JP3788185B2 - クロム及びセリウムを含む溶液からのセリウムの回収方法 - Google Patents

クロム及びセリウムを含む溶液からのセリウムの回収方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクロムおよびセリウムを含む溶液、詳しくは、6価クロム及び4価セリウムを含む溶液から、セリウムを硝酸セリウムアンモニウム((NH42 Ce(NO36 )として回収する方法に関するものである。特に本発明は、クロムを含む金属を、硝酸セリウムアンモニウムを含む溶液でエッチングする工程から排出される6価クロムと4価及び3価セリウムを含む溶液から、セリウムをエッチング用薬品として使用可能な高純度の硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体や液晶ディスプレイの製造工程には、クロムを含む金属を硝酸セリウムアンモニウムを含む溶液でエッチングする工程が含まれていることが多い。この工程から排出される廃液には、6価クロムと4価及び3価セリウムとが含まれている。従ってこの廃液は強酸化性なので、廃液中からこれらの物質を除去することが必要である。例えば特開昭52−68860号公報には、この廃液に亜硫酸水素ナトリウムを添加してクロムを還元し、次いで水酸化カルシウムを加えてクロムとセリウムとを水酸化物として共沈させて除去する方法が記載されている。また、特開平9−85264号公報には、6価クロム及び4価セリウムを還元したのち、吸着剤に吸着させて除去する方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法ではセリウムは最終的に廃棄されてしまうことになる。セリウムは高価なので、できるだけ回収して再利用するのが望ましい。特にエッチング液の調製に用い得る、高純度の硝酸セリウムアンモニウムとして回収することができれば最も望ましい。従って本発明は、クロムを含む金属を硝酸セリウムアンモニウムを含む溶液でエッチングする工程から排出される廃液のような、6価クロムと4価セリウムを含む溶液からセリウムを高純度の硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、クロム及びセリウムを含む溶液から、水酸化セリウムを回収する水酸化セリウム回収工程、水酸化セリウム回収工程で得られた水酸化セリウムの沈殿を水洗する洗浄工程、洗浄工程を経た水酸化セリウムに硝酸およびアンモニア源を添加して硝酸セリウムアンモニウムを濃縮晶析させる硝酸セリウムアンモニウム晶析工程、および硝酸セリウムアンモニウム晶析工程で生成した硝酸セリウムアンモニウム結晶を回収する硝酸セリウムアンモニウム回収工程の各工程を順に行うことによりクロム及びセリウムを含む溶液から高純度硝酸セリウムアンモニウムを回収することができる。
【0005】
詳しくは、6価クロム及び4価セリウムを含むpH2未満の溶液に還元剤を添加して、6価クロム及び4価セリウムをそれぞれ3価クロム及び3価セリウムに還元する還元工程、還元工程で得られた溶液にアルカリを添加して3価クロムを沈殿させて除去するクロム除去工程、クロム除去工程で得られた溶液にアルカリと酸化剤とを添加してpH8以上とし、セリウムを4価セリウムの水酸化物として沈殿させる水酸化セリウム沈殿工程、セリウム沈殿工程で得られた沈殿を水洗する洗浄工程、洗浄工程を経た沈殿を硝酸に溶解し、生成した硝酸セリウム溶液にアンモニア源を添加して硝酸セリウムアンモニウムを濃縮晶出させる硝酸セリウムアンモニウム晶析工程、及び硝酸セリウムアンモニウム晶析工程で生成した硝酸セリウムアンモニウム結晶を回収する硝酸セリウムアンモニウム回収工程の各工程を順次行うことにより、6価クロムおよび4価セリウムを含む溶液から高純度の硝酸セリウムアンモニウムを回収することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明でセリウム回収の対象とする溶液は、クロム及びセリウム、好ましくは6価クロム及び4価セリウムとを含有するものであればよく、さらに3価セリウムを含んでいてもよい。例えば半導体や液晶ディスプレイの製造工程で、クロムを含む金属を硝酸セリウムアンモニウムを含む溶液でエッチングする工程から排出される、6価クロム及び4価・3価セリウムを含む溶液は、本発明で処理する対象として好適である。
【0007】
本発明では、まず、この溶液から水酸化セリウムを回収される。
【0008】
水酸化セリウムの回収は、この溶液からクロムを回収し(クロム回収工程)、クロム回収後の溶液から水酸化セリウムを回収する(水酸化セリウム沈殿工程)工程を順に行われるのが好ましい。また、クロム回収工程は、還元工程とクロム除去工程からなり、これらを順に行うのが好ましい。
<還元工程>
還元工程では、この溶液をpH2未満で還元剤で還元して、6価クロムを3価クロムに、また4価セリウムを全て3価セリウムに還元する。
【0009】
この還元反応はpH2以下の強酸性下で行うのが好ましい。前述のエッチング工程から排出される廃液は、通常はこのような強酸性なので、そのまま本発明による処理に供することができる。
【0010】
還元剤としては系を汚染しない過酸化水素を用いるのが好ましい。過酸化水素は通常は酸化剤であるが、上記の強酸性下では6価クロム及び4価セリウムに対し還元剤として作用する。還元剤の使用量は、6価クロムと4価セリウムの全量を、それぞれ3価クロムと3価セリウムに還元するに要する量である。この還元工程で4価セリウムの一部が未還元で残存すると、次のクロム除去工程で3価クロムと一緒に残存した4価セリウムが沈殿として除去されてしまうので、セリウムの回収率が低下する。
【0011】
なお、4価セリウムが残存していると、次のクロム除去工程におけるクロムの除去率が向上する傾向がある。従ってセリウムの回収率を犠牲にしてもクロムの除去率を向上させたい場合には、還元工程を4価クロムが若干残存するように行えばよい。この還元工程は、原料の6価クロムと4価セリウムを含む溶液に過酸化水素を添加して、常温で攪拌することにより容易に進行させることができる。反応の進行過程は、液の酸化還元電位を測定することにより追跡できる。
<クロム除去工程>
還元工程を経た溶液には、次いでアルカリを添加してpHを上昇させ、クロムを沈殿させる。生成した沈殿は濾過、遠心分離など適宜の手段で除去する。クロムの沈殿はpH2以上で行う。pHが低いと溶液中に残存するクロム濃度が上昇する。逆にpHが高いと、残留するクロム濃度は低下するがセリウムが沈殿するようになる。従ってこのクロム除去工程はpH2〜7、特に5〜7で行うのが好ましい。またこの工程で溶液に添加するアルカリとしては、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、アンモニアなどを用いることもできるが、通常はアルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムが用いられる。
<水酸化セリウム沈殿工程>
クロム除去工程を経た溶液は、次いでアルカリを添加してpH8以上、好ましくはpH10以上とし、かつ酸化剤を添加して液中の3価セリウムを4価セリウムに酸化する。
【0012】
アルカリとしてはクロム除去工程と同じく、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、アンモニアなどを用いることもできるが、通常はアルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムが用いられる。クロム除去工程、水酸化セリウム沈殿工程の両工程でアルカリとしてアンモニアを用いると生成する水酸化セリウム中のアルカリ金属の濃度が非常に低くなるが、廃液に窒素が含まれ、廃液処理に手間がかかるという問題があるので、アルカリとして通常はアルカリ金属水酸化物が用いられる。
【0013】
また酸化剤としては過酸化水素を用いるのが好ましい。過酸化水素は前述の還元工程のような強酸性条件下では還元剤として作用するが、中性ないしアルカリ性では酸化剤として作用する。クロム除去工程を経た溶液にアルカリを添加すると、溶液中の3価のセリウムが水酸化物として沈殿するが、これは酸化剤により容易に酸化されて4価の水酸化セリウムとなるので、アルカリと酸化剤との添加順序は任意である。
【0014】
なお、溶液中に残存している前工程で除去されなかった3価クロムは、アルカリの添加によりいったん水酸化物として沈殿するが、酸化剤により6価クロムに再酸化されて再び溶解する。この水酸化セリウム沈殿工程はpH10以上で行うのが好ましい。このセリウム及びクロムの酸化も溶液に酸化剤を加えて常温で攪拌することにより容易に進行させることができる。生成した4価の水酸化セリウムの沈殿は、濾過、遠心分離など適宜の手段により溶液から回収する。
【0015】
なお、酸化剤として過酸化水素を用いて水酸化セリウムと過酸化水素との錯体を沈殿させた場合には、錯体から過酸化水素を除去することが必要である。何故ならば、後続する工程で過酸化水素を含む錯体を硝酸に溶解させるとpH2未満の強酸性溶液となり、過酸化水素が還元剤として作用して4価のセリウムが3価に還元されてしまうからである。錯体からの過酸化水素の除去は、最も簡単には、沈殿を加熱して過酸化水素を水と酸素とに分解させればよい。
<洗浄工程>
セリウム沈殿工程で得られた沈殿は多量のアルカリ金属を含有しているので、水洗して含有されているアルカリ金属を低減させる洗浄工程に付する。水洗は通常は沈殿中のアルカリ金属の含有率が、乾量基準で2000重量ppm以下となるまで行う。アルカリ金属の含有率が1000重量ppm以下、特に600重量ppm以下となるまで水洗するのが好ましい。水洗は沈殿を水に懸濁させてスラリーとしたのち、濾過又は遠心分離により沈殿と洗浄廃水とに分離する方法を数回反復するのが効率的である。
【0016】
水洗は常温〜80℃で行われる。低すぎると洗浄効率が悪化して、水洗回数が増加する。しかし、通常、結晶内部に包含されているアルカリ金属は水洗では除去し難いので、洗浄を多数回反復してもアルカリ金属の含有率を乾量基準で数100重量ppmのオーダーよりも大幅に低下させることは困難である。水洗に用いる水は、通常純水、好ましくは電気伝導度が1μS/cm以下の純水を用いる。
<硝酸セリウムアンモニウム晶析工程>
洗浄工程を経てアルカリ金属の含有量を低減させた沈殿は、硝酸に溶解させ、好ましくは、過剰量の硝酸中に硝酸セリウムの硝酸溶液として完全に溶解させ、次いでこれにアンモニア源を添加して、酸性溶液中から硝酸セリウムアンモニウムを濃縮晶出させる。これによりアルカリ金属の含有率が著しく小さい結晶を晶出させることができる。
【0017】
水酸化セリウムは温度および濃度が高い硝酸に溶けやすいので、水酸化セリウムを溶解させるのに用いる硝酸の温度は通常60〜90℃、好ましくは75〜85℃、また、硝酸の濃度は通常50〜70重量%(最高共沸濃度)、好ましくは60〜70重量%(最高共沸濃度)である。また、硝酸の純度は、80〜100%、好ましくは、95〜100%である。
【0018】
また、アンモニア源としては、硝酸アンモニウムやアンモニアのようにアンモニウムイオンを含むものであればよいが、得られる硝酸セリウムアンモニウムの純度の点から、アンモニア濃度では〜30%、純度では〜100%のものを用いるのが好ましい。アンモニア源としてアンモニアを用いると、系内の硝酸と反応して発熱するので、生成した硝酸セリウムアンモニウムを溶解させるために必要な加熱エネルギーを削減することができる。
【0019】
硝酸セリウムの硝酸溶液からの硝酸セリウムアンモニウムの晶出は公知の手法、例えば特許第2844368号に記載の方法に準じて行えばよい。硝酸中における硝酸セリウムアンモニウムの溶解度は、硝酸濃度が高いほど、また温度が低いほど小さくなる。
【0020】
従って硝酸に、できるだけ水分を除いた水酸化セリウムの沈殿を添加して溶解させ、次いでアンモニア源を添加して硝酸セリウムアンモニウムを生成した後これを完全に溶解させる。生成した硝酸セリウムアンモニウムを完全に溶解させることにより、晶出して得られる硝酸セリウムアンモニウムの純度が高くすることができるのである。硝酸セリウムアンモニウムを完全に溶解させるために、通常アンモニア源を添加した後、通常60〜85℃に通常30〜120分間加温、攪拌を行う。その後、必要に応じて濃縮操作等を行った後に冷却し、硝酸セリウムアンモニウムを晶出させるのが好ましい。
<硝酸セリウムアンモニウム回収工程>
晶出した硝酸セリウムアンモニウムの沈殿は、濾過、遠心分離など適宜の手段により溶液から回収する。晶出した硝酸セリウムアンモニウムを一部回収した後の母液は、通常蒸発濃縮して硝酸セリウムアンモニウムを更に晶出させて回収したのち、該母液は水酸化セリウムを溶解させるための硝酸として少なくとも一部再利用するのが好ましい。
<硝酸洗浄工程>
母液から回収した硝酸セリウムアンモニウムは、硝酸で洗浄して付着しているアルカリ金属その他の不純物を除去することにより、硝酸セリウムアンモニウムの純度をより高めることができる。硝酸での洗浄は、硝酸セリウムアンモニウムの沈殿を硝酸に懸濁させてスラリーとしたのち、濾過又は遠心分離により沈殿と洗浄廃水とに分離する方法を数回反復するのが効率的である。硝酸洗浄の回数は硝酸セリウムアンモニウムの含有する不純物の濃度や、製品として求められる不純物の濃度のスペックにより適宜選定される。硝酸洗浄の温度は通常常温付近で行われる。温度が高すぎると硝酸セリウムアンモンの溶解度が高くなってロスが多くなる。また、硝酸洗浄に使用する硝酸の濃度が低いと硝酸セリウムアンモンの溶解度が高くなってロスが多くなるので、硝酸の濃度は通常50〜70%(最高共沸濃度)、好ましくは65〜70%(最高共沸濃度)である。また、硝酸の純度が高い程、大きな洗浄効果が得られるので、硝酸の純度は通常80〜100%、好ましくは95〜100%である。
【0021】
クロムを含む金属のエッチング液の調製に用いる硝酸セリウムアンモニウムには、乾量基準でアルカリ金属の含有率が3ppm以下、好ましくは1ppm以下であることが要求される。この要求を満足するには、硝酸セリウムアンモニウムの晶出を、アルカリ金属の含有率が350ppm以下、特に300ppm以下の母液中から行うのが好ましい。これよりもアルカリ金属の含有率の大きい母液中から晶出させると、得られる硝酸セリウムアンモニウムの結晶のアルカリ金属の含有率は、硝酸で洗浄した後においても1ppm以下にすることは困難である。
【0022】
母液中のアルカリ金属の含有率を350ppm以下にするには、晶出した結晶を分離した後の母液を、水酸化セリウムを溶解させるための硝酸として再利用するに際し、その一部を系外に排出して、系内でのアルカリ金属の蓄積を防止することが必要である。しかし系外への排出量が多いと硝酸及び溶解しているセリウムの損失が増加するので、排出量は結晶を晶出させる母液のアルカリ金属の含有率が150〜300ppm、特に200〜250ppmとなるように行うのが好ましい。
【0023】
本発明によれば、硝酸セリウムアンモニウムを含むエッチング液でクロムをエッチングする工程から排出された廃液から、セリウムをエッチング液の調製に用い得る高純度の硝酸セリウムアンモニウムとして回収することができる。
【0024】
【実施例】
<実施例>
硝酸セリウムアンモニウム12重量%、硝酸38重量%、及び過塩素酸2重量%を含むエッチング液でクロム薄膜をエッチングする工程から排出された、6価クロム0.023モル/L、4価セリウム0.070モル/L、3価セリウム0.278モル/Lの廃エッチング液(pH0.2)1330Lに、攪拌下に室温で35重量%過酸化水素水溶液を過酸化水素としてセリウムに対し約0.4倍モルとなるように添加して、クロム及びセリウムを3価に還元した。反応の終点は液の酸化還元電位の測定により検出した。次いでこの溶液に、攪拌下に室温で25重量%水酸化ナトリウム水溶液を、液のpHが6.0となるまで添加した。生成した沈殿を濾過により除去し、濾液に攪拌下に室温で過酸化水素水溶液をセリウムに対して1.7倍モルとなるように添加してセリウムを酸化し、その後、25重量%水酸化ナトリウム水溶液を添加して液のpHを10とした。
室温で1時間攪拌したのち80℃に加熱して更に2時間攪拌した。濾過して水酸化セリウムの薄黄色の沈殿を取得した。セリウムの回収率は90%であった。この沈殿のナトリウム含有率は乾量基準で12重量%であった。
【0025】
これを乾量基準で0.1g/lとなるように60℃の純水に懸濁させ、攪拌したのち濾過する操作を5回反復した。沈殿のナトリウム含有率は乾量基準で600重量ppmであった。
【0026】
乾量基準で85.12kgの上記の沈殿を70%硝酸520kg中に加え、84℃に加熱して2時間保持した。沈殿は完全に溶解していた。
これに29%アンモニア水48kgを添加して攪拌下に84℃で2時間保持した。次いで6℃/hrの速度で室温まで冷却して硝酸セリウムアンモニウムの結晶152kgを得た。結晶を分離後の母液中のナトリウム含有率は約80重量ppmであった。
【0027】
この結晶を結晶と同重量の70%硝酸で洗浄して乾燥した。結晶の純度は99.0%であり、ナトリウムを含めた金属類の含有率は1重量ppm未満であった。このとき廃エッチング液中のセリウムに対する回収率は66%であった。
<比較例>
実施例1と同様にして、廃エッチング液から水酸化セリウムを回収した。得られた水酸化セリウムを水洗せず、そのまま乾量基準85kgの水酸化セリウムの沈殿を70%硝酸520kg中に加え、84℃に加熱して2時間保持した。
沈殿は完全に溶解していた。これに29%アンモニア水48kgを添加して攪拌下に84℃で2時間保持した。次いで6℃/hrの速度で室温まで冷却して硝酸セリウムアンモニウムの結晶151kgを得た。
【0028】
結晶の純度は99.0%以上となるまで、この結晶を70%硝酸で洗浄、濾過を繰り返した後に乾燥した。その結果洗浄に硝酸は348kg必要で、回収した硝酸セリウムアンモニウムの結晶136kgを得た。
また、このとき廃エッチング液中のセリウムに対する回収率は58%であった。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、硝酸セリウムアンモニウムを含むエッチング液でクロムをエッチングする工程から排出された廃液から、セリウムをエッチング液の調製に用い得る高純度の硝酸セリウムアンモニウムとして回収することができる。

Claims (17)

  1. クロム及びセリウムを含む溶液から、水酸化セリウムを回収する水酸化セリウム回収工程、水酸化セリウム回収工程で得られた水酸化セリウムの沈殿を水洗する洗浄工程、洗浄工程を経た水酸化セリウムに硝酸およびアンモニア源を添加して硝酸セリウムアンモニウムを晶析させる硝酸セリウムアンモニウム晶析工程、および硝酸セリウムアンモニウム晶析工程で生成した硝酸セリウムアンモニウム結晶を回収する硝酸セリウムアンモニウム回収工程の各工程よりなることを特徴とするセリウムを硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法。
  2. 水酸化セリウム回収工程が、クロム及びセリウムを含む溶液からクロムを除去するクロム回収工程、およびクロム回収工程の残余から水酸化セリウムを沈殿させる水酸化セリウム沈殿工程からなる請求項1に記載のセリウムを硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法。
  3. クロム及びセリウムを含む溶液が、6価クロムおよび4価セリウムを含む溶液である請求項1に記載のセリウムを硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法。
  4. クロム回収工程が、6価クロム及び4価セリウムをそれぞれ3価クロム及び3価セリウムに還元する還元工程、および還元工程で得られた溶液にアルカリを添加して3価クロムを沈殿させて除去するクロム除去工程からなる請求項に記載のセリウムを硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法。
  5. 還元工程が、クロムおよびセリウムを含む溶液pH2未満で還元剤を添加する工程である請求項に記載のセリウムを硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法。
  6. 水酸化セリウム沈殿工程が、クロム回収工程で得られた溶液にアルカリと酸化剤とを添加してpH8以上とし、セリウムを4価セリウムの水酸化物として沈殿させる工程である請求項2に記載のセリウムを硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法。
  7. 硝酸セリウムアンモニウム晶析工程が、水酸化セリウムを硝酸に溶解し、得られた溶液にアンモニア源を添加して硝酸セリウムアンモニウムを晶出させる工程である請求項1に記載のセリウムを硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法。
  8. 硝酸セリウムアンモニウム晶析工程において、水酸化セリウムを過剰量の硝酸に溶解する請求項7に記載のセリウムを硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法。
  9. 6価クロム及び4価セリウムを含むpH2未満の溶液に還元剤を添加して、6価クロム及び4価セリウムをそれぞれ3価クロム及び3価セリウムに還元する還元工程、還元工程で得られた溶液にアルカリを添加して3価クロムを沈殿させて除去するクロム除去工程、クロム除去工程で得られた溶液にアルカリと酸化剤とを添加してpH8以上とし、セリウムを4価セリウムの水酸化物として沈殿させる水酸化セリウム沈殿工程、セリウム沈殿工程で得られた沈殿を水洗する洗浄工程、洗浄工程を経た沈殿を硝酸に溶解し、生成した硝酸セリウムの溶液にアンモニア源を添加して硝酸セリウムアンモニウムを濃縮晶出させる硝酸セリウムアンモニウム晶析工程、及び硝酸セリウムアンモニウム晶析工程で生成した硝酸セリウムアンモニウム結晶を回収する硝酸セリウムアンモニウム回収工程の各工程よりなることを特徴とするセリウムを硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法。
  10. 硝酸セリウムアンモニウム晶析工程で晶出した硝酸セリウムアンモニウム結晶を回収した後の母液を、晶析工程で用いる硝酸の少くとも一部として用いる請求項7ないし9いずれかに記載のセリウムを硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法。
  11. 洗浄工程を、沈殿中のアルカリ金属の含有率が乾量基準で2000重量ppm以下となるまで行う請求項1または9に記載のセリウムを硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法。
  12. 硝酸セリウムアンモニウム晶析工程を、アルカリ金属の含有率が350重量ppm以下の溶液から硝酸セリウムアンモニウムを晶出させることにより行う請求項1または9に記載のセリウムを硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法。
  13. 還元工程で用いる還元剤が、過酸化水素である請求項5または9に記載のセリウムを硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法。
  14. 水酸化セリウム沈殿工程で用いる酸化剤が、過酸化水素である請求項6または9に記載のセリウムを硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法。
  15. 硝酸セリウムアンモニウム回収工程で得られた硝酸セリウムアンモニウムを硝酸で洗浄する硝酸洗浄工程を有する請求項1または9に記載のセリウムを硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法。
  16. 硝酸セリウムアンモニウム中のアルカリ金属の含有率が乾量基準で3重量ppm以下となるまで硝酸洗浄する請求項15に記載のセリウムを硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法。
  17. セリウムの回収に供するクロム及びセリウムを含有する溶液が、クロムを含む金属を硝酸セリウムアンモニウムを含む酸性溶液でエッチングする工程から排出された廃液である請求項1または9に記載のセリウムを硝酸セリウムアンモニウムとして回収する方法。
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