JP3292116B2 - 動力出力装置およびその制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびその制御方法

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JP3292116B2
JP3292116B2 JP29354397A JP29354397A JP3292116B2 JP 3292116 B2 JP3292116 B2 JP 3292116B2 JP 29354397 A JP29354397 A JP 29354397A JP 29354397 A JP29354397 A JP 29354397A JP 3292116 B2 JP3292116 B2 JP 3292116B2
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  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力源として原動
機と電動機とを備える動力出力装置およびその制御方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】原動機と電動機とを備えるいわゆるハイ
ブリッド型の動力出力装置において、両者の動力を共に
駆動軸に出力し得る動力出力装置は、パラレルハイブリ
ッドと呼ばれ、原動機から出力される動力の分配方式に
よって、いわゆる機械分配式(例えば、特願平8−14
8677号公報参照)と、電気分配式(例えば、特願平
7−145575号公報参照)とがある。
【0003】機械分配式の動力出力装置は、原動機から
出力された動力をプラネタリギヤを用いて2つに分配
し、その一方を駆動軸に伝達しつつ、他方をプラネタリ
ギヤに結合された発電機で電力として抽出する。また、
この電力を用いて駆動軸に結合された電動機を駆動する
ことにより、駆動軸に動力を付加する。このように原動
機から出力された動力の一部を電力の形を介して駆動軸
に伝達することにより、所望のトルクおよび回転数で駆
動軸を回転させることができる。かかる動力出力装置に
おいては、電力のやりとりをさらに柔軟に行うことを可
能にするため、上記発電機および電動機に接続されたバ
ッテリを備えることも提案されている。
【0004】一方、電気分配式の動力出力装置は、原動
機から出力された動力をプラネタリギヤに代えて、いわ
ゆるクラッチモータで2つに分配する。クラッチモータ
とは、相対的に回転可能なインナロータおよびアウタロ
ータと呼ばれる二つのロータから構成されたモータをい
う。かかるモータのインナロータを原動機の出力軸に結
合し、アウタロータを駆動軸に結合した上で、両者の相
対的な回転つまり滑りを制御すれば、原動機から出力さ
れた動力を駆動軸に伝達しつつ、その一部を電力として
抽出することができる。この電力を用いて駆動軸に結合
された電動機を駆動し、駆動軸に動力を付加すれば、機
械分配式の動力出力装置と同様、所望のトルクおよび回
転数で駆動軸を回転させることができる。電気分配式の
動力出力装置においても、バッテリを備えることが提案
されている。
【0005】このようなパラレルハイブリッド型の動力
出力装置は、原動機と電動機とを組み合わせることによ
り、原動機から出力されるトルクおよび回転数を所望の
トルクおよび回転数として駆動軸に出力することができ
る。言い換えれば、駆動軸に出力すべき要求トルクおよ
び要求回転数が決定されれば、原動機の運転ポイントと
して、該要求トルクと要求回転数の積で求まる要求動力
を出力でき、かつ最も効率の良い運転ポイントを選択し
て該原動機を運転することができる。かかる性質に基づ
き、上記パラレルハイブリッド型の動力出力装置は、高
効率で運転する事が可能であると共に、原動機の運転に
際し排出されるエミッションの低下を図ることもでき
る。
【0006】なお、動力出力装置の運転状態によって
は、要求動力に相当する動力を原動機が出力できない場
合がある。例えば、要求動力を出力し得る運転ポイント
が、原動機自体の回転数制限にあたる場合があり、また
機械分配式のハイブリッド型の動力出力装置においては
プラネタリギヤの回転数制限により原動機の回転数を十
分に上げることができない場合もある。かかる場合に
は、バッテリに蓄えられた電力を用いて電動機を駆動す
ることにより、原動機では出力し得ない分の動力を補う
ことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、バッテリの充
放電効率は原動機から直接動力を出力する運転効率に比
較して低い。従って、バッテリからの電力の供給を受け
て電動機を駆動することが必要となる程の動力が要求さ
れた場合には、動力出力装置の運転効率が低下してしま
っていた。また、かかる運転状態が頻繁に生じて、バッ
テリの充放電が繰り返されると、バッテリの寿命を縮め
るおそれもあった。さらに、かかる運転状態が長時間継
続した場合には、バッテリの充電不足による弊害が生じ
るおそれもあった。
【0008】本発明は、かかる課題に鑑みなされたもの
であり、要求動力が大きい場合の動力出力装置の運転効
率を向上することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の動力出力装置およびその制御方法は、上記課題を
解決するために以下の手段を採った。本発明の動力出力
装置は、燃料を燃焼して動力を出力する原動機と、該原
動機から駆動軸までの動力の伝達経路において動力を入
出力する電動機と、前記原動機の出力軸および前記駆動
軸に結合され、前記原動機から出力された動力を前記駆
動軸に伝達すると共に、該伝達される動力の大きさを電
力のやりとりにより調整する動力調整手段とを備え、前
記原動機から出力される動力を、前記動力調整手段およ
び電動機とを用いて、要求されたトルクおよび回転数と
して駆動軸から出力可能な動力出力装置であって、前記
電動機および動力調整手段と電力をやりとりする電力充
放電手段と、前記原動機の運転ポイントとしてのトルク
および回転数を、該動力出力装置に要求された要求動力
に応じて、該原動機の運転効率を優先して定め、該運転
ポイントで該原動機を運転する効率優先運転制御手段
と、前記要求動力が、前記運転ポイントで運転される原
動機から出力し得る出力可能動力よりも大きい動力であ
るときは、前記運転ポイントに関わらず、該原動機から
出力すべき動力を優先して定めた運転ポイントであっ
て、かつ前記電力充放電手段により放電される電力が所
定値以下とできる運転ポイントに修正して該原動機を運
転する動力優先運転制御手段とを備えることを要旨とす
る。
【0010】本発明の動力出力装置の制御方法は、燃料
を燃焼して動力を出力する原動機と、該原動機から駆動
軸までの動力の伝達経路において動力を入出力する電動
機と、前記原動機の出力軸および前記駆動軸に結合さ
れ、前記原動機から出力された動力を前記駆動軸に伝達
すると共に、該伝達される動力の大きさを電力のやりと
りにより調整する動力調整手段と、前記電動機および動
力調整手段と電力をやりとりする電力充放電手段とを備
え、前記原動機から出力される動力を、前記動力調整手
段および電動機とを用いて、要求されたトルクおよび回
転数として駆動軸から出力可能な動力出力装置の制御方
法であって、前記原動機の運転ポイントとしてのトルク
および回転数を、該動力出力装置に要求された要求動力
に応じて、該原動機の運転効率を優先して定め、該運転
ポイントで該原動機を運転し、前記要求動力が、前記運
転ポイントで運転される原動機から出力し得る出力可能
動力よりも大きい動力であるときは、前記運転ポイント
に関わらず、該原動機から出力すべき動力を優先して定
めた運転ポイントであって、かつ前記電力充放電手段に
より放電される電力が所定値以下とできる運転ポイント
に修正して該原動機を運転することを要旨とする。
【0011】上記動力出力装置およびその制御方法は、
通常は、運転効率を優先して原動機の運転ポイントを定
め、該運転ポイントで原動機を運転しているが、かかる
運転ポイントで運転される原動機から出力し得る出力可
能動力よりも大きい動力が要求された場合には、前記運
転ポイントに関わらず、原動機から出力すべき動力を優
先して定めた運転ポイントであって、かつ電力充放電手
段により放電される電力が所定値以下とできる運転ポイ
ントで原動機を運転する。つまり、要求動力が大きい場
合でも、電力充放電手段によりやりとりされる電力を所
定値以下に抑制し、要求動力の多くを原動機から出力す
ることができる。
【0012】かかる運転制御を行った場合、運転効率を
優先して定めた運転ポイントに比較すれば原動機自身の
運転効率は若干低下するものの、電力充放電手段により
供給される非常に低効率の電力量を抑制することができ
るため、動力出力装置全体としての運転効率を向上する
ことができる。従来の動力出力装置においては、その運
転効率を向上するためには、原動機を効率よく運転する
ことが前提であるかのごとく制御されていたものである
が、本願発明者は、発想の転換を図り、あくまでも動力
出力装置全体の効率を念頭において、その構成要素の一
つである原動機を制御することにより、上記効果を奏し
得たのである。
【0013】なお、上記発明において電力充放電手段に
より放電される電力を抑制する目標値となる所定値は、
かかる電力の放電による装置の効率の低下が許容範囲と
なるように定められる。所定値以下としているのは、場
合によっては、電力充放電手段の充電を伴うものとして
もよいことを意味している。
【0014】上記発明における修正された運転ポイント
は、効率優先で定められた原動機の運転ポイントに対
し、トルクを増大した運転ポイント、回転数を増大した
運転ポイントおよび両者を増大した運転ポイントのいず
れの運転ポイントとしてもよい。また、運転効率を優先
して定めた運転ポイントでは回転数が制限値限界である
場合にはトルクを増大し、トルクが限界値である場合に
は回転数を増大するというように、各運転ポイントと制
限値との関係に応じて修正方法を使い分けるものとして
もよい。
【0015】本発明の動力出力装置において、前記原動
機は、吸気弁の開閉タイミングを変更可能な原動機であ
り、前記動力優先運転制御手段は、前記原動機の吸気弁
の開閉タイミングを制御することにより、前記トルクを
増大した運転ポイントで前記原動機を運転する手段とす
ることが望ましい。
【0016】かかる動力出力装置によれば、回転数の制
限値により原動機が要求動力に見合う動力を出力できな
い場合に、原動機から出力されるトルクを増大すること
により、要求動力に相当する動力を出力することができ
るようになるため、動力出力装置の運転効率を向上する
ことができる。また、トルクの増大に際し、吸気弁の開
閉タイミングを制御する手段を用いることにより、原動
機の運転効率の低下およびエミッションの悪化を最小限
に抑えることができる。なお、原動機から出力されるト
ルクを増大する他の手段としては、原動機の空気と燃料
の比率を変更する手段、原動機の吸気管長を変更するい
わゆる可変吸気を採用する手段、過給器を採用する手段
等があり、かかる手段のいずれか一つ、あるいはこれら
を組み合わせて採用することもできる。
【0017】また、本発明の動力出力装置においては、
前記動力優先運転制御手段は、前記要求動力に対する前
記出力可能動力の不足分に応じて、前記原動機の運転ポ
イントを設定する運転ポイント設定手段を備えることも
望ましい。
【0018】かかる動力出力装置によれば、要求動力に
対する原動機の出力可能動力の不足分に応じて、原動機
の運転ポイントを設定することができる。この結果、原
動機は効率優先で定められた運転ポイントに対するトル
クまたは回転数の修正量を必要最小限に抑えることがで
きるため、原動機の運転効率の低下を必要最小限に抑え
ることができ、動力出力装置の効率を向上させることが
できる。なお、上述の場合は、電力充放電手段による充
放電量が略0となる場合に相当する。
【0019】また、本発明の動力出力装置において、前
記動力調整手段は、前記出力軸に結合される第1の回転
軸、前記駆動軸に結合される第2の回転軸およびこれら
と異なる第3の回転軸を有し、該3つの回転軸のうちい
ずれか2つの回転軸の回転数およびこれらに入出力され
るトルクが決定されると、該決定された回転数およびト
ルクに基づいて残余の回転軸の回転数および該回転軸に
入出力されるトルクが決定される3軸式動力入出力手段
と、前記第3の回転軸に動力を入出力する第2の電動機
とを備え、電力を用いた該電動機の駆動および該電動機
による電力の回生によって、前記第3の回転軸に動力を
入出力することで、前記原動機から前記駆動軸に伝達さ
れる動力の大きさを調整する手段とすることが望まし
い。
【0020】上述の通り、機械的に結合された3軸を有
する動力入出力手段を備える動力出力装置においては、
該3軸式動力入出力手段における回転数制限により、原
動機の回転数が制限され得るため、本発明を特に有効に
適用することができる。もっとも、本発明は、かかる機
械的に結合された動力調整手段を備える動力出力装置の
みならず、電気的な結合を利用した動力調整手段を備え
る動力出力装置にも適用し得ることは当然である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。 (1)実施例の構成 はじめに、実施例の構成について図1を用いて説明す
る。図1は本実施例の動力出力装置を搭載したハイブリ
ッド車両の概略構成を示す説明図である。
【0022】このハイブリッド車両の構成は大きくは、
駆動力を発生する動力系統と、その制御系統と、駆動源
からの駆動力を駆動輪116、118に伝達する動力伝
達系統と、運転操作部等とからなっている。また、上
記、動力系統はエンジン150を含む系統とモータMG
1,MG2を含む系統とからなっており、制御系統は、
エンジン150の運転を主に制御するための電子制御ユ
ニット(以下、EFIECUと呼ぶ)170と、モータ
MG1,MG2の運転を主に制御する制御ユニット19
0と、EFIECU170および制御ユニット190に
必要な信号を検出し入出力する種々のセンサ部とからな
っている。なお、EFIECU170および制御ユニッ
ト190の内部構成は図示していないが、これらはそれ
ぞれ内部にCPU、ROM、RAM等を有するワンチッ
プ・マイクロコンピュータであり、CPUがROMに記
録されたプログラムに従い、以下に示す種々の制御処理
を行うよう構成されている。
【0023】エンジン150は、吸入口200から吸入
した空気と燃料噴射弁151から噴射されたガソリンと
の混合気を燃焼室152に吸入し、この混合気の爆発に
より押し下げられるピストン154の運動をクランクシ
ャフト156の回転運動に変換する。この爆発は、イグ
ナイタ158からディストリビュータ160を介して導
かれた高電圧によって点火プラグ162が形成した電気
火花によって混合気が点火され燃焼することで生じる。
燃焼により生じた排気は、排気口202を通って大気中
に排出される。
【0024】エンジン150の運転は、EFIECU1
70により制御されている。EFIECU170が行う
エンジン150の制御としては、エンジン150の回転
数に応じた点火プラグ162の点火時期制御や、吸入空
気量に応じた燃料噴射量制御および後述する吸気弁15
3の開閉タイミング制御等がある。エンジン150の制
御を可能とするために、EFIECU170にはエンジ
ン150の運転状態を示す種々のセンサが接続されてい
る。例えばクランクシャフト156の回転数と回転角度
を検出するためにディストリビュータ160に設けられ
た回転数センサ176及び回転角度センサ178などで
ある。なお、EFIECU170には、この他、例えば
イグニッションキーの状態STを検出するスタータスイ
ッチ179なども接続されているが、その他のセンサ,
スイッチなどの図示は省略した。
【0025】本実施例におけるエンジン150は、吸気
弁153の開閉タイミングを変更する機構、いわゆる連
続可変バルブタイミング機構157(以下、VVTとい
う)を用いている。図2を用いてVVT157の概要を
説明する。図2はVVT157の機構の概略を示す説明
図である。図2に示す通り、通常、吸気弁153は吸気
カムシャフト240に取り付けられたカムにより開閉
し、排気弁155は排気カムシャフト244に取り付け
られたカムにより開閉する機構となっている。吸気弁1
53および排気弁155がエンジン150の回転数に応
じたタイミングで開閉し得る様、吸気カムシャフト24
0に結合された吸気カムシャフト・タイミング・ギヤ2
42と排気カムシャフト244に結合された排気カムシ
ャフト・タイミング・ギヤ246はタイミングベルト2
48によりクランクシャフト156と連結されている。
こうした通常の構成に加え、VVT157の場合は、吸
気カムシャフト・タイミング・ギヤ242と吸気カムシ
ャフト240とは、油圧で作動するVVTプーリ250
を介して結合されており、VVTプーリ250には入力
油圧の制御バルブであるOCV254が設けられてい
る。VVTプーリ250の内部はこの油圧により軸方向
に移動可能な可動ピストン252の組み合わせで構成さ
れている。なお、VVTプーリ250に入力される油圧
はエンジンオイルポンプ256により供給される。
【0026】VVT157の作動原理は次の通りであ
る。EFIECU170はエンジン150の運転状況に
応じて設定された吸気弁153の開閉タイミングに応じ
て、OCV254の開閉を制御する制御信号を出力す
る。この結果、VVTプーリ250に入力される油圧が
変化し、可変ピストン252が軸方向に移動する。可変
ピストン252には軸に対し斜め方向に溝が刻んである
ため、上記軸方向への移動に伴って可変ピストン252
の回転が生じ、可変ピストン252に結合されている吸
気カムシャフト240と吸気カムシャフト・タイミング
・ギヤ242の取り付け角度を変化させる。こうして、
排気弁155と吸気弁153の開閉タイミングを変化さ
せることができる。
【0027】図3にVVT157による吸気弁153の
開閉タイミングの変更の様子を示す。図3は、エンジン
150のクランクシャフト156の回転角度と吸気弁1
53および排気弁155が開いているタイミングとの関
係を示している。図3に示す通り、排気弁154は、ピ
ストン154が最も下方に来る下死点よりクランクシャ
フト156がやや手前の回転位置にある時点で開き、ピ
ストン154が最も上方に来る上死点をやや越えた時点
で閉じる。このタイミングはVVT157により変更さ
れることはない。一方、吸気弁153は、例えばタイミ
ングAにおいては上死点より手前で開き、下死点をやや
越えた時点で閉じる。吸気弁153が開いてから上死点
をやや越える時点までは、吸気弁153と排気弁155
の双方が開いた状態となっている。VVT157により
開閉タイミングを変更すれば、先に説明した通り、排気
弁155の開閉タイミングは変更されないが、吸気弁の
開閉タイミングは例えばタイミングBのごとく変化す
る。このとき、吸気弁153は、タイミングAよりも遅
く、上死点をやや越えた時点で開き、その分下死点を大
きく越えた時点で閉じるようになる。吸気弁153の開
閉タイミングは変更されるものの、開状態となっている
期間はタイミングAとタイミングBとで同一である。
【0028】このように変化する吸気弁153の開閉タ
イミングを図3に示した通り下死点から吸気弁153が
閉じるまでの角度、即ち吸気弁閉じ角を用いて表すもの
とする。吸気弁閉じ角を標準の値よりも大きくした場合
は吸気弁153が閉じるのが遅くなることを意味し、吸
気弁閉じ角を小さくした場合は吸気弁153が閉じるの
が早くなることを意味する。従って、前者の方向、即ち
吸気弁閉じ角を大きくする方向にVVT157を制御す
ることを遅角制御と呼び、その逆を進角制御と呼ぶ。例
えば、比較的低回転でエンジン150を運転していると
きにVVT157を進角制御した場合には、その分燃焼
室152に吸入された混合気を圧縮する行程が長くなる
ためエンジン150の出力トルクが増大し、逆にVVT
157を遅角制御した場合にはエンジン150の燃費が
向上することが一般に知られている。
【0029】次に、図1に戻り動力出力装置を構成する
モータMG1,MG2の概略構成について説明する。モ
ータMG1は、同期電動発電機として構成され、外周面
に複数個の永久磁石を有するロータ132と、回転磁界
を形成する三相コイルが巻回されたステータ133とを
備える。ステータ133は、無方向性電磁鋼板の薄板を
積層して形成されており、ケース119に固定されてい
る。このモータMG1は、ロータ132に備えられた永
久磁石による磁界とステータ133に備えられた三相コ
イルによって形成される磁界との相互作用によりロータ
132を回転駆動する電動機として動作し、場合によっ
てはこれらの相互作用によりステータ133に備えられ
た三相コイルの両端に起電力を生じさせる発電機として
も動作する。
【0030】モータMG2も、モータMG1と同様に同
期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁
石を有するロータ142と、回転磁界を形成する三相コ
イルが巻回されたステータ143とを備える。モータM
G2のステータ143も無方向性電磁鋼板の薄板を積層
して形成されており、ケース119に固定されている。
このモータMG2もモータMG1と同様に、電動機ある
いは発電機として動作する。
【0031】これらのモータMG1,MG2は、スイッ
チングを行うトランジスタを複数内蔵した第1および第
2の駆動回路191,192を介してバッテリ194お
よび制御ユニット190に電気的に接続されている。制
御ユニット190からは、第1および第2の駆動回路1
91,192に設けられたスイッチング素子である6個
のトランジスタおよびを駆動する制御信号が出力されて
いる。各駆動回路191,192内の6個のトランジス
タは、ソース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配
置されることによりトランジスタインバータを構成して
いる。制御ユニット190によりソース側とシンク側の
トランジスタのオン時間の割合を制御信号により順次制
御し、三相コイルの各相に流れる電流を、PWM制御に
よって擬似的な正弦波にすると、三相コイルにより、回
転磁界が形成され、これらのモータMG1,MG2が駆
動される。
【0032】モータMG1,MG2の制御を含むハイブ
リッド車両の運転状態の制御を可能とするために、制御
ユニット190には、この他各種のセンサおよびスイッ
チが電気的に接続されている。制御ユニット190に接
続されているセンサおよびスイッチとしては、アクセル
ペダルポジションセンサ164a、ブレーキペダルポジ
ションセンサ165a、シフトポジションセンサ18
4、水温センサ174、バッテリ194の残容量検出器
199などがある。制御ユニット190は、これらのセ
ンサを通じて運転操作部からの種々の信号やバッテリ1
94の残容量等を入力し、また、エンジン150を制御
するEFIECU170との間で種々の情報を、通信に
よってやりとりしている。運転操作部からの種々の信号
として、具体的には、アクセルペダルポジションセンサ
164aからのアクセルペダルポジション(アクセルペ
ダルの踏込量)AP、ブレーキペダルポジションセンサ
165aからのブレーキペダルポジション(ブレーキペ
ダルの踏込量)BP、シフトポジションセンサ184か
らのシフトポジションSPがある。また、バッテリ19
4の残容量は残容量検出器199で検出される。なお、
残容量検出器199は、バッテリ194の電解液の比重
またはバッテリ194の全体の重量を測定して残容量を
検出するものや、充電・放電の電流値と時間を演算して
残容量を検出するものや、バッテリ194の端子間を瞬
間的にショートさせて電流を流し内部抵抗を測ることに
より残容量を検出するものなどが知られている。
【0033】駆動源からの駆動力を駆動輪116、11
8に伝達する動力伝達系統の構成は次の通りである。エ
ンジン150の動力を伝達するためのクランクシャフト
156およびプラネタリキャリア軸127と、モータM
G1,モータMG2の回転を伝達するサンギヤ軸12
5、リングギヤ軸126とは、後述するプラネタリギヤ
120に機械的に結合されている。リングギヤ122に
は、動力の取り出し用の動力取出ギヤ128が、リング
ギヤ122とモータMG1との間の位置で結合されてい
る。この動力取出ギヤ128は、チェーンベルト129
により動力伝達ギヤ111に接続されており、動力取出
ギヤ128と動力伝達ギヤ111との間で動力の伝達が
なされる。また、この動力伝達ギヤ111はディファレ
ンシャルギヤ114を介して左右の駆動輪116、11
8に結合され、これらに動力を伝達できるようになって
いる。
【0034】ここで、プラネタリギヤ120の構成と併
せてクランクシャフト156、プラネタリキャリア軸1
27、モータMG1の回転軸であるサンギヤ軸125、
MG2の回転軸であるリングギヤ軸126の結合につい
て説明する。プラネタリギヤ120は、サンギヤ12
1、リングギヤ122なる同軸の2つのギヤと、サンギ
ヤ121とリングギヤ122との間に配置されサンギヤ
121の外周を自転しながら公転する複数のプラネタリ
ピニオンギヤ123の3つから構成される。サンギヤ1
21はプラネタリキャリア軸127に軸中心を貫通され
た中空のサンギヤ軸125を介してモータMG1のロー
タ132に結合され、リングギヤ122はリングギヤ軸
126を介してモータMG2のロータ142に結合され
ている。また、プラネタリピニオンギヤ123は、その
回転軸を軸支するプラネタリキャリア124を介してプ
ラネタリキャリア軸127に結合され、プラネタリキャ
リア軸127はクランクシャフト156に結合されてい
る。機構学上周知のことであるが、プラネタリギヤ12
0は上述のサンギヤ軸125、リングギヤ軸126およ
びプラネタリキャリア軸127の3軸のうちいずれか2
軸の回転数およびこれらの軸に入出力されるトルクが決
定されると、残余の1軸の回転数および該回転軸に入出
力されるトルクが決定されるという性質を有している。
【0035】(2)一般的動作作原理 以上に構成を説明した動力出力装置の一般的な動作につ
いて簡単に説明する。動力出力装置の動作原理、特にト
ルク変換の原理は以下の通りである。エンジン150を
回転数Ne,トルクTeからなる動力P1を出力する状
態で運転し、この回転数、トルクとは異なる回転数N
r,トルクTrからなる動力P2をリングギヤ軸126
から出力する場合を考える。ただし、動力P1と動力P
2は同じ値(トルクと回転数の積)である。この時のエ
ンジン150とリングギヤ軸126の回転数およびトル
クの関係を図4に示す。
【0036】なお、本明細書において、「動力」という
用語は一般で用いられる通り、軸に作用するトルクとそ
の軸の回転数との積の形態で表わされ、単位時間当たり
に出力されるエネルギの大きさをいう。これに対し、あ
る動力を与えるトルクおよび回転数の組み合わせによっ
て定まる特定の運転状態は、「運転ポイント」と呼ぶも
のとする。従って、ある「動力」を与える「運転ポイン
ト」は、トルクおよび回転数の組み合わせにより無数に
存在することになる。こうした「動力」および「運転ポ
イント」の意味は、後述する本発明の動力出力装置の制
御方法においても同様である。なお、動力出力装置は、
各瞬間ごとにおけるエネルギのやりとり、言い換えれば
単位時間当たりのエネルギ収支を基準として制御される
ため、以下、「エネルギ」という用語は単位時間当たり
のエネルギ、即ち「動力」と同義の用語として用いる。
【0037】本実施例の一般的な動作原理を理解するた
めには、プラネタリギヤ120の働きについて理解する
ことが必要となる。機構学の教えるところによれば、プ
ラネタリギヤ120の三軸(サンギヤ軸125,リング
ギヤ軸126およびプラネタリキャリア軸127)にお
ける回転数やトルクの関係は、図5に例示する共線図と
して表わすことができ、幾何学的に解くことができる。
プラネタリギヤ120における三軸の回転数やトルクの
関係は、上述の共線図を用いなくても各軸のエネルギを
計算することなどにより数式的に解析することもでき
る。本実施例では説明の容易のため共線図を用いて説明
する。
【0038】図5における縦軸は3軸の回転数軸であ
り、横軸はリングギヤ122の歯数(Zr)に対するサ
ンギヤ121の歯数(Zs)の比ρ(ρ=Zs/Zr)
に基づいて定められる座標軸である。この座標軸では、
その両端をサンギヤ軸125とリングギヤ軸126の座
標S、Rとし、プラネタリキャリア軸127の座標Cを
座標Sと座標Rの間を1:ρに内分する座標として定め
る。
【0039】上述の座標軸にプラネタリギヤ120の各
軸の回転数をプロットする。図1に示した構成から明ら
かな通り、エンジン150のクランクシャフト156は
プラネタリキャリア軸127に連結されているため、エ
ンジン150が回転数Neで運転されているときは、プ
ラネタリキャリア軸127の回転数もNeとなる。従っ
て、図5に示す通り、座標Cの回転数はNeとしてプロ
ットできる。一方、リングギヤ軸126が回転数Nrで
運転されている場合を考えているから、座標Rの回転数
はNrとしてプロットできる。この両点を通る直線を描
けば、座標Sにおけるこの直線上の回転数としてサンギ
ヤ軸125の回転数Nsを求めることができる。以下、
この直線を動作共線と呼ぶ。なお、回転数Nsは、回転
数Neと回転数Nrとを用いて比例計算式によっても求
めることができ、Ns={(1+ρ)Ne―Nr}/ρ
と表される。このようにプラネタリギヤ120では、サ
ンギヤ軸125,リングギヤ軸126およびプラネタリ
キャリア軸127のうちいずれか2つの回転を決定する
と、残余の1つの回転は、決定した2つの回転に基づい
て決定される。
【0040】次に、共線図を用いて三軸にかかるトルク
の関係を求める。機構学によればトルクの関係は、動作
共線を剛体として扱い、各トルクをその作用する方向お
よび大きさに基づくベクトルとしての力で表すことによ
り、前記剛体に作用する力の釣り合い関係に等しくな
る。具体的には、エンジン150のトルクTeをプラネ
タリキャリア軸127の座標Cにおいて、図5に示す通
り鉛直下から上に作用させる。トルクTeを表すベクト
ルは力として扱うことができるため、座標軸C上に作用
させたトルクTeは、向きが同じで異なる作用線への力
の分離の手法により、座標SにおけるトルクTesと座
標RにおけるトルクTerとに分離することができる。
このときトルクTesの大きさはTes=Te/(1+
ρ)式で表され、トルクTerの大きさはTer=Te
・ρ/(1+ρ)式で表わされる。一方、リングギヤ軸
126からは、トルクTrが出力されるため、座標Rに
おいて動作共線に、鉛直上から下にトルクTrを作用さ
せる。
【0041】動作共線がこの状態で安定であるために
は、動作共線の力の釣り合いをとればよい。すなわち、
座標軸S上には、トルクTesと大きさが同じで向きが
反対のトルクTm1を作用させ、座標軸R上には、リン
グギヤ軸126に出力するトルクTrと同じ大きさで向
きが反対のトルクとトルクTerとの合力に対し大きさ
が同じで向きが反対のトルクTm2を作用させればよ
い。トルクTm1はモータMG1により、トルクTm2
はモータMG2により作用させることができる。このと
き、回転の方向と逆向きにトルクを作用させることにな
るモータMG1は発電機として動作し、トルクTm1と
回転数Nsとの積で表わされる電力Pm1をサンギヤ軸
125から回生する。回転の方向とトルクの方向とが同
じとなるモータMG2は電動機として動作し、電力Pm
2を消費しつつトルクTm2と回転数Nrとの積で表わ
される動力をリングギヤ軸126に出力する。モータM
G1で電力を回生する効率、電力を伝達する効率が10
0%であれば、電力Pm1と電力Pm2は等しい値とな
る。
【0042】図5に示す共線図ではサンギヤ軸125の
回転数Nsは正であったが、エンジン150の回転数N
eとリングギヤ軸126の回転数Nrとによっては、負
となる場合や回転数0となる場合もある。これらの場合
には、モータMG1は電動機として動作し、トルクTm
1と回転数Nsとの積で表わされる電力Pm1を消費す
る。
【0043】上述した通り、本実施例による動力出力装
置では、エンジン150から出力される動力をトルク変
換して出力することができる。従って、駆動軸112の
要求出力として回転数NrおよびトルクTrからなる動
力が指定された場合、動力が一定、即ち回転数とトルク
の積がNr×Trが一定という条件下で、エンジン15
0の運転ポイントは自由に選択することができる。エン
ジン150は運転ポイントにより効率が変化するが、本
実施例では、上述の条件下で最も効率のよい運転ポイン
トを選択しつつエンジン150を運転することができる
ため、高い効率で動力を出力することができる。
【0044】こうした基本的動作により、上記動力出力
装置を搭載したハイブリッド車両はモータMG2のみを
駆動源として走行することもできるし、エンジン150
とモータMG2の双方を駆動源として走行することもで
きる。具体的には、ハイブリッド車輌は減速時または降
坂時等のエンジン動力を必要としないとき、および初期
加速時には、エンジン150の運転を停止し、モータM
G2のみで走行する。通常走行時には、エンジン150
を主駆動源としつつ、モータMG2の動力も用いて走行
する。エンジン150とモータMG2の双方を駆動源と
して走行する場合には、必要なトルクおよびモータMG
2で発生し得るトルクに応じて、エンジン150を効率
のよい運転ポイントで運転できるため、エンジン150
のみを駆動源とする車両に比べて省資源性および排気浄
化性に優れている。一方、クランクシャフト156の回
転を、プラネタリキャリア軸127およびサンギヤ軸1
25を介してモータMG1に伝達することができるた
め、エンジン150の運転によりモータMG1で発電し
つつ走行することも可能である。
【0045】(3)トルク制御ルーチン 次に本実施例におけるトルク制御ルーチンについて図6
を用いて説明する。図6はトルク制御ルーチンの流れを
示すフローチャートである。本ルーチンは、制御ユニッ
ト190のCPU(以下、単にCPUという)が、動力
出力装置が起動されたときから所定時間毎(例えば、8
msec毎)に繰り返し実行するものである。
【0046】本ルーチンが実行されると、CPUは、ま
ず、リングギヤ軸126の回転数Nrを読み込む(ステ
ップS100)。実際には、図1では図示しないレゾル
バにより検出される回転角度に基づいて、リングギヤ軸
126の回転数Nrを求める。続いて、アクセルペダル
ポジションセンサ164aによって検出されるアクセル
ペダルポジションAPを入力する(ステップS12
0)。アクセルペダル164は運転者が出力トルクが足
りないと感じたときに踏み込まれるものであるから、ア
クセルペダルポジションAPは運転者の欲している出力
トルク(すなわち、駆動輪116,118に出力すべき
トルク)に対応するものとなる。アクセルペダルポジシ
ョンAPを読み込むと、読み込んだアクセルペダルポジ
ションAPとリングギヤ軸126の回転数Nrとに基づ
いてリングギヤ軸126に出力すべきトルクの目標値で
あるトルク指令値Tr*を導出し、リングギヤ軸126
に出力する動力Prを算出する(ステップS140)。
先に説明した通り、リングギヤ軸126は駆動軸112
等を介して駆動輪116,118に機械的に結合されて
いるから、リングギヤ軸126に出力する動力Prは、
駆動軸112に出力すべき要求動力と同義である。な
お、実施例では、予め制御ユニット190内のROMに
記憶された、リングギヤ軸126の回転数Nrとアクセ
ルペダルポジションAPとトルク指令値Tr*との関係
を示すマップに基づいて上記トルク指令値Tr*の値を
導出するものとした。
【0047】次に、CPUは、残容量検出器199によ
り検出されるバッテリ194の残容量BRMを読み込み
(ステップS160)、該残容量BRMに基づいてバッテ
リ194を充放電する電力(充放電電力Pb)を算出す
る(ステップS180)。充放電電力Pbは、充電の場
合は正の値、放電の場合は負の値をとるものとする。な
お、実施例では、予め制御ユニット190内のROMに
記憶された、残容量BRMと充放電電力との関係に基づい
て、充放電電力Pbを算出するものとした。
【0048】次に、CPUは、リングギヤ軸126に出
力すべき動力Pr、充放電電力Pb、およびエアコンの
コンプレッサ等の種々の補機の駆動に必要な補機駆動動
力Phの総和により必要動力Pnを算出し(ステップS
200)、この必要動力Pnを動力伝達効率ηtで割っ
てエンジン150から出力すべき動力Peを算出する
(ステップS220)。そして、求めた動力Peに基づ
いてエンジン150の目標トルクTe*と目標回転数N
e*とを設定する(ステップS240)。
【0049】目標回転数Ne*および目標トルクTe*
の設定について説明する。図7にエンジン150の運転
ポイント選択の様子を示す。図中の曲線Bは、エンジン
150が運転可能な回転数およびトルクの限界値を示し
ている。図7においてα1%、α2%等で示される曲線
は、それぞれエンジン150の効率が一定となる等効率
線であり、α1%、α2%の順に効率が低くなっていく
ことを示している。図7に示す通り、エンジン150は
比較的限定された運転ポイントで効率が高く、その周囲
の運転ポイントでは徐々に効率が低下していく。
【0050】図7中、C1−C1、C2−C2、および
C3−C3で示されている曲線は、エンジン150から
出力される動力が一定の曲線であり、エンジン150の
運転ポイントは要求動力に応じてこれらの曲線上で選択
することになる。例えば、要求回転数Nrおよび要求ト
ルクTrが曲線C1−C1上にプロットされる場合に
は、エンジン150の運転ポイントは、曲線C1−C1
上で最も運転効率が高くなるA1点に選択することにな
る。同様にC2−C2曲線上ではA2点に、C3−C3
曲線上ではA3点で運転ポイントを選択する。各曲線上
における、エンジン150の回転数と運転効率の関係を
図8に示す。なお、C1−C1等の曲線は、説明の便宜
上、図7中の3本を例示しているが、要求出力に応じて
無数に引くことができる曲線であり、エンジン150の
運転ポイントA1点等も無数に選択することができるも
のである。これらの無数の運転ポイントを描いた曲線が
図7中の曲線Aであり、これを動作曲線と呼ぶ。上記ス
テップS240では、この動作曲線に基づいて、要求動
力Peを出力し得る運転ポイントのうち、エンジン15
0の運転効率が最も高い運転ポイントを設定するのであ
る。
【0051】こうして算出されたエンジン150の目標
トルクTe*と目標回転数Ne*に基づいて、CPUは
VVT制御処理を実行する(ステップS260)。図9
にVVT制御処理ルーチンのフローチャートを示す。
【0052】VVT制御処理ルーチンが開始されると、
CPUはエンジン目標回転数Ne*、目標トルクTe*
を読み込む(ステップS262)。これは、トルク制御
ルーチンのステップS240において算出された値であ
る。次にCPUは、エンジン回転数の制限値Nlimを
読み込む(ステップS264)。エンジンの回転数は種
々の要因により制限され得るが、主な要因としては、プ
ラネタリギヤ120の回転数制限が挙げられる。この回
転数制限は以下に示す通り、車速に応じて変化する。従
って、フローチャートでは示していないが、ステップS
264における回転数制限値Nlimの読み込みに際
し、CPUは車速またはそれと等価なリングギヤ軸の回
転数Nrを入力している。
【0053】ここで、上記回転数制限が車速またはリン
グギヤ軸の回転数Nrに応じて変化する理由について説
明する。先に説明した通り、プラネタリギヤ120につ
いて、サンギヤ121とリングギヤ122のギヤ比ρ、
サンギヤ軸の回転数Ns、プラネタリキャリア軸の回転
数Nc、リングギヤ軸の回転数Nrの間には、次式
(1)の関係が成立する。本実施例の場合、リングギヤ
軸の回転数Nrは車速と等価なパラメータであり、プラ
ネタリキャリア軸の回転数Ncはエンジン150の回転
数と等価なパラメータである。 Ns=Nc+(Nc−Nr)/ρ・・・(1)
【0054】サンギヤ軸の回転数には機械的な制限値が
存在するから、プラネタリキャリア軸の最大回転数Nc
は、この制限値の下でリングギヤ軸の回転数Nrに応じ
て変化し、回転数Nrが値0のとき最も小さく、回転数
Nrが大きくなるにつれて大きくなることが分かる。か
かる理由により、車速に応じてエンジン150の回転数
制限値が変化するのである。かかる制限値の例を図10
に示す。図10に示す通り、車速に応じてエンジン回転
数の使用可能領域の上限値は徐々に増加する。一方、あ
る車速以上では、上記と同様の理由によりエンジン回転
数の下限値が現れる。
【0055】CPUは、次のステップにおいて、エンジ
ンの目標回転数Ne*が上記回転数の制限値Nlimよ
りも大きいか否かを判断する(ステップS266)。目
標回転数Ne*が制限値Nlimよりも小さい場合に
は、エンジン150の運転ポイントを変更する必要はな
く、エンジン150は最も効率のよい状態で運転すれば
よいことを意味しているため、CPUはVVT157を
制御して、吸気弁閉じ角δを基準位置に設定する。基準
位置とは、最も燃費のよい状態でエンジン150を運転
することができる吸気弁閉じ角δをいう。
【0056】一方、目標回転数Ne*が制限値Nlim
以上である場合には、エンジン150は設定された運転
ポイントでは運転できないことになる。このときはエン
ジン150から要求動力を出力することができず、バッ
テリ194からの電力の持ち出しが生じるため、エンジ
ン150の運転ポイントの修正を行う(ステップS26
8)。具体的には、目標回転数を制限値Nlimに修正
し、目標トルクTe*をエンジンの要求動力Peを回転
数の制限値Nlimで除した値に修正する。制限値Nl
imで運転した場合に要求動力Peを出力し得るトルク
を算出し、それをエンジン150の運転ポイントとして
設定するのである。これは、言い換えれば、エンジン1
50の効率を優先して運転ポイントを設定する制御か
ら、エンジン150の出力動力を優先して運転ポイント
を設定する制御に切り替えることを意味する。
【0057】こうした運転ポイントの修正について図1
1を用いて説明する。図11はエンジン150の要求動
力と運転ポイントとの関係を示した説明図である。図1
1における曲線L0は、図6に示した動作曲線Aに相当
する。例えば、エンジン150への要求動力がPe1で
あるときは、図11に示す通り、動力がPe1となる曲
線と動作曲線L0との交点P1を運転ポイントとして設
定する。これに対し、要求動力が増大し、値Pe2なる
動力が要求された場合を考える。このときも同様にして
運転ポイントP2を設定することができる。しかし、こ
こで設定された運転ポイントP2では、図11に示す通
り、回転数制限値Nlimより大きい回転数でエンジン
150を運転することになる。かかる場合は、動作曲線
L0を外れ、エンジン150の回転数がNlimであっ
ても要求動力Pe2を出力し得る運転ポイント(例え
ば、図11のP3等)に運転ポイントを修正する必要が
ある。これが、上述の出力動力を優先した運転ポイント
の設定である。曲線L1の意味については後述する。
【0058】なお、図11においては、動作曲線L0と
要求動力Pe2の曲線との交点として運転ポイントP2
が求められる場合について説明したが、回転数制限値N
limがエンジン150自身の制限値であるような場合
には、回転数が値Nlimよりも高い部分では動作曲線
L0が存在せず、運転ポイントP2が求められない場合
もある。かかる場合においても、エンジン150から要
求動力を出力し得ない状況に変わりはないため、同様に
出力動力を優先した運転ポイントの設定が行われる。
【0059】こうして算出された運転ポイントに基づい
て、CPUはVVT157を制御し、吸気弁閉じ角δを
変更する(ステップS270)。吸気弁閉じ角δの決定
は、予め制御ユニット190内のROMに記憶されたマ
ップに基づいて行われる。このマップの例を図12に示
す。
【0060】図12は、エンジン150の吸気弁閉じ角
δとエンジン150の出力トルクTe、回転数Neとの
関係を示したマップである。図中のδ=δ0の曲線は、
吸気弁閉じ角δが基準位置にある場合のエンジン回転数
NeとトルクTeとの関係を示しており、動作曲線に相
当するものである。図12は、図11に示した曲線のエ
ンジン回転数Neが図11よりも高回転の部分を示して
いる。図12中のδ=δ1およびδ2の曲線は順に吸気
弁閉じ角δを進角側に移行した場合の回転数Neとトル
クTeとの関係を示している。これらの曲線の一つが図
11の曲線L1に相当する。これらのマップは、本実施
例では、吸気弁閉じ角δを種々の値に変更しつつ、エン
ジン150を運転することにより実験的に設定した。図
12に示す通り、吸気弁閉じ角δを進角側に移行した場
合には、その分燃焼室152に吸入された混合気を圧縮
する行程が長くなるためエンジン150の出力トルクが
増大する。
【0061】CPUは運転ポイントに応じた吸気弁閉じ
角δを、上記マップから読みとることにより、適切な値
を設定する。つまり、動力を優先して定められた運転ポ
イントが図12中の点Q2に相当する場合は、CPUは
図12のマップに基づいて吸気弁閉じ角δをδ1に設定
するのである。
【0062】吸気弁閉じ角δは、各エンジンの回転数N
eに対し、最大のトルクを出力し得る値に設定されると
は限らず、同じ回転数であってもエンジン150が出力
すべきトルクTeに応じて変化する。例えば、回転数が
N1である場合でも、動力優先で運転ポイントを修正し
た結果、運転ポイントQ3に相当するトルクが要求され
ている場合には吸気弁閉じ角はδ1となり、さらに大き
なトルク、即ち運転ポイントQ1に相当するトルクが要
求されている場合には吸気弁閉じ角はδ2となる。な
お、図12では、説明の便宜のため、吸気弁閉じ角δを
δ0、δ1、δ2の3種類のみ示しているが、実際には
吸気弁閉じ角δは連続的に可変であるため、例えば、運
転ポイントQ1とQ3の間に相当するトルクが要求され
た場合には、それに応じた吸気弁閉じ角δが設定される
ことになる。こうして、吸気弁閉じ角を制御した後、C
PUは、VVT制御処理ルーチンを一旦終了する。
【0063】もっとも、上述のVVT制御処理ルーチン
において、エンジン150の目標回転数Ne*、目標ト
ルクTe*を要求動力Peに基づく運転ポイントの修正
(ステップS268)を行わず、エンジン150が最大
トルクを出力し得る状態に吸気弁閉じ角δを設定するも
のとしてもよい。図12に基づいて説明すれば、運転ポ
イントQ3に相当するトルクが要求された場合でも、吸
気弁閉じ角δをδ1に設定するのではなく、制御処理を
簡易なものとして、該回転数における最大トルクを出力
し得るδ2に設定するのものとしてもよい。こうするこ
とにより、VVT制御処理ルーチンの処理内容を簡易な
ものとすることができる。
【0064】VVT制御処理ルーチンを終了した後、C
PUは、エンジン150の目標回転数Ne*およびリン
グギヤ軸の回転数Nrを用いて上式(1)によりサンギ
ヤ軸125の目標回転数Ns*を設定する(ステップS
280)。そして、設定した各設定値を用いてモータM
G1,モータMG2およびエンジン150の各制御を行
う(ステップS300)。エンジン150の制御として
は、上記設定された目標回転数Ne*および目標トルク
Te*でエンジン150を運転するために、点火プラグ
162の点火時期制御や、吸入空気量に応じた燃料噴射
量制御等を行う。モータMG1,MG2の制御として
は、エンジン150の運転ポイントおよび駆動軸112
から出力すべきトルクおよび回転数に基づいて各モータ
のトルクおよび回転数を決定した上で、これらの値に応
じて電流をモータの巻線に流す。エンジン150、モー
タMG1,MG2の制御は周知の技術であるため、詳細
は省略する。
【0065】以上で説明した動力出力装置によれば、要
求動力とエンジン150の回転数制限値とに応じて、エ
ンジン150を効率優先で運転する制御と動力優先で運
転する制御とを切り替えて用いることにより、バッテリ
194から電力の供給を受けなくても常に要求動力を出
力することができる。エンジン150を動力優先で運転
した場合は、効率優先で運転した場合に比較して運転効
率は低下するもののバッテリ194から供給される電力
によりモータを駆動して動力を出力するよりは、非常に
高い効率が維持されるため、かかる動力が要求された場
合でも動力出力装置を効率よく運転することができる。
【0066】以上の実施例を適用するハイブリッド車両
は種々の構成が可能である。図1ではエンジン150お
よびモータMG2の駆動力をプラネタリギヤ120を介
して駆動輪116、118に伝達するハイブリッド車両
の構成を示したが、エンジン150、モータMG1,M
G2についてプラネタリギヤ120を介した接続は図1
3および図14に示す種々の形態としてもよい。例え
ば、図1に示した構成では、リングギヤ軸126に出力
された動力をリングギヤ122に結合された動力取出ギ
ヤ128を介してモータMG1とモータMG2との間か
ら取り出したが、図13に変形例として示した構成のよ
うに、リングギヤ軸126Aを延出して動力を取り出す
ものとしてもよい。また、図14に変形例として示した
構成のように、エンジン150側からプラネタリギヤ1
20B,モータMG2,モータMG1の順になるよう配
置してもよい。この場合、サンギヤ軸125Bは中空で
なくてもよく、リングギヤ軸126Bは中空軸とする必
要がある。この構成では、リングギヤ軸126Bに出力
された動力をエンジン150とモータMG2との間から
取り出すことができる。さらに、図示しないが、図13
においてモータMG2とモータMG1を入れ替えた構成
とすることも可能である。
【0067】以上は、プラネタリギヤ120を用いた変
形例であるが、図15に示すように、プラネタリギヤ1
20を用いない構成をとってもよい。図15に示す構成
では、図1におけるモータMG1およびプラネタリギヤ
120に代えて、ロータ(インナロータ)234および
ステータ(アウタロータ)232の双方が同じ軸中心に
相対的に回転可能であり電磁継手として作用し得るクラ
ッチモータMG3を用いている。クラッチモータMG3
のアウタロータ232はエンジン150のクランクシャ
フト156に機械的に結合され、クラッチモータMG3
のインナロータ234およびモータMG2のロータ14
2は駆動軸112Aに結合されている。モータMG2の
ステータ143はケース119に固定されている。
【0068】この構成では、プラネタリギヤ120に代
えて、クラッチモータMG3によりエネルギの分配を行
う。クラッチモータMG3に入出力される電気的なエネ
ルギにより、インナロータ234とアウタロータ232
の相対的な回転を制御し、エンジン150の動力を駆動
軸112Aに伝達することができる。また、モータMG
2のロータ142が駆動軸112Aに取り付けられてい
るため、モータMG2を駆動源とすることもできる。さ
らに、エンジン150の動力によりモータMG3で発電
することもできる。このような構成のハイブリッド車両
でも、要求トルクが大きいときは、バッテリ194から
の電力によりモータMG2を駆動することになるため、
本発明を適用することができる。
【0069】以上、本発明の実施例およびその変形例に
ついて説明してきたが、本発明はこれらに限定されるも
のではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、さらに種々
の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての動力出力装置を搭載
した車両の概略構成を示す構成図である。
【図2】吸気弁の開閉タイミングの可変機構の概略構成
を示す説明図である。
【図3】吸気弁の開閉タイミングの変化の様子を説明す
る説明図である。
【図4】実施例の動力出力装置のトルク変換の様子を説
明するための説明図である。
【図5】プラネタリギヤ120の基本的動作を示す共線
図である。
【図6】本実施例のトルク制御ルーチンの流れを示すフ
ローチャートである。
【図7】エンジン150の運転ポイントと効率の関係を
例示するグラフである。
【図8】動力を一定とした場合のエンジン150の運転
ポイントと効率の関係を例示するグラフである。
【図9】本実施例のVVT制御処理ルーチンの流れを示
すフローチャートである。
【図10】エンジン150の回転数制限値の例を示す説
明図である。
【図11】要求動力とVVT制御処理との関係を示す説
明図である。
【図12】エンジン150の吸気弁閉じ角δとエンジン
150の出力トルクTe、回転数Neとの関係を示した
説明図である。
【図13】機械分配式ハイブリッド車両の第1の構成変
形例を示す説明図である。
【図14】機械分配式ハイブリッド車両の第2の構成変
形例を示す説明図である。
【図15】電気分配式ハイブリッド車両の概略構成を示
す説明図である。
【符号の説明】
111…動力伝達ギヤ 112,112A…駆動軸 114…ディファレンシャルギヤ 116,118…駆動輪 119…ケース 120,120A,120B…プラネタリギヤ 121…サンギヤ 122…リングギヤ 123…プラネタリピニオンギヤ 124…プラネタリキャリア 125,125A,125B…サンギヤ軸 126,126A,126B…リングギヤ軸 127,127A,127B…プラネタリキャリア軸 128…動力取出ギヤ 129…チェーンベルト 132…ロータ 133…ステータ 142…ロータ 143…ステータ 150…エンジン 151…燃料噴射弁 152…燃焼室 153…吸気弁 154…ピストン 155…排気弁 156…クランクシャフト 157…連続可変バルブタイミング機構 158…イグナイタ 160…ディストリビュータ 162…点火プラグ 164…アクセルペダル 164a…アクセルペダルポジションセンサ 165…ブレーキペダル 165a…ブレーキペダルポジションセンサ 170…EFIECU 174…水温センサ 176…回転数センサ 178…回転角度センサ 179…スタータスイッチ 182…シフトレバー 184…シフトポジションセンサ 190…制御ユニット 191…第1の駆動回路 192…第2の駆動回路 194…バッテリ 199…残容量検出器 200…吸入口 202…排気口 232…アウタロータ 234…インナロータ 238…回転トランス 240…吸気カムシャフト 242…吸気カムシャフト・タイミング・ギヤ 244…排気カムシャフト 246…排気カムシャフト・タイミング・ギヤ 248…タイミングベルト 250…VVTプーリ 252…可動ピストン 254…OCV 256…エンジンオイルポンプ MG1、MG2,MG3…モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 9/00 F02B 61/00 - 61/06 F02D 29/02 - 29/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料を燃焼して動力を出力する原動機
    と、該原動機から駆動軸までの動力の伝達経路において
    動力を入出力する電動機と、前記原動機の出力軸および
    前記駆動軸に結合され、前記原動機から出力された動力
    を前記駆動軸に伝達すると共に、該伝達される動力の大
    きさを電力のやりとりにより調整する動力調整手段とを
    備え、 前記原動機から出力される動力を、前記動力調整手段お
    よび電動機とを用いて、要求されたトルクおよび回転数
    として駆動軸から出力可能な動力出力装置であって、 前記電動機および動力調整手段と電力をやりとりする電
    力充放電手段と、 前記原動機の運転ポイントとしてのトルクおよび回転数
    を、該動力出力装置に要求された要求動力に応じて、該
    原動機の運転効率を優先して定め、該運転ポイントで該
    原動機を運転する効率優先運転制御手段と、 前記要求動力が、前記運転ポイントで運転される原動機
    から出力し得る出力可能動力よりも大きい動力であると
    きは、前記運転ポイントに関わらず、該原動機から出力
    すべき動力を優先して定めた運転ポイントであって、か
    つ前記電力充放電手段により放電される電力が、該放電
    による装置の効率の低下が許容範囲となるよう設定され
    所定値以下とできる運転ポイントに修正して該原動機
    を運転する動力優先運転制御手段とを備える動力出力装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1の動力出力装置であって、 前記原動機は、吸気弁の開閉タイミングを変更可能な原
    動機であり、 前記動力優先運転制御手段は、前記原動機の吸気弁の開
    閉タイミングを制御することにより、前記トルクを増大
    した運転ポイントで前記原動機を運転する手段である動
    力出力装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の動力出力装置であって、 前記動力優先運転制御手段は、 前記要求動力に対する前記出力可能動力の不足分に応じ
    て、前記原動機の運転ポイントを設定する運転ポイント
    設定手段を備える動力出力装置。
  4. 【請求項4】 請求項1の動力出力装置であって、 前記動力調整手段は、 前記出力軸に結合される第1の回転軸、前記駆動軸に結
    合される第2の回転軸およびこれらと異なる第3の回転
    軸を有し、該3つの回転軸のうちいずれか2つの回転軸
    の回転数およびこれらに入出力されるトルクが決定され
    ると、該決定された回転数およびトルクに基づいて残余
    の回転軸の回転数および該回転軸に入出力されるトルク
    が決定される3軸式動力入出力手段と、 前記第3の回転軸に結合された電動機とを備え、 電力を用いた該電動機の駆動および該電動機による電力
    の回生によって、前記第3の回転軸に動力を入出力する
    ことで、前記原動機から前記駆動軸に伝達される動力の
    大きさを調整する手段である動力出力装置。
  5. 【請求項5】 燃料を燃焼して動力を出力する原動機
    と、該原動機から駆動軸までの動力の伝達経路において
    動力を入出力する電動機と、前記原動機の出力軸および
    前記駆動軸に結合され、前記原動機から出力された動力
    を前記駆動軸に伝達すると共に、該伝達される動力の大
    きさを電力のやりとりにより調整する動力調整手段と、
    前記電動機および動力調整手段と電力をやりとりする電
    力充放電手段とを備え、 前記原動機から出力される動力を、前記動力調整手段お
    よび電動機とを用いて、要求されたトルクおよび回転数
    として駆動軸から出力可能な動力出力装置の制御方法で
    あって、 前記原動機の運転ポイントとしてのトルクおよび回転数
    を、該動力出力装置に要求された要求動力に応じて、該
    原動機の運転効率を優先して定め、該運転ポイントで該
    原動機を運転し、 前記要求動力が、前記運転ポイントで運転される原動機
    から出力し得る出力可能動力よりも大きい動力であると
    きは、前記運転ポイントに関わらず、該原動機から出力
    すべき動力を優先して定めた運転ポイントであって、か
    つ前記電力充放電手段により放電される電力が、該放電
    による装置の効率の低下が許容範囲となるよう設定され
    所定値以下とできる運転ポイントに修正して該原動機
    を運転する動力出力装置の制御方法。
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