JP2007022180A - 車両用空調装置および車両用空調制御方法 - Google Patents

車両用空調装置および車両用空調制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 窓ガラスが突然曇ることを防止できる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】 コンプレッサ2が停止されると、エバポレータ13の表面で凝縮・凍結した水分が再び液化・蒸発する。内気循環モードの状態では、エバポレータ温度Tevaが曇り誘発温度Aに達すると、フロントウィンドウ4などの窓ガラスが急激に曇り始める。そこで本実施の形態の車両用空調装置では、オートエアコンアンプ30で曇り誘発温度Aを算出し、コンプレッサ2が停止された後にエバポレータ温度Tevaが上昇して曇り誘発温度Aに達すると、冷媒吐出容量をあらかじめ定められた容量に下げた状態でコンプレッサ2を駆動させて、エバポレータ温度Tevaの上昇を鈍化させる。このように、エバポレータ13の表面で凝縮・凍結した水分の解凍を遅延させることで、フロントウィンドウ4などの窓ガラスが急激に曇ることを防止することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は車両用空調装置の制御技術に関する。
車室内を内気循環モードで空調しているときに冷媒のコンプレッサが停止されると、エバポレータの表面で凝縮・凍結した水分が再び液化・蒸発して空調空気とともに車室内に供給されて、窓ガラスが曇ってしまう。そのため、車室内を内気循環モードで空調しているときに冷媒のコンプレッサが停止されると、強制的に外気導入モードに切り替えることで上述した窓ガラスの曇りを防止する車両用空調装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2000−142078号公報
しかし、従来の車両用空調装置では、強制的に外気導入モードに切り替えた後、外気循環モードに切り替わったことに気がついた乗員が再び内気循環モードに切り替えてしまうと、上述したように窓ガラスが曇ってしまうという問題があった。
(1) 請求項1の発明による車両用空調装置は、冷媒を圧送するコンプレッサと、コンプレッサから冷媒が実質的に圧送されないようにする冷媒圧送停止手段と、ブロアモータによりブロアファンを駆動して空気を吐き出す送風機と、冷媒との熱交換により送風機から吐き出された空気を冷却するエバポレータと、エバポレータの温度を検出するエバポレータ温度検出手段と、空気を冷却した際にエバポレータで凝縮・凍結した水分が再び液化および蒸発することで車両の窓ガラスを曇らせることとなるエバポレータの第1の温度を算出するエバポレータ温度算出手段と、冷媒圧送停止手段によってコンプレッサから冷媒が実質的に圧送されなくなった後、エバポレータ温度検出手段で検出されたエバポレータの温度が第1の温度と等しくなると、コンプレッサが冷媒を再び圧送するように冷媒圧送停止手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
(2) 請求項7の発明による車両用空調制御方法は、コンプレッサで冷媒を圧送し、ブロアモータによりブロアファンを駆動して空気を吐き出し、圧送された冷媒とエバポレータで熱交換することで吐き出された空気を冷却する車両用空調制御方法において、エバポレータの温度を検出し、空気を冷却した際にエバポレータで凝縮・凍結した水分が再び液化および蒸発することで車両の窓ガラスを曇らせることとなるエバポレータの第1の温度を算出し、冷媒の流量が略0となるようにコンプレッサを制御した後、エバポレータの温度が第1の温度と等しくなると、コンプレッサから冷媒を再び圧送することを特徴とする。
本発明によれば、コンプレッサが圧送する冷媒の流量が略0とされた後、エバポレータ温度検出手段で検出されたエバポレータの温度が第1の温度と等しくなると、コンプレッサが前記冷媒を再び圧送するように構成した。これにより、エバポレータの表面で凝縮・凍結した水分が徐々に液化・蒸発するので、フロントウィンドウなどの窓ガラスが突然曇ることがなく、たとえば積極的な外気の導入など、曇りを除去するための行為を乗員に対して促すことができる。
図1〜8を参照して、本発明による車両用空調装置の一実施の形態を説明する。図1は本実施の形態の車両を側面から見た図である。なお、図1では説明のためドアを省略している。この車両Vには、エンジン1と、冷媒を圧縮して吐出する可変容量型のコンプレッサ2と、コンプレッサ2にエンジン1の動力を伝達または遮断する電磁クラッチ3と、フロントウィンドウ4と、車室内に空調空気を供給する車両用空調ユニット100とが設けられている。コンプレッサ2は電磁クラッチ3を介してエンジン1の出力軸に連結されており、エンジン1の動力により駆動される。なお、コンプレッサ2および後述するエバポレータ以外のコンデンサ、リキッドタンク、膨張弁などの空調装置の圧縮冷凍サイクル部品については、周知であり、本願発明と直接に関係しないので図示と説明を省略する。
車両Vのインストルメントパネル200には、空調に関する操作を行うための空調操作部40が設けられている。空調操作部40には、車両用空調装置のオンオフを操作する空調スイッチや、車室内の温度を設定する温度設定器41、外気導入と内気循環とを切り替える内気外気切替スイッチ42、コンプレッサ2を作動させた空調運転の開始を指示するAUTOスイッチ43やA/Cスイッチ44などの各種操作スイッチが設けられている。
図2は、車両用空調ユニット100の全体構成を示す図である。車両用空調ユニット100は、そのケース10内に、ファン11を駆動するブロアモータ12と、ファン11により送風された空気を除湿、冷却するエバポレータ13と、エバポレータ13で除湿、冷却された送風空気を再加熱するヒータコア14と、ヒータコア14への配風比を調節するエアミックスドア15とを備えている。エバポレータ13には、エバポレータ13の温度(エバポレータ温度Teva)を検出するエバポレータ温度センサ37が設けられている。
ケース10のインテーク部5には内外気切換ドア6が設けられている。この内外気切換ドア6により、内気導入口7からの吸気もしくは外気導入口8からの吸気の切替が行われる。電圧で制御されるブロアモータ12により駆動されるファン11で加圧、送風された送風空気は、エバポレータ13を通過して除湿、冷却される。エバポレータ13を通過した空気は、エアミックスドア15により決定される配風比でヒータコア14を通過する空気と、ヒータコア14を通過しない空気とに分配される。エアミックスドア15で分配されてヒータコア14を通過した空気と、ヒータコア14を通過しなかった空気とは、ヒータコア14下流で再び合流して車室内に供給される。
車両用空調ユニット100は、空調空気を車両内へ配風するために、車両Vのインストルメントパネル200上に設けられたベント口17と、ベント口17に接続されるベントダクト19と、ベントダクト19を開閉するベントドア18と、デフ口20と、デフ口20に接続されるデフダクト22と、デフダクト22を開閉するデフドア21と、フット口23と、フット口23に接続されるフットダクト25と、フットダクト25を開閉するフットドア24とを備えている。
この車両用空調ユニット100は、空調運転条件の演算を行って車両用空調ユニット100の各部を制御するオートエアコンアンプ30を備えている。なお、車両Vには、車両用空調ユニット100の熱負荷を検出するために外気温センサ31と、日射センサ32と、室温センサ33とが設けられており、これらの検出信号がオートエアコンアンプ30に入力される。また、オートエアコンアンプ30で空調運転条件の演算を行うために、エンジン1の冷却水温を検出する水温センサ34、コンプレッサ2の冷媒吐出圧力を検出する吐出圧力センサ35、車両Vの速度を検出する車速センサ36、およびエバポレータ温度センサ37からの各検出信号がオートエアコンアンプ30に入力される。オートエアコンアンプ30には、空調操作部40の温度設定器41や内気外気切替スイッチ42などの各操作スイッチからの信号も入力される。オートエアコンアンプ30は、車室内温度が温度設定器41で設定された設定温度になるよう各センサ31〜37からの情報を基に空調運転条件の演算を行う。
演算された空調運転条件に基づいて、オートエアコンアンプ30は、所定の風量となるようブロアモータ12の電圧VFを制御するとともに、エアミックスドア15の開度XMおよび各ドア18,21,24の開度をそれぞれ制御する。またオートエアコンアンプ30は、電磁クラッチ3をオンオフしてエンジン1の駆動力をコンプレッサ2へ伝達または遮断するとともに、コンプレッサ2へ送信するデューティー信号のデューティー比を変更して冷媒吐出容量を変更することによってコンプレッサ2の駆動状態を制御する。なお、オートエアコンアンプ30の演算による制御とは別に、乗員による空調操作部40の操作に基づいて各ドア18,21,24の開閉や、吹き出し口のモード設定、内気循環モードと外気導入モードとの切替も可能である。
このように、上記構成の車両用空調ユニット100は、オートエアコンアンプ30によりコンプレッサ2の駆動状態と、ブロアモータ12の電圧(回転数)と、エアミックスドア15の開度と、各ドア18,21,24の開度とを制御して、車室内が設定温度になるよう風量、温度、風向を調節した空調空気を車室内に送風する。また後述するように、車両用空調ユニット100は、コンプレッサ2の駆動状態を制御してフロントウィンドウ4などの窓ガラスの曇りを防止する。以下、詳述する。
−−−コンプレッサ2の制御について−−−
駆動されているコンプレッサ2が停止されると、図3の符号302で示すようにエバポレータ温度Tevaが上昇してエバポレータ13の表面で凝縮・凍結した水分が再び液化・蒸発する。内気循環モードの状態で、この水分が空調空気とともに車室内に供給されると、フロントウィンドウ4などの窓ガラスの曇りの原因となる。エバポレータ温度Tevaが所定の温度(以下、曇り誘発温度Aと呼ぶ)に達すると、水分の蒸発量が増えるのでフロントウィンドウ4などの窓ガラスが急激に曇り始める。
そこで本実施の形態の車両用空調装置では、オートエアコンアンプ30で曇り誘発温度Aを算出し、コンプレッサ2が停止された後にエバポレータ温度Tevaが上昇して曇り誘発温度Aに達すると、コンプレッサ2を所定時間駆動させてエバポレータ13の表面で凝縮・凍結した水分の解凍を遅延させる。具体的には、コンプレッサ2の冷媒吐出容量をあらかじめ定められた容量に下げた状態でコンプレッサ2を駆動させて、エバポレータ温度Tevaの上昇を鈍化させる(図3の符号303)。すなわち、エバポレータ温度Tevaがコンプレッサ2の停止時よりも小さな上昇速度で上昇するように、冷媒吐出量を絞ってコンプレッサ2を駆動する。
このように、エバポレータ13の表面で凝縮・凍結した水分の解凍を遅延させることで、フロントウィンドウ4などの窓ガラスが急激に曇ることを防止することができる。その後、さらにエバポレータ温度Tevaが上昇して、曇り誘発温度Aよりも高い、あらかじめ定められた温度(以下、コンプレッサクラッチオフ温度Toffと呼ぶ)に達すると、再びコンプレッサ2を停止させる。
−−−曇り誘発温度Aの算出−−−
曇り誘発温度Aは、フロントウィンドウ4などの窓ガラスの内側の温度によっても異なるため、オートエアコンアンプ30は、外気温センサ31で検出した外気温度と、日射センサ32で検出した日射量と、車速センサ36で検出した車両Vの速度とに基づいてフロントウィンドウ4の内側の温度(ガラス内面温度Tx)を予測し、この予測温度に基づいて曇り誘発温度Aを算出する。ガラス内面温度Txは、外気温度Tamと車速Vcとによって予測される内面温度Tgを、日射量Qsunから求まる補正量αで補正することで予測できる。
図4は、外気温度Tamと車速Vcとによって予測される内面温度Tgについて示す図である。内面温度Tgは外気温度Tamが上昇すると上昇する。また、日射によって窓ガラスは外気温度Tamよりも高い温度となり、車速が上昇すると外気による冷却効果が高まる。そのため、内面温度Tgは車速が上昇すると低下する。
上述のように日射によって窓ガラスが暖められるため、図5に示すように、日射量Qsunが多いほど補正量αを増やす。上述した内面温度Tgをこの補正量αで補正することで、以下の(1)式のようにガラス内面温度Txを予測する。
Tx=Tg−α ・・・(1)
曇り誘発温度Aは、上述した(1)式で求められたガラス内面温度Txにより、図6に示したテーブルから導かれる。
−−−フローチャート−−−
図7は、この車両用空調装置で実行される空調運転プログラムの動作を示す図である。図7のプログラムは、オートエアコンアンプ30で実行される。イグニッションスイッチがONになり、車両用空調装置のオートエアコンアンプ30に電源が供給された状態で空調操作部40の空調スイッチがONとなったとき、図7のプログラムは動作を開始する。ステップS100において、オートエアコンアンプ30の不図示のメモリに格納されている前回の車両用空調装置の運転状態を読み出してステップS200へ進む。ステップS200において、ステップS100で読み出した前回の車両用空調装置の運転状態と、各センサ31〜37からの検出信号と、風量や設定温度など空調操作部40の温度設定器41や内気外気切替スイッチ42などの各操作スイッチの状態信号とに基づいて、送風空気の吹き出し温度を演算する。
ステップS300において、ステップS200で演算した吹き出し温度に対応するエアミックスドア15の開度XMを演算してステップS400へ進む。ステップS400において、ブロアモータ12の電圧VF(目標ブロアモータ電圧)を演算して、ステップS500へ進む。ステップS500において、各ステップで演算したXMやVF、各センサ31〜37からの入力信号、および空調操作部40の各操作スイッチの状態信号に基づいて吹き出し口を決定してステップS600のサブルーチンへ進む。ステップS600のサブルーチンにおいて、窓ガラスの急激な曇りを防止するためのコンプレッサ2の駆動制御に関する演算を行い、ステップS700へ進む。ステップS600のサブルーチンについては後述する。ステップS700において、各ステップで演算した結果に基づいて車両用空調装置の運転を開始してステップS100へ戻る。
−−−ステップS600のサブルーチン−−−
図8は、ステップS600のサブルーチンで実行されるプログラムの処理を示すフローチャートである。ステップS601において、コンプレッサ2のOFF信号を受信したか否かを判断する。ステップS601が肯定判断されるとステップS603へ進み、外気温センサ31で検出した外気温度Tamと車速センサ36で検出した車速Vcから図4に示すように内面温度Tgを予測演算してステップS605へ進む。ステップS605において、図5に示すように、日射センサ32で検出した日射量Qsunから補正量αを算出してステップS607へ進む。
ステップS607において、上述した(1)式に基づいて、ステップS603で算出した内面温度TgをステップS605で算出した補正量αで補正することでガラス内面温度Txを予測演算してステップS609へ進む。ステップS609において、ステップS607で算出したガラス内面温度Txに対応する曇り誘発温度Aを図6に示したテーブルから読み込んでステップS611へ進む。
ステップS611において、エバポレータ温度センサ37で検出されたエバポレータ温度TevaがステップS609で算出された曇り誘発温度A以上であるか否かを判断する。ステップS611が肯定判断されるとステップS613へ進み、エバポレータ温度センサ37で検出されたエバポレータ温度Tevaが上述したコンプレッサクラッチオフ温度Toff未満であるか否かを判断する。ステップS613が肯定判断されるとステップS615へ進み、コンプレッサ2の冷媒吐出容量を制限するようにコンプレッサ2へ送信するデューティー信号のデューティー比を演算してステップS617へ進む。
ステップS617において、窓ガラスの急激な曇りを防止するコンプレッサ2の駆動制御を行っていることを示すEVA解凍遅延フラグに1をセットしてステップS619へ進む。ステップS619において、エバポレータ温度センサ37で検出されたエバポレータ温度Tevaがコンプレッサクラッチオフ温度Toff未満であるか否かを判断する。ステップS619が肯定判断されるとステップS635へ進み、電磁クラッチ3をオンとすることを決定してステップ700のメインルーチンへ戻る。
ステップS619が否定判断されるとステップS621へ進み、EVA解凍遅延フラグに0をセットしてステップS623へ進む。ステップS623において、コンプレッサ2の冷媒吐出容量制限を解除することを決定してステップS625へ進む。ステップS625において電磁クラッチ3をオフとすることを決定してステップ700のメインルーチンへ戻る。
ステップS611またはステップS613が否定判断されるとステップS625へ進む。ステップS601が否定判断されるとステップS631へ進み、現在電磁クラッチ3がオフとなっているか否かを判断する。ステップS631が肯定判断されるとステップS611へ進む。ステップS631が否定判断されるとステップS633進み、EVA解凍遅延フラグに1がセットされているか否かを判断する。ステップS633が肯定判断されるとステップS619へ進む。ステップS633が否定判断されるとステップS635へ進む。
このように構成される車両用空調装置の動作をまとめると、次のようになる。イグニッションスイッチがONされて空調制御を開始すると、オートエアコンアンプ30は、前回の車両用空調装置の運転状態を読み出すとともに(ステップS100)、各センサ31〜37からの検出信号と、風量や設定温度など空調操作部40の温度設定器41や内気外気切替スイッチ42などの各操作スイッチの状態信号とに基づいて、送風空気の吹き出し温度を演算する(ステップS200)。そして、エアミックスドア15の開度XMや目標ブロアモータ電圧VFを演算するとともに(ステップS300,S400)、吹き出し口を決定する(ステップS500)。
また、オートエアコンアンプ30は、窓ガラスが急激に曇らないようにコンプレッサ2の駆動についても演算する(ステップS600)。その結果、本実施の形態の車両用空調装置ではコンプレッサ2が後述のように制御されるので窓ガラスが急激に曇らない。
AUTOスイッチ43やA/Cスイッチ44が押圧されると(ステップS601否定判断、ステップS631否定判断、ステップS633否定判断)、電磁クラッチ3がオンされて、コンプレッサ2を作動させた空調運転が行われる(ステップS635、S700)。このとき、エバポレータ温度Tevaは、図3の符号301で示すように低い温度で推移する。コンプレッサ2を作動させた空調運転が行われているときに、A/Cスイッチ44が押圧されると(ステップS601否定判断)、すなわち、乗員によってコンプレッサ2を停止することが指示されると、コンプレッサ2の停止直後では曇り誘発温度Aよりもエバポレータ温度Tevaが低いので(ステップS603〜S609、ステップS611否定判断)、電磁クラッチ3はオフされて、コンプレッサ2が停止される(ステップS625、S700)。
その後、図3の符号302で示すように、エバポレータ温度Tevaが上昇し始めるが、曇り誘発温度Aよりもエバポレータ温度Tevaが低い場合には(ステップS6601否定判断、ステップS631肯定判断、ステップS611否定判断)、コンプレッサ2は停止したままとなる(ステップS625、S700)。
エバポレータ温度Tevaが上昇して曇り誘発温度Aに達すると(ステップS601否定判断、ステップS631肯定判断、ステップS611肯定判断)、コンプレッサ2の冷媒吐出容量を下げた状態でコンプレッサ2が駆動される(ステップS615,S617,ステップS619肯定判断、ステップS635、S700)。これにより、図3の符号303で示すように、エバポレータ温度Tevaの上昇速度が低下する。なお、このように冷媒吐出容量を下げた状態でコンプレッサ2が駆動されていてもわずかに窓ガラスが曇るため、たとえば積極的な外気の導入など、曇りを除去するための行為を乗員に対して促すことができる。
その後、エバポレータ温度Tevaがコンプレッサクラッチオフ温度Toffに達するまで、コンプレッサ2の冷媒吐出容量を下げた状態でコンプレッサ2が駆動される(ステップS6601否定判断、ステップS631否定判断、ステップS633肯定判断,ステップS619肯定判断、ステップS635、S700)。
エバポレータ温度Tevaがコンプレッサクラッチオフ温度Toffに達すると(ステップS6601否定判断、ステップS631否定判断、ステップS633肯定判断,ステップS619否定判断)、コンプレッサ2の冷媒吐出容量制限が解除され、電磁クラッチ3がオフされて、コンプレッサ2が停止される(ステップS623,S625,S700)。
なお、エバポレータ温度Tevaがコンプレッサクラッチオフ温度Toffに達した後は、コンプレッサ2が停止されたままとなる(ステップS6601否定判断、ステップS631肯定判断、ステップS611肯定判断、ステップS613否定判断、ステップS625,S700)。このとき、図3の符号304で示すように、エバポレータ温度Tevaの上昇速度が増加するが、エバポレータ温度Tevaがコンプレッサクラッチオフ温度Toffに達する前に、上述したように乗員が曇りを除去するように積極的に外気を導入しているものと思われるので、窓ガラスが曇る恐れはない。
上述した車両用空調装置では、次の作用効果を奏する。
(1) コンプレッサ2が停止した後にエバポレータ温度Tevaが上昇して曇り誘発温度Aに達すると、コンプレッサ2を所定時間駆動するように構成した。これにより、エバポレータ13の表面で凝縮・凍結した水分が徐々に液化・蒸発するので、フロントウィンドウ4などの窓ガラスが突然曇ることがなく、たとえば積極的な外気の導入など、曇りを除去するための行為を乗員に対して促すことができる。
(2) エバポレータ温度Tevaが曇り誘発温度Aに達してコンプレッサ2を駆動する際に、冷媒吐出容量を下げるように構成した。これにより、エバポレータ温度Tevaの上昇速度を効果的に抑制しつつ、確実に解凍できるので、たとえば、コンプレッサ2のオンオフ制御のみでコンプレッサ2の駆動と停止を繰り返しながら徐々に解凍する方法と比べて、消費エネルギーが少なく、燃費を向上できる。
(3) エバポレータ温度Tevaが曇り誘発温度Aに達してコンプレッサ2を駆動させた後、エバポレータ温度Tevaがコンプレッサクラッチオフ温度Toffに達すると、再びコンプレッサ2を停止させるように構成した。これにより、乗員に対して曇りを除去する行為を促した後に、乗員の意図のとおりコンプレッサ2を停止できるので、乗員に違和感を与えることがない。
(4) 外気温センサ31で検出した外気温度と、日射センサ32で検出した日射量と、車速センサ36で検出した車両Vの速度とに基づいてガラス内面温度Txを予測するように構成した。これにより、従来から車両に設けられているセンサを用いてガラス内面温度Txを算出できるので、車両用空調装置および車両の製造コストの上昇を抑制できる。
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、外気導入モードおよび内気循環モードのいずれでも上述したコンプレッサ2の制御を行うように構成したが、内気循環モードのときにのみ上述したコンプレッサ2の制御を行うようにしてもよい。
(2) 上述の説明では、エバポレータ温度Tevaが上昇して曇り誘発温度Aに達したときには冷媒吐出容量をあらかじめ定められた容量に下げた状態でコンプレッサ2を駆動させるように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、曇り誘発温度Aや、曇り誘発温度Aに達してからの経過時間、エバポレータ温度Tevaなどに応じて冷媒吐出容量を変更してコンプレッサ2を駆動するように構成してもよい。
(3) 上述の説明では、エバポレータ温度Tevaが曇り誘発温度Aに達してコンプレッサ2を駆動する際に、冷媒吐出容量を下げることで、エバポレータ13の表面で凝縮・凍結した水分を徐々に液化・蒸発するように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、コンプレッサ2のオンオフ制御のみでコンプレッサ2の駆動と停止を繰り返しながら徐々に解凍するように構成してもよい。なお、この場合、コンプレッサ2は可変容量型のコンプレッサでなくてもよく、固定容量型のコンプレッサであってもよい。ただし、上述のように、可変容量型コンプレッサを用いて冷媒吐出容量を下げることで、エバポレータ13の表面で凝縮・凍結した水分を徐々に液化・蒸発する方が消費エネルギーが少なく、燃費を向上できる。
(4) 上述の説明では、電磁クラッチ3によってエンジン1の動力をコンプレッサ2に伝達または遮断することで、コンプレッサ2からの冷媒の流れを制御しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、可変容量型のコンプレッサ2では、電磁クラッチ3をオフしになくても、冷媒吐出容量を下げて冷媒吐出量を略0とすることで、実質的に冷媒が圧送されないようにすることができる。また、この場合には電磁クラッチ3を省略してもよい。
(5) 上述の説明では、車両Vはエンジン1で駆動する車両であるが、本発明はこれに限定されず、電気車やHEVのように、モータによって駆動力を得る車両に本発明を適用してもよい。
(6) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
上述した実施の形態およびその変形例において、たとえば、冷媒圧送停止手段はコンプレッサ2または電磁クラッチ3に、エバポレータ温度検出手段はエバポレータ温度センサ37に、コンプレッサクラッチは電磁クラッチ3に、車外温度検出手段は外気温センサ31に、日射量検出手段は日射センサ32に、車速検出手段は車速センサ36にそれぞれ対応する。エバポレータ温度算出手段、制御手段、および温度予測手段は、オートエアコンアンプ30に対応する。冷媒流量制限手段は、オートエアコンアンプ30およびコンプレッサ2によって実現される。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係になんら限定も拘束もされない。
車両Vを側面から見た図である。 車両用空調ユニット100の全体構成を示す図である。 本発明によるコンプレッサ2の駆動制御を行った際のエバポレータ温度Tevaの推移を示すグラフである。 外気温度Tamと車速Vcとによって予測される内面温度Tgについて示す図である。 日射量Qsunと補正量αとの関係を示すグラフである。 ガラス内面温度とTx曇り誘発温度Aとの関係を示すテーブルを示す図である。 車両用空調装置で実行される空調運転プログラムの動作を示す図である。 ステップS600のサブルーチンで実行されるプログラムの処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン 2 コンプレッサ
3 電磁クラッチ 4 フロントウィンドウ
13 エバポレータ 30 オートエアコンアンプ
31 外気温センサ 32 日射センサ
33 室温センサ 36 車速センサ
37 エバポレータ温度センサ 40 空調操作部
42 内気外気切替スイッチ 43 AUTOスイッチ
44 A/Cスイッチ 100 車両用空調ユニット
V 車両

Claims (7)

  1. 冷媒を圧送するコンプレッサと、
    前記コンプレッサから前記冷媒が実質的に圧送されないようにする冷媒圧送停止手段と、
    ブロアモータによりブロアファンを駆動して空気を吐き出す送風機と、
    前記冷媒との熱交換により前記送風機から吐き出された空気を冷却するエバポレータと、
    前記エバポレータの温度を検出するエバポレータ温度検出手段と、
    前記空気を冷却した際に前記エバポレータで凝縮・凍結した水分が再び液化および蒸発することで車両の窓ガラスを曇らせることとなるエバポレータの第1の温度を算出するエバポレータ温度算出手段と、
    前記冷媒圧送停止手段によって前記コンプレッサから前記冷媒が実質的に圧送されなくなった後、前記エバポレータ温度検出手段で検出された前記エバポレータの温度が前記第1の温度と等しくなると、前記コンプレッサが前記冷媒を再び圧送するように前記冷媒圧送停止手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    前記冷媒圧送停止手段は、前記コンプレッサを駆動する動力を前記コンプレッサに伝達または遮断するコンプレッサクラッチであり、
    前記制御手段は、前記コンプレッサクラッチが前記コンプレッサを駆動する動力を遮断して前記コンプレッサが停止された後、前記エバポレータ温度検出手段で検出された前記エバポレータの温度が前記第1の温度と等しくなると、前記コンプレッサを駆動する動力を伝達して前記コンプレッサを再駆動するように前記コンプレッサクラッチを制御することを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置において、
    前記冷媒の流量を制限する冷媒流量制限手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記冷媒圧送停止手段によって前記コンプレッサから前記冷媒が実質的に圧送されなくなった後、前記エバポレータ温度検出手段で検出された前記エバポレータの温度が前記第1の温度と等しくなると、前記コンプレッサが前記冷媒を再び圧送するように前記冷媒圧送停止手段を制御するとともに、前記エバポレータの温度が、前記冷媒を再び圧送する前よりも小さな速度で上昇するように前記冷媒の流量を制限することを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用空調装置において、
    前記制御手段は、前記エバポレータ温度検出手段で検出された前記エバポレータの温度が前記第1の温度と等しくなった後、あらかじめ定められた、前記第1の温度よりも高い第2の温度に到達したときに前記コンプレッサから前記冷媒が実質的に圧送されなくなるように前記冷媒圧送停止手段を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用空調装置において、
    車両の窓ガラスの内面の温度を予測する温度予測手段をさらに備え、
    前記エバポレータ温度算出手段は、前記温度予測手段で予測した前記窓ガラスの内面の温度に基づいて前記第1の温度を算出することを特徴とする車両用空調装置。
  6. 請求項5に記載の車両用空調装置において、
    車外の温度を検出する車外温度検出手段と、
    日射量を検出する日射量検出手段と、
    車速を検出する車速検出手段とをさらに備え、
    前記温度予測手段は、前記車外温度検出手段で検出した車外の温度と、前記日射量検出手段で検出した日射量と、前記車速検出手段で検出した車速とに基づいて前記窓ガラスの内面の温度を予測することを特徴とする車両用空調装置。
  7. コンプレッサで冷媒を圧送し、
    ブロアモータによりブロアファンを駆動して空気を吐き出し、
    前記圧送された冷媒とエバポレータで熱交換することで前記吐き出された空気を冷却する車両用空調制御方法において、
    前記エバポレータの温度を検出し、
    前記空気を冷却した際に前記エバポレータで凝縮・凍結した水分が再び液化および蒸発することで車両の窓ガラスを曇らせることとなる前記エバポレータの第1の温度を算出し、
    前記冷媒の流量が略0となるようにコンプレッサを制御した後、前記エバポレータの温度が前記第1の温度と等しくなると、前記コンプレッサから冷媒を再び圧送することを特徴とする車両用空調制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016141333A (ja) * 2015-02-04 2016-08-08 株式会社デンソー 車両用空調装置

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