JP3786157B2 - 接着性の改良されたポリイミドフィルム、その製法および積層体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとをそれぞれ主成分とするポリイミドフィルムの有する機械的性質、熱的性質及び電気・電子的性質を殆ど損なうことなく、フィルム表面の接着性を改良したポリイミドフィルム、その製法およびそれを用いた積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリイミド成形体、例えば芳香族ポリイミドフィルムは、熱的性質及び電気的性質が優れているため、カメラ、パソコン、液晶ディスプレイなどの電子機器類への用途に広く使用されている。
【0003】
しかし、芳香族ポリイミドフィルムの中には、通常使用される接着剤では大きな接着強度が得られないとか、スパッタリングや金属蒸着して銅などの金属層を設けようとしても剥離強度の大きい積層体が得られないという問題がある。
このため、特開昭59−86634号、特開平2−134241号各公報に記載のように、プラズマ放電処理によるポリイミドフィルムの表面改質法が提案されている。
【0004】
しかし、この方法によって得られる改質ポリイミドフィルムは、芳香族ポリイミドフィルムの熱的性質及び電気・電子的性質は低下しないものの、接着性の改良が不十分でありまた複雑な後処理工程を必要とし生産性が低いため、使用できない接着剤があったり、低コスト化、高生産性や高精度化のニ−ズに対応できにくくなっている。
【0005】
さらに、特公平7−68391号公報に記載のように、ポリイミドフィルムの表面を湿式法(塩基の水溶液で処理後、酸の水溶液で処理)によってポリアミド酸に変換し、このようにして生成したポリアミド酸を低温(150−250℃)でイミド化して非晶質ポリイミド層を形成し、他の基材を積層した後400℃以上に高温加熱処理して非晶質ポリイミドを結晶性ポリイミドに再結晶させる方法が提案されている。
【0006】
しかし、この方法は上記公報に具体的に開示されているピロメリット酸二無水物と1,4−ジアミノジフェニルエ−テルとのポリイミド(PMDA−ODA)については適用可能としても、他のポリイミドについて適用可能か不明である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、芳香族ポリイミドフィルムの特性を保持したまま、接着性、スパッタリング性や金属蒸着性の良好なポリイミドフィルム、その製法およびその積層体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、この発明は、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとをそれぞれ主成分とするポリアミック酸の有機極性溶媒溶液に、ポリアミック酸のアミド単位に対して0.01−2倍当量のイミド化触媒を含有させたド−プを支持体に流延・乾燥した自己支持性フィルムの片面または両面に、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4'−ジアミノジフェニルエ−テルとから得られるポリアミック酸を含む有機極性溶媒溶液を塗布または噴霧した後、加熱処理を完了してなる透明性が良好で接着性の改良されたポリイミドフィルムに関する。
【0009】
また、この発明は、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとをそれぞれ主成分とするポリアミック酸の有機極性溶媒溶液に、ポリアミック酸のアミド単位に対して0.01−2倍当量のイミド化触媒を含有させたド−プを支持体に流延・乾燥した自己支持性フィルムの片面または両面に、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4'−ジアミノジフェニルエ−テルとから得られるポリアミック酸を含む有機極性溶媒溶液を塗布または噴霧した後、加熱処理を完了する透明性が良好で接着性の改良されたポリイミドフィルムの製法に関する。
【0010】
また、この発明は、上記の接着性の改良されたポリイミドフィルムの片面または両面の接着性改良面に、耐熱性接着剤を介して金属箔を積層してなる積層体、また、上記の接着性の改良されたポリイミドフィルムの片面または両面の接着性改良面に、蒸着法またはスパッタリング法などによって金属薄層を設け、次いで金属をメッキして金属層を設けた積層体に関する。
【0011】
この発明のベ−スのポリイミドは3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとをそれぞれ主成分とする。
前記の2成分以外に、共重合あるいはブレンド系のポリイミドとして、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物以外の他の芳香族テトラカルボン酸二無水物、例えばピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を、p−フェニレンジアミン以外の他の芳香族ジアミン、例えば4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルを使用した3成分系あるいは4成分系のポリイミドも使用できる。
【0012】
前記のベ−スのポリイミドの合成は、有機溶媒中で前記の芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの略等モルをランダム重合、ブロック重合、あるいは予めどちらかの成分が過剰である2種類以上のポリアミック酸を合成しておき各ポリアミック酸溶液を一緒にした後反応条件下で混合する、いずれの方法によっても達成される。
【0013】
この発明における表面改質用ポリイミドは、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルとをそれぞれ主成分とする。
前記の2成分以外に、共重合あるいはブレンド系(ポリアミック酸の状態でブレンドする)のポリイミドとして、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物以外の他の芳香族テトラカルボン酸二無水物、例えばピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル以外の多の芳香族ジアミン、例えばp−フェニレンジアミン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパンなどとを使用した3成分系あるいは4成分系のポリイミドも使用できる。
これらの芳香族ジアミンの一部をジアミノ(ポリ)シロキサンで置き換えてもよい。
【0014】
この発明の表面改質用ポリイミドとしては、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の割合が50モル%以上である芳香族テトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルが50モル%以上である芳香族ジアミンとから製造されるポリイミドが好適である。
前記の表面改質用のポリイミドは、その分子アミン末端がジカルボン酸無水物、例えば無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸などで封止したものであってもよい。
【0015】
この発明の接着性の改良されたポリイミドフィルムである多層ポリイミドフィルムは、ベ−スのポリイミドフィルムに表面改質用ポリイミドを積層するに際して、ベ−スのポリイミドフィルムの前駆体となる自己支持性成形体の少なくとも一部に、表面改質用ポリイミドを与えるポリアミック酸の有機溶媒溶液からなる塗布液を薄く塗布した後、加熱処理を完了することによって好適に製造される。
【0016】
前記の方法において、ベ−ス用ポリイミドフィルムとなる自己支持性フィルムは、好適には前記のベ−ス用ポリイミドを与えるポリアミック酸の有機溶媒溶液にイミド化触媒を加えた後、支持体(例えばガラス板、ステンレス基板、ステンレスベルトなど)上に流延塗布し、自己支持性となる程度(通常のキュア工程前の段階を意味する)、例えば100−180℃で5−60分間程度加熱して製造される。
前記ベ−ス用ポリイミド用のポリアミック酸溶液としては、ポリマ−濃度が8−25重量%程度であるものが好ましい。このポリアミック酸溶液には、有機りん化合物や必要量の無機微粒子充填材を加えてもよい。
【0017】
前記のイミド化触媒としては、置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物、該含窒素複素環化合物のN−オキシド化合物、置換もしくは非置換のアミノ酸化合物、ヒドロキシル基を有する芳香族炭化水素化合物または芳香族複素環状化合物が挙げられ、特に1,2−ジメチルイミダゾ−ル、N−メチルイミダゾ−ル、N−ベンジル−2−メチルイミダゾ−ル、2−メチルイミダゾ−ル、2−エチル−4−イミダゾ−ル、5−メチルベンズイミダゾ−ルなどの低級アルキルイミダゾ−ル、N−ベンジル−2−メチルイミダゾ−ルなどのベンズイミダゾ−ル、イソキノリン、3,5−ジメチルピリジン、3,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、4−n−プロピルピリジンなどの置換ピリジンなどを好適に使用することができる。
このイミド化触媒の使用量は、ポリアミド酸のアミド酸単位に対して0.01−2倍当量、特に0.02−1倍当量程度であることが好ましい。
このイミド化触媒を使用することによって、得られるポリイミドフィルムの物性、特に伸びや端裂抵抗が改良されるので好ましい。
【0018】
前記の方法において、ベ−ス用ポリイミドフィルムの前駆体となる自己支持性成形体の段階で表面改質用ポリイミドを与える塗布液(噴霧液を含む)、好適には表面改質用ポリイミドのポリアミック酸溶液を薄く、好適には乾燥膜で換算して0.1−1.0μm程度の厚さに塗布した後、熱処理して乾燥およびイミド化することが必要である。
一旦加熱処理して得られるポリイミドフィルム(ベ−スのポリイミド組成)に表面改質用ポリイミド用の塗布液を塗布または噴霧しても、加熱処理したフィルムはベ−ス用ポリイミドフィルムと表面改質用ポリイミド層とが一体化せず、目的を達成することができない。
一旦加熱処理した場合には、アルカル溶液などよって一旦フィルム表面を加水分解(必要であれば更に、酸処理)して、表面をアミック酸状態にしたのち、表面改質用ポリイミドを与える塗布液(噴霧液を含む)、好適には表面改質用ポリイミドのポリアミック酸溶液を薄く塗布した後、熱処理して乾燥およびイミド化することも可能である。
【0019】
この発明において、表面改質用ポリイミドとして前記の2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルとを主成分とするポリイミドを使用することが必要であり、これによってイミド化触媒を使用する際に生じやすい表面での白化が実質的になく、接着性の良好な多層ポリイミドフィルムを得ることができるのである。
【0020】
前記の表面改質用ポリイミド前駆体(またはポリイミド)を含む塗布液または噴霧液は、有機溶媒溶液のポリマ−濃度が0.1−10重量%程度であることが好ましい。また、塗布液にはそれ自体公知の添加剤、例えば必要量の無機微粒子充填材を加えてもよい。この添加剤の種類と量とは、用途に応じて適宜選択すればよい。
前記の塗布液を薄く、好適には非晶性ポリイミド層の厚みが0.1−1μm、特に0.2−1μm程度となるように、浸漬塗布やスクリ−ン印刷、カ−テンロ−ル、リバ−スロ−ル、グラビアコ−タ−、スプレ−等によって薄く塗布または噴霧した後、熱処理して乾燥およびイミド化する。
【0021】
前記のベ−ス用ポリイミドの前駆体製造用および表面改質用ポリイミドの前駆体製造用の有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ベ−ス用ポリイミド前駆体製造用の有機溶媒と表面改質用ポリイミド製造用の有機溶媒とは各々異なっていても同一でもよい。
【0022】
前記の方法において、前記の熱処理は結晶性ポリイミドのガラス転移温度以上の温度で500℃以下の温度、特に350−500℃の最高温度まで加熱して熱処理することが好ましい。
特に100−250℃で1−30分程度、次いで400−500℃で0.5−30分程度、多段加熱することが好ましい。
【0023】
前記の方法によれば、ベ−ス用ポリイミド層と表面改質用ポリイミド薄層とが一体化した多層ポリイミドフィルムを得ることができるのである。
この発明の接着性の改良されたポリイミドフィルムは、ベ−ス用ポリイミドの特性を損なうことがほとんどなく接着性が大幅に改善されている。
特に、ベ−ス用ポリイミド層の厚みが10−100mで、表面改質ポリイミド層の厚みが0.1−1μmである場合、多層ポリイミドフィルムは、引張強度が30−100kg/mm2 、弾性率が600−1200kg/mm2 、伸びが30−100%、吸水率(23℃、水中浸漬24時間後)が1.5%以下、熱膨張係数(23−300℃、TD、MDとも)が0.5−2.5×10-5cm/cm/℃である。
【0024】
このため、この発明の接着性の改良されたポリイミドフィルムは、ラミネ−ト法金属張り板やスパッタ法金属張り板等のベ−スフィルム用、あるいは金属蒸着フィルムのベ−スフィルム用に好適に使用することができる。
前記の金属箔積層体を製造する方法としては、公知の方法、例えば「プリント回路技術便覧」(日刊工業新聞社、1993年)等に記載の方法が好適に適用される。
【0025】
【実施例】
以下、この発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明する。
【0026】
実施例1
実施例1
(多層ポリイミドフィルムの作製)結晶性ポリイミド用の原料ド−プ〔3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/p−フェニレンジアミン、18重量%のポリアミック酸濃度、有機溶媒:ジメチルアセトアミド の条件で得た溶液に、ポリアミック酸に対して0.05倍当量の1,2−ジメチルイミダゾ−ルを添加して調製〕をステンレス基板上に流延塗布し、135℃で12分間乾燥した後、ステンレス基板より剥離して、溶媒含有率が約32重量%の自己支持性フィルムを得た。このフィルムに、別途調製した表面改質ポリイミド用のポリアミック酸溶液〔2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3重量%のポリアミック酸濃度、有機溶媒:ジメチルアセトアミド の条件で調製〕を薄く塗布し、200℃で2分間、250℃で2分間、450℃で2分間熱処理し、表面に薄く表面改質ポリイミド層(約0.35μm)が被って(積層して)なる2層ポリイミドフィルム(全体の厚みは25μm)を作成した。この2層ポリイミドフィルムは表面が均一であり、透明性も良好であった。しかも、この2層ポリイミドフィルムは、ベ−スのポリイミドフィルムの特長である低線膨張係数、高弾性率、高強度を保持したままで表面接着性が次に示すように改良されている。
【0027】
(接着剤を用いた銅箔ラミネ−トフィルムの作製)
電解銅箔(三井金属鉱業株式会社製、3EC−III、Rz=7μm)に東レ株式会社製エポキシ系接着剤(TE−5701)を乾燥後の厚みが7μmとなるように塗布し、130℃で10分間乾燥後、2層フィルムの改質面と重ね合わせ、1Kg/cm2 の圧力で180℃にて5分間圧着した。その後180℃の熱風オ−ブン中で60分間熱処理して銅箔ラミネ−トフィルムを得た。
このピ−ル強度(T剥離、25℃)を測定したところ、1.5kgf/cmであった。
【0028】
(スパッタ法による銅張りフィルムの作製)
2層フィルムの表面改質ポリイミド層面に銅を常法によりスパッタ法により1μmの厚みに設けて、スパッタ法による銅張りフィルムを作製した。
このスパッタ法による銅張りフィルムの水煮沸1時間後のクロスカット剥離評価は、100/100であり剥離は全く認められなかった。
【0029】
比較例1
市販のポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製、ユ−ピレックス25S:厚み25μm)を用い、前記と同じ条件で接着剤を用いた銅箔ラミネ−トフィルムを作製した。
この銅箔ラミネ−トフィルムのピ−ル強度(T剥離、25℃)を測定したところ、0.6kgf/cmであった。
【0030】
また、上記の市販のポリイミドフィルム(厚み25μm)を用い、実施例1と同じ条件でスパッタ法による銅張りフィルムを作製した。
このスパッタ法による銅張りフィルムの水煮沸1時間後のクロスカット剥離評価は、0/100であり全面にわたって銅が剥離した。
【0031】
実施例2−5
(2層または3層ポリイミドフィルムの作製)
表面改質非晶性ポリイミド用のポリアミック酸溶液の塗布厚みを変えた(実施例2−5)か、両面に塗布した(実施例6)他は実施例1と同様に実施して、表面改質ポリイミド層の厚みが0.2μm(実施例2)、0.4μm(実施例3)、0.55μm(実施例4)、各0.3μm(両面)(実施例5)で、表面が均一で透明性も良好な2−3層ポリイミドフィルムを得た。
この2−3層ポリイミドフィルムは、ベ−スのポリイミドフィルムの特長である低線膨張係数、高弾性率、高強度を保持したままで表面接着性が次に示すように改良されている。
【0032】
この2−3層ポリイミドフィルムを使用した他は実施例1と同様にして、接着剤を用いた電解銅箔ラミネ−トフィルム、およびスパッタ法による銅張りフィルムを作製し、良好な結果を得た。
この接着剤を用いた電解銅箔ラミネ−トフィルムのピ−ル強度(T剥離、25℃)は、いずれも2.0−2.3kgf/cmであり、スパッタ法による銅張りフィルムの水煮沸1時間後のクロスカット剥離評価は100/100であり剥離は全く認められなかった。
【0033】
比較例2
表面改質ポリイミド用のポリアミック酸溶液として、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンの3重量%ポリアミック酸溶液を使用した他は実施例1と同様にして、表面が不均一で透明性が良くない2層ポリイミドフィルムが得られた。
【0034】
【発明の効果】
すなわち、この発明の接着性の改良されたポリイミドフィルムは、芳香族ポリイミドフィルムの特性を保持したままで、接着性、スパッタリング性や金属蒸着性が良好である。
【0035】
また、この発明の方法によれば、簡単な操作でしかもベ−スの芳香族ポリイミドフィルムの特性を保持したまま、接着性、スパッタリング性や金属蒸着性が良好なポリイミドフィルムを得ることができる。
【0036】
また、この発明の積層体は、ベ−スのポリイミドフィルムと金属層とが大きな接着強度で積層されている。
Claims (6)
- 3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとをそれぞれ主成分とするポリアミック酸の有機極性溶媒溶液に、ポリアミック酸のアミド単位に対して0.01−2倍当量のイミド化触媒を含有させたド−プを支持体に流延・乾燥した自己支持性フィルムの片面または両面に、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4'−ジアミノジフェニルエ−テルとから得られるポリアミック酸を含む有機極性溶媒溶液を塗布または噴霧した後、加熱処理を完了してなる透明性が良好で接着性の改良されたポリイミドフィルム。
- 2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4'−ジアミノジフェニルエ−テルとから得られるポリイミドの層の厚さが0.1−1.0μmである請求項1に記載の接着性の改良されたポリイミドフィルム。
- 3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとをそれぞれ主成分とするポリアミック酸の有機極性溶媒溶液に、ポリアミック酸のアミド単位に対して0.01−2倍当量のイミド化触媒を含有させたド−プを支持体に流延・乾燥した自己支持性フィルムの片面または両面に、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4'−ジアミノジフェニルエ−テルとから得られるポリアミック酸を含む有機極性溶媒溶液を塗布または噴霧した後、加熱処理を完了する透明性が良好で接着性の改良されたポリイミドフィルムの製法。
- 請求項1に記載の接着性の改良されたポリイミドフィルムの片面または両面の接着性改良面に、耐熱性接着剤を介して金属箔を積層してなる積層体。
- 耐熱性接着剤が熱可塑性ポリイミド接着剤である請求項4に記載の多層基板積層体。
- 請求項1に記載の接着性の改良されたポリイミドフィルムの片面または両面の接着性改良面に、蒸着法またはスパッタリング法などによって金属薄層を設け、次いで金属をメッキして金属層を設けた積層体。
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1998
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