JP2010023582A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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和真 宮▲崎▼
Yasutane Hijikata
康種 土方
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佳克 澤田
Hiroyuki Nakaima
裕之 仲井間
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Abstract

【課題】圧縮機のトルク推定を圧縮機の運転状態にかかわらず正確に行うことが可能な冷凍サイクル装置の制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】車両用空調装置に適用される冷凍サイクル装置1は、コンプレッサ2、コンデンサ3、レシーバ4、膨張弁5、エバポレータ6を備えている。冷凍サイクル装置1では、高圧圧力センサ31,温度センサ61にて検出される高圧側領域の高圧圧力Ph,エバポレータ6のフィン温度Tefinに対応して採取されるコンプレッサ2の予想トルクTrq0と、流量センサ7にて検出される高圧側領域の冷媒流量Rflowから推定されるコンプレッサ2の第1推定トルクTrq1とを用いてコンプレッサ2の最終推定トルクTrqAが決定される。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両空調装置に適用される冷凍サイクル装置の制御装置に関する。
一般に、車両空調装置用の冷凍サイクル装置は、冷媒を圧縮するコンプレッサ(圧縮機)と、コンデンサ(凝縮器)と、レシーバ(気液分離器)と、膨張弁(減圧機構)と、エバポレータ(蒸発器)とを備えている。コンプレッサ、コンデンサ、レシーバ、膨張弁、およびエバポレータは、冷媒配管により環状に接続されており、コンプレッサにより吐出された冷媒は、コンデンサ→レシーバ→膨張弁→エバポレータの順に流れ、コンプレッサに吸入される。
ところで、車両に搭載された内燃機関(エンジン)によってコンプレッサを駆動する場合、コンプレッサはエンジンの負荷となっており、エンジンはコンプレッサを駆動するための余分なエネルギーを必要とする。このため、車両の燃料消費低減の観点から、エンジンの出力は、その負荷であるコンプレッサの運転状態に応じて制御する必要がある。つまり、コンプレッサのトルク(負荷トルク)を考慮し、そのトルクを余分に発生するように、エンジンの燃料噴射量、吸入空気量等が制御され、エンジンの出力が制御される。例えば、アイドリング時に、コンプレッサのトルク分(アイドルアップ量)だけ上乗せするようなエンジンの出力制御が行われる。したがって、エンジンによってコンプレッサを駆動する場合には、コンプレッサのトルクを正確に推定することが重要となる。
従来では、コンプレッサのトルクは、例えば、特許文献1に示されるように、冷媒流量と、コンプレッサの吐出圧および吸入圧とに基づいて推定することが可能となっている。また、従来では、冷凍サイクル装置の高圧側領域(コンプレッサの吐出口から膨張弁の入口までの間)に流量制御弁を設け、この流量制御弁の指示値(電流値)により決定される冷媒流量(指示流量)に基づいてコンプレッサのトルクを推定することが可能となっている。
しかし、このような流量制御弁の指示値による指示流量に基づいてコンプレッサのトルクを推定する方法では、例えば、コンプレッサの吸入圧がエバポレータの温度の変化などによって変動した場合や、上記指示値が変化した場合などには、指示流量と実際の冷媒流量との間にずれが生じる可能性があり、正確なトルク推定を行うことができないという問題がある。また、流量制御弁の特性変化などによっても、指示流量と実際の冷媒流量との間にずれが生じる可能性があり、同様の問題が懸念される。
このような点を解消することを目的として、本発明者らは、冷凍サイクル装置の高圧側領域に実際に流れる冷媒の流量を流量センサで検出し、その冷媒流量の検出値に基づいてコンプレッサのトルクを推定する技術を検討中である。
特開2004−175290号公報 特開2006−272982号公報
ところで、上述したような流量センサにて検出した冷媒流量に基づいてコンプレッサのトルク推定を行う技術においては、コンプレッサの駆動中(稼動中)に流量センサが安定動作可能な状態にある場合には正確なトルク推定を行うことができる。しかしながら、コンプレッサの停止時や流量センサが安定動作可能な状態にない場合には、流量センサにて検出される冷媒流量の値が信頼性に欠けるものとなるので、コンプレッサのトルクを正確に推定することが難しくなるといった問題点がある。このため、コンプレッサを駆動するエンジンの出力に過不足が生じる可能性があり、エンジン回転数の意図しない落ち込みや、吹け上がりが発生することが懸念される。流量センサが安定動作可能な状態にない場合としては、例えば、コンプレッサの起動時や、流量センサの故障時などがある。
そして、エンジン回転数の落ち込みや吹け上がりに起因して、エンジンストール(以下、エンストという)やドライバビリティ不良(例えば、エンスト発生直前の振動やオーバーランなど)が発生する可能性がある。また、トランスミッション協調制御が正しく働かない可能性があり、例えば、車両にベルト式CVT(CVT:Continuously Variable Transmission)が搭載されている場合、ベルト挟圧制御不良が発生して、ベルト滑りが生じる可能性がある。
本発明は、そのような問題点を鑑みてなされたものであり、圧縮機のトルク推定を圧縮機の運転状態にかかわらず正確に行うことが可能な冷凍サイクル装置の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、圧縮機と、凝縮器と、気液分離器と、減圧機構と、蒸発器とを備えた車両用空調装置用の冷凍サイクル装置の制御装置であって、高圧側領域の冷媒圧に関連する第1の物理量を検出する第1の検出手段と、低圧側領域の冷媒圧に関連する第2の物理量を検出する第2の検出手段と、高圧側領域の冷媒流量を検出する流量センサと、上記圧縮機が過渡状態にある場合の予想トルクの時系列データから上記第1,第2の検出手段の検出出力に対応する時系列データを採取するトルク予想手段と、上記流量センサにて検出される冷媒流量に基づいて上記圧縮機のトルクを推定するトルク推定手段と、上記トルク予想手段による予想トルクと上記トルク推定手段による推定トルクとを用いて上記圧縮機の最終推定トルクを決定する制御手段とを備えることを特徴としている。より具体的には、上記制御手段は、上記圧縮機の運転状態に応じて上記トルク予想手段による予想トルクおよび上記トルク推定手段による推定トルクのいずれか一方を選択して上記最終推定トルクを決定するように構成されている。
上記構成によれば、トルク予想手段による圧縮機の予想トルクは、圧縮機の起動時や停止時などの過渡時の最終推定トルクを精度よく決定するのに適したものとなっている。また、トルク推定手段による圧縮機の推定トルクは、圧縮機の定常運転時に最終推定トルクを精度よく決定するのに適したものとなっている。このため、圧縮機の運転状態に応じてトルク予想手段による予想トルクおよびトルク推定手段による推定トルクのいずれか一方を選択して最終推定トルクを決定することで、圧縮機のトルク推定を圧縮機の運転状態にかかわらず正確に行うことが可能となる。
これにより、圧縮機をエンジンにより駆動する場合、駆動源となるエンジンの出力に過不足が生じることを抑制でき、エンジン回転数の意図しない落ち込みや、吹け上がり等の発生を抑制することができる。そして、エンストやドライバビリティの不良の発生を抑制することができる。また、例えばベルト式CVTのベルト挟圧制御不良の発生を抑制することができる。
本発明において、上記制御手段は、上記圧縮機が駆動中であり、上記トルク推定手段による推定トルクが判定閾値以上である場合には、上記トルク推定手段による推定トルクを選択し、それ以外の場合には、上記トルク予想手段による予想トルクを選択することが好ましい。
このように、圧縮機が駆動中であるか否かを判定するのは、圧縮機の停止時には、流量センサにて検出される冷媒流量がゼロとなるため、この場合に圧縮機の最終推定トルクを精度よく求めるには、最終推定トルクとしてトルク予想手段による予想トルクを用いたほうが好ましいからである。
また、トルク推定手段による推定トルクが判定閾値以上である否かを判定するのは、流量センサが安定動作可能な状態にあるか否かを判定するためである。すなわち、流量センサの故障時や、圧縮機の起動時などには、流量センサの安定動作を保証できず、流量センサにて検出される冷媒流量の値が信頼性に欠けるものとなるため、このような場合に圧縮機の最終推定トルクを精度よく求めるには、最終推定トルクとしてトルク予想手段による予想トルクを用いたほうが好ましいからである。
一方、圧縮機が駆動中であり、トルク推定手段による推定トルクが判定閾値以上である場合には、流量センサの故障時や圧縮機の起動時などには該当せず、流量センサが安定動作可能な状態にあると判断することができる。したがって、このような場合には、圧縮機の最終推定トルクとしてトルク推定手段による推定トルクを用いることによって、最終推定トルクの推定精度を高めるようにしている。
また、本発明において、上記制御手段は、上記車両用空調装置の強制オフ制御中(エアコンカット制御中)は上記トルク推定手段による推定トルクが判定閾値以上であるか否かの判定を行わずに、上記トルク推定手段による推定トルクを選択することが好ましい。
このように、エアコンカット制御中であるか否かの判定を行うのは、エアコンカット制御中に、圧縮機の最終推定トルクとしてトルク予想手段による予想トルクが選択されるような状況が発生することを回避するためである(図6参照)。この構成では、エアコンカット制御中には、圧縮機の最終推定トルクとして、トルク予想手段による予想トルクではなくトルク推定手段による推定トルクが選択されることになる。これにより、エアコンカット制御にともなう圧縮機の最終推定トルクの誤差を抑制することができ、信頼性を向上させることができる。そして、エアコンカット制御にともなってエンジン回転数の吹け上がりや、オーバーラン等が発生することを回避できる。
また、本発明において、上記制御手段は、上記圧縮機の最終推定トルクを上記トルク予想手段による予想トルクから上記トルク推定手段による推定トルクへ切り替える際に、上記トルク予想手段による予想トルクと上記トルク推定手段による推定トルクとのトルク差が判定閾値以上である場合には、上記最終推定トルクを上記トルク推定手段による推定トルクへ徐々に近付けていく補正処理を行うことが好ましい。
このような補正処理を行うのは、トルク予想手段による予想トルクとトルク推定手段による推定トルクとのトルク差が判定閾値以上である場合に、エンジン回転数の落ち込みや吹け上がりを未然に回避するためである。つまり、トルク予想手段による予想トルクとトルク推定手段による推定トルクとのトルク差が判定閾値以上である場合に、圧縮機の最終推定トルクを即座にトルク推定手段による推定トルクへ切り替えると、エンジン回転数の落ち込みや吹け上がりが発生しやすくなり、エンストやオーバーランなどが発生しやすくなるため、補正処理を行って最終推定トルクを緩やかに変動させるようにしている。圧縮機の最終推定トルクに対する補正処理としては、例えば、徐変処理や、なまし処理などがある。
また、本発明において、上記流量センサにて検出される冷媒流量を用いずに上記圧縮機のトルクを推定する他のトルク推定手段を備え、上記制御手段は、上記他のトルク推定手段による推定トルクを用いて上記最終推定トルクの上・下限カード処理を行うことが好ましい。
この構成では、流量センサにて検出される冷媒流量を用いずに推定された圧縮機のトルクを用いて圧縮機の最終推定トルクの上・下限ガード処理が行われるため、流量センサの故障にともなう最終推定トルクの誤差を抑制することができ、信頼性を向上させることができる。そして、流量センサの故障にともなってエンジン回転数の落ち込みや吹け上がりが発生することを回避できる。さらに、流量センサの故障に起因するエンストやドライバビリティの不良が発生することを回避できる。
ここで、上記最終推定トルクの上限ガード処理を、上記圧縮機または圧縮機の駆動源の回転数および上記第1の検出手段の検出出力に基づいて推定される上記圧縮機のトルクを用いて行うことが好ましい。また、上記最終推定トルクの下限ガード処理を、上記圧縮機に備えられる容量制御弁の制御電流値および上記第1の検出手段の検出出力に基づいて推定される上記圧縮機のトルクを用いて行うことが好ましい。
本発明において、上記流量センサは、上記高圧側領域に設けられた絞りと、この絞りの前後の差圧を検出する差圧センサとを備えていることが好ましい。この場合、上記流量センサの絞りは、上記圧縮機と凝縮器との間に設けられていることが好ましい。
この構成の流量センサによれば、冷媒流量が変化すると、その変化が絞りの前後の差圧の変化として検出される。そして、差圧検出手段により直接検出された絞りの前後の差圧に基づいて冷媒流量を検出するため、冷媒流量の変動分を冷媒流量の検出結果に速やかに反映させることができる。これにより、冷媒流量が急激に変動したとしても、その冷媒流量を正確に検出することができる。そして、このようにして検出された冷媒流量を圧縮機のトルク推定に用いることによって、圧縮機のトルクを正確に推定することができる。
ここで、上記第1の物理量の好ましい例としては、上記凝縮器と気液分離器との間を流れる冷媒の圧力がある。また、上記第2の物理量の好ましい例としては、上記蒸発器のフィン温度がある。
本発明によれば、トルク予想手段による圧縮機の予想トルクは、圧縮機の起動時や停止時などの過渡時の最終推定トルクを精度よく決定するのに適したものとなっている。また、トルク推定手段による圧縮機の推定トルクは、圧縮機の定常運転時に最終推定トルクを精度よく決定するのに適したものとなっている。このため、圧縮機の運転状態に応じてトルク予想手段による予想トルクおよびトルク推定手段による推定トルクのいずれか一方を選択して最終推定トルクを決定することで、圧縮機のトルク推定を圧縮機の運転状態にかかわらず正確に行うことが可能となる。
本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係る冷凍サイクル装置の概略構成を示す模式図である。図2は、流量センサの構造を模式的に示す図である。
図1に示すように、冷凍サイクル装置1は、車両空調装置(以下、エアコンともいう)に適用されるものであって、冷媒を圧縮するコンプレッサ(圧縮機)2と、コンデンサ(凝縮器)3と、レシーバ(気液分離器)4と、膨張弁(減圧機構)5と、エバポレータ(蒸発器)6とを備えている。冷凍サイクル装置1において、コンプレッサ2、コンデンサ3、レシーバ4、膨張弁5、および、エバポレータ6は、冷媒配管により環状に接続されており、コンプレッサ2により吐出された冷媒は、コンデンサ3→レシーバ4→膨張弁5→エバポレータ6の順に流れ、コンプレッサ2に吸入される。また、コンプレッサ2とコンデンサ3との間には、冷媒流量を検出する流量センサ7が設けられている。この流量センサ7の詳細については後述する。
コンプレッサ2は、車両に搭載されたエンジン11によって駆動される。コンプレッサ2は、動力断続用の電磁クラッチ21を有し、エンジン11の動力がVベルトおよび電磁クラッチ21を介してコンプレッサ2に伝達される。電磁クラッチ21への通電のON/OFFは電子制御装置(ECU)8によって切り替えられ、電磁クラッチ21の通電がONされて電磁クラッチ21が接続状態になると、コンプレッサ2が起動される。一方、電磁クラッチ21の通電がOFFされて電磁クラッチ21が開離状態になると、コンプレッサ2が停止される。電磁クラッチ21への通電のON/OFFは、例えばエアコンスイッチ9の乗員によるON/OFF操作に連動して行われる。エアコンスイッチ9は、例えば車室内の前部に配置される操作パネルに設けられており、このエアコンスイッチ9がECU8に接続されている。また、エンジン11には、その回転数Neを検出する回転数センサ12が設けられており、この回転数センサ12がECU8に接続されている。
また、コンプレッサ2は、容量可変機構22を備えており、ECU8からの指令によりその吐出容量が可変制御されるように構成されている。容量可変機構22により、コンプレッサ2の吐出容量をほぼ0〜100%の範囲で連続的に変化させることが可能となっている。容量可変機構22は、例えば電磁弁機構(容量制御弁)によって構成され、電磁弁機構に供給される制御電流によりコンプレッサ2の吐出容量が制御される。例えば、電磁弁機構に供給される制御電流に比例して吐出容量が制御され、制御電流が小さくなるほど吐出容量が小さくなり、制御電流が大きくなるほど吐出容量が大きくなるように吐出容量が制御される。
コンプレッサ2から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、流量センサ7のオリフィス71を経てコンデンサ3に導入される。流量センサ7は、図2に示すように、冷媒が流通するメイン通路73と、このメイン通路73に設けられたオリフィス(固定絞り)71、オリフィス71をバイパスするようにメイン通路73に並列に接続された検出用通路74と、検出用通路74に設けられた差圧センサ72とを備えている。
差圧センサ72は、検出用通路74の内部に冷媒流れ方向に沿って変位自在に収容された測定子721と、この測定子721を保持するコイルばね723,724と、測定子721の変位を検出する変位センサ(例えばホール素子)722とを備えている。そして、測定子721の上流側に作用する冷媒圧力と下流側に作用する冷媒圧力との差圧(前後差圧ΔP)を測定子721の変位によって検出し、その変位検出量(変位センサ722の検出信号)を前後差圧ΔPとして出力するように構成されている。
このような流量センサ7においては、メイン通路73の通路面積がオリフィス71によって絞られるので、このオリフィス71を冷媒が通過することで、オリフィス71の前後に冷媒流量に応じた差圧が発生する。このようにして発生したオリフィス71の前後の差圧ΔPを差圧センサ72によって検出するようにしている。差圧センサ72の検出信号はECU8に入力される。
コンデンサ3に導入されたガス冷媒は、冷却用ファン(図示略)により送風される外気と熱交換して放熱され、凝縮する。コンデンサ3により凝縮された高温、高圧の冷媒は、レシーバ4に導入される。コンデンサ3の出口直後には高圧圧力センサ31が設けられており、この高圧圧力センサ31により、コンデンサ3の出口から流出される冷媒の圧力(高圧圧力Ph)を検出するようにしている。高圧圧力センサ31は、ECU8に接続されており、この高圧圧力センサ31によって検出された高圧圧力PhがECU8に入力される。なお、高圧圧力センサ31をコンデンサ3の内部に設ける構成としてもよい。
レシーバ4に導入された冷媒は、液相と気相とに分離され、液相の冷媒(液冷媒)がレシーバ4内に貯留される。このレシーバ4からの高圧の液冷媒は、膨張弁5により急激に膨張させられ、気液二相の状態となる。
膨張弁5により減圧された低圧の冷媒は、エバポレータ6に導入される。このエバポレータ6において、低圧の冷媒は、周囲の空気(空調ケース13の空気通路を流れる送風空気)から吸熱して蒸発(気化)し、ガス冷媒となる。蒸発後のガス冷媒は、再びコンプレッサ2に吸入され、圧縮される。
エバポレータ6は、車両用空調装置の空調ケース13内に設置されている。この空調ケース13は、内部に車室内の乗員に向けて空気が送風される空気通路を有し、この空気通路の最上流部には、内気導入口および外気導入口を有する内外気切替箱(図示略)が設けられている。また、エバポレータ6のフィンにはフィン温度センサなどで構成される温度センサ61が設けられており、この温度センサ61により、エバポレータ6のフィン温度Tefinを検出するようにしている。温度センサ61は、ECU8に接続されており、この温度センサ61によって検出されたエバポレータ6のフィン温度TefinがECU8に入力される。
空調ケース13の内外気切替箱内には、内外気切替ドア(図示略)が回転自在に配置されている。この内外気切替ドアは、例えばサーボモータにより駆動され、これにより、内気導入口より内気(車室内空気)を導入する内気モードと、外気導入口より外気(車室外空気)を導入する外気モードとを切り替えることが可能となっている。この内外気切替箱の下流側には、車室内に向かう空気流れを発生させるブロワ14が配置されている。このブロワ14の下流側には、上述したエバポレータ6が配置されており、エバポレータ6により空気通路内を流れる空気が冷却される。つまり、エバポレータ6は、ブロワ14による送風空気を冷却する冷房用熱交換器となっている。
また、エバポレータ6の下流側には、このエバポレータ6によって冷却された空気を加熱するヒータコア15が配置されている。このヒータコア15は、エンジン11の冷却水などを熱源としてエバポレータ6の通過後の空気を加熱する暖房用熱交換器であり、その側方にはヒータコア15を迂回する空気が流れるバイパス通路17が形成されている。
エバポレータ6とヒータコア15との間には、エアミックスドア16が回転自在に配置されている。このエアミックスドア16は、例えばサーボモータにより駆動され、エアミックスドア16の開度を調整することによって、ヒータコア15を通る空気量(温風量)と、バイパス通路17を通過してヒータコア15を迂回する空気量(冷風量)とを調節することが可能となっている。これにより、車室内に吹き出す空気の吹出温度が調整されるようになっている。また、空調ケース13の空気通路の最下流部には、車両の窓ガラスに向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出口や、乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット吹出口(図示略)などが設けられている。
上述のように構成される冷凍サイクル装置1は、ECU8によって制御される。ECU8は、CPU、ROM、RAMなどを含むマイクロコンピュータとその周辺回路とによって構成され、そのROMに記憶されたプログラムやマップ、テーブル、演算式などにに基づいて各種演算、処理を行う電気制御部である。ECU8には、冷凍サイクル装置1の各種の制御に必要な各種センサの検出信号(検出出力)が入力される。
そして、この実施形態では、コンプレッサ2の最終推定トルクを、トルク予想手段による予想トルクと第1トルク推定手段による第1推定トルクとを用いて決定する制御を行うことを特徴としている。以下、ECU8が実行するコンプレッサ2の最終推定トルクを決定する制御の詳細について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。図3の制御ルーチンは、ECU8において所定時間(例えば数msec〜数十msec程度)ごとに繰り返して実行される。
図3に示すように、ECU8は、ステップST1〜ST4において、順に、コンプレッサ2の予想トルクTrq0を採取する処理、第1,第2,第3推定トルクTrq1,Trq2,Trq3を推定する処理を実行する。ここでは、まず、これらの各処理について説明する。
(予想トルクの採取処理)
ステップST1で実行される予想トルクの採取処理は、予め記憶されたコンプレッサ2が過渡状態にある場合の予想トルクTrq0の時系列データを参照して、冷凍サイクル装置1の高圧側領域の冷媒圧に関連する第1の物理量と、冷凍サイクル装置1の低圧側領域の冷媒圧に関連する第2の物理量とに対応する時系列データを採取する処理となっている。
コンプレッサ2の予想トルクTrq0の時系列データとしては、例えば、図4、図5に示すようなトルク変動パターンのデータなどがある。コンプレッサ2のトルク変動パターンは、コンプレッサ2の予想トルクTrq0の経時変化を表すデータであり、コンプレッサ2が過渡状態にあるときのトルクの変動を予想(予測)したデータである。コンプレッサ2のトルク変動パターンは、予め実験やシミュレーション等を行うことによって作成される。
コンプレッサ2のトルク変動パターンのデータは、上記第1,第2の物理量に対応付けて記憶されている。この実施形態では、高圧側領域の冷媒圧に関連する第1の物理量として、コンデンサ3とレシーバ4との間を流れる冷媒の圧力(高圧圧力Ph)が用いられる。高圧圧力Phは、高圧圧力センサ31の出力信号から得られる。低圧側領域の冷媒圧に関連する第2の物理量として、低圧側領域の冷媒圧と相関のあるエバポレータ6のフィン温度Tefinが用いられる。フィン温度Tefinは、温度センサ61の出力信号から得られる。
図4は、起動時のコンプレッサ2のトルク変動パターンのデータであり、図5は、停止時のコンプレッサ2のトルク変動パターンのデータである。図4、図5では、コンプレッサ2のトルク変動パターンのデータがコンプレッサ2の予想トルクTrq0の経時変化をマップ化したものとなっている。そして、予想トルクTrq0の経時変化を表すマップが高圧圧力Phに対し設定された領域(図4では3つの領域X1,X2,X3,図5では3つの領域X4,X5,X6)ごとにそれぞれ対応付けられており、予想トルクTrq0の経時変化を表すマップがフィン温度Tefinに対し設定された領域(図4では3つの領域Y1,Y2,Y3,図5では3つの領域Y4,Y5,Y6)ごとにそれぞれ対応付けられている。図4、図5では、高圧圧力Phおよびフィン温度Tefinはそれぞれ3つの領域に区分されており、高圧圧力Phおよびフィン温度Tefinに応じて9つの領域が設定されている。そして、9つの領域のそれぞれに対し予想トルクTrq0の経時変化を表すマップ(図4ではM1〜M9,図5ではM11〜M19)がそれぞれ対応付けられている。
ここで、2つのパラメータ(高圧圧力Phおよびフィン温度Tefin)と過渡時のコンプレッサ2のトルクとの間には基本的に次のような関係があり、図4、図5に示すようなコンプレッサ2のトルク変動パターンのデータは、この関係を満たすように作成される。
高圧圧力Phが高くなると、過渡時のコンプレッサ2のトルクの上限が大きくなる。逆に、高圧圧力Phが低くなると、過渡時のコンプレッサ2のトルクの上限が小さくなる。過渡時のコンプレッサ2のトルクの上限は、定常時のコンプレッサ2のトルク程度であり、具体的には、コンプレッサ2の起動の際は、起動後の定常運転時のトルクとなり、コンプレッサ2の停止の際は、停止前の定常運転時のトルクとなる。
また、フィン温度Tefinが高くなると、低圧側領域の冷媒圧が高くなり、過渡時のコンプレッサ2のトルクの変動が急激になる。つまり、過渡時のコンプレッサ2のトルクの変化率(傾き)が大きくなる。逆に、フィン温度Tefinが低くなると、低圧側領域の冷媒圧が低くなり、過渡時のコンプレッサ2のトルクの変化が緩やかになる。つまり、過渡時のコンプレッサ2のトルクの変化率(傾き)が小さくなる。
そして、ステップST1では、高圧圧力センサ31により検出される高圧圧力Phおよび温度センサ61により検出されるフィン温度Tefinに対応するコンプレッサ2のトルク変動パターンが採取される。例えば、図4のデータを参照することで、起動時のコンプレッサ2の予想トルクTrq0が取得され、図5のデータを参照することで、停止時のコンプレッサ2の予想トルクTrq0が取得される。この際、例えば、高圧圧力センサ31により検出される高圧圧力Phが図4のX1の領域にあり、温度センサ61により検出されるフィン温度Tefinが図4のY1の領域にある場合、X1およびY1の領域に対応するマップM1が採取される。また、例えば、高圧圧力センサ31により検出される高圧圧力Phが図5のX6の領域にあり、温度センサ61により検出されるフィン温度Tefinが図5のY6の領域にある場合、X6およびY6の領域に対応するマップM19が採取される。
このような予想トルクの採取処理によれば、トルク変動パターンは、過渡時のコンプレッサ2のトルクに関係する2つのパラメータ(高圧圧力Phおよびフィン温度Tefin)に対応付けられたものとなっているので、過渡時のコンプレッサ2のトルクを正確に求めることができる。これにより、コンプレッサ2の過渡時にコンプレッサ2を駆動するエンジン11の出力に過不足が生じることを抑制でき、エンジン回転数の意図しない落ち込みや、吹け上がり等の発生を抑制することができる。
なお、高圧側領域の冷媒圧に関連する第1の物理量として、例えば、コンプレッサ2の吐出圧や、コンプレッサ2とコンデンサ3との間を流れる冷媒の圧力を採用してもよい。この場合、第1の物理量を検出可能な箇所に圧力センサが設置される。また、低圧側領域の冷媒圧に関連する第2の物理量として、例えば、コンプレッサ2の吸入圧や、エバポレータ6とコンプレッサ2との間を流れる冷媒の圧力を採用してもよいし、エバポレータ6を通過した空気温度を採用してもよい。この場合、第2の物理量を検出可能な箇所に圧力センサあるいは温度センサが設置される。
また、図4、図5に示すコンプレッサ2の予想トルクTrq0の時系列データは、一例であって、上述したような2つのパラメータとコンプレッサ2のトルクとの関係を満たすものであれば、それ以外であってもよい。例えば、2つのパラメータとマップとを対応付ける形態はそれ以外であってもよい。コンプレッサ2の起動時と停止時とで対応付け方が異なっていてもよい。また、予想トルクTrq0の時系列データがテーブル等で構成されていてもよい。
また、予め記憶される時系列データを、コンプレッサ2のトルク傾きの変動パターンの複数のデータとしてもよい。コンプレッサ2のトルク傾きの変動パターンのデータは、コンプレッサ2が過渡状態にあるときのトルク傾きの変動を予想(予測)したデータである。コンプレッサ2のトルク傾きの変動パターンは、予め実験やシミュレーション等を行うことによって作成される。そして、コンプレッサ2のトルク傾きの変動パターンのデータは、上記第1,第2の物理量に対応付けて記憶される。
(第1推定トルクの推定処理)
ステップST2で実行される第1推定トルクの推定処理は、流量センサ7にて検出される冷媒流量に基づいてコンプレッサ2のトルク(第1推定トルクTrq1)を推定する処理となっている。
この処理では、まず、ECU8は、高圧側領域を流れる冷媒流量Rflowを、流量センサ7の差圧センサ72により検出されるオリフィス71の前後の差圧ΔPと、高圧圧力センサ31により検出される高圧圧力Phとに基づいて算出する。この冷媒流量算出処理は、マップ、テーブル、あるいは近似式(演算式)を用いて行うことが可能である。例えば、オリフィス71の前後の差圧ΔPと高圧圧力Phとをパラメータとしたマップに基づいて冷媒流量Rflowを求めることが可能である。
ここで、冷凍サイクル装置1において、実際の冷媒流量Rflowが変化すると、これに応じてオリフィス71の前後の差圧ΔPが変化する。この実施形態では、実際の冷媒流量Rflowの変化を、オリフィス71の前後の差圧ΔPの変化として検出するようにしている。そして、差圧センサ72により直接検出されたオリフィス71の前後の差圧ΔPに基づいて冷媒流量Rflowを推定するため、実際の冷媒流量Rflowの変動分を冷媒流量Rflowの推定結果に速やかに反映させることができる。
このような処理によって算出した冷媒流量Rfloを用いて、コンプレッサ2の第1推定トルクTrq1を推定する。具体的には、まずは、冷媒流量Rflowと、コンプレッサ2の吐出圧Pdおよび吸入圧Psとに基づいてコンプレッサ2の理論動力Lthを算出する。この理論動力算出処理は、マップ、テーブル、あるいは近似式(演算式)を用いて行うことが可能である。例えば、冷媒流量Rflowとコンプレッサ2の吐出圧Pdおよび吸入圧Psとをパラメータとしたマップに基づいて理論動力Lthを求めることが可能である。
なお、コンプレッサ2の吐出圧Pdおよび吸入圧Psについては、それぞれの圧力を検出する圧力センサを設け、その各センサにより直接検出された値を用いてもよいし、ECU8による推定処理によって求めた値を用いてもよい。
コンプレッサ2の吐出圧Pdを推定処理にて求める場合、上記した処理にて算出した冷媒流量Rflowと、高圧圧力センサ31の出力信号から得られる高圧圧力Phとに基づいてマップを参照して求めることができる。吐出圧算出用マップとしては、例えば冷媒流量Rflowと高圧圧力Phとをパラメータとし、コンプレッサ2の吐出口から高圧圧力Phの検出箇所(高圧圧力センサ31の設置箇所)までに発生する圧力損失(コンデンサ3内の圧損および配管圧損)を考慮した値、つまり、上記圧力損失を冷媒流量Rflowを基に補正した値を反映したマップを用いる。
また、コンプレッサ2の吸入圧Psを推定処理にて求める場合、上記した冷媒流量Rflowとエバポレータ6の圧力Plとに基づいて予め作成したマップを参照して求めることができる。吸入圧算出用マップは、例えば冷媒流量Rflowとエバポレータ6の圧力Plとをパラメータとし、エバポレータ6の圧力Plの検出箇所からコンプレッサ2の吸入口までに発生する圧力損失(エバポレータ6内の圧損および配管圧損)を考慮した値、つまり、上記圧力損失を冷媒流量Rflowを基に補正した値を反映したマップを用いる。なお、エバポレータ6の圧力Plは、温度センサ61により検出されるエバポレータ6のフィン温度Tefinを用いて推定してもよいし、エバポレータ6の圧力Plを検出するセンサを設けて、そのセンサ出力からエバポレータ6の圧力Plを求めるようにしてもよい。
そして、以上のような処理にて算出したコンプレッサ2の理論動力Lthを用いて、次の式(1)に基づいてコンプレッサ2の第1推定トルクTrq1を算出する。
Trq1=(Lth/ηad)×60/(2π×Nc)×1000 ・・・(1)
ここで、ηadはコンプレッサ2の効率であり、(Lth/ηad)はコンプレッサ2の実動力Lを表す。Ncはコンプレッサ2の回転数であり、回転数センサ12の出力信号から得られるエンジン11の回転数Neにプーリ比αを乗じることによって算出することが可能である(Nc=Ne×α)。あるいは、コンプレッサ2の回転数Ncを検出する回転数センサを設ける構成とすることも可能である。なお、第1推定トルクTrq1は、上記した演算により算出してもよいし、予め作成したマップやテーブルを参照して算出するようにしてもよい。
(第2,第3推定トルクの推定処理)
この実施形態では、流量センサ7にて検出される冷媒流量Rflowを用いたステップST2の第1推定トルクの推定処理に加えて、そのような冷媒流量Rflowを使用しない方法でステップST3の第2推定トルクの推定処理と、ステップST4の第3推定トルクの推定処理とを行う。第2,第3推定トルクの推定処理は、上記第1推定トルクの推定処理とは異なり、ともに流量センサ7にて検出される冷媒流量Rflowを用いずにコンプレッサ2のトルクを推定する処理となっている。
具体的には、ステップST3で実行される第2推定トルクの推定処理は、コンプレッサ2に備えられる容量可変機構22の容量制御弁の制御電流値および高圧側領域の冷媒圧に基づいて、コンプレッサ2のトルク(第2推定トルクTrq2)を推定する処理となっている。例えば、容量可変機構22の容量制御弁の制御電流値と高圧圧力センサ31の出力信号から得られる高圧圧力Phとに基づいてマップ等を参照してコンプレッサ2の第2推定トルクTrq2を算出する。ステップST3で得られたコンプレッサ2の第2推定トルクTrq2は、後述する上・下限ガード処理(ステップST11)を行う際に用いられる。なお、容量制御弁の制御電流値と高圧側領域の冷媒圧とを用いてコンプレッサ2のトルクを推定する処理は、一般に知られている公知の技術であるので、ここでは、その詳細な説明は省略する。
また、ステップST4で実行される第3推定トルクの推定処理は、コンプレッサ2の回転数Ncまたはコンプレッサ2の駆動源であるエンジン11の回転数Neおよび高圧側領域の冷媒圧に基づいて、コンプレッサ2のトルク(第3推定トルクTrq3)を推定する処理となっている。例えば、例えば、回転数センサ12の出力信号から得られるエンジン11の回転数Neと高圧圧力センサ31の出力信号から得られる高圧圧力Phとに基づいてマップ等を参照してコンプレッサ2の第3推定トルクTrq3を算出する。この第3推定トルクの推定処理によって求められるコンプレッサ2の第3推定トルクTrq3は、その圧力・回転数(Ph,Ne)での最大トルクとなっている。つまり、第3推定トルクTrq3は、コンプレッサ2の吐出容量が100%であるときのトルクとなっている。ステップST4で得られたコンプレッサ2の第3推定トルクTrq3は、後述する上・下限ガード処理(ステップST11)を行う際に用いられる。なお、エンジン回転数と高圧側領域の冷媒圧とを用いてコンプレッサ2のトルクを推定する処理は、一般に知られている公知の技術であるので、ここでは、その詳細な説明は省略する。
以上のようなコンプレッサ2の予想トルクTrq0、第1推定トルクTrq1、第2推定トルクTrq2、および、第3推定トルクTrq3は、図3の制御ルーチンを実行するたびに求められる。
そして次に、ECU8は、ステップST5において、コンプレッサ2が駆動中(稼動中)であるか否かを判定する。この判定は、エアコンスイッチ9のON/OFFに基づいて行うことが可能である。
そして、コンプレッサ2がOFFの場合には、ステップST12へ移行する。ステップST12において、ECU8は、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAをステップST1で求められた予想トルクTrq0に設定する。つまり、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAとして、第1推定トルクTrq1ではなく予想トルクTrq0が選択される。この場合、最終推定トルクTrqAは、停止時の予想トルクTrq0に設定される(図5参照)。そして、ECU8は、設定された停止時の予想トルクTrq0に基づいて燃料噴射量、吸入空気量等を制御し、エンジン11の出力を制御する。このように、コンプレッサ2の停止時に最終推定トルクTrqAを予想トルクTrq0に決定するのは、コンプレッサ2の停止時には、流量センサ7にて検出される冷媒流量Rflowがゼロとなるため、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAを精度よく求めるには、最終推定トルクとして予想トルクTrq0を用いたほうが好ましいからである。
一方、ステップST5の判定の結果、コンプレッサ2がONの場合には、次にステップST6へ移行する。ステップST6において、ECU8は、エアコンカット制御中か否かを判定する。エアコンカット制御は、エンスト等の発生を回避するために車両用空調装置を強制的にOFFとする制御であり、例えば車両の加速時などに行われる。なお、エアコンカット制御中であるか否かの判定を行う理由については後述する(図6参照)。
そして、ステップST6の判定の結果、エアコンカット制御中である場合には、次にステップST8へ移行する。一方、エアコンカット制御中ではない場合には、次にステップST7へ移行する。ステップST7において、ECU8は、上記ステップST2で求められたコンプレッサ2の第1推定トルクTrq1が判定閾値(図6ではTh1(例えば2N・m))以上であるか否かを判定する。
このようなステップST7の判定を行うのは、流量センサ7が安定動作可能な状態にあるか否かを判定するためである。すなわち、流量センサ7の故障時や、コンプレッサ2の起動時などには、流量センサ7の安定動作を保証できず、流量センサ7にて検出される冷媒流量Rflowの値が信頼性に欠けるものとなる。ここで、流量センサ7の故障のうち、電気的な断線・ショート等の故障は検出回路などによって検出することが可能である。しかし、異物の噛み込みによる測定子721の固着や応答遅れ・ゲインずれに関しては検出することができない。そして、このような流量センサ7の故障、特に固着による故障が生じた場合、流量センサ7にて検出される冷媒流量Rflowに基づく第1推定トルクTrq1が小さい値または大きい値となる可能性があり、そのままの第1推定トルクTrq1を用いると、例えばアイドル発生トルク指示が小さい値または大きい値となってしまう。こうした状況になると、エンジン回転数の落ち込みや吹け上がりが発生するため、エンストやドライバビリティ不良(例えばエンスト発生直前の振動やオーバーランなど)が発生する可能性がある。また、トランスミッション協調制御が正しく働かない可能性があって、例えば、車両にベルト式CVTが搭載されている場合、ベルト挟圧制御不良が発生して、ベルト滑りが生じる可能性がある。また、このような不具合は、コンプレッサ2の起動時などの過渡時にも、同様に起きる可能性がある。例えば、コンプレッサ2の起動直後には、測定子721の応答遅れ等により流量センサ7が即座には安定動作せず、安定動作するまでにはタイムラグがあるため、同様の不具合が起きる可能性がある。
そこで、この実施形態では、ステップST7の判定を行って第1推定トルクTrq1が判定閾値以上である場合に限り、流量センサ7が安定動作可能な状態にあると判定するようにしている。判定閾値は、流量センサ7の安定動作を考慮した値に設定される。そして、第1推定トルクTrq1が判定閾値以上である場合には(Trq1≧Th1)、次にステップST8へ移行する。
一方、第1推定トルクTrq1が判定閾値未満である場合には(Trq1<Th1)、次にステップST13へ移行する。ステップST13において、ECU8は、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAをステップST1で求められた予想トルクTrq0に設定する。つまり、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAとして、第1推定トルクTrq1ではなく予想トルクTrq0が選択される。この場合、最終推定トルクTrqAは、起動時の予想トルクTrq0に設定される(図4参照)。そして、ECU8は、設定された起動時の予想トルクTrq0に基づいて燃料噴射量、吸入空気量等を制御し、エンジン11の出力を制御する。
次に、ECU8は、ステップST8において、今回の第1推定トルクTrq1nと前回の最終推定トルクTrqAn-1のトルク差ΔTrqが判定閾値以上であるか否かを判定する。なお、初回の場合(n=1の場合)、前回の最終推定トルクTrqAn-1としては、予想トルクTrq0が用いられる。
このようなステップST8の判定を行うのは、上記トルク差ΔTrqが大きい場合に今回の最終推定トルクTrqAnとして第1推定トルクTrq1nをそのまま採用すると、最終推定トルクTrqAの変動が急激なため、エンジン回転数の落ち込みや吹け上がりが発生しやすくなり、エンストやオーバーランなどが発生しやすくなるからである。
そこで、この実施形態では、ステップST8の判定を行って上記トルク差ΔTrqが判定閾値以上である場合には、次のステップST10で最終推定トルクTrqAの補正処理を行って、エンジン回転数の落ち込みや吹け上がりを未然に回避するようにしている。判定閾値は、エンストやオーバーランの回避を考慮した値に設定される。
一方、ステップST8の判定の結果、上記トルク差ΔTrqが判定閾値未満である場合には、次にステップST9へ移行する。ステップST9において、ECU8は、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqA(今回の最終推定トルクTrqAn)をステップST2で求められた第1推定トルクTrq1に設定する。つまり、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAとして、予想トルクTrq0ではなく第1推定トルクTrq1が選択される。そして、ECU8は、設定された第1推定トルクTrq1に基づいて燃料噴射量、吸入空気量等を制御し、エンジン11の出力を制御する。
ステップST10において、ECU8は、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAの補正処理を行う。この補正処理は、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAを緩やかに変動させる処理となっている。具体的には、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAを予想トルクTrq0から第1推定トルクTrq1へ切り替える際に、最終推定トルクTrqAを推定トルクTrq1へ徐々に近付けていく処理となっている。
コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAに対する補正処理としては、例えば、徐変処理や、なまし処理などがある。徐変処理は、今回の第1推定トルクTrq1nと前回の最終推定トルクTrqAn-1のトルク差ΔTrqに応じてコンプレッサ2の最終推定トルクTrqAを緩やかに変化させる処理である。例えば、前回の最終推定トルクTrqAn-1に、トルク差ΔTrqに徐変係数(例えば1/16など)を乗じた徐変量を加算した値が、今回の最終推定トルクTrqAnとされる。徐変処理により補正されたコンプレッサ2の最終推定トルクTrqAは、例えば、図7(a)、(b)に示すように変化する。図7(a)ではコンプレッサ2の最終推定トルクTrqAが増加傾向にある場合を示し、図7(b)では最終推定トルクTrqAが低下傾向にある場合を示している。
また、なまし処理は、予想トルクTrq0の傾きに応じてコンプレッサ2の最終推定トルクTrqAを緩やかに変化させる処理である。例えば、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAを予想トルクTrq0の傾きの1/16の傾きで変化させる処理である。なまし処理により補正されたコンプレッサ2の最終推定トルクTrqAは、例えば、図7(b)に示すように変化する。なお、なまし処理は、エンストの回避を目的として行われるものであるため、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAが低下傾向にある場合に行うことが好ましい。
次に、ECU8は、ステップST11において、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAの上・下限ガード処理を行う。この上・下限ガード処理を行うのは、流量センサ7に上記のような故障が発生した場合には、流量センサ7にて検出される冷媒流量Rflowに基づく第1推定トルクTrq1が小さくなり過ぎたり、大きくなり過ぎたりする可能性があるからである。
この実施形態では、図7(b)に示すように、第2推定トルクの推定処理(ステップST3)で得られたコンプレッサ2の第2推定トルクTrq2を用いて、最終推定トルクTrqAの下限ガード処理を行うようにしている。この場合、コンプレッサ2の第2推定トルクTrq2から所定値(図7ではβ)を差し引いた値(Trq2−β)が最終推定トルクTrqAの下限値として設定される。最終推定トルクTrqAの下限値は、エンストの回避を考慮した値に設定される。なお、所定値βとしては、高圧圧力Phをパラメータとしたマップに基づいて設定された値を用いることが可能である。
また、図7(a)に示すように、第3推定トルクの推定処理(ステップST4)で得られたコンプレッサ2の第3推定トルクTrq3を用いて、最終推定トルクTrqAの上限ガード処理を行うようにしている。つまり、コンプレッサ2の吐出容量が100%であるときの第3推定トルクTrq3が最終推定トルクTrqAの上限値として設定される。
この実施形態によれば、上述したように、予想トルクの採取処理(ステップST1)により採取されるコンプレッサ2の予想トルクTrq0と、第1推定トルクの推定処理(ステップST2)により推定されるコンプレッサ2の第1推定トルクTrq1とを併用して、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAを決定するので、次のような効果が得られる。
すなわち、予想トルクTrq0は、コンプレッサ2の起動時や停止時などの過渡時の最終推定トルクTrqAを精度よく決定するのに適したものとなっている。また、第1推定トルクTrq1は、コンプレッサ2の定常運転時に最終推定トルクTrqAを精度よく決定するのに適したものとなっている。このため、コンプレッサ2の運転状態に応じて予想トルクTrq0および第1推定トルクTrq1のいずれか一方を選択して最終推定トルクTrqAを決定することで、コンプレッサ2のトルク推定をコンプレッサ2の運転状態にかかわらず正確に行うことが可能となる。
これにより、コンプレッサ2を駆動するエンジン11の出力に過不足が生じることを抑制でき、エンジン回転数の意図しない落ち込みや、吹け上がり等の発生を抑制することができる。そして、エンストやドライバビリティの不良の発生を抑制することができる。また、例えばベルト式CVTのベルト挟圧制御不良の発生を抑制することができる。
この場合、ステップST7の判定により流量センサ7が安定動作可能な状態にない場合には、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAとして第1推定トルクTrq1ではなく、予想トルクTrq0が採用される。これにより、例えば流量センサ7の故障時やコンプレッサ2の起動時などのように、流量センサ7が安定動作可能な状態にない場合であっても、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAを精度よく求めることができる。
一方、コンプレッサ2の第1推定トルクTrq1が判定閾値Th1以上である場合には、流量センサ7の故障時や圧縮機の起動時などには該当せず、流量センサ7が安定動作可能な状態にあると判定される。このような場合には、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAとして予想トルクTrq0ではなく、第1推定トルクTrq1を採用することによって、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAの推定精度を高めるようにしている。
また、この実施形態では、ステップST6でエアコンカット制御中であると判定された場合には、ステップST7の判定を行わずにステップST8へ移行するようにしている。この点について、図6を参照して説明する。図6では、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAを実線で、予想トルクTrq0を二点鎖線で、第1推定トルクTrq1を一点鎖線でそれぞれ示している。
図6に示すように、時刻t1でエアコンカット制御が開始されると、流量センサ7にて検出される冷媒流量Rflowが低下し、これにともなって冷媒流量Rflowに基づいて推定されるコンプレッサ2の第1推定トルクTrq1も低下していく。そして、エアコンカット制御が継続されると、時刻t2で第1推定トルクTrq1が判定閾値Th1を下回ることになる。
ここで、ステップST6の判定を行わなければ、次のことが懸念される。第1推定トルクTrq1が判定閾値Th1を下回った時刻t2の後、ステップST7の判定が行われると、図6の矢印Zで示すように、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAとして、第1推定トルクTrq1ではなく予想トルクTrq0が選択されてしまう。しかし、この場合、予想トルクTrq0は実際のトルクとはかけ離れた値となっており、この予想トルクTrq0に基づいてエンジン11の出力制御を行うと、エンジン回転数が急激に吹け上がり、オーバーランに至る可能性がある。つまり、エアコンカット制御中(時刻t1〜t3)にコンプレッサ2の最終推定トルクTrqAとして予想トルクTrq0が選択されるような状況が発生すると、最終推定トルクTrqAが不正確になる可能性が高い。
そのため、この実施形態では、エアコンカット制御中には、ステップST7の判定を行わないようにすることで、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAとして予想トルクTrq0が選択されるような状況が発生しないようにしている。したがって、エアコンカット制御中には、コンプレッサ2の最終推定トルクTrqAとして、予想トルクTrq0ではなく第1推定トルクTrq1が選択されることになる。これにより、エアコンカット制御にともなうコンプレッサ2の最終推定トルクTrqAの誤差を抑制することができ、信頼性を向上させることができる。そして、エアコンカット制御にともなってエンジン回転数の吹け上がりや、オーバーラン等が発生することを回避できる。
また、この実施形態では、ステップST10で補正処理を行ってコンプレッサ2の最終推定トルクTrqAの変動を緩やかにすることで、エンジン回転数の落ち込みや吹け上がりを未然に回避することが可能となる。そして、補正処理によりエンストやドライバビリティの不良が発生することを未然に回避できる。
また、この実施形態では、ステップST11で第1推定トルクTrq1を用いて決定される最終推定トルクTrqAに対し、流量センサ7にて検出される冷媒流量Rflowを用いずに推定されたコンプレッサ2の第2,第3推定トルクTrq2,Trq3を用いて上・下限ガード処理を行うようにしている。これにより、流量センサ7の故障にともなうコンプレッサ2の最終推定トルクTrqAの誤差を抑制することができ、信頼性を向上させることができる。そして、流量センサ7の故障にともなってエンジン回転数の落ち込みや吹け上がりが発生することを回避できる。さらに、流量センサ7の故障に起因するエンストやドライバビリティの不良が発生することを回避できる。
−他の実施形態−
以上、本発明の実施形態について説明したが、ここに示した実施形態は一例であり、さまざまに変形することが可能である。
上記実施形態では、流量センサ7の設置箇所がコンプレッサ2とコンデンサ3との間であったが、流量センサ7は、冷凍サイクル装置1の高圧側領域(コンプレッサ2の吐出口〜膨張弁5の入口の間)であれば、上記以外の箇所に設けられていてもよい。
実施形態に係る車両空調用の冷凍サイクル装置の概略構成を示す模式図である。 図1の冷凍サイクル装置に適用される流量センサの構造を模式的に示す図である。 ECUが実行するコンプレッサの最終推定トルクを決定する制御内容を示すフローチャートである。 起動時のコンプレッサの予想トルクの時系列データの一例を示す図である。 停止時のコンプレッサの予想トルクの時系列データの一例を示す図である。 エアコンカット制御にともなうコンプレッサの最終推定トルクの変化を示す図である。 コンプレッサの最終推定トルクの補正処理と上・下限ガード処理を説明するための図である。
符号の説明
1 冷凍サイクル装置
2 コンプレッサ
3 コンデンサ
4 レシーバ
5 膨張弁
6 エバポレータ
7 流量センサ
8 ECU
11 エンジン
31 高圧圧力センサ
61 温度センサ
71 オリフィス
72 差圧センサ

Claims (12)

  1. 圧縮機と、凝縮器と、気液分離器と、減圧機構と、蒸発器とを備えた車両用空調装置用の冷凍サイクル装置の制御装置であって、
    高圧側領域の冷媒圧に関連する第1の物理量を検出する第1の検出手段と、
    低圧側領域の冷媒圧に関連する第2の物理量を検出する第2の検出手段と、
    高圧側領域の冷媒流量を検出する流量センサと、
    上記圧縮機が過渡状態にある場合の予想トルクの時系列データから上記第1,第2の検出手段の検出出力に対応する時系列データを採取するトルク予想手段と、
    上記流量センサにて検出される冷媒流量に基づいて上記圧縮機のトルクを推定するトルク推定手段と、
    上記トルク予想手段による予想トルクと上記トルク推定手段による推定トルクとを用いて上記圧縮機の最終推定トルクを決定する制御手段とを備えることを特徴とする冷凍サイクル装置の制御装置。
  2. 請求項1に記載の冷凍サイクル装置の制御装置において、
    上記制御手段は、上記圧縮機の運転状態に応じて上記トルク予想手段による予想トルクおよび上記トルク推定手段による推定トルクのいずれか一方を選択して上記最終推定トルクを決定することを特徴とする冷凍サイクル装置の制御装置。
  3. 請求項2に記載の冷凍サイクル装置の制御装置において、
    上記制御手段は、上記圧縮機が駆動中であり、上記トルク推定手段による推定トルクが判定閾値以上である場合には、上記トルク推定手段による推定トルクを選択し、それ以外の場合には、上記トルク予想手段による予想トルクを選択することを特徴とする冷凍サイクル装置の制御装置。
  4. 請求項3に記載の冷凍サイクル装置の制御装置において、
    上記制御手段は、上記車両用空調装置の強制オフ制御中は上記トルク推定手段による推定トルクが判定閾値以上であるか否かの判定を行わずに、上記トルク推定手段による推定トルクを選択することを特徴とする冷凍サイクル装置の制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置の制御装置において、
    上記制御手段は、上記圧縮機の最終推定トルクを上記トルク予想手段による予想トルクから上記トルク推定手段による推定トルクへ切り替える際に、上記トルク予想手段による予想トルクと上記トルク推定手段による推定トルクとのトルク差が判定閾値以上である場合には、上記最終推定トルクを上記トルク推定手段による推定トルクへ徐々に近付けていく補正処理を行うことを特徴とする冷凍サイクル装置の制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置の制御装置において、
    上記流量センサにて検出される冷媒流量を用いずに上記圧縮機のトルクを推定する他のトルク推定手段を備え、
    上記制御手段は、上記他のトルク推定手段による推定トルクを用いて上記最終推定トルクの上・下限カード処理を行うことを特徴とする冷凍サイクル装置の制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置の制御装置において、
    上記流量センサは、上記高圧側領域に設けられた絞りと、この絞りの前後の差圧を検出する差圧センサとを備えていることを特徴とする冷凍サイクル装置の制御装置。
  8. 請求項7に記載の冷凍サイクル装置の制御装置において、
    上記流量センサの絞りは、上記圧縮機と凝縮器との間に設けられていることを特徴とする冷凍サイクル装置の制御装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置の制御装置において、
    上記第1の物理量が、上記凝縮器と気液分離器との間を流れる冷媒の圧力であることを特徴とする冷凍サイクル装置の制御装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置の制御装置において、
    上記第2の物理量が、上記蒸発器のフィン温度であることを特徴とする冷凍サイクル装置の制御装置。
  11. 請求項6〜10のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置の制御装置において、
    上記他のトルク推定手段が、上記圧縮機または圧縮機の駆動源の回転数および上記第1の検出手段の検出出力に基づいて上記圧縮機のトルクを推定する構成となっており、この推定トルクを用いて上記最終推定トルクの上限ガード処理が行われることを特徴とする冷凍サイクル装置の制御装置。
  12. 請求項6〜11のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置の制御装置において、
    上記他のトルク推定手段が、上記圧縮機に備えられる容量制御弁の制御電流値および上記第1の検出手段の検出出力に基づいて上記圧縮機のトルクを推定する構成となっており、この推定トルクを用いて上記最終推定トルクの下限ガード処理が行われることを特徴とする冷凍サイクル装置の制御装置。
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