JP3784371B2 - シリサイド存在比率の測定方法、熱処理温度の測定方法、半導体装置の製造方法およびx線受光素子 - Google Patents

シリサイド存在比率の測定方法、熱処理温度の測定方法、半導体装置の製造方法およびx線受光素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリサイド存在比率の測定方法、熱処理温度の測定方法、半導体装置の製造方法およびX線受光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の小型化が進み、そのためLSIのパターンが微細になってきている。また、このようにパターンが微細化されたLSIを高速で作動させる技術も求められている。ここで、LSIの遅延は、主に抵抗成分と容量成分の積で規定される。すなわち、抵抗は低いほど、また容量は小さいほどLSIの動作速度が向上する。このために前記のゲート電極の低抵抗化とソース・ドレイン領域の低抵抗化は、LSIの高速化のための必須の技術となる。
【0003】
抵抗を低くするため、最近では、従来のポリシリコン電極よりも抵抗値が低いシリサイド(金属とシリコンの化合物、例えば、タングステンシリサイド)が、ゲート電極に利用されている。さらに、サリサイド(Salicide;Self-align Silicide)と呼ばれる自己整合を利用したシリサイドも、金属にチタン、コバルト、ニッケルなどを用いて精力的に検討されている。中でもチタンやコバルトを用いたサリサイドは、ゲート電極およびソース・ドレイン領域の抵抗を下げるために既に実用化されている。
【0004】
前記シリサイドは、シリコンと金属との反応により形成されるが、金属種が一つであっても、シリコンと金属との化合比が異なる複数種類のシリサイドが存在する。コバルト、チタンおよびニッケルのシリサイド反応は、金属をXであらわすと、
2X + Si → X2Si
X + Si 又は X2Si + Si → XSi
X + 2Si 又は X2Si + 3Si 又は XSi + Si → XSi2という反応であり、これらの反応により3種類のシリサイドが主として形成される。ここで示した最初の2つの反応は、比較的低温領域で起こり、コバルトとチタンのシリサイドでは、これらの反応により生成した2種類のシリサイドの比抵抗が、最後の反応により生成した3番目のシリサイドの比抵抗に比べて大きい。従って、最終的には3番目の反応を生じさせて低抵抗のシリサイドを形成する。一方、ニッケルのシリサイドでは、最初の二つの反応によって生じたシリサイドがほぼ同じ比抵抗であり、最後の反応により生成した3番目のシリサイドの比抵抗がこれらの比抵抗よりも大きいので、最初の二つの反応で終了させる。なお、白金は最初の二つの反応で反応が終了する。
【0005】
このようなシリサイドを形成する一つの例として、MOSトランジスタの製造工程の中で、ゲート、ソース、ドレインの表層にコバルトシリサイドを形成する工程について説明する。
【0006】
まず、図10(a)に示すように、シリコン基板401のうちトレンチ酸化膜402によって分離された領域の表面に、熱酸化によって3nm程度のゲート酸化膜(図示せず)を形成する。続いて、その上にCVD法により150nm程度の膜厚のポリシリコン層403を形成する。
【0007】
それから、図10(b)に示すように、ポリシリコン層403内にホウ素、インジウム、リン、砒素およびアンチモンのうち1種類以上を不純物としてイオン注入してドープ層とした後に、このドープ層をパターニングしてゲート電極405を形成する。この後に、ゲート電極405とトレンチ酸化膜402との間の領域に不純物をイオン注入して、浅い不純物注入層であるLDD層406を形成する。
【0008】
その後に、CVD法により100nm程度の厚さのシリコン酸化膜を形成し、ゲート電極405が露出するまでこのシリコン酸化膜の異方性エッチングを行い、図10(c)に示すようにシリコン酸化膜の一部をサイドウォール407として残す。さらに、サイドウォール407とトレンチ酸化膜402との間の領域に不純物をイオン注入して、深い不純物注入層を形成した後に、加熱処理を行って活性化する。これにより、ゲート電極405に隣接している領域のシリコン基板401上に、LDD構造のソース層409とドレイン層410とが形成される。
【0009】
次に、バッファードフッ酸によりゲート電極405、ソース層409およびドレイン層410それぞれの表面のシリコン酸化膜(自然酸化膜、図示せず)を除去した後に、それらの上に10nm程度のコバルト膜を形成する。さらに、図10(d)に示すように、その上にコバルトの酸化を抑制するための20nm程度の窒化チタン膜412を形成し、550℃、30秒の一次RTA(rapid thermal annealing) 処理を行い、コバルトをシリコンと反応させてコバルトシリサイド層413を形成する。このとき形成されるコバルトシリサイドは、主としてCo2Si、CoSiである。
【0010】
続いて、図10(e)に示すように窒化チタン膜412と未反応のコバルトとを除去する。そして850℃30秒の二次RTA処理を行い、これによりゲート電極405、ソース層409及びドレイン層410の表面に形成されているコバルトシリサイド層413をさらに低抵抗化して、目的のシリサイドとする。つまり、反応を進めてコバルトシリサイドを主としてCoSi2にするのである。
【0011】
前記例では、コバルトシリサイド層413の形成方法に関して述べたが、チタンの場合も、RTAでの熱処理温度領域は異なるが、ほぼ同じ手順でシリサイドを形成することができる。
【0012】
また、ニッケルシリサイドの形成の場合には、Ni2SiとNiSiとでは比抵抗値が極端には差がないことや、600℃以上の熱処理によってNiSi2になってしまうと比抵抗が大きくなることから、通常、RTAは400〜500℃程度の温度範囲で行なう。
【0013】
前記のコバルトの例では、550℃、30秒の一次RTAが主としてCo2SiとCoSiを生成させるための工程であり、850℃、30秒の二次RTAが最終的にCoSi2の低抵抗相を生成させるための工程である。
【0014】
なお、シリサイド測定に関連する技術として後述する非特許文献1に記載されている技術がある。
【0015】
【非特許文献1】
Journal of Vacuum Society, Technology B, vol.17, p2284(1999)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
このような工程によって種々の金属のシリサイドを形成することができる。これまでは、LSIのパターン幅が狭くなるに連れ、より抵抗を小さくするため、シリサイドの金属種をタングステンからチタン、コバルトに変更してきた。けれども、パターン幅が0.1μm以下になってくるとシリサイドのマイグレーション等による断線の問題や所望とする低抵抗が得られないという問題が生じる。これに対処するために、金属種を変更したり、別の物質を添加したりすることが検討されているが、実用化には至っていない。
【0017】
別の対処方法としては、一次RTAと二次RTAの条件を調整して、最終的に形成されるシリサイドを低抵抗かつマイグレーション耐性が高い最適な状態にする方法が考えられる。この最適状態のシリサイドを得るためには、一次RTA終了後の化合比の異なる複数種類のシリサイドの存在比を知ることと、その存在比に合わせた二次RTAの条件を設定することが必要となる。さらに、一次RTA終了後の化合比の異なる複数種類のシリサイドの存在比が適正な範囲内にないと、二次RTAの条件設定が非常に困難になるため、この存在比を適正な範囲内にするように一次RTAの条件を制御することも大切である。一次RTAの条件の中でも熱処理温度、即ち一次RTAにおいてシリコン基板が到達する温度は、±5℃のばらつき範囲内で管理を行わなければ、最終的に所望の抵抗値を有するシリサイドを十分に得ることができないので、この温度管理は厳格に行うことが重要である。
【0018】
前記の二つの重要ポイントを換言すると、一次RTA終了後のX2Si,XSi,XSi2の3つの存在比を測定することと、一次RTAの温度を制御することである。前者に関しては、これまでは、シート抵抗測定などにより存在比の推定が行われている。新しい測定方法として光学的な手法である分光エリプソメトリ法を用いた測定も検討されている(例えば、非特許文献1)。また、後者に関しては、シリコン酸化膜厚の変化測定、イオン注入後のシート抵抗の変化測定や熱電対による直接測定などで温度を測定することが考えられ検討されている。
【0019】
前者の測定手法であるシート抵抗測定では、X2Si,XSi,XSi2がそれぞれ比抵抗値を独立に持つことを利用して、それぞれのシリサイドの存在比を推定することができる。また、蛍光X線測定によるコバルト等の金属の蛍光X線ピーク強度の測定によって金属の総量の測定を行うこともできる。
【0020】
後者の測定手法であるシリコン酸化膜厚の変化測定では、シリコン酸化膜の厚みが熱処理により増加することを利用して熱処理温度を知ることができる。また、イオン注入後のシート抵抗の変化測定では、イオン注入されたシリコン基板を熱処理するとイオンが活性化してシート抵抗が変化するので、そのことを利用して熱処理温度を知ることができる。
【0021】
しかしながら、シート抵抗を測定する場合、存在比を直接測定することができず、また、比抵抗値は、シリサイドの結晶性等で変動する値であるため、それぞれのシリサイドの存在比を精度良く計算することは非常に困難である。また、シート抵抗の測定は4探針プローブを用いるので、シリコン基板などでは測定が容易にできるが、工程内においてインライン測定を行おうとしても、パターンの作りこんであるデバイス上で測定することは困難である。また、分光エリプソメトリ法は、理論的にはそれぞれのシリサイドの存在比を測定することは可能であるが、まだ実用化には至っていない。
【0022】
また、一次RTAの温度は、500℃前後と比較的低温であるため、一次RTAを行ってもシリコン酸化膜厚の変化やイオン注入後のシート抵抗の変化は非常に小さい。従って、シリコン酸化膜厚の変化やシート抵抗の変化では一次RTAの温度を正確に測定することは非常に困難である。また、熱電対は、熱処理装置内の特定箇所の温度を測定するので、シリコン基板の温度は正確には測定できない。熱処理装置を新たに使用し始めるときなどに、シリコン基板に熱電対を貼り付けて熱処理温度を測定することもあるが、通常の生産時にはこの手法を用いることはできない。従って、生産時における一次RTAの熱処理温度を正確に測定する方法は今まではなかった。
【0023】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、化合比の異なる複数種類のシリサイドの存在比率を簡単かつ精度良く測定できる測定方法を提供することを目的とする。また、他の目的は、一次RTAの熱処理温度を簡単にかつ精度良く測定できる測定方法、これら測定方法を用いた半導体装置の製造方法およびこれらの方法に適したX線受光素子を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1のシリサイド存在比率の測定方法は、少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面に形成されたシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜と、当該シリコン酸化膜又は当該シリコン窒化膜の上に形成されたポリシリコン層又はアモルファスシリコン層と、当該ポリシリコン層又は当該アモルファスシリコン層の上に形成され、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層と、を有する測定用基板を用意するステップと、前記測定用基板にX線を照射するステップと、前記X線の照射によって前記シリコン酸化膜中の酸素又は前記シリコン窒化膜中の窒素から放射される硬X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度と、をそれぞれ測定するステップと、二つの前記硬X線の強度から前記シリサイド層中の前記複数種類のシリサイドの存在比を換算するステップと、を含む。
【0025】
本発明の第2のシリサイド存在比率の測定方法は、少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面にドーパントを注入して形成されたドープ層と、当該ドープ層の上に形成され、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層と、を有する測定用基板を用意するステップと、前記測定用基板にX線を照射するステップと、前記X線の照射によって前記ドープ層中のドーパントから放射される硬X線又は超軟X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度と、をそれぞれ測定するステップと、二つの前記硬X線の強度、又は前記超軟X線の強度と前記金属から放射される硬X線の強度と、から前記シリサイド層中の前記複数種類のシリサイドの存在比を換算するステップと、を含む。
【0026】
本発明の第3のシリサイド存在比率の測定方法は、少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面に形成されたシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜と、当該シリコン酸化膜又は当該シリコン窒化膜の上に形成されたポリシリコン層又はアモルファスシリコン層に、ドーパントを注入して形成されたドープ層と、当該ドープ層の表面に形成され、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層と、を有する測定用基板を用意するステップと、前記測定用基板にX線を照射するステップと、前記X線の照射によって前記シリコン酸化膜中の酸素又は前記シリコン窒化膜中の窒素から放射される硬X線の強度と、前記X線の照射によって前記ドープ層中のドーパントから放射される硬X線又は超軟X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度と、をそれぞれ測定するステップと、三つの前記硬X線の強度、又は前記酸素若しくは前記窒素から放射される硬X線の強度と前記超軟X線の強度と前記金属から放射される硬X線の強度と、から前記シリサイド層中の前記複数種類のシリサイドの存在比を換算するステップと、を含む。
【0027】
本発明の第1の熱処理温度の測定方法は、少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面に形成されたシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜と、当該シリコン酸化膜又は当該シリコン窒化膜の上に形成されたポリシリコン層又はアモルファスシリコン層と、当該ポリシリコン層又は当該アモルファスシリコン層の上に形成された金属層と、を有する測定用基板を用意するステップと、前記測定用基板を所定の温度で熱処理して、前記ポリシリコン層又は前記アモルファスシリコン層の少なくとも一部と、前記金属層の少なくとも一部とから、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層を形成するステップと、前記シリサイド層を形成するステップの後に、前記測定用基板にX線を照射するステップと、前記X線の照射によって前記シリコン酸化膜中の酸素又は前記シリコン窒化膜中の窒素から放射される硬X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度と、をそれぞれ測定するステップと、二つの前記硬X線の強度から前記所定の温度を換算するステップと、を含む。
【0028】
本発明の第2の熱処理温度の測定方法は、少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面にドーパントを注入して形成されたドープ層と、当該ドープ層の上に形成された金属層と、を有する測定用基板を用意するステップと、前記測定用基板を所定の温度で熱処理して、前記ドープ層の少なくとも一部と、前記金属層の少なくとも一部とから、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層を形成するステップと、前記シリサイド層を形成するステップの後に、前記測定用基板にX線を照射するステップと、前記X線の照射によって前記ドープ層中のドーパントから放射される硬X線又は超軟X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度と、をそれぞれ測定するステップと、二つの前記硬X線の強度、又は前記超軟X線の強度と前記金属から放射される硬X線の強度と、から前記所定の温度を換算するステップと、を含む。
【0029】
本発明の第3の熱処理温度の測定方法は、少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面に形成されたシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜と、当該シリコン酸化膜又は当該シリコン窒化膜の上に形成されたポリシリコン層又はアモルファスシリコン層に、ドーパントを注入して形成されたドープ層と、当該ドープ層の表面に形成された金属層と、を有する測定用基板を用意するステップと、前記測定用基板を所定の温度で熱処理して、前記ドープ層の少なくとも一部と、前記金属層の少なくとも一部とから、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層を形成するステップと、前記シリサイド層を形成するステップの後に、前記測定用基板にX線を照射するステップと、前記X線の照射によって前記シリコン酸化膜中の酸素又は前記シリコン窒化膜中の窒素から放射される硬X線の強度と、前記X線の照射によって前記ドープ層中のドーパントから放射される硬X線又は超軟X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度と、をそれぞれ測定するステップと、三つの前記硬X線の強度、又は前記酸素若しくは前記窒素から放射される硬X線の強度と前記超軟X線の強度と前記金属から放射される硬X線の強度と、から前記所定の温度を換算するステップと、を含む。
【0030】
本発明の第1の半導体装置の製造方法は、少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面にシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜を形成する工程と、前記シリコン酸化膜又は前記シリコン窒化膜の上にポリシリコン層又はアモルファスシリコン層を形成する工程と、前記ポリシリコン層又は前記アモルファスシリコン層の上に金属層を形成する工程と、前記ポリシリコン層又は前記アモルファスシリコン層と前記金属層とを所定の第1の温度で熱処理して、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層を形成する工程と、前記シリサイド層を形成する工程の後に、前記基板にX線を照射する工程と、前記X線の照射によって前記シリコン酸化膜中の酸素又は前記シリコン窒化膜中の窒素から放射される硬X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度とをそれぞれ測定し、二つの当該硬X線の強度から前記シリサイド層中の前記複数種類のシリサイドの存在比を換算する工程と、前記複数種のシリサイドの存在比より換算した第2の温度で前記シリサイド層を熱処理する工程と、を含む。
【0031】
本発明の第2の半導体装置の製造方法は、少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面にドーパントを注入してドープ層を形成する工程と、前記ドープ層の上に金属層を形成する工程と、前記ドープ層と前記金属層とを所定の第1の温度で熱処理して、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層を形成する工程と、前記シリサイド層を形成する工程の後に、前記基板にX線を照射する工程と、前記X線の照射によって前記ドープ層中のドーパントから放射される硬X線又は超軟X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度とをそれぞれ測定し、二つの当該硬X線の強度、又は前記超軟X線の強度と前記金属から放射される硬X線の強度と、から前記シリサイド層中の前記複数種類のシリサイドの存在比を換算する工程と、前記複数種のシリサイドの存在比より換算した第2の温度で前記シリサイド層を熱処理する工程と、を含む。
【0032】
本発明の第3の半導体装置の製造方法は、少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面にシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜を形成する工程と、前記シリコン酸化膜又は前記シリコン窒化膜の上にポリシリコン層又はアモルファスシリコン層を形成する工程と、前記ポリシリコン層又は前記アモルファスシリコン層にドーパントを注入してドープ層を形成する工程と、前記ドープ層の上に金属層を形成する工程と、前記ドープ層と前記金属層とを所定の第1の温度で熱処理して、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層を形成する工程と、前記シリサイド層を形成する工程の後に、前記基板にX線を照射する工程と、前記X線の照射によって前記シリコン酸化膜中の酸素又は前記シリコン窒化膜中の窒素から放射される硬X線の強度と、前記X線の照射によって前記ドープ層中のドーパントから放射される硬X線又は超軟X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度と、をそれぞれ測定する工程と、三つの前記硬X線の強度、又は前記酸素若しくは前記窒素から放射される硬X線の強度と前記超軟X線の強度と前記金属から放射される硬X線の強度と、から前記シリサイド層中の前記複数種類のシリサイドの存在比を換算する工程と、前記複数種のシリサイドの存在比より換算した第2の温度で前記シリサイド層を熱処理する工程と、を含む。
【0033】
本発明の第1のX線受光素子は、少なくとも表面にシリコン層を有し半導体集積回路が形成された基板の当該シリコン層の上に形成され、蛍光X線分析のためのX線受光面を備えたX線受光素子であって、前記半導体集積回路が存しないシリコンウェハの領域に形成されたシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜と、当該シリコン酸化膜又は当該シリコン窒化膜の上に形成され、金属がシリコンと異なる化合比で化合している複数種類のシリサイドからなるシリサイド層とを備え、前記X線受光面は、前記シリサイド層の上面であり、前記X線受光面の大きさが、蛍光X線分析に用いられる一次X線の照射スポットの大きさよりも大きい。
【0034】
本発明の第2のX線受光素子は、少なくとも表面にシリコン層を有し半導体集積回路が形成された基板の当該シリコン層の上に形成され、蛍光X線分析のためのX線受光面を備えたX線受光素子であって、前記半導体集積回路が存しない前記シリコンの領域にドーパントが注入されて形成されたドープ層と、当該ドープ層の表面に形成され、金属がシリコンと異なる化合比で化合している複数種類のシリサイドからなるシリサイド層とを備え、前記X線受光面は、前記シリサイド層の上面であり、前記X線受光面の大きさが、蛍光X線分析に用いられる一次X線の照射スポットの大きさよりも大きい。
【0035】
本発明の第3のX線受光素子は、少なくとも表面にシリコン層を有し半導体集積回路が形成された基板の当該シリコン層の上に形成され、蛍光X線分析のためのX線受光面を備えたX線受光素子であって、前記半導体集積回路が存しない前記シリコンの領域に形成されたシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜と、当該シリコン酸化膜又は当該シリコン窒化膜の上に形成されたポリシリコン層又はアモルファスシリコン層に、ドーパントが注入されて形成されたドープ層と、当該ドープ層の表面に形成され、金属がシリコンと異なる化合比で化合している複数種類のシリサイドからなるシリサイド層とを備え、前記X線受光面は、前記シリサイド層の上面であり、前記X線受光面の大きさが、蛍光X線分析に用いられる一次X線の照射スポットの大きさよりも大きい。
【0036】
前記金属は、高融点金属元素を含んでいることが好ましい。
【0037】
高融点金属元素は、融点が1400℃以上であることが好ましく、例えば、タングステン(融点3382℃)、白金(融点1774℃)、チタン(融点1725℃)、コバルト(融点1492℃)、ニッケル(融点1455℃)等を挙げることができる。なお、有用なシリサイドを形成する金属の融点の上限は、約4000℃である。
【0038】
また、前記金属は、チタン、コバルト、ニッケル、白金からなる群より選択された1又は2以上のものからなることが好ましい。
【0039】
さらに、前記ドーパントは、ホウ素、リン、砒素、ゲルマニウム、アンチモンおよびインジウムからなる群より選択された1又は2以上のものであることが好ましい。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明でいう基板とは、便宜上シリコン基板のように1層のみからなる基板以外に、シリコン層の上にシリコン酸化膜を形成したような2層以上からなるものも含む。
【0041】
(実施形態1)
図1に示すように、本実施形態の測定用基板100は、シリコン基板(基板)101上に、シリコン酸化膜102、ポリシリコン層103およびチタンシリサイド層104を下層から順に設けたものである。チタンシリサイド層104中の化合比の異なる複数種類のチタンシリサイドは、一次RTAにより形成され、二次RTAによりその存在比率が変化する。
【0042】
本実施形態では、チタンシリサイド層104中のチタンシリサイドの存在比率を測定するために蛍光X線分析を行う。この測定は、図2に示すように、測定用基板100を用意するステップS101と、測定用基板100に一次X線を照射するステップS201と、放射される蛍光X線の強度を測定するステップS301と、この蛍光X線の強度からシリサイドの存在比率を換算するステップS401とからなる。さらに、一次RTAの温度を測定する方法は、前記の4つのステップS101,S201,S301,S401に加えて、シリサイドの存在比率から熱処理温度を換算するステップS501を含んでいる。
【0043】
前記蛍光X線分析は、シリコン酸化膜102中の酸素から放射される硬X線およびチタンシリサイド層104中のチタンから放射される硬X線を利用する。このシリコン酸化膜102中の酸素から放射される硬X線は、上層のポリシリコン層103およびチタンシリサイド層104(Ti2Si、TiSiおよびTiSi2を含む)により一部吸収される。
【0044】
ここで、チタンシリサイド層104の上方で実際に観測される酸素の硬X線の強度IOは、上部にポリシリコン層103やチタンシリサイド層104がない場合の酸素の硬X線の強度IOiniから、ポリシリコン層103による酸素の硬X線の吸収量Apolyとそれぞれのシリサイドによる酸素の硬X線の吸収量 ATi2Si、ATiSi、ATiSi2とを引いたものに等しい。従って、
O = IOini − Apoly − ATi2Si − ATiSi − ATiSi2
である。
【0045】
X線の吸収係数の関係から、上式は
O = IOini exp(−μpoly・tpoly −μTi2Si・tTi2Si −μTiSi・tTiSi −μTiSi2・tTiSi2
となる。ここで、μYは、物質Yによる酸素の硬X線の吸収係数であり、tYは物質Yの膜厚(各物質がそれぞれ単独で集まって別々の層構造を有していると仮定したときの物質Yの層の厚み)である。
【0046】
上式の各吸収係数μY、IOini およびtpolyが判明したら、観測される酸素の硬X線の強度IOと各化合比のシリサイドの膜厚(存在比率に換算可)との関係式を得ることができる。この中で、IOiniとμpolyは、標準試料を測定することで得られ、tpolyは光学系の測定を行うことにより得られる。また、図3に示すように、厚みが10nmのTiSi2膜のX線吸収率(μTiSi2)は、計算によって得られ、酸素の硬X線が観測される550eVでは8%である。同様にして、μTi2SiおよびμTiSiの値も得られる。また、X線吸収率は、標準試料を別途作成してより正確に求めることもできる。なお、厚みが10nmのチタン膜の550eVでのX線吸収率は、図3に示すように6%である。以上より各吸収係数μY、IOini およびtpolyの全てが判明するので、観測される酸素の硬X線の強度IOと各化合比のシリサイドの膜厚tTi2Si、tTiSiおよびtTiSi2との関係式を得ることができる。
【0047】
また、観測されるチタンの硬X線の強度から、当該強度と3種類のチタンシリサイドの膜厚との関係式も得られる。これらの二つの関係式に対し、未知数である各化合比のシリサイドの膜厚は三つあるので、多数の測定用基板100の蛍光X線を測定して、これらの測定値から3種類のチタンシリサイドの膜厚で表された仮定の関係式を一つ作成する。以上の三つの関係式から3種類のチタンシリサイドの膜厚を算出する。各チタンシリサイドの密度は既知であるので、これらの膜厚から3種類のチタンシリサイドの存在比率を換算することができる。
【0048】
前記存在比率が換算できれば、一次RTAにおける熱処理温度が判明する。即ち、一次RTAにおいて測定用基板100が受けた熱履歴によって、3種類のチタンシリサイドの存在比率が一義的に決まるので、この存在比率から熱処理温度が逆算できるのである。一次RTAの熱処理温度が少し変わっても、3種類のチタンシリサイドの存在比率は比較的大きく変化するので、本実施形態の方法では、精度良く熱処理温度を換算することができる。
【0049】
さらに、二次RTAによって最終的に低抵抗のTiSi2にまで反応を進める必要がある。この二次RTAの最適な熱処理温度は、一次RTA終了後の3種類のチタンシリサイドの存在比率により決まるので、この存在比率から二次RTAの熱処理温度を換算し、その温度で二次RTAを行う。この換算は、例えば予めシリサイド存在比と二次RTA熱処理温度との関係を実験により求めてグラフ化しておいて、そのグラフを用いて行うことができる。
【0050】
本実施形態では、酸素とチタンの蛍光X線(硬X線)の両方を測定して換算を行うことで、化合比の異なる複数種類のシリサイドの存在比率を簡単にかつ精度良く求めることができる。また、この存在比率から一次RTAの熱処理温度を精度良く換算することができる。従って、低抵抗かつ信頼性の高い最適のシリサイドが形成されるように二次RTAの熱処理温度を容易に設定することができる。また、逆に最適のシリサイドが形成される二次RTAの熱処理温度のマージンが広くなるように、一次RTAの熱処理温度を設定することもできる。このようにして最適のシリサイドを歩留まり良く形成することができる。
【0051】
次に、本実施形態の測定用基板100の製造方法を説明する。
【0052】
まずシリコン基板101の表面に、熱酸化によってシリコン酸化膜102を形成する。それからその上にCVD法などでポリシリコン層103を形成する。次に、スパッタ法などでポリシリコン層103の上にチタンを堆積させてチタン金属層を形成する。このチタン金属層の酸化防止のため、チタン金属層の上にさらに窒化チタンを堆積させて窒化チタン層を形成する。
【0053】
その後、このシリコン基板101に前記膜および前記各層を形成した測定用基板100を所定の温度(第1の温度)である600℃で30秒間熱処理して、一次RTAの処理を行う。この処理によって、ポリシリコン層103の一部とチタン金属層の一部とが反応して、チタンシリサイド層104が形成される。それから、薬液を用いて、窒化チタン層と未反応のチタン金属層を除去する。このときのチタンシリサイドは、Ti2Si、TiSiおよびTiSi2からなる混晶状態になっている。なお、ここまでが測定用基板100を用意するステップS101である。
【0054】
それから、一次RTA処理後の測定用基板100、即ちシリコン基板101上のシリコン酸化膜102、ポリシリコン層103およびチタンシリサイド層104に、蛍光X線分析を行うために一次X線を照射し(ステップS201)、これらの膜および層からチタンシリサイド層104の上方へ放射される蛍光X線のうち、チタンシリサイド層104中のチタン元素から放射される硬X線の強度とシリコン酸化膜102中の酸素から放射される硬X線の強度をそれぞれ測定する(ステップS301)。
【0055】
その後に、上述のように二つの前記硬X線の強度から3種類のチタンシリサイドの存在比率を換算して(ステップS401)、この存在比率から一次RTAの熱処理温度を換算する(ステップS501)。
【0056】
それから前記存在比率から二次RTAで熱処理すべき温度(第2の温度)を換算し、この温度で二次RTAを行って、チタンシリサイドが略全て低抵抗のTiSi2になるように反応を進める。こうして、本実施形態の測定用基板100が出来上がる。
【0057】
前記実施形態では、ポリシリコンは特にパターニングを行なわない形で説明したが、本実施形態の変形例1−1の半導体装置500は、図4に示すように、パターニングを行って半導体集積回路(例えばゲート電極501等)を形成しており、X線受光素子503を設けている。そのX線受光素子503を利用して蛍光X線の測定を行って、チタンシリサイドの存在比率や熱処理温度の測定をおこなう。
【0058】
蛍光X線分析のための一次X線は、X線受光面であるX線受光素子503の図4における上面に照射される。このX線受光面の大きさは、入射する蛍光X線分析用のX線源の照射スポットの大きさよりも大きい。従って、一次X線が全てX線受光素子503に照射されて、放射される蛍光X線は全てX線受光素子503内の物質に由来するものとなる。つまり、放射される蛍光X線はチタンシリサイドの存在比率を測定するための信号のみを含んでおり、ノイズが混入することはない。このX線受光面の大きさは、一辺1mmの正方形の大きさよりも小さいことが好ましく、一辺500μmの正方形の大きさよりも小さいことがより好ましい。
【0059】
このX線受光素子503は、通常のトランジスタを作成する工程で、例えばスクライブレーンのようなシリコンウエハの端の最終的に捨てられる部分に作成されており、歩留まりが下がることなく、特に工程を追加する必要もない。
【0060】
変形例1−1のX線受光素子503は、上述の基板100の製造方法と同じ方法でシリコンウェハ上に製造される。つまり、半導体装置500を製造する工程において、少なくとも表面にシリコン層を有する基板の表面にシリコン酸化膜を形成し、その上にポリシリコン層、チタン金属層および窒化チタン層を形成し、一次RTA(熱処理)を行う。こうして作成されたX線受光素子503にX線を照射して蛍光X線分析でシリサイド存在比率率を測定し、その結果を基に二次RTA(熱処理)を行う。それぞれの形成工程および熱処理工程は、シリコンウエハ上のトランジスタ形成工程での該当工程で同時に行う。
【0061】
本変形例の場合、X線受光素子503の周囲にサイドウォールを設けたり、分離酸化膜を設けてもよい。また、このようなX線受光素子503をシリコンウェハ上に設けておけば、製造装置に蛍光X線分析装置を予め組み込んでおくことにより、製造中の半導体装置に形成された複数種類のシリサイドの存在比率をインラインで直接測定することができるため、工程の管理などがいっそう容易になる。
【0062】
次に、本実施形態の変形例1−2と変形例1−3とについて説明する。変形例1−2は、ポリシリコンに代えて、アモルファスシリコンを用い、X線受光素子も設けた半導体装置である。また、変形例1−3は、シリコン酸化膜102に代えて、シリコン窒化膜を用い、X線受光素子も設けた半導体装置である。蛍光X線の測定方法、シリサイドの存在比率や熱処理温度の換算方法は、上述の実施形態1の方法と同じである。製造方法は、変形例1−2では、ポリシリコン層の形成工程を公知のアモルファスシリコン層の形成工程に、変形例1−3では、シリコン酸化膜の形成工程を公知のシリコン窒化膜形成工程にそれぞれ変更しており、その他の工程は上述の工程と同じである。なお、変形例1−3では、酸素の放射する硬X線に代えて、窒素の放射する硬X線を測定に用いる。
【0063】
本実施形態の変形例では、酸素又は窒素とチタンの蛍光X線(硬X線)の両方を測定することで、化合比の異なる複数種類のシリサイドの存在比率をインラインで簡単にかつ精度良く求めることができる。また、この存在比率から一次RTAの熱処理温度を精度良く換算することができる。従って、低抵抗かつ信頼性の高い最適のシリサイドが形成されるように二次RTAの熱処理温度を容易に設定することができる。また、逆に最適のシリサイドが形成される二次RTAの熱処理温度のマージンが広くなるように、一次RTAの熱処理温度を設定することもできる。このようにして最適のシリサイドを歩留まり良く形成することができる。また、蛍光X線分析装置を製造工程中に組み込んで、測定および換算をコンピュータ制御などにより自動的に行うようにしておけば、工程管理も非常に容易になり、製造コストを下げることができる。
【0064】
(実施形態2)
図5に示すように、本実施形態の測定用基板200は、シリコン基板(基板)201上に、砒素を注入して形成されたドープ層202およびコバルトシリサイド層203を下層から順に設けたものである。コバルトシリサイド層203中の化合比の異なる複数種類のコバルトシリサイドは、一次RTAにより形成され、二次RTAによりその存在比率が変化する。
【0065】
本実施形態では、コバルトシリサイド層203中のコバルトシリサイドの存在比率を測定するために蛍光X線分析を行う。この測定は、図2に示すように、測定用基板100を用意するステップS101と、測定用基板100に一次X線を照射するステップS201と、放射される蛍光X線の強度を測定するステップS301と、この蛍光X線の強度からシリサイドの存在比率を換算するステップS401とからなる。さらに、一次RTAの温度を測定する方法は、前記の4つのステップS101,S201,S301,S401に加えて、シリサイドの存在比率から熱処理温度を換算するステップS501を含んでいる。
【0066】
この蛍光X線分析は、ドープ層202中の砒素から放射される硬X線およびコバルトシリサイド層203中のコバルトから放射される硬X線を利用する。このドープ層202中の砒素から放射される硬X線は、上層のコバルトシリサイド層203(Co2Si、CoSiおよびCoSi2を含む)により一部吸収される。
【0067】
ここで、コバルトシリサイド層203の上方で実際に観測される砒素の硬X線の強度IAsは、上部にコバルトシリサイド層203がない場合の砒素の硬X線の強度IAsiniから、それぞれのシリサイドによる砒素の硬X線の吸収量 AAsCo2S i、AAsCoSi、AAsCoSi2とを引いたものに等しい。従って、
As = IAsini − AAsCo2Si − AAsCoSi − AAsCoSi2
である。
【0068】
X線の吸収係数の関係から、上式は
As = IAsini exp(−μASCo2Si・tCo2Si −μAsCoSi・tCoSi −μAsCoSi2・tCoSi2
となる。ここで、μAsYは、物質Yによる砒素の硬X線の吸収係数であり、tYは物質Yの膜厚(各物質がそれぞれ単独で集まって別々の層構造を有していると仮定したときの物質Yの層の厚み)である。
【0069】
上式の各吸収係数μAsYおよびIAsiniが判明したら、観測される砒素の硬X線の強度IAsと各化合比のシリサイドの膜厚(存在比率に換算可)との関係式を得られる。この中で、IAsiniは標準試料を測定することで得られる。一方、図6に示すように、厚みが10nmのCoSi2膜のX線吸収率(μCoSi2)は計算によって得られ、砒素の硬X線が観測される1300eVでは2%である。同様にして、μCo2SiおよびμCoSiの値も得られる。なお、図6に示すように、厚みが10nmのコバルト膜のX線吸収率は5%である。以上より各吸収係数μAsYおよびIAsiniの全てが判明するので、観測される酸素の硬X線の強度IAsと各化合比のシリサイドの膜厚tCo2Si、tCoSiおよびtCoSi2との関係式を得られる。
【0070】
また、観測されるコバルトの硬X線の強度から、当該強度と3種類のコバルトシリサイドの膜厚との関係式も得られる。これらの二つの関係式に対し、未知数である各化合比のシリサイドの膜厚は三つあるので、多数の測定用基板200の蛍光X線を測定して、これらの測定値から3種類のコバルトシリサイドの膜厚により表された仮定の関係式を一つ作成する。以上の三つの関係式から3種類のコバルトシリサイドの膜厚を算出する。各コバルトシリサイドの密度は既知であるので、これらの膜厚から3種類のコバルトシリサイドの存在比率を換算することができる。
【0071】
前記存在比率が換算できれば、一次RTAにおける熱処理温度が判明する。即ち、一次RTAにおいて測定用基板200が受けた熱履歴によって、3種類のコバルトシリサイドの存在比率が一義的に決まるので、この存在比率から熱処理温度が逆算できるのである。一次RTAの熱処理温度が少し変わっても、3種類のコバルトシリサイドの存在比率は比較的大きく変化するので、本実施形態の方法では、精度良く熱処理温度を換算することができる。
【0072】
さらに、二次RTAによって最終的に低抵抗のCoSi2にまで反応を進める必要がある。この二次RTAの最適な熱処理温度は、一次RTA終了後の3種類のコバルトシリサイドの存在比率により決まるので、この存在比率から二次RTAの熱処理温度を換算し、その温度で二次RTAを行う。この換算は、例えば予めシリサイド存在比と二次RTA熱処理温度との関係を実験により求めてグラフ化しておいて、そのグラフを用いて行うことができる。
【0073】
本実施形態では、コバルトと砒素の蛍光X線(硬X線)の両方を測定することにより、化合比の異なる複数種類のシリサイドの存在比率を簡単にかつ精度良く測定することができる。また、この存在比率から一次RTAの熱処理温度を精度良く換算することができる。従って、低抵抗かつ信頼性の高い最適のシリサイドが形成されるように二次RTAの熱処理温度を容易に設定することができる。また、逆に最適のシリサイドが形成される二次RTAの熱処理温度のマージンが広くなるように、一次RTAの熱処理温度を設定することもできる。このようにして最適のシリサイドを歩留まり良く形成することができる。
【0074】
次に、本実施形態の測定用基板200の製造方法を説明する。
【0075】
まずシリコン基板201の表面に、公知のイオン注入法によって、N型のドーパントとして砒素を3×1015cm-2程度注入してドープ層202を形成する。次に、スパッタ法などでドープ層202の上にコバルトを堆積させてコバルト金属層を形成する。このコバルト金属層の酸化防止のため、コバルト金属層の上にさらに窒化チタンを堆積させて窒化チタン層を形成する。
【0076】
この後、このシリコン基板201に前記各層を形成した測定用基板200を所定の温度(第1の温度)である500℃で30秒間熱処理して、一次RTAの処理を行う。この処理により、ドープ層202の一部とコバルト金属層の一部とが反応して、コバルトシリサイド層203が形成される。それから、薬液を用いて、窒化チタン層と未反応のコバルト金属層を除去する。このときのコバルトシリサイドは、Co2Si、CoSiおよびCoSi2からなる混晶状態になっている。ここまでが測定用基板200を用意するステップS101である。
【0077】
それから、一次RTA処理後の測定用基板200、即ちシリコン基板201上のドープ層202、およびコバルトシリサイド層203に、蛍光X線分析を行うために一次X線を照射し(ステップS201)、これらの層からコバルトシリサイド層203の上方へ放射される蛍光X線のうち、コバルトシリサイド層203中のコバルト元素から放射される硬X線の強度とドープ層202中のドーパントである砒素から放射される硬X線の強度をそれぞれ測定する(ステップS301)。
【0078】
その後に、二つの前記硬X線の強度から3種類のコバルトシリサイドの存在比率を換算して(ステップ401)、この存在比率から一次RTAの熱処理温度を換算する(ステップ501)。
【0079】
それから前記存在比率から二次RTAで熱処理すべき温度(第2の温度)を換算し、この温度で二次RTAを行って、コバルトシリサイドが略全て低抵抗のCoSi2になるように反応を進める。こうして、本実施形態の測定用基板200が出来上がる。
【0080】
前記実施形態では、ドープ層202は特にパターニングを行なわない形で説明したが、本実施形態の変形例2−1の半導体装置600は、図7に示すように、パターニングを行って半導体集積回路(例えばゲート電極601等)を形成しており、X線受光素子603を設けている。そのX線受光素子603利用して蛍光X線の測定を行って、コバルトシリサイドの存在比率や熱処理温度の測定をおこなう。
【0081】
蛍光X線分析のための一次X線は、X線受光面であるX線受光素子603の図7における上面に照射される。このX線受光面の大きさは、入射する蛍光X線分析用のX線源の照射スポットの大きさよりも大きい。従って、一次X線が全てX線受光素子603に照射されて、放射される蛍光X線は全てX線受光素子603内の物質に由来するものとなる。つまり、放射される蛍光X線はコバルトシリサイドの存在比率を測定するための信号のみを含んでおり、ノイズが混入することはない。このX線受光面の大きさは、一辺1mmの正方形の大きさよりも小さいことが好ましく、一辺500μmの正方形の大きさよりも小さいことがより好ましい。
【0082】
このX線受光素子603は、通常のトランジスタを作成する工程で、例えばスクライブレーンのようなシリコンウエハの端の最終的に捨てられる部分に作成されており、歩留まりが下がることなく、特に工程を追加する必要もない。
【0083】
変形例2−1のX線受光素子603は上述の基板200の製造方法と同じ方法で製造される。つまり、半導体装置600を製造する工程において、少なくとも最上部にシリコン層を有する基板の表面に砒素を注入してドープ層を形成し、その上にコバルト金属層および窒化チタン層を形成し、一次RTA(熱処理)を行う。こうして作成されたX線受光素子603にX線を照射して蛍光X線分析でシリサイド存在比率率を測定し、二次RTA(熱処理)を行う。それぞれの形成工程および熱処理工程は、シリコンウエハ上のトランジスタ形成工程での該当工程で同時に行う。
【0084】
変形例2−1の場合、X線受光素子603の周囲にサイドウォールを設けたり、分離酸化膜を設けてもよい。また、このようなX線受光素子603をシリコンウェハ上に設けておけば、製造装置に蛍光X線分析装置を組み込んでおくことにより、製造中の半導体装置に形成された複数種類のシリサイドの存在比率をインラインで直接測定することができるため、工程の管理などがいっそう容易になる。
【0085】
次に、本実施形態の変形例2−2について説明する。変形例2−2は、砒素の硬X線に代えて、砒素の超軟X線を蛍光X線分析に用い、X線受光素子も設けた半導体装置である。砒素は、酸素や窒素よりも原子量がずっと大きいので、硬X線以外に超軟X線を蛍光X線分析に利用することができる。
【0086】
本実施形態の変形例では、コバルトと砒素の蛍光X線(硬X線および超軟X線)の両方を測定することにより、化合比の異なる複数種類のシリサイドの存在比率をインラインで簡単にかつ精度良く測定することができる。また、この存在比率から一次RTAの熱処理温度を精度良く換算することができる。従って、低抵抗かつ信頼性の高い最適のシリサイドが形成されるように二次RTAの熱処理温度を容易に設定することができる。また、逆に最適のシリサイドが形成される二次RTAの熱処理温度のマージンが広くなるように、一次RTAの熱処理温度を設定することもできる。このようにして最適のシリサイドを歩留まり良く形成することができる。また、蛍光X線分析装置を製造工程中に組み込んで、測定および換算をコンピュータ制御などにより自動的に行うようにしておけば、工程管理も非常に容易になり、製造コストを下げることができる。
【0087】
(実施形態3)
図8に示すように、本実施形態の測定用基板300は、シリコン基板(基板)301上に、シリコン酸化膜302、砒素を注入して形成されたドープ層303およびコバルトシリサイド層304を下層から順に設けたものである。コバルトシリサイド層304中の化合比の異なる複数種類のコバルトシリサイドは、一次RTAにより形成され、二次RTAによりその存在比率が変化する。
【0088】
本実施形態では、コバルトシリサイド層304中のコバルトシリサイドの存在比率を測定するために蛍光X線分析を行う。この測定は、図2に示すように、測定用基板100を用意するステップS101と、測定用基板100に一次X線を照射するステップS201と、放射される蛍光X線の強度を測定するステップS301と、この蛍光X線の強度からシリサイドの存在比率を換算するステップS401とからなる。さらに、一次RTAの温度を測定する方法は、前記の4つのステップS101,S201,S301,S401に加えて、シリサイドの存在比率から熱処理温度を換算するステップS501を含んでいる。
【0089】
この蛍光X線分析は、シリコン酸化膜302中の酸素から放射される硬X線、ドープ層303中の砒素から放射される硬X線およびコバルトシリサイド層304中のコバルトから放射される硬X線を利用する。これらの測定された三つの硬X線の強度は、実施形態1および実施形態2に示したように、未知数である3種類のコバルトシリサイドの膜厚を用いてそれぞれ表すことができる。従って、三つの未知数に対して三つの関係式を立てることができ、3種類のコバルトシリサイドの膜厚、即ちそれぞれの存在比率は一義的に換算することができる。換算方法は、FE(Fundamental Element)法等を用いればよい。
【0090】
前記存在比率が換算できれば、一次RTAにおける熱処理温度が判明する。即ち、一次RTAにおいて測定用基板300が受けた熱履歴によって、3種類のコバルトシリサイドの存在比率が一義的に決まるので、この存在比率から熱処理温度が逆算できるのである。一次RTAの熱処理温度が少し変わっても、3種類のコバルトシリサイドの存在比率は比較的大きく変化するので、本実施形態の方法では、精度良く熱処理温度を換算することができる。
【0091】
さらに、二次RTAによって最終的に低抵抗のCoSi2にまで反応を進めなければならないが、一次RTA終了後の3種類のコバルトシリサイドの存在比率により最適な二次RTAの熱処理温度が決まるので、この存在比率から二次RTAの熱処理温度を換算し、その温度で二次RTAを行う。この換算は、例えば予めシリサイド存在比と二次RTA熱処理温度との関係を実験により求めてグラフ化しておいて、そのグラフを用いて行うことができる。
【0092】
本実施形態では、酸素、コバルトおよび砒素の蛍光X線(硬X線)を測定することで、化合比の異なる複数種類のシリサイドの存在比率を簡単にかつ精度良く測定することができる。また、この存在比率から一次RTAの熱処理温度を精度良く換算することができる。従って、低抵抗かつ信頼性の高い最適のシリサイドが形成されるように二次RTAの熱処理温度を容易に設定することができる。また、逆に最適のシリサイドが形成する二次RTAの熱処理温度のマージンが広くなるように、一次RTAの熱処理温度を設定することもできる。このようにして最適のシリサイドを歩留まり良く形成することができる。
【0093】
次に、本実施形態の測定用基板300の製造方法を説明する。
【0094】
まずシリコン基板301の表面に、熱酸化によりシリコン酸化膜302を形成する。それからその上にCVD法などでポリシリコン層を形成する。このポリシリコン層の表面に、公知のイオン注入法によって、N型のドーパントとして砒素を3×1015cm-2程度注入してドープ層303を形成する。次に、スパッタ法などでドープ層303の上にコバルトを堆積させてコバルト金属層を形成する。このコバルト金属層の酸化防止のため、コバルト金属層の上にさらに窒化チタンを堆積させて窒化チタン層を形成する。
【0095】
この後、このシリコン基板301に前記膜および前記各層を形成した測定用基板300を所定の温度(第1の温度)である500℃で30秒間熱処理して、一次RTAの処理を行う。この処理により、ドープ層303の一部とコバルト金属層の一部とが反応して、コバルトシリサイド層304が形成される。それから、薬液を用いて、窒化チタン層と未反応のコバルト金属層を除去する。このときのコバルトシリサイドは、Co2Si、CoSiおよびCoSi2からなる混晶状態になっている。ここまでが測定用基板300を用意するステップS101である。
【0096】
それから、一次RTA処理後の測定用基板300、即ちシリコン基板301上のシリコン酸化膜302、ドープ層303、およびコバルトシリサイド層304に、蛍光X線分析を行うために一次X線を照射し(ステップS201)、これらの膜および層からコバルトシリサイド層304の上方へ放射される蛍光X線のうち、シリコン酸化膜302中の酸素から放射される硬X線の強度、コバルトシリサイド層304中のコバルト元素から放射される硬X線の強度およびドープ層303中のドーパントである砒素から放射される硬X線の強度をそれぞれ測定する(ステップS301)。
【0097】
その後に、三つの前記硬X線の強度から3種類のコバルトシリサイドの存在比率を換算して(ステップS401)、この存在比率から一次RTAの熱処理温度を換算する(ステップS501)。
【0098】
それから前記存在比率から二次RTAで熱処理すべき温度(第2の温度)を換算し、この温度で二次RTAを行って、コバルトシリサイドが略全て低抵抗のCoSi2になるように反応を進める。こうして、本実施形態の測定用基板300が出来上がる。
【0099】
前記実施形態では、ドープ層303は特にパターニングを行なわない形で説明したが、本実施形態の変形例3−1の半導体装置700は、図9に示すように、パターニングを行って半導体集積回路(例えばゲート電極701等)を形成しており、X線受光素子703を設けている。そのX線受光素子703で蛍光X線の測定を行って、コバルトシリサイドの存在比率や熱処理温度の測定をおこなう。
【0100】
蛍光X線分析のための一次X線は、X線受光面であるX線受光素子703の図9における上面に照射される。このX線受光面の大きさは、入射する蛍光X線分析用のX線源の照射スポットの大きさよりも大きい。従って、一次X線が全てX線受光素子703に照射されて、放射される蛍光X線は全てX線受光素子703内の物質に由来するものとなる。つまり、放射される蛍光X線はコバルトシリサイドの存在比率を測定するための信号のみを含んでおり、ノイズが混入することはない。このX線受光面の大きさは、一辺1mmの正方形の大きさよりも小さいことが好ましく、一辺500μmの正方形の大きさよりも小さいことがより好ましい。
【0101】
このX線受光素子703は、通常のトランジスタを作成する工程で、例えばスクライブレーンのようなシリコンウエハの端の最終的に捨てられる部分に作成されており、歩留まりが下がることなく、特に工程を追加する必要もない。
【0102】
変形例3−1のX線受光素子703は、上述の測定用基板300の製造方法と同じ方法で製造される。つまり、半導体装置700を製造する工程において、少なくとも表面にシリコン層を有する基板の表面にシリコン酸化膜を形成し、その上にポリシリコン層を形成してそこに砒素を注入してドープ層を形成し、その上にコバルト金属層および窒化チタン層を形成し、一次RTA(熱処理)を行う。こうして作成されたX線受光素子703にX線を照射して蛍光X線分析でシリサイド存在比率率を測定し、二次RTA(熱処理)を行う。それぞれの形成工程および熱処理工程は、シリコンウエハ上のトランジスタ形成工程での該当工程で同時に行う。
【0103】
変形例3−1の場合、X線受光素子703の周囲にサイドウォールを設けたり、分離酸化膜を設けてもよい。また、このようなX線受光素子703をシリコンウェハ上に設けておけば、製造装置に蛍光X線分析装置を組み込んでおくことにより、製造中の半導体装置に形成された複数種類のシリサイドの存在比率をインラインで直接測定することができるため、工程の管理などがいっそう容易になる。
【0104】
次に、本実施形態の変形例3−2、変形例3−3および変形例3−4について説明する。変形例3−2は、ポリシリコンに代えて、アモルファスシリコンを用い、X線受光素子も設けた半導体装置である。また、変形例3−3は、シリコン酸化膜302に代えて、シリコン窒化膜を用い、X線受光素子も設けた半導体装置である。蛍光X線の測定方法、シリサイドの存在比率や熱処理温度の換算方法は、上述の方法と同じである。製造方法は、変形例3−2では、ポリシリコン層の形成工程を公知のアモルファスシリコン層の形成工程に、変形例3−3では、シリコン酸化膜の形成工程を公知のシリコン窒化膜形成工程にそれぞれ変更しており、その他の工程は上述の工程と同じである。なお、変形例3−3では、酸素の放射する硬X線に代えて、窒素の放射する硬X線を測定に用いる。
【0105】
さらに、変形例3−4は、変形例3−1において砒素の硬X線に代えて、砒素の超軟X線を蛍光X線分析に用いる。砒素は、酸素や窒素よりも原子量がずっと大きいので、硬X線以外に超軟X線を蛍光X線分析に利用することができる。
【0106】
本実施形態の変形例では、酸素又は窒素、コバルトおよび砒素の蛍光X線(硬X線および超軟X線)を測定することで、化合比の異なる複数種類のシリサイドの存在比率をインラインで簡単にかつ精度良く測定することができる。また、この存在比率から一次RTAの熱処理温度を精度良く換算することができる。従って、低抵抗かつ信頼性の高い最適のシリサイドが形成されるように二次RTAの熱処理温度を容易に設定することができる。また、逆に最適のシリサイドが形成する二次RTAの熱処理温度のマージンが広くなるように、一次RTAの熱処理温度を設定することもできる。このようにして最適のシリサイドを歩留まり良く形成することができる。また、蛍光X線分析装置を製造工程中に組み込んで、測定および換算をコンピュータ制御などにより自動的に行うようにしておけば、工程管理も非常に容易になり、製造コストを下げることができる。
【0107】
これまで説明した実施形態および変形例は好適な例であって、本発明はこれらの例に限定されない。シリサイドを形成する金属種は、チタンやシリコン以外にニッケル、白金又はタングステンなどであってもよく、2種類以上の金属元素を用いても構わない。ドーパントは、砒素以外にホウ素、リン、ゲルマニウム、アンチモン又はインジウムであってもよく、これらの複数を同時に用いても構わない。
【0108】
また、上述の実施形態および変形例では、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜のいずれか一方のみを形成していたが、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の両方を設けても構わないし、シリコン酸窒化膜を設けてもよい。この場合は、酸素の硬X線でも窒素の硬X線でもどちらを利用しても構わないし、両方を利用してもよい。そして、シリコン酸化膜は、フッ素および/または窒素を含有していても構わない。さらに、基板は、少なくとも最上部である表面にシリコン層を有していればよく、シリコン基板以外に、例えば絶縁基板または絶縁膜上にシリコン層が設けられたSOI基板であっても構わない。なお、SOI基板の場合は、絶縁基板または絶縁膜から放射される酸素の硬X線の強度を差し引いて換算する必要がある。シリコンウェハも少なくとも表面にシリコン層が設けられていればよく、全体がシリコンである必要はない。
【0109】
上述した実施形態および変形例では、例えば実施形態1は、下層から順に基板101、シリコン酸化膜102、ポリシリコン層103およびチタンシリサイド層104を形成しているが、これらの層の間に測定に影響を与えない他の層を設けてもよい。
【0110】
加えて、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリシリコン層、アモルファスシリコン層、金属層の形成方法は、前記方法に限定されず、公知の種々の方法を用いることができる。
【0111】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に述べる効果を奏する。
【0112】
シリサイドを構成する金属と、酸素又は窒素との両方の硬X線を利用するので、化合比の異なる複数種類のシリサイドの存在比率を簡単にかつ精度よく測定することができる。また、この存在比率から一次RTAの熱処理温度を簡単にかつ精度よく換算でき、低抵抗かつマイグレーションの起こりにくいシリサイドを有する半導体装置を容易に製造できる。
【0113】
シリサイドを構成する金属とドーパントとの両方の硬X線又は超軟X線を利用するので、化合比の異なる複数種類のシリサイドの存在比率を簡単にかつ精度よく測定することができる。また、この存在比率から一次RTAの熱処理温度を簡単にかつ精度よく換算でき、低抵抗かつマイグレーションの起こりにくいシリサイドを有する半導体装置を容易に製造できる。
【0114】
シリサイドを構成する金属と、酸素又は窒素と、ドーパントとの三者の硬X線又は超軟X線を利用するので、化合比の異なる複数種類のシリサイドの存在比率を簡単にかつ精度よく測定することができる。また、この存在比率から一次RTAの熱処理温度を簡単にかつ精度よく換算でき、低抵抗かつマイグレーションの起こりにくいシリサイドを有する半導体装置を容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の測定用基板の断面模式図である。
【図2】本発明のシリサイド存在比率の測定方法および熱処理温度の測定方法のフローを示す図である。
【図3】厚み10nmのチタンおよびTiSi2におけるX線の透過率のエネルギー依存性の計算結果を示す図である。
【図4】変形例1−1の半導体装置の断面模式図である。
【図5】本発明の実施形態2の測定用基板の断面模式図である。
【図6】厚み10nmのコバルトおよびCoSi2におけるX線の透過率のエネルギー依存性の計算結果を示す図である。
【図7】変形例2−1の半導体装置の断面模式図である。
【図8】本発明の実施形態3の測定用基板の断面模式図である。
【図9】変形例3−1の半導体装置の断面模式図である。
【図10】MOSトランジスタにおいてコバルトシリサイドを形成する各工程を示す断面模式図である。
【符号の説明】
100 200 300 測定用基板
101 201 301 401 シリコン基板(基板)
102 302 シリコン酸化膜
103 403 ポリシリコン層
104 チタンシリサイド層
203 304 413 コバルトシリサイド膜
202 303 ドープ層
500 600 700 半導体装置
503 603 703 X線受光素子
S101 測定用基板を用意するステップ
S201 測定用基板に一次X線を照射するステップ
S301 蛍光X線の強度を測定するステップ
S401 シリサイドの存在比率を換算するステップ
S501 熱処理温度の換算をするステップ

Claims (24)

  1. 少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面に形成されたシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜と、当該シリコン酸化膜又は当該シリコン窒化膜の上に形成されたポリシリコン層又はアモルファスシリコン層と、当該ポリシリコン層又は当該アモルファスシリコン層の上に形成され、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層と、を有する測定用基板を用意するステップと、
    前記測定用基板にX線を照射するステップと、
    前記X線の照射によって前記シリコン酸化膜中の酸素又は前記シリコン窒化膜中の窒素から放射される硬X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度と、をそれぞれ測定するステップと、
    二つの前記硬X線の強度から前記シリサイド層中の前記複数種類のシリサイドの存在比を換算するステップと、
    を含む、シリサイド存在比率の測定方法。
  2. 少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面にドーパントを注入して形成されたドープ層と、当該ドープ層の上に形成され、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層と、を有する測定用基板を用意するステップと、
    前記測定用基板にX線を照射するステップと、
    前記X線の照射によって前記ドープ層中のドーパントから放射される硬X線又は超軟X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度と、をそれぞれ測定するステップと、
    二つの前記硬X線の強度、又は前記超軟X線の強度と前記金属から放射される硬X線の強度と、から前記シリサイド層中の前記複数種類のシリサイドの存在比を換算するステップと、
    を含む、シリサイド存在比率の測定方法。
  3. 少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面に形成されたシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜と、当該シリコン酸化膜又は当該シリコン窒化膜の上に形成されたポリシリコン層又はアモルファスシリコン層に、ドーパントを注入して形成されたドープ層と、当該ドープ層の表面に形成され、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層と、を有する測定用基板を用意するステップと、
    前記測定用基板にX線を照射するステップと、
    前記X線の照射によって前記シリコン酸化膜中の酸素又は前記シリコン窒化膜中の窒素から放射される硬X線の強度と、前記X線の照射によって前記ドープ層中のドーパントから放射される硬X線又は超軟X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度と、をそれぞれ測定するステップと、
    三つの前記硬X線の強度、又は前記酸素若しくは前記窒素から放射される硬X線の強度と前記超軟X線の強度と前記金属から放射される硬X線の強度と、から前記シリサイド層中の前記複数種類のシリサイドの存在比を換算するステップと、
    を含む、シリサイド存在比率の測定方法。
  4. 前記金属は、高融点金属元素を含んでいる、請求項1から3のいずれか一つに記載のシリサイド存在比率の測定方法。
  5. 前記金属は、チタン、コバルト、ニッケル、白金からなる群より選択された1又は2以上のものからなる、請求項1から3のいずれか一つに記載のシリサイド存在比率の測定方法。
  6. 前記ドーパントは、ホウ素、リン、砒素、ゲルマニウム、アンチモンおよびインジウムからなる群より選択された1又は2以上のものである、請求項2又は3に記載のシリサイド存在比率の測定方法。
  7. 少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面に形成されたシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜と、当該シリコン酸化膜又は当該シリコン窒化膜の上に形成されたポリシリコン層又はアモルファスシリコン層と、当該ポリシリコン層又は当該アモルファスシリコン層の上に形成された金属層と、を有する測定用基板を用意するステップと、
    前記測定用基板を所定の温度で熱処理して、前記ポリシリコン層又は前記アモルファスシリコン層の少なくとも一部と、前記金属層の少なくとも一部とから、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層を形成するステップと、
    前記シリサイド層を形成するステップの後に、前記測定用基板にX線を照射するステップと、
    前記X線の照射によって前記シリコン酸化膜中の酸素又は前記シリコン窒化膜中の窒素から放射される硬X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度と、をそれぞれ測定するステップと、
    二つの前記硬X線の強度から前記所定の温度を換算するステップと、
    を含む、熱処理温度の測定方法。
  8. 少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面にドーパントを注入して形成されたドープ層と、当該ドープ層の上に形成された金属層と、を有する測定用基板を用意するステップと、
    前記測定用基板を所定の温度で熱処理して、前記ドープ層の少なくとも一部と、前記金属層の少なくとも一部とから、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層を形成するステップと、
    前記シリサイド層を形成するステップの後に、前記測定用基板にX線を照射するステップと、
    前記X線の照射によって前記ドープ層中のドーパントから放射される硬X線又は超軟X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度と、をそれぞれ測定するステップと、
    二つの前記硬X線の強度、又は前記超軟X線の強度と前記金属から放射される硬X線の強度と、から前記所定の温度を換算するステップと、
    を含む、熱処理温度の測定方法。
  9. 少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面に形成されたシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜と、当該シリコン酸化膜又は当該シリコン窒化膜の上に形成されたポリシリコン層又はアモルファスシリコン層に、ドーパントを注入して形成されたドープ層と、当該ドープ層の表面に形成された金属層と、を有する測定用基板を用意するステップと、
    前記測定用基板を所定の温度で熱処理して、前記ドープ層の少なくとも一部と、前記金属層の少なくとも一部とから、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層を形成するステップと、
    前記シリサイド層を形成するステップの後に、前記測定用基板にX線を照射するステップと、
    前記X線の照射によって前記シリコン酸化膜中の酸素又は前記シリコン窒化膜中の窒素から放射される硬X線の強度と、前記X線の照射によって前記ドープ層中のドーパントから放射される硬X線又は超軟X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度と、をそれぞれ測定するステップと、
    三つの前記硬X線の強度、又は前記酸素若しくは前記窒素から放射される硬X線の強度と前記超軟X線の強度と前記金属から放射される硬X線の強度と、から前記所定の温度を換算するステップと、
    を含む、熱処理温度の測定方法。
  10. 前記金属は、高融点金属元素を含んでいる、請求項7から9のいずれか一つに記載の熱処理温度の測定方法。
  11. 前記金属は、チタン、コバルト、ニッケル、白金からなる群より選択された1又は2以上のものからなる、請求項7から9のいずれか一つに記載の熱処理温度の測定方法。
  12. 前記ドーパントは、ホウ素、リン、砒素、ゲルマニウム、アンチモンおよびインジウムからなる群より選択された1又は2以上のものである、請求項8又は9に記載の熱処理温度の測定方法。
  13. 少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面にシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜を形成する工程と、
    前記シリコン酸化膜又は前記シリコン窒化膜の上にポリシリコン層又はアモルファスシリコン層を形成する工程と、
    前記ポリシリコン層又は前記アモルファスシリコン層の上に金属層を形成する工程と、
    前記ポリシリコン層又は前記アモルファスシリコン層と前記金属層とを所定の第1の温度で熱処理して、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層を形成する工程と、
    前記シリサイド層を形成する工程の後に、前記基板にX線を照射する工程と、前記X線の照射によって前記シリコン酸化膜中の酸素又は前記シリコン窒化膜中の窒素から放射される硬X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度とをそれぞれ測定し、二つの当該硬X線の強度から前記シリサイド層中の前記複数種類のシリサイドの存在比を換算する工程と、
    前記複数種のシリサイドの存在比より換算した第2の温度で前記シリサイド層を熱処理する工程と、
    を含む、半導体装置の製造方法。
  14. 少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面にドーパントを注入してドープ層を形成する工程と、
    前記ドープ層の上に金属層を形成する工程と、
    前記ドープ層と前記金属層とを所定の第1の温度で熱処理して、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層を形成する工程と、
    前記シリサイド層を形成する工程の後に、前記基板にX線を照射する工程と、前記X線の照射によって前記ドープ層中のドーパントから放射される硬X線又は超軟X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度とをそれぞれ測定し、二つの当該硬X線の強度、又は前記超軟X線の強度と前記金属から放射される硬X線の強度と、から前記シリサイド層中の前記複数種類のシリサイドの存在比を換算する工程と、
    前記複数種のシリサイドの存在比より換算した第2の温度で前記シリサイド層を熱処理する工程と、
    を含む、半導体装置の製造方法。
  15. 少なくとも表面にシリコン層を有する基板の当該シリコン層表面にシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜を形成する工程と、
    前記シリコン酸化膜又は前記シリコン窒化膜の上にポリシリコン層又はアモルファスシリコン層を形成する工程と、
    前記ポリシリコン層又は前記アモルファスシリコン層にドーパントを注入してドープ層を形成する工程と、
    前記ドープ層の上に金属層を形成する工程と、
    前記ドープ層と前記金属層とを所定の第1の温度で熱処理して、金属とシリコンとの化合比の異なる複数種類のシリサイドからなるシリサイド層を形成する工程と、
    前記シリサイド層を形成する工程の後に、前記基板にX線を照射する工程と、前記X線の照射によって前記シリコン酸化膜中の酸素又は前記シリコン窒化膜中の窒素から放射される硬X線の強度と、前記X線の照射によって前記ドープ層中のドーパントから放射される硬X線又は超軟X線の強度と、前記X線の照射によって前記シリサイド層中の前記金属から放射される硬X線の強度と、をそれぞれ測定する工程と、
    三つの前記硬X線の強度、又は前記酸素若しくは前記窒素から放射される硬X線の強度と前記超軟X線の強度と前記金属から放射される硬X線の強度と、から前記シリサイド層中の前記複数種類のシリサイドの存在比を換算する工程と、
    前記複数種のシリサイドの存在比より換算した第2の温度で前記シリサイド層を熱処理する工程と、
    を含む、半導体装置の製造方法。
  16. 前記金属は、高融点金属元素を含んでいる、請求項13から15のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  17. 前記金属は、チタン、コバルト、ニッケル、白金からなる群より選択された1又は2以上のものからなる、請求項13から15のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  18. 前記ドーパントは、ホウ素、リン、砒素、ゲルマニウム、アンチモンおよびインジウムからなる群より選択された1又は2以上のものである、請求項14又は15に記載の半導体装置の製造方法。
  19. 少なくとも表面にシリコン層を有し半導体集積回路が形成された基板の当該シリコン層の上に形成され、蛍光X線分析のためのX線受光面を備えたX線受光素子であって、
    前記半導体集積回路が存しない前記基板の領域に形成されたシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜と、当該シリコン酸化膜又は当該シリコン窒化膜の上に形成され、金属がシリコンと異なる化合比で化合している複数種類のシリサイドからなるシリサイド層とを備え、
    前記X線受光面は、前記シリサイド層の上面であり、
    前記X線受光面の大きさが、蛍光X線分析に用いられる一次X線の照射スポットの大きさよりも大きい、X線受光素子。
  20. 少なくとも表面にシリコン層を有し半導体集積回路が形成された基板の当該シリコン層の上に形成され、蛍光X線分析のためのX線受光面を備えたX線受光素子であって、
    前記半導体集積回路が存しない前記シリコンの領域にドーパントが注入されて形成されたドープ層と、当該ドープ層の表面に形成され、金属がシリコンと異なる化合比で化合している複数種類のシリサイドからなるシリサイド層とを備え、
    前記X線受光面は、前記シリサイド層の上面であり、
    前記X線受光面の大きさが、蛍光X線分析に用いられる一次X線の照射スポットの大きさよりも大きい、X線受光素子。
  21. 少なくとも表面にシリコン層を有し半導体集積回路が形成された基板の当該シリコン層の上に形成され、蛍光X線分析のためのX線受光面を備えたX線受光素子であって、
    前記半導体集積回路が存しない前記シリコンの領域に形成されたシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜と、当該シリコン酸化膜又は当該シリコン窒化膜の上に形成されたポリシリコン層又はアモルファスシリコン層に、ドーパントが注入されて形成されたドープ層と、当該ドープ層の表面に形成され、金属がシリコンと異なる化合比で化合している複数種類のシリサイドからなるシリサイド層とを備え、
    前記X線受光面は、前記シリサイド層の上面であり、
    前記X線受光面の大きさが、蛍光X線分析に用いられる一次X線の照射スポットの大きさよりも大きい、X線受光素子。
  22. 前記金属は、高融点金属元素を含んでいる、請求項19から21のいずれか一つに記載のX線受光素子。
  23. 前記金属は、チタン、コバルト、ニッケル、白金からなる群より選択された1又は2以上のものからなる、請求項19から21のいずれか一つに記載のX線受光素子。
  24. 前記ドーパントは、ホウ素、リン、砒素、ゲルマニウム、アンチモンおよびインジウムからなる群より選択された1又は2以上のものである、請求項20又は21に記載のX線受光素子。
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