JP2001135902A - セラミックス回路基板 - Google Patents
セラミックス回路基板Info
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Abstract
ラミックス回路基板を提供すること。 【解決手段】1nm以上0.2μm以下の酸化層を有す
るセラミックス基板に、アルミニウムを主成分とする金
属板をアルミニウム合金からなるろう材を用いて接合さ
れてなることを特徴とするセラミックス回路基板。
Description
等に使用される高信頼性のセラミックス回路基板に関す
る。
ナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)セラミッ
クスなどの絶縁性の優れたセラミックス焼結体からなる
基板表面に、回路を設けたセラミックス回路基板が広く
普及している。
業機械の高性能化に伴い、大電力、高能率のインバータ
ー等のパワーモジュールの改善が進んでおり、半導体素
子等の電子、電気部品から発生する熱も増加の一途をた
どっている。
する熱を効率よく放散させる目的で、パワーモジュール
用のセラミックス基板では、良好な熱伝導を有する窒化
アルミニウム(AlN)などのセラミックス基板を利用
し、その基板上に放熱性の高い銅回路を形成後、そのま
まあるいはニッケルメッキ等の処理を施してから半導体
素子を実装する構造の銅回路基板が開発されている。
が不十分であり、実使用条件下で、半導体素子の作動に
伴なう繰り返しの熱サイクルや動作環境の温度変化等に
よりセラミックス基板の銅回路の接合部付近にクラック
が発生しやすく、信頼性が低いとういう問題があった。
基板の回路材料に銅よりも降伏耐力の小さいアルミニウ
ムが用いることが検討されている。しかしながら、この
ようなアルミニウム回路基板ではあっても、信頼性の指
標となる−40℃から125℃までの繰り返し冷却、加
熱する耐ヒートサイクル性については、3000回以内
でセラミックス基板にクラックが発生したり、回路材が
剥離してしまう等の問題が起こることがあり、より高い
信頼性が要求される用途には適用できず用途が制限され
ている。
術の状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、例
えば鉄道や電気自動車等に用いられるパワーモジュール
等の用途に対応できる、高信頼性のセラミックス基板を
提供することにある。
達成するべく、アルミニウム回路基板についていろいろ
実験的検討を加え、表面に特定厚さの酸化層を有するセ
ラミックス基板上に回路材料であるアルミニウム板をろ
う材を用いて接合することにより、回路用板材とセラミ
ックス基板との密着性が極めて向上でき、得られるセラ
ミックス回路基板がヒートサイクル時の熱応力によりセ
ラミックス基板にクラックを発生したり、回路材が剥離
することがなく、高信頼性を有するという知見を得て、
本発明に至ったものである。
1nm以上0.2μm以下の酸化層を有することを特徴
とするアルミニウム回路搭載回路基板用のセラミックス
基板であり、好ましくは、セラミックス基板が窒化アル
ミニウム又は窒化珪素であることを特徴とする前記のセ
ラミックス回路基板である。
の少なくとも一主面上に、アルミニウムを主成分とする
金属板からなる回路を設けてなるセラミックス回路基板
であり、好ましくは、前記アルミニウムを主成分とする
金属板が95質量%以上のアルミニウム含有率であり、
また、Mgと、Cu、Si、Geからなる群の1種以上
とを含むアルミニウム合金からなるろう材を用いて接合
されてなることを特徴とする前記のセラミックス回路基
板である。
なくとも一主面上にアルミニウムを主成分とする金属か
らなる回路を有する、アルミニウム回路搭載回路基板用
のセラミックス基板であり、少なくともアルミニウム回
路に対する一主面上に1nm以上0.2μm以下の酸化
層を有することを特徴とする。ここで、回路材質をアル
ミニウムを主成分とすることに限定した理由は、他材質
では、本発明の目的を達成し難いためである。また、セ
ラミックス基板の少なくともアルミニウム回路に対する
主面上に酸化層が特定厚さについて、その明確な理由は
不明ではあるが、本発明者らの実験結果に基づけば、表
面酸化層の厚さが1nmよりも薄い場合、或いは0.2
μmより厚い場合には、得られる回路基板についてのヒ
ートサイクル試験において、1000回以下でセラミッ
クス基板にクラックが発生したり、アルミニウム回路材
が剥離することがあるからである。また、前記範囲のう
ち、5nm以上20nm以下が、本発明の目的を達成す
る上で、より好ましい。
質として、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ
ニウムなど電気絶縁性、熱伝導性に優れる材料であれば
いずれを用いても良いが、炭化珪素、窒化珪素、窒化ア
ルミニウムなどの非酸化物セラミックスの基板を用いる
ときに本発明の効果を際だって得ることができる。特
に、窒化珪素、窒化アルミニウムなどの窒化物セラミッ
クスの基板は、絶縁耐力が高く、高熱伝導性であること
から、最も適している。
ては、例えば窒化アルミニウム基板の場合、従来公知の
方法で窒化アルミニウム基板を得た後、これを酸化性雰
囲気中で加熱することで、更に、必要に応じて、表面酸
化層を化学エッチング、物理エッチング等の方法で除去
することで、所望の厚さの酸化物層を有するセラミック
ス基板とすることができる。
有するセラミック基板上に、アルミニウムを主成分とす
る金属板(以下、単にアルミニウム板という)からなる
回路を設けてなるセラミックス回路基板である。本発明
の回路基板は、例えば、アルミニウム板を少なくとも前
記セラミックス基板の所定厚さの酸化物層が存在する面
側に接合材を用いて接合した後、エッチング処理してア
ルミニウム回路を形成する方法、或いは、打ち抜き法等
により予め回路パターンを形成したアルミニウム回路板
を、前記セラミックス基板の所定厚さの酸化物層が存在
する面側に、接合材を用いて接合する方法等によって得
ることができる。
の熱応力をできるだけ低く抑えるため、より低温で接合
することが重要である。本発明者らがアルミニウム板と
セラミックス基板との接合について、いろいろ実験的に
検討を重ねた結果、前記所定厚みの酸化物層を有するセ
ラミックス基板を用い、しかも液相を生じる温度が50
0℃から630℃である低融点ろう材を用いて接合する
ときに得られるセラミックス回路基板、さらにそれを用
いて作製したモジュールの信頼性を高くすることができ
るという知見を得て、本発明に至ったものである。
基板の表面を活性化する作用のあるとされるMgを含
み、さらに、アルミニウム材の融点以下の温度でアルミ
ニウム板や窒化アルミニウム等のセラミックス基板によ
く濡れるように、Si、Ge、Cuのいずれか一種以上
を含むアルミニウム合金が、前記アルミニウム板とセラ
ミックス基板の接合材として、好ましく選択される。ま
た、前記合金は500℃から630℃の温度範囲で液相
を形成形成するものが好ましい。すなわち、500℃未
満では接合性の面で不十分な場合があるし、630℃を
越える温度ではアルミニウム板やセラミックス基板に残
留する熱応力が大きくなり易いし、また、アルミニウム
の融点に近くなるためにろう接欠陥が発生しやすくなる
ためである。
セラミックス基板とを接合(ろう接)する場合、接合面
に対して垂直に0.1MPa〜5MPaの荷重を負荷す
ることが望ましい。
アルミニウム板は、95質量%以上のアルミニウム含有
率であることが好ましい。95質量%未満のアルミニウ
ム含有率のものは、降伏耐力が高くなり、アルミニウム
回路のセラミックス基板からの剥離が生じやすくなるた
めである。一方、アルミニウム純度が高くなると、アル
ミニウム回路搭載回路基板が実使用された時に、セラミ
ックス基板にクラックを発生し難くなるが、回路が変形
する等のあらたな問題を生じる恐れがある。アルミニウ
ム含有量は99.0〜99.95質量%が好ましい範囲
である。
50mm×50mm×0.635mm、レーザーフラッ
シュ法による熱伝導率が175W/mK、三点曲げ強度
の平均値が420MPaである窒化アルミニウム板を用
意し、大気中で加熱処理し、表裏両面に0.5μm以上
の酸化層を形成させた。その後、前記窒化アルミニウム
板の酸化層表面を研磨処理し、更にArエッチングし
て、両面の酸化層の厚さがそれぞれ表1に示す厚さのセ
ラミックス基板を用意した。
裏両面に、純度99.85%、厚さ0.4mmのアルミ
ニウム板を、表2に示す厚さ20μmのろう材合金箔を
介して積層し、接合面に対して垂直方向に3MPaの荷
重を負荷した。そして、1.33×10-2Paの真空中
で、500℃から630℃の温度範囲で、加圧しながら
アルミニウム板と窒化アルミニウム基板とを接合した。
実施例、比較例のそれぞれの接合条件を表3に示す。
エッチングレジストをスクリーン印刷して、塩化第二鉄
溶液を用いてエッチング処理し、回路パターンを形成し
た。次いで、レジストを剥離した後、アルミニウム回路
の所望部分と前記アルミニウム回路と反対側のアルミニ
ウム板(放熱板)の全面に、3μm厚さに無電解Ni−
Pメッキを行ないセラミックス回路基板とした。更に、
前記セラミックス回路基板のアルミニウム回路上のNi
−Pメッキを施した部分に、0.4mm厚さ×15mm
角のSiチップ2枚をPb−Sn共晶半田で半田付け
し、又、直径0.5mmのアルミニウムワイヤーを超音
波にてボンディングし、前記Siチップとアルミニウム
回路とを結線した。更に、放熱板側には70×100×
3mmのAl/SiC複合材からなるヒートシンク(熱
膨張率7.5ppm/K、熱伝導率200W/mK)を
Pb−Sn共晶半田で半田付けしてモジュールを作製し
た。得られたセラミックス回路基板とモジュールについ
て、以下に示すように信頼性の評価を行なった。結果を
表4に示す。
について、1サイクルを40℃×30分→室温×10分
→125℃×30分→室温×10分とする、ヒートサイ
クルを3000回実施した。その後、目視及び超音波探
傷により、ボンディングワイヤーの脱離やアルミニウム
回路板の剥離、窒化アルミニウム基板におけるクラック
発生の状況、等の異常の有無を評価した。
例は、回路基板単体評価及びより過酷と考えられるモジ
ュール評価においても、ヒートサイクル3000回後で
も回路材の剥離や窒化アルミニウム基板及び半田部のク
ラック等の異常は認められず、充分に信頼性を有してい
る。
おいてセラミックス基板の表面酸化層の厚さを特定な範
囲に制御するのみで、回路剥離やクラック等の異常のな
い、高信頼性のセラミックス回路基板を再現良く、しか
も低コストに得ることができるし、また、前記セラミッ
クス回路基板用いて得られるモジュールも高信頼性を有
するので、産業上非常に有用である。
Claims (5)
- 【請求項1】少なくとも一主面に1nm以上0.2μm
以下の酸化層を有することを特徴とするアルミニウム回
路搭載回路基板用のセラミックス基板。 - 【請求項2】窒化アルミニウム又は窒化珪素であること
を特徴とする請求項1記載のセラミックス基板。 - 【請求項3】請求項1又は請求項2記載のセラミックス
基板の少なくとも一主面上に、アルミニウムを主成分と
する金属板からなる回路を設けてなるセラミックス回路
基板。 - 【請求項4】前記アルミニウムを主成分とする金属板が
95質量%以上のアルミニウム含有率であることを特徴
とする請求項3記載のセラミックス回路基板。 - 【請求項5】Mgと、Cu、Si、Geからなる群の1
種以上とを含むアルミニウム合金からなるろう材を用い
て接合されてなることを特徴とする請求項3又は請求項
4記載のセラミックス回路基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31910599A JP2001135902A (ja) | 1999-11-10 | 1999-11-10 | セラミックス回路基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP31910599A JP2001135902A (ja) | 1999-11-10 | 1999-11-10 | セラミックス回路基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001135902A true JP2001135902A (ja) | 2001-05-18 |
Family
ID=18106528
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31910599A Pending JP2001135902A (ja) | 1999-11-10 | 1999-11-10 | セラミックス回路基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001135902A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1999
- 1999-11-10 JP JP31910599A patent/JP2001135902A/ja active Pending
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A521 | Written amendment |
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