JP2013151181A - 車両用エアコンにおけるエバポレータの温度制御を行う電動コンプレッサ - Google Patents

車両用エアコンにおけるエバポレータの温度制御を行う電動コンプレッサ Download PDF

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Abstract

【課題】車両用エアコンにおけるエバポレータの温度制御を行う電動コンプレッサを提供する。
【解決手段】車両用エアコン装置のエアコン制御装置(A/C−ECU)からON信号が入力された場合には、前記電動コンプレッサを初期回転数で回転駆動し、エバポレータ出口温度(Te)が、所定の下側温度(Teo)以上の場合には、前記エバポレータ出口温度(Te)が、所定の下側温度(Teo)に、時間の経過につれて単調減少で漸近させるように、前記電動コンプレッサの回転数を制御し、前記エバポレータ出口温度(Te)が、所定の下側温度(Teo)未満になった場合には、前記電動コンプレッサの回転数をゼロとするように制御したコンプレッサ制御装置。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両用エアコン、特にマニュアルエアコンにおけるエバポレータの温度制御を行う電動コンプレッサに関する。
ベルト駆動コンプレッサを採用している車両用エアコンには、マニュアルエアコンが装備されている場合がある。マニュアルエアコンは、エバポレータ出口温度Teが、エバポレータの凍結を防止するために設定した一定温度(例えば3℃など)となるように、クラッチをON/OFF制御することによりコンプレッサをON/OFFするものである。一般的に、マニュアルエアコンは、エバポレータの出口の空気温度もしくはエバポレータそのものの温度をサーミスタで測定し、エバポレータが凍結(フロスト)しないように、凍結する前にクラッチをOFFしてコンプレッサをOFFする。そのため、車室内の温度は制御せずに、車室内の寒さ暖かさはユーザ自身が風量や冷房暖房を切り替えることでコントロールするものである。
このようなマニュアルエアコンとは、エバポレータ出口温度Teを制御せず、ある規定の温度に達するとコンプレッサをON/OFFするだけの制御であるので、オートエアコンと比べ極めて簡素となり、廉価に空調制御を行うことができるものである。オートエアコンの場合には、エバポレータ出口温度Teや室内温度をコントロールするために、コンプレッサの指示回転数を決めねばならず、空調制御のノウハウの蓄積があれば問題がないが、このようなノウハウがない場合や開発負担をさけて廉価に空調制御を行う場合には、マニュアルエアコンがよく用いられている。
マニュアルエアコンの一例には、特許文献1などの車両用マニュアルエアコンが挙げられる。図1は、特許文献1の車両用マニュアルエアコンの概略説明図である。この車両用マニュアルエアコンは、次のようなものである。
エンジン16の前側にはコンデンサ18および図示しないコンデンサファンが配置される。そのコンデンサ18とコンプレッサ20と膨張弁21とエバポレータ22とを冷媒配管23で環状に連結して冷凍サイクルを形成している。コンプレッサ20は、クラッチ24を介してエンジン16により駆動される。このコンプレッサ20は、エバポレータ22内で蒸発した低温低圧のガス冷媒を吸入口から吸入し、圧縮により高温高圧になったガス冷媒を吐出口から吐出してコンデンサ18へ送り込む。
コンデンサ18は、コンデンサファンにより通過する外気と熱交換することにより、コンプレッサ20から送り込まれた高温高圧のガス冷媒を凝縮させる。そして、ガス冷媒が凝縮された結果生じる液冷媒を膨張弁21へ送り込む。膨張弁21は、冷媒を減圧膨張させる。エバポレータ22は、車両の空調ダクト25内に配され、送風ファン26により、空調ダクト25内に流れる導入空気を霧状の冷媒と熱交換させることにより、通過する導入空気を冷却する。
空調装置17は、配管27と配管28によりヒータコア29を経由して温水の循環流路(ヒータ回路)を形成する。ヒータコア29は熱交換器である。ヒータコア29は、空調ダクト25内に配置されている。空調ダクト25には、エンジンルーム13側に位置する上流側から、送風ファン26、エバポレータ(室内熱交換器)22、開閉自在のエアミックスドア31、上記のヒータコア29、および吹き出し口33、34、35が設けられている。エバポレータ22は送風機26から送られてくる空気を冷却する。
吹き出し口33はベント用吹き出し口であり、吹き出し口34はフット用吹き出し口である。吹き出し口34には、ヒートドア36が設けられており、そのヒートドア36は、乗員の下半身側へ向かう吹き出し口34を開閉する。吹き出し口33には、ベントドア37が設けられており、そのベントドア37は、乗員の上半身側へ向かう吹き出し口33を開閉する。吹き出し口35には、デフドア38が設けられており、そのデフドア38は、窓の内側へ向かう吹き出し口35を開閉する。エバポレータ22の出口側の空調ダクト25内には、エバポレータ出口温度検出センサ39が配置される。このエバポレータ出口温度検出センサ39は、エバポレータ出口温度Teを検出するためのものであり、そのセンサ出力はクラッチ制御装置41に入力される。
空調ダクト25では、エアミックスドア31によって、空調ダクト25内を通過する空気を、ヒータコア29を通過させる部分(ホット側空気、矢印63)とヒータコア29をバイパスさせる部分(非ホット側空気、矢印61)に振り分けることができる。こうして、空調ダクト25の構成により車室12内に温度調整された空気を供給することができる。
以上のようなマニュアルエアコンが普及しているが、近年ハイブリッド車両や電気自動車が注目されるとともに、これらの車両には電動コンプレッサが多く採用されてきている。図2(a)、(b)は、従来技術のベルト駆動コンプレッサに、電動コンプレッサを採用した場合の説明図である。ハイブリッド車両や電気自動車において電動コンプレッサを採用すると、クールダウン効果を考慮し回転数は高めで固定して、ベルト駆動コンプレッサと同じように、電動コンプレッサをON/OFF断続作動させて使用することになる。即ち、電動コンプレッサを採用した場合、例えば回転数を5000rpmに高めに固定して使用することとなる。そうすると室内が冷えた状態で必要以上冷媒流量が流れることになり、コンプレッサのON/OFF回数が増える恐れがある。逆に回転数を低くしてしまうと冷媒流量が減り、ON/OFF回数が減るものの、最大冷房性能を出すことができなくなり、冷え不足という問題が発生する。
このように電動コンプレッサを採用した場合、どうしても回転数は高めに固定して、電動コンプレッサをON/OFF断続作動させて使用することになるので、ON/OFF回数が増加し、インバータ素子への通電のON/OFF作動が増加し、それが半田部への冷熱繰り返しの増加となり寿命低下をもたらしてしまうことになる。また、回転数が高めに設定されると、ON/OFF回数増加による吹出温度変動が多発し、乗員へのフィーリング悪化につながるとともに、自動車の快適性を決めるNVH(騒音・振動・ハーシュネス)も悪化させることになる。
特開2006−151079号公報
本発明は、上記問題に鑑み、車両用エアコン、特にマニュアルエアコンにおけるエバポレータの温度制御を行う電動コンプレッサを提供するものである。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、車両用エアコン装置のエアコン制御装置(A/C−ECU)から、エバポレータのフロスト防止のためのON、OFF信号が入力されて、電動コンプレッサを制御するコンプレッサ制御装置であって、前記エアコン制御装置(A/C−ECU)からON信号が入力された場合には、前記電動コンプレッサを初期回転数で回転駆動し、エバポレータ出口温度(Te)が、所定の下側温度(Teo)以上の場合には、前記エバポレータ出口温度(Te)が、所定の下側温度(Teo)に、時間の経過につれて単調減少で漸近させるように、前記電動コンプレッサの回転数を制御し、前記エバポレータ出口温度(Te)が、所定の下側温度(Teo)未満になった場合には、前記電動コンプレッサの回転数をゼロとするように制御したコンプレッサ制御装置である。
これにより、電動コンプレッサの回転数を可変することにより、エバポレータフロスト防止によるコンプレッサON/OFF回数を減らすことができ、吹き出し温度の安定化とインバータの電子部品の劣化を防止することができる。乗員へのフィーリング悪化させることなく、自動車の快適性を決めるNVH(騒音・振動・ハーシュネス)も良好に保つことができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、エバポレータ出口温度(Te)が、所定の下側温度(Teo)未満になった場合に、前記電動コンプレッサの回転数をゼロとした後、エバポレータ出口温度(Te)から前記所定の下側温度(Teo)を引いた差が、所定のヒステリヒス閾値(Δt)を超えた場合には、再度、電動コンプレッサを前記初期回転数で回転駆動させたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記電動コンプレッサの回転数をPI制御(比例動作+積分動作制御)したことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、前記電動コンプレッサに吸入冷媒温度(Ts)を測定するセンサを設置し、前記吸入冷媒温度(Ts)から前記エバポレータ出口温度(Te)を推定したことを特徴とする。これにより、電動コンプレッサ自身に設置した吸入冷媒温度センサからエバポレータの実際の温度を推測し、コンプレッサ回転数を電動コンプレッサ自らの判断で上昇下降させることができる。
請求項5の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、車両用エアコン装置のエバポレータに設置したセンサで、前記エバポレータ出口温度(Te)を測定したことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれか1項記載の発明において、前記車両用エアコンが、車両用マニュアルエアコンであることを特徴とする。
なお、上記に付した符号は、後述する実施形態に記載の具体的実施態様との対応関係を示す一例である。
特許文献1の車両用マニュアルエアコンの概略説明図である。 (a)、(b)は、従来技術のベルト駆動コンプレッサに、電動コンプレッサを採用した場合の説明図である。 (a)は、本発明の一実施形態が適用される電動コンプレッサの断面図であり、(b)は、インバータ1の部分拡大図であり、(c)は、サーミスタの設置場所を示す説明図である。 本発明の一実施形態の制御フローチャートである。 本発明の一実施形態の制御を説明する説明図である。 (a)は、本発明の一実施形態の車両用マニュアルエアコンのエアコン側のECU(A/C−ECU)との関係を模式的に示した説明図であり、(b)、(c)は、本発明の別の実施形態の説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。各実施態様について、同一構成の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
カーエアコンの基本的制御の1つとして、エバポレータのフロスト(着霜)防止のためコンプレッサを制御することが知られている。冷房能力が冷房負荷に勝ると、エバポレータ空気側表面温度が氷点下となるので、エバポレータ空気側表面には、凝縮水の氷結が進行して、エバポレータの通過空気の流れが妨げられてしまう。このような現象を防止するために、エバポレータの出口温度Teに応じて、コンプレッサをON/OFF制御する。
マニュアルエアコンとは、エバポレータ出口温度Teがある規定の温度に達すると、コンプレッサをON/OFFするだけの制御であって、車室内の温度については制御せずに、車室内の寒さ暖かさはユーザ自身が風量や冷房暖房を切り替えることでコントロールするものである。したがって、オートエアコンと比べ極めて制御が簡素となり、廉価に空調制御を行うことができるものなので、新興国市場などで広く普及するとともに、開発期間短縮、開発コスト削減の観点からも注目されている。近年ハイブリッド車両や電気自動車の普及とともに、ベルト駆動コンプレッサから電動コンプレッサを採用する必要性に迫られている。また、ベルト駆動コンプレッサは、車両停止時でも空調のためだけにエンジンを掛ける必要があるが、電動コンプレッサを採用すれば、バッテリーの電力により電動コンプレッサを駆動でき、エンジンを掛ける必要は無く省燃費に貢献できる。
本発明の一実施形態においては、従来技術のベルト駆動コンプレッサに、図2に見られるように、電動コンプレッサを採用した場合の問題点を解決するものである。既に背景技術において説明したように、電動コンプレッサを採用した場合、どうしても回転数は高めに固定して、電動コンプレッサをON/OFF断続作動させて使用することになるので、ON/OFF回数が増加し、インバータ素子への通電のON/OFF作動が増加し、それが半田部への冷熱繰り返しの増加となり寿命低下をもたらしてしまうことになる。また、回転数が高めに設定されると、ON/OFF回数増加による吹出温度変動が大きく、乗員へのフィーリング悪化につながるとともに、自動車の快適性を決めるNVH(騒音・振動・ハーシュネス)も悪化させることになる。
このように、従来技術のベルト駆動コンプレッサに、電動コンプレッサを採用することは、上述のような解決すべき課題が存在していた。本発明の一実施形態においては、エバポレータの温度を推定するために、電動コンプレッサの吸入口近傍に吸入冷媒温度Tsを測定するセンサ(サーミスタ)を追加し、その温度からエバポレータ温度を推定し、エバポレータのフロスト管理をコンプレッサが行うことができるようにした。吸入冷媒温度Tsからエバポレータの温度を推定することにより、マニュアルエアコンでもコンプレッサの回転数を可変することを可能とした。そして、電動コンプレッサの回転数を可変することにより、エバポレータフロスト防止によるコンプレッサON/OFF回数を減らすことができ、インバータの素子の寿命が低下しないようにすることができる。
図3(a)は、本発明の一実施形態が適用される電動コンプレッサの断面図であり、(b)は、インバータ1の部分拡大図であり、(c)は、サーミスタの設置場所を示す説明図である。図4は、本発明の一実施形態の制御フローチャートである。
図3を参照して、本発明の一実施形態が適用される電動コンプレッサを説明する。本発明の一実施形態は、HEVやEVの車両の電動コンプレッサを採用したマニュアルエアコンに適用されるものであるが、これらに限定されず通常車両の場合に適用しても良い。また、オートエアコン機能は装備していない場合で説明するが、必ずしもこの場合に限定されるものではない。本発明の一実施形態においても、特許文献1の空調装置17と同様な構成であっても良いが、それ以外のものであっても良い。ヒータコアには、電気自動車特有の暖房手段である電気ヒータやヒートポンプシステムを使用しても良く、エンジンを持つハイブリッドの場合には、電気ヒータやエンジンの温水での暖房でも構わない。
本発明の一実施形態が適用される電動コンプレッサは、スクロール圧縮機構(圧縮ポンプ)4を有するスクロール式の圧縮機を一例として例示するものであるが、その他の形式の圧縮機であっても良い。吸入ポート5から流入した冷媒を、モータ3で圧縮機構4(スクロール)を駆動して、圧縮された冷媒を吐出ポート6から吐出させる。2は、モータハウジングである。インバータ制御基板7には、インバータCPU10が設けられており、吸入冷媒の温度を検出するサーミスタ8が接続している。このインバータCPU10が、電動コンプレッサの回転数を制御するECUとして機能する。
9は、IPM(インテグレイテッド・パワー・モジュール)である。サーミスタ8は、吸入ポートの近くに設置し、吸入冷媒温度Tsを測定し、この温度から、エバポレータ温度を推定する(車両により推定演算式が異なる)。電動コンプレッサ自体の特性としては、ECUがあるので従来技術のベルト駆動コンプレッサとは異なり、制御信号さえ与えてやれば自ら回転数を可変することができるということにある。
マニュアルエアコンでは、エアコン側のECU(エアコン制御装置A/C−ECU)から、エバポレータのフロスト防止のためのON、OFF信号が電動コンプレッサに送信される。エアコン制御装置A/C−ECUから、ON信号が電動コンプレッサのコンプレッサ側のECU(インバータCPU10)に入力されると、電動コンプレッサ自身に設置した吸入温度センサ(サーミスタ8)からTe(エバポレータの実際の温度)を推測し、Teoに達しないようにぎりぎりのところでコンプレッサ回転数を自らの判断で上昇下降させる。これにより、コンプレッサのON/OFF回数を減らし、吹き出し温度の安定化とインバータの電子部品の劣化の防止することができるものである。
Teは、吸入冷媒温度Tsから推定したエバポレータ温度で、実際のエバポレータ温度ではない。そのため、Teを推定する計算式をシステムごとに導きだす必要がある。Tsからエバポレータ温度を推定する方法の一例は、実車のエアコン(A/C)サイクルでの評価をすることによって定数を決め、推定計算式を構築する。あらゆる運転条件(コンプレッサ雰囲気温度、外気温等)で実際にエバポレータ温度(Te)とコンプレッサ吸入温度(Ts)を測定することで計算式を決定すると良い。
コンプレッサをOFFするエバポレータ温度Teoに、達しないぎりぎりのところで制御するためには、一例として、現在のコンプレッサ回転数を下記の式(1)により、PI制御(比例動作+積分動作)する。
Nc(n)=Nc(n−1)+Kp(ΔT(n)−ΔT(n−1))
+(Kp/Ki)∫ΔT(n)dt・・・・(1)
Teo:コンプレッサをOFFするエバポレータ温度(フロスト管理温度)
Ts:吸入温度(サーミスタで実測した値)
Te:Tsから推定したエバポレータ温度(インバータCPUにおいて算出)
Te(n):現在(n回目)のエバポレータ温度
Te(n−1):1つ前(n−1回目)に算出したエバポレータ温度
Nc(n):現在(n回目)のコンプレッサ回転数
Nc(n−1):1つ前(n−1回目)に算出したコンプレッサ回転数
ΔT:Te−Teo(エバポレータ温度とフロスト管理温度の差)
ΔT(n):Te(n)−Teo(現在のエバポレータ温度とフロスト管理温度の差)
ΔT(n−1):Te(n−1)−Teo(算出1つ前の差)
Kp:比例ゲイン
Ki:積分ゲイン
「所定の下側温度」としてのTeo(エバポレータ凍結防止設定温度)は、図2のように、フロスト防止上経験的に定められる。エコノモード(ECO)のように燃費を良くするために(コンプレッサのON時間を短くもしくは回転数を低くするために)、「所定の下側温度」としてのTeoは少し高めに設定される。
本発明の一実施形態では、所定の下側温度Teoとは、コンプレッサ側のECUが、吸入冷媒温度Tsから推定したエバポレータ温度Teに対して、コンプレッサをOFFさせるためのエバポレータ判定温度である。これは、エアコン側のエアコン制御装置A/C−ECUが、実測したエバポレータ温度に対して、エバポレータのフロスト防止のためにOFFさせる判定温度TEOとは異なっている。Teoは、コンプレッサ側のECUのエバポレータ判定温度であり、TEOはエアコン側のエアコン制御装置A/C−ECUのエバポレータ判定温度である。
図5は、本発明の一実施形態の制御を説明する説明図である。Teoに達しないようにぎりぎりのところでコンプレッサ回転数を自らの判断で上昇下降させる状況を表している。ここで、式(1)の第2項は、図5に示すように、今回のTe(n)が前回のTe(n−1)より低下してくれば、ΔT(n)−ΔT(n−1)がマイナスになってコンプレッサの回転数を下げるように働く(冷凍サイクルの冷媒流量を落とす)。式(1)の最終の積分項は、修正項なので実際には無くても制御可能であるが、より精度を上げるために追加されている。
図4を参照して、本発明の一実施形態の制御のフローチャートを説明する。
(エアコンA/C−ECU側)
ステップS01でエアコンのスイッチ(A/CSW)がONになると、ステップS02で、エバポレータ温度Te(エバポレータでの実測値)が、コンプレッサをOFFするエバポレータ温度TEOより大きいか否かを判断する。NOなら、ステップS03に進みコンプレッサをOFFにする。その後、再度S01に戻る。
(コンプレッサ側のECU)
ステップ02でYES(TEOより大)なら、ステップS04に進み、コンプレッサを3000rpmで回転させる。スタート時は、制御目標回転数は決定できず、スタート時は固定した回転数にする必要がある。このため、とりあえず代表的な回転数である3000rpmで回転させる。これは2000rpmなどにしても構わない。これを、初期回転数という。
ステップS05〜S08は、繰り返しループになっている。ステップ05で、TeがTeoより大きいか否か(ΔTの正負)を判別する。YESなら、ステップS06において、式(1)により、1つ前(n−1回目)に算出したコンプレッサ回転数に基づき、現在のコンプレッサ回転数を算出する。算出後、ステップ07で、Nc(n)にコンプレッサ回転数を変更する。ステップS08で、吸入冷媒温度Tsから推定したエバポレータ温度Teを得て、再度S05に戻り、そのTeが、Teoより大きいか否かを判別する。依然としてTeがTeoより大きい限りは、繰り返しループが作動する。このようにして、ステップS06の式(1)に基づいて現在のコンプレッサ回転数を算出すると、図5に示すようにTeは変化して、コンプレッサは回転を続ける。
ステップS05で、TeがTeoより大きいか否かを判別して、TeがTeoより小さくなると、ステップS09でコンプレッサはOFFとなる。コンプレッサがOFFになると、ステップ10でTsから推定したエバポレータ温度Teを得て、ステップS11で、Te(n)−TeoがコンプレッサをONするためのヒステリシス閾値Δt(ここでは、2℃、その他の値でも良い)より大きくなるまでは、NOとなってステップS09、10、11のループが繰り返される。
ステップS09でコンプレッサはOFFとなると、コンプレッサが作動していないので、エバポレータ温度は時間とともに上昇し、やがて、ステップS11で、Te(n)−TeoがコンプレッサをONするためのヒステリシス閾値Δtより大きくなる。この場合、ループを抜け出して、ステップ04に復帰し、同じようにステップS05〜S08のループが繰り返され、図5に示すようにTeは変化して、コンプレッサは回転を続ける。以上説明したように、本実施形態においては、Teoに達しないようにぎりぎりのところで(単調減少で漸近)コンプレッサを自らの判断で、断続させることなく作動させることができる。なお、ステップS04〜11で、A/CSW(エアコンスイッチ)がOFFの場合には強制終了させる。
コンプレッサ吸入温度を計測しその情報からエバポレータの温度を推測し、その推測されたエバポレータ温度を基に、コンプレッサの回転数をPI制御を使って可変することが可能になる。車両の空調としては、車室内温度をコントロールできないのでマニュアルエアコンと同レベルとしても、コンプレッサの制御としては、ON/OFF回数が低減され吹き出し温度の安定化が図ることができ、品質向上が得られる。なお、コンプレッサ側のECUで車室内温度をコントロールすることも可能である。
以上説明したように、電動コンプレッサ自身に設置した吸入冷媒温度センサからTe(エバポレータ出口の温度)を推測し、Teoに達しないようにぎりぎりのところでコンプレッサ回転数を自らの判断で上昇下降させる。そうすることで、コンプレッサのON/OFF回数を減らし、吹き出し温度の安定化とインバータの電子部品の劣化を防止することができる。
A/C−ECUは、通常コンプレッサのON/OFFをリレー配線1本で行っており、その単なるリレーに使っている信号はもともと温度情報である。その温度情報を直接電動コンプレッサへ送信し、A/C−ECUからもらった温度情報(Teo)を、電動コンプレッサ側のECUが認識することでコンプレッサの回転数制御とON/OFFを行うようにしても良い。
本発明の別の実施形態として、次のような変形形態が考えられる。
図6(a)は、本発明の一実施形態の車両用マニュアルエアコンのエアコン側のECU(A/C−ECU)との関係を模式的に示した説明図であり、(b)、(c)は、本発明の別の実施形態の説明図である。
図6(b)のように、電動コンプレッサの吸入冷媒温度でエバポレータ温度を推定するのではなく、電動コンプレッサのインバータ1からサーミスタ部(サーミスタ2)をワイヤで引出し、それをエバポレータに埋め込むことにより、より正確にエバポレータ温度を検出することも可能である。図6(c)のようにA/C−ECUが使っているエバポレータ温度センサ(サーミスタ1)を直接コンプレッサのインバータ1へコネクタを使って引き込み、エバポレータの温度をコンプレッサ自体がコントロールすることも可能である。これにより、吸入温度(Ts)からエバポレータ温度(Te)を推定することが不要になる。
1 インバータ
3 モータ
4 圧縮機構
5 吸入ポート
6 吐出ポート
7 インバータ制御基板
8 サーミスタ
Te エバポレータ出口温度
Teo 所定の下側温度

Claims (6)

  1. 車両用エアコン装置のエアコン制御装置(A/C−ECU)から、エバポレータのフロスト防止のためのON、OFF信号が入力されて、電動コンプレッサを制御するコンプレッサ制御装置であって、
    前記エアコン制御装置(A/C−ECU)からON信号が入力された場合には、前記電動コンプレッサを初期回転数で回転駆動し、
    エバポレータ出口温度(Te)が、所定の下側温度(Teo)以上の場合には、前記エバポレータ出口温度(Te)が、所定の下側温度(Teo)に、時間の経過につれて単調減少で漸近させるように、前記電動コンプレッサの回転数を制御し、
    前記エバポレータ出口温度(Te)が、所定の下側温度(Teo)未満になった場合には、前記電動コンプレッサの回転数をゼロとするように制御したコンプレッサ制御装置。
  2. エバポレータ出口温度(Te)が、所定の下側温度(Teo)未満になった場合に、前記電動コンプレッサの回転数をゼロとした後、エバポレータ出口温度(Te)から前記所定の下側温度(Teo)を引いた差が、所定のヒステリヒス閾値(Δt)を超えた場合には、再度、電動コンプレッサを前記初期回転数で回転駆動させたことを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサ制御装置。
  3. 前記電動コンプレッサの回転数をPI制御(比例動作+積分動作制御)したことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンプレッサ制御装置。
  4. 前記電動コンプレッサに吸入冷媒温度(Ts)を測定するセンサを設置し、前記吸入冷媒温度(Ts)から前記エバポレータ出口温度(Te)を推定したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のコンプレッサ制御装置。
  5. 車両用エアコン装置のエバポレータに設置したセンサで、前記エバポレータ出口温度(Te)を測定したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のコンプレッサ制御装置。
  6. 前記車両用エアコンが、車両用マニュアルエアコンであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用エアコンのコンプレッサ制御装置。
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