JPH0725613A - 塩化第一銅の製造方法 - Google Patents

塩化第一銅の製造方法

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JPH0725613A
JPH0725613A JP19425593A JP19425593A JPH0725613A JP H0725613 A JPH0725613 A JP H0725613A JP 19425593 A JP19425593 A JP 19425593A JP 19425593 A JP19425593 A JP 19425593A JP H0725613 A JPH0725613 A JP H0725613A
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JP
Japan
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chloride
cuprous chloride
concentration
copper
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JP19425593A
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English (en)
Inventor
Nobuo Kanayama
信雄 金山
Masaru Awaya
優 粟屋
Michimasa Suzuki
通正 鈴木
Bunji Hirahara
文治 平原
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Tsurumi Soda Co Ltd
Original Assignee
Tsurumi Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 純度の高い塩化第一銅を効率よくかつ安価に
製造する方法を提供すること。 【構成】 エッチング廃液を濃縮し、溶液中の塩化第二
銅濃度及び塩酸濃度を高めた後、この溶液中に還元剤を
添加し、塩化第二銅を還元してクロロ錯体溶液を得る。
ここで塩化第一銅は水に難溶であるが、塩酸、塩化第二
銅の存在下では錯イオン、複塩を形成しクロロ錯体とし
て溶解するという性質を有し、濃縮により塩酸濃度、塩
化第二銅濃度が高められたエッチング廃液に溶解する。
そしてクロロ錯体溶液から濾過により不純物を除去した
後、溶液を冷却することにより塩化第一銅は折出するの
で、純度の高い塩化第一銅を効率よく製造することがで
きると共に、このように原料としてエッチング廃液を用
いた場合には、製造コストを低くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化第一銅の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来塩化第一銅は化学薬品や電子材料等
に用いる亜酸化銅または酸化銅の製造原料、青色顔料の
フタロシアニンブルーあるいは染料、有機銅化合物、殺
虫剤、有機合成の触媒などとして知られており、その製
造方法としては、硫酸銅の食塩水溶液に亜硫酸ガスを通
して塩化第一銅を沈殿させて得る方法や、塩化第二銅溶
液に塩酸を添加した後、銅と反応させ塩化第一銅を沈殿
させて得る方法等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら上述
の方法は、原料や還元剤が特定されると共に、還元剤と
して用いられる亜硫酸ガスは反応中に有毒なガスが発生
する恐れがあって取扱いや設備に注意を要し、一方同じ
く還元剤として用いられる銅は高価な金属であるためコ
ストに問題があった。
【0004】また塩化第一銅は水に難溶であるため、硫
酸銅や塩化第二銅の還元により生成すると溶液中に沈殿
するが、これを還元剤等から分離して得るには工程が煩
雑になり、さらに純度の高い塩化第一銅を製造するに
は、高価な不純物の少ない原料、すなわち硫酸銅や塩化
第二銅を用いる必要があり、製造コストの上昇を招くと
いう問題があった。
【0005】本発明は、このような事情のもとになされ
たものであり、その目的は、純度の高い塩化第一銅を効
率よくかつ安価に製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、銅濃
度が11重量%以上、塩酸濃度が9重量%以上の塩化第
二銅含有溶液に還元剤を添加して、塩化第二銅を塩化第
一銅に還元し、クロロ錯体溶液を作成する工程と、この
クロロ錯体溶液を濾過して不純物を除去する工程と、前
記クロロ錯体溶液を冷却することにより塩化第一銅を折
出させる工程とを含むことを特徴とする。
【0007】また請求項2の発明は、塩化第二銅含有溶
液は塩化第二銅エッチング廃液を濃縮したものであるこ
とを特徴とする。
【0008】
【作用】塩酸を含む塩化第二銅含有溶液に還元剤を添加
して、溶液中の塩化第二銅と反応させることにより、塩
化第二銅は塩化第一銅に還元されるが、この塩化第一銅
は水に難溶であるが塩酸や塩化第二銅の存在下では、錯
イオンや複塩を形成してクロロ錯体として溶解するとい
う性質を有する。ここで前記塩化第二銅含有溶液中の銅
濃度が11重量%以上、塩酸濃度が9重量%以上であれ
ば、例えば塩化第二銅エッチング廃液を濃縮して得た塩
化第二銅含有溶液を用いることにより、クロロ錯体の溶
解度が大きくなり、より多くの塩化第一銅を溶解するこ
とができる。そして塩化第一銅が溶解した溶液から不純
物等を除去した後、この溶液を冷却することにより、温
度差による溶解度の差によって塩化第一銅を折出させ
る。
【0009】
【実施例】以下本発明について説明する。本発明は、図
1のフローチャートに示すように、塩化第二銅含有溶液
例えば塩化第二銅エッチング液で銅をエッチング処理し
た後のエッチング廃液を濃縮し(エッチング廃液濃
縮)、溶液中の銅濃度及び塩酸濃度を高めた後、この溶
液中に例えば鉄(Fe)あるいは銅(Cu)からなる還
元剤を添加し(還元反応)、溶液中の塩化第二銅(Cu
Cl2 )を還元してクロロ錯体溶液を得、この溶液を冷
却することにより塩化第一銅(CuCl)を折出させる
こと(冷却)を特徴としたものである。
【0010】前記エッチング廃液には未反応の塩化第二
銅や、エッチング生成物である塩化第一銅、塩酸等が含
まれているが、このエッチング廃液を濃縮すると、溶液
中の銅濃度及びエッチング濃度は共に高くなり、例えば
銅濃度10.5%、塩酸濃度8.5%のエッチング廃液
を所定濃度例えば銅濃度12.5%、塩酸濃度9.3%
となるまで濃縮する。
【0011】この後この溶液中に所定量の還元剤を添加
して、溶液中の塩化第二銅と還元剤とを反応させる。こ
の反応により塩化第二銅は、以下の(1)式に示すよう
に塩化第一銅に還元される。このときの還元剤の所定量
は、溶液中の塩化第二銅を塩化第一銅に還元するのに必
要な量である。 2CuCl2 +Fe → 2CuCl+FeCl2 …(1) ここで塩化第一銅は水に難溶であるが、塩酸の存在下で
は以下の(2)、(3)式に示すように錯イオン〔Cu
Cl2 〕- 、〔CuCl3 〕2-を形成し、また塩化第二
銅とはCuCl・CuCl2 という複塩を形成して、溶
液中にクロロ錯体として溶解するという性質を有する。
従って塩酸及び塩化第二銅の存在下では、この還元反応
により生成した塩化第一銅及びエッチング生成物である
塩化第一銅は溶液中に溶解するので、塩化第一銅がクロ
ロ錯体として溶解しているクロロ錯体溶液が得られる。
また上述のようにエッチング廃液を濃縮することによ
り、溶液中の銅濃度及び塩酸濃度が高くなり、クロロ錯
体の溶解度が大きくなる。
【0012】 CuCl・HCl →〔CuCl2 - …(2) CuCl・2HCl→〔CuCl3 2-…(3) なおこのクロロ錯体の安定化を図るためには上述のよう
に溶液中の銅濃度は11%、塩酸濃度は9%程度以上と
することが必要であり、エッチング廃液の濃縮により塩
酸濃度を所定の濃度まで高めることができない場合に
は、塩酸を添加して適切な濃度に調整する。濃縮倍率
(濃縮前のエッチング廃液の重さ)/濃縮後のエッチン
グ廃液の重さ)は、あまり高くしすぎると塩化第一鉄や
塩化第二銅が折出するおそれがあるので、1.5倍以下
とすることが好ましい。
【0013】そしてこのクロロ錯体溶液を濾過し、溶液
中に含まれる不純物を取り除いた後、溶液を例えば20
℃に冷却することにより、温度差による溶解度差を利用
して塩化第一銅を折出させ、濾過により塩化第一銅の結
晶を得る。
【0014】次に本発明の方法により塩化第一銅を製造
した実施例について説明する。 〈実施例1〉(方法) 銅濃度10.45%、塩酸濃度
8.49%のエッチング廃液1500gを80℃で85
0gまで濃縮し、溶液中の銅濃度を12.47%、塩酸
を9.29%とした。この溶液に還元剤として鉄粉を4
5g添加して還元反応させた後、溶液を20℃まで冷却
して塩化第一銅を折出させた。折出した塩化第一銅を濾
過により得た後、得られた塩化第一銅の量と、濾液の組
成を測定した(No.1)。また銅濃度10.43%、
塩酸濃度8.47%のエッチング廃液を用いて、濃縮倍
率を変えて同様の実験をおこなった(No.2)。さら
にブランクテストとして濃縮工程を除いた実験を行っ
た。(No.3) (結果) 実験結果を〈表1〉に示す。なお表中Aはエ
ッチング廃液中に含まれる銅、塩酸の初期濃度、Bは濃
縮後の濃度、Cは濾液の濃度である。
【0015】
【表1】 この実験結果において、塩化第一銅の回収率を比較する
と、エッチング廃液の濃縮倍率を高くするに従い、塩化
第一銅の回収率も高くなることからエッチング廃液を濃
縮することにより、予め溶液中の銅濃度及び塩酸濃度を
高め、塩化第一銅の溶解度を大きくした後、還元反応を
行う本発明の方法は、塩化第一銅の製造方法として有利
な方法であることが確認された。
【0016】なお本発明においては、原料として銅濃度
が11重量%以上、塩酸濃度が9重量%以上の塩化第二
銅含有溶液を用いる場合には、濃縮工程は不要である。
【0017】このように本発明は、水に難溶である塩化
第一銅を塩酸、塩化第二銅の存在下で錯イオン、複塩の
形でクロロ錯体として溶解させ一旦クロロ錯体溶液とし
て、濾過により不純物や未反応の還元剤等を除去した
後、温度差を利用して折出させることにより塩化第一銅
を製造しているので、塩化第一銅と不純物等との分離が
容易であり、純度の高い塩化第一銅を簡単な工程で得る
ことができる。
【0018】またエッチング廃液を予め濃縮し、溶液中
の銅濃度及び塩酸濃度を高めて塩化第一銅の溶解度を大
きくすることにより、還元反応により生成した塩化第一
銅をより多く、溶解させ、効率よく塩化第一銅を回収す
ることができる。さらにエッチング廃液を濃縮すると溶
液量が減少するので、不純物除去のための濾過工程及び
折出した塩化第一銅の結晶を得るための濾過工程又は塩
化第一銅を折出させた後の濾液を利用するにおいて、処
理量を少くすることができ、濾過処理にかかる労力を削
減することができる。ただし本発明では、濾液を希釈し
た後冷却するようにしてもよい。
【0019】さらにまた原料となる塩化第二銅含有溶液
や還元剤に特定されず、安価なエッチング廃液等を利用
することができるため、製造コストを低くすることがで
きる。なお原料としては塩化第二銅エッチング液を用い
て銅をエッチング処理した後のエッチング廃液以外の塩
酸を含む塩化第二銅含有溶液を用いてもよい。
【0020】
【発明の効果】本発明は、所定の銅濃度及び塩酸濃度を
有する塩化第二銅含有溶液に還元剤を添加して、塩化第
二銅を塩化第一銅に還元してクロロ錯体溶液を得、この
溶液から塩化第一銅を析出させることにより塩化第一銅
を製造しているので、純度の高い塩化第一銅を簡単な工
程で効率よく製造することができる。また塩化第二銅含
有溶液として塩化第二銅エッチング廃液を濃縮したもの
を用いることができ、この場合には製造コストを低くす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工程を示すフローチャートである。
フロントページの続き (72)発明者 平原 文治 神奈川県横浜市鶴見区末広町1−7 鶴見 曹達株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅濃度が11重量%以上、塩酸濃度が9
    重量%以上の塩化第二銅含有溶液に還元剤を添加して、
    塩化第二銅を塩化第一銅に還元し、クロロ錯体溶液を作
    成する工程と、 このクロロ錯体溶液を濾過して不純物を除去する工程
    と、 前記クロロ錯体溶液を冷却することにより塩化第一銅を
    折出させる工程と、 を含むことを特徴とする塩化第一銅の製造方法。
  2. 【請求項2】 塩化第二銅含有溶液は塩化第二銅エッチ
    ング廃液を濃縮したものであることを特徴とする請求項
    1記載の塩化第一銅の製造方法。
JP19425593A 1993-07-08 1993-07-08 塩化第一銅の製造方法 Pending JPH0725613A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100380031B1 (ko) * 2000-04-08 2003-04-14 서안켐텍 주식회사 염화동 폐액으로부터 염화제1동의 제조방법
KR100380035B1 (ko) * 2000-05-10 2003-04-14 서안켐텍 주식회사 메틸아세테이트를 이용한 염화제1동의 제조방법
KR100386380B1 (ko) * 2000-08-01 2003-06-02 서안켐텍 주식회사 산화제1동의 제조방법
KR100390589B1 (ko) * 2000-09-14 2003-07-07 서안켐텍 주식회사 염화동 폐액으로부터 염화제1동의 제조방법
CN1307107C (zh) * 2005-04-21 2007-03-28 吴江市阮氏化工有限公司 用废氯化铜蚀板液生产氯化亚铜的方法
KR101030080B1 (ko) * 2009-02-03 2011-04-19 (주)에이치에스켐텍 동폐액으로부터 염화제일동을 제조하는 방법 및 그 시스템

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