JP2004217223A - 全自動電気洗濯機における梱包装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】全自動電気洗濯機のように比較的大型の装置の梱包材は、材料費のみならず、梱包材自体が嵩高く保管スペースや輸送費なども含め、製品価格に対する割合が高い。また、梱包材が大きくなることによる作業能率の低下が梱包費用に反映される。
【解決手段】段ボール製トレーに緩衝材を内在させた天部材と底部材で構成した梱包材であって、該底部材は、洗濯槽支持具の支持部を設けた上面と、該上面の一の対向する辺から延設され両側に該トレーの側板に接当させる支持片を突設した側面板と、該上面の他の対向する辺から延設され端部を該トレーの側板と底板とのコーナー部に支持し両側面板の間でくの字に折曲させる補強板とによって構成した段ボール製ベースを、該側面板及び該支持片と該トレーの側板との間に介在する緩衝材で支持する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全自動電気洗濯機の洗濯槽(脱水槽と兼用)の梱包装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気機器を輸送・保管する場合において、機器本体が段ボール箱の内部で動かないように保持することを目的として、各種緩衝材を機器と共に段ボール箱に収納して梱包されている。一般的に、重量のある電気機器は、梱包及び開梱が容易に行えるように、緩衝材を備えた底部材に載置し、緩衝材を介在させた状態で上から段ボール箱を被せて梱包する形態が採られている。また、洗濯槽が遊動状態に支持されている全自動電気洗濯機のように、機器本体内部に可動部がある電気機器では、輸送時等にこれらを固定するための支持部材が設けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の梱包構造では、材料費が高く付くことや、嵩高く保管スペースや輸送費なども含めて、製品価格に対する梱包材の占める割合が高い問題がある。また、全自動電気洗濯機など梱包機器が大きくなるに伴って梱包材も大きくなり、梱包作業の能率低下につながる。さらに、梱包材の組み立ての難易も梱包費用に大きく反映されることになる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は上記問題に鑑み鋭意研究の結果、本発明を成し得たものでありその特徴とするところは、全自動電気洗濯機を保護することを目的として装着するもので、段ボール製トレーに緩衝材を内在させた天部材と底部材で構成した梱包材であって、該底部材は、洗濯槽支持具の支持部を設けた上面と、該上面の一の対向する辺から延設され両側に該トレーの側板に接当させる支持片を突設した側面板と、該上面の他の対向する辺から延設され端部を該トレーの側板と底板とのコーナー部に支持し両側面板の間でくの字に折曲させる補強板とによって構成した段ボール製ベースを、該側面板及び該支持片と該トレーの側板との間に介在する緩衝材で支持したことにある。
【0005】
ここで、本明細書中でいう「天部材」とは、全自動電気洗濯機の頂部に被せることによって梱包する部材であり、段ボールをトレー状に組み立て、内部に緩衝材を内在させたものをいう。トレー状とは、天部を形成する部材とその周囲の4面を構成する部材より成るものである。例えば、天板の4辺から側板を延設したり、各側板の片側にフラップを設けたC形のかぶせ箱などである。本発明の目的から、折り畳んだ状態で保管でき、組み立てが容易な片側にフラップを設けた構造のものが好ましい。この場合、内フラップの両側に突片を突出させておくことにより、該内フラップを折り込んだ状態に保持させることができ、保形されることで被せやすくなることと、被せたときの落ち込みを防止することができる。
【0006】
本発明においては、緩衝材の構造や材質は特に限定するものではなく、段ボールで形成したり、発泡プラスチックやパルプモールドなどの成型品を利用してもよい。段ボールで形成する場合は、トレーと一体に組み立てて形成する構造としてもよい。発泡プラスチックなどでは、使用後の再利用やリサイクルを目的として、分別しやすいように接着剤を使わず凹部と凸部の組み合わせなどによる嵌込支持する構造が好ましく、トレー自体も接着剤等を使わずに組立支持できる構造にするのが好ましい。本発明における緩衝材は、後述する段ボール製ベースをトレー内で支持することを目的として介在させるものである。この場合、ベースの水平方向の移動を規制する他、ベースのいずれかの箇所に上方から係合させる突設部を設けて、上方への移動を規制するようにしてもよい。
【0007】
「底部材」とは、全自動電気洗濯機を載置することによって梱包する部材であり、天部材と同じように段ボール製トレーの内部に緩衝材を設けた構造である。全自動電気洗濯機の梱包では、本体に遊動状態に設けられている洗濯槽(脱水槽と兼用)を支持固定するための洗濯槽支持具を設ける必要がある。この洗濯槽支持具も緩衝材と同様に段ボールや発泡プラスチックなどで形成する。通常、洗濯槽はその上部側にも固定材を設けて保護される。
【0008】
洗濯槽支持具は、段ボール製ベースでトレーの所定の位置に支持固定する。本発明においては、段ボール製ベースとして、洗濯槽支持具の支持部を設けた上面の4辺から側面板を延設した簡易な構造とし、板状の段ボールから簡単に組み立てられるようにしている。ベースをトレーの所定の位置に設置させるため、一の対向する側面板の両側に、トレーの一の対向する側板に接当させる支持片を突設すると共に、トレーの他の対向する側板との間に緩衝材を介在させて位置決めする。
【0009】
また、組み立てを容易にすることを目的として、側面板同士の係合部を設けていないことから、他の対向する側面板を補強板とし、これを一の対向する側面板の間でくの字に積極させることによって、強度を高めている。補強板は、側面板より長くすると共に、側面板より短い位置に折り罫を設ける。これにより、補強板の先端を該トレーの側板と底板とのコーナー部に支持させた状態で、折り罫部分を下方に折り曲げるだけでセットすることができ、トレーへの装着が極めて簡単となる。
【0010】
「胴部材」とは、全自動電気洗濯機の胴部に設けることによって保護する部材であり、プラスチックシート間に空気を封入した緩衝資材をいう。胴部材は、全自動電気洗濯機の胴部全周に設けて保護する他、前面側や前面側と後面側など部分的に設けてもよい。通常、前面側にのみ設ける場合でも、傷付きやすいコーナー部を保護する必要があり、前面側とその両側面の一部に跨るように設ける。このため、鉛直方向に折れ曲がりやすくすることと、注入した空気の一部が漏れてもほとんど影響を及ぼさないように、鉛直方向の区画線によって複数区画し、各区画域に空気を封入する構造のものが好ましい。
【0011】
胴部材を天部材と底部材との間に配する場合、該天部材と該底部材に該胴部材の上端部と下端部が入り込む隙間を設けるのが好ましい。隙間を設けることにより、胴部材の装着時に底部材の隙間に差し込んで支持することができ、梱包作業が容易になると共に胴部材のズレ防止や胴部材の上下端部が隠され梱包形態の美観を高める効果が生じる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る梱包装置1の実施の形態の一例を示すもので、全自動電気洗濯機Wの頂部に装着する天部材2、該全自動電気洗濯機Wを載置する底部材3とによって構成したものである。天部材2は、段ボール製トレー21の内部に発泡プラスチック製の緩衝材22を設けた構造である。底部材3は、段ボール製トレー31に、全自動電気洗濯機Wの洗濯槽(図示せず)を下方から係合させて支持固定する発泡プラスチック製の洗濯槽支持具33、該洗濯槽支持具33を支持する段ボール製ベース34、そして該ベース34とトレー31の側板35との間に緩衝材32を介在させることによって該ベース34を所定の位置に支持させている。
【0014】
ベース34は、図2に示すように洗濯槽支持具33の支持部341を設けた上面342の4辺から、一の対向位置に側面板343、他の対向位置に該側面板343より長い補強板344を延設した構造である。各側面板343の先端部両側には支持片345を突設し、各補強板344には側面板343より短い位置に折罫346を設けている。
【0015】
ベース34のトレー31への装着は、図2のブランクシートの状態から図3(a)のように側面板343及び補強板344を折り曲げるだけで行い、トレー31に載置した洗濯槽支持具33に、上面342の支持部341を嵌め込むようにして被せる。そして、同図(b)のように側面板343より長い補強板344の先端が、トレー31の側板35と底板36とのコーナー部に接当した段階で、図の鎖線のように補強板344の折罫346を折り曲げる。折罫346を折り曲げることにより、同図(c)のように両側面板343の間に補強板344をくの字に折曲して介在させることができ、緩衝体としての強度が得られる。
【0016】
他の方向については、両側面板343の各支持片345をトレー31の側板35に接当させ、対向する側板35間に架け渡すことによって強度を得ている。この状態で、図のように緩衝材32を側面板343及び支持片345とトレー31の側板35との間に介在させて該ベース34がトレー31に保持される。本例では、緩衝材32に凸部321を設け、トレー31に設けた凹部311に嵌合させて保持させるようにしている。
【0017】
本発明に係る梱包装置1で全自動電気洗濯機Wを梱包する実施の形態の一例としては、図4(a)に示すように先ず底部材3に全自動電気洗濯機Wを載置し、該底部材3の側板35と該全自動電気洗濯機Wの周面との間に形成される隙間に胴部材4を嵌め込む。胴部材4は、全自動電気洗濯機Wの胴部前面側に配して保護するもので、プラスチックシートを鉛直方向の区画線で複数区画した各区画域41に、空気を封入した構造の緩衝資材である。そして、同図(b)のように該全自動電気洗濯機Wの上から袋状のプラスチックフィルム5を底部材3を覆うように被せる。次に、該全自動電気洗濯機Wの頂部に天部材2を装着して、該天部材2と該底部材3にバンド6をかけて梱包が完了する。
【0018】
図5は、本発明に係る梱包装置1の天部材2の実施の形態の他の例を示し、片側にフラップを有するかぶせ箱を段ボール製トレー21としたものである。これの一方の内フラップ211の両側には、突片212を突設している。この突片212を設けたことにより、図のように該内フラップ211を折り込んだ状態に保持させることができる。このため、トレー21を全自動電気洗濯機Wに被せるときに、該トレー21が下まで落ち込んでしまうことがなく、折り込んだ内フラップの位置で止めることができる。しかも、この位置に保持できると、他のフラップを折り重ねるだけでよく、作業性が向上する。外フラップ213は、テープやワイヤなどで封止する。また、本例のトレー21は、開梱するときにトレー21を外しやすくするため、コーナーの下端部に手掛かりにするための切欠214を設けている。図6(a)にこのトレー21のブランクシートを示す。また、同図(b)は図3に示したトレー31のブランクシートである。
【0019】
図7は、胴部材4の実施の形態の他の例を示すもので、図のようにナイロンとPE(ポリエチレン)を5層に積層したフィルムを、ヒートシール等により鉛直方向の区画線(図では水平方向)で複数の区画域41に区画し、各区画域41に空気を圧入する構造である。各区画域41の端部には、空気を圧入するときの逆止弁が設けられ、圧入後にシールして封止する。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る全自動電気洗濯機における梱包装置は、全自動電気洗濯機を保護することを目的として装着するもので、段ボール製トレーに緩衝材を内在させた天部材と底部材で構成した梱包材であって、該底部材は、洗濯槽支持具の支持部を設けた上面と、該上面の一の対向する辺から延設され両側に該トレーの側板に接当させる支持片を突設した側面板と、該上面の他の対向する辺から延設され端部を該トレーの側板と底板とのコーナー部に支持し両側面板の間でくの字に折曲させる補強板とによって構成した段ボール製ベースを、該側面板及び該支持片と該トレーの側板との間に介在する緩衝材で支持したことにより、梱包材が少なく材料費削減によるコストダウンを図ることができる。特に、洗濯槽支持具を支持する段ボール製ベースを簡易な構造としたことにより、組み立てやすく梱包作業の能率が向上する。また、各部材の保管スペースが少なくてすみ、輸送費用も削減できるなど実用上極めて有益な効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るの全自動電気洗濯機の梱包装置の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】ベースの実施の形態の他の例を示すブランクシートである。
【図3】(a)乃至(c)は、それぞれ底部材の組み立て状態の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図4】(a)(b)は、本発明に係る梱包装置の梱包状態の一例を示す斜視図である。
【図5】天部材の実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【図6】(a)は図5に示した天部材のブランクシート、(b)は図3に示したトレーのブランクシートである。
【図7】胴部材の実施の形態の他の例を示す平面図である。
【符号の説明】
W 全自動電気洗濯機
1 梱包装置
2 天部材
21 トレー
211 内フラップ
212 突片
213 外フラップ
214 切欠
22 緩衝材
3 底部材
31 トレー
311 凹部
32 緩衝材
321 凸部
33 洗濯槽支持具
34 ベース
341 支持部
342 上面
343 側面板
344 補強板
345 支持片
346 折罫
35 側板
36 底板
4 胴部材
41 区画域
5 プラスチックフィルム
6 バンド

Claims (5)

  1. 全自動電気洗濯機を保護することを目的として装着するもので、段ボール製トレーに緩衝材を内在させた天部材と底部材で構成した梱包材であって、該底部材は、洗濯槽支持具の支持部を設けた上面と、該上面の一の対向する辺から延設され両側に該トレーの側板に接当させる支持片を突設した側面板と、該上面の他の対向する辺から延設され端部を該トレーの側板と底板とのコーナー部に支持し両側面板の間でくの字に折曲させる補強板とによって構成した段ボール製ベースを、該側面板及び該支持片と該トレーの側板との間に介在する緩衝材で支持したことを特徴とする全自動電気洗濯機における梱包装置。
  2. 緩衝材は、段ボール製ベースの支持片の上方に突出する突設部を設けたものである請求項1記載の全自動電気洗濯機における梱包装置。
  3. 緩衝材は、段ボール製トレーに設けた穴に係合させる凸部を設けたものである請求項1記載の全自動電気洗濯機における梱包装置。
  4. 天部材の段ボール製トレーは、片フラップのかぶせ箱であって、少なくとも一方の内フラップの両側に突片を突設したものである請求項1記載の全自動電気洗濯機における梱包装置。
  5. 天部材と底部材の間の少なくとも全自動電気洗濯機の前面側に、プラスチックシート間に空気を封入した緩衝資材を胴部材として配したものである請求項1記載の全自動電気洗濯機における梱包装置。
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