で行われることが望ましい。還元雰囲気は、例えば、CO(一酸化炭素)、H2S(硫化水素)、H2(水素)、HCHO(ホルムアルデヒド)、HCOOH(ギ酸)などで満たされている雰囲気である。還元雰囲気中で加熱工程が行われることによって、銅板50等に形成されている酸化膜を取り除くことができる。
加熱工程は、例えば、活性金属とセラミックスの成分との反応が開始する温度である300℃以上600度未満で行われるとよい。600℃よりも低い温度で加熱工程が行われることにより、セラミックス基板20の残留応力を低減することができるためである。また、銅板50のセラミックス基板20に対するより高い接合強度が得られるため、400℃以上500℃以下で加熱工程が行われることが好ましい。
この加熱工程において、Sn(融点231.9℃)は、Cu(融点1085℃)よりも融点が低いためCuよりも先に溶融する。溶融したSnは、一の金属層80内に拡散する。その結果、一の金属及び他の金属の金属間化合物として、Cu-Sn、Ag-Sn又はNi-Snのいずれかが生成される。この結果、第2の金属層40が形成される。
次いで、例えば、活性金属がTiの場合、活性金属とセラミックス部材との反応によってTiO2、TiN、TiCが生成される。この結果、第1の金属層30が形成される。
金属間化合物を含む第2の金属層40は、活性金属を含む第1の金属層30と濡れ性が高い。このため、第2の金属層40の第1の金属層30との接合を強固にすることができる。また第2の金属層40は、Cuである金属部材としての銅板50との濡れ性が高い。このため、第2の金属層の銅板50との接合を強固にすることができる。また、一の金属による拡散をセラミックス基板20と銅板50との接合に利用することで、一の金属及び他の金属を完全に溶融させる必要がない。このため、加熱工程の温度を低くすることが可能となる。さらに、第2の金属層に金属間化合物が含まれていることによって、第2の金属層の融点を上昇させることが可能となる。このため、回路部品10の信頼性を向上させることができる。
尚、低酸素雰囲気は、大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態とする真空状態の雰囲気であってもよい。
また、一の金属及び他の金属は2層で構成されている必要はなく、拡散を容易にするために多層で構成されているようにしてもよい。例えば、一の金属及び他の金属を交互に積層して構成してもよい。このように一の金属及び他の金属を構成することによって、第2の金属層40の膜厚を調整することが容易となる。
[試験例1]
(実施例1)
セラミックス基板20としてAlN(窒化アルミニウム)を用いた。活性金属としてTiを用いた。一の金属としてCuを用いた。他の金属としてSnを用いた。スパッタ装置を用いてセラミックス基板20上に活性金属、一の金属及び他の金属の成膜を行った。
具体的には、セラミックス基板20をアセトン洗浄後、スパッタ装置に設置し、10-4Pa以下まで真空引きを行った後に、アルゴン雰囲気中(3Pa)にて、Ti,Cu,Snの順番で、膜厚Ti=1μm,Cu=2μm,Sn=2μmで成膜を行った。成膜後、他の金属層90上に、銅板50を設置し、ギ酸雰囲気中(大気圧)で、接合温度400℃、接合時間10分で加熱を行って接合体を得た。
(比較例)
セラミックス基板20としてAlN(窒化アルミニウム)を用いた。アセトン洗浄したセラミックス基板20に、金属ろう、銅板50の順番で重ねた。金属ろう及び銅板50を含むセラミックス基板20を加熱炉に設置し、10-4Pa以下まで真空引きを行った後に、接合温度1000℃、接合時間10分で加熱を行って接合体を得た。
上記実施例1の接合体と、比較例の接合体の反りを、接合体の側面から見て検査した。その結果、実施例に係る接合体は、目視においてセラミックス基板20に反り等の変形は見られなかった。これに対し、比較例に係る接合体は、目視において判別できる反りが確認された。
[試験例2]
(実施例2)
図4Aに示すように、1辺が10mmで高さが1mmの矩形板状のセラミックス基板20に、銅板50として直径2mmで高さが5mmの円筒状の銅のピン50aを、実施例1で説明した工程で接合して接合体を得た。すなわち、セラミックス基板20上に、実施例1と同様な方法で、Ti,Cu,Snの順番で、膜厚Ti=1μm,Cu=2μm,Sn=2μmで成膜を行った後、銅のピン50aの一端をSn膜上に当接させ、上方から加圧した状態で、ギ酸雰囲気中(大気圧)で、接合温度400℃、接合時間10分で加熱を行って接合体を得た。
(接合強度試験)
上記で得られた接合体のセラミックス基板20とピン50aとの接合強度を、図4Bに示す試験方法で測定した。図4Bにおいて、第1の冶具TL1は、セラミックス基板20を固定する冶具である。第1の冶具TL1は、矩形の板状に形成されている。第1の冶具TL1の一方の面には、この一方の面から反対側の面に向かって窪んで形成された溝GVが形成されている。溝GVは、一方の面からみて正方形に形成され、セラミックス基板20と嵌合可能に形成されている。
第2の冶具TL2は、ピン50aを固定する冶具である。第2の冶具TL2は、矩形板状に形成されている。第2の冶具TL2の一方の面から見た中央には、一方の面から反対側の面にかけて貫通した貫通孔THが設けられている。貫通孔THは、その直径がピン50aの直径と同等に形成され、ピン50aを挿通可能となっている。
第1の冶具TL1の溝GVにセラミックス基板20を嵌合させ、かつ第2の冶具TL2の貫通孔THにピン50aを挿入した。ピン50aのセラミックス基板20に対する接合方向に対して垂直方向(図中における矢印の方向)に荷重をかけることによって、ピン50aがセラミックス基板20から剥離する際の荷重を測定し、ピン50a及びセラミックス基板20の接合強度とした。
その結果、本実施例に係る接合体は、回路部品として必要とされている接合強度を十分に上回る接合強度を有していた。
以上のように、セラミックス基板20の反り等変形を低減しつつ、高い接合強度を有するセラミックス基板20と銅板50との接合体を提供することが可能となる。
100 パワーモジュール
10 回路部品
20 セラミックス基板
30 第1の金属層
40 第2の金属層
50 銅板
70 活性金属層
80 一の金属層
90 他の金属層

Claims (4)

  1. AlN又はAl 2 3 からなるセラミックス部材と、
    前記セラミックス部材上に形成され、前記セラミックス部材がAlNの場合はTiN、前記セラミックス部材がAl 2 3 の場合はTiO からなる活性金属化合物を含む第1の金属層と、
    前記第1の金属層上に形成され、CuとSnとによって構成された金属間化合物を含む第2の金属層と、
    前記第2の金属層上に形成された、Cuからなる金属部材とを含み、
    前記第2の金属層の金属間化合物は、CuとSnとが接した状態で、前記セラミックス部材とTiとの反応開始温度以上で、かつ、Cuの融点よりも低い温度で、SnをCuに拡散させて反応させることによって形成されていることを特徴とする接合体。
  2. 請求項に記載された接合体を回路部品として含むことを特徴とするパワーモジュール。
  3. AlN又はAl 2 3 からなるセラミックス部材上に、Tiからなる活性金属層を形成する工程と、
    前記活性金属層上に、Cuからなる一の金属層を形成する工程と、
    前記一の金属層上にSnからなる他の金属層を形成する工程と、
    前記他の金属層上にCuからなる金属部材を載置する工程と、
    前記セラミックス部材とTiとの反応開始温度以上で、かつ、Cuの融点よりも低い温度に加熱する工程と、
    を含むことを特徴とする接合体の製造方法。
  4. 前記加熱する工程は、前記セラミックス部材とTiとの反応開始温度以上で、かつ、600℃未満で行う、請求項に記載の接合体の製造方法。
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