JP3937608B2 - 動力出力装置 - Google Patents

動力出力装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3937608B2
JP3937608B2 JP28128298A JP28128298A JP3937608B2 JP 3937608 B2 JP3937608 B2 JP 3937608B2 JP 28128298 A JP28128298 A JP 28128298A JP 28128298 A JP28128298 A JP 28128298A JP 3937608 B2 JP3937608 B2 JP 3937608B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
power
motor
shaft
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28128298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000115913A (ja
Inventor
秋広 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP28128298A priority Critical patent/JP3937608B2/ja
Publication of JP2000115913A publication Critical patent/JP2000115913A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3937608B2 publication Critical patent/JP3937608B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Landscapes

  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイブリッド車両などに用いられる動力出力装置に関し、詳しくは、プラネタリギヤなどの3軸式動力入出力手段を備えた動力出力装置、およびそれを搭載したハイブリッド車両並びに動力出力装置の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンと電動機とを動力源とするハイブリッド車両が提案されており、そのハイブリッド車両の一種としていわゆるパラレルハイブリッド車両がある。パラレルハイブリッド車両では、原動機であるエンジンから出力された動力の一部は動力調整装置により駆動軸に伝達される。残余の動力は動力調整装置によって電力に変換される。この電力はバッテリに蓄電されたり、エンジン以外の動力源としての電動機を駆動するのに用いられる。かかる構成により、パラレルハイブリッド車両はエンジンから出力された動力を任意の回転数およびトルクで駆動軸に出力することができる。エンジンは運転効率の高い運転ポイントを選択して運転することができるため、ハイブリッド車両はエンジンのみを駆動源とする従来の車両に比べて省資源性および排気浄化性に優れている。
【0003】
なお、動力調整装置としては、例えば、回転軸を有する電動発電機と、駆動軸とエンジンの出力軸と電動発電機の回転軸とにそれぞれ結合された3軸を有する3軸式動力入出力手段であるプラネタリギヤと、を用いた機械分配型動力調整装置や、エンジンの出力軸に結合されたロータと駆動軸に結合されたロータとを備える対ロータ電動機を用いた電気分配型動力調整装置などを適用することができる。
【0004】
このうち、機械分配型動力調整装置の場合、プラネタリギヤは、周知の通り、3軸のうち2軸の回転数およびトルクが決まると残余の回転軸の回転数およびトルクが決まる性質を有している。かかる性質に基づき、例えば、エンジンの出力軸に結合された第1の軸から入力された機械的な動力の一部を駆動軸に結合された第3の軸に出力しつつ、残る第2の軸に結合された電動発電機によって残余の動力を電力として取り出すことができる。また、第3の軸または第1の軸に別の電動発電機を設けて、この電動発電機に電力を供給することにより、エンジンから出力された動力を増大して駆動軸に伝達することも可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
さて、このような機械分配型動力調整装置を用いたパラレルハイブリッド車両においては、例えば、車両走行中に運転者がアクセルペダルを踏み込んで急加速を要求した場合、車両の駆動軸に出力すべき要求動力が増大するため、エンジンに対する要求動力も急増する。このとき、従来においては、第2の軸に結合された電動発電機のトルクを増加させることにより、エンジンの回転数を上昇させて、エンジンから出力される動力を増加させ、その動力が上記した要求動力と等しくなるように制御していた。
【0006】
しかしながら、このように、従来においては、急加速が要求されたときに、エンジンの回転数を上昇させるために、何ら制限を設けることなく、第2の軸に結合された電動発電機のトルクを増加させていたため、そのトルクの増加分だけ、駆動軸に出力されるトルク(即ち、駆動トルク)が減少し、駆動トルクが不足してしまうという問題があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、原動機に対する要求動力が急増した場合に、駆動軸に出力される駆動トルクを減少させることなく、駆動トルクの不足を生じさせない動力出力装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の動力出力装置は、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
第1ないし第3の軸を有し、前記第3の軸に前記駆動軸が結合されると共に、前記第1ないし第3の軸のうちいずれか2軸に対し動力が入出力されたときに、その入出力された動力に基づいて定まる動力を残余の1軸に対し入出力する3軸式動力入出力手段と、
前記第1の軸にその回転軸が結合し、前記第1の軸に動力を出力することが可能な原動機と、
前記第2の軸にその回転軸が結合し、前記第2の軸に対し動力を入出力することが可能な第1の電動発電機と、
前記第3の軸または第1の軸にその回転軸が結合し、前記第3の軸または第1の軸に対し動力を入出力することが可能な第2の電動発電機と、
前記第1および第2の電動発電機に対して電力を入出力することが可能な二次電池と、
前記原動機に対する要求動力を所定のパラメータに基づいて求め、求めた前記要求動力に基づいて、前記原動機から出力される動力が前記要求動力とほぼ等しくなるよう、少なくとも前記第1の電動発電機を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
求めた前記要求動力に基づいて前記第1の電動発電機の目標トルクを導き出す目標トルク導出部と、
前記目標トルクについての最大制限トルク値を導き出す最大制限トルク値導出部と、
前記目標トルクが前記最大制限トルク値よりも大きい場合に、前記目標トルクを前記最大制限トルク値に設定し直す目標トルク再設定部と、
前記第1の電動発電機のトルクが前記目標トルクとなるよう、前記第1の電動発電機を制御するトルク制御部と、
を備えることを要旨とする。
【0009】
このように、本発明の動力出力装置では、目標トルク導出部が、原動機に対する要求動力に基づいて第1の電動発電機の目標トルクを導き出し、最大制限トルク値導出部が、その目標トルクについての最大制限トルク値を導き出す。目標トルクが最大制限トルク値よりも大きい場合に、目標トルク再設定部が、目標トルクを最大制限トルク値に設定し直す。そして、第1の電動発電機のトルクが目標トルクとなるよう、トルク制御部が第1の電動発電機を制御する。
【0010】
従って、本発明の動力出力装置によれば、原動機に対する要求動力が増加した時に、第1の電動発電機の目標トルクは最大制限トルク値以下に制限されるため、最大制限トルク値として適当な値を用いることにより、駆動軸に出力される駆動トルクが減少することがなく、駆動トルクの不足を生じることがない。
【0011】
また、本発明の動力出力装置において、前記最大制限トルク導出部は、前記第1および第2の電動発電機のトルクの関係を表す座標系において、前記駆動軸に出力される駆動トルクと前記第1および第2の電動発電機のトルクとの関係を表す式に基づいて描き出される直線と、前記二次電池から出力され得る電力の最大値と前記第1および第2の電動発電機に入出力される電力の和との関係を表す式に基づいて描き出される直線と、の交点を算出し、該交点における前記第1の電動発電機のトルクの値を、前記最大制限トルク値として導き出すことが好ましい。あるいは、また、前記最大制限トルク導出部は、前記駆動軸から出力される駆動トルクが一定となり、かつ、前記第1および第2の電動発電機に入出力される電力の和が前記二次電池から出力され得る電力の最大値と等しくなるような前記第1の電動発電機のトルクの値を、前記最大制限トルク値として導き出すことことが好ましい。
【0012】
このようにして導き出した最大制限トルク値を用いて、第1の電動発電機の目標トルクを制限することにより、第1の電動発電機のトルクの増加による駆動トルクの減少を確実に防止することができる。
【0013】
本発明のハイブリッド車両は、上記した動力出力装置を搭載したハイブリッド車両であって、
前記駆動軸に出力される動力によって車輪を駆動することを要旨とする。
【0014】
本発明のハイブリッド車両によれば、例えば、車両走行中に運転者がアクセルペダルを踏み込んで急加速を要求した場合でも、駆動トルクを減少させることなく、原動機から要求動力とほぼ等しい動力を引き出せるので、駆動トルクの不足を生じることなく、運転者の要求通りに車両を急加速させることができる。
【0015】
本発明の動力出力装置の制御装置であって、第1ないし第3の軸を有し、前記第3の軸に前記駆動軸が結合されると共に、前記第1ないし第3の軸のうちいずれか2軸に対し動力が入出力されたときに、その入出力された動力に基づいて定まる動力を残余の1軸に対し入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第1の軸にその回転軸が結合し、前記第1の軸に動力を出力することが可能な原動機と、前記第2の軸にその回転軸が結合し、前記第2の軸に対し動力を入出力することが可能な第1の電動発電機と、前記第3の軸または第1の軸にその回転軸が結合し、前記第3の軸または第1の軸に対し動力を入出力することが可能な第2の電動発電機と、前記第1および第2の電動発電機に対して電力を入出力することが可能な二次電池と、を備えた動力出力装置を制御する方法であって、
(a)前記原動機に対する要求動力を所定のパラメータに基づいて求め、求めた前記要求動力とほぼ等しい動力を前記原動機から出力させるのに必要な前記原動機の回転数から、前記第1の電動発電機の目標回転数を導き出す工程と、
(b)前記第1の電動発電機の回転数が前記目標回転数となるような、前記第1の電動発電機の目標トルクを導き出す工程と、
(c)前記目標トルクについての最大制限トルク値を導き出す工程と、
(d)前記目標トルクが前記最大制限トルク値よりも大きい場合に、前記目標トルクを前記最大制限トルク値に設定し直す工程と、
(e)前記第1の電動発電機のトルクが前記目標トルクとなるように、前記第1の電動発電機のトルクを制御する工程と、
を備えることを要旨とする。
【0016】
このように、本発明の動力出力装置の制御方法では、まず、原動機に対する要求動力を所定のパラメータに基づいて求め、その要求動力とほぼ等しい動力を原動機から出力させるのに必要な原動機の回転数から、第1の電動発電機の目標回転数を導き出す。そして、第1の電動発電機の回転数がその目標回転数となるような、第1の電動発電機の目標トルクを導き出す。次に、その目標トルクについての最大制限トルク値を導き出す。そして、目標トルクが最大制限トルク値よりも大きい場合に、目標トルクを最大制限トルク値に設定し直す。最後に、第1の電動発電機のトルクが目標トルクとなるように、第1の電動発電機のトルクを制御する。
【0017】
従って、原動機に対する要求動力が増加した時に、第1の電動発電機のトルクは最大制限トルク値以下に制限されるため、最大制限トルク値として適当な値を用いることにより、駆動軸に出力される駆動トルクが減少することがなく、駆動トルクの不足を生じることがない。
【0018】
また、本発明の動力出力装置の制御方法において、前記工程(c)は、
前記第1および第2の電動発電機のトルクの関係を表す座標系において、前記駆動軸に出力される駆動トルクと前記第1および第2の電動発電機のトルクとの関係を表す式に基づいて描き出される直線と、前記二次電池から出力され得る電力の最大値と前記第1および第2の電動発電機に入出力される電力の和との関係を表す式に基づいて描き出される直線と、の交点を算出する工程と、
該交点における前記第1の電動発電機のトルクの値を、前記最大制限トルク値として導き出す工程と、
を含むことが好ましい。
【0019】
このようにして導き出した最大制限トルク値を用いて、第1の電動発電機の目標トルクを制限することにより、第1の電動発電機のトルクの増加による駆動トルクの減少を確実に防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(A)実施例の構成
はじめに、本発明の一実施例の構成について図1を用いて説明する。図1は本発明の一実施例としての動力出力装置を搭載したハイブリッド車両の概略構成を示す構成図である。このハイブリッド車両は、いわゆる機械分配型動力調整装置を用いたパラレルハイブリッド車両である。
【0021】
このハイブリッド車両の構成は大きくは、駆動力を発生する動力系統と、その制御系統と、駆動源からの駆動力を駆動輪116、118に伝達する動力伝達系統と、運転操作部等とからなっている。
【0022】
また、上記動力系統は原動機であるエンジン150を含む系統と電動発電機であるモータMG1,MG2を含む系統とからなっており、制御系統は、エンジン150の運転を主に制御するための電子制御ユニット(以下、EFIECUと呼ぶ)170と、モータMG1,MG2の運転を主に制御する制御ユニット190と、EFIECU170および制御ユニット190に必要な信号を検出し入出力する種々のセンサ部とからなっている。
【0023】
なお、EFIECU170および制御ユニット190の内部構成は具体的には図示していないが、これらはそれぞれ内部にCPU、ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピュータであり、CPUがROMに記録されたプログラムに従い、以下に示す種々の制御処理を行なうよう構成されている。
【0024】
EFIECU170および制御ユニット190による制御によって、エンジン150からの動力を受け、更に、3軸式動力入出力手段であるプラネタリギヤ120により、このエンジン150の動力に対して、モータMG1,MG2の動力あるいは発電により調整された動力を駆動軸112に出力する構成を、以下では、動力出力装置110と呼ぶ。
【0025】
動力出力装置110におけるエンジン150は、スロットルバルブ261を介して吸入口200から空気を吸入すると共に、燃料噴射弁151からガソリンを噴射し、吸入した空気と噴射したガソリンとで混合気を生成する。このとき、スロットルバルブ261は、スロットルアクチュエータ262によって開閉駆動される。エンジン150は、生成した混合気を吸気弁153を介して燃焼室152に吸入し、この混合気の爆発により押し下げられるピストン154の運動をクランクシャフト156の回転運動に変換する。この爆発は、イグナイタ158からディストリビュータ160を介して導かれた高電圧によって点火プラグ162が形成した電気火花によって混合気が点火され燃焼することで生じる。燃焼により生じた排気は、排気口202を通って大気中に排出される。
【0026】
また、エンジン150は、吸気弁153の開閉タイミングを変更する機構、いわゆる連続可変バルブタイミング機構(以下、VVTという)157を備える。このVVT157は、吸気弁153を開閉駆動する吸気カムシャフト(図示せず)のクランク角に対する位相を進角または遅角することにより、吸気弁153の開閉タイミングを調整する。
【0027】
一方、エンジン150の運転は、EFIECU170により制御されている。例えば、スロットルバルブ261は、その開度(ポジション)を検出するスロットルバルブポジションセンサ263によって得られる検出信号に基づき、EFIECU170によりスロットルアクチュエータ262を用いて、所望の開度となるようにフィードバック制御されている。また、上記したVVT157における吸気カムシャフトの位相の進角および遅角も、吸気カムシャフトのポジションを検出するカムシャフトポジションセンサ264により得られる検出信号に基づいて、EFIECU170により目標の位相となるようフィードバック制御がなされる。その他には、エンジン150の回転数に応じた点火プラグ162の点火時期制御や、吸入空気量に応じた燃料噴射量制御などがある。
【0028】
また、エンジン150のこのような制御を可能とするために、EFIECU170には、上記したスロットルバルブポジションセンサ263やカムシャフトポジションセンサ264の他にも、エンジン150の運転状態を示す種々のセンサが接続されている。例えば、クランクシャフト156の回転数と回転角度を検出するためにディストリビュータ160に設けられた回転数センサ176及び回転角度センサ178や、イグニッションキーの状態を検出するスタータスイッチ179などが、接続されている。なお、その他のセンサ,スイッチなどの図示は省略した。
【0029】
次に、図1に示すモータMG1,MG2の概略構成について説明する。モータMG1は、同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータ132と、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータ133とを備える。ステータ133は、無方向性電磁鋼板の薄板を積層して形成されており、ケース119に固定されている。このモータMG1は、ロータ132に備えられた永久磁石による磁界とステータ133に備えられた三相コイルによって形成される磁界との相互作用によりロータ132を回転駆動する電動機として動作し、場合によってはこれらの相互作用によりステータ133に備えられた三相コイルの両端に起電力を生じさせる発電機としても動作する。
【0030】
モータMG2も、モータMG1と同様に同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータ142と、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータ143とを備える。モータMG2のステータ143も無方向性電磁鋼板の薄板を積層して形成されており、ケース119に固定されている。このモータMG2もモータMG1と同様に、電動機あるいは発電機として動作する。
【0031】
これらのモータMG1,MG2は、スイッチングを行なうトランジスタ(図示せず)を各々6個ずつ内蔵した第1および第2の駆動回路191,192を介して、バッテリ194および制御ユニット190に電気的に接続されている。制御ユニット190からは、第1および第2の駆動回路191,192内のトランジスタを駆動する制御信号が出力されている。各駆動回路191,192内の6個のトランジスタは、ソース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置されることによりトランジスタインバータを構成している。制御ユニット190によりソース側とシンク側のトランジスタのオン時間の割合を制御信号により順次制御し、三相コイルの各相に流れる電流を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相コイルにより、回転磁界が形成され、これらのモータMG1,MG2が駆動される。
【0032】
モータMG1,MG2の制御を含むハイブリッド車両の運転状態の制御を可能とするために、制御ユニット190には、この他各種のセンサおよびスイッチが電気的に接続されている。制御ユニット190に接続されているセンサおよびスイッチとしては、アクセルペダルポジションセンサ164a、ブレーキペダルポジションセンサ165a、シフトポジションセンサ184、水温センサ174、バッテリ194の残容量検出器199などがある。
【0033】
制御ユニット190は、これらのセンサを通じて運転操作部からの種々の信号やバッテリ194の残容量等を入力し、また、エンジン150を制御するEFIECU170との間で種々の情報を、通信によってやりとりしている。
【0034】
運転操作部からの種々の信号として、具体的には、アクセルペダルポジションセンサ164aからのアクセルペダルポジション(アクセルペダル164の踏込量)、ブレーキペダルポジションセンサ165aからのブレーキペダルポジション(ブレーキペダル165の踏込量)、シフトポジションセンサ184からのシフトポジション(シフトレバー182の位置)がある。また、バッテリ194の残容量は残容量検出器199で検出される。
【0035】
駆動源からの駆動力を駆動輪116、118に伝達する動力伝達系統の構成は次の通りである。エンジン150の動力を伝達するためのクランクシャフト156はダンパ130を介してプラネタリキャリア軸127に結合され、このプラネタリキャリア軸127と、モータMG1,モータMG2の回転を伝達するサンギヤ軸125、リングギヤ軸126とは、後述するプラネタリギヤ120に機械的に結合されている。ダンパ130は、このエンジン150のクランクシャフト156とプラネタリキャリア軸127とを接続し、クランクシャフト156のねじり振動の振幅を抑制する目的で設けられているものである。
【0036】
リングギヤ122には、動力取り出し用の動力取出ギヤ128が、リングギヤ122とモータMG1との間の位置で結合されている。この動力取出ギヤ128は、チェーンベルト129により動力受取ギヤ113に接続されており、動力取出ギヤ128と動力受取ギヤ113との間で動力の伝達がなされる。この動力受取ギヤ113は駆動軸112を介して動力伝達ギヤ111に結合されており、この動力伝達ギヤ111はさらにディファレンシャルギヤ114を介して左右の駆動輪116、118に結合されていて、これらに動力を伝達できるようになっている。
【0037】
ここで、プラネタリギヤ120の構成と併せてクランクシャフト156、プラネタリキャリア軸127、モータMG1の回転軸であるサンギヤ軸125、モータMG2の回転軸であるリングギヤ軸126の結合について説明する。プラネタリギヤ120は、サンギヤ121、リングギヤ122なる同軸の2つのギヤと、サンギヤ121とリングギヤ122との間に配置されサンギヤ121の外周を自転しながら公転する複数のプラネタリピニオンギヤ123の3つから構成される。サンギヤ121はプラネタリキャリア軸127に軸中心を貫通された中空のサンギヤ軸125を介してモータMG1のロータ132に結合され、リングギヤ122はリングギヤ軸126を介してモータMG2のロータ142に結合されている。また、プラネタリピニオンギヤ123は、その回転軸を軸支するプラネタリキャリア124を介してプラネタリキャリア軸127に結合され、プラネタリキャリア軸127はクランクシャフト156に結合されている。機構学上周知のことであるが、プラネタリギヤ120は上述のサンギヤ軸125、リングギヤ軸126およびプラネタリキャリア軸127の3軸のうちいずれか2軸の回転数およびこれらの軸に入出力されるトルクが決定されると、残余の1軸の回転数およびその回転軸に入出力されるトルクが決定されるという性質を有している。
【0038】
(B)一般的動作
次に、図1に示すハイブリッド車両の一般的な動作について簡単に説明する。前述した構成を有するハイブリッド車両は走行時において、駆動軸112に出力すべき要求動力に相当する動力をエンジン150から出力し、出力された動力を以下の通りトルク変換して駆動軸112に伝達している。トルク変換は、例えば駆動軸112から出力すべき要求回転数および要求トルクに対し、エンジン150のクランクシャフト156が高回転数かつ低トルクで回転している場合には、エンジン150の出力している動力の一部をモータMG1により電力として回収し、その電力によりモータMG2を駆動する。
【0039】
具体的には、まずエンジン150から出力された動力が、プラネタリギヤ120においてサンギヤ軸125に結合されたモータMG1に伝達される動力と、リングギヤ軸126を介して駆動軸112に伝達される動力とに分配される。この動力分配は、リングギヤ軸126の回転数が要求回転数に一致するような条件下で行なわれる。サンギヤ軸125に伝達された動力は、モータMG1により電力として回生される。一方、この電力を用いてリングギヤ軸126に結合されたモータMG2を駆動することにより、リングギヤ軸126にはトルクが付加される。このトルク付加は駆動軸112に要求トルクが出力されるように行なわれる。こうしてモータMG1およびMG2を介して電力の形でやりとりされる動力を調整することにより、エンジン150から出力された動力を所望の回転数およびトルクとして駆動軸112から出力することができるのである。
【0040】
逆に、駆動軸112から出力すべき要求回転数および要求トルクに対し、エンジン150のクランクシャフト156が低回転数かつ高トルクで回転している場合には、エンジン150の出力している動力の一部をモータMG2により電力を回収し、その電力によりモータMG1を駆動する。
【0041】
なお、モータMG1またはMG2によって回収された電力の一部は、バッテリ194に蓄積するが可能である。また、バッテリ194に蓄積された電力を用いて、モータMG1またはMG2を駆動することも可能である。
【0042】
かかる動作原理に基づき、定常走行時には、例えば、エンジン150を主駆動源としつつ、モータMG2の動力も用いて走行する。このように、エンジン150とモータMG2の双方を駆動源として走行することにより、必要なトルクおよびモータMG2で発生し得るトルクに応じて、エンジン150を運転効率の高い動作点にて運転できるため、エンジン150のみを駆動源とする車両に比べて省資源性および排気浄化性に優れている。一方、クランクシャフト156の回転を、プラネタリキャリア軸127およびサンギヤ軸125を介してモータMG1に伝達することができるため、エンジン150の運転によりモータMG1で発電しつつ走行することも可能である。
【0043】
なお、上記トルク変換において用いられるプラネタリギヤ120の回転数には、次のような関係が知られている。即ち、プラネタリギヤ120について、サンギヤ121とリングギヤ122のギヤ比(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)をρとすれば、サンギヤ軸125の回転数Ns、プラネタリキャリア軸127の回転数Nc、リングギヤ軸126の回転数Nrの間には、一般に次式(1)の関係が成立する。
【0044】
Ns=Nc+(Nc−Nr)/ρ …(1)
【0045】
本実施例の場合、サンギヤ軸125の回転数NsはモータMG1の回転数ngと等価なパラメータであり、リングギヤ軸126の回転数Nrは車速またはモータMG2の回転数nmと等価なパラメータであり、プラネタリキャリア軸127の回転数Ncはエンジン150の回転数neと等価なパラメータである。
【0046】
従って、エンジン150の回転数neとモータMG1の回転数ngとモータMG2の回転数nmとの間には、式(1)から次の関係が成立する。
【0047】
ne=ρ・ng/(1+ρ)+nm/(1+ρ) …(2)
【0048】
(C)モータMG1,MG2に対する制御処理
次に、本実施例におけるモータMG1,MG2に対する制御処理について説明する。まず、図2を用いてモータMG1に対する制御処理について説明する。
【0049】
図2はモータMG1に対する制御ユニット190による制御処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。このルーチンは制御ユニット190のCPU(図示せず)により実行される処理であり、所定の時間間隔で繰り返し実行されている。
【0050】
図2に示した制御処理ルーチンが開始されると、まず、制御ユニット190は、エンジン150に対する要求動力spvを算出する処理を行なう(ステップS100)。この要求動力spvは、次の式(3)により計算される。
【0051】
spv=spacc+spchg+spAC …(3)
ここで、式(3)の右辺各項は、次の通りである。
【0052】
・spacc:車両を走行させる駆動トルクを全てエンジン150の出力により賄う場合のパワー(発電量に換算した値)。アクセルペダル164の踏込量と車速とをパラメータとするマップから求める。なお、制御ユニット190は、前述したように、アクセルペダル164の踏込量を、アクセルペダルポジションセンサ164aから得、車速を、リングギヤ軸126の回転数Nrを検出するセンサ(図示せず)から得るようにしている。
【0053】
・spchg:バッテリ194の充放電の要求パワー。バッテリ194の残容量から求められる。一般に、残容量が低い場合には、充電の要求が高く、残容量が約60[%]で充放電の要求は0、それ以上では放電要求となる。
【0054】
・spAC:図示しないエアコンが駆動される場合の補正量である。エアコンは、電力の消費量が大きいので、他の補機類とは別に、その使用電力を補正するのである。
【0055】
こうしてエンジン150に対する要求動力spvを算出した後、制御ユニット190は、算出した要求動力spvを用いて、予め設定されている定常走行時におけるエンジン150の動作線(定常走行時動作線)から、エンジン150に対する目標回転数netagを求める(ステップS102)。
【0056】
図3は本実施例において用いられるエンジン150に対する定常走行時動作線を示す特性図である。図3において、縦軸はエンジン150のトルクteを、横軸はエンジン150の回転数neを、それぞれ示している。また、曲線Llは本実施例で用いられる定常走行時動作線である。
【0057】
一方、エンジン150から出力される動力Peは、周知のように、エンジン150の回転数neとトルクteの積(ne×te)として表されるので、エンジン150からの動力Peが一定となる、いわゆる等出力線を図3上にプロットすると、例えば、Pe1,Pe2の如くになる。
【0058】
従って、例えば、ステップS100で算出したエンジン150に対する要求動力spvがPe1であるとすると、図3において、その等出力線Pe1と定常走行時動作線Llとの交点d1を求めれば、その点d1での回転数が、求めるべきエンジン150に対する目標回転数netagとなる。
【0059】
なお、実際には、予め、エンジン150から出力される動力Peの各値毎に、定常走行時動作線Llに基づきエンジン150の回転数neをそれぞれ求めて、それらを制御ユニット190の内部にあるROM(図示せず)内に、マップとして記憶しておき、得られたエンジン150に対する要求動力spvに対して、そのマップからエンジン150に対する目標回転数netagを求めるようにしている。
【0060】
次に、制御ユニット190は、先に求めたエンジン150に対する目標回転数netagから、モータMG1の目標回転数ngtagを算出する(ステップS104)。即ち、前述したように、エンジン150の回転数neとモータMG1の回転数ngとの間には式(2)に示すような関係があり、しかも、式(2)において、モータMG2の回転数nmは既にステップS100において、車速として、リングギヤ軸126の回転数Nrを検出するセンサ(図示せず)から得ているので、式(2)を用いれば、エンジン150に対する目標回転数netagから、モータMG1の目標回転数ngtagを容易に求めることができる。
【0061】
次に、制御ユニット190は、モータMG1の実際の回転数ngを、サンギヤ軸125の回転数Nsを検出するセンサ(図示せず)から取得する(ステップS106)。
【0062】
続いて、制御ユニット190は、その取得したモータMG1の回転数ngが先に求めた目標回転数ngtagになるような、モータMG1のトルクtgを目標トルクtgtagとして算出し、設定する(ステップS108)。具体的には、いわゆる比例積分制御(PI制御)において用いられる比例積分によって、モータMG1の目標トルクtgtagを算出する。即ち、モータMG1の目標回転数ngtagと実際の回転数ngとの偏差に所定の比例定数をかけて得られる比例項と、上記偏差の時間積分値に所定の比例定数をかけて得られる積分項と、の和から、モータMG1に対する目標トルクtgtagを求めるのである。
【0063】
次に、制御ユニット190は、モータMG2の実際の回転数nmを、リングギヤ軸126の回転数Nrを検出するセンサ(図示せず)から取得し(ステップS110)、さらに、バッテリ194から持ち出し得る電力の限界値Bhを、バッテリ194の残容量を検出する残容量検出器199から取得する(ステップS112)。
【0064】
続いて、制御ユニット190は、モータMG1のトルクtgとモータMG2のトルクtmから、駆動軸112から出力されるトルク(即ち、駆動トルク)toを算出する(ステップS114)。
【0065】
前述したように、プラネタリギヤ120におけるサンギヤ121とリングギヤ122のギヤ比をρとすれば、駆動トルクtoは、モータMG1のトルクtgとモータMG2のトルクtmから、次の式(4)のように表すことができる。
【0066】
to=tm−tg/ρ …(4)
【0067】
従って、駆動トルクtoは式(4)を用いて容易に求めることができる。
【0068】
なお、このステップS114において、モータMG1のトルクtgとモータMG2のトルクtmとしては、前周回における各々の目標トルクtgtag,tmtagをそのまま用いる。前述したように、図2の制御処理ルーチンは所定の時間間隔で繰り返し実行されており、従って、モータMG1の前周回の目標トルクtgtagとは、この繰り返し実行される制御処理ルーチンにおける前周回で設定されたモータMG1の目標トルクtgtagを指している。また、モータMG2の前周回の目標トルクtmtagも、同様に、後述するモータMG2に対する制御処理ルーチンにおける前周回で設定されたモータMG2の目標トルクtmtagを指している。
【0069】
また、このように、前周回におけるモータMG1の目標トルクtgtagとモータMG2の目標トルクtmtagを、モータMG1のトルクtgとモータMG2のトルクtmとして用いる代わりに、モータMG1,MG2の回転軸などに、モータMG1,MG2のトルクtg,tmを検出することが可能なセンサをそれぞれ設け、それらのセンサからモータMG1,MG2のトルクtg,tmを直接取得するようにしても良い。
【0070】
次に、制御ユニット190は、ステップS114で算出した駆動トルクto、ステップS106,S110,S112で取得したモータMG1,MG2の回転数ng,nmおよびバッテリ194から持ち出し得る電力の限界値Bhなどを基にして、モータMG1の目標トルクtgtagについての最大制限トルク値tglimを導き出す(ステップS116)。この最大制限トルク値tglimの意味や、その導き出し方については、後ほど詳しく説明する。
【0071】
そして、制御ユニット190は、ステップS108で算出したモータMG1の目標トルクtgtagがステップS116で導き出した最大制限トルク値tglimより大きい(tgtag>tglim)か否かを判定し(ステップS118)、大きい場合には、モータMG1の目標トルクtgtagをその最大制限トルク値tglimに設定し直す(ステップS120)。小さい場合には、そのままステップS122の処理に進む。
【0072】
最後に、制御ユニット190は、モータMG1のトルクtgが設定した目標トルクtgtagとなるように、モータMG1のトルクtgを制御する(ステップS122)。
【0073】
次に、モータMG2に対する制御処理について簡単に説明する。一般に、モータMG1及びMG2に入出力される動力(即ち、電力)の和は、バッテリ194に入出力される動力(即ち、電力)によって、次のように制限されている。即ち、モータMG1,MG2に入力される動力は、周知のように、それぞれ、モータMG1の回転数ngとトルクtgとの積(ng×tg)、モータMG2の回転数nmとトルクtmとの積(nm×tm)として表されるので、バッテリ194から持ち出し得る電力の限界値を前述したとおりBhとし、バッテリ194へ持ち込み得る電力の限界値をBlとすると、次の式(5)のように表される。
【0074】
Bl≦ng・tg+nm・tm≦Bh …(5)
但し、バッテリ194から電力が持ち出される方向(放電方向)を正、バッテリ194へ電力が持ち込まれる方向(蓄電方向)を負としている。
【0075】
制御ユニット190は、このモータMG1及びMG2に入出力される動力の和が、式(5)の制限範囲内において所定の値Boとなるように、モータMG2を制御する。
【0076】
具体的には、モータMG1,MG2の回転数ng,nmはそれぞれ図2のステップS106,S110で得ており、また、モータMG1のトルクtgは目標トルクtgtagとして図2のステップS108またはS120より得られるので、これらの値に基づいて、モータMG1及びMG2の動力の和が次式(6)の如く所定の値Boとなるように、モータMG2のトルクtmを制御する。
【0077】
ng・tg+nm・tm=Bo …(6)
【0078】
例えば、定常走行時であれば、バッテリ194から持ち出される(即ち、出力される)電力及びバッテリ194に持ち込まれる(即ち、入力される)電力が共にゼロとなるように、上記所定の値Boをほぼゼロとして(即ち、Bo≒0)、モータMG2のトルクtmを制御する。
【0079】
従って、前述したように、バッテリ194から電力が持ち出される方向を正としているので、Boは、バッテリ194から出力される(持ち出される)電力の値であると言える。
【0080】
ところで、前述したように、駆動軸112から出力される駆動トルクtoは、モータMG1,MG2のトルクtg,tmを用いて式(4)の如く表せるので、この式(4)を変形して、モータMG1のトルクtgとモータMG2のトルクtmとの関係を導き出すと、次の式(7)のようになる。
【0081】
tm=(1/ρ)・tg+to …(7)
【0082】
そこで、駆動トルクtoをパラメータとして、モータMG1のトルクtgとモータMG2のトルクtmとの関係を式(7)に従ってプロットすると、図4に示す如くになる。
【0083】
図4は等駆動トルク線を示すグラフである。図4において、縦軸はモータMG2のトルクtmを、横軸はモータMG1のトルクtgを、それぞれ表している。図4に破線で表した各直線は、駆動トルクtoを一定とした等駆動トルク線である。これら等駆動トルク線の傾きθtは、式(7)から明らかなように、1/ρであり、各々、一定となっている。
【0084】
また、各等駆動トルク線の切片は、式(7)から明らかなように、toである。従って、各等駆動トルク線は左上方向に向かうほど、駆動トルクtoが大きくなり、右下方向に向かうほど駆動トルクtoが小さくなる。
【0085】
一方、前述したように、モータMG1及びMG2に入出力される動力の和は式(6)に示す如く表されるので、この式(6)を変形すると、次のような式が導き出される。
【0086】
tm=−(ng/nm)・tg+(1/nm)・Bo …(8)
【0087】
そこで、バッテリ194から出力される電力Boをパラメータとして、モータMG1のトルクtgとモータMG2のトルクtmとの関係を式(8)に従ってプロットすると、図5または図6に示す如くになる。
【0088】
図5および図6はそれぞれ等バッテリ出力線を示すグラフである。これらのうち、図5はモータMG2のトルクnmが正(nm>0)で、モータMG1のトルクtgが負(tg<0)である場合を示し、図6はモータMG2のトルクnmが正(nm>0)で、モータMG1のトルクtgも正(tg>0)である場合を示している。図5および図6において、縦軸は図4と同様にモータMG2のトルクtmを、横軸はモータMG1のトルクtgを、それぞれ表している。
【0089】
図5および図6に実線で表した各直線は、バッテリ194から出力される電力Boを一定とした等バッテリ出力線である。
【0090】
これら等バッテリ出力線の傾きθBは、式(8)から明らかなように、−(ng/nm)である。このうち、定常走行中は車速がほぼ一定であると仮定できるので、駆動軸112に結合されるモータMG2の回転数nmはほぼ一定である仮定すると、モータMG1の回転数ngが上昇するのに伴って、等バッテリ出力線の傾きθBは小さくなるため、各等バッテリ出力線は、それぞれ、縦軸との交点(tg,tm)=(0,Bo/nm)を中心として時計回りに回転し、例えば、図5の状態から図6の状態に移行する。
【0091】
また、各等バッテリ出力線の切片は、式(8)から明らかなように、Bo/nmである。従って、各等駆動トルク線は上方向に向かうほど、バッテリ194の出力電力Boが大きくなり、下方向に向かうほどバッテリ194の出力電力Boが小さくなる。しかしながら、バッテリ194から出力される電力Boは、式(5)に従って、その上限が限界値Bhに、その下限が限界値Blにそれぞれ制限されているので、各等バッテリ出力線は、例えば、図5および図6に示すように、その上限はBo=Bhまでしかない。このBo=Bhの等バッテリ出力線を、以下、バッテリ出力制限線と呼ぶ。
【0092】
さて、図4に示した等駆動トルク線の傾きθtと図5に示した等バッテリ出力線の傾きθBとを比較すると、等駆動トルク線の傾きθtの方が、等バッテリ出力線の傾きθBよりも常に大きい。何故なら、エンジン150の回転数neは常に正であるため(ne>0)、前述した式(2)より、次の関係が導き出されるからである。
【0093】
ne=ρ・ng/(1+ρ)+nm/(1+ρ)>0
ρ・ng+nm>0
ρ・ng>−nm
−(ng/nm)<1/ρ
∴θB<θt …(9)
【0094】
従って、例えば、図4と図5とを同一の座標系で重ね合わせると、後述する図7に示す如く、等駆動トルク線の傾きθtが、等バッテリ出力線の傾きθBより大きくなるように描かれることになる。
【0095】
それでは、以上のことを踏まえた上で、定常走行中にエンジン150に対する要求動力spvが急増した場合に、モータMG1,MG2およびエンジン150がどのように動作するかについて、従来技術の場合と本実施例の場合とを比較しながら説明する。
【0096】
今、定常走行中であって、エンジン150から実際に出力されている動力Peが値Pe1であるとすると、エンジン150の動作点は、前述した図3において等出力線Pe1と定常走行時動作線Llとの交点d1に存在する。このとき、エンジン150の回転数neは、ほぼ一定になっている。
【0097】
一方、定常走行中はバッテリ194への電力の入出力はないものとすると、バッテリ194から出力される電力Boはゼロ(Bo=0)となっている。
【0098】
図7は従来技術におけるモータMG1,MG2のトルクの動作点の変化を示す説明図である。この図7は先に示した図4と図5とを同じ座標系に描いたものである。但し、一部変更して描いてある。
【0099】
従って、定常走行中においては、モータMG1,MG2のトルクの動作点は、図7に示すようにBo=0の等バッテリ出力線上の、例えば、点c1にある。
【0100】
その後、運転者がアクセルペダル164を踏み込んで急加速を要求した場合、式(3)から明らかなようにspaccが増大するため、エンジン150に対する要求動力spvも急増し、その要求動力spvが値Pe2であるとすると、エンジン150の動作点は図3において等出力線Pe1上の交点d1から、等出力線Pe2と定常走行時動作線Llとの交点d2まで移動する必要がある。即ち、エンジン150の動作点を交点d1から交点d2まで移動させるは、エンジン150の回転数neを上昇させる必要があるが、エンジン150の回転数neを上昇させるには、一般に、エンジン150のトルクteまたはモータMG1のトルクtgを増加させることが有効である。
【0101】
そこで、まず、制御ユニット190は、直ちに、バッテリ194から持ち出し得る電力の限界値Bhを使って、モータMG2のトルクtmを上昇させる。これにより、モータMG1,MG2のトルクの動作点は、図7において一点鎖線矢印で示すように、Bo=0の等バッテリ出力線上の点c1から、Bo=Bhの等バッテリ出力線(即ち、バッテリ出力制限線)上の点c2まで、即座に移動する。このとき、エンジン150の回転数neは一定のまま維持されている。
【0102】
その上で、制御ユニット190は、バッテリ194から持ち出し得る電力の限界値Bhを使いながら、エンジン150の回転数neを上昇させるために、モータMG1のトルクtgを上昇させる。これによって、モータMG1,MG2のトルクの動作点は、図7において実線矢印で示すように、バッテリ出力制限線上を移動する。この結果、エンジン150の回転数neは徐々に上昇することになる。
【0103】
このように、モータMG1,MG2のトルクの動作点がバッテリ出力制限線上を移動すると、その動作点は図8において破線で示された等駆動トルク線を、点c3,c4,c5という具合に順次横切ることになり、しかも、その方向は駆動トルクtoが小さくなる方向に横切ることになる。
【0104】
従って、従来技術においては、エンジン150に対する要求動力spvが急増した場合に、エンジン150の回転数neを上昇させるために、何ら制限を設けることなく、モータMG1のトルクtgを増加させていたため、その分、駆動トルクtoが減少するという問題があった。
【0105】
以上のような従来技術に対し、本実施例においては、前述したモータMG1,MG2に対する制御処理によって、次のような動作をする。
【0106】
図8は本実施例におけるモータMG1,MG2のトルクの動作点の変化を示す説明図である。この図8も先に示した図3と図4,図5とを同じ座標系に描いたものである。但し、一部変更して描いてある。
【0107】
定常走行中は、従来技術の場合と同様に、モータMG1,MG2のトルクの動作点は、図8に示す如く、Bo=0の等バッテリ出力線上の、例えば、点b1にある。
【0108】
そこで、そのような定常走行中に、運転者がアクセルペダル164を踏み込んで急加速を要求した場合、制御ユニット190は、まず、バッテリ194から出力される電圧の値Boとして、バッテリ194から持ち出し得る電力の限界値Bhを設定した上で、モータMG1およびMG2に入出力される動力の和がその限界値Bhとなるように、モータMG2を制御する。具体的には、モータMG2のトルクtmを増加させるように制御する。これにより、モータMG1,MG2のトルクの動作点は、図8において一点鎖線矢印で示すように、Bo=0の等バッテリ出力線上の点b1から、Bo=Bhの等バッテリ出力線(即ち、バッテリ出力制限線)B1上の点b2まで、即座に移動する。このとき、エンジン150の回転数neは、まだ、一定のまま維持されている。
【0109】
また、運転者がアクセルペダル164を踏み込んだことにより、エンジン150に対する要求動力spvが急増するため、図2に示したモータMG1に対する制御処理において、ステップS102で算出されるエンジン150に対する目標回転数netagが上昇し、さらに、ステップS104で算出されるモータMG1に対する目標回転数ngtagも上昇する。何故なら、車速がほぼ一定である(即ち、モータMG2の回転数neが一定である)と仮定すると、式(2)から、エンジン150の回転数neが上昇すれば、モータMG1の回転数ngも上昇するからである。
【0110】
このように、モータMG1に対する目標回転数ngtagが上昇すると、ステップS108において算出されるモータMG1の目標トルクtgtagも増加するため、制御ユニット190が、ステップS122において、モータMG1のトルクtgがその目標トルクtgtagとなるように、モータMG1のトルクtgを制御することによって、モータMG1の回転数ngが目標回転数ngtagに近づくように上昇し始める。
【0111】
しかしながら、このとき、増加するモータMG1の目標トルクtgtagに何ら制限を加えなければ、ステップS122において、モータMG1のトルクtgが目標トルクtgtagとなるように制御されることにより、従来技術と同様に、駆動トルクtoが減少するという問題を引き起こしてしまう。
【0112】
そこで、本実施例においては、まず、ステップS116においてモータMG1の目標トルクtgtagについての最大制限トルク値tglimを導き出し、次に、ステップS108で算出した目標トルクtgtagがその最大制限トルク値tglimを超えている場合には、ステップS120において目標トルクtgtagをその最大制限トルク値tglimに設定し直して、目標トルクtgtagが最大制限トルク値tglimを超えないよう制限している。
【0113】
それでは、ステップS116における最大制限トルク値tglimの導き出し方について、図9および図10を用いて詳細に説明する。
【0114】
図9は図2のステップS116における最大制限トルク値導出処理ルーチンの流れを示すフローチャートであり、図10はその処理ルーチンによる最大制限トルク値の導き出し方を説明するための説明図である。この図10は先に示した図8を拡大して描いたものである。但し、一部変更して描いてある。
【0115】
図9に示した導出処理ルーチンが開始されると、まず、制御ユニット190は、図2のステップS114で算出した駆動トルクtoを用いて、現時点における等駆動トルク線を導き出す(ステップS200)。前述の式(7)において説明したように、等駆動トルク線は、傾き(θt)が1/ρで、切片がtoである直線として表されるため、算出した駆動トルクtoを用いて容易に導き出すことができる。そこで、例えば、現時点における等駆動トルク線として、図10に示す等駆動トルク線to1が導き出されたものとする。
【0116】
前述したように、等駆動トルク線は右下方向に向かうほど駆動トルクtoが小さくなるため、駆動トルクtoを現時点より減少させないようにするためには、モータMG1,MG2のトルクの動作点を導き出した現時点の等駆動トルク線toより右下側には移動させないようにする必要がある。
【0117】
次に、制御ユニット190は、ステップS106,S110で取得したモータMG1,MG2の回転数ng,nm、およびステップS112で取得したバッテリ194から持ち出し得る電力の限界値Bhを用いて、現時点におけるバッテリ出力制限線を導き出す(ステップS202)。前述の式(8)において説明したように、バッテリ出力制限線は、傾き(θB)が−(ng/nm)であり、切片がBh/nmである直線として表されるため、取得したモータMG1,MG2の回転数ng,nmおよびバッテリ194の限界値Bhを用いて容易に導き出すことができる。
【0118】
前述したように、モータMG1の回転数ngが上昇し始めると、バッテリ出力制限線は、縦軸との交点(tg,tm)=(0,Bh/nm)を中心として(但し、モータMG2の回転数nmはほぼ一定であるとする)時計回りに回転し始めるので、例えば、現時点における等駆動トルク線としては、図10に示すように、バッテリ出力制限線B1から少し回転したバッテリ出力制限線B1’が導き出されたものとする。
【0119】
前述したように、バッテリ出力制限線は、バッテリ194から出力される電力Boの上限であるため、モータMG1,MG2のトルクの動作点は、導き出したバッテリ出力制限線B1’よりも上側に行くことはない。
【0120】
従って、モータMG1,MG2のトルクの動作点は、点b2から、図10に示すように、導き出された等駆動トルク線to1と等駆動トルク線B1’とによって挟まれた領域のうち、左側の領域A内のいずれかに移動させる必要がある。
【0121】
この領域A内のうち、モータMG1のトルクtgが最大となるのは、モータMG1,MG2のトルクの動作点が等駆動トルク線to1と等駆動トルク線B1’との交点b2’に来たときである。
【0122】
そこで、制御ユニット190は、図9に示すように、ステップS200で導き出した等駆動トルク線to1とステップS202で導き出したバッテリ出力制限線B1’との交点b2’を算出する(ステップS204)。そして、その交点b2’におけるモータMG1のトルク値tg1を最大制限トルク値tglimとして導き出す(ステップS206)。
【0123】
従って、例えば、図2のステップS108で算出した目標トルクtgtagが、導き出した最大制限トルク値tglimである値tg1を超えている場合には、ステップS120において目標トルクtgtagをその値tg1に設定し直して、目標トルクtgtagがその値tg1を超えないように制限した上で、制御ユニット190は、ステップS122において、モータMG1のトルクtgが目標トルクtgtagとなるように制御する。
【0124】
この結果、モータMG1のトルクtgは増加して上記した値tg1に近づいていく。また、このとき、制御ユニット190のモータMG2に対する制御処理は、そのまま維持されている(即ち、モータMG2のトルクtmを増加させるように制御する)。従って、バッテリ出力制限線B1上の点b2にあったモータMG1,MG2のトルクの動作点は、等駆動トルク線to1上を移動して、点b2’に至る。
【0125】
こうして、モータMG1のトルクtgが増加すると、モータMG1の回転数ngはさらに上昇するため、バッテリ出力制限線は、図10に示すB2,B3の如く、時計回りにさらに回転する。なお、図10において、領域BおよびCは前述したバッテリ出力制限線B1についての領域Aと同様に、モータMG1,MG2のトルクの動作点の採り得る範囲を示している。
【0126】
従って、以下同様にして、図2に示すモータMG1に対する制御処理ルーチンが繰り返されることにより、モータMG1に対する最大制限トルク値tglimとしては、回転するバッテリ出力制限線B2,B3に応じて、値tg2,tg3が導き出される。そして、各場合において、算出された目標トルクtgtagがそれら各値tg2,tg3を超えている場合には、モータMG1のトルクtgはそれら各値tg2,tg3に近づいていくため、モータMG1,MG2のトルクの動作点は、点b3,b4の順に、等駆動トルク線to1上を移動していく。
【0127】
このように、本実施例では、モータMG1,MG2のトルクの動作点は、図10に示すように、等駆動トルク線to1上を実線矢印に沿って移動するため、従来技術の場合のように、モータMG1,MG2のトルクの動作点が、等駆動トルク線を駆動トルクtoが小さくなる方向に横切ることがない。
【0128】
従って、本実施例によれば、駆動トルクtoが減少しないように、モータMG1の目標トルクtgtagに最大制限トルク値という上限を設けているので、エンジン150に対する要求動力spvが急増した場合に、エンジン150の回転数neを上昇させるために、モータMG1のトルクtgを増加させても、従来技術のように、駆動トルクtoの不足を生じることはない。
【0129】
なお、本発明を適用する動力出力装置の構成としては、図1に示した構成の他、種々の構成が可能である。図1では、モータMG2がリングギヤ軸126に結合されているが、モータMG2が、エンジン150のクランクシャフト156に直結したプラネタリキャリア軸127に結合された構成をとることもできる。第1の変形例としての構成を図11に示す。図11では、エンジン150,モータMG1,MG2のプラネタリギヤ120に対する結合状態が図1の実施例と相違する。プラネタリギヤ120に関わるサンギヤ軸125にモータMG1が結合され、プラネタリキャリア軸127にエンジン150のクランクシャフト156が結合されている点では図1と同じである。図11では、モータMG2がリングギヤ軸126ではなく、プラネタリキャリア軸127に結合されている点で図1の実施例と相違する。
【0130】
かかる構成においても、例えば、モータMG1により回生された電力を用いて、プラネタリキャリア軸127に結合されたモータMG2を駆動することにより、クランクシャフト156に直結したプラネタリキャリア軸127にはさらなるトルクを付加することができ、このトルク付加は、駆動軸112に要求トルクが出力されるように行なわれる。従って、図1の実施例と同様に、モータMG1およびMG2を介して電力の形でやりとりされる動力を調整することにより、エンジン150から出力された動力を所望の回転数およびトルクとして駆動軸112から出力することができる。
【0131】
従って、このような構成においても、エンジン150に対する要求動力が増加したときに、エンジン150の回転数neを上昇させるために、何ら制限を設けることなく、モータMG1のトルクtgを増加させると、駆動軸112に出力される駆動トルクtoは減少してしまい、上記した従来技術と同様の問題が生じるので、このような構成に本発明を適用し、モータMG1の目標トルクtgtagの上限を最大制限トルク値で制限することにより、その問題を解決することは可能である。
【0132】
なお、本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての動力出力装置を搭載したハイブリッド車両の概略構成を示す構成図である。
【図2】モータMG1に対する制御ユニット190による制御処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図3】図1の実施例において用いられるエンジン150に対する定常走行時動作線を示す特性図である。
【図4】等駆動トルク線を示すグラフである。
【図5】モータMG2のトルクnmが正でモータMG1のトルクtgが負である場合の等バッテリ出力線を示すグラフである。
【図6】モータMG2のトルクnmが正でモータMG1のトルクtgも正である場合の等バッテリ出力線を示すグラフである。
【図7】従来技術におけるモータMG1,MG2のトルクの動作点の変化を示す説明図である。
【図8】図1の実施例におけるモータMG1,MG2のトルクの動作点の変化を示す説明図である。
【図9】図2のステップS116における最大制限トルク値導出処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図10】図9の処理ルーチンによる最大制限トルク値の導き出し方を説明するための説明図である。
【図11】本発明の変形例としての動力出力装置を搭載したハイブリッド車両の概略構成を示す構成図である。
【符号の説明】
110…動力出力装置
111…動力伝達ギヤ
112…駆動軸
113…動力受取ギヤ
114…ディファレンシャルギヤ
116…駆動輪
119…ケース
120…プラネタリギヤ
121…サンギヤ
122…リングギヤ
123…プラネタリピニオンギヤ
124…プラネタリキャリア
125…サンギヤ軸
126…リングギヤ軸
127…プラネタリキャリア軸
128…動力取出ギヤ
129…チェーンベルト
130…ダンパ
132…ロータ
133…ステータ
142…ロータ
143…ステータ
150…エンジン
151…燃料噴射弁
152…燃焼室
153…吸気弁
154…ピストン
156…クランクシャフト
157…VVT
158…イグナイタ
160…ディストリビュータ
162…点火プラグ
164…アクセルペダル
164a…アクセルペダルポジションセンサ
165…ブレーキペダル
165a…ブレーキペダルポジションセンサ
170…EFIECU
174…水温センサ
176…回転数センサ
178…回転角度センサ
179…スタータスイッチ
182…シフトレバー
184…シフトポジションセンサ
190…制御ユニット
191,192…駆動回路
194…バッテリ
199…残容量検出器
200…吸入口
202…排気口
261…スロットルバルブ
262…スロットルアクチュエータ
263…スロットルバルブポジションセンサ
264…カムシャフトポジションセンサ
Ll…定常走行時動作線
MG1,MG2…モータ
Pe1,Pe2…等出力線
to1…等駆動トルク線
B1〜B3…バッテリ出力制限線

Claims (1)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    第1ないし第3の軸を有し、前記第3の軸に前記駆動軸が結合されると共に、前記第1ないし第3の軸のうちいずれか2軸に対し動力が入出力されたときに、その入出力された動力に基づいて定まる動力を残余の1軸に対し入出力する3軸式動力入出力手段と、
    前記第1の軸にその回転軸が結合し、前記第1の軸に動力を出力することが可能な原動機と、
    前記第2の軸にその回転軸が結合し、前記第2の軸に対し動力を入出力することが可能な第1の電動発電機と、
    前記第3の軸または第1の軸にその回転軸が結合し、前記第3の軸または第1の軸に対し動力を入出力することが可能な第2の電動発電機と、
    前記第1および第2の電動発電機に対して電力を入出力することが可能な二次電池と、
    前記原動機に対する要求動力を所定のパラメータに基づいて求め、求めた前記要求動力に基づいて、前記原動機から出力される動力が前記要求動力とほぼ等しくなるよう、少なくとも前記第1の電動発電機を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    求めた前記要求動力に基づいて前記第1の電動発電機の目標トルクを導き出す目標トルク導出部と、
    前記駆動軸に出力される駆動トルクを導き出す駆動トルク導出部と、
    前記二次電池から出力され得る電力の最大値を導き出す二次電池出力最大値導出部と、
    導き出した前記目標トルク、前記駆動トルク及び前記電力最大値に基づいて、前記第1の電動発電機を制御するトルク制御部と、
    を備えると共に、
    前記トルク制御部は、前記第1および第2の電動発電機のトルクの関係を表す座標系において、前記駆動トルクと前記第1および第2の電動発電機のトルクとの関係を表す式に基づいて描き出される直線と、前記電力最大値と前記第1および第2の電動発電機に入出力される電力の和との関係を表す式に基づいて描き出される直線と、の交点を算出し、前記第1の電動発電機のトルクが、前記交点における前記第1の電動発電機のトルクの値となるように、前記第1の電動発電機を制御することを特徴とする動力出力装置。
JP28128298A 1998-10-02 1998-10-02 動力出力装置 Expired - Fee Related JP3937608B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28128298A JP3937608B2 (ja) 1998-10-02 1998-10-02 動力出力装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28128298A JP3937608B2 (ja) 1998-10-02 1998-10-02 動力出力装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000115913A JP2000115913A (ja) 2000-04-21
JP3937608B2 true JP3937608B2 (ja) 2007-06-27

Family

ID=17636910

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28128298A Expired - Fee Related JP3937608B2 (ja) 1998-10-02 1998-10-02 動力出力装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3937608B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3991975B2 (ja) 2003-11-12 2007-10-17 日産自動車株式会社 ハイブリッド変速機の変速制御装置
JP4222297B2 (ja) * 2004-11-24 2009-02-12 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
JP4232751B2 (ja) 2005-03-16 2009-03-04 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド型車両
JP5040487B2 (ja) * 2007-07-10 2012-10-03 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両の駆動力制御装置
JP5232042B2 (ja) * 2009-02-23 2013-07-10 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両の駆動装置
JP5375344B2 (ja) * 2009-06-04 2013-12-25 トヨタ自動車株式会社 動力出力装置および電気自動車

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000115913A (ja) 2000-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3622529B2 (ja) 動力出力装置、およびそれを搭載したハイブリッド車両並びに原動機の動作点制御方法
JP3250483B2 (ja) 駆動装置
JP4259403B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載するハイブリッド車並びに動力出力装置の制御方法
JP4215043B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法
JP2006029204A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法並びに動力出力装置
JPH11150806A (ja) 動力出力装置および内燃機関制御装置
JP2004346811A (ja) ハイブリッド自動車およびこれに搭載された内燃機関の始動方法
JP2009280094A (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに車両
JP3988296B2 (ja) 動力出力装置、およびそれを搭載したハイブリッド車両並びに電動発電機制御方法
JP4086010B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法
JP3216590B2 (ja) 原動機の運転制御装置およびハイブリッド車輌の運転制御装置
JP2008105532A (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに車両
JP2001123857A (ja) 駆動装置
JP3937608B2 (ja) 動力出力装置
JP4086014B2 (ja) 動力出力装置および自動車並びに動力出力装置の制御方法
JP2005048596A (ja) 駆動装置およびその制御方法並びに自動車
JP4069849B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法
JP3928595B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに自動車
JP2007022240A (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法
JP2006067655A (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法
JP4371067B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法
JP2006249983A (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びにその制御方法
JP2005090307A (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに自動車
JP3777841B2 (ja) 動力出力装置、およびそれを搭載したハイブリッド車両並びに電動発電機制御方法
JP3988277B2 (ja) 動力出力装置、およびそれを搭載したハイブリッド車両並びに動力出力装置の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060421

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061214

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070319

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100406

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120406

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120406

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130406

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140406

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees