JP3777841B2 - 動力出力装置、およびそれを搭載したハイブリッド車両並びに電動発電機制御方法 - Google Patents

動力出力装置、およびそれを搭載したハイブリッド車両並びに電動発電機制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイブリッド車両などに用いられる動力出力装置に関し、詳しくは、プラネタリギヤなどの3軸式動力入出力手段を備えた動力出力装置、およびそれを搭載したハイブリッド車両並びに動力出力装置における電動発電機の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンと電動機とを動力源とする動力出力装置を搭載したハイブリッド車両が提案されており、そのハイブリッド車両の一種として、いわゆる機械分配式の動力出力装置を搭載したパラレルハイブリッド車両がある。この機械分配式の動力出力装置では、エンジンと電動機の他、発電機と3軸式動力入出力手段であるプラネタリギヤを備えている。このうち、プラネタリギヤは3軸を有しており、第1の軸(プラネタリピニオンギヤに結合されたプラネタリキャリア)はエンジンの出力軸に、第2の軸(サンギヤに結合されたサンギヤ軸)は発電機の回転軸に、第3の軸(リングギヤに結合されたリングギヤ軸)は駆動軸に、それぞれ接続されている。周知の通り、プラネタリギヤは3軸のうち2軸の回転数およびトルクが決まると、残余の1軸の回転数およびトルクが決まる性質を有している。かかる性質に基づき、例えば、エンジンの出力軸に結合された第1の軸(プラネタリキャリア)から入力された機械的な動力の一部を駆動軸に結合された第3の軸(リングギヤ軸)に出力しつつ、残る第2の軸(サンギヤ軸)に結合された発電機によって残余の動力を電力として取り出すことができる。取り出した電力はバッテリに蓄電されたり、第3の軸または第1の軸に設けられた電動機を駆動するのに用いられる。すなわち、取り出した電力をこの電動機に供給することにより、エンジンから出力された動力を増大して、駆動軸に伝達することが可能である。
【0003】
かかる構成により、この動力出力装置は、エンジンから出力された動力を任意の回転数およびトルクで駆動軸に出力することができる。従って、エンジンは運転効率の高い運転ポイントを選択して運転することができるため、この動力出力装置を搭載したハイブリッド車両は、エンジンのみを駆動源とする従来の車両に比べて省資源性および排気浄化性に優れている。
【0004】
さて、このような機械分配式の動力出力装置を搭載したパラレルハイブリッド車両において、上記した発電機は、一般にインバータ回路によって駆動制御されており、その回転数は負から正まで幅広く変化する。しかし、その発電機は、回転軸に大きなトルクを受けたまま回転数がゼロになる状態が長く続くと、発電機における特定の相のコイルに過大な電流が流れるため、インバータ回路における上記相のコイルに電流を流す部分が過熱して、インバータ回路が破損してしまう恐れがある。
【0005】
そのため、従来では、インバータ回路の過熱防止を図るために、制御回路は、発電機の目標回転数がゼロ付近になったら、発電機に対し後述するような過熱防止制御を行なうようにしていた。
【0006】
図8は従来における発電機に対する過熱防止制御を説明するためのタイミングチャートである。図8において、(a)は発電機の回転数の時間変化を、(b)はエンジンの回転数の時間変化を、(c)は発電機のトルクの時間変化を、(d)はアクセルペダルの踏込量の時間変化を、それぞれ表している。
【0007】
従来においては、まず、ハイブリッド車両の運転者がアクセルペダルを踏み込むと、制御回路は、そのアクセルペダル踏込量(図8(d))から、必要なエンジンの要求パワーとエンジンの目標回転数snetag(図8(b))を計算する。そして、そのエンジンの目標回転数snetagから、発電機の目標回転数ngtagを次の式(1)に従って算出する。なお、この場合、上記した電動機はプラネタリギヤの第3の軸に設けられているものとする。
【0008】
【数1】
Figure 0003777841
【0009】
ここで、snmは電動機の回転数であり、ρはプラネタリギヤにおけるサンギヤとリングギヤのギヤ比(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)である。
【0010】
こうして、発電機の目標回転数ngtagを算出したら、制御回路は、その目標回転数ngtagを発電機の制御目標回転数sngtagとし、その制御目標回転数sngtagと発電機の実回転数sngとの偏差を求め、その偏差がゼロになるように、インバータ回路を介して、発電機のトルクstgを制御する。
【0011】
アクセルペダルが踏み込まれた場合、発電機の目標回転数ngtagは、例えば、図8(a)に示すように、負から徐々に上昇してくる。そして、発電機の目標回転数ngtagがゼロ付近になった場合、制御回路は、次のような過熱防止制御を行う。すなわち、発電機の目標回転数ngtagが所定の値である−Rを超えると、制御回路は、それ以降の目標回転数ngtagの値に関わらず、発電機の制御目標回転数sngtagを上記の−Rに固定する。その後、発電機の目標回転数ngtagが所定の値であるRを超えたら、元に戻して、その目標回転数ngtagを発電機の制御目標回転数sngtagとする。
【0012】
逆に、アクセルペダルを戻した場合は、発電機の目標回転数ngtagは、正から徐々に下降してくる。そして、発電機の目標回転数ngtagがゼロ付近になった場合、制御回路は、次のような過熱防止制御を行う。すなわち、その目標回転数ngtagが上記のRより低くなると、制御回路は、それ以降の目標回転数ngtagの値に関わらず、発電機の制御目標回転数sngtagを上記のRに固定する。そしてその後、発電機の目標回転数ngtagが上記の−Rよりも低くなったら、元に戻して、その目標回転数ngtagを発電機の制御目標回転数sngtagとする。
【0013】
以上のような制御を行なうことにより、発電機の実回転数sngがゼロに長く留まらないようにして、インバータ回路が過熱して破損するのを防止していた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においては、発電機の目標回転数ngtagがゼロ付近(即ち、−R<ngtag<R)になると、上記した過熱防止制御が必ず作動してしまう。従って、発電機の目標回転数ngtagがゼロ付近の範囲内を単に通過するだけで、その範囲内に長く留まることがない場合でも、上記した過熱防止処理が行なわれることになるため、以下に述べるような種々の問題があった。
【0015】
[1]発電機の目標回転数ngtagが上昇しながらゼロ付近の範囲を単に通過する場合に、上記した過熱防止制御を行うと、発電機の実回転数sngが、図8(a)に示すように、ハンチングを誘発し、このとき、インバータ回路がインバータノイズを発生して、運転者に不快感を与える。
【0016】
[2]発電機の目標回転数ngtagが上昇しながらゼロ付近の範囲を単に通過する場合に、上記した過熱防止制御を行うと、エンジンの実回転数sneも、図8(b)に示すようにハンチングを起こしてしまい、以下のような不具合を生じる。
【0017】
i)ハンチングによってエンジンの実回転数sneがエンジンの目標回転数snetagよりも高くなった(sne>snetag)状態では、エンジンの制御回路はエンジンのパワーを一定にしようとして、エンジンのスロットルを閉じるように制御するため、エンジンを燃費率の悪い領域で動作させることになる。
【0018】
ii)ハンチングによってエンジンの実回転数sneがエンジンの目標回転数snetagよりも低くなった(sne<snetag)状態では、エンジンの制御回路はエンジンのパワーを出そうとして、いわゆる連続可変バルブタイミング機構(以下、VVTという)において、エンジンの吸気弁を開閉駆動する吸気カムシャフトのクランク角に対する位相を強制的に進角にすると共に、エンジンのスロットルをほぼ全開にするように制御するため、燃費が悪化してしまう。
【0019】
[3]発電機の目標回転数ngtagが上昇しながらゼロ付近の範囲を単に通過する場合に、上記した過熱防止制御を行うと、発電機のトルクstgも、図8(c)に示すように変動してしまうため、その変動がプラネタリギヤを介して駆動軸に伝達されて、駆動軸のトルクに変動を与えてしまう。前述したように、駆動軸に結合されたプラネタリギヤの第3の軸には電動機が設けられているため、通常は、駆動軸のトルクが変動すると、その電動機のトルクを制御して、駆動軸のトルク変動をキャンセルするようにしている。しかし、その制御には、なまし制御などが含まれているため、発電機のトルク変動に起因した駆動軸のトルク変動をキャンセルする場合には、そのトルク変動をキャンセルするタイミングがどうしても遅れてしまう。その結果、発電機のトルク変動に起因した駆動軸のトルク変動を、完全にはキャンセルすることができないため、その挙動が車軸に現れてしまい、車両が前後に揺れる恐れがある。
【0020】
[4]発電機の目標回転数ngtagが下降しながらゼロ付近の範囲を単に通過する場合に、上記した過熱防止制御を行うと、発電機のトルクstgがハンチングを起こし、それに起因して電動機のトルクstmもハンチングを起こして、しゃくりを生じる恐れがある。
【0021】
以下、[4]の問題について、図9を用いてさらに詳しく説明する。図9は従来においてアクセルペダルを戻した際に行われる発電機に対する過熱防止制御を説明するためのタイミングチャートである。図9において、(a)はアクセルペダルの踏込量の時間変化を、(b)は発電機の回転数の時間変化を、(c)は発電機のトルクの時間変化を、(d)は電動機のトルクと駆動トルクの時間変化を、それぞれ表している。
【0022】
運転者がアクセルペダルを図9(a)に示すように戻すと、制御回路によって計算されるエンジンの要求パワーも、エンジンの目標回転数snetagも、それぞれ減少する。それに伴い、制御回路によって算出される発電機の目標回転数ngtagも図9(b)に示すように減少する。そして、発電機の目標回転数ngtagがゼロ付近になると(すなわち、Rより低くなると)、上記したとおり、過熱防止制御が行われる。
【0023】
これにより、発電機の実回転数sngが図9(b)に示すようにハンチングを起こし、エンジンの実回転数sneもハンチングを起こす(図示せず)。また、それに伴って、発電機のトルクstgも、図9(c)に示すようにハンチングを起こす。
【0024】
ところで、電動機のトルクstmは駆動軸に出力する駆動トルクをstpとすると、次の式(2)に示すように表される。
【0025】
【数2】
Figure 0003777841
【0026】
一方、アクセルペダルを戻すと、減速状態となるので、駆動トルクstpは図9(d)に示すように負(stp<0)でほぼ一定となる。従って、上記したように、発電機のトルクstgが図9(c)に示すようなハンチングを起こすと、式(2)に基づいて、電動機のトルクstmも図9(d)に示すようにハンチングを起こしてしまい、矢印Vに示すようなしゃくりが生じる。
【0027】
そこで、本発明の目的は、以上説明したような従来技術の問題点を解決するために、発電機の目標回転数がゼロ付近の範囲を単に通過する場合には、上記した過熱防止制御を行なわないようにした動力出力装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の動力出力装置は、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
第1ないし第3の軸を有し、前記第3の軸に前記駆動軸が結合されると共に、前記第1ないし第3の軸のうちいずれか2軸に対し動力が入出力されたときに、その入出力された動力に基づいて定まる動力を残余の1軸に対し入出力する3軸式動力入出力手段と、
前記第1の軸にその回転軸が結合し、前記第1の軸に動力を出力することが可能な原動機と、
前記第2の軸にその回転軸が結合し、前記第2の軸に対し動力を入出力することが可能な第1の電動発電機と、
前記第3の軸または第1の軸にその回転軸が結合し、前記第3の軸または第1の軸に対し動力を入出力することが可能な第2の電動発電機と、
前記原動機に対する要求パワーに基づいて前記第1の電動発電機の制御目標回転数を設定し、前記第1の電動発電機の回転数が前記制御目標回転数となるように、前記第1の電動発電機を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記原動機に対する要求パワーに基づいて前記第1の電動発電機の第1の目標回転数を導出すると共に、前記第1の電動発電機の回転数が前記第1の目標回転数に至るための直近の第2の目標回転数を順次導出する目標回転数導出部と、
導出された前記第1及び第2の目標回転数が共に、ゼロを含む所定の回転数範囲内にある場合には、前記第1の電動発電機の制御目標回転数として特定の回転数を設定し、前記第1及び第2の目標回転数のうち、少なくとも一方が前記回転数範囲外にある場合には、前記第1の電動発電機の制御目標回転数として前記第2の目標回転数を設定する制御目標回転数設定部と、
を少なくとも備えることを要旨とする。
【0029】
また、本発明の制御方法は、第1ないし第3の軸を有し、前記第3の軸に前記駆動軸が結合されると共に、前記第1ないし第3の軸のうちいずれか2軸に対し動力が入出力されたときに、その入出力された動力に基づいて定まる動力を残余の1軸に対し入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第1の軸にその回転軸が結合し、前記第1の軸に動力を出力することが可能な原動機と、前記第2の軸にその回転軸が結合し、前記第2の軸に対し動力を入出力することが可能な第1の電動発電機と、前記第3の軸または第1の軸にその回転軸が結合し、前記第3の軸または第1の軸に対し動力を入出力することが可能な第2の電動発電機と、を備えた動力出力装置における前記第1の電動発電機を制御する方法であって、
(a)前記原動機に対する要求パワーから前記第1の電動発電機の第1の目標回転数を導出すると共に、前記第1の電動発電機の回転数が前記第1の目標回転数に至るための直近の第2の目標回転数を導出する工程と、
(b)導出された前記第1及び第2の目標回転数が共にゼロを含む所定の回転数範囲内にある場合には、前記第1の電動発電機の制御目標回転数として特定の回転数を設定し、前記第1及び第2の目標回転数のうち、少なくとも一方が前記回転数範囲外にある場合には、前記第1の電動発電機の制御目標回転数として前記第2の目標回転数を設定する工程と、
(c)前記第1の電動発電機の回転数が前記制御目標回転数となるように、前記第1の電動発電機を制御する工程と、
を備えることを要旨とする。
【0030】
このように、本発明の動力出力装置および電動発電機制御方法では、まず、原動機に対する要求パワーに基づいて第1の電動発電機の第1の目標回転数を導出すると共に、第1の電動発電機の回転数が第1の目標回転数に至るための直近の第2の目標回転数を順次導出する。すなわち、第2の目標回転数は、第1の電動発電機の回転数が第1の目標回転数に至るまでの各時点での目標回転数のうち、現在の回転数に最も近い直近の目標回転数である。従って、言い換えれば、第1の目標回転数は、第2の目標回転数に対し、将来の目標回転数と言える。 そこで、直近の第2の目標回転数がゼロ付近の範囲内にあり、しかも、将来の第1の目標回転数もゼロ付近の範囲内にある場合には、第2の目標回転数はそのままゼロ付近の範囲内に留まり、それにより、第1の電動発電機の回転数がゼロに長く留まる可能性がある。従って、この場合には、前述したような過熱防止制御を行なう必要がある。
【0031】
ところが、直近の第2の目標回転数がゼロ付近の範囲内にあっても、将来の第1の目標回転数がゼロ付近の範囲外にある場合には、その後、第2の目標回転数はゼロ付近の範囲内から外に速やかに出るため、第1の電動発電機の回転数がゼロに長く留まる可能性はない。従って、この場合には、前述したような過熱防止制御を行なう必要はない。また、直近の第2の目標回転数がゼロ付近の範囲外にある場合には、第1の電動発電機の回転数もゼロ付近の範囲外にあるため、この場合も、上記した過熱防止制御を行なう必要はない。
【0032】
そこで、本発明の動力出力装置および電動発電機制御方法では、第1及び第2の目標回転数が共に、ゼロを含む所定の回転数範囲(すなわち、ゼロ付近の範囲)内にある場合には、第1の電動発電機の制御目標回転数として特定の回転数を設定し、第1の電動発電機についてのインバータ回路等の駆動回路の過熱防止を図っている。一方、第1及び第2の目標回転数のうち、少なくとも一方が回転数範囲外にある場合には、第1の電動発電機の制御目標回転数として第2の目標回転数を設定して、上記した過熱防止の制御を行なわないようにしている。
【0033】
すなわち、本発明の動力出力装置および電動発電機制御方法では、第1の電動発電機の目標回転数がゼロ付近に留まり、第1の電動発電機の回転数がゼロに長く留まる可能性がある場合のみ、第1の電動発電機についてのインバータ回路などの駆動回路の過熱防止制御を行い、それ以外の場合には過熱防止制御を行なわないようしている。
【0034】
従って、本発明の動力出力装置および電動発電機制御方法によれば、第1の電動発電機の目標回転数がゼロ付近の範囲を単に通過する場合には、上記した過熱防止制御を行なわないため、前述した従来技術における[1]〜[4]の各問題をそれぞれ解決することができる。
【0035】
また、上記した本発明の動力出力装置において、前記目標回転数導出部は、
前記原動機に対する要求パワーから前記原動機の第3の目標回転数を導出する第1の導出手段と、
前記原動機の第3の目標回転数から、前記原動機の回転数が前記第3の目標回転数に至るための直近の第4の目標回転数を順次導出する第2の導出手段と、
前記第3の目標回転数と前記第2の電動発電機の回転数から前記第1の目標回転数を算出する第1の算出手段と、
前記第4の目標回転数と前記第2の電動発電機の回転数から前記第2の目標回転数を算出する第2の算出手段と、
を備えることが好ましい。
【0036】
また、上記した電動発電機制御方法において、前記工程(a)は、
前記原動機に対する要求パワーから前記原動機の第3の目標回転数を導出する工程と、
前記原動機の第3の目標回転数から、前記原動機の回転数が前記第3の目標回転数に至るための直近の第4の目標回転数を導出する工程と、
前記第3の目標回転数と前記第2の電動発電機の回転数から前記第1の目標回転数を算出する工程と、
前記第4の目標回転数と前記第2の電動発電機の回転数から前記第2の目標回転数を算出する工程と、
を含むことが好ましい。
【0037】
このようにして、原動機に対する要求パワーから、まず、原動機の将来の目標回転数に相当する第3の目標回転数を導出し、その第3の目標回転数に種々の処理を行なって直近の目標回転数である第4の目標回転数を導出した上で、3軸式動力入出力手段に関連する式などを利用して、第3の目標回転数と第2の電動発電機の回転数から第1の目標回転数を、第4の目標回転数と第2の電動発電機の回転数から第2の目標回転数を、それぞれ、算出することにより、第1の電動発電機の将来の目標回転数に相当する第1の目標回転数と、直近の目標回転数である第2の目標回転数を、確実に導き出すことができる。
【0038】
本発明のハイブリッド車両は、上記した動力出力装置を搭載したハイブリッド車両であって、
前記駆動軸に出力される動力によって車輪を駆動することを要旨とする。
【0039】
本発明のハイブリッド車両によれば、運転者がアクセルペダルを踏み込んで、第1の電動発電機の目標回転数が上昇しゼロ付近の範囲を通過する場合にも、あるいは、アクセルペダルを戻して、第1の電動発電機の目標回転数が下降しゼロ付近の範囲を通過する場合にも、前述した従来技術における[1]〜[4]の各問題をそれぞれ解決することができるので、運転者に不快感を与えたり、燃費が悪化したり、車両が前後に揺れたりする恐れがない。
【0040】
【発明の実施の形態】
(A)実施例の構成
はじめに、本発明の一実施例の構成について図1を用いて説明する。図1は本発明の一実施例としての動力出力装置を搭載したハイブリッド車両の概略構成を示す構成図である。このハイブリッド車両は、機械分配式の動力出力装置を搭載したパラレルハイブリッド車両である。
【0041】
このハイブリッド車両の構成は大きくは、駆動力を発生する動力系統と、その制御系統と、駆動源からの駆動力を駆動輪116、118に伝達する動力伝達系統と、運転操作部等とからなっている。
【0042】
また、上記動力系統は原動機であるエンジン150を含む系統と電動発電機であるモータMG1,MG2を含む系統とからなっている。ここで、モータMG1は、従来技術で述べた発電機に対応するものであり、モータMG2は電動機に対応するものである。両モータMG1,MG2とも、後述するように、発電機としても、電動機としても機能し得るが、モータMG1は概ね発電機として動作することが多いため、前述したように、発電機と呼ばれることがあり、モータMG2は概ね電動機として動作することが多いため、電動機と呼ばれることがある。
【0043】
また、制御系統は、エンジン150の運転を主に制御するための電子制御ユニット(以下、EFIECUと呼ぶ)170と、モータMG1,MG2の運転を主に制御する制御ユニット190と、EFIECU170および制御ユニット190に必要な信号を検出し入出力する種々のセンサ部とからなっている。
【0044】
なお、EFIECU170および制御ユニット190の内部構成は具体的には図示していないが、これらはそれぞれ内部にCPU、ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピュータであり、CPUがROMに記録されたプログラムに従い、以下に示す種々の制御処理を行なうよう構成されている。
【0045】
EFIECU170および制御ユニット190による制御によって、エンジン150からの動力を受け、更に、3軸式動力入出力手段であるプラネタリギヤ120により、このエンジン150の動力に対して、モータMG1,MG2の動力あるいは発電により調整された動力を駆動軸112に出力する構成を、以下では、動力出力装置110と呼ぶ。
【0046】
動力出力装置110におけるエンジン150は、スロットルバルブ261を介して吸入口200から空気を吸入すると共に、燃料噴射弁151からガソリンを噴射し、吸入した空気と噴射したガソリンとで混合気を生成する。このとき、スロットルバルブ261は、スロットルアクチュエータ262によって開閉駆動される。エンジン150は、生成した混合気を吸気弁153を介して燃焼室152に吸入し、この混合気の爆発により押し下げられるピストン154の運動をクランクシャフト156の回転運動に変換する。この爆発は、イグナイタ158からディストリビュータ160を介して導かれた高電圧によって点火プラグ162が形成した電気火花によって混合気が点火され燃焼することで生じる。燃焼により生じた排気は、排気口202を通って大気中に排出される。
【0047】
また、エンジン150は、吸気弁153の開閉タイミングを変更する機構、いわゆるVVT157を備える。このVVT157は、吸気弁153を開閉駆動する吸気カムシャフト(図示せず)のクランク角に対する位相を進角または遅角することにより、吸気弁153の開閉タイミングを調整する。
【0048】
一方、エンジン150の運転は、EFIECU170により制御されている。例えば、スロットルバルブ261は、その開度(ポジション)を検出するスロットルバルブポジションセンサ263によって得られる検出信号に基づき、EFIECU170によりスロットルアクチュエータ262を用いて、所望の開度となるようにフィードバック制御されている。また、上記したVVT157における吸気カムシャフトの位相の進角および遅角も、吸気カムシャフトのポジションを検出するカムシャフトポジションセンサ264により得られる検出信号に基づいて、EFIECU170により目標の位相となるようフィードバック制御がなされる。その他には、エンジン150の回転数に応じた点火プラグ162の点火時期制御や、吸入空気量に応じた燃料噴射量制御などがある。
【0049】
また、エンジン150のこのような制御を可能とするために、EFIECU170には、上記したスロットルバルブポジションセンサ263やカムシャフトポジションセンサ264の他にも、エンジン150の運転状態を示す種々のセンサが接続されている。例えば、クランクシャフト156の回転数と回転角度を検出するためにディストリビュータ160に設けられた回転数センサ176及び回転角度センサ178や、イグニッションキーの状態を検出するスタータスイッチ179などが、接続されている。なお、その他のセンサ,スイッチなどの図示は省略した。
【0050】
次に、図1に示すモータMG1,MG2の概略構成について説明する。モータMG1は、同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータ132と、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータ133とを備える。ステータ133は、無方向性電磁鋼板の薄板を積層して形成されており、ケース119に固定されている。このモータMG1は、ロータ132に備えられた永久磁石による磁界とステータ133に備えられた三相コイルによって形成される磁界との相互作用によりロータ132を回転駆動する電動機として動作し、また、これらの相互作用によりステータ133に備えられた三相コイルの両端に起電力を生じさせる発電機としても動作する。
【0051】
モータMG2も、モータMG1と同様に同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータ142と、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータ143とを備える。モータMG2のステータ143も無方向性電磁鋼板の薄板を積層して形成されており、ケース119に固定されている。このモータMG2もモータMG1と同様に、電動機あるいは発電機として動作する。
【0052】
これらのモータMG1,MG2は、スイッチングを行なうトランジスタ(図示せず)を各々6個ずつ内蔵した第1および第2のインバータ回路191,192を介して、バッテリ194および制御ユニット190に電気的に接続されている。制御ユニット190からは、第1および第2のインバータ回路191,192内のトランジスタを駆動する制御信号が出力されている。各インバータ回路191,192内の6個のトランジスタは、ソース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置されることによりトランジスタインバータを構成している。制御ユニット190によりソース側とシンク側のトランジスタのオン時間の割合を制御信号により順次制御し、三相コイルの各相に流れる電流を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相コイルにより、回転磁界が形成され、これらのモータMG1,MG2が駆動される。
【0053】
モータMG1,MG2の制御を含むハイブリッド車両の運転状態の制御を可能とするために、制御ユニット190には、この他各種のセンサおよびスイッチが電気的に接続されている。制御ユニット190に接続されているセンサおよびスイッチとしては、アクセルペダルポジションセンサ164a、水温センサ174、バッテリ194の残容量検出器199などがある。
【0054】
制御ユニット190は、これらのセンサを通じて運転操作部からの種々の信号やバッテリ194の残容量等を入力し、また、エンジン150を制御するEFIECU170との間で種々の情報を、通信によってやりとりしている。
【0055】
運転操作部からの種々の信号として、具体的には、アクセルペダルポジションセンサ164aからのアクセルペダルポジション(アクセルペダル164の踏込量)などがある。また、バッテリ194の残容量は残容量検出器199で検出される。
【0056】
駆動源からの駆動力を駆動輪116、118に伝達する動力伝達系統の構成は次の通りである。エンジン150の動力を伝達するためのクランクシャフト156はダンパ130を介してプラネタリキャリア軸127に結合され、このプラネタリキャリア軸127と、モータMG1,モータMG2の回転を伝達するサンギヤ軸125、リングギヤ軸126とは、後述するプラネタリギヤ120に機械的に結合されている。ダンパ130は、このエンジン150のクランクシャフト156とプラネタリキャリア軸127とを接続し、クランクシャフト156のねじり振動の振幅を抑制する目的で設けられているものである。
【0057】
リングギヤ122には、動力取り出し用の動力取出ギヤ128が、リングギヤ122とモータMG1との間の位置で結合されている。この動力取出ギヤ128は、チェーンベルト129により動力受取ギヤ113に接続されており、動力取出ギヤ128と動力受取ギヤ113との間で動力の伝達がなされる。この動力受取ギヤ113は駆動軸112を介して動力伝達ギヤ111に結合されており、この動力伝達ギヤ111はさらにディファレンシャルギヤ114を介して左右の駆動輪116、118に結合されていて、これらに動力を伝達できるようになっている。
【0058】
ここで、プラネタリギヤ120の構成と併せてクランクシャフト156、プラネタリキャリア軸127、モータMG1の回転軸であるサンギヤ軸125、モータMG2の回転軸であるリングギヤ軸126の結合について説明する。プラネタリギヤ120は、サンギヤ121、リングギヤ122からなる同軸の2つのギヤと、サンギヤ121とリングギヤ122との間に配置されサンギヤ121の外周を自転しながら公転する複数のプラネタリピニオンギヤ123の3つから構成される。サンギヤ121はプラネタリキャリア軸127に軸中心を貫通された中空のサンギヤ軸125を介してモータMG1のロータ132に結合され、リングギヤ122はリングギヤ軸126を介してモータMG2のロータ142に結合されている。また、プラネタリピニオンギヤ123は、その回転軸を軸支するプラネタリキャリア124を介してプラネタリキャリア軸127に結合され、プラネタリキャリア軸127はクランクシャフト156に結合されている。機構学上周知のことであるが、プラネタリギヤ120は上述のサンギヤ軸125、リングギヤ軸126およびプラネタリキャリア軸127の3軸のうちいずれか2軸の回転数およびこれらの軸に入出力されるトルクが決定されると、残余の1軸の回転数およびその回転軸に入出力されるトルクが決定されるという性質を有している。
【0059】
(B)一般的動作
次に、図1に示すハイブリッド車両の一般的な動作について簡単に説明する。前述した構成を有するハイブリッド車両は走行時において、駆動軸112に出力すべき要求パワーに相当する動力をエンジン150から出力し、出力された動力をプラネタリギヤ120を介して駆動軸112に伝達している。このとき、例えば、駆動軸112から出力すべき要求回転数および要求トルクに対し、エンジン150のクランクシャフト156が高回転数かつ低トルクで回転している場合には、エンジン150の出力している動力の一部をプラネタリギヤ120を介してモータMG1に伝達し、そのモータMG1により電力として回収し、回収したその電力によりモータMG2を駆動して、リングギヤ軸126を介して駆動軸112にトルクを付加する。逆に、駆動軸112から出力すべき要求回転数および要求トルクに対し、エンジン150のクランクシャフト156が低回転数かつ高トルクで回転している場合には、エンジン150の出力している動力の一部をプラネタリギヤ120を介してモータMG2に伝達し、そのモータMG2により電力を回収し、回収したその電力によってモータMG1を駆動して、サンギヤ軸125にトルクを付加する。こうしてモータMG1およびMG2を介して電力の形でやりとりされる動力を調整することにより、エンジン150から出力された動力を所望の回転数およびトルクとして駆動軸112から出力することができるのである。
【0060】
なお、モータMG1またはMG2によって回収された電力の一部は、バッテリ194に蓄積することが可能である。また、バッテリ194に蓄積された電力を用いて、モータMG1またはMG2を駆動することも可能である。
【0061】
かかる動作原理に基づき、定常走行時には、例えば、エンジン150を主駆動源としつつ、モータMG2の動力も用いて走行する。このように、エンジン150とモータMG2の双方を駆動源として走行することにより、必要なトルクおよびモータMG2で発生し得るトルクに応じて、エンジン150を運転効率の高い動作点にて運転できるため、エンジン150のみを駆動源とする車両に比べて省資源性および排気浄化性に優れている。一方、クランクシャフト156の回転を、プラネタリキャリア軸127およびサンギヤ軸125を介してモータMG1に伝達することができるため、エンジン150の運転によりモータMG1で発電しつつ走行することも可能である。
【0062】
なお、上記トルク変換において用いられるプラネタリギヤ120の回転数には、次のような関係が知られている。即ち、プラネタリギヤ120について、サンギヤ121とリングギヤ122のギヤ比(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)をρとすれば、サンギヤ軸125の回転数Ns、プラネタリキャリア軸127の回転数Nc、リングギヤ軸126の回転数Nrの間には、一般に次の式(3)の関係が成立する。
【0063】
【数3】
Figure 0003777841
【0064】
本実施例の場合、サンギヤ軸125の回転数NsはモータMG1の回転数ngと等価なパラメータであり、リングギヤ軸126の回転数Nrは車速またはモータMG2の回転数nmと等価なパラメータであり、プラネタリキャリア軸127の回転数Ncはエンジン150の回転数neと等価なパラメータである。
【0065】
従って、エンジン150の回転数neとモータMG1の回転数ngとモータMG2の回転数nmとの間には、式(3)から次の式(4)の関係が成立する。
【0066】
【数4】
Figure 0003777841
【0067】
(C)モータMG1に対する制御処理
それでは、本発明に関わるモータMG1に対する制御処理について、図2〜図4を用いて詳細に説明する。
【0068】
図2は図1のモータMG1に対する制御ユニット190による制御処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。このルーチンは制御ユニット190のCPU(図示せず)により実行される処理であり、所定の時間間隔で繰り返し実行されている。
【0069】
図2に示した制御処理ルーチンが開始されると、まず、制御ユニット190は、エンジン150の目標回転数を算出する処理を行なう(ステップS102)。この処理は図3に示す処理ルーチンに従って行なわれる。
【0070】
図3はこのエンジン目標回転数算出処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。図3に示す処理ルーチンが開始されると、制御ユニット190は、VVT157のオン/オフ要求に応じて、エンジン150の動作線を選択する(ステップS202)。
【0071】
制御ユニット190の内部にあるROM(図示せず)内には、予め、エンジン150の動作線として、2種類の動作線に関する情報が格納されている。具体的には後述するようにマップの形で記憶されている。これら2種類の動作線のうち、一方の動作線は、燃費が最も良くなる動作線であり、他方の動作線は比較的燃費が悪くてもエンジンのパワーが大きくなる動作線である。
【0072】
そこで、制御ユニット190は、アクセルペダル164の踏込量などからVVT157のオン要求があるかオフ要求があるかを判断する。そして、制御ユニット190は、VVT157のオン要求がある場合には、VVT157に対し進角制御を行う(吸気カムシャフトのクランク角に対する位相を進角する)ことになるため、2種類の動作線のうち、比較的燃費が悪くてもエンジンのパワーが大きくなる動作線を選択する。逆に、VVTのオフ要求がある場合には、VVT157に対し進角制御を行なわないため、燃費が最も良くなる動作線を選択する。
【0073】
次に、制御ユニット190は、エンジン150に対する要求パワーspvを算出する処理を行なう(ステップS204)。この要求パワーspvは、次の式(5)により計算される。
【0074】
【数5】
Figure 0003777841
ここで、式(5)の右辺各項は、次の通りである。
【0075】
・spacc:車両を走行させる駆動トルクを全てエンジン150の出力により賄う場合のパワー(発電量に換算した値)。アクセルペダル164の踏込量と車速とをパラメータとするマップから求める。なお、制御ユニット190は、前述したように、アクセルペダル164の踏込量を、アクセルペダルポジションセンサ164aから得、車速を、リングギヤ軸126の回転数Nrを検出するセンサ(図示せず)から得るようにしている。
【0076】
・spchg:バッテリ194の充放電の要求パワー。バッテリ194の残容量から求められる。一般に、残容量が低い場合には、充電の要求が高く、残容量が約60[%]で充放電の要求は0、それ以上では放電要求となる。
【0077】
・spAC:図示しないエアコンが駆動される場合の補正量である。エアコンは、電力の消費量が大きいので、他の補機類とは別に、その使用電力を補正するのである。
【0078】
こうしてエンジン150に対する要求パワーspvを算出した後、制御ユニット190は、算出した要求パワーspvから、先に選択したエンジン150の動作線に基づいて、エンジン150のベース目標回転数を算出する(ステップS206)。
【0079】
エンジン150の動作線は、例えば、エンジン150のトルクを縦軸とし、エンジン150の回転数を横軸とする座標上にプロットされている。また、エンジン150から出力される動力は、周知のように、エンジン150の回転数とトルクの積として表されるので、エンジン150からの動力が一定となる、いわゆる等出力線も、上記の座標上にプロットすることができる。
【0080】
そこで、上記の座標上に、エンジン150からの動力が算出した要求パワーspvで一定となる等出力線をプロットすると、その等出力線は上記の動作線と交わることになり、その交点での回転数が、求めるべきエンジン150のベース目標回転数となる。
【0081】
なお、実際には、予め、エンジン150から出力される動力の各値毎に、選択された動作線に基づきエンジン150の回転数をそれぞれ求めて、それらを制御ユニット190の内部にあるROM(図示せず)内に、マップとして記憶しておき、得られたエンジン150に対する要求パワーspvに対して、そのマップからエンジン150のベース目標回転数を求めるようにしている。
【0082】
次に、制御ユニット190は、予め設定されている変数t_netagに、算出したエンジン150のベース目標回転数を与えた後(ステップS208)、その変数t_netagの値をエンジン150の将来の目標回転数snetagfとする(ステップS210)。ここで、エンジン150の将来の目標回転数とは、後述するエンジン150の瞬時の目標回転数に対抗した概念であって、エンジン150の回転数を将来的にその値に近づけたい目標回転数である。
【0083】
続いて、制御ユニット190は、その変数t_netagの値について、なまし,レイトリミッタ処理を行ない(ステップS212)、処理後の変数t_netagの値をエンジン150の瞬時の目標回転数snetagとする(ステップS214)。なお、なまし,レイトリミッタ処理では、エンジンの回転数を上記した将来の目標回転数snetagfに近づけるために、現在の回転数から将来の目標回転数に至る時間変化の軌跡を想定し、将来の目標回転数に近づける際にエンジンの回転数が急激に変化したりしないように、その軌跡の時間軸に対する勾配を所望の制限範囲内に納まるようにする。こうして得られる上記の軌跡上の各点における回転数のうち、現在の回転数に最も近い直近の回転数が、瞬時の目標回転数snetagとなる。
【0084】
以上によってエンジン目標回転数算出処理ルーチンが終了すると、制御ユニット190による処理は再び図2のメインの処理に戻って、次に、制御ユニット190は、モータMG1の制御目標回転数sngtagを算出する処理を行う(ステップS104)。この処理は図4に示す処理ルーチンに従って行われる。
【0085】
図4はこのモータMG1の制御目標回転数算出処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。なお、図3のエンジン目標回転数算出処理および図4のステップS302,304の各処理は、制御ユニット190のCPUが目標回転数導出部(図示せず)として機能することによってなされるのものである。また、図4のステップS306〜312の各処理は、制御ユニット190のCPUが制御目標回転数設定部(図示せず)として機能することによってなされるのものである。
【0086】
図4に示す処理ルーチンが開始されると、制御ユニット190は、エンジン150の瞬時の目標回転数snetagとモータMG2の実際の回転数、すなわち、実回転数snmとから、モータMG1の瞬時の目標回転数を算出し、その値を変数t_ngtagに与える(ステップS302)。
【0087】
このうち、エンジン150の瞬時の目標回転数snetagは、既にステップS214で導き出されており、また、モータMG2の実回転数snmも、既にステップS204において、車速として、リングギヤ軸126の回転数Nrを検出するセンサ(図示せず)から得られている。
【0088】
一方、前述したように、モータMG1の回転数ngとエンジン150の回転数ne及びモータMG2の回転数nmとの間には式(4)に示すような関係がある。
【0089】
従って、エンジン150の瞬時の目標回転数snetag及びモータMG2の実回転数snmを式(4)に代入してモータMG1の瞬時の目標回転数を算出し、その値を変数t_ngtagに与えると、式(6)に示すような関係が得られる。
【0090】
【数6】
Figure 0003777841
【0091】
続いて、制御ユニット190は、エンジン150の将来の回転数snetagfとモータMG2の実回転数snmとから、モータMG1の将来の目標回転数を算出し、その値を変数t_ngtagfに与える(ステップS304)。
【0092】
このうち、エンジン150の将来の回転数snetagfは、既にステップS210で導き出されている。
【0093】
従って、エンジン150の将来の回転数snetagf及びモータMG2の実回転数snmを式(4)に代入してモータMG1の将来の目標回転数を算出し、その値を変数t_ngtagfに与えると、式(7)に示すような関係が得られる。
【0094】
【数7】
Figure 0003777841
【0095】
ここで、モータMG1の将来の目標回転数とは、モータMG1の瞬時の目標回転数に対抗した概念であって、モータMG1の回転数を将来的にその値に近づけたい目標回転数である。また、モータMG1の瞬時の目標回転数とは、モータMG1のの回転数が上記した将来の目標回転数に至るまでの各時点での目標回転数のうち、現在の回転数に最も近い直近の目標回転数である。
【0096】
次に、制御ユニット190は、モータMG1の瞬時の目標回転数の与えられた変数t_ngtagの値が、−RからRまでの範囲内にあり、かつ、モータMG1の将来の目標回転数の与えられた変数t_ngtagfの値が、−RからRまでの範囲内にあるか否かを判定する(ステップS306)。ここで、R,−Rは従来技術における図8(a)に示した所定の値である。従って、−RからRまでの範囲は、モータMG1の回転数がゼロ付近の範囲に相当する。
【0097】
従来技術においては、前述したとおり、モータMG1の目標回転数ngtag、すなわち、瞬時の目標回転数がゼロ付近の範囲内に入った場合、モータMG1を駆動するインバータ回路191の過熱を防ぐために、必ず、過熱防止制御を行っていた。しかしながら、モータMG1の瞬時の目標回転数がゼロ付近の範囲内に入ったとしても、その後、モータMG1の瞬時の目標回転数が、ゼロを横切り、そのままゼロ付近の範囲から出てしまう場合、つまり、モータMG1の瞬時の目標回転数がゼロ付近の範囲を単に通過する場合には、モータMG1の実回転数がゼロに長く留まることがないため、過熱防止制御を行う必要はない。
【0098】
そこで、本実施例においては、モータMG1の瞬時の目標回転数がゼロ付近の範囲内に留まるか、それとも、ゼロ付近の範囲から速やかに出るかを、モータMG1の瞬時の目標回転数が向かうべき目標である将来の目標回転数が、ゼロ付近の範囲内にあるか否かによって、判定するのである。
【0099】
従って、制御ユニット190は、モータMG1の瞬時の目標回転数の与えられた変数t_ngtagの値が、−RからRまでの範囲内にあり、しかも、モータMG1の将来の目標回転数の与えられた変数t_ngtagfの値が、−RからRまでの範囲内にある場合には、モータMG1の瞬時の目標回転数がそのゼロ付近の範囲内に留まり、それによって、モータMG1の実回転数がゼロに長く留まる可能性がある。よって、この場合には、モータMG1を駆動するインバータ回路191の過熱を防止するために、従来と同様の過熱防止制御を行うようにしている(ステップS308)。
【0100】
すなわち、制御ユニット190は、モータMG1の瞬時の目標回転数の与えられた変数t_ngtagの値が負の場合、つまり、モータMG1の目標回転数が負であって徐々に上昇している場合には、その変数t_ngtagに、上記した値Rを新たに与える。逆に、変数t_ngtagの値が正の場合、すなわち、モータMG1の目標回転数が正であって徐々に下降している場合には、その変数t_ngtagに上記した値−Rを新たに与える。この結果、後述するモータMG1の制御目標回転数sngtagは、値Rまたは値−Rに固定されることになり、従来と同様の過熱防止制御がなされることになる。
【0101】
ところが、モータMG1の瞬時の目標回転数の与えられた変数t_ngtagの値が、−RからRまでの範囲内であっても、モータMG1の将来の目標回転数の与えられた変数t_ngtagfの値が、−RからRまでの範囲外である場合には、その後、モータMG1の瞬時の目標回転数はゼロ付近の範囲内から外に速やかに出ることになるため、モータMG1の実回転数がゼロに長く留まる可能性はなく、上記したような過熱防止制御を行う必要はない。また、モータMG1の瞬時の目標回転数の与えられた変数t_ngtagの値が、−RからRまでの範囲外である場合には、モータMG1の実回転数もゼロ付近の範囲外にあるため、この場合は、当然に、上記した過熱防止制御を行う必要はない。従って、これらの場合には、何れも、ステップS308の処理を回避するようにしている。
【0102】
こうして、次のステップS310の処理に移る直前の段階では、変数t_ngtagの値として、ステップS308の処理を回避した場合には、ステップS302で算出したモータMG1の瞬時の目標回転数がそのまま与えられているが、ステップS308の処理を経た場合には、固定値である値Rまたは−Rが新たに与えられている。
【0103】
続いて、制御ユニット190は、その変数t_ngtagの値について、モータMG1の使用制限範囲に基づく上下限ガード処理や過渡トルク特性確保のためのレイトリミッタ処理などの、周知の処理を行なう(ステップS310)。そして、制御ユニット190は、処理後の変数t_ngtagの値を、モータMG1の制御目標回転数sngtagとして設定する(ステップS312)。
【0104】
以上によってモータMG1制御目標回転数算出処理ルーチンが終了すると、制御ユニット190による処理は再び図2のメインの処理に戻り、次に、制御ユニット190は、モータMG1の実回転数sngを、サンギヤ軸125の回転数Nsを検出するセンサ(図示せず)から取得する(ステップS106)。
【0105】
続いて、制御ユニット190は、その取得したモータMG1の実回転数sngが先に設定した制御目標回転数sngtagになるような、モータMG1のトルクを目標トルクstgtagとして算出し、設定する(ステップS108)。具体的には、いわゆる比例積分制御(PI制御)において用いられる比例積分によって、モータMG1の目標トルクstgtagを算出する。即ち、モータMG1の制御目標回転数sngtagと実回転数sngとの偏差に所定の比例定数をかけて得られる比例項と、上記偏差の時間積分値に所定の比例定数をかけて得られる積分項と、の和から、モータMG1に対する目標トルクstgtagを求めるのである。
【0106】
最後に、制御ユニット190は、モータMG1のトルクstgが設定した目標トルクstgtagとなるように、インバータ回路191を介して、モータMG1のトルクstgを制御する(ステップS110)。
【0107】
以上説明したように、本実施例においては、モータMG1の瞬時の目標回転数と将来の目標回転数をそれぞれ算出した上で、両方の目標回転数が共にRから−Rまでの範囲内、すなわち、ゼロ付近の範囲内にある場合には、モータMG1の瞬時の目標回転数がゼロ付近の範囲内に留まり、モータMG1の実回転数がゼロに長く留まる可能性があるとして、過熱防止制御を行い、上記以外の場合には、モータMG1の瞬時の目標回転数がゼロ付近の範囲外にあるか、ゼロ付近の範囲内にあっても、その範囲内を単に通過するだけであるため、モータMG1の実回転数がゼロに長く留まる可能性がないとして、過熱防止制御を行わないようにしている。
【0108】
(D)実施例の効果
従って、本実施例によれば、モータMG1の目標回転数がゼロ付近の範囲を単に通過する場合には、上記した過熱防止制御を行なわないため、前述した従来技術における[1]〜[4]の各問題をそれぞれ解決することができる。
【0109】
図5は図1の実施例におけるモータMG1の目標回転数が上昇してゼロ付近の範囲を単に通過する場合の主要パラメータのタイミングチャートである。図5において、(a)はモータMG1の回転数の時間変化を、(b)はエンジン150の回転数の時間変化を、(c)はモータMG1のトルクの時間変化を、(d)はアクセルペダル164の踏込量の時間変化を、それぞれ表している。
【0110】
運転者が図5(d)に示すようにアクセルペダル164を踏み込んで、モータMG1の目標回転数が負から徐々に上昇し、値−Rを超えても、その目標回転数が図5(a)に示すようにゼロ付近の範囲内を単に通過する場合には、上記したように、過熱防止制御は行われないため、モータMG1の実回転数sngは、図5(a)に示すように、ハンチングを起こすことなく直線的に上昇する。従って、モータMG1を駆動するインバータ回路191がインバータノイズを発生して、運転者に不快感を与えることはない。
【0111】
また、図5(b)に示すように、エンジン150の実回転数sneもハンチングを起こすことなく、直線的に上昇するので、エンジン150を燃費率の悪い領域で動作させたり、燃費を悪化させたりすることがない。
【0112】
さらにまた、モータMG1のトルクstgも、図5(c)に示すように、安定しているので、駆動軸112のトルクも変動することなく安定しており、従って、従来のように、駆動軸のトルク変動に伴う車両の揺れは生じない。
【0113】
図6は図1の実施例におけるモータMG1の目標回転数が下降してゼロ付近の範囲を単に通過する場合の主要パラメータのタイミングチャートである。図6において、(a)はアクセルペダル164の踏込量の時間変化を、(b)はモータMG1の回転数の時間変化を、(c)はモータMG1のトルクの時間変化を、(d)はモータMG2のトルクと駆動トルクの時間変化を、それぞれ表している。
【0114】
一方、運転者が図6(a)に示すようにアクセルペダル164を戻して、モータMG1の目標回転数が正から徐々に下降し、値Rを超えても、その目標回転数が図6(b)に示すようにゼロ付近の範囲内を単に通過する場合には、上記した通り過熱防止制御は行われないため、モータMG1の実回転数sngは、図6(b)に示すように、ハンチングを起こすことなく直線的に上昇する。エンジン150の実回転数sneもハンチングを起こすことがなく(図示せず)、モータMG1のトルクstgも、図6(c)に示すようにハンチングを起こすことがない。一方、アクセルペダルを戻すと、減速状態となるので、駆動トルクstpは図6(d)に示すように負(stp<0)でほぼ一定となるが、モータMG1のトルクstgはハンチングを起こすことがないので、前述した式(2)に基づいて、モータMG2のトルクstmも図6(d)に示すようにハンチングを起こすことがない。従って、従来、問題となっていたしゃくりを生じることがない。
【0115】
なお、本実施例においても、モータMG2のトルクstgには、図6(d)において、矢印Wで示すような減速ショックを生じる恐れがあるが、このトルクstgに下限ガード処理を施すことにより、この減速ショックを低減することは可能である。
【0116】
なお、本発明を適用する動力出力装置の構成としては、図1に示した構成以外の構成も可能である。図1では、モータMG2がリングギヤ軸126に結合されているが、モータMG2が、エンジン150のクランクシャフト156に直結したプラネタリキャリア軸127に結合された構成をとることもできる。第1の変形例としての構成を図7に示す。図7では、エンジン150,モータMG1,MG2のプラネタリギヤ120に対する結合状態が図1の実施例と相違する。プラネタリギヤ120に関わるサンギヤ軸125にモータMG1が結合され、プラネタリキャリア軸127にエンジン150のクランクシャフト156が結合されている点では図1と同じである。図7では、モータMG2がリングギヤ軸126ではなく、プラネタリキャリア軸127に結合されている点で図1の実施例と相違する。
【0117】
かかる構成においても、例えば、モータMG1により回生された電力を用いて、プラネタリキャリア軸127に結合されたモータMG2を駆動することにより、クランクシャフト156に直結したプラネタリキャリア軸127にはさらなるトルクを付加することができ、このトルク付加は、駆動軸112に要求トルクが出力されるように行なわれる。従って、図1の実施例と同様に、モータMG1およびMG2を介して電力の形でやりとりされる動力を調整することにより、エンジン150から出力された動力を所望の回転数およびトルクとして駆動軸112から出力することができる。
【0118】
従って、このような構成においても、モータMG1の目標回転数がゼロ付近の範囲に入った場合に、前述したような過熱防止制御が必ず作動するようにしている場合は、上記した従来技術と同様の問題が生じるので、このような構成に本発明を適用し、モータMG1の目標回転数がゼロ付近の範囲内を単に通過する場合には、上記した過熱防止制御を行わないようにすることより、その問題を解決することは可能である。
【0119】
なお、本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【0120】
上記した実施例では、図4のモータMG1制御目標回転数算出処理ルーチンにおけるステップS308において、変数t_ngtagに新たに与える値は、Rまたは−Rという固定値であったが、インバータ回路191の過熱防止が可能であるならば、この値は、時間と共に変化するような値であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての動力出力装置を搭載したハイブリッド車両の概略構成を示す構成図である。
【図2】図1のモータMG1に対する制御ユニット190による制御処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図3】図2におけるエンジン目標回転数算出処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図4】図2におけるモータMG1制御目標回転数算出処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図5】図1の実施例におけるモータMG1の目標回転数が上昇してゼロ付近の範囲を単に通過する場合の主要パラメータのタイミングチャートである。
【図6】図1の実施例におけるモータMG1の目標回転数が下降してゼロ付近の範囲を単に通過する場合の主要パラメータのタイミングチャートである。
【図7】本発明の変形例としての動力出力装置を搭載したハイブリッド車両の概略構成を示す構成図である。
【図8】従来における発電機に対する過熱防止制御を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】従来においてアクセルペダルを戻した際に行われる発電機に対する過熱防止制御を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
110…動力出力装置
111…動力伝達ギヤ
112…駆動軸
113…動力受取ギヤ
114…ディファレンシャルギヤ
116…駆動輪
119…ケース
120…プラネタリギヤ
121…サンギヤ
122…リングギヤ
123…プラネタリピニオンギヤ
124…プラネタリキャリア
125…サンギヤ軸
126…リングギヤ軸
127…プラネタリキャリア軸
128…動力取出ギヤ
129…チェーンベルト
130…ダンパ
132…ロータ
133…ステータ
142…ロータ
143…ステータ
150…エンジン
151…燃料噴射弁
152…燃焼室
153…吸気弁
154…ピストン
156…クランクシャフト
157…VVT
158…イグナイタ
160…ディストリビュータ
162…点火プラグ
164…アクセルペダル
164a…アクセルペダルポジションセンサ
170…EFIECU
174…水温センサ
176…回転数センサ
178…回転角度センサ
179…スタータスイッチ
190…制御ユニット
191,192…インバータ回路
194…バッテリ
199…残容量検出器
200…吸入口
202…排気口
261…スロットルバルブ
262…スロットルアクチュエータ
263…スロットルバルブポジションセンサ
264…カムシャフトポジションセンサ
MG1…モータ
MG2…モータ

Claims (5)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    第1ないし第3の軸を有し、前記第3の軸に前記駆動軸が結合されると共に、前記第1ないし第3の軸のうちいずれか2軸に対し動力が入出力されたときに、その入出力された動力に基づいて定まる動力を残余の1軸に対し入出力する3軸式動力入出力手段と、
    前記第1の軸にその回転軸が結合し、前記第1の軸に動力を出力することが可能な原動機と、
    前記第2の軸にその回転軸が結合し、前記第2の軸に対し動力を入出力することが可能な第1の電動発電機と、
    前記第3の軸または第1の軸にその回転軸が結合し、前記第3の軸または第1の軸に対し動力を入出力することが可能な第2の電動発電機と、
    前記原動機に対する要求パワーに基づいて前記第1の電動発電機の制御目標回転数を設定し、前記第1の電動発電機の回転数が前記制御目標回転数となるように、前記第1の電動発電機を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記原動機に対する要求パワーから前記第1の電動発電機の第1の目標回転数を導出すると共に、前記第1の電動発電機の回転数が前記第1の目標回転数に至るための直近の第2の目標回転数を順次導出する目標回転数導出部と、
    導出された前記第1及び第2の目標回転数が共にゼロを含む所定の回転数範囲内にある場合には、前記第1の電動発電機の制御目標回転数として特定の回転数を設定し、前記第1及び第2の目標回転数のうち、少なくとも一方が前記回転数範囲外にある場合には、前記第1の電動発電機の制御目標回転数として前記第2の目標回転数を設定する制御目標回転数設定部と、
    を少なくとも備える動力出力装置。
  2. 請求項1に記載の動力出力装置において、
    前記目標回転数導出部は、
    前記原動機に対する要求パワーから前記原動機の第3の目標回転数を導出する第1の導出手段と、
    前記原動機の第3の目標回転数から、前記原動機の回転数が前記第3の目標回転数に至るための直近の第4の目標回転数を順次導出する第2の導出手段と、
    前記第3の目標回転数と前記第2の電動発電機の回転数から前記第1の目標回転数を算出する第1の算出手段と、
    前記第4の目標回転数と前記第2の電動発電機の回転数から前記第2の目標回転数を算出する第2の算出手段と、
    を備える動力出力装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の動力出力装置を搭載したハイブリッド車両であって、
    前記駆動軸に出力される動力によって車輪を駆動することを特徴とするハイブリッド車両。
  4. 第1ないし第3の軸を有し、前記第3の軸に前記駆動軸が結合されると共に、前記第1ないし第3の軸のうちいずれか2軸に対し動力が入出力されたときに、その入出力された動力に基づいて定まる動力を残余の1軸に対し入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第1の軸にその回転軸が結合し、前記第1の軸に動力を出力することが可能な原動機と、前記第2の軸にその回転軸が結合し、前記第2の軸に対し動力を入出力することが可能な第1の電動発電機と、前記第3の軸または第1の軸にその回転軸が結合し、前記第3の軸または第1の軸に対し動力を入出力することが可能な第2の電動発電機と、を備えた動力出力装置における前記第1の電動発電機を制御する方法であって、
    (a)前記原動機に対する要求パワーから前記第1の電動発電機の第1の目標回転数を導出すると共に、前記第1の電動発電機の回転数が前記第1の目標回転数に至るための直近の第2の目標回転数を導出する工程と、
    (b)導出された前記第1及び第2の目標回転数が共にゼロを含む所定の回転数範囲内にある場合には、前記第1の電動発電機の制御目標回転数として特定の回転数を設定し、前記第1及び第2の目標回転数のうち、少なくとも一方が前記回転数範囲外にある場合には、前記第1の電動発電機の制御目標回転数として前記第2の目標回転数を設定する工程と、
    (c)前記第1の電動発電機の回転数が前記制御目標回転数となるように、前記第1の電動発電機を制御する工程と、
    を備える電動発電機制御方法。
  5. 請求項4に記載の電動発電機制御方法において、
    前記工程(a)は、
    前記原動機に対する要求パワーから前記原動機の第3の目標回転数を導出する工程と、
    前記原動機の第3の目標回転数から、前記原動機の回転数が前記第3の目標回転数に至るための直近の第4の目標回転数を導出する工程と、
    前記第3の目標回転数と前記第2の電動発電機の回転数から前記第1の目標回転数を算出する工程と、
    前記第4の目標回転数と前記第2の電動発電機の回転数から前記第2の目標回転数を算出する工程と、
    を含む電動発電機制御方法。
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