JP4729700B2 - Dyドープナノセリア系焼結体 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素センサ、炭酸ガスセンサ、一酸化窒素センサ、および燃料電池用固体電解質、などに利用されるDyドープナノセリア系焼結体およびその製造方法に関する。
希土類元素をドープしたセリア系焼結体は、希土類元素としてサマリウム(Sm)やガドリウム(Gd)をドープしてなるセリア系焼結体は高導電率を有することで知られている。しかし、実際に焼結体を作製し、その導電率を測定してみると、その導電率は、直流3端子法で、700℃でそれぞれ、-1.8および-1.5(S/cm)と十分なものではなかった。固体電解質を各種ガスセンサや燃料電池へ応用するには、低い温度で高い導電率を確保することが求められている。そうした中、Dy元素をドープしたセリア系焼結体は、1ミクロン以上の粒子径を有する場合、その伝導率は、SmやGdなどをドープしたセリア系焼結体の値を下回る導電率(0.4ミクロンの粒径をもつDy0.2Ce0.81.9
焼結体については、直流3端子法で、700℃において-3.4S/cm)を持ち、その
低い導電率ゆえ、実用上有用な材料であるとは考えられていなかった。
また、希土類ドープセリア焼結体の製造方法としては、サブミクロンの原料粉末から出発し、常圧焼結法を用いて、1400℃以上の高温において焼結し、高密度焼結体を得る方法が採用されてきた。この方法において、サブミクロンの原料粉末は、セリウム塩と金属塩の混合溶液に、シュウ酸やアンモニアを沈殿剤として加えて均一沈殿を得る方法や、出発原料に金属アルコキシドを用いて、加水分解を行い、均一沈殿を作成する方法などが用いられてきた。こうして得られた均一沈殿物は、ろ過、乾燥、および仮焼を行い微粉末の合成を行ってきた。
しかし、こうして得られた粉末は、凝集が大きいことから、結晶化温度が最低でも700℃以上となり、そのため粒径がサブミクロンから1ミクロン程度と大きくなる。そのため、焼結温度が1600℃以上であっても、焼結体内部に5体積%以上の空孔が残存し、この残存空孔が導電特性の低下をもたらすという欠点があった。アルコキシドを出発原料に用いる場合には、単分散粉末を作製することが可能であるが、アルコキシド原料が高価であることから、実用化に際しては、薄膜への応用に限定され、利用技術分野がきわめて限られることから、実用化の妨げとなっていた。
以上述べたように従来の希土類をドープしてなるセリア系焼結体は、導電性の点で充分でなく、また、製造プロセスにおいても導電性を妨げる要因となる空孔が存在する、あるいは特定の費用のかかる原料に依存せざるを得ない等いくつかの点で困難な問題があった。本発明は、このような問題のない高電導性セリア系焼結体とその製造方法を提供しようというものである。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意検討を続けた結果、粒子の形状を制御し、凝集の少ない、球状粒子を作製することから準備したことは勿論、そのために粒子の前駆体である沈殿物質の組成、仮焼条件などについても検討を重ねた結果、易焼結性Dyドープナノセリア粉末を作成し、この粉末を用いて焼結体内の平均粒子径が100nm以下で、かつ緻密な焼結体を作成した場合に、劇的に導電率が向上し、これまでの希土類ドープセリア系焼結体にはない、高い導電性が現れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の上記課題を解決するための解決手段として講じた技術的構成は、以下(1)、(2)に記載する通りである。
(1)一般式が、DyCe1−x2−δ(ただし、0.10≦x≦0.30、 δはカチオンとアニオンの電荷のバランスから決定される酸素欠陥量を表す)または、(Dy1−aSrCe1−x2−δ(ただし、0.10≦a≦0.3、0.10≦x≦0.30、δはカチオンとアニオンの電荷のバランスから決定される酸素欠陥量を表す)で表されるホタル石化合物からなるナノ粒子焼結体であって、焼結体の平均粒子径が平均100nm以下であり、かつ焼結体密度が理論密度に対して95%以上の値を有し、700℃における直流3端子法における導電率が、−1(S/cm)以上であることを特徴とする、Dyドープ高電導性ナノセリア系焼結体。
(2) 組成式が、DyxCe1-x2-δ(ただし、0.10≦x≦0.3、δ は
カチオンとアニオンの電荷のバランスから決定される酸素欠陥量を表す)となるように混合するか、または(Dy1-aSraxCe1-x2-δ(ただし、0.10≦a≦0.3、0.10≦x≦0.30、δはカチオンとアニオンの電荷のバランスから決定される酸素欠陥量を表す)となるように、ディスプロシウム(Dy)硝酸塩とセリウム硝酸塩またはDy硝酸塩、Sr硝酸塩とセリウム硝酸塩を混合し、この混合溶液と沈殿剤として炭酸アンモニウムを、(炭酸アンモニウム水溶液濃度)/(M硝酸塩水溶液濃度)、(MはDyまたはDy+Srを表す)のモル比が5から10になるように混合して、Ce1-xx(NH3y(CO3z・H2OまたはCe1-x(M1-aSrax(NH3y(CO3z・H2O(ただし、0.05≦x≦0.3、0.05≦y≦1、0.05≦z≦2および)で表されるセリウムアンモニウムカーボネートを沈殿させた後に、熟成を60℃以上80℃以下の温度で行い、洗浄後、400℃以上650℃以下の温度において酸素気流中、仮焼することで、平均粒径20ナノメーター以上50ナノメーター以下の球状粒子を作成し、1000℃以下の温度で焼結することで、相対密度の95%以上の相対密度を持ち、700℃における直流3端子法における導電率が、-1(S/cm)以上であることを特徴とする、高電導性Dyドープナノセリア系焼結体の製造方法。
本発明は、上記特有なプロセスによって得られてなる原料を焼結体に使用することにより、セリア系焼結体の電導率を大幅に上げることに成功したものであり、今後、燃料電池を始め各種センサ等において使用され、それらの性能アップに大いに寄与するものと期待される。とりわけ、近年注目されている燃料電池の小型化、高出力化には大いに寄与するものと期待され、その意義は極めて大きいし、重大である。
ここに、本発明の焼結体は、一般式:DyxCe1-x2-δ(ただし、0.10≦x≦0.30、δはカチオンとアニオンの電荷のバランスから決定される酸素欠陥量を表す)または、一般式:(Dy1-aSraxCe1-x2-δ(ただし、0.10≦a≦0.3、0.10≦x≦0.30、δはカチオンとアニオンの電荷のバランスから決定される酸素欠陥量を表す)で表されるホタル石化合物からなることが好ましい。該一般式中、xは、0.10以上0.30以下でなければならない。xが0.10を下回ると、酸素欠陥量が不足していることから、いくら焼結体の粒子径を小さく制御しても、導電率の向上は期待できないことから好ましくない。一方、xが0.30を上回ると、過剰な酸素欠陥が、結晶中において欠陥のクラスターを形成し、導電率を低下させることから、焼結体の粒径をナノサイズに制御しても、導電率の向上は見込めないことから好ましくない。
また、一般式:(Dy1-aSraxCe1-x2-δにおいて、aの値は、0.1以上0.3以下が好ましい。aの値が0.1を下回ると、Sr元素が焼結体の粒成長を抑制する効果が十分に発揮されずに好ましくない。一方aの値が0.3を上回ると、過剰のSrが焼結体の粒界に偏析し、焼結を阻害し、十分に高い密度が得られないので好ましくない。また、xは、0.10以上0.30以下が好ましい。この範囲を下回ると、酸素欠陥量が不足していることから、焼結体の粒子径を小さく制御しても、導電率の向上は期待できず、好ましくない。一方、xが0.30を上回ると、過剰な酸素欠陥が、結晶中において欠陥のクラスターを形成し、導電率を低下させることから、焼結体の粒径をナノサイズに制御しても、導電率の向上は見込めず好ましくない。
さらに、焼結体はホタル石結晶構造からなるものでなければならない。これ以外の結晶
構造、すなわち原料物質であるSrやDyなどの酸化物に由来する、ホタル石結晶構造以
外の構造の、アルカリ土類や希土類を含んだ構造のものが混在すると、最終生成物の伝導
特性を著しく低下させることから好ましくない。
また、本発明における焼結体は、その平均粒子径が100nm以下でなければならない。
平均粒子径が100nmを上回り1ミクロン程度の場合には、粒界がかえって大きな抵抗要素となり、焼結体内部の導電特性を低下させ、導電率は低下するので好ましくない。
焼結体密度は、理論密度の95%以上に緻密に作成することが好ましい。焼結体密度がこの値を下回ると、焼結体内部に取り残された空孔が、絶縁性を有するため、焼結体全体の導電性を著しく低下させるので好ましくない。
以上のべたように、化学組成、焼結体粒子径、および焼結体密度のすべての条件を満たすことによって、はじめて、従来にない高い導電特性である、700℃において-1(S
/cm)以上の値が得られることが明らかにされた。
さらに、本発明におけるDyドープナノセリア系焼結体を作成するためには、まず易焼結性粉末の作成を行うことが必要不可欠である。こうした易焼結性粉末は、共沈法による均一沈殿法により作成が可能であるが、その際のセリウムカーボネートの化学組成は、Ce1-xx(NH3y(CO3z・H2OまたはCe1-x(M1-aSrax(NH3y(CO3z・H2O(ただし、0.05≦x≦0.3、0.05≦y≦1、及び1.10≦z≦2.24)とすることが好ましい。
上記組成式において、xの値は0.05以上0.3以下の範囲が好ましい。この範囲を下回る場合は、上述のセンサ、燃料電池用固体電解質などへの応用に際して、仮焼粉末中に導入される酸素欠陥量が不足し、十分な特性が発揮されないので好ましくない。またこの範囲を上回ると、過剰な酸素欠陥が仮焼粉末中に導入され、かえって製品の特性を低下させるので好ましくない。
yの範囲は、0.05以上1以下でなければならない。yの値は、反応溶液と沈殿剤のモル濃度比やpHにより制御されるものであり、yの値がこの範囲を下回ると十分に沈殿が生成せず、ろ液中に多量のセリウムなどの金属元素が残り、収率が低下するうえ、柱状粒子と球状粒子が混在した凝集体ができてしまい、焼結性を著しく低下させるので好ましくない。また、この範囲を上回ると粒子間の凝集が強くなり、サブミクロンの凝集体となり、焼結性が低下するので好ましくない。
zの範囲は、1.10以上2.24以下が好ましい。このzの値は、沈殿剤の濃度により制御可能であるが、この値が1.10を下回ると十分に沈殿が生成せず、ろ液中に多量のセリウムなどの金属元素が残り、収率が低下するうえ、柱状粒子と球状粒子が混在した凝集体ができてしまい、焼結性を著しく低下させるので好ましくない。また、この範囲を上回ると粒子間の凝集が強くなり、サブミクロンの凝集体となり、焼結性が低下するので
好ましくない。
また、該式中aの範囲は、0.01以上0.3以下が好ましい。この範囲を下回るとSr元素を共存させる効果が十分に発揮されず、上述のセンサ、燃料電池用固体電解質などへ利用した際、特性向上につながらないことから好ましくない。また、この範囲を上回るとSr元素が偏析をおこし、かえって、センサ、燃料電池用固体電解質などの特性を低下させることがあるので好ましくない。
さらに、Srの硝酸塩、Dyの硝酸塩およびセリウムの硝酸塩と炭酸アンモニウムを用いて沈殿を作製する場合、60℃以上80℃以下の温度で熟成を行なわなければならない。熟成温度がこの範囲を下回ると、沈殿中に柱状の粒子が共存してしまい、仮焼後にも、この柱状粒子が残存し、焼結性を低下させるので好ましくない。また、この温度範囲を超えるとせっかく生成した球状の粒子が凝集し、仮焼後もこの凝集がのこり、焼結性を著しく低下させるので好ましくない。
熟成時間については特に制限はないが、あまり長時間の熟成をおこなってもそれなりの効果しかないので、1時間から2時間程度の熟成時間で十分である。
本発明に得られた沈殿物質は、沈殿生成後に水洗しなければならず、水洗を行わないと沈殿物質中に不純物が残存し、仮焼粉末の凝集を引き起こすために好ましくない。水洗の回数に特に制限はないが、3回以上の水洗を行うことで、ほぼ完全に不純物を除去できるので、3回以上の水洗を行うことが好ましい。
水洗後、粉末は乾燥不活性ガスなどを用いて乾燥を行い、空気中または酸素中で仮焼することで、結晶化させ、ホタル石型の結晶構造単一相にする必要があるが、その仮焼温度は400℃以上650℃以下でなければならない。この温度範囲を下回ると、十分に結晶化が進まず、残存する非晶質が、焼結中に不均一な粒成長を引き起こし、緻密化を妨げることから好ましくない。またこの温度範囲を上回ると、サブミクロン以上の粒径になって、焼結に1600℃以上の高温を必要とし、空孔が焼結体中に残りやすく、結果としてセンサや燃料電池用固体電解質の特性を低下させるので好ましくない。
仮焼の際の雰囲気は、空気中でも、酸素気流中でも同様な効果を得られるが、なるべく酸素分圧の高い雰囲気で仮焼することが、沈殿物質中に含まれる不純物を完全に燃焼させるうえで好ましい。また、仮焼時間についても特に制限はないが、低い温度で仮焼するほど、粉末中に炭酸ガスや水分が残りやすいので、400℃または500℃で仮焼する場合は、10時間以上仮焼する必要があるが、それ以上の温度で仮焼する場合は、あまり長くしてもそれなりの効果しかないので、1時間から4時間程度仮焼すれば十分である。
得られた易焼結性粉末を焼結する方法には、特に制限はないが、大気中、900℃以上1100度以下の温度において、大気中で焼結することで相対密度95%以上の高密度焼結体を作製することができるが、粒径を100ナノメーター以下に制御するためには、1100度以下の温度で焼結しなければならない。この温度を上回ると、焼結中に粒子が著しく成長し、平均粒径が100nmを上回り、焼結体の電導率を低下させるので好ましくない。一方、この範囲を下回ると、十分に焼結体中の空孔が除去されず、焼結体密度が理論密度の95%を下回り、電導率を低下させるので好ましくない。また、焼結時間については、特に制限はないが、あまり長時間の焼結をおこなっても、それなりの効果しか見込めないので、4時間程度の焼結を行えば十分である。
次に、本発明を実施例、図面及び比較例に基づいて説明する。但し、これらの実施例は、あくまでも本発明を具体的に示し、容易に理解するための一助として開示するものであって、本発明の内容は、これらの実施例により制限されるものではない。
実施例1;
組成がDy0.2Ce0.81.9になるように、出発原料として、0.20モル/リットル
の硝酸セリウム(純度99.99%)及び0.05モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)を用いて、硝酸ディスプロシウム水溶液と炭酸アンモニウム水溶液のモル比が、8となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリ・リットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、65℃の温度で、1時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.8Dy0.2(NH30.2(CO31.4・H2Oであった。前駆体粉末は
引き続き、空気中700℃の温度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を作成し、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。図1には、X線回折試験による結晶相の同定結果を示す。得られた仮焼粉末は、平均粒子径が30ナノメーターの球状粒子であった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1000℃、4時
間、空気中において焼結を行った。得られた焼結体は、理論密度の99%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が90ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-0.8(S/cm)と高い値を示した。実施例1の結
果を表1、表2に示した。
実施例2;
組成がDy0.1Ce0.91.95になるように、出発原料として、0.20モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)及び0.022モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)を用いて、硝酸ディスプロシウム水溶液と炭酸アンモニウム水溶液のモル比が、9となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリ・リットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、60℃の温度で、1時間熟成を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.9Dy0.1(NH30.1(CO31.24・H2Oであった。前駆体粉末は引き続き、空気中600℃の温度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を作成し、図1同様に、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。得られた仮焼粉末は、平均粒子径が30ナノメーターの球状粒子であった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1000℃、4時
間、空気中において焼結を行った。得られた焼結体は、理論密度の99%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が90ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-0.9(S/cm)と高い値を示した。本実施例においても結果を表1、表2に示した。
実施例3;
配合がDy0.28Ce0.781.86になるように、出発原料として、0.20モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)及び0.056モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)を用いて、硝酸ディスプロシウム水溶液と炭酸アンモニウム水
溶液のモル比が、8になるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリ(リットルの速度で滴下して沈殿を作製した。
炭酸アンモニウム滴下終了後、65℃の温度で、1時間熟成処理を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.72Dy0.28(NH30.28(CO31.4・H2Oであった。前駆体粉末は引き続き、空気中600℃の温度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は実施例1同様、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。得られた仮焼粉末の平均粒子径は、35ナノメーターであり、実施例1同様の球状粒子であった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1000℃、4時
間、空気中において焼結を行った。こうして得られた焼結体は、実施例1同様、理論密の99%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。
得られた焼結体は、平均粒子径が80ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-0.6(S/cm)と高い値を示した。
本実施例の結果を表1、表2に示した。
実施例4;
組成がDy0.2Ce0.81.9になるように、出発原料として、0.20モル/リットル
の硝酸セリウム(純度99.99%)及び0.05モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)を用いて、硝酸ディスプロシウム水溶液と炭酸アンモニウム水溶液のモル比が、6となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリ・リットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、75℃の温度で、1時間熟成を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.8Dy0.2(NH30.2(CO31.8・H2Oであった。前駆体粉末は引き続き、空気中450℃の温度で
12時間仮焼してセリア系化合物粉末を作成し、図1同様に、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。得られた仮焼粉末は、平均粒子径が25ナノメーターの球状粒子であった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、900℃、4時間
、空気中において焼結を行った。得られた焼結体は、理論密度の96%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。
得られた焼結体は、平均粒子径が85ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-0.8(S/cm)と高い値を示した。
本実施例の結果を表1、表2に示した。
実施例5
組成が(Dy0.8Sr0.20.175Ce0.8251.79になるように、出発原料として、0.20モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)、0.028モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)及び0.007モル/リットルの硝酸ストロンチウムを用いて、(硝酸ディスプロシウム水溶液+硝酸ストロンチウム水溶液の合計)のモル数と炭酸アンモニウム水溶液のモル比が、7となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリ・リットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、62℃の温度で、1時間熟成を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.825(Dy0.9Sr0.10.175(NH30.18(CO31.6・H2Oであっ
た。前駆体粉末は引き続き、空気中600℃の温度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を作成し、図1同様に、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。得られた仮焼粉末は、平均粒子径が25ナノメーターの球状粒子であった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、900℃、4時間
、空気中において焼結を行った。得られた焼結体は、理論密度の95%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。
得られた焼結体は、平均粒子径が85ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-0.7(S/cm)と高い値を示した。
本実施例の結果を表1、表2に示した。
実施例6;
配合が(Dy0.85Sr0.150.175Ce0.8251.79になるように、出発原料として、0.20モル/lの硝酸セリウム(純度99.99%)、0.029モル/lの硝酸ディスプロシウ(純度99.9%)及び0.0052モル/lの硝酸ストロンチウムを用いて、(硝酸ディスプロシウム水溶液+硝酸ストロンチウム水溶液の合計)のモル数と炭酸アンモニウム水溶液のモル数比が、9になるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈澱を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、60℃の温度で、1時間熟成処理を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.825(Dy0.85Sr0.150.175(NH30.18(CO31.24・H2Oであった。前駆体粉末は引き続き、空気中600℃の温度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は実施例1同様、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は35ナノメーターであり、実施例1同様の球状粒子であった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1000℃、4時
間、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体は、実施例1同様、理論密度の99%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。
得られた焼結体は、平均粒子径が90ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-0.6(S/cm)と高い値を示した。
本実施例の結果を表1、表2に示した。
実施例7;
配合が(Dy0.75Sr0.250.175Ce0.8251.79になるように、出発原料として、.20モル/lの硝酸セリウム(純度99.99%)、0.026モル/lの硝酸ディスプロシウ(純度99.9%)及び0.0087モル/lの硝酸ストロンチウムを用いて、(硝酸ディスプロシウム水溶液+硝酸ストロンチウム水溶液の合計)のモル数と炭酸アンモニウム水溶液のモル数比が、6になるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、75℃の温度で、1時間熟成処理を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.825(Dy0.75Sr0.250.175(NH30.18(CO31.8・H2Oであった。前駆体粉末は引き続き、空気中450℃の温度で12時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は実施例1同様、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は30ナノメーターであり、実施例1同様の球状粒子であった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、900℃、4時間
、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体は、実施例1同様、理論密度の99%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。
得られた焼結体は、平均粒子径が90ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-0.6(S/cm)と高い値を示した。
本実施例の結果を表1、表2に示した。
実施例8;
配合が(Dy0.8Sr0.20.15Ce0.851.79になるように、出発原料として、0.20モル/lの硝酸セリウム(純度99.99%)、0.027モル/lの硝酸ディスプロシウ(純度99.9%)及び0.006モル/lの硝酸ストロンチウムを用いて、(硝酸ディスプロシウム水溶液+硝酸ストロンチウム水溶液の合計)のモル数と炭酸アンモニウム水溶液のモル数比が、8になるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、65℃の温度で、1時間熟成処理を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、
前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.85
(Dy0.8Sr0.20.15(NH30.15(CO31.4・H2Oであった。前駆体粉末は引き続き、空気中600℃の温度で2時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は実施例1同様、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は35ナノメーターであり、実施例1同様の球状粒子であった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1000℃、4時
間、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体は、実施例1同様、理論密度の98%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が85ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-0.5(S/cm)と高い値を
示した。
本実施例の結果を表1、表2に示した。
実施例9;
配合が(Dy0.8Sr0.20.25Ce0.751.79になるように、出発原料として、0.20モル/lの硝酸セリウム(純度99.99%)、0.04モル/lの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)及び0.01モル/lの硝酸ストロンチウムを用いて、(硝酸ディスプロシウム水溶液+硝酸ストロンチウム水溶液の合計)のモル数と炭酸アンモニウム水溶液のモル数比が、8になるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、65℃の温度で、1時間熟成処理を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.85(Dy0.8Sr0.20.15(NH30.15(CO31.4・H2Oであった。前駆体粉末は引き続き、空気中450℃の温度で12時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は実施例1同様、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は25ナノメーターであり、実施例1同様の球状粒子であった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、900℃、4時間
、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体は、実施例1同様、理論密度の96%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んで
いることが分かった。
得られた焼結体は、平均粒子径が80ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-0.5(S/cm)と高い値を示した。
本実施例の結果を表1、表2に示した。


比較例1;
配合がDy0.05Ce0.951.9になるように、出発原料として、0.20モル/リット
ルの硝酸セリウム(純度99.99%)及び0.01モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)を用いて、硝酸ディスプロシウムの混合水溶液と炭酸アンモニウム水溶液のモル比が、8となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈殿を作製した
。炭酸アンモニウム滴下終了後、60℃の温度で、1時間熟成を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.95Dy0.05(NH30.05(CO31.4・H2Oであった。前駆体粉末は引き続き、空気中600℃の温度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は実施例1同様に、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は30ナノメーターであり、実施例1同様の球状粒子であった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1000℃、4時
間、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体は、実施例1同様、理論密度の97%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。
得られた焼結体は、平均粒子径が85ナノメーターであったが、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-2.1(S/cm)と低い値を示した。本比較例
の結果を表3、表4に示した。
比較例2;
配合がDy0.4Ce0.61.95になるように、出発原料として、0.20モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)及び0.08モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)を用いて、硝酸ディスプロシウムの混合水溶液と炭酸アンモニウム水溶液のモル比が、8となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、60℃の温度で、1時間熟成を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.6Dy0.4(NH30.4(CO31.4・H2Oであった。前駆体粉末は引き続き、空気中600℃の温
度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は実施例1同様に、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は30ナノメーターであり、実施例1同様の球状粒子であった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1000℃、4時
間、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体は、実施例1同様、理論密度の99%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。
得られた焼結体は、平均粒子径が85ナノメーターであったが、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-2.5(S/cm)と低い値を示した。本比較例
の結果を表3、表4に示した。
比較例3;
配合がDy0.2Ce0.81.9になるように、出発原料として、0.20モル/リットル
の硝酸セリウム(純度99.99%)及び0.04モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)を用いて、硝酸ディスプロシウムの混合水溶液と炭酸アンモニウム水溶液のモル比が、8となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、60℃の温度で、1時間熟成を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.8Dy0.2(NH30.2(CO31.4・H2Oであった。前駆体粉末は引き続き、空気中600℃の温
度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は実施例1同様に、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は3
0ナノメーターであり、実施例1同様の球状粒子であった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1500℃、4時
間、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体は、実施例1同様、理論密度の99%にまで高密度化しており、焼結体表面には大きな空孔は認められず、ち密化が進んでいることが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が420ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-3.4(S/cm)と低い値
を示した。本比較例の結果を表3、表4に示した。
比較例4;
配合がDy0.2Ce0.81.9になるように、出発原料として、0.20モル/リットル
の硝酸セリウム(純度99.99%)及び0.04モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)を用いて、硝酸ディスプロシウムの混合水溶液と炭酸アンモニウム水溶液のモル比が、8となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、90℃の温度で、1時間熟成を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.8Dy0.2(NH30.2(CO31.4・H2Oであった。前駆体粉末は引き続き、空気中600℃の温
度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は実施例1同様に、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は140ナノメーターであり、粒子が凝集した会合粒子であった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1000℃、4時
間、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体の密度は、理論密度の91%であり、焼結体表面には空孔が認められ、ち密化が十分には進んでいないことが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が230ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-2.8(S/cm)と低い値を示した。本比較例の結
果を表3、表4に示した。
比較例5;
配合がDy0.2Ce0.81.9になるように、出発原料として、0.20モル/リットル
の硝酸セリウム(純度99.99%)及び0.04モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)を用いて、硝酸ディスプロシウムの混合水溶液と炭酸アンモニウム水溶液のモル比が、8となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、40℃の温度で、1時間熟成を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.8Dy0.2(NH30.2(CO31.4・H2Oであった。前駆体粉末は引き続き、空気中600℃の温
度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は実施例1同様に、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は100ナノメーターであり、球状粒子粒子が凝集した会合粒子であった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1000℃、4時
間、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体の密度は、理論密度の89%であり、焼結体表面には空孔が認められ、ち密化が進んでいないことが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が260ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-2.6(S/cm)と低い値を示した。本比較例の結果を表3
、表4に示した。
比較例6;
配合がDy0.2Ce0.81.9になるように、出発原料として、0.20モル/リットル
の硝酸セリウム(純度99.99%)及び0.04モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)を用いて、硝酸ディスプロシウムの混合水溶液と炭酸アンモニウム水溶液のモル比が、8となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、60℃の温度で、1時間熟成を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.8Dy0.2(NH30.2(CO31.4・H2Oであった。前駆体粉末は引き続き、空気中900℃の温
度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は実施例1同様に、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は230ナノメーターであり、粒子が凝集した会合粒子であった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1000℃、4時
間、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体の密度は、理論密度の83%であり、焼結体表面には空孔が認められ、ち密化が進んでいないことが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が270ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-3.3(S/cm)と低い値を示した。本比較例の結果を表3
、表4に示した。
比較例7;
配合がDy0.2Ce0.81.9になるように、出発原料として、0.20モル/リットル
の硝酸セリウム(純度99.99%)及び0.04モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)を用いて、硝酸ディスプロシウムの混合水溶液と炭酸アンモニウム水溶液のモル比が、8となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、60℃の温度で、1時間熟成を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.8Dy0.2(NH30.2(CO31.4・H2Oであった。前駆体粉末は引き続き、空気中600℃の温
度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は実施例1同様に、ホタル石単一の結晶相からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は210ナノメーターであり、粒子が凝集した会合粒子であった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1000℃、4時
間、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体の密度は、理論密度の81%であり、焼結体表面には空孔が認められ、ち密化が十分に進んでいないことが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が280ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-3.1(S/cm)と低い値を示した。本比較例の結果
を表3、表4に示した。
比較例8;
配合がDy0.2Ce0.81.9になるように、出発原料として、0.20モル/リットル
の硝酸セリウム(純度99.99%)及び0.04モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)を用いて、硝酸ディスプロシウムの混合水溶液と炭酸アンモニウム水溶液のモル比が、15となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、60℃の温度で、1時間熟成を行った。こうして得られ
た沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.8Dy0.2(NH30.2(CO32.63・H2Oであった。前駆体粉末は引き続き、空気中300℃の温度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は非晶質からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は15ナノメーターであり、球状粒子からなるものであった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1000℃、4時
間、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体は、理論密度の78%の密度を有するものであり、焼結体表面には大きな空孔が認められ、ち密化が十分には進んでいないことが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が85ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-3.1(S/cm)と低い値を示し
た。本比較例の結果を表3、表4に示した。
比較例9;
配合が(Dy0.95Sr0.050.175Ce0.8251.81になるように、出発原料として、0.20モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)、0.033モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)及び0.0017モル/リットルの硝酸ストロンチウムを用いて、(硝酸ディスプロシウム水溶液+硝酸ストロンチウム水溶液の合計)のモル数と炭酸アンモニウム水溶液のモル数比が、8となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、60℃の温度で、1時間熟成を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.825(Dy0.95Sr0.050.175(NH30.175(CO31.4・H2
Oであった。前駆体粉末は引き続き、空気中600℃の温度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は図1同様、ホタル石型結晶相からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は40ナノメーターであり、球状粒子からなるものであった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、900℃、4時間
、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体は、理論密度の98%の密度を有するものであり、焼結体表面には大きな空孔が認められず、ち密化が十分に進んでいることが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が96ナノメーターであったが、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-1.9(S/cm)と低い値を示し
た。本比較例の結果を表3、表4に示した。
比較例11;
配合が(Dy0.9Sr0.10.175Ce0.8251.92になるように、出発原料として、0.20モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)、0.031モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)及び0.0035モル/リットルの硝酸ストロンチウムを用いて、(硝酸ディスプロシウム水溶液+硝酸ストロンチウム水溶液の合計)のモル数と炭酸アンモニウム水溶液のモル数比が、8となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、60℃の温度で、1時間熟成を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.825(Dy0.9Sr0.10.175(NH30.175(CO31.4・H2Oで
あった。前駆体粉末は引き続き、空気中900℃の温度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は図1同様、ホタル石型結晶相からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は120ナノメータ-であり、球状粒子からなるも
のであった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1000℃、4時
間、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体は、理論密度の78%の密度を有するものであり、焼結体表面には大きな空孔が認められ、ち密化が十分に進んでいないことが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が160ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-3.5(S/cm)と低い値を示し
た。本比較例の結果を表3、表4に示した。
比較例12;
配合が(Dy0.9Sr0.10.175Ce0.8251.92になるように、出発原料として、0.20モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)、0.031モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)及び0.0035モル/リットルの硝酸ストロンチウムを用いて、(硝酸ディスプロシウム水溶液+硝酸ストロンチウム水溶液の合計)のモル数と炭酸アンモニウム水溶液のモル数比が、15となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、90℃の温度で、1時間熟成を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.825(Dy0.9Sr0.10.175(NH30.175(CO32.63・H2Oであった。前駆体粉末は引き続き、空気中600℃の温度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は図1同様、ホタル石型結晶相からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は115ナノメーターであり、球状粒子からなるものであった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1000℃、4時
間、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体は、理論密度の85%の密度を有するものであり、焼結体表面には空孔が認められ、ち密化が十分に進んでいないことが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が170ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-3.2(S/cm)と低い値を示した。本
比較例の結果を表3、表4に示した。
比較例13;
配合が(Dy0.9Sr0.10.175Ce0.8251.92になるように、出発原料として、0.20モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)、0.031モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)及び0.0035モル/リットルの硝酸ストロンチウムを用いて、(硝酸ディスプロシウム水溶液+硝酸ストロンチウム水溶液の合計)のモル数と炭酸アンモニウム水溶液のモル数比が、1となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、50℃の温度で、1時間熟成を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.825(Dy0.9Sr0.10.175(NH30.175(CO30.175・H2
であった。前駆体粉末は引き続き、空気中600℃の温度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は図1同様、ホタル石型結晶相からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は160ナノメーターであり、球状粒子からなるものであった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1000℃、4時
間、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体は、理論密度の82%の密度を有するものであり、焼結体表面には空孔が認められ、ち密化が十分に進んでいないことが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が210ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-3.3(S/cm)と低い値を示した。本
比較例の結果を表3、表4に示した。
比較例14;
配合が(Dy0.9Sr0.10.175Ce0.8251.92になるように、出発原料として、0.20モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)、0.031モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)及び0.0035モル/リットルの硝酸ストロンチウムを用いて、(硝酸ディスプロシウム水溶液+硝酸ストロンチウム水溶液の合計)のモル数と炭酸アンモニウム水溶液のモル数比が、8となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、60℃の温度で、1時間熟成を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.825(Dy0.9Sr0.10.175(NH30.175(CO31.4・H2Oで
あった。前駆体粉末は引き続き、空気中300℃の温度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は非晶質相からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は15ナノメーターであり、球状粒子からなるものであった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1000℃、4時
間、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体は、理論密度の85%の密度を有するものであり、焼結体表面には空孔が認められ、ち密化が十分に進んでいないことが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が140ナノメーターであり、直流3端子法により、700℃において測定した導電率は、-3.5(S/cm)と低い値を示した。本
比較例の結果を表3、表4に示した。
比較例15;
配合が(Dy0.9Sr0.10.175Ce0.8251.92になるように、出発原料として、0.20モル/リットルの硝酸セリウム(純度99.99%)、0.031モル/リットルの硝酸ディスプロシウム(純度99.9%)及び0.0035モル/リットルの硝酸ストロンチウムを用いて、(硝酸ディスプロシウム水溶液+硝酸ストロンチウム水溶液の合計)のモル数と炭酸アンモニウム水溶液のモル数比が、8となるように炭酸アンモニウム水溶液を調製し、出発原料混合水溶液中に炭酸アンモニウム水溶液を毎分1ミリリットルの速度で滴下して沈殿を作製した。炭酸アンモニウム滴下終了後、60℃の温度で、1時間熟成を行った。こうして得られた沈殿は水洗処理とろ過を3回繰り返したのち、乾燥窒素ガス中において乾燥し、前駆体粉末を作製した。得られた前駆体粉末の化学分析結果から、その組成は、Ce0.825(Dy0.9Sr0.10.175(NH30.175(CO31.4・H2Oで
あった。前駆体粉末は引き続き、空気中600℃の温度で1時間仮焼してセリア系化合物粉末を得た。仮焼粉末は図1同様、ホタル石型結晶相からなることをX線回折試験により確認した。また仮焼粉末の平均粒子径は30ナノメーターであり、球状粒子からなるものであった。
この粉末を金型成形した後、2t/cm2の静水圧成形を行った後、1500℃、4時
間、空気中において焼結を行ったところ、得られた焼結体は、理論密度の98%の密度を
有するものであり、焼結体表面には大きな空孔が認められず、ち密化が十分に進んでいる
ことが分かった。得られた焼結体は、平均粒子径が510ナノメーターであり、直流3端
子法により、700℃において測定した導電率は、-3.1(S/cm)と低い値を示し
た。本比較例の結果を表3、表4に示した。

以上の実施例、比較例を総合すると、本発明の特許請求の範囲で規定した、一般式に基づく組成式で規定される蛍石焼結体であって、平均粒子径、焼結体密度がそれぞれ特定の値を有してなる場合、その範囲外に比し極めて高い導電率を有することが明らかにされた
。すなわち、このデータによると特許請求の範囲で規定した各要件事項は、それぞれ格別意義のある事項を規定したものと言える。
近年、温暖化対策の一環として二酸化炭素削減が叫ばれる一方、高まるエネルギー需要に応えるために、高出力小型燃料電池の開発が活発に進められている。こうした燃料電池の開発には、500℃から700℃といった温度域で高い出力を示す燃料電池用固体電解質の研究、開発が必要不可欠である。本発明は、まさにこのニーズに対応した700℃の温度で大きな電導率を示すセリア系焼結体固体電解質を提供するもので、今後大いに利用されることが期待される。また本発明の電導率の大きなセリア系焼結体固体電解質は、極めて多角的且つ基本的な観点に立脚してナノレベルで新たな知見を得、その上で開発することに成功したものであるところから、極めて安定した品質が保証され、今後は、燃料電池のみならず、各種技術分野において優れた固体電解質として供され、且つ利用されるものと期待される。とくに、耐熱性に優れた固体電解質であるところからその利用範囲は広く、新産業創出へと発展することが期待される。
本発明の製造方法で合成した焼結原料の結晶成分を示すX線回折図

Claims (1)

  1. 一般式が、DyCe1−x2−δ(ただし、0.10≦x≦0.30、δはカチオンとアニオンの電荷のバランスから決定される酸素欠陥量を表す)または、(Dy1−aSrCe1−x2−δ(ただし、0.10≦a≦0.3、0.10≦x≦0.30、δはカチオンとアニオンの電荷のバランスから決定される酸素欠陥を表す)で表される蛍石化合物からなるナノ粒子焼結体であって、焼結体の平均粒子径が平均100nm以下であり、かつ焼結体密度が理論密度に対して95%以上の値を有し、700℃における直流3端子法における導電率の測定値が、−1(S/cm)以上であることを特徴とする、Dyドープ高電導性ナノセリア系焼結体。
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