JP3783188B2 - 梱包用台座 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機器やガス機器などを梱包する場合にこれらを支持載置させる梱包用台座の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に電気機器やガス機器などの被梱包機器を梱包する場合においては、これらが段ボール箱の内部で動かないように、且つ落下や振動による衝撃、外部からの衝撃などから保護することを目的として種々の緩衝材と共に段ボール箱に収納して、輸送時や保管時等における機器の保護が図られてる。比較的重量がある被梱包機器の場合には、通常機器本体を台座に支持載置させ、上部に別の緩衝材を設け段ボール箱を被せて梱包する方法が採られている。
【0003】
従来の梱包用台座としては、上部が開口した段ボール製の箱体の内部に適宜形状に成型した発泡スチロールなどの発泡プラスチックを配置した構造のものが広く利用されている。発泡プラスチックは、機器を保護するための緩衝機能に優れた材料であり、しかも容易に各種機器の形状にあわせて成型することができ、梱包材への収納効率を高くできる利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、発泡プラスチックはその材質自体極めて優れた特性を有するものの、近時梱包用緩衝材として使用した後の処理の点で種々の問題点を含んでいる。例えば、回収ルートが未整備のため、家庭ゴミとして廃棄され大きな社会問題となっている。これに伴い回収時に取り扱いに手間がかかり、回収費が高くなる。また、焼却廃棄する場合には高エネルギーであることから、焼却炉の整備が必要となる点である。
【0005】
この他、発泡プラスチック製の台座は、極めて嵩高くなり輸送効率が低く、輸送費が高くなると共に保管スペースに広い場所を必要とする欠点も有していた。このようなことから、本業界においては、発泡プラスチックに代替するものとして、緩衝機能はもとより処理が簡単で組み立てが容易な段ボール製の梱包用台座が広く要望されていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は上記問題に鑑み鋭意研究の結果、本発明を成し得たものであり、その特徴とするところは、被梱包機器を支持載置させる2つの支持部材と、各支持部材を両側部に配置固定するもので底板の各辺から外側板、幅板、該被梱包機器の該支持部材の天板に接当する面と隣り合う面に接当させる内接板を順次延設したトレーとによって構成した段ボール製の台座において、該支持部材の少なくとも一は、該天板から延設され一の対向位置の両側面板を該天板側が短かいテーパー側板とし、且つ該被梱包機器に対してほぼ垂直に支持する支持片の両側に配したもので、該トレーの内接板から延設した係合片の切込に係合させる係止片を、該両テーパー側板から突出させたことにある。
【0007】
ここで、本明細書中でいう「支持部材」とは、被梱包機器を支持載置させる段ボール製部材をいう。被梱包機器としては、上述した電気機器やガス機器などの装置だけでなく、これらの部品や各種素材なども含むものとする。この支持部材は、被梱包機器を支持するものであることから、段ボール材を断面矩形状の箱体状に形成し、被梱包機器に対して垂直となる段ボール材で支持することで強度を高めている。従って、支持部材の構造としては、段ボール材の少なくとも一部が被梱包機器に対して垂直となるように配した構造のものであればどのようなものでもよく、一枚の段ボール材を折曲して形成する構造の他、複数組み合わせて形成する構造のものでもよい。
【0008】
本発明においては、少なくとも一の支持部材を一の対向する両側面板を天板側が短かくなるように傾斜させる。そして、この傾斜させたテーパー側板から係止片を突出させる。係止片はトレーの内接板から延設した係合片の切込と係合させるもので、該被梱包機器に対してほぼ垂直に支持する支持片の両側に配される。また、係止片はトレーの係合片と係合させるだけでなく、天板より上方に突出させて、トレーの内接板の補強部材としてもよい。テーパー側板の水平方向の長さは、通常、トレーの幅板の幅と大体同じ長さにする。つまり、支持部材の側面板を傾斜させるのは、トレーの係合片との係合を簡易にすることを目的とし、組み立て時に該係合片をテーパー側板の傾斜に沿わせるようにするためである。従って、一般的にはトレーの内接板の下端部とテーパー側板の上端部をほぼ同じ位置にして、テーパー側板が露出しないようにするが、露出する大きさにしても上記目的を損なうことはない。
【0009】
「トレー」とは、支持部材を両側部に配置固定し、被梱包機器の該支持部材に接当する面と隣り合う面に接当させる内接板を備えたものをいう。このトレーは底板の各辺から順次外側板、幅板、該内接板を延設した構造のもので、該内接板の一部から係合片を延設し、これを各支持部材の一部に係合させることによって固定する。係合片と支持部材との係合は、テーパー側板から突出させた係止片と係合させる他、天板に差込孔を設けて係合片を差し込むなどの方法によって行なう。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る梱包用台座1の実施の形態の一例を示すもので、電気機器やガス機器などを梱包するときの台座であって、2つの支持部材2と、これらを両側部に配置固定するトレー3とによって構成した段ボール製のものである。支持部材2は、被梱包機器Aを支持載置させるもので、トレー3の一の対向する外側板32に内接する長さとし、天板21から延設したその長さ方向に位置する両側面板を該天板21側が短かいテーパー側板22としている。そして、各テーパー側板22から係止片23を突出させている。係止片23は、支持部材2を構成するもので天板21とトレー3の底板31との間に垂直に介在させる部材である支持片24の両端部に配している。テーパー側板22は、その先端から延設した固定片25に設けた切込26を、係止片23の基部に設けた切込26に係合させて固定する。
【0012】
トレー3は、底板31の各辺から外側板32、幅板33、内接板34を順次延設した構造のものである。支持部材2のテーパー側板22が位置する側の内接板34からは、該テーパー側板22から突出させた係止片23に係合させる切込26を設けた係合片35を延設している。そして、支持部材2の側面板27側の内接板34には、該支持部材2の天板21に設けた差込孔28に差し込む差込片37を延設している。また、両側に配した2つに支持部材2の間に介在させるもので、各支持部材2の横方向の固定を行わせる嵌込片38を内接板34から延設している。
【0013】
係止片23としては、トレー3の係合片35の切込26に係合させるための機能の他、図2のように天板21より上方に突出させることにより、トレー3の内接板34の内面側に位置させるようにしてもよい。このようにすれば、被梱包機器Aが接当する部分である内接板34の強度を高めることができ、補強機能も同時に付与させることが可能となる。
【0014】
梱包用台座1を構成する各部材のブランクシートを図3(a)乃至(c)に示す。同図(a)はトレー3のブランクシートである。このトレー3の底板31の両側に同図(b)及び(c)のブランクシートで示す支持部材2を組み立てて載置させる。底板31には、このときの位置決め用としてミシン罫36を設けている。2つの支持部材2を所定位置に載置した後、先ず支持部材2のテーパー側板22側の外側板32、幅板33、内接板34を折曲する。このとき、該内接板34に延設した係合片35が、テーパー側板22の傾斜に沿って移動し、これに設けた切込26が係止片23に係合して固定される。このように、テーパー側板22に係合片35を沿わせるだけで、極めて容易に支持部材2とトレー3との連結固定を行うことができる。特に、複数の支持部材2を並べて同時に連結させる場合に、複数の支持部材2との連結位置をあまり正確に合わせることなく連結できるため有効な手段となる。
【0015】
テーパー側板22側を連結した後は、側面板27側の差込片37を天板21の差込孔28に挿通して、梱包用台座1の組み立てが完了する。本例に示すトレー3は、先に組み立てる側(テーパー側板22側)の幅板33から内接板34に架けて差込孔28を設け、後で組み立てる側(側面板26側)の内接板34の両側に、該差込孔28に挿通させる差込片37を設けている。支持部材2は、その天板21に梱包機器Aの支持具(図示せず)を位置させる部分である支持部29を設けている。また、支持片24は、その両側の係止片23がテーパー側板22と係合片35の切込26で支持されるため、垂直状態に強固に保持されるが、同図(b)のように天板21に差込孔28を設けて、これに差し込む差込片37を設けるようにしてもよい。
【0016】
この梱包用台座1の使用状態を図4(a)(b)に示す。これは、被梱包機器Aを梱包する場合にこれを支持載置させるためのもので、図に示すように2つの支持部材2の天板21上に載置し、その周囲のトレー3の内接板34を接当させることで支持固定する。本例に示す支持部材2は、係止片23を天板21より上方に突出させ、これを内接板34の内面側に接当させることで、被梱包機器Aの支持強度を高めている。このようにして、被梱包機器Aを梱包用台座1に支持載置させた状態で、該被梱包機器Aの周囲を適宜緩衝材で保護して、上方から段ボール製のカバー4を被せ、テープ巻きして梱包する。
【0017】
図5は支持部材2の実施の形態の他の例を示すもので、前述したものと上下逆にした形態のものである。つまり、下面板30の両側から順次側面板27、天板21、係止片23を両端に配した支持片24を延設し、各天板21の両側にテーパー側板22を延設した構造のものである。また、図6は支持部材2の実施の形態のさらに他の例を示すもので、係止片23を間隔を開けて設けるようにしたものである。この場合、図のように係止片23と支持片24をコの字状に連結した別体の部材を組み合わせるようにしてもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る段ボール製緩衝体は、被梱包機器を支持載置させる2つの支持部材と、各支持部材を両側部に配置固定するもので底板の各辺から外側板、幅板、該被梱包機器の該支持部材の天板に接当する面と隣り合う面に接当させる内接板を順次延設したトレーとによって構成した段ボール製の台座において、該支持部材の少なくとも一は、該天板から延設され一の対向位置の両側面板を該天板側が短かいテーパー側板とし、且つ該被梱包機器に対してほぼ垂直に支持する支持片の両側に配したもので、該トレーの内接板から延設した係合片の切込に係合させる係止片を、該両テーパー側板から突出させたことにより、トレーへの支持部材の組み付けが極めて容易となる。
【0019】
また、被梱包機器を支持するための主要部材である、該被梱包機器に対してほぼ垂直に支持する支持片が、その両側部を係止片としてテーパー側板と係合片に係合されるため、強固に保持することができる。さらに、係止片を天板より上方に突出させて、内接板の内面側に位置させるようにすれば、内接板の補強材として機能させることが可能となる。そして、本発明に係る梱包用台座は、その全てを段ボールで構成していることから、ブランクシートの状態で保管や輸送でき、これらに伴うコストを大幅に低減することができる。しかも、段ボールは使用後の処理に何等問題がなく、環境面でも極めて優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る梱包用台座の実施の形態の一例を示す組み立て状態の斜視図である。
【図2】支持部材の実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【図3】(a)乃至(c)は梱包用台座を構成する部材のブランクシートであり、(a)はトレーの平面図、(b)(c)は夫々支持部材の平面図である。
【図4】本発明に係る梱包用台座の使用状態の一例を示すもので、(a)は正面から見た断面図、(b)は側面から見た断面図である。
【図5】支持部材の実施の形態のさらに他の例を示す斜視図である。
【図6】支持部材の実施の形態のさらに他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 梱包用台座
2 支持部材
21 天板 22 テーパー側板
23 係止片 24 支持片
25 固定片 26 切込
27 側面板 28 差込孔
29 支持部 30 下面板
3 トレー
31 底板 32 外側板
33 幅板 34 内接板
35 係合片 36 ミシン罫
37 差込片 38 嵌込片
4 カバー
A 被梱包機器
Claims (2)
- 被梱包機器を支持載置させる2つの支持部材と、各支持部材を両側部に配置固定するもので底板の各辺から外側板、幅板、該被梱包機器の該支持部材の天板に接当する面と隣り合う面に接当させる内接板を順次延設したトレーとによって構成した段ボール製の台座において、該支持部材の少なくとも一は、該天板から延設され一の対向位置の両側面板を該天板側が短かいテーパー側板とし、且つ該被梱包機器に対してほぼ垂直に支持する支持片の両側に配したもので、該トレーの内接板から延設した係合片の切込に係合させる係止片を、該両テーパー側板から突出させたことを特徴とする梱包用台座。
- 係止片は、天板より上方に突出させ、内接板の内面側に位置させるものである請求項1記載の梱包用台座。
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JP05621298A JP3783188B2 (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 梱包用台座 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05621298A JP3783188B2 (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 梱包用台座 |
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JPH11236076A JPH11236076A (ja) | 1999-08-31 |
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ID=13020811
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- 1998-02-20 JP JP05621298A patent/JP3783188B2/ja not_active Expired - Lifetime
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