JP3894188B2 - 動力出力装置およびその制御方法並びにこれを搭載する自動車 - Google Patents

動力出力装置およびその制御方法並びにこれを搭載する自動車 Download PDF

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Description

本発明は、動力出力装置およびその制御方法並びにこれを搭載する自動車に関し、詳しくは、駆動軸に動力を出力する動力出力装置およびその制御方法並びにこれを搭載する自動車に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、内燃機関と、この内燃機関の出力軸と車軸に機械的に接続された駆動軸とに接続された遊星歯車機構と、この遊星歯車機構の第3の軸に動力を入出力する発電機と、駆動軸に動力を入出力する電動機とを備え、内燃機関を予め定めた動作線上の運転ポイントで運転するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、駆動軸に対する駆動力が増加して内燃機関から出力すべき動力を増加するときには、動作線上の運転ポイントで運転している内燃機関の回転数をそのまま維持した状態でトルクを増加して出力すべき動力を内燃機関から出力し、その後、内燃機関が動作線上の運転ポイントで運転されるようその運転ポイントを変更する。これにより、迅速に出力すべき動力を内燃機関から出力できるものとしている。
特開2000−87774号公報(図3)
上述した動力出力装置では、駆動力の増加に対して迅速に応答するために内燃機関の運転ポイントを一時的に予め定めた動作線上の運転ポイントから変更し、定常的には動作線上の運転ポイントで運転しているが、こうした要求動力の変更に迅速に対応するとき以外に、動力出力装置が備える機器の非通常状態に対応するときや動力出力装置の運転状態における特定の運転状態に対応するときには、内燃機関を予め定めた動作線上の運転ポイント以外の運転ポイントで運転する方が非通常状態の機器に対する負荷を小さくすることができる場合やエネルギ効率がよい場合が生じる。
本発明の動力出力装置およびその制御方法は、動力出力装置の状態に応じて動力出力装置が備える内燃機関を運転することを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置およびその制御方法は、装置のエネルギ効率を向上させることを目的の一つとする。本発明の動力出力装置およびその制御方法は、動力出力装置が備える機器の駆動制限などに対処することを目的の一つとする。本発明の自動車は、搭載された動力出力装置の状態に応じて動力出力装置が備える内燃機関を運転することや車両全体のエネルギ効率を向上させること,搭載している機器の駆動制限などに対処することなどを目的とする。
本発明の動力出力装置およびその制御方法並びにこれを搭載する自動車は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、
前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記内燃機関に対して課した異なる複数の制約に対する該内燃機関から出力するパワーと回転数およびトルクからなる該内燃機関の運転ポイントとの関係を異なる複数の動作線として記憶する動作線記憶手段と、
該動力出力装置の状態を検出する状態検出手段と、
該検出した動力出力装置の状態に基づいて前記動作線記憶手段により記憶された異なる複数の動作線のうち前記内燃機関の制御の実行に用いる実行用動作線を設定する動作線設定手段と、
該設定された実行用動作線と前記駆動軸に要求される要求駆動力とに基づいて該駆動軸に該要求駆動力が出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、内燃機関に対して課した異なる複数の制約に対して内燃機関から出力するパワーと運転ポイントとの関係を異なる複数の動作線として記憶しておき、動力出力装置の状態に基づいて記憶した複数の動作線のうち内燃機関の制御の実行に用いる実行用動作線を設定し、この設定した実行用動作線と駆動軸に要求される要求駆動力とに基づいて駆動軸に要求駆動力が出力されるよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを制御する。この結果、動力出力装置の状態に応じて装置が備える内燃機関を運転することができる。もとより、駆動軸に要求された要求駆動力を出力することができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記動作線記憶手段は燃費が良好な制約を課した際の燃費用動作線と該燃費用動作線より高トルクを出力する高トルク動作線とを記憶する手段であり、前記動作線設定手段は前記検出した動力出力装置の状態と前記要求動力とに基づいて前記燃費用動作線と前記高トルク動作線とを含む複数の動作線から実行用動作線を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、燃費用動作線や高トルク動作線を用いて内燃機関を運転することができる。
この燃費用動作線や高トルク動作線を用いて内燃機関を運転する態様の本発明の動力出力装置において、前記状態検出手段は前記動力出力装置に含まれる電力の入出力を行なう電気駆動系の温度を検出する手段であり、前記動作線設定手段は前記検出された電気駆動系の温度に基づいて実行用動作線を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電気駆動系の温度に応じて内燃機関を運転することができる。ここで、「電気駆動系」には、電力動力入出力手段や電動機が含まれる他、電力動力入出力手段や電動機を構成する部品やこれらを駆動制御する制御手段およびその一部も含まれる。この態様の本発明の動力出力装置において、前記動作線設定手段は、前記検出された電気駆動系の温度が所定温度以上のときには前記高トルク動作線を実行動作線として設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電気駆動系の温度が所定温度以上のときには内燃機関を燃費用動作線における運転ポイントより高トルクを出力することができる運転ポイントで運転するから、駆動軸に要求される要求駆動力に対する内燃機関の負担を多くすることができ、電気駆動系の負担を軽くすることができる。この結果、電気駆動系の温度の上昇を抑制することができる。
また、燃費用動作線や高トルク動作線を用いて内燃機関を運転する態様の本発明の動力出力装置において、前記状態検出手段は前記動力出力装置に含まれる電力の入出力を行なう電気駆動系に対する駆動の制限の有無を検出する手段であり、前記動作線設定手段は前記状態検出手段により検出される前記電気駆動系に対する駆動の制限の有無に基づいて実行用動作線を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電気駆動系に対する駆動の制限に応じて内燃機関を運転することができる。ここで、「電気駆動系に対する駆動の制限」には、電力動力入出力手段や電動機に対する定格最大出力による制限や電力動力入出力手段や電動機と電力のやりとりを行なう蓄電装置などの充放電電力による制限に基づく電力動力入出力手段や電動機の駆動の制限などが含まれる。この態様の本発明の動力出力装置において、前記動作線設定手段は、前記状態検出手段により前記電気駆動系に対する駆動の制限が検出されたときには高トルク動作線を実行用動作線として設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、駆動軸に要求される要求駆動力に対する内燃機関の負担を多くすることができるから、電気駆動系の負担を軽くすることができる。この結果、電気駆動系に対する駆動の制限が生じているときでも駆動軸に要求駆動力を或いはこれに近い駆動力を出力することができる。
さらに、燃費用動作線や高トルク動作線を用いて内燃機関を運転する態様の本発明の動力出力装置において、前記内燃機関は吸排気のタイミングを変更して運転可能な機関であり、前記燃費用動作線と前記高トルク動作線は前記内燃機関の吸排気のタイミングの制約を課して得られる動作線であるものとすることもできる。この態様の本発明の動力出力装置において、前記動作線記憶手段は前記内燃機関の吸排気のタイミングの初期状態を制約として課した際の初期状態用動作線を含む動作線を記憶する手段であり、前記状態検出手段は前記内燃機関の始動直後の状態を検出する手段であり、前記動作線設定手段は前記状態検出手段により前記内燃機関の始動直後の状態が検出されたときには初期状態用動作線を実行用動作線として設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の始動直後にその吸排気のタイミングを変更する必要がない。したがって、内燃機関の始動直後における内燃機関を運転するための機器が十分に駆動できない状態に対処することができる。
あるいは、燃費用動作線や高トルク動作線を用いて内燃機関を運転する態様の本発明の動力出力装置において、前記動作線設定手段は、前記状態検出手段により前記動力出力装置の通常状態が検出されたときには前記燃費用動作線を実行用動作線として設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、装置の燃費、即ちエネルギ効率を向上させることができる。
本発明の動力出力装置において、前記内燃機関は排気を吸気系に供給して運転可能で該排気の吸気系への供給率を変更可能な機関であり、前記動作線記憶手段は前記内燃機関における排気の吸気系への供給率が異なる複数の排気供給率となる制約を課した際の複数の排気供給用動作線を記憶する手段であり、前記動作線設定手段は前記検出した動力出力装置の状態と前記要求駆動力とに基づいて前記複数の排気供給用動作線を含む動作線から実行用動作線を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、動力出力装置の状態と駆動軸に要求される要求駆動力に応じて行なう内燃機関の運転を行なう際の動作線の変更を排気の吸気系への供給率の変更により対応することができる。即ち、内燃機関の運転ポイントの変更をその回転数の変更や吸入空気量に対する燃料噴射量の変更を伴うことなく排気の吸気系への供給率を変更するだけで行なうことができるのである。ここで、複数の排気供給用動作線には、排気供給率が0%の排気を全く吸気系に供給しない動作線も含まれる。
この排気供給用動作線を用いて内燃機関を運転する態様の本発明の動力出力装置において、前記状態検出手段は前記駆動軸の回転数を検出する手段であり、前記動作線設定手段は前記検出された回転数が大きいほど排気供給率が大きくなる傾向で前記要求駆動力が小さくなるほど排気供給率が大きくなる傾向で前記複数の排気供給用動作線を含む動作線から実行用動作線を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、駆動軸の回転数が大きいほど要求駆動力が小さいほど回転数に対するトルクが低い動作線を用いて内燃機関を運転することができる。この結果、動力出力装置の駆動状態に応じて内燃機関を運転することができ、装置全体のエネルギ効率を向上させることができる。
また、排気供給用動作線を用いて内燃機関を運転する態様の本発明の動力出力装置において、前記状態検出手段は前記要求駆動力が制動力でないときの前記電動機の回生駆動状態を検出する手段であり、前記動作線設定手段は前記状態検出手段により検出される前記要求駆動力が制動力でないときの前記電動機の回生駆動状態に基づいて実行用動作線を設定する手段であるものとすることもできる。この場合、前記動作線設定手段は、前記状態検出手段により検出される前記電動機の回生駆動状態としての該電動機による回生電力が大きいほど排気供給率が大きくなる傾向で前記複数の排気供給用動作線を含む動作線から実行用動作線を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機による回生電力を抑制することができる。内燃機関からの動力を電力動力入出力手段と電動機とによってトルク変換して駆動軸に出力する状態を考えると、電動機が回生駆動しているときには電力動力出力手段は電力の消費を伴って動力を出力する動作となる。この動作は、電動機により駆動軸の動力の一部を用いて発電し、その電力を電力動力入出力手段によってし消費して駆動軸に動力を出力するから、駆動軸の動力の一部が電力に変換され、その電力が動力に変換されて駆動軸に出力されるという動力−電力−動力の循環を形成するものとなる。この動力−電力−動力の循環は、一部の動力に対して何回も電力動力入出力手段と電動機の効率が乗じられることになるから、装置としてはエネルギ効率が良好でない動作となる。したがって、この態様の本発明の動力出力装置では、電動機の回生電力を抑制することにより、動力−電力−動力の循環を抑制することができ、装置のエネルギ効率を向上させることができるのである。
本発明の動力出力装置において、前記内燃機関は燃料に対して過剰な空気を供給して運転可能で該空気の過剰率を変更可能な機関であり、前記動作線記憶手段は前記内燃機関における空気の過剰率が異なる複数の空気過剰率となる制約を課した際の複数の空気過剰用動作線を記憶する手段であり、前記動作線設定手段は前記検出した動力出力装置の状態と前記要求駆動力とに基づいて前記複数の空気過剰用動作線を含む動作線から実行用動作線を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、動力出力装置の状態と駆動軸に要求される要求駆動力に応じて行なう内燃機関の運転を行なう際の動作線の変更を過剰な空気を供給する際の過剰率の変更により対応することができる。即ち、内燃機関の運転ポイントの変更をその回転数の変更や吸入空気量に対する燃料噴射量の変更を伴うことなく空気の過剰率を変更するだけで行なうことができるのである。ここで、複数の空気過剰用動作線には、空気過剰率が0%のストイキな場合の動作線も含まれる。
この空気過剰用動作線を用いて内燃機関を運転する態様の本発明の動力出力装置において、前記状態検出手段は前記駆動軸の回転数を検出する手段であり、前記動作線設定手段は前記検出された回転数が大きいほど空気過剰率が大きくなる傾向で前記要求駆動力が小さくなるほど空気過剰率が大きくなる傾向で前記複数の空気過剰用動作線を含む動作線から実行用動作線を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、駆動軸の回転数が大きいほど要求駆動力が小さいほど回転数に対するトルクが低い動作線を用いて内燃機関を運転することができる。この結果、動力出力装置の駆動状態に応じて内燃機関を運転することができ、装置全体のエネルギ効率を向上させることができる。
また、空気過剰用動作線を用いて内燃機関を運転する態様の本発明の動力出力装置において、前記状態検出手段は前記要求駆動力が制動力でないときの前記電動機の回生駆動状態を検出する手段であり、前記動作線設定手段は前記状態検出手段により検出される前記要求駆動力が制動力でないときの前記電動機の回生駆動状態に基づいて実行用動作線を設定する手段であるものとすることもできる。この場合、前記動作線設定手段は、前記状態検出手段により検出される前記電動機の回生駆動状態としての該電動機による回生電力が大きいほど空気過剰率が大きくなる傾向で前記複数の空気過剰用動作線を含む動作線から実行用動作線を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機による回生電力を抑制することができ、排気供給用動作線を用いる態様と同様に、装置における動力−電力−動力の循環を抑制することができる。この結果、装置のエネルギ効率を向上させることができる。
これら排気供給用動作線や空気過剰用動作線を用いて内燃機関を運転する態様の本発明の動力出力装置において、前記動作線記憶手段は燃費が良好な制約を課した際の燃費用動作線を複数の動作線の一つとして記憶する手段であり、前記動作線設定手段は、前記状態検出手段により前記動力出力装置の通常状態が検出されたときには前記燃費用動作線を実行用動作線として設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、通常状態における装置の燃費、即ちエネルギ効率を向上させることができる。
本発明の動力出力装置において、前記状態検出手段は前記要求駆動力が制動力でないときに前記電動機の回生駆動が制限される回生駆動制限状態を検出する手段であり、前記制御手段は前記状態検出手段により回生駆動制限状態が検出されたときには、該設定された実行用動作線と前記要求駆動力とに基づいて設定された前記内燃機関の運転ポイントから前記回生駆動制限状態が緩和される方向に移行した運転ポイントで該内燃機関が運転されるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機の回生駆動制限状態によって駆動軸に要求駆動力より大きな駆動力が出力されるのを緩和することができる。
この電動機の回生駆動制限状態に対応する態様の本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記回生駆動制限状態が緩和される方向としてトルクが低くなる方向および/または回転数が高くなる方向に運転ポイントを移行して前記内燃機関を制御する手段であるものとすることもできる。
また、電動機の回生駆動制限状態に対応する態様の本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記回生駆動制限状態が解消される運転ポイントに移行して前記内燃機関を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機の回生駆動制限状態が生じても迅速に解消して駆動軸に要求駆動力を出力することができる。
本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記動作線設定手段により動作線の変更を伴って実行用動作線が設定されたときには動作線の変更前の前記内燃機関の運転ポイントから動作線の変更後の前記内燃機関の運転ポイントへ前記内燃機関が効率よく運転される移行経路を通って移行するよう前記内燃機関を運転制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、動作線の変更に伴う運転ポイントの移行の際におけるエネルギ効率の向上を図ることができる。この場合、前記制御手段は、前記要求駆動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標パワーを設定する目標パワー設定手段と、該設定した目標パワーと前記設定された実行用動作線とに基づいて前記内燃機関の運転ポイントを設定する運転ポイント設定手段とを備え、前記動作線設定手段により動作線の変更を伴うことなく実行用動作線が設定されたときには前記運転ポイント設定手段により設定された運転ポイントで前記内燃機関が運転されるよう制御し、前記動作線設定手段により動作線の変更を伴って実行用動作線が設定されたときには動作線の変更前に前記運転ポイント設定手段により設定された運転ポイントと動作線の変更後に前記運転ポイント設定手段により設定された運転ポイントとに基づいて前記内燃機関が効率よく運転される移行経路を設定すると共に該移行経路上の運転ポイントで前記内燃機関が運転されるよう制御する手段であるものとすることもできる。
こうした設定した移行経路上の運転ポイントで内燃機関を運転する態様の本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記動作線の変更前に設定された目標パワーが一定の曲線および/または前記動作線の変更後に設定された目標パワーが一定の曲線より前記内燃機関が最も効率よく運転される最適運転ポイント側に膨らむよう前記移行経路を設定する手段であるものとすることもできる。この場合、前記制御手段は、前記内燃機関の燃料消費率の積算値が小さくなるよう前記移行経路を設定する手段であるものとすることが望ましい。
また、最適運転ポイント側に膨らむよう移行経路を設定する態様の本発明の動力出力装置において、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやり取りを行なう蓄電手段と、該蓄電手段の状態を検出する蓄電状態検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記蓄電状態検出手段により検出された前記蓄電手段の状態に基づいて前記移行経路を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段の状態に応じた移行経路を設定して移行することができる。この場合、前記制御手段は、前記検出された前記蓄電手段の状態に基づいて求められる該蓄電手段に充放電可能な電力の範囲内で前記電力動力入出力手段および前記電動機による該蓄電手段の充放電がなされるよう前記移行経路を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段の過放電や過充電を抑止することができる。
本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記動作線設定手段により動作線の変更を伴って実行用動作線が設定されたときには動作線の変更前の前記内燃機関の運転ポイントから動作線の変更後の前記内燃機関の運転ポイントへ前記電動機によって発電された電力の少なくとも一部が前記電力動力入出力手段によって消費される動力循環状態の発生が抑制される移行経路を通って移行するよう前記内燃機関を運転制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、作線の変更に伴う運転ポイントの移行の際における動力循環状態によるエネルギ効率の低下を抑制することができる。
こうした動作線の変更に伴う運転ポイントの移行を動力循環状態の発生が抑制される移行経路により行なう態様の本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記動作線の変更の前後の運転ポイントが共に前記動力循環状態を生じさせない運転ポイントであるときには前記動力循環状態を生じさせない経路を前記移行経路とする手段であるものとすることもできる。こうすれば、動力循環状態によるエネルギ効率の低下を回避することができる。
また、動作線の変更に伴う運転ポイントの移行を動力循環状態の発生が抑制される移行経路により行なう態様の本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記動作線の変更前の運転ポイントが前記動力循環状態を生じさせない運転ポイントであると共に前記動作線の変更後の運転ポイントが前記動力循環状態を生じさせる運転ポイントであるときには前記動力循環状態を生じさせない運転ポイントのうち前記動作線の変更後の運転ポイントに最も近い運転ポイント近傍の運転ポイントを含む経路を前記移行経路とする手段であるものとすることもできるし、前記制御手段は、前記動作線の変更前の運転ポイントが前記動力循環状態を生じさせる運転ポイントであると共に前記動作線の変更後の運転ポイントが前記動力循環状態を生じさせない運転ポイントであるときには前記動力循環状態を生じさせない運転ポイントのうち前記動作線の変更前の運転ポイントに最も近い運転ポイント近傍の運転ポイントを含む経路を前記移行経路とする手段であるものとすることもできる。こうすれば、動力循環状態の発生を少なくすることができ、動力循環状態によるエネルギ効率の低下を抑制することができる。この場合、前記制御手段は、前記動力循環状態を生じさせない前記内燃機関の最小の回転数近傍内の回転数を移行回転数として設定すると共に該設定した移行回転数上の運転ポイントを含む経路を前記移行経路とする手段であるものとすることもできる。
さらに、動作線の変更に伴う運転ポイントの移行を動力循環状態の発生が抑制される移行経路により行なう態様の本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記動作線の変更の前後の運転ポイントが共に前記動力循環状態を生じさせる運転ポイントであるときには動力循環量の増加を抑制する経路を前記移行経路とする手段であるものとすることもできる。こうすれば、動力循環量が増加することによるエネルギ効率の低下を抑制することができる。この場合、前記制御手段は、前記内燃機関の回転数の減少が抑制される経路を前記移行経路とする手段であるものとすることもできる。
本発明の動力出力装置において、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の軸の3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力する発電機とを備える手段であるものとすることもできるし、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸に取り付けられた第1の回転子と前記駆動軸に取り付けられた第2の回転子とを有し該第1の回転子と該第2の回転子との電磁作用による電力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する対回転子電動機であるものとすることもできる。
本発明の自動車は、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され電力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記内燃機関に対して課した異なる複数の制約に対する該内燃機関から出力するパワーと回転数およびトルクからなる該内燃機関の運転ポイントとの関係を異なる複数の動作線として記憶する動作線記憶手段と、該動力出力装置の状態を検出する状態検出手段と、該検出した動力出力装置の状態に基づいて前記動作線記憶手段により記憶された異なる複数の動作線のうち前記内燃機関の制御の実行に用いる実行用動作線を設定する動作線設定手段と、該設定された実行用動作線と前記駆動軸に要求される要求駆動力とに基づいて該駆動軸に該要求駆動力が出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する制御手段と、を備える動力出力装置を備え、前記駆動軸が機械的に車軸に接続されて走行することを要旨とする。
この本発明の自動車によれば、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を備えるから、本発明の動力出力装置が奏する効果、例えば、動力出力装置の状態に応じて装置が備える内燃機関を運転することができる効果や駆動軸に要求された要求駆動力を出力することができる効果,動力出力装置の電気駆動系に対する駆動の制限に対処できる効果,装置のエネルギ効率を向上させることができる効果などと同様な効果を奏することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続され電力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、を備え、前記駆動軸に動力を出力する動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記内燃機関に対して課した異なる複数の制約に対する該内燃機関から出力するパワーと回転数およびトルクからなる該内燃機関の運転ポイントとの関係を異なる複数の動作線として記憶しておき、
(b)該動力出力装置の状態を検出し、
(c)該検出した動力出力装置の状態に基づいて前記記憶した異なる複数の動作線のうち前記内燃機関の制御の実行に用いる実行用動作線を設定し、
(d)該設定された実行用動作線と前記駆動軸に要求される要求駆動力とに基づいて該駆動軸に該要求駆動力が出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する
ことを要旨とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法によれば、内燃機関に対して課した異なる複数の制約に対して内燃機関から出力するパワーと運転ポイントとの関係を異なる複数の動作線として記憶しておき、動力出力装置の状態に基づいて記憶した複数の動作線のうち内燃機関の制御の実行に用いる実行用動作線を設定し、この設定した実行用動作線と駆動軸に要求される要求駆動力とに基づいて駆動軸に要求駆動力が出力されるよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを制御するから、動力出力装置の状態に応じて装置が備える内燃機関を運転することができると共に駆動軸に要求された要求駆動力を出力することができる。
こうした本発明の動力出力装置の制御方法において、前記ステップ(a)は、燃費が良好な制約を課した際の燃費用動作線と該燃費用動作線より高トルクを出力する高トルク動作線とを記憶しておくステップであり、前記ステップ(c)は、前記検出した動力出力装置の状態と前記要求動力とに基づいて前記燃費用動作線と前記高トルク動作線とを含む複数の動作線から実行用動作線を設定するステップであるものとすることもできる。この場合、前記ステップ(c)は、前記動力出力装置の状態として通常状態が検出されたときには前記燃費用動作線を実行用動作線として設定し、前記動力出力装置の状態として非通常状態が検出されたときには前記高トルク動作線を実行用動作線として設定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、装置の燃費、即ちエネルギ効率を向上させることができると共に装置の非通常状態にも対処することができる。
また、本発明の動力出力装置の制御方法において、前記内燃機関は排気を吸気系に供給して運転可能で該排気の吸気系への供給率を変更可能な機関であり、前記ステップ(a)は前記内燃機関における排気の吸気系への供給率が異なる複数の排気供給率となる制約を課した際の複数の排気供給用動作線を記憶しておくステップであり、前記ステップ(c)は、前記検出した動力出力装置の状態と前記要求駆動力とに基づいて前記複数の排気供給用動作線を含む動作線から実行用動作線を設定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、動力出力装置の状態と駆動軸に要求される要求駆動力に応じて行なう内燃機関の運転を行なう際の動作線の変更を排気の吸気系への供給率の変更により対応することができる。即ち、内燃機関の運転ポイントの変更をその回転数の変更や吸入空気量に対する燃料噴射量の変更を伴うことなく排気の吸気系への供給率を変更するだけで行なうことができるのである。ここで、複数の排気供給用動作線には、排気供給率が0%の排気を全く吸気系に供給しない動作線も含まれる。この態様の本発明の動力出力装置の制御方法において、前記ステップ(b)は前記駆動軸の回転数を検出するステップであり、前記ステップ(c)は前記検出された回転数が大きいほど排気供給率が大きくなる傾向で前記要求駆動力が小さくなるほど排気供給率が大きくなる傾向で前記複数の排気供給用動作線を含む動作線から実行用動作線を設定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、駆動軸の回転数が大きいほど要求駆動力が小さいほど回転数に対するトルクが低い動作線を用いて内燃機関を運転することができる。この結果、動力出力装置の駆動状態に応じて内燃機関を運転することができ、装置全体のエネルギ効率を向上させることができる。
さらに、本発明の動力出力装置の制御方法において、前記内燃機関は燃料に対して過剰な空気を供給して運転可能で該空気の過剰率を変更可能な機関であり、前記ステップ(a)は前記内燃機関における空気の過剰率が異なる複数の空気過剰率となる制約を課した際の複数の空気過剰用動作線を記憶するステップであり、前記ステップ(c)は前記検出した動力出力装置の状態と前記要求駆動力とに基づいて前記複数の空気過剰用動作線を含む動作線から実行用動作線を設定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、動力出力装置の状態と駆動軸に要求される要求駆動力に応じて行なう内燃機関の運転を行なう際の動作線の変更を過剰な空気を供給する際の過剰率の変更により対応することができる。即ち、内燃機関の運転ポイントの変更をその回転数の変更や吸入空気量に対する燃料噴射量の変更を伴うことなく空気の過剰率を変更するだけで行なうことができるのである。ここで、複数の空気過剰用動作線には、空気過剰率が0%のストイキな場合の動作線も含まれる。この態様の本発明の動力出力装置の制御方法において、前記ステップ(b)は前記駆動軸の回転数を検出するステップであり、前記ステップ(c)は前記検出された回転数が大きいほど空気過剰率が大きくなる傾向で前記要求駆動力が小さくなるほど空気過剰率が大きくなる傾向で前記複数の空気過剰用動作線を含む動作線から実行用動作線を設定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、駆動軸の回転数が大きいほど要求駆動力が小さいほど回転数に対するトルクが低い動作線を用いて内燃機関を運転することができる。この結果、動力出力装置の駆動状態に応じて内燃機関を運転することができ、装置全体のエネルギ効率を向上させることができる。
本発明の動力出力装置の制御方法において、前記ステップ(a)は前記要求駆動力が制動力でないときに前記電動機の回生駆動が制限される回生駆動制限状態を検出するステップであり、前記ステップ(d)は前記回生駆動制限状態が検出されたときには、前記設定された実行用動作線と前記要求駆動力とに基づいて設定された前記内燃機関の運転ポイントから前記回生駆動制限状態が緩和される方向に移行した運転ポイントで該内燃機関が運転されるよう制御するステップであるものとすることもできる。こうすれば、電動機の回生駆動制限状態によって駆動軸に要求駆動力より大きな駆動力が出力されるのを緩和することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法において、前記ステップ(d)は、前記ステップ(c)により動作線の変更を伴って実行用動作線が設定されたときには動作線の変更前の前記内燃機関の運転ポイントから動作線の変更後の前記内燃機関の運転ポイントへ前記内燃機関が効率よく運転される移行経路を通って移行するよう前記内燃機関を運転制御するステップであるものとすることもできる。こうすれば、動作線の変更に伴う運転ポイントの移行の際におけるエネルギ効率の向上を図ることができる。この場合、前記ステップ(d)は、前記要求駆動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標パワーを設定するステップ(d1)と、該設定した目標パワーと前記設定された実行用動作線とに基づいて前記内燃機関の運転ポイントを設定するステップ(d2)とを備え、前記ステップ(c)により動作線の変更を伴うことなく実行用動作線が設定されたときには前記ステップ(d2)により設定された運転ポイントで前記内燃機関が運転されるよう制御し、前記ステップ(c)により動作線の変更を伴って実行用動作線が設定されたときには動作線の変更前に前記ステップ(d2)により設定された運転ポイントと動作線の変更後に前記ステップ(d2)により設定された運転ポイントとに基づいて前記内燃機関が効率よく運転される移行経路を設定すると共に該移行経路上の運転ポイントで前記内燃機関が運転されるよう制御するステップであるものとすることもできる。
こうした設定した移行経路上の運転ポイントで内燃機関を運転する態様の本発明の動力出力装置の制御方法において、前記ステップ(d)は、前記動作線の変更前に設定された目標パワーが一定の曲線および/または前記動作線の変更後に設定された目標パワーが一定の曲線より前記内燃機関が最も効率よく運転される最適運転ポイント側に膨らむよう前記移行経路を設定するステップであるものとすることもできる。この場合、動力出力装置が前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやり取りを行なう蓄電手段を備えるものとすれば、前記ステップ(d)は、前記蓄電手段の状態に基づいて求められる該蓄電手段に充放電可能な電力の範囲内で前記電力動力入出力手段および前記電動機による該蓄電手段の充放電がなされるよう前記移行経路を設定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段の状態に応じた移行経路を設定して移行することができると共に蓄電手段の過放電や過充電を抑止することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法において、前記ステップ(d)は、前記ステップ(c)により動作線の変更を伴って実行用動作線が設定されたときには動作線の変更前の前記内燃機関の運転ポイントから動作線の変更後の前記内燃機関の運転ポイントへ前記電動機によって発電された電力の少なくとも一部が前記電力動力入出力手段によって消費される動力循環状態の発生が抑制される移行経路を通って移行するよう前記内燃機関を運転制御するステップであるものとすることもできる。こうすれば、動作線の変更に伴う運転ポイントの移行の際における動力循環状態によるエネルギ効率の低下を抑制することができる。
こうした動作線の変更に伴う運転ポイントの移行を動力循環状態の発生が抑制される移行経路により行なう態様の本発明の動力出力装置において、前記ステップ(d)は、前記動作線の変更の前後の運転ポイントが共に前記動力循環状態を生じさせない運転ポイントであるときには前記動力循環状態を生じさせない経路を前記移行経路とし、前記動作線の変更の前後の運転ポイントが共に前記動力循環状態を生じさせる運転ポイントであるときには動力循環量の増加を抑制する経路を前記移行経路とし、前記動作線の変更の前後の運転ポイントのうち一方の運転ポイントが前記動力循環状態を生じさせない運転ポイントであると共に他方の運転ポイントが前記動力循環状態を生じさせる運転ポイントであるときには前記動力循環状態を生じさせない運転ポイントのうち前記他方の運転ポイントに最も近い運転ポイント近傍の運転ポイントを含む経路を前記移行経路とするステップであるものとすることもできる。こうすれば、動力循環状態によるエネルギ効率の低下を回避したり動力循環量が増加することによるエネルギ効率の低下を抑制したり動力循環状態の発生を少なくしたりすることができ、動力循環状態によるエネルギ効率の低下を抑制することができる。この場合、更に、前記ステップ(d)は、前記動作線の変更の前後の運転ポイントのうち一方の運転ポイントが前記動力循環状態を生じさせない運転ポイントであると共に他方の運転ポイントが前記動力循環状態を生じさせる運転ポイントであるときには前記動力循環状態を生じさせない前記内燃機関の最小の回転数近傍内の回転数を移行回転数として設定すると共に該設定した移行回転数上の運転ポイントを含む経路を前記移行経路とするステップであるものとすることもできる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図であり、図2は実施例のハイブリッド自動車20が搭載するエンジン22の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図1に示すように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入する共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃焼室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。この浄化装置134の後段には、排気を吸気側に供給するEGR管152が取り付けられており、エンジン22は、不燃焼ガスとしての排気を吸入側に供給して空気と排気とガソリンの混合気を燃焼室に吸引することができるようになっている。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号が図示しない入力ポートを介して入力されている。例えば、エンジンECU24には、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,エンジン22の負荷としての吸入空気量を検出するバキュームセンサ148からの吸入空気量,EGR管152内のEGRガスの温度を検出する温度センサ156からのEGRガス温度などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号が図示しない出力ポートを介して出力されている。例えば、エンジンECU24からは、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号,吸気側に供給する排気の供給量を調節するEGRバルブ154への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32には駆動軸としてのリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、駆動軸としてのリングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号やモータMG2に取り付けられた温度センサ45からのモータ温度Tm,インバータ42に取り付けられた温度センサ42aからのインバータ温度Tinv,図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されている。なお、インバータ41,42は同一のユニットとして構成されているから、インバータ42の温度Tinvはインバータ41の温度も反映したものとなる。また、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば,バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、動力出力装置としては、ギヤ機構60とデファレンシャルギヤ62と駆動輪63a,63bとを除く構成が相当する。
実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に運転者が要求する動力を動力出力装置の状態に応じて駆動軸としてのリングギヤ軸32a(即ち、駆動輪63a,63b)に出力する際の動作について説明する。図3は、実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2など制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクT*とエンジン22から出力すべき要求パワーP*とを設定する(ステップS110)。要求トルクT*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクT*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクT*を導出して設定するものとした。図4に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーP*は、設定した要求トルクT*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものにバッテリ50の充放電要求量Pb*を加えたものとして計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによって求めることができる。充放電要求量Pb*は、バッテリ50の残容量(SOC)やアクセル開度Accなどにより設定することができる。
こうして要求トルクT*と要求パワーP*とが設定されると、エンジン22の動作ラインを設定する処理を行なう(ステップS120)。この処理は、図5に例示する動作ライン設定処理ルーチンによって行なわれる。この動作ライン設定処理ルーチンについて説明する。
動作ライン設定処理ルーチンでは、モータMG2の温度Tmやインバータ42の温度Tinvやエンジン22を始動してから経過した時間としての始動後経過時間tを入力し(ステップS300)、入力した始動後経過時間tを閾値trefと比較する(ステップS310)。ここで、閾値trefは、エンジン22を始動してから可変バルブタイミング機構150が良好に機能するまでに必要な時間として設定されており、可変バルブタイミング機構150のアクチュエータになどにより定めることができる。始動後経過時間tが閾値tref未満のときには、可変バルブタイミング機構150がまだ良好に機能しないと判断し、可変バルブタイミング機構150を初期状態のまま保持した状態で出力するパワーに対してエンジン22が燃費が最もよくなることを制約として課した初期用動作ラインL0をエンジン動作ラインとして設定して(ステップS340)、本ルーチンを終了する。
始動後経過時間tが閾値tref以上のときには、モータ温度Tmを閾値T1と、インバータ温度Tinvを閾値T2と比較する(ステップS320,S330)。ここで、閾値T1は、モータMG2が良好に駆動できるか否かを判定するためのものであり、モータMG2が良好に駆動できる上限温度やその温度より若干低い温度として求めることができる。また、閾値T2は、インバータ41,42が良好に動作できるか否かを判定するためのものであり、インバータ41,42が良好に動作できる上限温度やその温度より若干低い温度として設定されている。モータ温度Tmが閾値T1未満でインバータ温度Tinvが閾値T2未満のときには、モータMG2もインバータ41,42も良好に動作できる判断し、車速Vと要求パワーP*とに基づいてエンジン動作ラインを設定して(ステップS350)、本ルーチンを終了する。図6に車速Vと要求トルクT*とによって動作ラインを設定する際のマップの一例を示す。図中、燃費用動作ライン領域は排気を吸気系に供給する排気供給率が値0の状態で出力するパワーに対してエンジン22の燃費が最もよくなることを制約として課した燃費用動作ラインL1を設定するための領域であり、低EGR動作ライン領域は排気供給率が比較的低い状態(例えば10%の排気供給率の低EGR状態)で出力するパワーに対してエンジン22の燃費が最もよくなることを制約として課した低EGR動作ラインL2を設定するための領域であり、高EGR動作ライン領域は排気供給率が比較的高い状態(例えば20%の排気供給率の高EGR状態)で出力するパワーに対してエンジン22の燃費が最もよくなることを制約として課した高EGR動作ラインL3を設定するための領域である。燃費用動作ラインL1は、EGRバルブ154を完全に閉成すると共に最適な燃費となる吸気バルブ128や排気バルブの開閉タイミングとなるよう可変バルブタイミング機構150によって調節される。低EGR動作ラインL2や高EGR動作ラインL3は、EGRバルブ154の開度を調節することにより低EGR状態や高EGR状態に保持することによって行なうことができる。図6に示すように、実施例では、エンジン動作ラインは、車速Vが大きくなるほど排気供給率が高くなるように要求パワーP*が大きくなるほど排気供給率が低くなるように設定される。この理由については後述する。
モータ温度Tmが閾値T1以上であったり、インバータ温度Tinvが閾値T2以上のときには、モータMG2やインバータ41,42が良好に動作できないと判断し、モータMG2の負荷を低減するために、排気を吸気系に供給する排気供給率が値0の状態で出力するパワーに対してエンジン22から最も大きなトルクが出力されることを制約として課したパワー用動作ラインLPをエンジン動作ラインとして設定して(ステップS360)、動作ライン設定処理を終了する。エンジン22のトルクを大きくすることによってモータMG2の負荷を低減できるのは、エンジン22のトルクを大きくするとエンジン22からリングギヤ軸32aに直接伝達されるトルクが大きくなることに基づく。
図7にエンジン22の各動作ラインの一例を示す。図示するように、エンジン22の回転数Neに対してトルクTeが高い順にパワー用動作ラインLP,燃費用動作ラインL1,低EGR動作ラインL2,高EGR動作ラインL3と並んでいる。なお、初期用動作ラインL0については、この図では、燃費用動作ラインL1と低EGR動作ラインL2の間に位置するが、可変バルブタイミング機構150の初期状態によって定まる。動力分配統合機構30では、エンジン22から出力されるトルクTeは、動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いてトルクTeに比例するようにして計算されるリングギヤ軸32aとサンギヤ31にトルクTerとトルクTesに分配して考えることができる。ここで、ハイブリッド自動車20が比較的高速で巡航運転しているときを考えると、要求トルクT*は比較的小さくなるが、車速Vが大きいため比較的大きな要求パワーP*が設定される。この要求パワーP*をエンジン22から出力する際にエンジン動作ラインとしてトルクTeが大きなライン、例えば燃費用動作ラインL1を選択すると、リングギヤ軸32aには比較的大きなトルクTerが伝達されることになり、場合によってはトルクTerは要求トルクT*より大きくなる。この場合、モータMG2は回生制御されることになるが、バッテリ50の充放電を伴わずに運転するモードでは、モータMG2によって得られる発電電力はモータMG1で消費されるから、動力−電力−動力の循環が生じる。これに対してエンジン動作ラインとしてトルクTeが小さなライン、例えば高EGR動作ラインL3を選択すると、リングギヤ軸32aに伝達されるトルクTerは燃費用動作ラインL1を選択したときに比して小さくなる。この場合、トルクTerが要求トルクT*より小さくなればエネルギの循環は生じないから、燃費用動作ラインL1に比して高EGR動作ラインL3の方がエネルギ効率が高いものとなる。高EGR動作ラインL3を選択したときでもトルクTerが要求トルクT*より大きくなる場合も生じるが、燃費用動作ラインL1を選択したときに比してモータMG2で発電する電力は小さくなるから、動力−電力−動力の循環におけるロスも燃費用動作ラインL1に比して高EGR動作ラインL3の方が小さくなる。即ち、エネルギ効率が向上する。図5の動作ライン設定処理ルーチンのステップS350で車速Vが大きくなるほど排気供給率が高い動作ラインを設定するのは、こうした理由による。
一方、ハイブリッド自動車20が比較的低速や中速で走行しているときにアクセルペダル83を踏み込んだときを考える。この場合、比較的大きな要求トルクT*が設定される。このとき、エンジン動作ラインとしてトルクTeが大きなライン、例えば燃費用動作ラインL1を選択すると、リングギヤ軸32aには比較的大きなトルクTerが伝達され、要求トルクT*とトルクTerとの差分をモータMG2から出力することになる。エンジン動作ラインとしてトルクTeが小さなライン、例えば高EGR動作ラインL3を選択すると、リングギヤ軸32aには比較的小さなトルクTerしか伝達されないから、要求トルクT*とトルクTerとの差分として計算されるモータMG2のトルク指令Tm2*は大きなものとなる。エンジン22からリングギヤ32に伝達されるトルクTerはエンジン22の効率と動力分配統合機構30の伝達効率とが作用しているだけであるが、モータMG2からの出力するトルクTm2はエンジン22の効率と動力分配統合機構30の伝達効率に加えてモータMG1の効率やモータMG2の効率も作用することになる。したがって、要求トルクT*が大きいときにはエンジン22からのトルクTeを大きくしてリングギヤ軸32aに伝達されるトルクTerを大きくする方がエネルギ効率が高くなる。図5の動作ライン設定処理ルーチンのステップS350で要求パワーP*が大きくなるほど排気供給率が低い動作ラインを設定するのは、こうした理由による。
図3の駆動制御ルーチンに戻る。こうしてエンジン動作ラインを設定すると、設定した動作ラインと要求パワーP*とに基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS130)。図7には、要求パワーP*が与えられたときの要求パワーP*が一定の曲線を破線で示した。目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、要求パワーP*が一定の曲線と設定したエンジン動作ラインとの交点の運転ポイントとして設定される。例えば、パワー用動作ラインLPでは運転ポイントPP、燃費用動作ラインL1では運転ポイントP1のように設定される。
エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とが設定されると、設定した目標回転数Ne*と現在のモータMG2の回転数Nm2と動力分配統合機構30のギヤ比ρ(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)とを用いてモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在のモータMG1の回転数Nm1と現在のモータMG1のトルク指令Tm1*とに基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS140)。図8に動力分配統合機構30の共線図を示す。図中、左のS軸はサンギヤ31の回転数を示し、C軸はキャリア34の回転数を示し、R軸はリングギヤ32の回転数を示す。リングギヤ32の回転数NrはモータMG2の回転数Nm2に減速ギヤ35のギヤ比Grを乗じたものであり、エンジン22の目標回転数Ne*はそのままキャリア34の回転数となるから、サンギヤ31の回転数と同一のモータMG1の目標回転数Nm1*は、これらの回転数Nm2,目標回転数Ne*と動力分配統合機構30のギヤ比ρにより計算できる。したがって、こうして計算した目標回転数Nm1*で回転するようモータMG1を駆動制御することにより、エンジン22を目標回転数Ne*で回転させることができる。モータMG1を目標回転数Nm1*で駆動制御するためにモータMG1に設定すべきトルク指令Tm1*は、現在設定されているトルク指令Tm1*と目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とを用いてフィードバック制御により設定することができる。なお、このフィードバック制御に用いる比例項や積分項などのゲインは制御対象、即ちエンジン22やモータMG1,動力分配統合機構30などによって定めることができる。実施例では、こうしたフィードバック制御により求めたトルク指令Tm1*に対して、更に、モータMG1の定格最大トルクによる制限を課してトルク指令Tm1*を設定するものとした。
続いて、要求トルクT*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いて要求トルクT*をリングギヤ軸32aに出力するためにモータMG2から出力すべきトルクとしてトルク指令Tm2*を計算する(ステップS150)。図8の共線図に示すように、目標回転数Ne*で運転されるエンジン22から目標トルクTe*のトルクを出力する場合を考えれば、リングギヤ軸32aとサンギヤ31には目標トルクTe*にギヤ比ρを考慮したトルクTer,Tesが出力される。定常状態では、サンギヤ31に出力されるトルクTesに釣り合うようにモータMG1のトルク指令Tm1*が設定されるが、モータMG1の回転数Nm1を目標回転数Nm1*とする場合には、トルク指令Tm1*はトルクTesと若干異なる値となる。こうしたトルク指令Tm1*をモータMG1から作用させたときには、このトルク指令Tm1*から計算されるトルクがトルクTerとして出力される。実施例では、このことを考慮して、モータMG1のトルク指令Tm1*を用いてリングギヤ軸32aに作用するトルクTerを計算するものとした。なお、モータMG2のトルク指令Tm2*は、リングギヤ軸32aの要求トルクT*からこのトルクTerを減じて得られるトルクを減速ギヤ35のギヤ比Grで除すればよい。
次に、こうして計算したモータMG2のトルク指令Tm2*をバッテリ50の出力制限やモータMG2の定格から得られるトルク制限Tmaxと比較する(ステップS160)。ここで、トルク制限Tmaxは、バッテリ50の出力制限から求められる値とモータMG2の定格最大トルクから求められる値とのうち小さい方の値として求められる。なお、バッテリ50の出力制限は、バッテリ50の温度Tbと残容量(SOC)とから求めることができる。トルク指令Tm2*がトルク制限Tmaxより大きいときには、設定されたエンジン動作ラインを判定し(ステップS170)、エンジン動作ラインとして初期用動作ラインL0やパワー用動作ラインLPが設定されていないときには現在設定されている動作ラインより一つ高トルク側の動作ラインをエンジン動作ラインとして設定し(ステップS180)、ステップS130のエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*の設定処理に戻る。このように、高トルク側の動作ラインに設定し直して各目標値やトルク指令を再計算するのは、エンジン22のトルクを大きくすることによってモータMG2のトルク指令Tm2*を小さくすることができることに基づく。動作ラインの再設定は、初期用動作ラインL0を除いて行なわれる。例えば、図7に示すように、現在のエンジン動作ラインとして燃費用動作ラインL1が設定されているときにはパワー用動作ラインLPを設定し、現在のエンジン動作ラインとして低EGR動作ラインL2が設定されているときには燃費用動作ラインL1を設定するのである。一方、エンジン動作ラインとして初期用動作ラインL0やパワー用動作ラインLPが設定されているときには、トルク指令Tm2*をトルク制限Tmaxで制限する(ステップS190)。この場合、トルク制限Tmaxによる制限された分だけ、リングギヤ軸32aには要求トルクT*より小さなトルクが出力されることになる。
次に、モータMG2のトルク指令Tm2*をバッテリ50の入力制限やモータMG2の定格から得られるトルク制限Tminと比較する(ステップS200)。ここで、トルク制限Tminは、バッテリ50の入力制限から求められる値とモータMG2の定格最小トルクから求められる値とのうち大きい方の値として求められる。なお、バッテリ50の入力制限は、バッテリ50の温度Tbと残容量(SOC)とから求めることができる。トルク指令Tm2*がトルク制限Tminより未満のときには、設定されたエンジン動作ラインを判定し(ステップS210)、エンジン動作ラインとして初期用動作ラインL0やパワー用動作ラインLPが設定されていないときには現在設定されている動作ラインより一つ低トルク側の動作ラインをエンジン動作ラインとして設定し(ステップS220)、ステップS130のエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*の設定処理に戻る。このように、低トルク側の動作ラインに設定し直して各目標値やトルク指令を再計算するのは、エンジン22のトルクを小さくすることによってモータMG2のトルク指令Tm2*を大きくすることができることに基づく。動作ラインの再設定は、上述のステップS180の際と同様に初期用動作ラインL0を除いて行なわれ、例えば、図7に示すように、現在のエンジン動作ラインとして燃費用動作ラインL1が設定されているときには低EGR動作ラインL2を設定する。
一方、エンジン動作ラインとして初期用動作ラインL0やパワー用動作ラインLPが設定されているときには、エンジン22の目標回転数Ne*を回転数ΔNだけ増加した値に変更すると共にこの変更した目標回転数Ne*から目標トルクTe*を再計算して(ステップS230)、ステップS140のモータMG1の目標回転数Nm1*およびトルク指令Tm1*の設定処理に戻る。再計算した目標回転数Ne*と目標トルクTe*とにより表わされる運転ポイントは、初期用動作ラインL0や高EGR動作ラインL3から外れるものとなる。ここで、再計算した目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを用いてステップS140以降の処理で計算されたモータMG2のトルク指令Tm2*がトルク制限Tmin未満のときには、再び、エンジン22の目標回転数Ne*を回転数ΔNだけ増加すると共に目標トルクTe*を再計算して(ステップS230)、ステップS140に戻る。即ち、モータMG2のトルク指令Tm2*がトルク制限Tmin以上となるまでステップS140〜S230の処理を繰り返すのである。モータMG2のトルク指令Tm2*がトルク制限Tmin未満となる状態は、ハイブリッド自動車20が比較的高速で巡航運転しているときに生じやすい。このときの動力分配統合機構30の共線図の一例を図9に示す。ハイブリッド自動車20が比較的高速で巡航運転しているときには、リングギヤ軸32aに必要な要求トルクT*は比較的小さくてよいが、車速Vが大きいため、要求パワーP*は比較的大きな値となる。この場合、実施例では、エンジン22の目標トルクTe*が小さくなるように低EGR動作ラインL2などが選択されるが、動力分配統合機構30のギヤ比ρやエンジン22の性能,ギヤ機構60のギヤ比などによっては、エンジン22のトルクTeによってリングギヤ軸32aに伝達されるトルクTerが要求トルクT*より大きくなるときが生じる(図9の実線参照)。モータMG2のトルク指令Tm2*は要求トルクT*とトルクTerとの偏差によって設定されるから負の値となり、モータMG2は回生制御されることになる。モータMG2のトルク指令Tm2*がトルク制限Tminより小さいときにトルク指令Tm2*をこのトルク制限Tminで制限することを考えると、リングギヤ軸32aには要求トルクT*より大きなトルクが出力されること、即ち運転者が要求するトルクより大きなトルクを出力することになる。実施例では、こうしたトルク指令Tm2*がトルク制限Tminより小さい状態のときには、図9の破線で示すように、目標回転数Ne*を大きくすると共に目標トルクTe*を小さくすることによりエンジン22から出力されるトルクTeに基づいてリングギヤ軸32aに作用するトルクTerを小さくし、モータMG2のトルク指令Tm2*をトルク制限Tmin以上としてリングギヤ32に要求トルクT*より大きなトルクが出力されるのを抑止するのである。
ステップS200でモータMG2のトルク指令Tm2*がトルク制限Tmin以上のときには、設定したエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共にモータMG1の目標回転数Nm1*およびトルク指令Tm1*とモータMG2のトルク指令Tm2*とをモータECU40に送信して(ステップS240)、この駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御,吸気バルブ128の開閉タイミングの制御を行なう。また、目標回転数Nm1*やトルク指令Tm1*,トルク指令Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、ハイブリッド自動車20の状態に応じて異なる複数の制約を課した複数の異なるエンジン動作ラインのうちから動作ラインを設定してエンジン22を運転することにより、ハイブリッド自動車20の状態に応じてエンジン22を運転することができる。しかも、ハイブリッド自動車20の状態に応じて車両全体のエネルギ効率が高くなるよう動作ラインを設定、例えば、車速Vが大きくなるほど排気供給率が高い動作ラインを設定すると共に要求パワーP*が大きくなるほど排気供給率が低い動作ラインを設定することにより、車両全体のエネルギ効率を向上させることができる。
また、実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG2の温度Tmやインバータ41,42の温度Tinvが高いときにはエンジン動作ラインとしてパワー用動作ラインLPを設定してエンジン22を運転するから、モータMG2の負荷を小さくしてモータMG2の温度Tmやインバータ41,42の温度Tinvが上昇するのを抑制することができる。
さらに、実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG2のトルク指令Tm2*がバッテリ50の入力制限やモータMG2の定格の制限によって定まるトルク制限Tmin未満となるときには、設定したエンジン動作ラインからエンジン22の運転ポイントを外してトルク指令Tm2*がトルク制限Tmin以上となるように制御するから、リングギヤ軸32aに運転者が要求する要求トルクT*より大きなトルクが出力されるのを抑止することができる。
あるいは、実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22の始動後の経過時間tが閾値tref経過するまではエンジン動作ラインとして初期用動作ラインL0を設定するから、可変バルブタイミング機構150が十分に動作しないときでも対応することができる。もとより、可変バルブタイミング機構150が十分動作できるようになる閾値tref以降はハイブリッド自動車20の状態に応じてエンジン動作ラインを設定することができる、
実施例のハイブリッド自動車20では、排気を吸気系に供給する排気供給率が異なる動作ラインとして排気供給率が値0の燃費用動作ラインL1を除くと低EGR動作ラインL2と高EGR動作ラインL3の二つの動作ラインを記憶しておくものとしたが、排気を吸気系に供給する排気供給率が異なる動作ラインとしては二つの動作ラインに限られるものではなく、一つの動作ラインや三つ以上の動作ラインを記憶しておくものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、パワー用動作ラインLPや燃費用動作ラインL1の他に排気を吸気系に供給する排気供給率が異なる低EGR動作ラインL2や高EGR動作ラインL3を記憶しておき、記憶した動作ラインのうちからハイブリッド自動車20の状態に応じた動作ラインをエンジン動作ラインとして設定するものとしたが、排気を吸気系に供給する排気供給率が異なる動作ラインを記憶しておかないものとしてもよい。この場合、モータMG1の温度Tmやインバータ41,42の温度Tinvが閾値T1や閾値T2より高いときには異常状態としてパワー用動作ラインLPをエンジン動作ラインとして設定し、モータMG1の温度Tmやインバータ41,42の温度Tinvが閾値T1や閾値T2未満のときには通常状態として燃費用動作ラインL1をエンジン動作ラインとして設定すればよい。こうすれば、排気を吸気系に供給するEGR管152やEGRバルブ154を備えないエンジンを搭載する自動車にも適用することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、排気供給率が値0の燃費用動作ラインL1を含めて排気を吸気系に供給する排気供給率が異なる低EGR動作ラインL2や高EGR動作ラインL3の他、パワー用動作ラインLPも記憶しておき、記憶した動作ラインのうちからハイブリッド自動車20の状態に応じた動作ラインをエンジン動作ラインとして設定するものとしたが、パワー用動作ラインLPを記憶しておかないものとしてもよい。この場合、ハイブリッド自動車20が比較的高速で巡航しているときを非通常状態として低EGR動作ラインL2や高EGR動作ラインL3をエンジン動作ラインとして設定し、ハイブリッド自動車20が比較的高速で巡航していないときを通常状態として燃費用動作ラインL1をエンジン動作ラインとして設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、可変バルブタイミング機構150の調整を伴った制約を課してパワー用動作ラインLPや燃費用動作ラインL1など作成して記憶しておくものとしたが、可変バルブタイミング機構150の調整を伴わない制約を課してパワー用動作ラインLPや燃費用動作ラインL1など作成して記憶しておくものとしてもよい。こうすれば、可変バルブタイミング機構150を備えないエンジンを搭載する自動車にも適用することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の始動後の経過時間tが閾値trefを経過するまではエンジン動作ラインとして初期用動作ラインL0を設定するものとしたが、可変バルブタイミング機構150が動作可能になるまでの時間が問題にならない場合や可変バルブタイミング機構150の初期状態が燃費用動作ラインL1の際の角度の場合,可変バルブタイミング機構150を備えない場合などには、初期用動作ラインL0を設定しないものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の始動後の経過時間tが閾値trefを経過しておりモータMG2の温度Tmやインバータ41,42の温度Tinvが閾値T1や閾値T2より低いときには、車速Vと要求パワーP*とに基づいて図6に例示するマップを用いて動作ラインを設定するものとしたが、基本的に燃費用動作ラインL1を設定し、燃費用動作ラインL1を用いて設定された目標回転数Ne*や目標トルクTe*によって計算されたモータMG2のトルク指令Tm2*が負の値となるとき、即ちモータMG2が回生制御される状態になるときに、モータMG2による回生電力に基づいて低EGR動作ラインL2や高EGR動作ラインL3などを再設定して再計算するものとしてもよい。この場合、モータMG2の回生電力が大きいほど排気供給率が高い動作ラインを設定するのが好ましい。こうすれば、車両全体のエネルギ効率を向上させることができる。なお、この理由については上述した。また、モータMG2による回生電力に基づいて動作ラインを再設定する代わりに、モータMG2が回生制御されない状態になるかエンジン動作ラインのうち最も低トルク側の動作ラインが設定されるまで、順次低トルク側の動作ラインを再設定してモータMG2のトルク指令Tm2*を再計算するものとしてもよい。即ち、モータMG2が回生制御されないように動作ラインを設定するのである。こうすれば、動力−電力−動力の循環を抑止することができる。この結果、エネルギ効率を向上させることができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、パワー用動作ラインLPや燃費用動作ラインL1の他に排気を吸気系に供給する排気供給率が異なる低EGR動作ラインL2や高EGR動作ラインL3を記憶しておき、記憶した動作ラインのうちからハイブリッド自動車20の状態に応じた動作ラインをエンジン動作ラインとして設定するものとしたが、排気を吸気系に供給する排気供給率が異なる動作ラインに代えて燃料に対して過剰な空気を供給する空気過剰率が異なる動作ラインをパワー用動作ラインLPや燃費用動作ラインL1と共に記憶しておき、記憶した動作ラインのうちからハイブリッド自動車20の状態に応じた動作ラインをエンジン動作ラインとして設定するものとしてもよい。この場合、空気過剰率が比較的低い状態(例えば10%の空気過剰率の低空気過剰状態)で出力するパワーに対してエンジン22の燃費が最もよくなることを制約として課した低空気過剰用動作ラインや、空気過剰率が比較的高い状態(例えば20%の空気過剰率の高空気過剰状態)で出力するパワーに対してエンジン22の燃費が最もよくなることを制約として課した高空気過剰用動作ラインを用いればよい。この低空気過剰用動作ラインと高空気過剰用動作ラインは、低EGR動作ラインL2と高EGR動作ラインL3に相当するから、図6における低EGR動作ライン領域を低空気過剰用動作ライン領域とすると共に高EGR動作ライン領域を高空気過剰用動作ライン領域とし、図7の低EGR動作ラインL2および高EGR動作ラインL3を低空気過剰用動作ラインおよび高空気過剰用動作ラインとすればよい。即ち、車速Vが大きくなるほど空気過剰率が高くなるように要求パワーP*が大きくなるほど空気過剰率が低くなるように設定すればよい。こうすれば、排気を吸気系に供給するEGR管152やEGRバルブ154を備えないエンジンを搭載する自動車でも、低EGR動作ラインL2や高EGR動作ラインL3を用いた実施例の動作と同様な動作を実行することができる。この結果、低EGR動作ラインL2や高EGR動作ラインL3を用いた実施例と同様な効果を奏することができる。なお、モータMG2による回生電力に基づいて低EGR動作ラインL2や高EGR動作ラインL3などを再設定して再計算する変形例やモータMG2が回生制御されない状態になるかエンジン動作ラインのうち最も低トルク側の動作ラインが設定されるまで順次低トルク側の動作ラインを再設定してモータMG2のトルク指令Tm2*を再計算する変形例についても同様に実行することができる。
以上、ハイブリッド自動車20の状態に応じて異なる複数の制約を課した複数の異なるエンジン動作ラインのうちから動作ラインを設定してエンジン22を運転する基本的な動作およびその変形例について説明した。次に、動作ラインの変更を伴ってエンジン22の運転ポイントが設定されたときのエンジン22の運転ポイントの移行の際の動作について説明する。図10は、動作ラインが変更されたときに実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される変更時処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。変更時処理ルーチンでは、まず、動作ラインが変更される直前のエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*と動作ラインが変更された直後のエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを変更前の運転ポイントNeold,Teoldと変更後の運転ポイントNenew,Tenewとして入力すると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutを入力する処理を実行する(ステップS300)。ここで、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じて入出力制限Win,Woutを設定することができる。図11に電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示し、図12にバッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す。
続いて、入力した動作ラインの変更前の運転ポイントNeold,Teoldからエンジン22を最も効率よく運転する最適運転ポイントNebest,Tebestを経由して変更後の運転ポイントNenew,Tenewに至る経路を探索する(ステップS310)。最適運転ポイントNebest,Tebestを経由する経路を探索している様子の一例を図13および図14に示す。図13および図14中、曲線Lold,Lnewは変更の前後の動作ラインであり、ポイントPold,Pnewは変更の前後の運転ポイント(Neold,Teold,Nenew,Tenew)であり、ポイントPbestは最適運転ポイント(Nebest,Tebest)である。また、等高線状に示した曲線はエンジン22の効率を等高線として示す効率曲線である。従って、最適運転ポイントPbestは、効率曲線の中心として求めることができる。実施例の最適運転ポイントPbest(Nebest,Tebest)を経由する経路は変更前の運転ポイントPold(Neold,Teold)から最適運転ポイントPbest(Nebest,Tebest)への経路および最適運転ポイントPbest(Nebest,Tebest)から変更後の運転ポイントPnew(Nenew,Tenew)への経路の探索は、エンジン22の効率ができる限りよくなるように効率曲線との角度が90度に近い角度となるように行なえばよい。こうして探索した経路が図中では破線矢印で示されている。
運転ポイントを移行する経路を探索して設定すると、設定した経路に沿ってエンジン22の運転ポイントとして目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを変更し(ステップS320)、エンジン22が目標回転数Ne*で回転するようモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると共に(ステップS330)、要求トルクT*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようトルク指令Tm2*を計算する(ステップS340)。この計算は、図3の駆動制御ルーチンのステップS140およびステップS150と同一であり、既に詳述した。そして、エンジン22やモータMG1,MG2の効率を考慮した上でエンジン22の回転数Neと目標トルクTe*との積からモータMG1の回転数Nm1とトルク指令Tm1*との積とモータMG2の回転数Nm2とトルク指令Tm2*との積とを減じてバッテリ50の充放電電力Wbを計算し(ステップS350)、計算した充放電電力Wbがバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内であるかを判定する(ステップS360)。充放電電力Wbがバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内のときには、設定したエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共にモータMG1の目標回転数Nm1*およびトルク指令Tm1*とモータMG2のトルク指令Tm2*とをモータECU40に送信し(ステップS380)、変更後の運転ポイントNenew,Tenewに至っているか否かを判定し(ステップS390)、変更後の運転ポイントNenew,Tenewに至っていないときにはステップS320に戻り、変更後の運転ポイントNenew,Tenewに至っているときには変更時処理ルーチンを終了する。
ステップS360で充放電電力Wbがバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲外となるときには、ステップS320で変更される前の運転ポイント(前回の運転ポイントNe*,Te*)の等パワー線を用いて経路を修正し(ステップS370)、この修正した経路を用いてステップS320以降の処理を実行する。例えば、図13や図14において等パワー線P2を超えたときに充放電電力Wbがバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲外となる場合、等パワー線P2上を通る経路、即ち、変更前の運転ポイントPoldから等パワー線P2上の運転ポイントPover1に至り、この運転ポイントPover1から等パワー線P2上を通って修正前の経路との交点の運転ポイントPover2に至り、この運転ポイントPover2から修正前の経路を通って変更後の運転ポイントPnewに至る経路に修正するのである。このように前回の運転ポイントの等パワー線を用いて経路を修正することにより、充放電電力Wbをバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内とすることができる。
以上説明した動作ラインの変更時の制御によれば、動作ラインの変更に伴う運転ポイントの移行をエンジン22が効率よく運転できる経路を用いて行なうから、動作ラインの変更に伴う運転ポイントの移行時のエネルギ効率を向上させることができる。しかも、バッテリ50を充放電する充放電電力Wbがバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲外になるときには充放電電力Wbが入出力制限Win,Woutの範囲内となるよう経路を修正するから、バッテリ50の過充電や過放電を抑止することができる。
実施例の変更時処理ルーチンでは、動作ラインの変更に伴う運転ポイントの移行を最適運転ポイントNebest,Tebestを経由する経路を移行経路として設定し、この移行経路を用いて運転ポイントの移行を行なうものとしたが、移行経路は最適運転ポイントNebest,Tebest側に膨らむように設定すればエンジン22の効率はよくなるから最適運転ポイントNebest,Tebestを経由しない経路を移行経路として設定するものとしてもよい。例えば、最適運転ポイントNebest,Tebest側に所定距離だけ膨らむように設定するものとしてもよいし、エンジン22の燃料消費率の積算値が小さくなる経路を移行経路として設定するものとしてもよい。
実施例の変更時処理ルーチンでは、最適運転ポイントNebest,Tebestを経由する経路を移行経路として設定し、この移行経路に沿って移行させている最中にバッテリ50を充放電する充放電電力Wbがバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲外となるときに移行経路を修正するものとしたが、予めバッテリ50を充放電する充放電電力Wbがバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内となるよう移行経路を設定するものとしてもよい。
実施例の変更時処理ルーチンでは、動作ラインの変更に伴う運転ポイントの移行を最適運転ポイントNebest,Tebestを経由する経路を移行経路として設定し、この移行経路を用いて運転ポイントの移行を行なうものとしたが、動力−電力−動力の循環(動力循環)が生じないように或いは動力循環が生じる状態が少なくなるように移行経路を設定するものとしてもよい。この場合、図15に例示する変更時処理ルーチンを実行すればよい。以下、この変形例について説明する。
この変形例の変更時処理ルーチンでは、動作ラインが変更の前後の運転ポイントNeold,Teold,Nenew,Tenewやバッテリ50の入出力制限Win,Woutを入力した後に(ステップS400)、まず、動力循環を生じないエンジン22の最低の回転数Nefを計算する(ステップS402)。図16に回転数Nfの計算を説明する共線図を示す。動力循環は前述したように、モータMG1が負回転すると共にモータMG2が正回転することにより生じるから、動力循環を生じさせないエンジン22の回転数Nefは、モータMG1の回転数Nm1が値0とすることにより、リングギヤ軸32aの回転数Nrに基づいて計算することができる。このとき、モータMG1の回転数Nm1を値0とするとモータMG1の三相コイルの一相に過大電流が流れるため、この過大電流の発生を回避することから、この変形例では、モータMG1が値0近傍の正の回転数Nm1fとなるときとして回転数Nefを計算している。図16にもこの計算の状態を示した。
こうして動力循環を生じない回転数Nefを計算すると、変更の前後の運転ポイントにおけるエンジン22の回転数Neold,Nenewを計算した回転数Nefと比較する(ステップS404)。回転数Neold,Nenewが共に回転数Nef以上のときには動力循環は生じないから図10を用いて説明した変更時処理ルーチンのステップS310と同様に最適運転ポイントNebest,Tebestを経由する経路を移行経路として設定する(ステップS410)。回転数Neold,Nenewの一方が回転数Nef以上で他方が回転数Nef未満のときには、変更の前後の運転ポイントのうちいずれかで動力循環が生じると判断し、動力循環が生じない運転ポイントからその等パワー線を通って回転数Nefが一定の直線との交点まで至り、回転数Nefが一定の直線上を通って動力循環が生じる運転ポイントにおけるトルクが一定の直線との交点まで至り、このトルクが一定の直線を通って動力循環が生じる運転ポイントに至る経路を移行経路として設定する(ステップS412)。こうして設定した経路の一例を図17に示す。図17では、変更前の運転ポイントPoldでは動力循環は生ぜず、変更後の運転ポイントPnewでは動力循環が生じる。従って、運転ポイントPoldから等パワー線P1上を通って回転数Nefが一定の直線との交点に至り、その後、回転数Nefが一定の直線上を通って運転ポイントPnewにおけるトルクが一定の直線との交点に至り、このトルクが一定の直線を通ってPnewに至る。このように回転数Nefが一定の直線を経路に含めることにより、動力循環が生じる状態を少なくするのである。回転数Neold,Nenewが共に回転数Nef未満のときにはいずれも動力循環が生じるから運転ポイントPoldから等パワー線P1を通って運転ポイントPnewに至る経路を移行経路として設定する(ステップS414)。このように設定するのは、動力−電力−動力の循環の際の電力量(動力循環量)が多くならないようにするためである。こうして移行経路を設定すると、図10のステップS320以降の処理と同一のステップS420〜S490の処理を実行し、変更時処理ルーチンを終了する。
以上説明した変形例の変更時処理ルーチンによれば、変更の前後の運転ポイントの双方で動力循環が生じないときには、動作ラインの変更に伴う運転ポイントの移行をエンジン22が効率よく運転できる経路を用いて行なうから、動作ラインの変更に伴う運転ポイントの移行時のエネルギ効率を向上させることができる。また、変更の前後の運転ポイントのうちいずれか一方で動力循環が生じるときには、動力循環が生じないエンジン22の回転数Nefが一定の直線を経路に含めて動力循環が生じる状態を抑制した経路を設定して動作ラインの変更に伴う運転ポイントの移行をおこなうから、動作ラインの変更に伴う運転ポイントの移行時のエネルギ効率を向上させることができる。更に、変更の前後の運転ポイントの双方で動力循環が生じるときには、動力循環量が増加しないように移行経路を設定して動作ラインの変更に伴う運転ポイントの移行を行なうから、動作ラインの変更に伴う運転ポイントの移行時にエネルギ効率が低下するのを抑止することができる。
変形例の変更時処理ルーチンでは、変更の前後の運転ポイントの双方で動力循環が生じないときには、動作ラインの変更に伴う運転ポイントの移行をエンジン22が効率よく運転できる経路を移行経路に設定したが、動力循環が生じないことだけを考慮すればエンジン22が効率よく運転できる経路を移行経路に設定する必要はない。
変形例の変更時処理ルーチンでは、変更の前後の運転ポイントのうちいずれか一方で動力循環が生じるときには、動力循環が生じない運転ポイントの等パワー線と回転数Nefが一定の直線と動力循環が生じる運転ポイントにおけるトルクが一定の直線とにより移行経路を設定したが、動力循環の発生が抑制されればよいから、動力循環が生じない運転ポイントの等パワー線や回転数Nefが一定の直線や動力循環が生じる運転ポイントにおけるトルクが一定の直線の三線のうち、いずれか一つの線を用いない経路を移行経路として設定するものや三線のうちいずれか二つの線を用いない経路を移行経路として設定するもの、三線のいずれも用いない経路を移行経路として設定するものとしてもよい。
変形例の変更時処理ルーチンでは、変更の前後の運転ポイントの双方で動力循環が生じるときには、運転ポイントPoldから等パワー線P1を通って運転ポイントPnewに至る経路を移行経路として設定するものとしたが、動力循環量が増加しなければ如何なる経路を移行経路として設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図18の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図18における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図19の変形例のハイブリッド自動車320に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ332と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ334とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機330を備えるものとしてもよい。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車産業に利用可能である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド自動車20が搭載するエンジン22の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 動作ライン設定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 車速Vと要求パワーP*とによって動作ラインを設定する際のマップの一例を示す説明図である。 エンジン22の各動作ラインの一例を示す説明図である。 動力分配統合機構30の共線図の一例を示す説明図である。 動力分配統合機構30の共線図の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される変更時処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 バッテリ50における電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。 バッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。 最適運転ポイントNebest,Tebestを経由する経路を探索している様子の一例を示す説明図である。 最適運転ポイントNebest,Tebestを経由する経路を探索している様子の一例を示す説明図である。 変形例の変更時処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 回転数Nefを計算する様子を説明する説明図である。 変更の前後の運転ポイントのうちいずれか一方で動力循環が生じるときの移行経路の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車320の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,220,320 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35,135 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、42a 温度センサ、43,44 回転位置検出センサ、45 温度センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b,64a,64b 駆動輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、136 スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 バキュームセンサ、150 可変バルブタイミング機構、152 EGR管、154 EGRバルブ、156 温度センサ、330 対ロータ電動機、332 インナーロータ 334 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (10)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    吸排気のタイミングを変更して運転可能な内燃機関と、
    該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、
    前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
    前記内燃機関に対して課した異なる複数の制約に対する該内燃機関から出力するパワーと回転数およびトルクからなる該内燃機関の運転ポイントとの関係を燃費が良好な制約と前記内燃機関の吸排気のタイミングの制約とを課した際の燃費用動作線と該燃費用動作線より高トルクを出力する高トルク動作線と前記内燃機関の吸排気のタイミングの初期状態を制約として課した際の初期状態用動作線を含む異なる複数の動作線として記憶する動作線記憶手段と、
    該動力出力装置の状態として前記内燃機関の始動直後の状態を検出する状態検出手段と、
    前記状態検出手段により前記内燃機関の始動直後の状態が検出されないときには前記検出した動力出力装置の状態と前記駆動軸に要求される要求駆動力とに基づいて前記動作線記憶手段により記憶された異なる複数の動作線のうち前記燃費用動作線と前記高トルク動作線とを含む複数の動作線から前記内燃機関の制御の実行に用いる実行用動作線を設定し、前記状態検出手段により前記内燃機関の始動直後の状態が検出されたときには前記初期状態用動作線を実行用動作線として設定する動作線設定手段と、
    該設定された実行用動作線と前記駆動軸に要求される要求駆動力とに基づいて該駆動軸に該要求駆動力が出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 請求項記載の動力出力装置であって、
    前記状態検出手段は、前記動力出力装置に含まれる電力の入出力を行なう電気駆動系の温度を検出する手段であり、
    前記動作線設定手段は、前記検出された電気駆動系の温度に基づいて実行用動作線を設定する手段である
    動力出力装置。
  3. 前記動作線設定手段は、前記検出された電気駆動系の温度が所定温度以上のときには前記高トルク動作線を実行動作線として設定する手段である請求項記載の動力出力装置。
  4. 請求項記載の動力出力装置であって、
    前記状態検出手段は、前記動力出力装置に含まれる電力の入出力を行なう電気駆動系に対する駆動の制限の有無を検出する手段であり、
    前記動作線設定手段は、前記状態検出手段により検出される前記電気駆動系に対する駆動の制限の有無に基づいて実行用動作線を設定する手段である
    動力出力装置。
  5. 前記動作線設定手段は、前記状態検出手段により前記電気駆動系に対する駆動の制限が検出されたときには高トルク動作線を実行用動作線として設定する手段である請求項記載の動力出力装置。
  6. 前記動作線設定手段は、前記状態検出手段により前記動力出力装置の通常状態が検出されたときには前記燃費用動作線を実行用動作線として設定する手段である請求項1ないし5いずれか記載の動力出力装置。
  7. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の軸の3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力する発電機とを備える手段である請求項1ないし6いずれか記載の動力出力装置。
  8. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸に取り付けられた第1の回転子と前記駆動軸に取り付けられた第2の回転子とを有し該第1の回転子と該第2の回転子との電磁作用による電力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する対回転子電動機である請求項1ないし6いずれか記載の動力出力装置。
  9. 請求項1ないし8いずれか記載の動力出力装置を備え、前記駆動軸が機械的に車軸に接続されて走行する自動車。
  10. 吸排気のタイミングを変更して運転可能な内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続され電力と動力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、を備え、前記駆動軸に動力を出力する動力出力装置の制御方法であって、
    (a)前記内燃機関に対して課した異なる複数の制約に対する該内燃機関から出力するパワーと回転数およびトルクからなる該内燃機関の運転ポイントとの関係を燃費が良好な制約と前記内燃機関の吸排気のタイミングの制約とを課した際の燃費用動作線と該燃費用動作線より高トルクを出力する高トルク動作線と前記内燃機関の吸排気のタイミングの初期状態を制約として課した際の初期状態用動作線を含む異なる複数の動作線として記憶しておき、
    (b)該動力出力装置の状態として前記内燃機関の始動直後の状態を検出し、
    (c)前記内燃機関の始動直後の状態が検出されないときには前記検出した動力出力装置の状態と前記駆動軸に要求される要求駆動力とに基づいて前記記憶した異なる複数の動作線のうち前記燃費用動作線と前記高トルク動作線とを含む複数の動作線から前記内燃機関の制御の実行に用いる実行用動作線を設定し、前記内燃機関の始動直後の状態が検出されたときには前記初期状態用動作線を実行用動作線として設定し、
    (d)該設定された実行用動作線と前記駆動軸に要求される要求駆動力とに基づいて該駆動軸に該要求駆動力が出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する
    動力出力装置の制御方法。
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