JP3793423B2 - 評価対象の状態評価装置、方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 - Google Patents

評価対象の状態評価装置、方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、評価対象の状態評価装置、方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、ある評価対象の状態を評価する場合、評価対象の状態が反映された物理量(温度等)を計測し、その計測結果に基づいて評価対象の状態を推定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、計測結果に基づいて評価対象の状態を推定していくだけでは、評価対象の時間的変化を捉えにくいといった問題があった。
【0004】
さらに、計測点が評価対象から離れているような場合には、評価対象物と計測点との間での減衰等により計測する物理量が変化してしまうため、評価対象の状態を正確に評価することができないといった問題があった。
【0005】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、評価対象の時間的変化を捉えることができ、更には、評価対象と計測点とが離れている場合でも、計測点において計測した信号から評価対象の位置における信号を求め、評価対象の状態を正確に評価できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の評価対象の状態評価装置は、評価対象から離れた計測点で計測した信号に基づいて、評価対象の状態を評価する評価対象の状態評価装置であって、上記計測点で計測した信号に基づいて、逆問題解析により上記評価対象の位置における信号を求める逆問題解析手段と、上記逆問題解析手段により求めた評価対象の位置における信号から所定の次元を有する再構成アトラクタを作成するアトラクタ作成手段と、上記アトラクタ作成手段により作成された再構成アトラクタ上の基準時刻での点を中心とする直径εの超球に存在する再構成アトラクタ上の近傍点が、上記基準時間から所定時間推移後での点を中心とする直径εの超球にいくつ存在するかの割合を求め、その割合に基づいて状態の評価を行う状態評価手段とを備えた点に特徴を有する。
【0008】
また、本発明の評価対象の状態評価装置の他の特徴とするところは、上記状態評価手段は、上記割合に応じて評価対象の状態の安定性又は定常状態からの乖離度を評価する点にある。
【0010】
本発明の評価対象の状態評価方法は、評価対象から離れた計測点で計測した信号に基づいて、評価対象の状態を評価する評価対象の状態評価方法であって、上記計測点で計測した信号に基づいて、逆問題解析により上記評価対象の位置における信号を求める逆問題解析処理を有し、上記逆問題解析処理により求めた評価対象の位置における信号から所定の次元を有する再構成アトラクタを作成するアトラクタ作成処理を有し、上記アトラクタ作成処理により作成された再構成アトラクタ上の基準時刻での点を中心とする直径εの超球に存在する再構成アトラクタ上の近傍点が、上記基準時間から所定時間推移後での点を中心とする直径εの超球にいくつ存在するかの割合を求め、その割合に基づいて状態の評価を行い、状態評価に応じて診断処理及び制御処理のうち少なくとも1つの処理を行う点に特徴を有する。
【0012】
本発明のコンピュータプログラムは、評価対象から離れた計測点で計測した信号に基づいて、評価対象の状態を評価する処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、上記計測点で計測した信号に基づいて、逆問題解析により上記評価対象の位置における信号を求める逆問題解析処理をコンピュータに実行させ、上記逆問題解析処理により求めた評価対象の位置における信号から所定の次元を有する再構成アトラクタを作成するアトラクタ作成処理と、上記アトラクタ作成処理により作成された再構成アトラクタ上の基準時刻での点を中心とする直径εの超球に存在する再構成アトラクタ上の近傍点が、上記基準時間から所定時間推移後での点を中心とする直径εの超球にいくつ存在するかの割合を求め、その割合に基づいて状態の評価を行う状態評価処理とをコンピュータに実行させる点に特徴を有する。
【0014】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記コンピュータプログラムを格納した点に特徴を有する。
【0015】
上記のようにした本発明においては、所定の次元を有する再構成アトラクタを作成し、再構成アトラクタ上の基準時刻での点の周囲に存在する再構成アトラクタ上の近傍点が、上記基準時間から所定時間推移後での点の周囲にいくつ存在するかの割合を求めることによって、評価対象の状態を時間的な変化を捉えて評価することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の評価対象の状態評価装置、方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の実施の形態について説明する。
【0017】
図1には、本実施の形態の状態評価装置の構成を示す。同図において、130は計測部であり、評価対象110から所定の距離を有する計測点において、評価対象110から出力され、抵抗120により減衰された状態信号を計測する。上記評価対象110から出力される状態信号は、評価対象110の状態が反映された信号であり、熱、信号、音等がある。すなわち、計測部130は、計測点における評価対象110の状態が反映された物理量等を計測する。抵抗120は、評価対象110から出力される状態信号を減衰させるものである。例えば、上記状態信号が熱に関する信号であれば、大きな熱容量を有するものや熱伝導度の低いもの等の伝熱抵抗となるものである。
【0018】
140は状態評価装置であり、上記計測部130における状態信号の計測結果(以下、「計測点における計測値」と称する)に基づいて、評価対象110の外表面又は外表面上の点(以下、「評価面」と称する)における状態信号を求めて、評価対象の状態を評価する。状態評価装置は、逆問題解析部141、アトラクタ作成部142、記憶部143、状態評価部144を含んで構成される。
【0019】
逆問題解析部141は、計測点における計測値及び抵抗120の物性値等を用いて逆問題解析を行い、評価対象110の評価面における状態信号を求める。すなわち、逆問題解析部141は、仮に評価対象110の位置で計測したと仮定した場合に計測される状態信号の算出を行う。
【0020】
上記逆問題解析では、例えば、評価対象110、抵抗120、及び計測部130を含む系を対象にした所定の方程式(偏微分方程式等)と、評価対象110の評価面における状態信号の仮定値とを用いて、計測点における状態信号を算出する。その算出した状態信号と、計測部130により実際に計測された計測点における計測値との誤差が所定の値より小さくなるように、評価対象110の評価面における状態信号の仮定値を修正し、計測点における状態信号の算出を繰り返す。そして、算出した状態信号と、実際に計測された計測点における計測値との誤差が所定の値より小さくなったときの仮定値を、評価対象110の評価面における状態信号とする。
【0021】
また、例えば、下記の数1に示す式(1)、(2)に基づいて、評価対象110の評価面における状態信号を算出する。
【0022】
【数1】
Figure 0003793423
【0023】
上記式(1)は非定常方程式であり、例えば、熱伝導であれば熱伝導方程式である。式(1)に対して所定の演算等を施すと、式(2)に示すような積分境界方程式になる。式(2)において、Gは共役方程式の解、uはスカラー量(例えば、熱伝導であれば温度等)、∂u/∂nはスカラー勾配(例えば、熱伝導であれば熱流束)である。
【0024】
上記式(2)において、左辺は評価対象110の評価面に関する積分であり、右辺は所定の既知境界面、例えば計測点を含む面に関する積分である。したがって、計測点における計測値に基づいて、式(2)の右辺の値が求められ、その求めた値から式(2)の左辺の評価面におけるスカラー勾配∂u/∂nが求められる。さらに、上述のようにして得られた評価面におけるスカラー勾配∂u/∂nを、計測点における計測値を境界条件として解くことにより、評価面のスカラー値uを算出する。このスカラー値uが、評価面における状態信号である。
【0025】
アトラクタ作成部142は、逆問題解析部141により算出された時系列の評価面における状態信号に基づいて、アトラクタと呼ばれる軌道を再構成する。まず、アトラクタ作成部142は、逆問題解析部141により算出された時系列の評価面における状態信号から、対象とする現象の2倍以上の次元mを持つ遅延ベクトルv(t)=(u(t),u(t+τ),u(t+2τ),…,u(t+(m−1)τ))を作成する。
【0026】
ここで、上記遅延ベクトルv(t)において、u(T)は時刻Tにおける評価面における状態信号の値、τは時間遅れ間隔である。例えば、上記逆問題解析部141が、上述した式(1)、(2)を用いて、評価面における状態信号を算出した場合には、上記u(T)は評価面のスカラー値uである。なお、上記u(T)として、評価面におけるスカラー勾配∂u/∂nを用いてもよい。
【0027】
次に、アトラクタ作成部142は、上記作成した遅延ベクトルv(t)を所定の次元を有する位相空間に写像する。この写像した遅延ベクトルv(t)の時間推移による軌道を作成することによりアトラクタを再構成する。なお、以下の説明では、この再構成したアトラクタを「再構成アトラクタ」と称する。
【0028】
143は記憶部であり、逆問題解析部141、アトラクタ作成部142、状態評価部144での処理に用いるデータを記憶するものである。記憶部143には、計測部130により計測された状態信号の計測値、逆問題解析部141により算出された評価面における状態信号、アトラクタ作成部142により作成された再構成アトラクタ等が記憶される。
【0029】
144は状態評価部であり、上記アトラクタ作成部142により得られた結果に基づいて、評価対象の状態を評価する。評価対象の状態の挙動をΔtの時間スケールで観測したときに、時間発展の様子が決定論的、すなわちある法則性に支配されて推移するようにみえるということは、図2に示すように、再構成された軌道群の近接した部分がΔt後に同じように近傍した部分に移されることを意味する。そこで、状態評価部144では、再構成アトラクタ上の現時刻点x(t)を中心とする直径εの超球を考え、そこに含まれる再構成アトラクタ上の近傍点が、Δt秒後の点x(t+Δt)を中心とする直径εの超球にいくつ存在するかの割合を指標(以下、「定常性評価指標」と称する)として定義する。
【0030】
具体的には、定常性評価指標は、定常性評価指標=(Δt時刻後に生き残った近傍点数)/(時刻tにおける近傍点数)により表される。この定常性評価指標は、時系列変化の法則性依存度を表し、法則性依存度が大きいほど1に近づき、完全なランダム状態、例えば白色ノイズでは0となる。図2においては、定常性評価指標は3/5=0.6となる。
【0031】
以下、図3のフローチャートに基づいて、評価対象の状態評価のための処理動作について説明する。まず、逆問題解析部141において、計測部130から供給される計測値を取り込み(ステップS301)、その計測値を用いて上述したように逆問題解析処理を行い、評価対象110の評価面における状態信号を求める(ステップS302)。
【0032】
図4には、参考として、ある事例において、2種類の計測点における計測値(同図(A)に示す41、42)と、これら2種類の計測点における計測値を用いて逆問題解析により求めた評価面における状態信号(同図(B)に示す44、45)とを示す。同図(A)に示すように、計測点における計測値は、抵抗20により減衰されるために滑らかな状態で検出されるのに対して、同図(B)に示すように、評価面における状態信号は、鋭い変化を示す。特に、同図(A)の領域43では、計測点における計測値変化は小さいが、同図(B)で上記領域43に対応する領域46では、状態信号は大きな変化を示している。
【0033】
次に、アトラクタ作成部142では、上記ステップS302で算出された評価面における状態信号に基づいて、上述したようにアトラクタを再構成する(ステップS303)。すなわち、逆問題解析部141により算出された時系列の評価面における状態信号から、対象とする現象の2倍以上の次元mを持つ遅延ベクトルv(t)を作成する。そして、その遅延ベクトルv(t)を所定の次元を有する位相空間に写像し、遅延ベクトルv(t)の時間推移による軌道を作成することによりアトラクタを再構成する。
【0034】
図5には、参考として、図4で述べた事例において、図4(B)に示す評価面における状態信号に基づいて遅延ベクトルv(t)を作成し、その遅延ベクトルv(t)を(x(t),x(t+7τ),x(t+(m−1)τ))を座標としてプロットすることにより得られた再構成アトラクタを示す。同図において、軌道が密な領域61は安定な状態を示す軌道領域であり、軌道が疎な領域62、63は不安定な状態を示す軌道領域である。
【0035】
そして、状態評価部144では、再構成アトラクタ上の現時刻点x(t)を中心とする直径εの超球を考え、上述したように、直径εの超球内に存在する再構成アトラクタ上の近傍点(過去の軌道上の点)が、Δt秒後の点x(t+Δt)を中心とする直径εの超球内にいくつ存在しているかという定常性評価指標を求める。そして、定常性評価指標が1に近ければ、評価対象は安定状態にあり、0に近ければ、評価対象は不安定な状態にあると評価する(ステップS304)。
【0037】
以下、具体例を挙げて説明する。例えば、高炉操業において炉底温度状態(評価対象の状態)を評価するために、炉底温度状態を直接計測することはできないため、高炉炉底煉瓦に熱電対を埋め込んでおき、その熱電対で測定された温度から炉底温度状態を評価する場合を説明する。
【0038】
図6には、経過時間と、高炉炉底煉瓦に埋め込まれた熱電対(「測定部30」に相当)により計測された温度との関係を示す。同図の矢印Aに示すように、何らかの原因により熱電対温度の急激な上昇が発生している。
【0039】
図7には、上記逆問題解析を行わずに、熱電対温度に基づいてアトラクタを再構成し(図示せず)、定常性評価指標を求めた結果を示す。同図の矢印Bに示すように、図6の矢印Aに示した変化の前に、定常性評価指標の低下、すなわち不安定な状態が観察される。これは、現在の状態が別の状態に移行しようとする予兆を表していると考えられる。
【0040】
図8には、図6、7で説明したのと同じ高炉における、経過時間と、逆問題解析により求めた炉底熱流束との関係を示す図である。このように逆問題解析を行うことにより、炉壁に埋め込まれた熱電対(「測定部30」に相当)により測定された温度(「計測点における計測値」に相当)に基づいて、炉底熱流束(「評価面における状態信号」に相当)を求めることが可能となる。この関係からも、同図の矢印Aに示すように、何らかの原因により熱電対温度の急激な上昇が発生していることがわかる。
【0041】
図9には、上記のようにして求めた炉底熱流束に基づいてアトラクタを再構成し(図示せず)、定常性評価指標を求めた結果を示す。同図の矢印Bに示すように、図8の矢印Aに示した変化の前に、定常性評価指標に大きな乱れと値の低下、すなわち不安定な状態が観察される。これは、図7と同様、現在の状態が別の状態に移行しようとする予兆を表していると考えられる。また、図7と比較して、逆問題解析を介在させることにより、この予兆が鮮明に現れており、予兆の検出能が向上していることがわかる。
【0042】
以上述べたように本実施の形態によれば、評価対象から離れた計測点における計測値に基づいて逆問題解析を行うことにより、抵抗120の影響を取り除いて、評価面における状態信号を求めることができる。そして、求められた評価面における状態信号の振る舞いを示すアトラクタを再構成し、ある法則性に支配されて推移するか否かを表す定常性評価指標を求めることにより、評価対象の状態の時間的変化を捉えて正確に評価することができる。
【0043】
なお、定常性評価指標を求めるための超球の直径εは、評価対象に応じて定めればよく、例えば、評価を厳しく行う場合には、超球の直径εを小さくすればよい。
【0044】
また、本実施の形態では、評価対象の状態を評価するものとしているが、さらに評価対象の将来の状態を予測したり、評価対象の状態を制御したりするのに用いてもよい。例えば、定常性評価指標が1に近い値となるように、評価対象に対して制御を行うようにすればよい。
【0045】
(その他の実施の形態)
なお、上記実施の形態の状態評価装置は、コンピュータのCPU或いはMPU、RAM、ROM等により構成されるものであり、RAMやROMに格納されたプログラムが動作することによって各機能が実現される。この場合、上記機能を果たすようにコンピュータを動作させるプログラム自体、さらには当該プログラムを供給するための手段、例えばかかるプログラムを格納した記録媒体は本発明を構成する。記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0046】
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述の実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施の形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施の形態に含まれる。
【0047】
また、本発明をネットワーク環境で利用すべく、全部或いは一部のプログラムが他のコンピュータで実行されるようになっていてもよい。例えば、画面入力処理は、遠隔端末コンピュータで行われ、各種判断、ログ記録等は他のセンターコンピュータ等で行われるようにしてもよい。上記実施の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、評価面における状態信号の振る舞いを示すアトラクタを再構成し、ある法則性に支配されて推移するか否かを表す割合を求めるようにしたので、評価対象の状態の時間的変化を捉えて評価することができる。更に、計測点が評価対象から離れているような場合に、計測点における計測値に基づいて逆問題解析を行うようにすれば、抵抗の影響を取り除いて評価面における状態信号を求めることができ、評価対象の状態を正確に評価することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の状態評価装置の構成を示すブロック図である。
【図2】アトラクタ近傍点の時間推移を説明するための図である。
【図3】状態評価のための処理動作を示すフローチャートである。
【図4】ある事例における2種類の計測点における計測値と、これら2種類の計測点における計測値を用いて逆問題解析により求めた評価面における状態信号とを示す図である。
【図5】ある事例における再構成アトラクタを示す図である。
【図6】ある高炉における経過時間と、高炉炉底煉瓦に埋め込まれた熱電対により計測された温度との関係を示す図である。
【図7】熱電対温度に基づいてアトラクタを再構成し、定常性評価指標を求めた結果を示す図である。
【図8】ある高炉における経過時間と、逆問題解析により求めた炉底熱流束との関係を示す図である。
【図9】逆問題解析により求めた炉底熱流束に基づいてアトラクタを再構成し、定常性評価標を求めた結果を示す図である。
【符号の説明】
140 状態評価装置
141 逆問題解析部
142 アトラクタ作成部
143 記憶部
144 状態評価部

Claims (5)

  1. 評価対象から離れた計測点で計測した信号に基づいて、評価対象の状態を評価する評価対象の状態評価装置であって、
    上記計測点で計測した信号に基づいて、逆問題解析により上記評価対象の位置における信号を求める逆問題解析手段と、
    上記逆問題解析手段により求めた評価対象の位置における信号から所定の次元を有する再構成アトラクタを作成するアトラクタ作成手段と、
    上記アトラクタ作成手段により作成された再構成アトラクタ上の基準時刻での点を中心とする直径εの超球に存在する再構成アトラクタ上の近傍点が、上記基準時間から所定時間推移後での点を中心とする直径εの超球にいくつ存在するかの割合を求め、その割合に基づいて状態の評価を行う状態評価手段とを備えたことを特徴とする評価対象の状態評価装置。
  2. 上記状態評価手段は、上記割合に応じて評価対象の状態の安定性又は定常状態からの乖離度を評価することを特徴とする請求項1に記載の評価対象の状態評価装置。
  3. 評価対象から離れた計測点で計測した信号に基づいて、評価対象の状態を評価する評価対象の状態評価方法であって、
    上記計測点で計測した信号に基づいて、逆問題解析により上記評価対象の位置における信号を求める逆問題解析処理と、
    上記逆問題解析処理により求めた評価対象の位置における信号から所定の次元を有する再構成アトラクタを作成するアトラクタ作成処理を有し、
    上記アトラクタ作成処理により作成された再構成アトラクタ上の基準時刻での点を中心とする直径εの超球に存在する再構成アトラクタ上の近傍点が、上記基準時間から所定時間推移後での点を中心とする直径εの超球にいくつ存在するかの割合を求め、その割合に基づいて状態の評価を行い、状態評価に応じて診断処理及び制御処理のうち少なくとも1つの処理を行うことを特徴とする評価対象の状態評価方法。
  4. 評価対象から離れた計測点で計測した信号に基づいて、評価対象の状態を評価する処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
    上記計測点で計測した信号に基づいて、逆問題解析により上記評価対象の位置における信号を求める逆問題解析処理と、
    上記逆問題解析処理により求めた評価対象の位置における信号から所定の次元を有する再構成アトラクタを作成するアトラクタ作成処理と、
    上記アトラクタ作成処理により作成された再構成アトラクタ上の基準時刻での点を中心とする直径εの超球に存在する再構成アトラクタ上の近傍点が、上記基準時間から所定時間推移後での点を中心とする直径εの超球にいくつ存在するかの割合を求め、その割合に基づいて状態の評価を行う状態評価処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  5. 請求項4に記載のコンピュータプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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