JP3793802B2 - 個々の粒子がナノサイズに分離したセリア粉末の製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒や研磨剤として、或いは電子光学材料や蛍光材料、磁気冷凍材料、レーザー材料、サーミスタ材料、圧電材料、超伝導体材料、誘電体、焼結助剤等の原料粉末として使用されるナノサイズに分散したセリア粉末の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、セリアの結晶構造は蛍石型であることからイオン導電性に優れ、燃料電池や酸素ポンプの性能を支配する固体電解質としての利用が期待されていた。また、セリアの硬度はダイヤモンドやアルミナのそれらに比べて小さいので、その粉末は研磨面に歪みを残さない精密研磨材として期待されていた。さらに、セリウムイオンの価数は雰囲気の酸素分圧で変化するので、セリア微粒子は触媒あるいは触媒担体としても注目されてきた。
これらの材料の機能を高めるには個々の粒子がナノサイズに分離した粒度分布が狭いセリアの原料粉末の開発が不可欠であった。
【0003】
セリアの前駆体を合成する従来方法として、セリウム塩にアンモニア水等の塩基剤を反応させる方法、セリウム塩の加水分解法、尿素やヘキサメチレンジアミンの熱分解を利用した均一沈殿法、セリウム塩と炭酸塩を用いたセリウム炭酸塩製造法、電気化学法、水熱合成法などが提案されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
セリウム塩にアンモニア水等の塩基剤を反応させる方法やセリウム塩の加水分解法、尿素やヘキサメチレンジアミンの熱分解を利用した均一沈殿法等の水溶液を用いた従来の化学湿式法でも、一次粒子がナノサイズのセリア粉末を合成することは可能である。
【0005】
しかしながら、該一次粒子は強固に凝集した直径が1μm以上の二次粒子を形成している。セリア粉末の焼結性や触媒活性、研磨特性等は一次粒子の大きさよりも二次粒子の大きさやその形態に支配されるので、ナノサイズの一次粒子を製造した利点が生かされないという欠点があった。
【0006】
従来の炭酸塩法で調製したセリウム炭酸塩は幅が0.3μm以上、長さが1μm以上の板状をしており、該炭酸塩を仮焼して得られるセリア粉末は母塩の形状が形骸として残るので個々の粒子がナノサイズに分離した粉末を調製できない欠点があった。
【0007】
アルコキシド法はナノサイズに単分散した原料粉末を製造できるという長所はあるが、
予め、高価な金属アルコキシドを生成する必要がありコストが高いという欠点があった。
水熱合成法は一次粒子が個々に分離した原料粉末を製造できるが、一次粒子サイズが100nm以上と比較的大きいことや、高価な高圧容器を必要すると同時に高圧処理のために作業性が悪くコストが高くなるという欠点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、粒子がナノサイズに分離したセリア粉末について種々調査・研究した。
その結果、セリウム塩と炭酸塩を水溶液中で反応させて生成した沈殿を比較的高い温度で熟成して沈殿粒子を成長させ、個々の粒子がナノサイズに分離したセリア粉末を製造でき、このセリア粉末は、緻密焼結体を製造する原料粉末、あるいは触媒や研磨材として好適であることを見出した。
【0009】
本発明の製造方法は、0.05モル/l〜飽和濃度のセリウム塩の水溶液と0.3〜3モル/lの炭酸アンモニウム水溶液あるいは炭酸水素アンモニウム水溶液を混合して((NH4)hCeOk(CO3)m・nH2O(ただし、hは0.05〜1.2、kは2以内、mは4以内)の化学式で記述できるアンモニウムセリウムカーボネイト(以下、ACCと記述する)を沈殿せしめた後に熟成を50℃〜90℃の範囲の温度で最長12時間行い、洗浄し、500℃〜1000℃で仮焼することを特徴とする一次粒子の平均粒径が10nm〜100nmの一次粒子の硬い凝集が認められないセリア粉末を合成することを特徴としている。
【0010】
また、上記の製造法で、セリウム塩水溶液の代わりにセリウムイオンとセリウムイオンに対して合計が0.1モル%〜30モル%の一種或いは複数種類の金属イオンを含む酸性水溶液を用いることを特徴とする一次粒子の平均粒径が10nm〜100nmの金属酸化物添加セリア粉末を製造することを特徴としている。
【0011】
本発明の特徴を発揮するACCのh、k、mはそれぞれ0.05〜1.2、2以内、4以内に制限する必要がある。nの値はACCの乾燥状態で異なり、通常の方法で乾燥したACCのnは4以下に制限される。これらの中で、hの値は水溶液のpHやアンモニウムイオン濃度で制御できる。
炭酸塩を用いた場合のkはゼロに近く、炭酸水素塩の場合は1に近い値を持つ。mは反応溶液中の炭酸イオンの濃度で制御できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するセリウム塩として、硝酸塩や塩化塩、硫酸塩等の無機系のセリウム酸性化合物や蓚酸セリウム等の有機系のセリウム酸性化合物が例示される。水に対する溶解度の大きいセリウム塩であれば、特にその種類に限定されない。
【0013】
本発明で使用するセリウム塩水溶液の濃度は0.05モル/l以上が好ましい。該濃度が0.05モル/l以下であると、使用する水溶液の割には得られる沈殿量が少ないので好ましくない。該濃度はセリウム塩の飽和濃度まで好ましい。
【0014】
本発明で使用する炭酸アンモニウムや炭酸水素アンモニウムに特に制限はなく、市販の物でも自作の物でも良い。最終的に得られるセリアの純度はこれらの化学薬品にも影響されるので、セリアの使用目的によって使用する薬品の純度を決める必要がある。
【0015】
本発明で使用する炭酸塩あるいは炭酸水素塩の濃度として、0.3〜3モル/lが好ましく、
1モル/lから2モル/lが特に好ましい。該濃度が0.3モル/l以下であると、反応溶液中のアンモニウムイオン濃度が少なく、hが実質的にゼロのセリウム炭酸塩が生成する。該炭酸塩沈殿は幅が0.3μm以上、長さが1μm以上の板状であり、この沈殿を仮焼しても個々の粒子がナノサイズに分離した一次粒子を製造できないので好ましくない。
【0016】
水溶液中のアンモニウムイオン濃度が増加するとhが大きくなりACCの溶解度は大きくなる。hが1.2 になると溶解-析出機構よるACC沈殿粒子の成長や該粒子間の接合が顕著になる。その結果、沈殿は直径が0.4μm以上の粒子が線状或いは板状に接合した硬い凝集粒子となる。該粒子を仮焼しても炭酸塩の形状が残留し、個々の粒子がナノサイズに分離したセリア粉末を製造できないので好ましくない。
【0017】
本発明では、ACC沈殿粒子を適当な大きさに成長せしめるために50℃〜90℃の温度範囲で、特に60℃〜80℃の温度範囲で熟成することが好ましい。熟成温度が50℃よりも低いと、該炭酸塩沈殿は非晶質あるいは非晶質に近い微細な粒子であり、該沈殿を乾燥すると硬い塊となり好ましくない。一方、熟成温度が90℃よりも高くなると、熟成中に沈殿粒子が成長すると同時に沈殿粒子が硬く接合して大きな凝集粒子を形成するので好ましくない。
【0018】
本発明のセリウム塩と塩基性炭酸塩を反応させる温度やそれらを混合する速度は特に制限はなく、作業性や経済性を考慮して決定できる。
【0019】
本発明のアンモニウムセリウム炭酸塩の熟成時間は、全てのセリウム塩水溶液と塩基性炭酸塩水溶液を混合し沈殿が生成した後に熟成温度(50℃〜90℃の範囲)で保持する時間をいう。熟成を12時間以上行っても熟成効果はそれほど改善されないので、12時間以上の熟成は好ましくない。
【0020】
本発明の洗浄は、ACC沈殿生成時に生じた不要の陰イオンやアンモニウムイオンを除去するために行う。陰イオンとアンモニウムイオンの合計が3重量%以上該沈殿生成物中に残存すると、仮焼により得られるセリア粉末は一次粒子同士が硬く凝集した粒子を形成するので好ましくない。
【0021】
本発明の仮焼は、固体電解質や触媒、触媒担体、研磨材としてセリアの優れた特性を発現するために沈殿生成物の不要な成分を除去し、ナノサイズに分離したセリア粉末を得る目的で行う。仮焼温度が500℃以下であると、セリア粉末は多量のガスを吸着するため上記の目的を達成できないので好ましくない。一方、仮焼温度が1000℃以上になると仮焼中にセリア粒子はサブミクロンまで成長し上記の目的が達成できないので好ましくない。
【0022】
仮焼を500℃〜600℃の範囲で行うと、仮焼したセリア粉末の一次粒子は微細で、粒子同士の摩擦が大きいので粉末の充填が不均一になる。このため、成形を適切に行わないと焼結でクラックが入ることがある。一方、仮焼温度が900℃以上になると、理論密度の98%以上の焼結密度を達成する温度は1100 よりも高くなる。仮焼温度が1000℃以上になると1300℃以上で焼結を行う必要があり、焼結性は従来の方法で製造したセリア粉末と同じになるので好ましくない。すなわち、本発明の好ましい仮焼温度は500℃以上〜1000℃未満の範囲にあり、600℃〜900℃の範囲が特に好ましい。
【0023】
本発明のセリア粉末の粒径は仮焼温度に強く依存するが、仮焼時間にはあまり依存せず、仮焼時間を長くしても粒径の増大は無視できる。実用的仮焼時間は1時間〜8時間であるが、この範囲を外れていても仮焼温度が上記の範囲であれば、本発明の特徴は発揮される。
【0024】
セリアの機能性を高めるために色々な物質が添加剤として利用される。添加効果を発揮させるためには添加剤を0.1モル%以上加える必要がある。添加量が増加するほど目的とする機能を高めることができるが、添加量が30モル%を越えると機能は逆に低下するので、
本発明の添加量は0.1〜30モル%が好ましい。添加量が30モル%以下であっても、第2相が出現する場合はセリア本来の性質が損なわれるので好ましくなく、添加量は添加物がセリア中に完全に固溶する量に制限する必要がある。
【0025】
本発明の金属イオン添加では、セリウム塩水溶液の代わりに、セリウムイオンとセリウムイオンに対して合計が0.1モル%〜30モル%の一種或いは複数種類の金属イオンを溶解した水溶液を用いるので、添加物イオンを原子オーダーで均一に分散したACCを製造できる。このACCを用いると、セリアが固溶できる限度内であれば低い温度で仮焼しても添加物イオンが均一に分散したセリア粉末を合成できる。
【0026】
本発明でセリアに添加する金属酸化物の金属としてイッテリビウムやサマリウムなどで例示される希土類元素やアルミニウム、アルカリ土類金属、遷移金属等が例示される。アルカリ金属等のように、水に対する溶解度が大きい炭酸塩や炭酸水素塩を形成する金属類は本発明の方法で定量的に添加できないので好ましくない。
【0027】
本発明の方法で製造したセリア粉末の一次粒子の平均粒径は10nm〜100nmが好ましい。
この平均粒径が10nmよりも小さいと、粒子の充填性が悪く緻密焼結体を製造できないので好ましくない。一方、この平均粒径が100nm以上になるように仮焼すると、一次粒子間の接合が進行し、従来の方法で製造したセリア粉末と同様に硬い凝集粒子が形成されるので好ましくない。
【0028】
【実施例】
実施例1:
攪拌しながら70℃に保った1.5モル/lの炭酸アンモニウム溶液300mlに、0.15モル/lの硝酸セリウム水溶液300mlを毎分5mlの速度で滴下して沈殿を生成する。そのまま1時間保持して熟成した後ろ過し蒸留水を加える操作を3回繰り返し硝酸イオンやアンモニウムイオンなどの反応後に残るイオン類を除去する。最終的にろ過した沈殿を室温、窒素気流中で乾燥する。この乾燥試料をアルミナ乳鉢で軽くほぐし、管状電気炉で酸素ガスを流しながら700℃、2時間仮焼する。
【0029】
得られた乾燥試料からなる前駆体及び仮焼粉末のSEM像をそれぞれ図1aと図2aに示す。
図1aはACCが平板状に凝集していることを示すが、図2aから仮焼により凝集は崩れて個々の粒子がナノサイズに分離したナノサイズのセリア粉末が得られることが分かる。
【0030】
仮焼して得た粉末を内径が6mmの金型で30MPaで成形したのち、200MPaで静水圧プレスした錠剤の10℃/minの速度で昇温したときの緻密化による収縮曲線を調べた。この収縮曲線と生嵩密度から計算した嵩密度を図3の曲線aに示す。この曲線から1000℃という非常に低い温度で緻密化が実質的に完了することが分かる。
【0031】
実施例2
実施例1の硝酸セリウム溶液の替わりに、1リットルの蒸留水に0.12モルの硝酸セリウムと0.03モルの希土類硝酸塩(希土類としてSm, Y, Yb)を溶解した水溶液を用いる。その他の実験は実施例1の方法で行った。化学分析及び粉末X線回折測定によると前駆体の化学式は添加物の種類で大きく2つに分けることができた。
【0032】
イオン半径が大きいサマリウムを添加した時は、(NH4)CeSm0.25(CO3)2.375・H2O (1)イオン半径が相対的に小さいイットリウムやイッテルビウムを添加した時は、(NH4).25CeRE0.25(CO3)2.0・2H2O (2)で記述できる。ここで、REはイットリウムあるいはイッテルビウムを意味する。
【0033】
20モル%サマリウム添加ACC、20モル%イットリウム添加ACC、20モル%イッテリビウム添加ACCのSEM像をそれぞれのb、c、dに、それらを700℃で2時間仮焼した粉末のSEM像をそれぞれ図2のb、c、dに示す。サマリウムやイットリウム、イッテリビウムの添加量を酸化物として計算すると、セリアに対してそれぞれ10モル%に相当するので、図2では10モル%Sm2O3添加CeO2、10モル%Y2O3添加CeO2、10モル%Yb2O3添加CeO2のように表した。
【0034】
図1と図2から、添加したACCや仮焼粉末は球状になることが分かる。図3の曲線b,c,dはそれぞれサマリウムやイットリウム、イッテリビウムを添加したセリアの等速昇温下の緻密化曲線を示す。いずれも緻密化は実質的に1100℃以下で終了しており、本発明の方法で製造したセリア粉末は焼結性に優れていることがわかる。
【0035】
実施例3:
1.5モル/lの炭酸水素アンモニウム溶液400mlを70℃に保持しながら攪拌し、1モル/lの硝酸セリウム水溶液50mlを毎分3mlの速度で滴下して沈殿を生成する。そのまま30分間攪拌保持して熟成した後にろ過し蒸留水を加える方法で硝酸イオンやアンモニウムイオンなどの反応後に残るイオン類を除去する。最終的にろ過した沈殿を室温、窒素気流中で乾燥する。この乾燥試料をアルミナ乳鉢で軽くほぐし、管状電気炉で酸素ガスを流しながら800℃、2時間仮焼する。得られた乾燥試料からなる前駆体を化学分析して得たアンモニアイオン、硝酸イオン、炭素それぞれの割合と、該前駆体の重量減少から評価したセリウムと水の割合から、該前駆体は(NH4).1Ce2.0O(CO3)2.0・H2Oの化学式で記述できた。
【0036】
該前駆体及びそれを仮焼して得た粉末のSEM像をそれぞれ図4aと図5aに示す。図4aは直径が30〜50nmで長さが100〜300nmの細長い米粒状の粒子を、図5aは一辺が30〜50nmの角に丸みのあるサイコロ状の粒子を示す。図6の曲線aに図5aに示したセリア粒子を10℃/min速度で昇温した時の各温度における嵩密度を示す。この曲線から、1100℃までの等速昇温焼成で97%まで緻密化したことが分かる。
【0037】
比較例1:
熟成を室温で行う以外は実施例1の方法でセリア粉末を合成し、等速昇温焼結実験を行った。図3の曲線eに線収縮率の測定値から計算した焼結体の嵩密度を示す。800℃以上で急激に収縮するが、1000℃以上では緻密化速度が低下し、1300℃まで昇温しても到達密度は理論密度の94%にすぎなかった。
【0038】
比較例2:
熟成を90℃で行う以外は実施例1の方法でセリア粉末を合成し、等速昇温焼結実験を行った。図3の曲線fに線収縮率の測定値から計算した焼結体の嵩密度を示す。1100℃〜1400℃の温度範囲では、曲線fの方が曲線eよりも高密度を示すが、1300℃まで昇温しても到達密度は理論密度の96%にすぎなかった。
【0039】
比較例3:
実施例3の方法で調製した前駆体を1000℃で仮焼した。該粉末の圧粉体の焼結による嵩密度の変化を図6の曲線bに示す。同曲線から、成形体密度は理論密度の67%〜68%と大きいが焼結温度が高くなっても緻密化はあまり進まず、1500℃で2時間焼成しても焼結密度は95以下であったことが分かる。
【0040】
比較例4:
沈殿を30℃で熟成した以外は実施例3の条件で合成した前駆体及び仮焼粉末のSEM像をそれぞれ図4bと5bに示す。これらの図の比較から、前駆体粉末の形状は仮焼後も残る事が分かる。図6の曲線cに図5bに示したセリア粉末の圧粉体を焼結した時の嵩密度変化を示す。
なお、成形や焼結は実施例3の方法で行った。図6の曲線cから緻密化が非常に悪いことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のACC(a:無添加、b:20モル%サマリウム添加、c:20モル%イットリウム添加、d:20モル%イッテリビウム添加)の図面代用SEM写真である。
【図2】図1に示すACCを700℃で2時間仮焼した粉末の図面代用SEM写真である。
【図3】種々のセリアの等速昇温焼結による嵩密度変化を示すグラフである。
【図4】実施例3(a:75℃で熟成)および比較例4(b:30℃で熟成)で合成したACCのの図面代用SEM写真である。
【図5】図4に示す実施例3(a:75℃で熟成)および比較例4(b:30℃で熟成)で合成したACCを700℃で仮焼して得たセリア粉末の図面代用SEM写真である。
【図6】実施例、比較例3、比較例4で得られたセリアの等速昇温焼結による嵩密度変化を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 0.05モル/l〜飽和濃度のセリウム塩水溶液と0.3〜3モル/lの炭酸アンモニウム水溶液あるいは炭酸水素アンモニウム水溶液を混合して((NH4)hCeOk(CO3)m・nH2O(ただし、hは0.05〜1.2、kは2以内、mは4以内)の化学式で記述できるアンモニウムセリウムカーボネイトを沈殿せしめた後に、沈殿粒子を成長させるための熟成を50℃〜90℃の温度範囲で最長12時間行い、洗浄し、500℃以上〜1000℃未満で仮焼することを特徴とする一次粒子の平均粒径が10nm〜100nmの一次粒子の硬い凝集が認められないセリア粉末の合成法。
  2. 請求項1記載の合成法で、セリウム塩水溶液の代わりにセリウムイオンとセリウムイオンに対して合計が0.1モル%〜30モル%の一種或いは複数種類の金属イオンを含む酸性水溶液を用いることを特徴とする一次粒子の平均粒径が10nm〜100nmの金属酸化物添加セリア粉末の製造法。
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