JP2619461B2 - 回転数制御スクロ−ル圧縮機の制御法 - Google Patents

回転数制御スクロ−ル圧縮機の制御法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、回転数制御スクロール圧縮機の制御法に係
り、特にインバータを用い、冷暖房に応じて適切な圧縮
機の容量制御を行うために好適な回転数制御スクロール
圧縮機の制御法に関する。
〔従来の技術〕
従来技術として、特開昭62−71483号公報に記載のよ
うに、圧縮機の振動を抑えるため、電動機部のコイル内
を流れる電流を変化させて電動機部のトルクと圧縮機要
素部の負荷トルクとをマッチングさせる制御方法が開示
されている。
一方、実開昭59−942231号公報に記載のように、室温
と設定温度との差、および一定時間内の室温変化を検出
してインバータ制御する制御技術も開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記従来技術は、圧縮機の振動低減を図るため、電動
機部側の電磁トルクを制御するもので、圧縮機全体の系
を考慮して振動を低減させるという点に配慮がなされて
いない。圧縮機全体の系を考慮して振動の低減を図らな
ければならない理由は、インバータ高調波周波数と、圧
縮機の密閉容器の固有振動数および圧縮機要素部の周辺
の固有振動数並びに電動機電磁周波数との共振作用が発
生し、これらの共振作用のほかに、スクロール圧縮機で
はインバータ高調波周波数と、旋回スクロールの自転防
止手段としてのオルダムリングの周辺の固有周波数との
共振作用が発生するからである。
これらの共振作用を考慮しないと、回転数域が狭めら
れる問題が起こるおそれがある。また、共振点は比較的
数多く点在しており、インバータ制御により制御された
インバータ高調波周波数と、密閉容器の固有振動数とが
共振した場合、大きな振動値となり、ひいては騒音が異
常に高くなるという問題があり、同じ仕様の圧縮機にお
いて、個々の圧縮機により騒音が発生したりしなかった
りする等、騒音のばらつきが大きくなり、製品の品質上
の問題が生じる。特に、スクロール圧縮機の場合、イン
バータ高調波周波数とオルダムリングの周辺の固有振動
数との共振作用が生じると、オルダムリングのオルダム
キーとキー溝とが異常に摩耗し、ひいてはこの部分が破
壊するという問題が起こるおそれがある。
本発明の目的は、インバータ駆動による回転数制御ス
クロール圧縮機の振動や騒音、特に自転防止手段である
オルダムリング機構部周辺の異常振動による圧縮機内部
の異常摩耗、破損を防止する回転数制御スクロール圧縮
機の制御法を得ることにある。〔課題を解決するための
手段〕 上記目的を解決するために、本発明の特徴は、密閉容
器と、この密閉容器の内部にスクロール圧縮要素と旋回
スクロールの自転防止手段及び電動機部とを備えたイン
バータ駆動による回転数制御スクロール圧縮機の制御法
において、インバータ高調波周波数とスクロール圧縮要
素部における旋回スクロールの自転防止手段の周辺の固
有振動数とを予め実験により把握して空調制御部に記憶
させ、該空調制御部により前記スクロール圧縮要素部に
おける旋回スクロールの自転防止手段の周辺の固有振動
数および前記インバータ高調波周波数と相関関係にある
危険周波数域とを演算して、この危険周波数域も前記空
調制御部に記憶させておき、前記空調制御部で空調負荷
により定まるインバータ出力周波数を計算し、該インバ
ータ出力周波数が危険周波数域である場合、前記空調制
御部でこのインバータ出力周波数が現状の運転周波数よ
り高いか低いかを認識して、高いときは前記危険周波数
域の上限値を運転周波数に設定し、低いときは前記危険
周波数域の下限値を運転周波数域に設定し、この運転周
波数によりスクロール圧縮機を回転数制御する、ことに
ある。
〔作用〕
インバータによる回転数制御スクロール圧縮機におい
ては、インバータ高調波周波数とスクロール圧縮機の自
転防止機構系の固有振動数との共振作用が発生するが、
本発明では共振がおこる危険周波数域で運転しなければ
ならない場合に、運転周波数を危険周波数域の上限値ま
たは下限値に設定して共振を回避しているので、圧縮機
の構造を変更することなく、スクロール圧縮機の騒音、
振動を低減することができる。すなわち、この共振現象
はインバータ高調波周波数と旋回スクロールの自転防止
手段であるオルダムリングの固有振動数との共振現象で
あるが、本発明ではオルダムリングの異常な軸方向変位
を起こすことがないよう運転周波数を設定しているの
で、オルダムリングの騒音、振動が低減できるととも
に、オルダムリングの内部機構であるオルダムキーとキ
ー溝の異常摩耗、破損を防止できる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面により説明する。
第1図〜第7図は、本発明の一実施例を示す。
そして、第1図はインバータによって行う回転数制御
による容量制御が可能な圧縮機を含む冷凍装置のブロッ
ク図である。
この第1図に示す冷凍装置は、交流電源1と、コンバ
ータ2と、圧縮機を回転数制御するインバータ3と、イ
ンタフェース4と、制御部5aおよびCPU(中央演算処理
装置)5bとを有する空調制御部5と、回転数制御が可能
な電動機部を有する圧縮機6と、ガス流路切換用四方弁
8と、室外側熱交換器9と、絞り装置10と、室内側熱交
換器11と、室内部12の室内空間13に設置された室温セン
サ14と、前記圧縮器6の密閉容器に取り付けられた振動
センサ15とを備えている。
この冷凍装置では、室温センサ14により室内部12の温
度を検出し、その出力信号をインタフェース4を介して
空調制御部5に送り込む。この空調制御部5では室温セ
ンサ14により検出された室内温度と設定温度との差を計
算し、この温度差に対応する制御信号をインバータ3に
対して出力する。
また、この冷凍装置では圧縮機6に取り付けられた振
動センサ15により圧縮器全体の系の固有振動数を検出
し、その出力信号もインタフェース4を介して空調制御
部5に送り込む。この空調制御部5では、前記振動セン
サ15から送り込まれた圧縮機全体の系の固有振動数を取
り込んで処理し、危険出力周波数域から外れた運転周波
数を計算し、この運転周波数をインバータ3に対して出
力する。そのプロセスの詳細は後述する。
次に、第2図は圧縮機の制御回路を示すブロック図で
ある。
この第2図に示す圧縮機の制御回路は、交流電源1
と、コンバータ2と、インバータ出力部3aおよびインバ
ータ制御部3bとを有するインバータ3と、インタフェー
ス4と、空調制御部5と、室温センサ14と、振動センサ
15とを備え、インタフェース3により圧縮機の電動機部
7を回転数制御するようになっている。
前記コンバータ2は、交流電源1に接続され、交流電
力を直流電力に変換し、インバータ出力部3aに供給する
ようになっている。
前記インバータ出力部3aには、一般にパワートランジ
スタが使用され、このパワートランジスタをインバータ
制御部3bから出力される周期,タイミングでオン/オフ
させることにより、圧縮機の電動機部7の回転数を制御
するようにしている。
前記インバータ制御部3bで出力されるインバータ高調
波周波数ffは次式で与えられる。
ここで、f0:電源周波数(駆動周波数) Zd:インバータパルス数 S:スリップ P:極数 R0:定数 である。
前記インバータ高調波周波数ff(加振周波数)が、圧
縮機全体の系と、特に密閉容器の固有振動数と共振しな
いように、実際の運転周波数を設定するものである。
前記(1)式から分かるように、インバータ高調波周
波数ffはインバータパルス数Zd値等により変化するもの
で、これは使用するインバータの種類によって、同一の
圧縮機を用いた場合でも振動が大きく出たり、出なかっ
たりすることを意味する。
そこで、圧縮機全体の構造を変更することなく、また
使用するインバータの種類に制約されることなく、イン
バータ3側の交流電源1の加振周波数、つまりインバー
タ高調波周波数ffと圧縮機全体の系の固有振動数との共
振作用を回避する必要がある。
同様に、電動機部7の電磁力の周波数、つまり電動機
電磁周波数と圧縮機全体の系の固有振動数との共振作用
を避けた方がよい。前記電動機電磁周波数fp(加振周波
数)は、次式で与えられる。
ここで、Z2:ロータの溝数 P:極数 S:スリップ R1:定数 f0:電源周波数(駆動周波数) である。
このように、(1)式と(2)式で与えられるインバ
ータ高周波周波数ffと電動機電磁周波数fpとが、圧縮機
全体の系の固有振動数と共振作用を起こさないようにす
る必要がある。
ついで、第3図は本発明回転数制御圧縮機の制御法の
一実施例を示すフローチャートである。
この第3図に示す回転数制御圧縮機の制御法では、実
機について圧縮機全体の系の固有振動数fnを把握し、こ
れを第1図,第2図に示す空調制御部5に記憶させる。
圧縮機全体の系の固有振動数fnは、第1図に示すよう
に、圧縮機6の密閉容器に取り付けられた振動センサ15
により検出した振動数をもって把握してもよい。
次に、前記空調制御部5で圧縮機全体の系の固有振動
数fnと相関関係にある危険周波数域Δfを演算し、これ
も空調制御部5に記憶させる。
ついで、前記空調制御部5で空調負荷により定まるイ
ンバータ出力周波数f0を計算する。
続いて、前記空調制御部5により、危険周波数域Δf
の範囲に、計算で求めたインバータ出力周波数f0が入る
か,否か判断する。
判断の結果、計算で求めたインバータ出力周波数f0
危険周波数域Δfの範囲に入るときは、この危険周波数
域Δfから外れかつ計算で求めたインバータ出力周波数
f0に近い周波数を実際に使用するインバータ出力周波数
fとして設定する。また、判断の結果、計算で求めたイ
ンバータ出力周波数f0が危険周波数域Δfの範囲に入っ
ていないときは、この周波数を実際に使用する運転周波
数fとして設定する。
そして、前記危険周波数域Δfから外れたインバータ
出力周波数で第2図に示す圧縮機の電動機部7を運転す
べく、空調制御部からインバータ制御部3bへ指令を送
り、インバータ制御部3bからインバータ出力部3aへ前記
インバータ出力周波数を運転周波数fとして圧縮機の電
動機部7を制御するように制御信号が送出され、圧縮機
の電動機部7が回転数制御される。
前記危険周波数域Δfは、圧縮機全体の系の固有振動
数fnに対して数ヘルツ(Hz)の小幅をもたせたもので、
この危険周波数域Δfを回避したインバータ出力周波数
fを設定しても、計算で求めたインバータ出力周波数f0
に近いインバータ出力周波数を設定することにより、所
望の圧縮機の冷凍容量,暖房能力に対して大きな差はな
く、快適な空調空間を作り出すことができる。
ついで、第4図は計算で求めたインバータ出力周波数
から危険周波数域を外れた運転周波数を設定する過程を
示すフローチャート、第5図は計算で求めたインバータ
出力周波数と運転周波数との関係を示す図である。
いま、第1図および第2図に示す空調制御部5からの
指令により運転周波数fのインバータ出力周波数で運転
しているときに、空調負荷が変化したことにより、空調
制御部5での演算により危険周波数域(fCl〜fch)の周
波数が演算されたとする。このとき、空調制御部5では
インバータ出力周波数の増加,減少モードをチェック
し、第4図および第5図から分かるように、増加モード
では危険周波数域(fcl〜fch)の周波数を避けるべく、
危険数端数fChを越える出力周波数fch′を出力する。ま
た、逆に減少モードであれば危険周波数fclより低い出
力周波数fcl′を出力する。このようにして、危険周波
数域(fcl〜fch)での運転を避けることができる。
この実施例で、算出周波数f0は計算で求めたインバー
タ出力周波数を意味し、出力周波数は運転周波数を設定
するためのインバータ出力周波数を意味する。
なお、第4図および第5図に示す実施例では危険周波
数域が1カ所の場合を説明したが、複数カ所であっても
同様に制御することができることは言うまでもない。
次に、第6図はインバータ出力周波数と圧縮機振動加
速度との関係について、従来機と本発明の前記実施例と
を比較して示す図である。
この第6図に示すように、従来機では圧縮機の振動
(振動加速度)により、ある周波数で極めて大きな振動
現象が発生していた。
これに対して、本発明のこの実施例では、圧縮機全体
の系の固有振動数fnに相関関係にある危除周波数域Δf
を演算し、空調負荷により定まるインバータ出力周波数
f0を計算し、この計算で求めたインバータ出力周波数f0
が危険周波数域Δfの範囲に入るか,否かを判断し、範
囲に入っているときは危険周波数域Δfから外れかつ計
算で求めたインバータ出力周波数f0に近いインバータ出
力周波数を運転周波数fとして設定し、これを使用して
圧縮機の電動機部7の回転数制御するようにしているの
で、インバータ高調波周波数ffと圧縮機全体の系の固有
振動数fnとの共振作用を回避することができる。したが
って、この実施例では第6図に示すように、圧縮機全体
の振動を低減でき、騒音を低減でき、広範囲の周波数を
使って安定した運転が可能となる。また、インバータの
特性を含む圧縮機全体の系の固有振動数fnを実機につい
て予め実験により把握し、この固有振動数fnと相関関係
にある危険周波数域Δfを演算し、この危険周波数域Δ
fから外れたインバータ出力周波数を運転周波数fとし
ているので、圧縮機自体の構造を変更することなく、ま
た使用するインバータの種類に制約を与えることなく、
振動および騒音の低減を図ることができる。
次に、第7図はインバータ高調波周波数と、圧縮機全
体の系の固有振動数と、インバータ出力周波数との関係
を示す図である。
この第7図に示すように、インバータ高調波周波数ff
は、ある傾きをもって直線状に変化する。一方、圧縮機
全体の系の固有振動数fnは、fn1,fn2…fn5と点在してお
り、インバータ高調波周波数ffと圧縮機全体の系の固有
振動数fnとの交点(共振点)a,b…eのところで共振作
用が起きることが予想される。この共振点a,b…eは、
予め前記(1),(2)式およびインパルスハンマ使用
などによる圧縮機への打撃加振に実験などにより求め、
これより第6図に示す危険周波数域Δf1,Δf2…を算出
し、第1図および第2図に示す空調制御部5にモニタし
ておくことができる。実用的には、奇数の周波数を避け
た方が安定した運転が得られるなど、好適のようであ
る。
進んで、第8図は本発明回転数制御圧縮機の制御法を
スクロール圧縮機に適用した場合の縦断正面図である。
この第8図に示すスクロール圧縮機は、密閉容器20
と、スクロール圧縮機要素部24と、電動機部41と、偏心
軸4を有する回転軸46と、圧縮機要素部24の旋回スクロ
ールの自転防止手段としてのオルダムリング48と、第1,
第2,第3の振動センサ51,52,53と、圧縮機の制御回路と
を備えて構成されている。
前記密閉容器20は、胴体部21と、上蓋部22と、下蓋部
23とろ組み合わせて構成されている。
前記密閉容器20の内部には、上部にスクロール圧縮機
要素部24が取り付けられ、中間部には電動機部41が取り
付けられ、下部には潤滑油49が溜められている。
前記スクロール圧縮機要素部24は、フレーム25と、固
定スクロール29と、旋回スクロール30とを有している。
前記フレーム25の外周面には、冷媒ガスや潤滑油の通
路26が形成されている。このフレーム25は、前記密閉容
器20の胴体部21の内壁面に固定されている。このフレー
ム25の下部には、回転軸46の軸受部27が設けられてい
る。
前記固定スクロール29は、鏡板31と、これに直立に形
成されたスクロールラップ33とを有している。
前記固定スクロール29の鏡板31は、ボルト28によりフ
レーム25に固定されており、このボルト28と鏡板31とを
介してフレーム25に固定スクロール29が固定されてい
る。また、鏡板31の外周面には、冷媒ガスや潤滑油の通
路35が形成されている。さらに、鏡板31の外縁部側には
気体の吸入口36と、吸入室37とが設けられており、同鏡
板31の中央部には圧縮気体の吐出口38が設けられてい
る。前記吸入口36は、吸入管36′を介して気体供給側
(図示せず)に接続されている。
前記固定スクロール29のスクロールラップ33は、イン
ボリュート曲線またはこれに近似の曲線で形成されてい
る。
前記旋回スクロール30は、鏡板32と、これに直立に形
成されたスクロールラップ34とを有している。
前記旋回スクロール30の鏡板32の中央部には、ボス40
が設けられている。このボス40には、回転軸46の偏心軸
47が挿入されている。
前記旋回スクロール30のスクロールラップ34は、固定
スクロール29のスクロールラップ33と同じ曲線て形成さ
れている。
前記固定スクロール29と旋回スクロール30とは、スク
ロールラップ33,34を内側にして互いにかみ合わされて
おり、両スクロールラップ33,34により圧縮室39が形成
されている。
前記電動機部41は、ステータ42と、ロータ44とを有し
ている。
前記電動機部41のステータ42の外周面には、潤滑油の
通路43が形成されている。このステータ42は、密閉容器
20の胴体部21の内壁面に固定されている。また、ステー
タ42は密閉容器20の胴体部21の外壁面に取り付けられた
ハーメ端子部45に接続されている。
前記電動機部41のロータ44には、回転軸46が取り付け
られている。
前記回転軸46は、圧縮機要素部24の旋回スクロール30
方向に伸びており、回転軸46の上端部には偏心軸47が設
けられている。この偏心軸47は、旋回スクロール30の鏡
板31に設けられたボス40に挿入されている。そして、前
記回転軸46と偏心軸47とは、旋回スクロール30を旋回さ
せるようになっている。
前記オルダムリング48は、旋回スクロール30を固定ス
クロール29に対して自転させず、旋回運動させるように
なっている。
なお、密閉容器20の胴体部21には、冷媒ガスの吐出管
50が取り付けられている。
前記第1〜第3の振動センサ51〜53のうちの、第1の
振動センサ51は密閉容器20の胴体部21の上部の外壁面に
取り付けられ、第2の振動センサ52はオルダムリング48
の周辺においてスクロール圧縮機要素部24のフレーム25
に取り付けられており、第3の振動センサ53は電動機部
41のステータ42の外周面に電気的絶縁を保って取り付け
られている。これら第1〜第3の振動センサ51〜53は、
当該個所の振動数を検出し、その出力信号を圧縮機の制
御回路の空調制御部(第2図の符号5参照)に送り込む
ようになっている。
前記圧縮機の制御回路は、第2図に示す制御回路と同
様に構成されているが、第8図中では、交流電源1と、
コンバータ2と、インバータ3とだけ示している。
そして、この第8図に示す実施例では、第1の振動セ
ンサ51が代表してスクロール圧縮機全体の系の固有振動
数を検出して第1図に示す空調制御部5に送り込み、空
調制御部5で前記固有振動数と相関関係にある危険周波
数域を演算し、また空調負荷により定まるインバータ出
力周波数を計算し、計算して求めたインバータ出力周波
数が危険周波数域の範囲に入るか、否かを判断し、危険
周波数域から外れた運転周波数を設定し、この運転周波
数でスクロール圧縮機の電動機部41を回転数制御し、イ
ンバータ高調波周波数ffとスクロール圧縮機全体の系の
固有振動数との共振作用を回避する。
また、第2図の振動センサ52によりオルダムリング48
の周辺の固有振動数を検出し、この検出結果に基づき、
前記第1の振動センサ51で得られた検出結果の処理と同
様のプロセスを経て、インバータ高調波周波数ffとオル
ダムリング48の周辺の固有振動数との共振作用を回避す
る。一般に、スクロール圧縮機の場合は、オルダムリン
グ48の挙動、すなわちオルダムリング48の軸方向変位が
インバータ高調波周波数ffと共振して大きく振れること
が実験的に裏付けられており、インバータ高調波周波数
ffとオルダムリング48の周辺の固有振動数との共振作用
を回避することは、スクロール圧縮機全体の振動および
騒音を低減するうえで、非常に効果が大きい。
さらに、第3の振動センサ53により電動機部41の周辺
の固有振動を検出し、この検出結果に基づき、前記第1,
の振動センサ51で得られた検出結果の処理と同様のプロ
セスを経て、インバータ高調波周波数ffと電動機部41の
周辺の固有振動数との共振作用を回避する。
これにより、圧縮機として回転数制御による容量制御
に最適なスクロール圧縮機において、第1〜第3の振動
センサ51〜53によりスクロール圧縮機全体の系の固有振
動数と、オルダムリング48の周辺の固有振動数と、電動
機部41の周辺の固有振動数とを常時監視し、インバータ
高調波周波数ffと、スクロール圧縮機全体の系の固有振
動数およびオルダムリング48の周辺の固有振動数並びに
電動機部41の周辺の固有振動数との共振作用を効果的に
回避することができ、安定した運転を行うことができ
る。
また、この第8図に示す実施例において、第2,第3の
振動センサ52,53のいずれか一方または双方を省略して
もよい。
さらに、この実施例において、スクロール圧縮機全体
の系の固有振動数やオルダムリング48の周辺の固有振動
数、電動機部41の周辺の固有振動数を予め実験により把
握し、インバータ高調波周波数ffと、各部の固有振動数
との共振作用を回避するようにしてもよい。
なお、このスクロール圧縮機においても、(2)式で
得られる電動機電磁周波数fpとインバータ高調波周波数
ffとの共振作用を回避する制御法を、前記第1〜第3の
振動センサ51〜53の検出結果に基づく制御法と併用して
もよいこと勿論である。
〔発明の効果〕
インバータ駆動による回転数制御スクロール圧縮機の
騒音、振動の低減やオルダムリングの振動、騒音が低減
できるとともに、オルダムリングの内部機構であるオル
ダムキーとキー溝の異常摩耗、破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第7図は本発明の一実施例を示すもので、その
第1図はインバータによって行う回転数制御による容量
制御が可能な圧縮機を有する冷凍装置のブロック図、第
2図は圧縮機の制御回路のブロック図、第3図は本発明
に係る制御法の一実施例を示すフローチャート、第4図
は計算で求めたインバータ出力周波数から危険周波数を
外れた運転周波数を設定する過程を示すフローチャー
ト、第5図は計算で求めたインバータ出力周波数と運転
周波数との関係を示す図、第6図はインバータ出力周波
数と圧縮機の振動加速度との関係について、従来機と本
発明の実施例とを比較して示す図、第7図はインバータ
高調波周波数と、圧縮機全体の系の固有振動数と、イン
バータ出力周波数との関係を示す図である。 第8図は本発明に係る制御法をスクロール圧縮機に適
用した場合の縦断正面図である。 1……交流電源、2……コンバータ、3……インバー
タ、5……空調制御部、6……圧縮機、7……圧縮機の
電動機部、9……室外側熱交換器、11……室内側熱交換
器、14……室温センサ、15……振動センサ、20……スク
ロール圧縮機の密閉容器、24……スクロール圧縮機要素
部、25……フレーム、29……固定スクロール、30……旋
回スクロール、31,32……鏡板、33,34……スクロールラ
ップ、36……気体の吸入口、37……吸入室、38……圧縮
気体の吐出口、39……圧縮室、41……電動機部、46……
回転軸、47……偏心軸、48……旋回スクロールの自転防
止手段であるオルダムリング、51〜53……第1〜第3の
振動センサ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02P 7/63 302 H02P 7/63 302P (72)発明者 荒田 哲哉 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (72)発明者 富田 好勝 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (72)発明者 吉川 富夫 静岡県清水市村松390番地 株式会社日 立製作所清水工場内 (56)参考文献 特開 昭61−272483(JP,A) 特開 昭59−92777(JP,A) 実開 昭59−150990(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉容器と、この密閉容器の内部にスクロ
    ール圧縮要素と旋回スクロールの自転防止手段及び電動
    機部とを備えたインバータ駆動による回転数制御スクロ
    ール圧縮機の制御法において、インバータ高調波周波数
    とスクロール圧縮要素部における旋回スクロールの自転
    防止手段の周辺の固有振動数とを予め実験により把握し
    て空調制御部に記憶させ、該空調制御部により前記スク
    ロール圧縮要素部における旋回スクロールの自転防止手
    段の周辺の固有振動数および前記インバータ高調波周波
    数と相関関係にある危険周波数域とを演算して、この危
    険周波数域も前記空調制御部に記憶させておき、前記空
    調制御部で空調負荷により定まるインバータ出力周波数
    を計算し、該インバータ出力周波数が危険周波数域であ
    る場合、前記空調制御部でこのインバータ出力周波数が
    現状の運転周波数より高いか低いかを認識して、高いと
    きは前記危険周波数域の上限値を運転周波数に設定し、
    低いときは前記危険周波数域の下限値を運転周波数域に
    設定し、この運転周波数によりスクロール圧縮機を回転
    数制御することを特徴とする回転数制御スクロール圧縮
    機の制御法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の回転数制御スクロール圧縮
    機の制御法において、自転防止手段はオルダムリング機
    構であることを特徴とする回転数制御スクロール圧縮機
    の制御法。
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