JP2024509400A - コーティングにおける化学元素の含有量を測定する方法 - Google Patents

コーティングにおける化学元素の含有量を測定する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、第1の化学元素をまた含む基板に塗布された前述の第1の化学元素を含むコーティングにおける前述の第1の化学元素の含有量を測定する方法であって、それによって、前述の第1の化学元素の含有量は、コーティングにおける前述の第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比、並びに基板における前述の第1の化学元素の含有量に対する前述の第2の化学元素の含有量の比を測定することによって決定され、それによって更に、コーティング及び基板の両方における第1の化学元素の含有量は、コーティング及び基板の両方における第2の化学元素の含有量と異なり、好ましくはこれより高く、更に、コーティングにおける前述の第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比は、基板における前述の第1の化学元素の含有量に対する前述の第2の化学元素の含有量の比と異なる方法に関する。

Description

本発明は、第1の化学元素をまた含む基板に塗布された前述の第1の化学元素を含むコーティングにおける前述の第1の化学元素の含有量を測定する方法であって、それによって、前述の第1の化学元素の含有量は、コーティングにおける前述の第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比、並びに基板における前述の第1の化学元素の含有量に対する前述の第2の化学元素の含有量の比を測定することによって決定され、それによって更に、コーティング及び基板の両方における第1の化学元素の含有量は、コーティング及び基板の両方における第2の化学元素の含有量と異なり、好ましくはこれより高く、更に、コーティングにおける前述の第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比は、基板における前述の第1の化学元素の含有量に対する前述の第2の化学元素の含有量の比と異なる方法に関する。
2019年には、世界中で約20億本の車両用スチールコード強化タイヤが生産されると予測されている。スチールコード自体は、真鍮のコーティングでコーティングされたスチールフィラメントで作られている。スチールと真鍮は、環境及び人間の健康に対して比較的無害である。
しかしながら、スキムコンパウンド(skim compound)とスチールコードの間の接着を安定させるために、タイヤメーカーは、カーボンブラック、硫黄、促進剤、オイル、酸化防止剤、活性化剤などの他の添加剤等に加えて、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト又はデカン酸ホウ素コバルト錯体などの、コバルト系有機塩をゴムに加えている。これらのコバルト系有機塩の中には、発がん性が疑われているものがあり、更により使用が制限されるものがある。
従って、例えば、国際公開第2020/156967号パンフレットでは、コバルトを含まないコーティングを使用することによって、タイヤに使用されているコバルトを完全に除去することが検討されており、特に、鉄を豊富に含む真鍮コーティングは、完全にコバルトを含まないゴムを使用する場合の一般的なエージング試験において良好な初期接着と接着保持を可能にする。
しかしながら、コーティングとその下のスチール基板の両方に鉄が含まれる可能性があるため、このようなコーティングの品質を保証することは困難であり、その結果、コーティングの鉄含有量に関する測定は、スチール基板からの鉄によって妨げられる又は偏る可能性がある。
従って、特に例えば、基板から生じる偏向及び/又は影響を最小限に抑えるために、国際公開第2020/156967号パンフレットで提案されているようなコーティング、即ち、第1の化学元素をまた含む基板に塗布された前述の第1の化学元素を含むコーティングの品質及び/又は組成を容易に、効率的且つ確実に保証するための新しい測定方法が必要である。
発明者らは、従来技術に関連する問題を克服するという課題を自ら設定した。本発明の主な目的は、第1の化学元素をまた含む基板に塗布された前述の第1の化学元素を含むコーティングにおける前述の第1の化学元素の含有量の容易であり効率的な及び/又は信頼性の高い測定を可能にすることである。従って、本発明は、例えば、基板から生じる偏向及び/又は影響を最小限に抑えることを特に可能にすることができる。
従って、本発明は、第1の化学元素をまた含む基板に塗布された前述の第1の化学元素を含むコーティングにおける前述の第1の化学元素の含有量を測定する方法であって、それによって前述の第1の化学元素の含有量は、コーティングにおける前述の第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比、並びに基板における前述の第1の化学元素の含有量に対する前述の第2の化学元素の含有量の比を測定することによって決定され、それによって更に、コーティング及び基板の両方における第1の化学元素の含有量は、コーティング及び基板の両方における第2の化学元素の含有量と異なり、好ましくはこれより高く、更に、コーティングにおける前述の第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比は、基板における前述の第1の化学元素の含有量に対する前述の第2の化学元素の含有量の比と異なる方法に関する。従って、本発明の意味における決定された/決定又は測定された/測定は、例えば、推定されること、特に、既知の/供給された値に基づいて、且つ/又はいくつかの測定された実験値に対する回帰実行(regression run)に基づいて推定されることも意味し得る。
従って、例えば、湿式伸線又は乾式伸線工程など、コーティング及び基板が工程又は処理を受ける場合、上記の問題は更に増大し、化学元素、特に例えば、第1の化学元素、好ましくは例えば、鉄が、基板からコーティングに移動することをもたらす、又はこれに寄与する可能性があり、或いは化学元素を含む、基板の露出を増加させることをもたらす、且つ/又はこれに寄与する可能性があり、且つ/又は第1の化学元素を含む、塗布されたコーティングの少なくとも部分的な一部の除去をもたらす、又はこれに寄与する可能性がある。従って、本発明の一実施形態では、基板に塗布されたコーティングは、本発明による方法による測定の前に湿式伸線工程又は乾式伸線工程を受けていることができる。従って、一方では化学元素、特に第1の化学元素、好ましくは例えば、鉄が、基板から部分的にコーティングに移動し、且つ/又はそのような工程でますます露出される可能性があるため、且つ/又は他方では、化学元素、特に第1の化学元素、好ましくは例えば、鉄をまた含む塗布されたコーティングの一部が、少なくとも部分的に除去される可能性があるため、これにより、測定が更により困難になる可能性がある。これらの異なる及び/又は拮抗的な効果により、コーティングでの本発明の意味における第1の化学元素の含有量を予測、推定、又は測定することが非常に困難になる。本発明によれば、基板に適用されるコーティングは、コーティングされた基板とも呼ばれることができる。
本発明の一実施形態では、第1の化学元素は、鉄であり得、且つ/又は第2の化学元素は、マンガン、クロム、シリコン、バナジウム、タングステン、ニッケル、モリブデン、アルミニウム、リン、硫黄、窒素又は銅から選択されることができ、好ましくは、第2の化学元素は、マンガン又はシリコンであり、且つ/又は基板は、スチールであり得る。
本発明の一実施形態では、コーティングにおける第1の化学元素の含有量は、コーティングにおける第1の化学元素の測定含有量、第2の化学元素の測定含有量、及び以下から選択される第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の一方又は両方の比を使用することによって決定され:
-(E2/E1)堆積:コーティングにおける第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比、
-(E2/E1)基板:基板における第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比、
及び/又はそれによって、コーティングにおける第1の化学元素の含有量は、次の式によって決定される:
Figure 2024509400000001

(式中、E1コーティングは、コーティングの第1の化学元素の関連含有量であり、E1totは、コーティングと基板の第1の化学元素の合計測定含有量を表し、これは、全ての溶解工程で決定される含有量を合計することで得られることができ、(E2/E1)基板は、基板における第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比を表し、E2totは、コーティングと基板の第2の化学元素の合計測定含有量であり、これは、全ての溶解工程で決定される含有量を合計することによって得られることができ、(E2/E1)堆積は、コーティングにおける第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比を表す)。基板における第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比(E2/E1)基板は、例えば、最後の溶解工程から得られた溶液の測定によって決定され得る。従って、溶解工程は、不動態化工程又は腐食工程であり得る。従ってまた、対応する比(E2/E1)基板は、特に例えば、基板の供給者によって示されるように、例えば、コーティングのない裸の基板において塗布された1つ以上の溶解工程から得られた溶液に対して実施される測定によって決定され得る、又は基板組成に基づいて推定され得る。同様に、コーティングにおける第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比(E2/E1)堆積は、特に例えば、湿式伸線工程の前に、対応する半生成物に塗布される1つ以上の溶解工程から得られた溶液に対して実施される測定によって決定され得る。従って特に、本発明の意味における半生成物は、化学元素、特に第1の化学元素の、基板からコーティングへの拡散をもたらす、又はこれに寄与する可能性があり、且つ/又は第1の化学元素を含む、基板の露出の増加をもたらす、又はこれに寄与する可能性があり、且つ/又は第1の化学元素を含む、塗布されたコーティングの少なくとも部分的な一部の除去をもたらす、又はこれに寄与する可能性がある工程及び/又は処理をまだ受けていない、基板及びコーティングを含む生成物であり得る。結果、従って、半生成物は、本発明による方法で分析される基板に塗布されるコーティングの前駆体であり得る。従って、半生成物は、例えば、
a.基板を提供する工程、
b.前述のものをコーティングを用いてコーティングする工程、
c.前述のコーティングされた中間基板を熱処理にかける工程
によって、生成されることができる。従って、対応する半生成物は、基板からコーティングへの第1の化学元素の拡散をもたらす、又はこれに寄与する可能性がある工程、及び/又は第1の化学元素を含む、基板の露出の増加をもたらす、又はこれに寄与する可能性がある工程、及び/又は第1の化学元素を含む、塗布されたコーティングの少なくとも部分的な一部の除去をもたらす、又はこれに寄与する可能性がある工程に更に供されることができる。このような工程は、特に例えば、湿式伸線工程又は乾式伸線工程であり得、これによって本発明によるコーティングされた基板が得られる。
本発明の更なる実施形態では、鉄含有量は、例えば、少なくとも1つの溶解工程を実施し、次の式を使用することによって決定され得る:
Figure 2024509400000002

(式中、更に、Feコーティングは、コーティングの鉄含有量を表し、Fetotは、スチール基板とコーティングの合計測定鉄含有量を表し、これは、全ての溶解工程で決定される鉄含有量を合計することで得られ得、(Mn/Fe)スチールは、スチール基板の鉄(Fe)含有量に対するマンガン(Mn)含有量の比を表し、以下に対応し得る:
-(Mn/Fe)スチール+真鍮溶解:同じ元素を同じ量で含むが、同じ基板に塗布された第1の化学元素を含まないコーティングにおいて、第1の溶解工程、好ましくは第1の不動態化工程で測定されたFe含有量に対するMn含有量の比、
-(Mn/Fe)溶解:コーティングのない裸の基板において不動態化又は非不動態化環境で測定された(即ち、実施された溶解工程で決定された)Fe含有量に対するMn含有量の比、これは、基板を1つ以上の溶解工程に供することによって決定され得る、或いは、特に例えば、基板の供給者から提供された、基板の組成に基づいて推定され得る。
式中更に、Mntotは、スチール基板とコーティングの合計測定マンガン含有量を表し、これは、全ての溶解工程で決定されるマンガン含有量を合計することによって得られることができ、
(Mn/Fe)堆積は、コーティングの鉄含有量に対するコーティングのマンガン含有量の比を表し、例えば、これは、特に例えば、湿式伸線工程の前に、対応する半生成物に塗布される1つ以上の溶解工程から得られた溶液に対して実施される測定によって決定され得る)。
Fetotの一部としてコーティングの合計測定鉄含有量は、鉄含有量に対するマンガン含有量の最後に測定された比が、スチール基板の鉄含有量に対するマンガン含有量の比の、±50%、好ましく40%、更に好ましくは±30%、更に好ましくは±20%、更に好ましくは±15%の範囲内になるまで、1つ以上の溶解工程を実施することによって決定され得る。従って、スチール基板における鉄含有量に対するマンガン含有量の比(Mn/Fe)スチールは、試料調製、特に実施される溶解工程によって影響を受ける可能性があり、且つ/又は、好ましくは、最後の溶解工程で得られた溶液の測定によって決定され得る。従って、対応する比(Mn/Fe)スチールは、測定によって決定され得る、又はスチールの組成に基づいて推定され得る。同様に、コーティングにおける鉄含有量に対するマンガン含有量の比(Mn/Fe)堆積は、好ましくは、特に例えば、湿式伸線工程の前に、対応する半生成物に塗布される1つ以上の溶解工程から得られた溶液に対して実施される測定によって決定され得る。同じ元素を同じ量で含むが、同じ基板に塗布された第1の化学元素を含まないコーティングにおいて第1の溶解工程で、好ましくは第1の不動態化工程で測定されたFe含有量に対するMn含有量の比(Mn/Fe)スチール+真鍮溶解は、同じ元素を同じ量で含むが、同じ基板に塗布されたFeを含まない真鍮コーティングを有する基板において実施される第1の不動態化工程で得られた溶液の測定によって決定されることができる。コーティングのない裸の基板において不動態化又は非不動態化環境で測定された(即ち、実施された溶解工程で決定された)Fe含有量に対するMn含有量の比(Mn/Fe)溶解は、おそらく例えば、対応する工程からの溶液の測定によるスチール基板の完全な溶解後、特に例えば、コーティングのない裸の基板において実施された1つ以上の溶解工程を使用することによって得られることができ、或いは、特に例えば、基板の供給者によって提供される、スチール基板の組成に基づいて推定されることができる。
従って、不動態化環境は、特に例えば、不動態化工程である溶解工程によって達成され得る。一方従って、非不動態化環境は、特に例えば、腐食工程である溶解工程によって達成され得る。
本発明の更なる実施形態では、従って、鉄含有量に対するマンガン含有量の最終測定比が、スチール基板の鉄含有量に対するマンガン含有量の比の、±50%、好ましくは±40%、更に好ましくは±30%、更に好ましくは±20%、更に好ましくは±15%の範囲内にある場合に、更なる溶解工程は、好ましくは実施されることができず、且つ/又はそうでない場合には、更なる溶解工程が実施される。
本発明の更なる実施形態では、鉄含有量は、例えば、コーティングされたスチールを1回又は好ましくは2回以上、更に好ましくは1~10回、更により好ましくは1~6回の溶解工程、更により好ましくは1回の溶解工程に供することによって決定され得る。
本発明の更なる実施形態では、鉄含有量は、例えば、n>1でn回の溶解工程を実施し、次の式を使用することによって決定され得る:
Figure 2024509400000003

(式中、更に、Feコーティングは、めっきされたコーティングの鉄含有量を表し、Feは、第1の不動態化工程で決定された鉄の量を表し、(Mn/Fe)スチール+真鍮溶解は、同じ元素を同じ量で含むが、同じ基板に塗布された第1の化学元素を含まないコーティングにおける第1の工程、好ましくは第1の不動態化工程で測定されたFe含有量に対するMn含有量の比を表し、Mnは、第1の不動態化工程で決定されたマンガンの量を表し、(Mn/Fe)堆積は、コーティングの鉄含有量に対するコーティングのマンガン含有量の比を表し、これは、特に例えば、湿式伸線工程の前に、対応する半生成物に塗布される1つ以上の溶解工程から得られた溶液において実施される測定によって決定され得、Fe(i)は、溶解工程iで決定された鉄の量を表し、(Mn/Fe)溶解は、コーティングのない裸の基板において不動態化又は非不動態化環境で測定された(即ち、実施された溶解工程で決定された)Fe含有量に対するMn含有量の比を表し、Mn(i)は、溶解工程iで決定されたマンガンの量を表す)。上述の比は、再度、本明細書で説明されるように、測定、特に対応する溶液の測定によって決定されることができ、又は推定されることができる。従って、(Mn/Fe)溶解は、おそらく例えば、対応する工程からの溶液の測定によるスチール基板の完全な溶解後、特に例えば、コーティングのない裸の基板において実施される1つ以上の溶解工程を使用することによって得られることができ、又は、特に例えば、基板の供給者によって提供される、スチール基板の組成に基づいて推定されることができる。
本発明の更なる実施形態では、Mn/Fe堆積の値<0.1%、好ましくは<0.04%、好ましくは<0.02%又は<0.01%は、例えば、上記の式において0で置き換えることができる。
本発明の更なる実施形態では、鉄含有量は、例えば、n>1でn回の溶解工程を実施し、次の式を使用することによって決定され得る:
Figure 2024509400000004

(式中、更に、Feコーティングは、コーティングの鉄含有量を表し、Feは、第1の不動態化工程で決定された鉄の量を表し、(Mn/Fe)堆積は、コーティングの鉄含有量に対するコーティングのマンガン含有量の比を表し、Fe(i)は、溶解工程iで決定された鉄の量を表し、(Mn/Fe)溶解は、コーティングのない裸の基板において不動態化又は非不動態化環境で測定された(即ち、実施された溶解工程で決定された)Fe含有量に対するMn含有量の比を表し、Mn(i)は、溶解工程iで決定されたマンガン含有量を表す)。従って、上記の方法及び式は、溶解工程の期間が短い場合、特に例えば、>10分~40分の場合、及び/又は溶解工程の数が少ない場合、特に例えば、1つ又は2つの溶解工程が実施される場合、好ましくは適用可能であり得る。上述の比は、再度、測定によって、特にスチール基板の溶解時の測定によって決定され得る、又は推定され得る。従って、(Mn/Fe)溶解は、おそらくは例えば、対応する工程から、溶液の測定によるスチール基板の完全な溶解後、特に例えば、コーティングのない裸の基板において実施される1つ以上の溶解工程を使用することによって得られることができる。(Mn/Fe)溶解はまた、特に例えば、基板の供給者によって提供される、スチール基板の組成に基づいて推定されることができる。従って、コーティングの鉄含有量に対するコーティングのマンガン含有量の比(Mn/Fe)堆積は、特に、好ましくは湿式伸線工程の前に、半生成物に関して測定又は決定され得る。従って、半生成物は、例えば、
d.スチール基板を提供する工程、
e.前述のスチール基板を銅、鉄及び亜鉛で電解コーティングする工程、
f.前述の銅-鉄-亜鉛でコーティングされた中間スチール基板を熱処理
にかけて、少なくとも420℃、530℃未満の温度で銅中に亜鉛を拡散させ、鉄粒子が豊富な真鍮コーティングを有する中間スチール基板を得る工程によって、生成されることができる。従って、対応する半生成物は、例えば、湿式伸線工程に更に供されることができ、これによって本発明による方法を使用して分析される基板に塗布されたコーティングが得られる。更に、コーティングのない裸の基板は、特に例えば、いかなるコーティングもない裸の基板を意味することもできる。
本発明の更なる実施形態では、スチールは、例えば、スチールコードの形態であり得、且つ/又はコーティングは、真鍮を含み、且つ/又はコーティングは、鉄に富んだ真鍮であり得、好ましくは、銅、亜鉛及び鉄を含み、更に好ましくは、コーティングは、平均>55重量%、好ましくは>60重量%、より好ましくは>62重量%、更により好ましくは>63.0重量%の銅、1~10重量%の鉄、好ましくは2~6重量%の鉄、及びその残部の亜鉛を含む。
本発明の更なる実施形態では、各溶解工程は、不動態化工程又は腐食工程であり得、且つ/又は不動態化工程は、特に例えば、コーティングを剥離し基板を不動態化できる剥離液を使用すること、好ましくはアンモニア/過硫酸アンモニウム溶液、更に好ましくは水の添加により1リットルになる16gの(NH及び120mLのNH(25重量%)を含む溶液を使用することを含み得、且つ/又は、腐食工程は、特に例えば、水及び/又は酸性溶液を使用することができる。従って、コーティングされたスチール基板は、例えば、超音波下で、好ましくは第1の溶解工程において実施される不動態化工程に供されることができる。更に、不動態化工程は、腐食条件への曝露を回避及び/又は反転させることによって達成することができる。従って、腐食条件は、化学反応又はプロセスによる材料の浸食につながる条件であり得る。一方、腐食工程は、腐食条件に曝されることによって達成されることができる。いくつかの実施形態では、コーティングされた基板を不動態化又は腐食工程に供して得られる溶液に酸又は酸溶液を加えて、そのような溶液における粒子の溶解を助けることに寄与することができる。
本発明の更なる実施形態では、化学元素、特に鉄及びマンガンの含有量は、誘導結合プラズマ分光法、好ましくは、誘導結合プラズマ発光分光法、又は誘導結合プラズマ質量分析法、又は紫外可視分光法、又は液体クロマトグラフィーと質量分析法の組み合わせ、又は蛍光X線分光法、又は原子吸光分光法によって決定される。或いは、化学元素の含有量を測定する他の適切な手段又は方法を使用することもできる。
本発明の更なる実施形態では、各溶解工程は、例えば超音波下、好ましくは超音波浴中で、5~480分の期間、好ましくは10~90分間、更に好ましくは10~70分間、より更に好ましくは>10~40分実施されることができ、且つ/又はこれより、各溶解工程は、0~80℃、好ましくは5~60℃、更に好ましくは10~40℃の温度で実施されることができ、且つ/又はこれより、各溶解工程は、超音波下、好ましくは超音波浴中、20~100kHz、更に好ましくは25~80kHzの周波数で実施され得る。
本発明の更なる実施形態では、少なくとも1つの不動態化工程は、1つ以上の制御された腐食工程の前に実施される。従って、第1の溶解工程は、例えば不動態化工程であることが好ましくあり得る。加えて、1つ以上の腐食工程は、任意であり得る。更に、少なくとも1つの腐食工程に続く全ての溶解工程は、更なる腐食工程であることが好ましくあり得る。
本発明の更なる実施形態では、コーティングは、例えば、好ましくは、下にあるスチールに到達すること(access)を可能にし、且つ/又は好ましくは>95重量%、更に好ましくは>97重量%の真鍮を含む、真鍮に富んだ領域を含み、且つ/又は好ましくは>95重量%、更に好ましくは>97重量%の鉄を含む、鉄に富んだ粒子を含むという点で、不均一であり得る。
実施例1
半生成物に塗布される、平均組成が63.5重量%のCu及びその残部がZnである真鍮コーティングを有するスチール基板の試料A並びに平均組成が64重量%のCu及び4重量%のFe及びその残部がZnであるコーティングを有するスチールコードの試料Bを調製した。試料A及びBは、湿式伸線工程を使用して得られた。
試料A及びBを細かく切断し、各試料1.0gを電子天秤にて秤量した。秤量した試料を試験管に入れ、20mlの剥離液を試験管に加えた。従って、試料全体が浸されることが重要である。必要に応じて、適切な直径の試験管を選択することでこれを実現できる。
これより、600mlのビーカーに16gの過硫酸アンモニウムを加え、400mlの超純水に溶解することによって1Lの剥離液を調製することができる。次いで、400mlの溶液を1000mlのメスフラスコに定量的に移し、その後、120mlのアンモニア溶液(25重量%)をメスフラスコに加える。次いで、メスフラスコを更に超純水で1Lの目盛りまで満たして剥離液を得る。
試験管をステンレスバスケットに入れ、次いで、高性能研究用超音波洗浄槽(例えば、Fisherbrand FB11209の名称で、Thermo Fisher ScientificのFisherscientific partにより供給される)に60分間曝す。超音波洗浄器のパラメータには、以下が含まれる。
周波数:37kHz
出力:100%
モード:パルス
これより、温度を20~40℃に保つことができる。
超音波処理後、得られた溶液を漏斗を介して200mlのメスフラスコに移す。次いで、5mlの37重量%のHClをメスフラスコに加える。更に、各試験管に約20mlの超純水を加えて各試料を濯ぐ。濯ぎ水もメスフラスコに加える。濯ぎプロセスは、チューブ内の濯ぎ水が視覚的に透き通るまで(即ち、透明になるまで)更に20mlずつで続けられる。次いで、試料を試験管から取り出し、5mlの37重量%のHClを試験管に加えて、試験管の壁を酸で濯ぐ。得られた溶液もメスフラスコに移す。最後に、必要に応じて、200mlの等級目盛り(grade mark)に達するまで超純水を加える。
次いで、メスフラスコ内の溶液におけるFe(mg/l)とMn(mg/l)の濃度が、ICP-OES(誘導結合プラズマ発光分光法)によって決定される。
コードkgあたりのコーティングにおけるFe(mg)の計算は、式1、2、及び3によって実施される。
Figure 2024509400000005

Feフラスコ:ICP-OESによって決定されるメスフラスコ内のFe濃度、mg/l、
Mnフラスコ:ICP-OESによって決定されるメスフラスコ内のMn濃度、mg/l、
フラスコ体積:フラスコの体積(200ml)、ml、
試料重量:試料の重量、g、
Fetot:式1に基づいて計算されたコードkgあたりの合計測定Fe(mg)、mg/kg、
Mntot:式2に基づいて計算されたコードkgあたりの合計測定Mn(mg)、mg/kg、
Figure 2024509400000006

:スチール基板におけるFeに対するMnの比、この場合、即ち、供給者によって提供される既知のスチール組成に基づく試料AとBの両方で0.0052、
Figure 2024509400000007

:湿式伸線工程前のそれぞれの半生成物のコーティングにおけるFeに対するMnの比、即ち、試料AとBでそれぞれ0.0146と0.0006、
Feコーティング:式3に基づいて計算された試料kgあたりのコーティングにおけるFeの重量(mg)。
表1は、2つの試料A及びBのデータをそれぞれ3回測定したデータを示す。試料Aについては、理論上のFeコーティングは、0mg/kgである必要があり、決定結果(determination)は、実際に0に近い値になり、本発明の方法がスチール基板からのFeとコーティングからのFeをうまく区別したことを示している。試料Bでは、3つの測定値の決定されたFeコーティングは、ほとんど変動を示さず、0とは大きく異なる。
Figure 2024509400000008
実施例2
1g+/-0.05に相当する2つの試験片C及びDを切り取り、試験管に入れる。並行して、複数のフラスコ(100ml)を、10mlの37重量%のHCl及び5mlの内部標準溶液を加えることによって更に使用するために調製し、これは、例えば、任意の測定値のずれの可能性を特定するのに役立ち得る3体積%のHNO中に50ppmのスカンジウムを含む溶液などであり得る。
同じパラメータを備えた同じ高性能研究用超音波洗浄槽(上記の実施例1を参照)を使用し、これより、バス温度は、30~40℃の間に制御する必要がある。
10mlの同じ剥離液(上記の実施例1を参照)を試験管に加える。試験管を超音波浴中で20分間処理する。その後、溶液を定量的にフラスコに移し、試料自体を漏斗内にて超純水で十分に濯ぎ、これより、濯ぎ水もフラスコに移す。次いで、試料CとDを試験管に戻す。フラスコを室温で恒温状態にし、十分な時間(約30~40分)が経過した後、超純水で目盛りまで満たす(以下の表2の溶液C及びDになる)。
前の試料溶液をフラスコに移した直後に、試料Cをもう一度10mlの剥離液で処理し、腐食性環境への暴露がなく又は最小限に抑えて、不動態化工程である溶解工程を実施する。次いで、試験管を再度超音波槽に入れ、20分間超音波処理にかける。その後、溶液を新しいフラスコに定量的に移し、試料自体を、漏斗内にて超純水で十分に濯ぐ。次いで、試料を試料容器に戻す。フラスコを室温で恒温状態にし、十分な時間が経過した後、超純水で目盛りまで満たす。次いで、この手順を試料Cに対して更に2回繰り返して、不動態化工程である合計3つの溶解工程を実施する(以下の表2の溶液C1~C3になる)。
一方、試料Dについては、段落[0048]に従って先の試料溶液をフラスコに移した直後に、試料Dを5mlの超純水で処理する。次いで、試料を1時間放置する。その後、10mlの剥離液を加えて、腐食工程である溶解工程を実施する。次いで、試験管を再度超音波槽に入れ、20分間超音波処理にかける。その後、溶液を新しいフラスコに定量的に移し、試料自体を漏斗内にて超純水で十分に濯ぎ、これより、濯ぎ水もフラスコに移す。次いで、コード試料を試料試験管に戻す。フラスコを恒温状態に置き、十分な時間が経過した後、超純水で目盛りまで満たす。次いで、この手順を試料Dに対して更に2回繰り返して、腐食工程である合計3つの溶解工程を実施する(以下の溶液D1~D3になる)。
試料Cの溶液に対するICP-OESによって決定された結果を以下の表2に示す。
Figure 2024509400000009
Feコーティングは、これより、以下の通り決定されることができる。
Figure 2024509400000010
Feコーティングは、これより、めっきされたコーティングの鉄含有量を表す。Feは、第1の不動態化工程で、従ってここでは溶液Cに対するICP-OESによって決定された鉄の量を表す。(Mn/Fe)スチール+真鍮溶解は、[0048]に記載されている第1の不動態化工程で得られた溶液に対するICP-OESによって以下の式4に基づいて推定される、同じ元素を同じ量含むが、同じ基板に塗布されたFeを含まない真鍮コーティングにおけるFe含有量に対するMn含有量の比を表す。Mnは、第1の不動態化工程で、従ってここでも溶液Cに対するICP-OESによって決定されたマンガンの量を表す。(Mn/Fe)堆積は、湿式伸線工程の前に、対応する半生成物において上記の[0048]で記載された1つの不動態化工程を実施することによって得られた溶液に対するICP-OESによって決定されたコーティングの鉄含有量に対するコーティングのマンガン含有量の比を表す。Fe(i)は、溶解工程iで決定された鉄の量を表し、溶液C1~C3についてICP-OESによって決定された値に対応し、上記の式を考慮して合計できる。(Mn/Fe)溶解は、コーティングのない裸の基板において不動態化又は非不動態化環境で測定された(即ち、実施された溶解工程で決定された)Fe含有量に対するMn含有量の比を表し、以下の表4に示されているように試料Cについて決定される。或いは、(Mn/Fe)溶解はまた、スチール基板のスチール組成に基づいて推定されることができる。Mn(i)は、不動態化工程iで決定されたマンガンの量を表し、再度、溶液C1~C3についてICP-OESによって決定された値に対応し、上記の式を考慮して合計できる。
或いは、Feコーティングはまた、以下の通り決定されることができる。
Figure 2024509400000011
Feコーティングは、コーティングの鉄含有量を表す。Feは、第1の不動態化工程で、従ってここでは溶液Cに対するICP-OESによって決定された鉄の量を表す。(Mn/Fe)堆積は、湿式伸線工程の前に、対応する半生成物において上記の[0048]で記載された1つの不動態化工程を実施することによって得られた溶液に対するICP-OESによって決定されたコーティングの鉄含有量に対するコーティングのマンガン含有量の比を表す。Fe(i)は、溶解工程iで決定された鉄の量を表し、溶液C1~C3についてICP-OESによって決定された値に対応し、上記の式を考慮して合計できる。(Mn/Fe)溶解は、コーティングのない裸の基板において不動態化又は非不動態化環境で測定された(即ち、実施された溶解工程で決定された)Fe含有量に対するMn含有量の比を表し、以下の表4に示されているように試料Cについて決定される。或いは、(Mn/Fe)溶解はまた、スチール基板のスチール組成に基づいて推定されることができる。Mn(i)は、不動態化工程iで決定されたマンガンの量を表し、溶液C1~C3についてICP-OESによって決定された値に対応し、上記の式を考慮して合計できる。
試料Dの溶液に対するICP-OESによって決定された結果を以下の表3に示す。
Figure 2024509400000012
Feコーティングは、これより、以下の通り決定されることができる。
Figure 2024509400000013
Feコーティングは、これより、めっきされたコーティングの鉄含有量を表す。Feは、第1の不動態化工程で、従ってここでは溶液Dに対するICP-OESによって決定された鉄の量を表す。(Mn/Fe)スチール+真鍮溶解は、[0048]に記載されている第1の不動態化工程で得られた溶液に対するICP-OESによって以下の式4に基づいて推定される、同じ元素を同じ量で含むが、同じ基板に塗布されたFeを含まない真鍮コーティングにおけるFe含有量に対するMn含有量の比を表す。Mnは、第1の不動態化工程で、従ってここでも溶液Dに対するICP-OESによって決定されたマンガンの量を表す。(Mn/Fe)堆積は、湿式伸線工程の前に、対応する半生成物において上記の[0048]で記載された1つの不動態化工程を実施することによって得られた溶液に対するICP-OESによって決定されたコーティングの鉄含有量に対するコーティングのマンガン含有量の比を表す。Fe(i)は、溶解工程iで決定された鉄の量を表し、溶液D1~D3についてICP-OESによって決定された値に対応し、上記の式を考慮して合計できる。(Mn/Fe)溶解は、コーティングのない裸の基板において不動態化又は非不動態化環境で測定された(即ち、実施された溶解工程で決定された)Fe含有量に対するMn含有量の比を表し、以下の表4に示されているように試料Dについて決定される。或いは、(Mn/Fe)溶解はまた、スチール基板のスチール組成に基づいて推定されることができる。Mn(i)は、不動態化工程iで決定されたマンガンの量を表し、溶液D1~D3についてICP-OESによって決定された値に対応し、上記の式を考慮して合計することができる。
或いは、Feコーティングはまた、以下の通り決定されることができる。
Figure 2024509400000014
Feコーティングは、コーティングの鉄含有量を表す。Feは、第1の不動態化工程で、従ってここでは溶液Dに対するICP-OESによって決定された鉄の量を表す。(Mn/Fe)堆積は、湿式伸線工程の前に、対応する半生成物において上記の[0048]で記載された1つの不動態化工程を実施することによって得られた溶液に対するICP-OESによって決定されたコーティングの鉄含有量に対するコーティングのマンガン含有量の比を表す。Fe(i)は、溶解工程iで決定された鉄の量を表し、溶液D1~D3についてICP-OESによって決定された値に対応し、上記の式を考慮して合計できる。(Mn/Fe)溶解は、コーティングのない裸の基板において不動態化又は非不動態化環境で測定された(即ち、実施された溶解工程で決定された)Fe含有量に対するMn含有量の比を表し、以下の表4に示されているように試料Dについて決定される。或いは、(Mn/Fe)溶解はまた、スチール基板のスチール組成に基づいて推定されることができる。Mn(i)は、不動態化工程iで決定されたマンガンの量を表し、溶液D1~D3についてICP-OESによって決定された値に対応し、上記の式を考慮して合計することができる。
これより、比の一部は、以下の表4に示されるように推定又は決定された。
Figure 2024509400000015
Figure 2024509400000016

式4
式4は、これより、スチール基板に塗布されたC及び/又はD(ただし鉄は含まず)と同じ量で同じ元素を含む真鍮コーティングにおいて少なくとも2つの溶解工程と少なくとも1つの腐食工程を実施することによって得られた溶液についてICP-OESによって得られたいくつかの値に対する回帰実行に基づいて推定される。

Claims (15)

  1. 第1の化学元素をまた含む基板に塗布された前記第1の化学元素を含むコーティングにおける前記第1の化学元素の含有量を測定する方法であって、前記第1の化学元素の含有量は、前記コーティングにおける前記第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比、並びに前記基板における前記第1の化学元素の含有量に対する前記第2の化学元素の含有量の比を測定することによって決定され、更に、前記コーティング及び前記基板の両方における前記第1の化学元素の含有量は、前記コーティング及び前記基板の両方における前記第2の化学元素の含有量と異なり、更に、前記コーティングにおける前記第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比は、前記基板における前記第1の化学元素の含有量に対する前記第2の化学元素の含有量の比と異なる方法。
  2. 前記コーティング及び前記基板の両方における前記第1の化学元素の含有量は、前記コーティング及び前記基板の両方における前記第2の化学元素の含有量より高く、且つ/又は、前記第1の化学元素は、鉄であり、且つ/又は前記第2の化学元素は、マンガン、クロム、シリコン、バナジウム、タングステン、ニッケル、モリブデン、アルミニウム、リン、硫黄、窒素又は銅から選択されることができ、好ましくは、前記第2の化学元素は、マンガン又はシリコンであり、且つ/又は前記基板は、スチールである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記コーティングにおける前記第1の化学元素の含有量は、前記コーティングにおける前記第1の化学元素の測定含有量、前記第2の化学元素の測定含有量、及び以下から選択される前記第1の化学元素の含有量に対する前記第2の化学元素の含有量の一方又は両方の比を使用することによって決定され:
    -(E2/E1)堆積:前記コーティングにおける前記第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比、
    -(E2/E1)基板:前記基板における前記第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比、
    且つ/又は、前記コーティングにおける前記第1の化学元素の含有量は、次の式によって決定される:
    Figure 2024509400000017

    (式中、E1コーティングは、前記コーティングの前記第1の化学元素の関連含有量であり、E1totは、試料調製後の前記コーティングと前記基板の前記第1の化学元素の合計測定含有量を表し、(E2/E1)基板は、前記基板における前記第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比を表し、E2totは、試料調製後の前記コーティングと前記基板の前記第2の化学元素の合計測定含有量であり、(E2/E1)堆積は、前記コーティングにおける前記第1の化学元素の含有量に対する第2の化学元素の含有量の比を表す)、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記鉄含有量は、少なくとも1つの溶解工程を実施し、次の式を使用することによって決定される:
    Figure 2024509400000018

    (式中、更に、Feコーティングは、前記コーティングの鉄含有量を表し、Fetotは、試料調製後の前記スチール基板と前記コーティングの合計測定鉄含有量を表し、前記(Mn/Fe)スチールは、前記スチール基板の鉄含有量に対するマンガン含有量の比を表し、以下に対応し得:
    -(Mn/Fe)スチール+真鍮溶解:同じ元素を同じ量で含むが、同じ基板に塗布された第1の化学元素を含まないコーティングにおいて、第1の溶解工程、好ましくは第1の不動態化工程で測定されたFe含有量に対するMn含有量の比、
    -(Mn/Fe)溶解:コーティングのない裸の基板において不動態化又は非不動態化環境で測定された(即ち、実施された溶解工程で決定された)Fe含有量に対するMn含有量の比、
    更に、Mntotは、試料調製後の前記スチール基板と前記コーティングの合計測定マンガン含有量を表し、
    (Mn/Fe)堆積は、前記コーティングの鉄含有量に対する前記コーティングのマンガン含有量の比を表す)、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記鉄含有量は、コーティングされたスチールを1回又は好ましくは2回以上、更に好ましくは1~10回、更により好ましくは1~6回の溶解工程、更により好ましくは1回の溶解工程に供することによって決定される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記鉄含有量は、n>1でn回の溶解工程を実施し、次の式を使用することによって決定される:
    Figure 2024509400000019

    (式中、更に、Feコーティングは、めっきされたコーティングの鉄含有量を表し、Feは、前記第1の不動態化工程で決定された鉄の量を表し、(Mn/Fe)スチール+真鍮溶解は、同じ元素を同じ量で含むが、同じ基板に塗布された第1の化学元素を含まないコーティングにおける第1の工程、好ましくは第1の不動態化工程で測定されたFe含有量に対するMn含有量の比を表し、Mnは、前記第1の不動態化工程で決定されたマンガンの量を表し、(Mn/Fe)堆積は、前記コーティングの鉄含有量に対する前記コーティングのマンガン含有量の比を表し、Fe(i)は、溶解工程iで決定された鉄の量を表し、(Mn/Fe)溶解は、コーティングのない裸の基板において不動態化又は非不動態化環境で測定された(即ち、実施された溶解工程で決定された)Fe含有量に対するMn含有量の比を表し、Mn(i)は、不動態化工程iで決定されたマンガンの量を表す)、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. Mn/Fe堆積の値<0.1%、好ましくは<0.04%、好ましくは<0.02%又は<0.01%は、前記式において0で置き換えることができる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。これは、好ましくは関連する影響を結果に与えることなく、測定及び/又は計算の簡素化に貢献することができる。
  8. 前記鉄含有量は、n>1でn回の溶解工程を実施し、次の式を使用することによって決定される:
    Figure 2024509400000020

    (式中、更に、Feコーティングは、前記コーティングの鉄含有量を表し、Feは、第1の不動態化工程で決定された鉄の量を表し、(Mn/Fe)堆積は、前記コーティングの鉄含有量に対する前記コーティングのマンガン含有量の比を表し、Fe(i)は、溶解工程iで決定された鉄の量を表し、(Mn/Fe)溶解は、コーティングのない裸の基板において不動態化又は非不動態化環境で測定された(即ち、実施された溶解工程で決定された)Fe含有量に対するMn含有量の比を表し、Mn(i)は、溶解工程iで決定されたマンガン含有量を表す)、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記スチールは、スチールコードの形態であり、且つ/又は前記コーティングは、真鍮を含み、且つ/又は前記コーティングは、鉄に富んだ真鍮であり得、好ましくは、銅、亜鉛及び鉄を含み、更に好ましくは、前記コーティングは、平均>55重量%、好ましくは>60重量%、更に好ましくは>62重量%、更により好ましくは>63.0重量%の銅、1~10重量%の鉄、好ましくは2~6重量%の鉄、及びその残部の亜鉛を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 各溶解工程は、不動態化工程又は腐食工程であり得、且つ/又は不動態化工程は、前記コーティングを剥離し前記基板を不動態化できる剥離液を使用すること、好ましくはアンモニア/過硫酸アンモニウム溶液、更に好ましくは水の添加により1リットルになる16gの(NH及び120mLのNH(25重量%)を含む溶液を使用することを含み得、且つ/又は腐食工程は、水及び/又は酸性溶液を使用することができる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 化学元素、特に鉄及びマンガンの含有量は、誘導結合プラズマ分光法、好ましくは、誘導結合プラズマ発光分光法、又は誘導結合プラズマ質量分析法、又は紫外可視分光法、又は液体クロマトグラフィーと質量分析法の組み合わせ、又は蛍光X線分光法、又は原子吸光分光法によって決定される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 各溶解工程は、超音波下、好ましくは超音波浴中で、5~480分の期間、好ましくは10~90分間、更に好ましくは10~70分間、より更に好ましくは>10~40分実施され、且つ/又は各溶解工程は、0~80℃、好ましくは5~60℃、更に好ましくは10~40℃の温度で実施され、且つ/又は各溶解工程は、超音波下、好ましくは超音波浴中、20~100kHz、更に好ましくは25~80kHzの周波数で実施される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 少なくとも1つの不動態化工程は、1つ以上の制御された腐食工程の前に実施される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記コーティングは、好ましくは、下にあるスチールに到達することを可能にし、且つ/好ましくは>95重量%、更に好ましくは>97重量%の真鍮を含む、真鍮に富んだ領域を含み、且つ/又は好ましくは>95重量%、更に好ましくは>97重量%の鉄を含む、鉄に富んだ粒子を含むという点で、不均一である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 鉄含有量に対するマンガン含有量の最終測定比が、前記スチール基板の鉄含有量に対するマンガン含有量の比の、±50%、好ましくは±40%、更に好ましくは±30%、更に好ましくは±20%、更に好ましくは±15%の範囲内にある場合、更なる溶解工程が実施されない、且つ/又はそうでない場合、更なる溶解工程が実施される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
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