JP3792339B2 - 活性エネルギー線硬化性被覆組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性被覆組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性エネルギー線を照射することにより硬化し、耐摩耗性、帯電防止性、および透明性に優れた皮膜を形成する活性エネルギー線硬化性被覆組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック製品、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、酢酸セルロース等は、その軽量性、易加工性、耐衝撃性などが優れているので容器、インストルメントパネル、包装材、ハウジング等種々の用途に使用されている。
【0003】
しかしながら、これらプラスチック製品は表面硬度が低いため傷がつき易く、ポリカーボネートのような透明な樹脂においては、その樹脂が持つ本来の透明性あるいは外観が著しく損なわれるという欠点があり、耐摩耗性を必要とする分野でのプラスチック製品の使用を困難なものとしている。
このため、これらプラスチック製品の表面に耐摩耗性を付与する活性エネルギー線硬化性ハードコート材料(被覆材)が求められている。しかしながら、市販の活性エネルギー線硬化性ハードコート材料の硬化層は表面固有抵抗値が高く静電気が発生しやすいという大きな欠点を有しており、この静電気の発生は埃の製品への付着を促進し、製品の美観、透明性を損なう原因となっている。このような欠点を回避するため、プラスチック製品の表面に耐摩耗性および帯電防止性を付与する皮膜を与える活性エネルギー線硬化性被覆材が求められている。
【0004】
耐摩耗性、帯電防止性および透明性を具備した皮膜を与える活性エネルギー線硬化性樹脂被覆材としては、例えば、四級アンモニウム塩を有する共重合体と多官能(メタ)アクリル酸エステルを含有する被覆組成物(特開平6−73305号公報、特開平6−180859号公報)が既に提案されている。これら公報に記載される被覆材より得られる皮膜の帯電防止性(表面固有抵抗)は1010〜1012/Ωのレベルであり、自動車のインストルメントパネル、包装材の用途では十分であるが、現在、コンピュータや通信機器のハウジング、IC、LED等の精密部材の搬送容器等の用途においては108 〜109 Ωのレベルのより高度な帯電防止性能が要求されてきている。上述の公報記載の被覆材では、皮膜の帯電防止性のレベルを上げようとすれば、被覆組成物中の四級アンモニウム塩を有する共重合体の相対的な量を増やしていく必要があり、その場合は得られる皮膜の耐摩耗性が低下するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐摩耗性に富み、帯電防止性能に優れた皮膜を与える被覆組成物の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、皮膜形成成分として下記の(A)〜(C)成分を含有し、且つ、皮膜形成成分の合計に対して(A)成分が1〜40重量%、(B)成分が60〜99重量%、(C)成分が0〜20重量%であることを特徴とする、活性エネルギー線硬化性被覆組成物を提給するものである。
(A)成分:分子中に1個のラジカル重合性基または2個のメルカプト基を有するポリオルガノシロキサン化合物(a 1 )と、分子中に1個のラジカル重合性基を有する3級アミン(a 2 )またはこれをアルキル化した4級アンモニウム塩(a 4 )とを、所望により(メタ)アクリル酸エステル(a 3 )と共に重合し、3級アミンを重合させた場合には更にアルキルクロライドで4級化してなる、ポリオルガノシロキサン単位及び4級アンモニウム塩単位を有する重合体。
(B)成分:分子中に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート。
(C)成分:(A)成分及び(B)成分以外の重合性単量体。
【0007】
【作用】
(A)成分の帯電防止性を有する重合体は、分子中のオルガノポリシロキサン骨格により皮膜表面に引き上げられるため、従来と同じ配合量であっても十分な帯電防止性を有する皮膜が得られ、耐摩耗性を低下させることがない。また、この重合体にオルガノポリシロキサン骨格が導入されることにより重合体の親水性が低減され、(B)成分の多官能アクリレートとの相溶性が向上し、得られる皮膜の透明性が向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(A)オルガノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位を有する重合体:
(A)成分の重合体は、皮膜に帯電防止性能を与えるもので、オルガノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位を有する重合体で、必要によりこの重合体は、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するものであってもよい。
【0009】
この(A)成分の重合体は、1分子中に1個のラジカル重合性基または1分子中に2個のメルカプト基を有するオルガノポリシロキサン化合物(a1)と、1分子中に1個のラジカル重合性基を有する3級アミン化合物(a2)とを重合して得た3級アミン重合体化合物を、4級化剤で4級アンモニウム塩とすることにより得られる。オルガノポリシロキサン化合物(a1)と1分子中に1個のラジカル重合性基を有する3級アミン化合物(a2)を共重合する際、これらの単量体に加えて他の(メタ)アクリル酸エステル(a3)を共重合させることもできる。
【0010】
また、この(A)成分の重合体は、1分子中に1個のラジカル重合性基または1分子中に2個のメルカプト基を有するオルガノポリシロキサン化合物(a1)と、1分子中に1個のラジカル重合性基を有する4級アンモニウム塩(a4)とを重合することにより得られる。オルガノポリシロキサン化合物(a1)と1分子中に1個のラジカル重合性基を有する4級アンモニウム塩(a4)を共重合する際、これらの単量体に加えて他の(メタ)アクリル酸エステル(a3)を共重合することもできる。
【0011】
1分子中に1個のラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物(a1)は、アクリル、メタクリル、スチリル、ケイ皮酸エステル、ビニル、アリル等のラジカル重合性基を1分子中に1個有するものである限り特に制限されないが、これ(a1)とラジカル重合性基を有する3級アミン化合物(a2)またはラジカル重合性基を有する4級アンモニウム塩(a4)との共重合の容易さを考慮すると、アクリル、メタクリル、スチリルのラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物であることが好ましい。
【0012】
また、ラジカル重合性基を有する3級アミン化合物(a2)またはラジカル重合性基を有する4級アンモニウム塩(a4)が重合する際連鎖移動によりスルフィド結合を介して重合体中に導入される1分子中に2個のメルカプト基を有するオルガノポリシロキサン化合物(a1)も好適に用いることができる。
これらオルガノポリシロキサン化合物(a1)に含まれるオルガノポリシロキサン単位は下記一般式(I)で表される。
【0013】
【化1】
Figure 0003792339
【0014】
(式中、R1 とR2 は同一でも異なっていてもよく、メチル基もしくはフェニル基であり、nは5以上の整数を表す。)
(a1)のオルガノポリシロキサンの数平均分子量は400〜60,000、好ましくは1,000〜30,000が好ましい。
(a2)成分の1分子中に1個のラジカル重合性基を有する3級アミン化合物は、下式(II)で表される。
【0015】
【化2】
Figure 0003792339
【0016】
(式中、R3 はHまたはCH3 を、R4 とR5 はHまたは置換基を含んでいてもよい炭素数が1〜9のアルキル基を、kは1〜6の整数を表す。)
かかる(a2)成分としては、例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノブチルメタクリレート、N,N−ジヒドロキシエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジブチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。
【0017】
また、(a4)成分の1分子中に1個のラジカル重合性基を有する4級アンモニウム塩としては、上記式(II)で表される3級アミン化合物を、例えばメチルクロライド、ブチルクロライド等のアルキルクロライド、メチルブロマイド、メチルベンジルクロライド、ベンジルクロライド等のハロゲン化物、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロピル硫酸等のアルキル硫酸類、p−トルエンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル類等の4級化剤により4級化したものが挙げられる。
【0018】
オルガノポリシロキサン化合物(a1)と1分子中に1個のラジカル重合性基を有する3級アミン化合物(a2)または4級アンモニウム塩(a4)とを共重合する際、これら単量体に加えて(メタ)アクリル酸エステル(a3)を用いることができる。かかる(a3)成分の(メタ)アクリル酸エステルとしては、1分子中に1個のラジカル重合性基を有する、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソ−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0019】
オルガノポリシロキサン化合物(a1)と1分子中に1個のラジカル重合性基を有する3級アミン化合物(a2)または4級アンモニウム塩(a4)とを共重合する際、オルガノポリシロキサン化合物(a1)の使用量は、共重合性単量体100重量%中、1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%である。1重量%未満ではビニル重合体を皮膜表面に引き出す(グリードアウト)能力に欠け、皮膜に十分な帯電防止性が得られない。また、40重量%を超えると1分子中に1個のラジカル重合性基を有する3級アミン化合物(a2)または4級アンモニウム塩(a4)の使用割合が低下し、十分な帯電防止性が得られない。
【0020】
他方の、1分子中に1個のラジカル重合性基を有する3級アミン化合物(a2)または4級アンモニウム塩(a4)の使用量は、共重合性単量体100重量%中、60〜99重量%、好ましくは60〜95重量%である。60重量%未満では皮膜に十分な帯電防止性が得られない。また、99重量%を超えるとオルガノポリシロキサン化合物(a1)の使用割合が低下し皮膜に十分な帯電防止性が得られない。
【0021】
上記、単量体(a1)、(a2)、(a3)および(a4)の共重合は、溶剤中で、通常のラジカル重合開始剤を用いて行われる。溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート等のエーテルエステル類および水が挙げられ、またこれらを混合使用することもできる。
【0022】
重合反応に使用するラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が好適に用いられる。重合液中の単量体濃度は通常10〜60重量%であり、重合開始剤は通常単量体混合物に対し、0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜2重量%の量使用される。
【0023】
オルガノポリシロキサン化合物(a1)と1分子中に1個のラジカル重合性基を有する3級アミン化合物(a2)、および必要に応じ(メタ)アクリル酸エステル(a3)を共重合した場合は、共重合して得た3級アミン重合体化合物を4級化剤を用いて4級アンモニウム塩(A)とする。4級化剤としては、例えばメチルクロライド、ブチルクロライド等のアルキルクロライド、メチルブロマイド、メチルベンジルクロライド、ベンジルクロライド等のハロゲン化物、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロピル硫酸等のアルキル硫酸類、p−トルエンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル類等が挙げられる。
【0024】
これらの方法で得られるオルガノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位を有する重合体(A)の中でも、1分子中に1個のラジカル重合性基または1分子中に2個のメルカプト基を有するオルガノポリシロキサン化合物(a1)と、1分子中に1個のラジカル重合性基を有する3級アミン化合物(a2)、および必要に応じ(メタ)アクリル酸エステル(a3)を共重合して得た、3級アミン重合体化合物をアルキルクロライドで4級アンモニウム塩とすることにより得られる重合体が、分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートとの相溶性に優れ、透明性の良い皮膜が得られる点から特に望ましい。
【0025】
オルガノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位を有する重合体(A)として、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するオルガノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位を有する重合体を用いると、活性エネルギー線照射時にこの重合体(A)と多官能アクリレート(B)との間に結合が形成され、帯電防止性能の耐久性の向上をはかることができる。
【0026】
オルガノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位を有する重合体の側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する重合体(A)は、例えば、オルガノポリシロキサン化合物(a1)と1分子中に1個のラジカル重合性基を有する3級アミン化合物(a2)または4級アンモニウム塩(a4)を共重合する際、これら単量体に加えてグリシジル(メタ)アクリレートを共重合した後、(メタ)アクリル酸を付加(3級アミン化合物(a2)を用いた場合は、さらに得られた3級アミン重合体化合物を4級化剤で4級アンモニウム塩にする)することにより得られる。
【0027】
また、オルガノポリシロキサン化合物(a1)と1分子中に1個のラジカル重合性基を有する3級アミン化合物(a2)または4級アンモニウム塩(a4)を共重合する際、これら単量体に加えてヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート,ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレートを共重合した後、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレートとトリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物のモル比1対1の付加体や、メタクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等を付加(3級アミン化合物(a2)を用いた場合は、さらに、得られた3級アミン重合体化合物を4級化剤で4級アンモニウム塩にする)することにより得られる。
【0028】
これらの方法で得られるオルガノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位を有する側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する重合体(A)の中でも、1分子中に1個のラジカル重合性基または1分子中に2個のメルカプト基を有するオルガノポリシロキサン化合物(a1)と、1分子中に1個のラジカル重合性基を有する3級アミン化合物(a2)、および官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルを共重合し、次いでこの重合体に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加した後、3級アミン化合物をアルキルクロライドで4級アンモニウム塩とすることにより得られる重合体(A)が、分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート(B)との相溶性に優れ、透明性の良い塗膜が得られる点から特に望ましい。
【0029】
(B)多官能アクリレート
(B)成分の分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラカルボン酸二無水物と分子内に水酸基及び3個以上のアクリロイル基を有する水酸基含有多官能アクリレートを反応して得られるカルボキシル基含有多官能アクリレート、およびこれら2種以上の混合物が挙げられる。
【0030】
テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリト酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4′−ビフタル酸無水物、4,4′−オキソジフタル酸無水物、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0031】
また、分子内に水酸基及び3個以上のアクリロイル基を有する水酸基含有多官能アクリレートの具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、およびこれらの混合物等が挙げられる。
これら分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートの中でも、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、テトラカルボン酸二無水物と分子内に水酸基及び3個以上のアクリロイル基を有する水酸基含有多官能アクリレートを反応して得られるカルボキシル基含有多官能アクリレート、およびこれらの混合物が耐摩耗性の優れた皮膜を与える点から特に望ましい。
【0032】
任意成分:
上記(A)成分のオルガノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位を有する重合体および(B)成分の分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートの他に、他の重合性単量体(C)、例えば分子内に1個または2個のアクリロイル基を有するアクリレートを用いることをさまたげるものではない。具体的には、アクリロイル基を2個有するウレタンアクリレートやエポキシアクリレートを、耐摩耗性および帯電防止性の低下しない範囲(皮膜成分中の20重量%以下)で用いることができる。
【0033】
又、被覆組成物の硬化に活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、上記オルガノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位を有する重合体と、分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートに加えて光重合開始剤が用いられる。光重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ミヒラーズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられ、これらの光重合開始剤は2種以上を適宜に併用することもできる。
【0034】
本発明の活性エネルギー線硬化性被覆組成物には、皮膜物性を改良する目的で紫外線吸収剤(例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、シアノアクリレート系紫外線吸収剤)、紫外線安定剤(例えば、ヒンダードアミン系紫外線安定剤)、酸化防止剤(例えば、フェノール系、硫黄系、リン系酸化防止剤)、ブロッキング防止剤、スリップ剤、レベリング剤等のこの種の組成物に配合される種々の添加剤を皮膜を形成する組成中に各々、0.01〜2重量%配合することができる。
更に、被覆組成物の粘度調整や重合体の製造の際に用いた溶剤と同一のものを使用することができる。
【0035】
被覆組成物:
(A)成分のオルガノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位を有する重合体の使用量は、溶剤を除いた皮膜形成の固形成分100重量%中、1〜40重量%、好ましくは5〜25重量%である。1重量%未満では十分な帯電防止性を有する皮膜が得られない。また、40重量%を超えると皮膜の耐摩耗性が低下する。また、(B)成分の分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートの使用量は、溶剤を除いた皮膜形成の固形成分100重量%中、60〜99重量%、好ましくは75〜95重量%である。60重量%未満では十分な耐摩耗性を有する皮膜が得られない。また99重量%を超えると、十分な帯電防止性を有する皮膜が得られない。
【0036】
(A)、(B)成分以外の他の重合性単量体(C)は、組成物の粘度調整、得られる皮膜に可撓性を付与する目的で皮膜形成の固形成分中の20重量%以下、好ましくは、3〜10重量%用いられる。
光重合開始剤は、(A)、(B)および(C)の重合性成分の和の10重量%以下、好ましくは1〜5重量%用いられる。
【0037】
本発明の被覆組成物は、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、塩化ビニル樹脂及びABS樹脂等のプラスチック基材に、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、バーコート法、及びグラビアコート、ロールコート、ブレードコート及びエアーナイフコート等の塗工器具による塗工方法で、溶剤乾燥、活性エネルギー線照射後、プラスチック基材表面に1〜50μm、好ましくは1〜20μmの肉厚の皮膜が得られよう塗工する。
【0038】
次いで、塗布した被覆組成物層を架橋硬化せしめるため、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる紫外線あるいは、通常20〜2000kVの電子線加速器から取り出される電子線、α線、β線、γ線等の活性エネルギー線を照射し、硬化させて皮膜を形成させる。
この皮膜の表面固有抵抗値は108 〜109 Ωのレベルであり、透明性、耐摩耗性に富む。
【0039】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、例中の部および%は、重量部および重量%をそれぞれ意味する。
【0040】
(オルガノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位を有する重合体の合成例):
(合成例1)
片末端にスチレン基を有する数平均分子量が11,300のオルガノポリシロキサン化合物[信越化学工業(株)製商品名:X−22−2440]30部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート70部、およびイソプロピルアルコール150部の混合物を加熱して80℃に昇温した時、及び同昇温時より2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、80℃で8時間反応して、固形分40%の共重合体溶液を得た。
次に、得られた共重合体溶液に、イソプロピルアルコール83.3部を添加した後、塩化メチルを反応系に導入し、50℃で6時間反応し、オルガノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位を有する重合体[I]溶液(固形分34%)を得た。
【0041】
(合成例2)
両末端にメルカプト基を有する数平均分子量が3,340のオルガノポリシロキサン化合物[信越化学工業(株)製商品名:X−22−167B]10部、N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレート80部、メチルメタクリレート10部、およびイソプロピルアルコール150部の混合物を加熱して80℃に昇温した時、及び同昇温時より2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、80℃で8時間反応して、固形分40%の共重合体溶液を得た。
次に、得られた共重合体溶液に、イソプロピルアルコール83.3部を添加した後、塩化メチルを反応系に導入し、50℃で6時間反応し、オルガノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位を有する重合体[II]溶液(固形分35%)を得た。
【0042】
(合成例3)
片末端にメタクリロイル基を有する数平均分子量が約10,000のオルガノポリシロキサン化合物[チッソ(株)製商品名:FM0725]15部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート75部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部及びメチルエチルケトン150部の混合物を加熱して80℃に昇温した時、及び同昇温時より2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、80℃で8時間反応して、固形分40%の共重合体溶液を得た。このものに、メタクリロイルイソシアネート8部を添加し、80℃で6時間反応(赤外吸収スペクトルで2250cm-1のイソシアネート基の吸収の消滅を確認)し、側鎖にメタアクリロイル基を有する固形分42%の共重合体溶液を得た。
次に、得られた共重合体溶液に、イソプロピルアルコール300部を添加した後、塩化メチルを反応系に導入し、50℃で6時間反応し、オルガノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位を有し、側鎖にメタアクリロイル基を有する重合体[III ]溶液(固形分22%)を得た。
【0043】
(合成例4)
片末端にスチレン基を有するオルガノポリシロキサン化合物[信越化学工業(株)製商品名:X−22−2440]10部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート80部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部及びメチルエチルケトン150部の混合物を加熱して80℃に昇温した時、及び同昇温時より2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、80℃で8時間反応して、固形分40%の共重合体溶液を得た。このものに、イソホロンジイソシアネート28部と2−ヒドロキシエチルアクリレート22部を反応して得られる化合物50部を添加し80℃で6時間反応(赤外吸収スペクトルで2250cm-1のイソシアネート基の吸収の消滅を確認)し、固形分50%の側鎖にアクリロイル基を有する共重合体溶液を得た。
次に、得られた側鎖にアクリロイル基を有する共重合体溶液に、イソプロピルアルコール300部を添加した後、塩化メチルを反応系に導入し、50℃で6時間反応し、オルガノポリシロキサン単位および4級アンモニウム塩単位を有し、側鎖にアクリロイル基を有する重合体[IV]溶液(固形分28%)を得た。
【0044】
(4級アンモニウム塩単位を有するが、オルガノポリシロキサン単位を有しない重合体の合成例):
(合成例5)
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート80部、メチルメタクリレート20部およびイソプロピルアルコール150部の混合物を加熱して80℃に昇温した時、及び同昇温時より2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、80℃で8時間反応して、固形分40%の共重合体溶液を得た。
次に、得られた共重合体溶液に、イソプロピルアルコール83.3部を添加した後、塩化メチルを反応系に導入し、50℃で6時間反応し、4級アンモニウム塩単位を有する重合体[V]溶液(固形分34%)を得た。
【0045】
(オルガノポリシロキサン単位を有するが、4級アンモニウム塩単位を有しない重合体の合成例):
(合成例6)
片末端にスチレン基を有するオルガノポリシロキサン化合物[信越化学工業(株)製商品名:X−22−2440]30部、メチルメタクリレート70部、およびイソプロピルアルコール150部の混合物を加熱して80℃に昇温した時、及び同昇温時より2時間後に、それぞれアゾビスイソブチロニトリルを0.3部ずつ添加し、80℃で8時間反応して、オルガノポリシロキサン単位を有する重合体[VI]溶液(固形分40%)を得た。
【0046】
(カルボキシル基含有多官能アクリレートの合成例):
(合成例7)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートを67モル%含有するジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよびジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(日本化薬社製商品名:カヤラッドDPHA、水酸基価69mgKOH/g)163部とピロメリト酸二無水物21.8部、メチルエチルケトン100部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部およびN,N−ジメチルベンジルアミン1部を加え、80℃で8時間反応し、カルボキシル基含有多官能アクリレート[VII ]溶液(固形分65%)を得た。
【0047】
実施例1〜10
各成分を表1に示した割合で均一に配合して活性エネルギー線硬化性被覆組成物を調製した。各活性エネルギー線硬化性被覆組成物を、透明(ヘイズ値3.0%)な100μm厚の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイアホイルヘキスト(株)製:T100E)に、バーコーターを用いて乾燥後の塗膜厚が6μmとなるように塗布し、80℃で2分間加熱乾燥した。このものを、出力密度120w/cmの高圧水銀灯を用い、光源下10cmの位置で1000mJ/cm2 の紫外線照射を行い塗膜を形成し、その塗膜について帯電防止性能、透明性、耐摩耗性を試験した。
得られた塗膜の評価結果を表2に示した。なお、各評価は下記によった。
【0048】
表面固有抵抗値:
評価サンプルを23℃、相対湿度60%の恒温室に24時間放置した後、TR−8601型(タケダリケン製)を用い、印加電圧100V、1分値で測定。透明性:
ヘイズ値(H%)で評価。(JIS K−7105)
耐摩耗性:
Calibrase社製CS−10Fの摩耗輪を用い、荷重500gで100回転テーバー摩耗試験を行い、テーバー摩耗試験後のヘイズ値とテーバー摩耗試験前のヘイズ値との差ΔH%で評価。
なお、基材の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面固有抵抗値は1016Ωを越え、耐摩耗性は、28.5%であった。
【0049】
比較例1〜2
各成分を表1に示した割合で均一に配合して調製した活性エネルギー線硬化性被覆組成物を、実施例1と同様に試験、評価し、その評価結果を表2に示した。
【0050】
【表1】
Figure 0003792339
【0051】
【表2】
Figure 0003792339
【0052】
表中の数値
上段:硬化後初期
中段:耐湿熱性試験後(80℃、相対湿度90%、120時間)
下段:耐水性試験後(50℃の流水に30分間浸漬)
【0053】
【発明の効果】
本発明の活性エネルギー線硬化性被覆組成物は、帯電防止性、透明性、耐摩耗性に優れ、耐湿熱性、耐水性等の耐久性も良好な皮膜を与える。中でも特に、(A)成分として側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する重合体を用いた場合、耐水性の優れた皮膜が得られる。

Claims (8)

  1. 被膜形成成分として下記の(A)〜(C)成分を含有し、且つ、被膜形成成分の合計に対して(A)成分が1〜40重量%、(B)成分が60〜99重量%、(C)成分が0〜20重量%であることを特徴とする、活性エネルギー線硬化性被覆組成物。
    (A)成分:分子中に1個のラジカル重合性基または2個のメルカプト基を有するポリオルガノシロキサン化合物(a 1 )と、分子中に1個のラジカル重合性基を有する3級アミン(a 2 )またはこれをアルキル化した4級アンモニウム塩(a 4 )とを、所望により(メタ)アクリル酸エステル(a 3 )と共に重合し、3級アミンを重合させた場合には更にアルキルクロライドで4級化してなる、ポリオルガノシロキサン単位及び4級アンモニウム塩単位を有する重合体。
    (B)成分:分子中に3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート。
    (C)成分:(A)成分及び(B)成分以外の重合性単量体。
  2. 被膜形成成分の合計に対して、(A)成分が5〜25重量%、(B)成分が75〜95重量%であることを特徴とする、請求項1記載の活性エネルギー線硬化性被覆組成物。
  3. (A)成分を構成するポリオルガノシロキサン化合物(a 1 )の数平均分子量が400〜60,000であることを特徴とする、請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化性被覆組成物。
  4. (A)成分が、重合性単量体としてポリオルガノシロキサン化合物(a 1 )を1〜40重量%、及び3級アミン化合物(a 2 )又は、4級アンモニウム塩(a 4 )を60〜99重量%含む単量体混合物を重合させ、3級アミン化合物(a 2 )を重合させた場合には更にアルキルクロライドで4級化したものであることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性被覆組成物。
  5. (A)成分が、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するものであることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性被覆組成物。
  6. (A)成分が、ポリオルガノシロキサン化合物(a 1 )及び3級アミン化合物(a 2 )を、所望により(メタ)アクリル酸エステル(a 3 )と共に重合し、更にアルキルクロライドで4級化したものであることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性被覆組成物。
  7. (A)成分が、ポリオルガノシロキサン化合物(a 1 )、3級アミン化合物(a 2 )及び官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルを重合し、得られた重合体に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加し、更にアルキルクロライドで4級化したものであることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性被覆組成物。
  8. プラスチック基材の表面に、請求項1ないし7のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性被覆組成物を含む溶液を塗工したのち、活性エネルギー線を照射して硬化させることを特徴とする、プラスチック基材の表面に表面固有抵抗値が10 8 〜10 9 Ωのレベルで、かつ透明性、耐摩耗性に富む皮膜を形成する方法。
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