JP4089095B2 - 動力出力装置、ハイブリッド車輌およびそれらの制御方法 - Google Patents

動力出力装置、ハイブリッド車輌およびそれらの制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力出力装置、ハイブリッド車輌およびそれらの制御方法に関し、詳しくは、原動機と少なくとも補助電動機を備えて、駆動軸に少なくともこの原動機の動力の一部を出力する動力出力装置およびハイブリッド車輌ならびにこれらの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、化石燃料等を消費して運転される原動機を有する動力出力装置では、燃費の向上や排気浄化性能の向上が強く求められており、原動機をできるだけ効率の良い運転条件で運転しようとする試みが数多くなされている。動力が出力される駆動軸に要求される回転数範囲やトルクの範囲が広い場合には、原動機の動力をそのまま駆動軸に出力したのでは、原動機の運転範囲も広くなってしまい、効率や排気浄化性能の高い領域で運転できるとは限らない。そこで、原動機の動力の少なくとも一部は直接駆動軸に出力できる形態をとりながら、原動機から駆動軸までの経路に少なくとも動力を付加可能な補助電動機を設け、駆動軸に要求される動力と原動機の出力する動力とに偏差が存在する場合に、補助電動機からの動力でこれを補って、結果的に原動機をできるだけ効率や排気浄化性能の高い領域で運転しようとする提案がなされている。
【0003】
こうした動力出力装置を搭載したアプリケーションとしては、例えばこれを動力源として走行するハイブリッド車輌を考えることができる。ガソリンやディーゼルを燃料として走行する車輌は台数が多く、一台一台の燃費や排気浄化性能を向上すれば、全体での改善の効果は大きい。他方、車輌の駆動軸に要求される出力トルクと回転数の範囲はきわめて広い。そこで、こうした両者の要求を満たすべく、本出願人は、原動機から駆動軸までの動力の伝達経路に動力の分配機構を設けると共に、動力の伝達を行なう動力伝達用電動機と、動力の一部を電気エネルギの形態でやり取りする補助電動機とを設けたハイブリッド車輌を提案し、既に実用化している。かかる構成においては、原動機を効率や排気浄化性能の高い領域内で運転しつつ、一方の電動機で電力の回生を、他方の電動機で動力の出力を行なって、トルクや回転数を巧みに変換し、車輌駆動軸に要求される広い運転範囲をカバーしているのである。
【0004】
車輌駆動軸に対する要求は、運転者によるアクセルの操作量などにより変化する。駆動軸に対する動力の要求が変化したとき、原動機や電動機を適切に制御して、要求された動力を、できるだけ早く駆動軸に出力するよう種々の制御が行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の動力出力装置では、駆動軸に出力される動力の応答性が不十分な場合があるという問題があった。これは次の理由によっている。動力を発生しうる機器が原動機と補助電動機もしくはこれに加えて動力伝達用電動機のみに限られる系を考えると、原動機から駆動軸に至る動力伝達系におけるエネルギは、この電動機を駆動するための電力供給手段から供給可能なエネルギを含めて、一定に保たれる(エネルギ保存の法則)。従って、駆動軸に対する出力トルクの要求が増大した場合を例に取ると、原動機からの出力が増加するまでの間は、電力供給手段(例えばバッテリ)から持ち出される電力によってのみ駆動軸のトルクを増大させることが可能になる。一方、電力供給手段がバッテリのように供給可能な電力に上限が存在する場合には、駆動軸のトルクの増大をバッテリからの電力の持ち出しに長期間に亘って依存することはできないから、原動機が出力するエネルギも増加させなければならない。バッテリからの持ち出しがなければ、駆動軸に出力されるエネルギは、トルク変換などがなされたとしても、結局原動機から出力されるエネルギに等しくなるからである。他方、ガソリンエンジンなどの原動機の動作ラインを考えると、効率を優先した場合、原動機の出力を増加するためにはその回転数を高くしなければならない。
【0006】
以上の条件を考慮すると、駆動軸に対する出力トルクの要求が増加した場合には、バッテリの電力を、まず原動機の回転数の増加に使い、原動機の回転数が増加して(同時に燃料噴射量なども増加し)、原動機から出力されるエネルギが十分高くなった時点で駆動軸トルクを増加させる方が望ましいことが了解される。このように制御すれば、駆動軸のトルクを目標トルクに、最終的に一致させるまでの時間を最も短縮することができる。しかし、この動力出力装置を車輌などに適用した場合には、加速の要求を出してから駆動軸のトルクが増加し始めるまでに大きなタイムラグが発生し、いわゆるドライバビリティは損なわれることになってしまう。そこで、実際の装置では、バッテリから持ち出す電力の一部を駆動軸のトルクの増加に利用し、残りを原動機の回転数の増加に用いることになる。エネルギ保存則が働く限り、駆動軸トルクの増加に利用できるエネルギと原動機の運転状態の変更に用いることができるエネルギとは、トレードオフの関係にあるから、ドライバビリティと絶対的な加速性能とを両立させることはきわめて困難であった。
【0007】
出願人は、こうした問題に対する解決策の1つとして、既に出願した他の発明において、駆動軸に対する要求トルクが変化したとき、まず原動機が出力すべき動力Peを求め、このエネルギからエンジンの目標回転数Ne*を求め、現在の回転数Neとの偏差ΔNeの大きさに基づいて、原動機や電動機を制御する手法を提案している(例えば、特開平10−289021号公報参照)。かかる手法は、駆動軸出力を短期間に目標状態に制御しようとする優れたものであるが、エンジンの回転数の増減分が固定されており、条件によっては最適な制御条件からはずれる場合があり得た。特にこうした動力出力装置が、車輌や航空機などの動力源に用いられている場合、そのドライバビリティには、なお改善の余地があった。
【0008】
本発明の動力出力装置、ハイブリッド車輌およびそれらの制御方法は、こうした問題を解決し、駆動軸に出力すべき目標動力が変更されたときに、電力供給手段から供給する電力をどのような割合で用いるかを定め、原動機の運転効率や排気浄化性能を維持したまま、短期間に駆動軸の状態を目標とする状態に移行させることを目的の一つとする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の動力出力装置およびその制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0010】
駆動軸に動力を出力する本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
前記駆動軸に動力の少なくとも一部を直接出力する原動機と、
該原動機から前記駆動軸への動力の伝達系において、前記駆動軸が出力する動力を増減するよう動力のやり取りを行なう第1の補助電動機と、
前記第1の補助電動機と共に制御されて前記原動機の動作点を変更する第2の補助電動機と、
第1,第2の補助電動機との間で電力のやり取りを行なう電力供給手段と、
前記駆動軸の目標トルクが与えられたとき、前記電力供給手段がやり取りする電力を決定すると共に、該電力を、前記第1,第2の補助電動機とやり取りして駆動軸の出力トルクの増減に用いる割合と前記原動機の出力の増減に用いる割合とを、前記原動機の運転状態に応じて逐次決定する決定手段と、
該決定された割合に基づいて、前記第1,第2の補助電動機および前記原動機を制御する制御手段と
を備えることを要旨とする。
【0011】
また、この動力出力装置に対応した動力出力装置の制御方法は、
駆動軸に動力の少なくとも一部を直接出力する原動機と、該原動機から前記駆動軸への動力の伝達系において前記駆動軸が出力する動力を増減するよう動力のやり取りを行なう第1の補助電動機と、該第1の補助電動機と共に制御されて前記原動機の動作点を変更する第2の補助電動機と、該第1,第2の補助電動機との間で電力のやり取りを行なう電力供給手段とを備えた動力出力装置を制御する方法であって、
前記駆動軸の目標トルクが与えられたとき、前記電力供給手段がやり取りする電力を決定すると共に、該電力を、前記第1,第2の補助電動機とやり取りして駆動軸の出力トルクの増減に用いる割合と前記原動機の出力の増減に用いる割合とを、該原動機の運転状態に応じて逐次決定し、
該決定された割合に基づいて、前記第1,第2の補助電動機および前記原動機を制御すること
を要旨としている。
【0012】
これら動力出力装置およびその制御方法によれば、駆動軸の目標トルクが変化したとき、電力供給手段から出力する電力をまず決定し、この電力を駆動軸の出力トルクの増減に用いる割合と、原動機の出力の増減に用いる割合とを、一律に決定するのではなく、原動機の運転状態に応じて逐次決定する。このため、駆動軸トルクの増減のプロファイルを所望の形態に近づけることができる。
【0013】
ここで、駆動軸の出力トルクの増減に用いる割合と原動機の出力の増減に用いる割合とは、駆動軸の目標トルクが変更された直後には、原動機の出力の増減に用いる割合が大きく、原動機の回転数が増加するに従ってその割合が漸減する特性とすることが考えられる。このように割合を決定した方が、駆動軸トルクを目標トルクに最終的には短期間に一致させることができるからである。
【0014】
かかる動力出力装置は、車輌や船舶、航空機などの輸送機器に搭載することができる。また、工作機械などにも適用することができる。こうした動力出力装置を、例えば車輌に搭載すれば、搭載したハイブリッド車輌における加減速性能を、所望の特性に制御することが可能になる。もとより、こうした適用例の一つであるハイブリッド車輌やその制御方法としても、本発明を把握することができる。
【0015】
こうした動力出力装置やハイブリッド車輌において、電力供給手段として、電力の供給および蓄積が可能な二次電池を採用することも差し支えない。この場合には、二次電池と少なくとも補助電動機との間で、電力のやり取りを行なう電力制御回路を備えた構成を採用することができる。かかる構成によれば、電力供給手段は電力を一方的に持ち出すだけでなく、例えば制動時の回生電力などを回収することができ、装置全体の効率を更に高くすることができる。
【0016】
こうした動力出力装置やハイブリッド車輌では、原動機の運転状態を変更する場合に、原動機を、燃費または排気浄化性能を優先した動作特性に従って制御する制御手段を備えることもできる。こうした制御手段を備えれば、原動機は燃費や排気浄化性能が優先された状態で制御されることになり、システム全体としては、燃費や排気浄化性能と、駆動軸の目標トルクの素早い増減とを両立させることができる。
【0017】
かかる動力出力装置やハイブリッド車輌では、動力伝達系として種々の態様を取りうるが、一つの構成例としては、原動機から駆動軸への動力の伝達系に、互いに回転可能な対ロータを有する動力伝達用電動機を備え、該動力伝達用電動機の一つのロータを前記原動機の出力軸に結合し、他のロータを前記駆動軸に結合したものを考えることができる。かかる構成は、動力の分配を互いに回転可能な二つの対ロータを備えた動力伝達用電動機により行なうので、電気分配式と呼ばれることがある。電気分配式の動力伝達系は、機械的な分配機構を有しないので、信頼性が高いといった利点がある。
【0018】
動力伝達系の他の態様としては、原動機から駆動軸への動力の伝達系に、第1なし第3の回転軸を有し、該3軸のうちの2軸に入出力する動力が決まると残余の1軸の動力が定まる3軸式動力入出力手段を備え、この3軸式動力入出力手段の第1の回転軸に前記原動機の出力軸を結合し、第2の回転軸に駆動軸を結合すると共に、第3の回転軸には、電力供給手段との間で電力のやりとりを行なって運転される動力分配用電動機を結合したものを考えることができる。これは、動力の分配を3軸式動力入出力手段により行なうものであり、その形態から、機械分配式と呼ばれることがある。機械分配式の動力伝達系は、対ロータの電動機を必要とせず、通常の電動機をそのまま利用することができるという利点がある。
【0019】
こうした電気分配式、機械分配式のいずれにおいても、補助電動機は、原動機の出力軸に結合した構成とすることもできるし、直接駆動軸に結合した構成とすることもできる。補助電動機を原動機の出力軸に結合すれば、原動機のクランキングを容易に行なうことができる。また、原動機の出力軸の回転数より駆動軸の回転数が高い、いわゆるオーバドライブ状態としたときでも、エネルギの再循環が生じることがない。他方、補助電動機を駆動軸に結合した構成では、原動機の出力軸のトルクより駆動軸のトルクが大きい状態を、効率よく実現することができる。なお、オーバドライブ状態でも、その逆のアンダドライブ状態でも、エネルギの再循環が起きず、効率よく駆動軸を駆動するために、補助電動機と原動機の出力軸または駆動軸との結合の状態を切り換える結合状態切換手段を備えるものとしても良い。こうした結合状態切換手段を設け、運転状態に応じて、補助電動機の結合先を切り換えれば、いずれの運転状態でも、エネルギの再循環が生じないようにすることができる。
【0020】
なお、ここでいう「動力」は、軸に作用するトルクとその軸の回転数(回転角速度)との積の形態で表わされる仕事率に相当するものであるが、特に限定しない限り、これに時間をかけたエネルギの意味でも用いる。したがって、単位時間内に出力されるエネルギの大きさが同じでも、トルクと回転数とが異なる組合わせは複数存在する。
【0021】
【発明の実施の形態】
A.装置構成:
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施例としての動力出力装置20の概略構成を示す構成図、図2は図1の第1実施例の動力出力装置20を組み込んだ車輌の概略構成を示す構成図である。説明の都合上、まず図2を用いて、車輌全体の構成から説明する。
【0022】
図2に示すように、この車輌には、動力源であるエンジン50としてガソリンにより運転されるガソリンエンジンが備えられている。このエンジン50は、吸気系からスロットルバルブ66を介して吸入した空気と燃料噴射弁51から噴射されたガソリンとの混合気を燃焼室52に吸入し、この混合気の爆発により押し下げられるピストン54の運動をクランクシャフト56の回転運動に変換する。ここで、スロットルバルブ66はアクチュエータ68により開閉駆動される。点火プラグ62は、イグナイタ58からディストリビュータ60を介して導かれた高電圧によって電気火花を形成し、混合気はその電気火花によって点火されて爆発燃焼する。
【0023】
このエンジン50の運転は、電子制御ユニット(以下、EFIECUと呼ぶ)70により制御されている。EFIECU70には、エンジン50の運転状態を示す種々のセンサが接続されている。例えば、スロットルバルブ66の開度(ポジション)を検出するスロットルバルブポジションセンサ67、エンジン50の負荷を検出する吸気管負圧センサ72、エンジン50の水温を検出する水温センサ74、ディストリビュータ60に設けられクランクシャフト56の回転数と回転角度を検出する回転数センサ76および回転角度センサ78などである。なお、EFIECU70には、この他、例えばイグニッションキーの状態STを検出するスタータスイッチ79なども接続されているが、その他のセンサ,スイッチなどの図示は省略した。
【0024】
エンジン50のクランクシャフト56は、後述するクラッチモータ30およびアシストモータ40を介して駆動軸22に結合されている。駆動軸22は、ディファレンシャルギヤ24に結合されており、動力出力装置20からのトルクは最終的に左右の駆動輪26,28に伝達される。エンジン50と共に動力出力装置20を構成するクラッチモータ30およびアシストモータ40は、制御装置80により制御されている。制御装置80の構成は後で詳述するが、内部には制御CPUが備えられており、シフトレバー82に設けられたシフトポジションセンサ84やアクセルペダル64に設けられたアクセルペダルポジションセンサ64a,ブレーキペダル65に設けられたブレーキペダルポジションセンサ65aなども接続されている。また、制御装置80は、上述したEFIECU70と通信により、種々の情報をやり取りしている。これらの情報のやり取りを含む制御については、後述する。
【0025】
図1に示すように、実施例の動力出力装置20は、大きくは、エンジン50,クラッチモータ30、アシストモータ40および係合切換装置10とから構成されている。クラッチモータ30は、互いに回転可能なインナロータ34とアウタロータ32とを備える。インナロータ34は、エンジン50のクランクシャフト56にダンパ55を介して結合されている。他方、アウタロータ32は、チェーン37を介して、駆動軸22に結合されている。
【0026】
インナロータ34の外周面には永久磁石35が貼付されており、これに対向するアウタロータ32の内側は、ティースが形成され、ここに三相コイル36が巻回されている。即ち、クラッチモータ30は、永久磁石式の同期電動機として構成されている。この三相コイル36への電力は、図示しないスリップリングを介して供給される。
【0027】
他方、アシストモータ40も同期電動機として構成されているが、回転磁界を形成する三相コイル44は、ケースに固定されたステータに巻回されている。ロータ42の外周面には、複数個の永久磁石46が設けられている。アシストモータ40では、この永久磁石46による磁界と三相コイル44が形成する磁界との相互作用により、ロータ42が回転する。
【0028】
ロータ42は、係合切換装置10に結合されており、係合切換装置10を介して、このロータ42の回転は、エンジン50の出力軸であるクランクシャフト56に結合され(図1ポジションc)、あるいは動力出力装置20のトルクの出力軸である駆動軸22に結合され(図1ポジションa)、場合によってはいずれの軸とも結合されない状態(図1ポジションn)とされる。この係合切換装置10は、アクチュエータ11と切換用のスプライン軸とを備え、アクチュエータ11を駆動することにより、各軸が回転した状態で、切換を行なうことができる。係合切換装置10により係合状態を切り換えることにより、この車輌は、様々な状態で運転することができるが、係合切換装置10のポジションと動作状態については、後でまとめて説明する。
【0029】
上述した動力出力装置20には、クランクシャフト56の回転角度θeを検出するレゾルバ39が、一方、駆動軸22の回転角度θdを検出するレゾルバ48が、各々設けられている。これらの信号を入力することで、後述する制御装置80は、エンジン50の回転数Neおよび駆動軸22の回転角度のみならず、時間当たりの回転角度の変化を計算することにより、回転数Ne,Ndを各々知ることができる。なお、クランクシャフト56の回転角度θeを検出するレゾルバ39は、ディストリビュータ60に設けられた回転角度センサ78と兼用することも可能である。
【0030】
次に、クラッチモータ30およびアシストモータ40を駆動制御する制御装置80について説明する。制御装置80は、クラッチモータ30を駆動する第1の駆動回路91と、アシストモータ40を駆動する第2の駆動回路92と、両駆動回路91,92を制御する制御CPU90と、二次電池であるバッテリ94とから構成されている。制御CPU90は、1チップマイクロプロセッサであり、内部に、ワーク用のRAM90a、処理プログラムを記憶したROM90b、入出力ポート(図示せず)およびEFIECU70と通信を行なうシリアル通信ポート(図示せず)を備える。この制御CPU90には、レゾルバ39からのエンジン50の回転角度θe、レゾルバ48からの駆動軸22の回転角度θd、アクセルペダルポジションセンサ64aからのアクセルペダルポジション(アクセルペダル64の踏込量)AP、ブレーキペダルポジションセンサ65aからのブレーキペダルポジション(ブレーキペダル65の踏込量)BP、シフトポジションセンサ84からのシフトポジションSP、第1の駆動回路91に設けられた2つの電流検出器95,96からのクラッチ電流値Iuc,Ivc、第2の駆動回路に設けられた2つの電流検出器97,98からのアシスト電流値Iua,Iva、残容量検出器99からのバッテリ94の残容量BRMなどが、入力ポートを介して入力されている。なお、残容量検出器99は、バッテリ94の電解液の比重またはバッテリ94の全体の重量を測定して残容量を検出するものや、充電・放電の電流値と時間を演算して残容量を検出するものや、バッテリの端子間を瞬間的にショートさせて電流を流し内部抵抗を測ることにより残容量を検出するものなどが知られている。
【0031】
また、制御CPU90からは、第1の駆動回路91に設けられたスイッチング素子である6個のトランジスタTr1ないしTr6を駆動する制御信号SW1と、第2の駆動回路92に設けられたスイッチング素子としての6個のトランジスタTr11ないしTr16を駆動する制御信号SW2とが出力されている。第1の駆動回路91内の6個のトランジスタTr1ないしTr6は、トランジスタインバータを構成しており、それぞれ、一対の電源ラインL1,L2に対してソース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置され、その接続点に、クラッチモータ30の三相コイル(UVW)36の各々が、スリップリング38を介して接続されている。電源ラインL1,L2は、バッテリ94のプラス側とマイナス側に、それぞれ接続されているから、制御CPU90により対をなすトランジスタTr1ないしTr6のオン時間の割合を制御信号SW1により順次制御し、各コイル36に流れる電流を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相コイル36により、回転磁界が形成される。
【0032】
他方、第2の駆動回路92の6個のトランジスタTr11ないしTr16も、トランジスタインバータを構成しており、それぞれ、第1の駆動回路91と同様に配置されていて、対をなすトランジスタの接続点は、アシストモータ40の三相コイル44の各々に接続されている。従って、制御CPU90により対をなすトランジスタTr11ないしTr16のオン時間を制御信号SW2により順次制御し、各コイル44に流れる電流を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相コイル44により、回転磁界が形成される。
【0033】
更に、制御CPU90からは、係合切換装置10のアクチュエータ11を駆動する駆動信号が出力されている。制御CPU90は、この駆動信号により係合切換装置10の状態(ポジション)を切り換えて、アシストモータ40が動力をやり取りする軸を切り換えることができる。エンジン50を運転し、かつ動力出力装置20により動力の変換を行なっている状態を想定すると、係合切換装置10のポジションにより、次の運転状態をとることができる。
【0034】
(1)係合切換装置10を、ポジションa、即ちロータ42が駆動軸22に係合した状態に切り換えると、エンジン50からの動力(トルクTe×回転数Ne)の一部をクラッチモータ30の二つのロータ34,32の回転数差ΔNとして回生し、回生した電力でアシストモータ40を駆動することにより、駆動軸22のトルクを増加することができる。この様子を図3に示した。即ち、クラッチモータ30によりG1=ΔN×Teの動力を電気的な形態で回生し、これをアシストモータ40に出力することで、駆動軸22のトルクを、ΔT=Td−Te=(ΔN×Te)/Ndだけ増加するのである。なお、ここで、Ndは駆動軸22の回転数、Tdは駆動軸22に出力されるトルクである。また、クラッチモータ30やアシストモータ40における変換の効率は、ここでは説明の便を図って、値1(=100パーセント)としている。この状態では、エンジン50のクランクシャフトの回転数Neより、駆動軸22の回転数Ndの方がΔNに見合った分だけ低くなるので、この状態を「アンダドライブ」と呼ぶ。
【0035】
(2)一方、ロータ42がクランクシャフト56と係合した状態(ポジションc)では、エンジン50からの動力(トルクTe×回転数Ne)の一部を、アシストモータ40により回生し、回生した電力でクラッチモータ30を回転することができる。この場合、図3においてそれぞれ()に入れて記載したように、クラッチモータ30の二つのロータ34およびロータ32に結合されたクランクシャフト56および駆動軸22の回転数NeおよびNdは、Nd>Neの関係となる。このとき、アシストモータ40により回生された動力G2(=ΔT×Ne)がすべてクラッチモータで消費されるとすれば、駆動軸22の回転数Ndは、ΔN=Nd−Ne=(ΔT×Ne)/Tdだけ増加する。この状態では、エンジンの50のクランクシャフト56の回転数Neより駆動軸22の回転数Ndの方がΔNに見合った分だけ高くなるので、この状態を「オーバドライブ」と呼んでいる。
【0036】
なお、第1実施例の動力出力装置20では、こうしたエンジン50から出力される動力のすべてをトルク変換して駆動軸22に出力する動作の他に、エンジン50から出力される動力(トルクTeと回転数Neとの積)を駆動軸22に要求される動力(トルクTdと回転数Ndとの積)より大きくして余剰の電気エネルギを見い出し、バッテリ94の充電を伴う動作としたり、逆にエンジン50から出力される動力を駆動軸22に要求される動力より小さくして電気エネルギが不足する状態とし、バッテリ94から放電を伴う動作とすることもできる。
【0037】
以上の説明では、回転数という表現を用いたが、軸周りの仕事を考える場合には、回転角速度や回転角加速度を用いた方が理解しやすいことがある。したがって、以下の説明では、回転数Nと角速度ωを適宜使い分けるものとする。
【0038】
B.トルク制御:
次に、実施例の動力出力装置20におけるトルク制御について図4に例示するトルク制御ルーチンに基づき具体的に説明する。トルク制御ルーチンは、動力出力装置が起動されてから所定時間毎(例えば、20msec毎)に繰り返し実行される。本ルーチンが実行されると、制御装置80の制御CPU90は、まず、駆動軸22の回転数Ndを読み込む処理を実行する(ステップS100)。駆動軸22の回転数Ndは、レゾルバ48により検出される駆動軸22の回転角度θdから求めることができる。
【0039】
続いて、アクセルペダルポジションセンサ64aにより検出されるアクセルペダル64の踏込量であるアクセルペダルポジションAPを読み込む処理を行なう(ステップS102)。アクセルペダル64は運転者が出力トルクが足りないと感じたときに踏み込まれるものであり、したがって、アクセルペダルポジションAPの値は運転者の欲している出力トルク(すなわち、駆動軸22に出力すべきトルク)に対応するものである。次に、読み込んだアクセルペダルポジションAPと駆動軸22の回転数Ndとに基づいてTd*を導出する処理を行なう(ステップS104)。実施例では、各アクセルペダルポジションAPと回転数Ndとの組み合わせに対して対応するトルク指令値Td*を定め、これを予めマップとしてROM90bに記憶しておき、駆動軸22の回転数NdとアクセルペダルポジションAPが読み込まれると、ROM90bに記憶したマップを参照して対応するトルク指令値Td*を導出するものとした。なお、このマップの一例を図5に示す。
【0040】
こうしてトルク指令値Td*を導出すると、導出したトルク指令値Td*と読み込まれた駆動軸22の回転数Ndとから、駆動軸22に出力すべき目標動力Pd*を計算(Pd*=Nd×Td*)により求めると共に(ステップS106)、求めた目標動力Pd*を伝達効率ηtで割ってエンジン50から出力すべき目標動力Pe*を算出する(ステップS108)。こうしてエンジン50が出力すべき目標動力Pe*が求められたので、制御CPU90は、EFIECU70などと協働して、最終的にはエンジン50が出力する動力を、目標動力Pe*まで変化させることになる。
【0041】
上述した車輌では、車輌を駆動する力としては、最終的にはエンジン50における燃料の爆発燃焼により発生する動力が充てられる。しかし、一時的には、バッテリ94に蓄えられたエネルギを持ち出して車輌の駆動に用いることができる。そこで、次に、バッテリ94から持ち出す電力PBを決定する(ステップS1110)。即ち、ステップS108で求めたエンジンの目標動力Pe*と現在エンジン50が出力している動力Peとの差分を求め、この差分に見合った分だけバッテリ94から電力を持ち出すことにするのである。なお、こうして求めた電力PBが、バッテリ94が持ち出せる上限値を超えていれば、バッテリの出力PBは、上限値に制限される。
【0042】
次に、その時点で用いることができる動力のうち、エンジン50の運動エネルギの増加に用いるエネルギΔEeを決定する処理を行なう(ステップS115)。即ち、現在のエンジン50が出力している動力Pe、エンジンの目標動力Pe*、バッテリ94からの出力PBから、ΔEeを決定するのである。こうして得られたエネルギΔEeに基づいて、エンジンの角加速度αeを決定する(ステップS120)。エンジン50の回転速度Neは分かっているので、これからどの程度の角加速度でエンジン50の回転数を変化させるかを求めるのである。上述したステップS110,S115,S120における処理の詳細については、トルク制御ルーチンの概要を説明した後で、再度詳しく説明する。
【0043】
こうしてエンジン50の角加速度αeが設定されると、この設定した値を用いてクラッチモータ30,アシストモータ40およびエンジン50の各制御を行なう(ステップS126ないしS129)。各モータ30,40などの制御は、モータの各相コイルに流れる電流を検出し、これをd軸電流,q軸電流に3相−2相変換し、必要なトルクが得られるようにd軸電流,q軸電流を求めた後、2相−3相変換して各相コイルに流すべき電流の大きさを求めることにより行なわれる。ここでは、モータの詳しい制御についての説明は省略する。
【0044】
C.バッテリ出力PBおよびエンジン角加速度αeの算出:
本実施例では、上記ステップS110ないしS120において、バッテリ94の出力PBおよびエンジン50の角加速度αeは、次のようにして定めた。図1に示した車輌で係合切換装置10がポジションaにある場合、即ちアンダドライブの状態となっている場合の車輌の動力系の運動方程式を考える。運動方程式において、諸元を次のように定義する。
Ie:エンジンからクラッチモータ30までの慣性(フライホイールなど図示しない要素の慣性も含まれるものとする)、
Ip:アシストモータ40+クラッチモータのアウタロータ32+駆動軸22までの慣性、
Tc:クラッチモータ30の出力トルク、
Ta:アシストモータ40の出力トルク、
Tp:駆動軸22に出力されるトルク、
ωe:エンジン50の回転数(回転角速度)、
ωp:駆動軸22の回転数、
αe:エンジン50の回転角加速度、
αp:駆動軸22の回転角加速度。
【0045】
ここで、車輌の運動方程式は、
Ie・αe=Tc+Te
Ip・αp=Ta−Tc=Tp …(1)
となる。アシストモータ40、クラッチモータ30,エンジン50および駆動軸22の各々の仕事率Pa,Pc,Pe,Ppは、それぞれの回転数をNa,Nc,Ne,Npとすると、それぞれ次式(2)となる。
Pa=Ta・Na=Ta・ωp
Pc=Tc・Nc=Tc・(ωe−ωp)
Pe=Te・Ne=Te・ωe
Pp=Tp・Np=(Ta−Tc)・ωp
=Pa−Pc・ωp/(ωe−ωp) …(2)
【0046】
これらを用いて運動方程式(1)を書き直すと、
Ie・αe=Pe/ωe+Pc/(ωe−ωp)
Ip・αp=Pa/ωp−Pc/(ωe−ωp) …(3)
となる。この運動方程式を微分型に書き直すと、システムのエネルギ変化量の式となり、エンジンについてのエネルギの変化量ΔEeと駆動軸についてのエネルギの変化量ΔEp、および上記式(2)を用いて、式(3)は、次のように書き直すことができる。
【0047】
【数1】
Figure 0004089095
【0048】
更に、この式(4)の第2式を、PB=Pa+Pbであることを用いて変形する。PB=Pa+Pcであるとは、加速の初期においては動力は、すべてバッテリ94から持ち出される電力PBによりまかなわれることから、直ちに了解される。第2式の変形は、途中Pc=Pc(ωe−ωp)/(ωe−ωp)という置き換えを経由し、エネルギ保存則の微分型である次式(5)を導くことができる。
【0049】
【数2】
Figure 0004089095
【0050】
上記式(5)は、各式の両辺を足し合わせることにより、
ΔEe+ΔEp=Pe+PB …(6)
となる。即ち、エンジン50から駆動軸22に至る系の総ての運動エネルギは、エンジン50の仕事Peとバッテリ94から持ち出される電力によって変化することが分かる。ここで、バッテリ94からは永続的にエネルギを持ち出すことはできない。バッテリ94は、一時的にエネルギを取り出したり(放電)、一時的にエネルギを蓄えたり(充電)するが、燃料電池のようにそれ自身で電気的なエネルギを生成するものではない。したがって、理想的には、車両の運動エネルギは、ガソリンなどの燃料の燃焼により、つまりエンジン50により賄われるものと考えることができる。即ち、Pe=Ppであり、これを上記式(5)の第2式に当てはめた上で、第1式に代入すると、次式(7)を得る。
【0051】
【数3】
Figure 0004089095
【0052】
即ち、エンジン50の回転数ωeは、バッテリ94の仕事率に依存して変化することが了解される。エンジン50の動作点(回転数およびトルク)は、通常図6に示すように、エンジン50の運転効率が最善となるような動作ラインELに沿って決定されるから、エンジン50から取り出すエネルギは、その回転数に強く依存して変化する。即ち、アクセルペダルの踏込に応じて車速を上昇すべく車輌の運動エネルギを大きくしようすれば、エンジン50の回転数を上昇させてやることが必要となり、そのために利用できるものは、本実施例のシステムでは、バッテリ94の電力のみである、ということになる。
【0053】
なお、以上の議論は、係合切換装置10がポジションcにあって、いわゆるオーバドライブ結合されている場合でも同様である。途中の式の展開は、省略するが、上記式(4)に相当する式(8)を、以下のように導くことができる。この場合でも、式(6)の関係は同一となるから、上記の議論はそのまま当てはめることができる。
【0054】
【数4】
Figure 0004089095
【0055】
以上の議論により、車輌に対する加速の要求があった場合、本実施例のシステムでは、最終的にはエンジン50の回転数を増加させなければならず、そのために利用できるものは、バッテリ94に蓄えられた電力であることが了解される。しかし、バッテリ94の電力をすべてエンジン50の回転数の上昇に費やすと、エンジン50の回転数が十分に上昇するまでは車輌を加速できないことになり、運転者がアクセルペダルを踏み込んでから実際に車輌が加速を開始するまでにタイムラグを生じてしまう。そこで、本実施例では、バッテリ94の電力を、エンジン50の回転数の上昇に用いる割合と、車輌の加速、即ち駆動軸22の回転数の上昇に用いる割合とを、エンジン50の運転状態に応じて逐次定め、両者の最適なバランスを実現する。
【0056】
まず、ステップS110におけるバッテリ94の出力PBの決定は、次のように行なう。
PB=PBmax (Pe*−Pe>PBmax )
PB=Pe*−Pe
PB=PBmin (Pe*−Pe<PBmin )
即ち、バッテリ94から出力する電力を、エンジン50の目標動力Pe*とエンジン50の回転速度ωeに依存する現に出力している動力との差により決定し、これが、バッテリ94から取り出せる最大電力より大きい場合には、最大値PBmax に制限し、安定に取り出せる最小電力より小さい場合には、最小値PBmin に制限するのである。なお、現在のエンジン50の出力Peは、図6に示したように、実施例のシステムでのエンジン50の動作特性線が分かっているので、エンジン50の回転数ωeから直ちに求めることができる。
【0057】
こうしてバッテリ94から取り出す電力PBを決定した後、次に、ステップS115で、エンジン50の運動エネルギの増加分ΔEeを決定するが、これは、本実施例では、次の式(9)にしたがって決定している。
【0058】
【数5】
Figure 0004089095
【0059】
エンジン50の運動エネルギの増加分ΔEeを決定する式は、種々考えることができる。実施例では、{1−(Pe/Pe*)2 }の項が、エンジン50の回転数の増加と共に値0に急速に近づいていくよう設定している。この結果、時間と共にエンジンの運動エネルギの増加量は小さくなり、その分、バッテリ94の電力を駆動軸22の回転数の増加に振り向けることになる。ステップS115にて、エンジン50の運動エネルギの増加分ΔEeを決定したあと、この増加分ΔEeにより、次式(10)により、エンジン50の角加速度αeを決定する(ステップS120)。また、加速度と速度の関係から、制御周期Δtを用いて、エンジンの目標回転速度ωe*を、式(11)により求める。
【0060】
【数6】
Figure 0004089095
【0061】
クラッチモータ30,アシストモータ40の各制御(ステップS126,S128)およびEFIECU70によるエンジンの制御(ステップS129)は、この目標回転数ωe*に基づいて行なわれる。
【0062】
D.制御例:
上記の式に基づいて実際に各モータ30,40およびエンジン50を制御した場合の車輌の加速の様子を図7に示した。図7において、破線Bは、エンジンの運動エネルギの増加分ΔEeを一定にした場合の制御特性(以下従来例と呼ぶ)を、実線Jは、本実施例における制御特性を、それぞれ示している。また、アクセルペダル64が踏み込まれた後、約0.5秒間は、係合切換装置10により、係合状態を切り換えている時間である。定常走行時には、車輌の負荷が軽いことからオーバドライブ状態で走行していることが多く、ここから加速が要求されると、駆動軸22に出力すべきトルクが大きな値になることから、アンダドライブ状態に切り換えることが多い。この間は、一定の割合でエンジン50の目標回転数を高くしていく制御を行なっている。
【0063】
図7(C)に示したように、係合切換装置10による切換が完了して、上記の手法によりエンジン50のエネルギの増加分ΔEeの決定、角加速度αeの演算が行なわれるようになると、エンジン50の回転数Neは、従来例より素早く上昇する。エンジン50の回転数Neが高くなってエンジン50が出力し得るエネルギが大きくなると、これを車輌の加速に振り向けることが可能なる。実際、図7(A)に示したように、係合切換装置10による係合状態の切換が完了した後の車輌の加速度は、切換直後のわずかな期間(0.3秒以下)では、従来例の方が高くなっているが、その後、本実施例による制御の方が高い加速性を示す。しかも、加速度は滑らかに変化している。車輌加速度が高くなった結果、車速は、図7(B)に示したように、結果的には従来例より短時間に高くなっている。したがって、本実施例と従来例とを比較すると、本実施例による制御の方が、加速を要求してからの車輌の加速感が改善され、ドライバビリティが改善されている。即ち、本実施例では、車載のバッテリ94が一時的に出力できる電力PBに関し、これをエンジン50の回転数Neの増加に用いる割合と、駆動軸22の回転数の上昇に用いる割合とを、逐次決定しており、限られたエネルギしか利用できない条件の下で、加速性能を最大限に引き出すことができる。
【0064】
なお、本実施例では、ドライバビリティを重視して、加速要求に応答して早い時点で車輌が加速するような特性を設定したが、上記エンジンの運動エネルギの増加分ΔEeを決定する式(9)は、種々の設定が可能である。本実施例のように、目標トルクが変更された直後には、エンジンの出力の増減に用いる割合が大きく、エンジンの回転数が増加するに従って該割合が漸減する特性とする場合でも、様々な手法が採用可能である。例えば式(9)に代えて、
ΔEe=G1(Pe,Pe*,PB)
=(1−Pe/Pe*)(Pe+PB) …(12)
を用いることもできる。また、時間の関数項を加えることもできる。目標トルクが高い値に変更された場合のみならず、低い値に変更された場合にも、適用することができる。即ち、エネルギ保存則の下で、エンジンの回転数の増加に用いるエネルギの割合と、駆動軸22の回転数の増加に用いるエネルギの割合とを、逐次決定する構成であれば良く、例えば初速の立ち上がりはゆっくりしていても、最高速に達するまでの時間を最も短くする仕様や、一旦車速が上昇し(使用できるエネルギの大半を駆動軸の回転数の増加に用いる)、その後、車速の増加は緩やかになり(使用できるエネルギの大半をエンジンの回転数の増加に用いる)、その上で車輌が再度大きく加速するという仕様など、所望のプロフィールを想定し、これに近い特性を実現することが可能である。なお、必ずしもドライバビリティの改善を目的としなくとも良く、例えば燃費や排気浄化性能を優先した動作特性に従って制御するものとしても良い。
【0065】
E.他の構成例:
以上、本発明の一つの実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様で実施することができる。例えば、上記実施例の2つのモータをエンジンに対して異なる結合の形態をとった構成(例えば特開平10−289021号公報、図11,図12、図15ないし図17に示された各構成)としても良い。また、エンジンの出力をプラネタリギヤを用いて分配するいわゆる機械分配式の構成(例えば特開平10−289021号公報、図19以下に示された各構成)を採用することも可能である。かかる構成の一例を図8に示した。図8に示した機械分配式の動力伝達装置20Aは、制御装置180の構成は第1実施例の制御装置80と同一なので、第2実施例の動力出力装置20Aの構成のうち第1実施例の動力出力装置20と同一の構成については、値100を加えた符号を付し、その説明は省略する。第1実施例と異なる構成について、即ちエンジン150からデファレンシャルギヤ114までの構成について、以下簡単に説明する。
【0066】
図8に示すように、この動力出力装置20Aは、大きくは、エンジン150、エンジン150のクランクシャフト156にプラネタリキャリア124が機械的に結合されたプラネタリギヤ120、プラネタリギヤ120のサンギヤ121に結合されたモータMG1、プラネタリギヤ120のリングギヤ122に結合されたモータMG2、およびモータMG1,MG2を駆動制御する制御装置180から構成されている。周知のように、プラネタリギヤは、サンギヤ、プラネタリキャリア、リングギヤのそれぞれに結合された3軸間において、2軸に入出力される動力が決定されると、他の1軸の回転数・トルクが決定されるという特性を有している。この特性を利用して、エンジン150から出力される動力を、そのまま駆動軸112に出力する動力と、モータMG1との間でやり取りされる動力とに分配している。
【0067】
プラネタリギヤ120のリングギヤ122には、動力の取り出し用の動力取出ギヤ128が結合されている。この動力取出ギヤ128は、チェーンベルト129により動力伝達ギヤ111に接続されており、動力取出ギヤ128と動力伝達ギヤ111との間で動力の伝達がなされる。この動力伝達ギヤ111はディファレンシャルギヤ114にギヤ結合されている。したがって、動力出力装置20Aから出力された動力は、最終的に左右の駆動輪に伝達される。
【0068】
モータMG1,MG2は、同期電動発電機として構成され、第1実施例のアシストモータと同一の構成を備える。これらのモータMG1,MG2は、発電機としても動作する。なお、サンギヤ軸には、その回転角度θsを検出するレゾルバ139が、リングギヤ軸には、その回転角度θrを検出するレゾルバ149が、それぞれ設けられている。これらの検出器は、直接には回転角度を検出しているが、回転角度を時間で微分することにより、回転角速度を検出することができることは、第1実施例と同様である。
【0069】
かかる構成を備えた車輌でも、第1実施例と同様、加速の要求が生じた場合には、バッテリに蓄えられた電力を用いて、エンジン150の運動エネルギの増加分ΔEeを逐次求め、エンジンの回転角加速度を決定してエンジン150を制御することは、第1実施例と同様である。したがって、機械分配式のハイブリッド車輌においても、第1実施例と同様、加速性を高め、ドライバビリティを改善することができる。もとより、加速性能だけでなく、所望の特性で加減速を行なうことが可能である。
【0070】
以上二つの構成を説明したが、本発明は、これらの構成に限定されるものではなく、例えば係合切換装置10が存在しない動力出力系を採用した構成、2つのモータのうちの一つを他の車軸に設けたいわゆる四輪駆動車の構成、車輌以外のアプリケーション、例えば航空機や船舶、あるいは工作機械などの動力源として用いた構成、など、
ΔEe+ΔEp=Pe+PB
なる関係を満たしている系であれば、いずれの構成であっても適用することができる。
【0071】
また、上述した実施例では、エンジン50として、ガソリンを噴射・爆発燃焼するタイプのいわゆるレシプロエンジンを用いたが、その他に、ロータリエンジン、ディーゼルエンジン、タービンエンジン、ジェットエンジンなど各種の内燃あるいは外燃機関を用いることができる。
【0072】
また、実施例で用いたクラッチモータ30やアシストモータ40には、PM形(永久磁石形;Permanent Magnet type)同期電動機を用いたが、その他にも、VR形(可変リラクタンス形;Variable Reluctance type)同期電動機や、バーニアモータや、直流電動機や、誘導電動機や、超電導モータや、ステップモータなどを用いることができる。
【0073】
本実施例では、第1および第2の駆動回路91,92としてトランジスタインバータを用いたが、その他に、IGBT(絶縁ゲートバイポーラモードトランジスタ;Insulated Gate Bipolar mode Transistor)インバータや、サイリスタインバータや、電圧PWM(パルス幅変調;Pulse Width Modulation)インバータや、方形波インバータ(電圧形インバータ,電流形インバータ)や、共振インバータなどを用いることもできる。
【0074】
また、バッテリ94としては、PBバッテリ,NiMHバッテリ,Liバッテリなどを用いることができるが、更にバッテリに代えて電気二重層コンデンサなどの大容量キャパシタを用いることもできる。フライホイールを用いたフライホイールバッテリも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての動力出力装置20の概略構成を示す構成図である。
【図2】実施例の動力出力装置20を組み込んだ車輌の概略構成を示す構成図である。
【図3】動力出力装置20の動作原理を説明するためのグラフである。
【図4】実施例の制御装置80により実行されるトルク制御ルーチンを例示するフローチャートである。
【図5】アクセルペダルポジションAPと回転数Ndとトルク指令値Td*との関係を例示するマップである。
【図6】エンジン50の動作特性を示すグラフである。
【図7】実施例における加速特性の一例を従来例との比較において示すグラフである。
【図8】第2実施例としての機械分配タイプの動力出力装置20Aの概略構成図である。
【符号の説明】
10…係合切換装置
11…アクチュエータ
20…動力出力装置
22…駆動軸
24…ディファレンシャルギヤ
26,28…駆動輪
30,40…モータ
30…クラッチモータ
32…アウタロータ
34…インナロータ
35…永久磁石
36…三相コイル
37…チェーン
38…スリップリング
39…レゾルバ
40…アシストモータ
42…ロータ
44…三相コイル
46…永久磁石
48…レゾルバ
50…エンジン
51…燃料噴射弁
52…燃焼室
54…ピストン
55…ダンパ
56…クランクシャフト
58…イグナイタ
60…ディストリビュータ
62…点火プラグ
64…アクセルペダル
64a…アクセルペダルポジションセンサ
65…ブレーキペダル
65a…ブレーキペダルポジションセンサ
66…スロットルバルブ
67…スロットルバルブポジションセンサ
68…アクチュエータ
70…EFIECU
72…吸気管負圧センサ
74…水温センサ
76…回転数センサ
78…回転角度センサ
79…スタータスイッチ
80…制御装置
82…シフトレバー
84…シフトポジションセンサ
90…制御CPU
90a…RAM
90b…ROM
91…第1の駆動回路
92…第2の駆動回路
94…バッテリ
95,96…電流検出器
97,98…電流検出器
99…残容量検出器

Claims (22)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    前記駆動軸に動力の少なくとも一部を直接出力する原動機と、
    該原動機から前記駆動軸への動力の伝達系において、前記駆動軸が出力する動力を増減するよう動力のやり取りを行なう第1の補助電動機と、
    前記第1の補助電動機と共に制御されて前記原動機の動作点を変更する第2の補助電動機と、
    第1,第2の補助電動機との間で電力のやり取りを行なう電力供給手段と、
    前記駆動軸の目標トルクが与えられたとき、前記電力供給手段がやり取りする電力を決定すると共に、該電力を、前記第1,第2の補助電動機とやり取りして駆動軸の出力トルクの増減に用いる割合と前記原動機の出力の増減に用いる割合とを、前記原動機の運転状態に応じて逐次決定する決定手段と、
    該決定された割合に基づいて、前記第1,第2の補助電動機および前記原動機を制御する制御手段と
    を備えた動力出力装置。
  2. 請求項1記載の動力出力装置であって、
    前記決定手段は、前記駆動軸の目標トルクが変更された直後には、前記原動機の出力の増減に用いる割合が大きく、前記原動機の回転数が増加するに従って該割合が漸減する特性として定められた
    動力出力装置。
  3. 前記原動機の運転状態を変更する場合に、該原動機を、燃費または排気浄化性能を優先した動作特性に従って制御する制御手段を備えた請求項1または請求項2記載の動力出力装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか記載の動力出力装置であって、
    前記電力供給手段は、電力の供給および蓄積が可能な二次電池であり、
    前記二次電池と少なくとも前記第1,第2の補助電動機との間で、電力のやり取りを行なう電力制御回路を備えた
    動力出力装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか記載の動力出力装置であって、
    前記第2の補助電動機は、前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に備えられ、互いに回転可能な対ロータを有する動力伝達用電動機であり、該動力伝達用電動機の一つのロータを前記原動機の出力軸に結合し、他のロータを前記駆動軸に結合し、
    前記第1の補助電動機、前記原動機の出力軸に結合した
    動力出力装置。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか記載の動力出力装置であって、
    前記第2の補助電動機は、前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に備えられ、互いに回転可能な対ロータを有する動力伝達用電動機であり、該動力伝達用電動機の一つのロータを前記原動機の出力軸に結合し、他のロータを前記駆動軸に結合し、
    前記第1の補助電動機を、前記駆動軸に結合した
    動力出力装置。
  7. 請求項1ないし請求項4のいずれか記載の動力出力装置であって、
    前記第2の補助電動機は、前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に備えられ、互いに回転可能な対ロータを有する動力伝達用電動機であり、該動力伝達用電動機の一つのロータを前記原動機の出力軸に結合し、他のロータを前記駆動軸に結合すると共に、
    前記第1の補助電動機と前記原動機の出力軸または前記駆動軸との結合の状態を切り換える結合状態切換手段を備えた
    動力出力装置。
  8. 請求項1ないし請求項4のいずれか記載の動力出力装置であって、
    前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、第1なし第3の回転軸を有し、該3軸のうちの2軸に入出力する動力が決まると残余の1軸の動力が定まる3軸式動力入出力手段を備え、
    該3軸式動力入出力手段の前記第1の回転軸に前記原動機の出力軸を結合し、該第2の回転軸に前記駆動軸を結合すると共に、該第3の回転軸には、前記第2の補助電動機を、前記電力供給手段との間で電力のやりとりを行なって運転される動力分配用電動機として結合し、
    更に、前記第1の補助電動機を、前記原動機の出力軸に結合した
    動力出力装置。
  9. 請求項1ないし請求項4のいずれか記載の動力出力装置であって、
    前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、第1なし第3の回転軸を有し、該3軸のうちの2軸に入出力する動力が決まると残余の1軸の動力が定まる3軸式動力入出力手段を備え、
    該3軸式動力入出力手段の前記第1の回転軸に前記原動機の出力軸を結合し、該第2の回転軸に前記駆動軸を結合すると共に、該第3の回転軸には、前記第2の補助電動機を、前記電力供給手段との間で電力のやりとりを行なって運転される動力分配用電動機として結合し、
    更に、前記第1の補助電動機を、前記駆動軸に結合した
    動力出力装置。
  10. 請求項1ないし請求項4のいずれか記載の動力出力装置であって、
    前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、第1なし第3の回転軸を有し、該3軸のうちの2軸に入出力する動力が決まると残余の1軸の動力が定まる3軸式動力入出力手段を備え、
    該3軸式動力入出力手段の前記第1の回転軸に前記原動機の出力軸を結合し、該第2の回転軸に前記駆動軸を結合すると共に、該第3の回転軸には、前記第2の補助電動機を、前記電力供給手段との間で電力のやりとりを行なって運転される動力分配用電動機として結合し、
    更に、前記第1の補助電動機と前記原動機の出力軸または前記駆動軸との結合の状態を切り換える結合状態切換手段を備えた
    動力出力装置。
  11. 駆動軸に動力の少なくとも一部を直接出力する原動機と、該原動機から前記駆動軸への動力の伝達系において前記駆動軸が出力する動力を増減するよう動力のやり取りを行なう第1の補助電動機と、該第1の補助電動機と共に制御されて前記原動機の動作点を変更する第2の補助電動機と、該第1,第2の補助電動機との間で電力のやり取りを行なう電力供給手段とを備えた動力出力装置を制御する方法であって、
    前記駆動軸の目標トルクが与えられたとき、前記電力供給手段がやり取りする電力を決定すると共に、該電力を、前記第1,第2の補助電動機とやり取りして駆動軸の出力トルクの増減に用いる割合と前記原動機の出力の増減に用いる割合とを、該原動機の運転状態に応じて逐次決定し、
    該決定された割合に基づいて、前記第1,第2の補助電動機および前記原動機を制御する
    動力出力制御方法。
  12. 動軸に動力の少なくとも一部を直接出力する原動機と、
    該原動機から前記駆動軸への動力の伝達系において、前記駆動軸が出力する動力を増減するよう動力のやり取りを行なう第1の補助電動機と、
    該第1の補助電動機と共に制御されて前記原動機の動作点を変更する第第2の補助電動機と、
    第1,第2の補助電動機との間で電力のやり取りを行なう電力供給手段と
    を備えたハイブリッド車輌であって、
    少なくと前記駆動軸の回転数とアクセルの操作量とから該駆動軸の目標トルクを求める目標トルク決定手段と、
    該求められた目標トルクと現在の駆動軸に出力されているトルクとの偏差に基づいて、前記電力供給手段がやり取り電力を決定すると共に、該電力を、前記第1,第2の補助電動機とやり取りして駆動軸の出力トルクの増減に用いる割合と、前記原動機の回転数の増減に用いる割合とを前記原動機の運転状態に応じて逐次決定する決定手段と、
    該決定された割合に基づいて、前記第1,第2の補助電動機および前記原動機を制御する制御手段と
    を備えたハイブリッド車輌。
  13. 請求項12記載のハイブリッド車輌であって、
    前記決定手段は、前記駆動軸の目標トルクが変更された直後には、前記原動機の回転数の増減に用いる割合が大きく、前記原動機の回転数が増加するに従って該割合が漸減する特性として定められた
    ハイブリッド車輌
  14. 前記原動機の運転状態を変更する場合に、該原動機を、燃費または排気浄化性能を優先した動作特性に従って制御する制御手段を備えた請求項12または請求項13記載のハイブリッド車輌
  15. 請求項12ないし請求項14のいずれか記載のハイブリッド車輌であって、
    前記電力供給手段は、電力の供給および蓄積が可能な二次電池であり、更に
    前記二次電池と少なくとも前記第1,第2の補助電動機との間で、電力のやり取りを行なう電力制御回路を備えた
    ハイブリッド車輌。
  16. 請求項12ないし請求項15のいずれか記載のハイブリッド車輌であって、
    前記第第2の補助電動機は、前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に備えられ、互いに回転可能な対ロータを有する動力伝達用電動機であり、該動力伝達用電動機の一つのロータを前記原動機の出力軸に結合し、他のロータを前記駆動軸に結合し、
    前記第1の補助電動機を、前記原動機の出力軸に結合した
    ハイブリッド車輌。
  17. 請求項12ないし請求項15のいずれか記載のハイブリッド車輌であって、
    前記第2の補助電動機は、前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に備えられ、互いに回転可能な対ロータを有する動力伝達用電動機であり、該動力伝達用電動機の一つのロータを前記原動機の出力軸に結合し、他のロータを前記駆動軸に結合し、
    前記第1の補助電動機を、前記駆動軸に結合した
    ハイブリッド車輌。
  18. 請求項12ないし請求項15のいずれか記載のハイブリッド車輌であって、
    前記第第2の補助電動機は、前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に備えられ、互いに回転可能な対ロータを有する動力伝達用電動機であり、該動力伝達用電動機の一つのロータを前記原動機の出力軸に結合し、他のロータを前記駆動軸に結合すると共に、
    前記第1の補助電動機と前記原動機の出力軸または前記駆動軸との結合の状態を切り換える結合状態切換手段を備えた
    ハイブリッド車輌。
  19. 請求項12ないし請求項15のいずれか記載のハイブリッド車輌であって、
    前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、第1なし第3の回転軸を有し、該3軸のうちの2軸に入出力する動力が決まると残余の1軸の動力が定まる3軸式動力入出力手段を備え、
    該3軸式動力入出力手段の前記第1の回転軸に前記原動機の出力軸を結合し、該第2の回転軸に前記駆動軸を結合すると共に、該第3の回転軸には、前記第2の補助電動機を、前記電力供給手段との間で電力のやりとりを行なって運転される動力分配用電動機として結合し、
    更に、前記第1の補助電動機を、前記原動機の出力軸に結合した
    ハイブリッド車輌。
  20. 請求項12ないし請求項15のいずれか記載のハイブリッド車輌であって、
    前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、第1なし第3の回転軸を有し、該3軸のうちの2軸に入出力する動力が決まると残余の1軸の動力が定まる3軸式動力入出力手段を備え、
    該3軸式動力入出力手段の前記第1の回転軸に前記原動機の出力軸を結合し、該第2の回転軸に前記駆動軸を結合すると共に、該第3の回転軸には、前記第2の補助電動機を、前記電力供給手段との間で電力のやりとりを行なって運転される動力分配用電動機として結合し、
    更に、前記第1の補助電動機を、前記駆動軸に結合した
    ハイブリッド車輌。
  21. 請求項12ないし請求項15のいずれか記載のハイブリッド車輌であって、
    前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、第1なし第3の回転軸を有し、該3軸のうちの2軸に入出力する動力が決まると残余の1軸の動力が定まる3軸式動力入出力手段を備え、
    該3軸式動力入出力手段の前記第1の回転軸に前記原動機の出力軸を結合し、該第2の回転軸に前記駆動軸を結合すると共に、該第3の回転軸には、前記第2の補助電動機を、前記電力供給手段との間で電力のやりとりを行なって運転される動力分配用電動機として結合し、
    更に、前記第1の補助電動機と前記原動機の出力軸または前記駆動軸との結合の状態を切り換える結合状態切換手段を備えた
    ハイブリッド車輌。
  22. 駆動軸に動力の少なくとも一部を直接出力する原動機と、該原動機から前記駆動軸への動力の伝達系において前記駆動軸が出力する動力を増減するよう動力のやり取りを行なう第1の補助電動機と、該第1の補助電動機と共に制御されて前記原動機の動作点を変更する第2の補助電動機と、該第1,第2の補助電動機との間で電力のやり取りを行なう電力供給手段とを備えたハイブリッド車輌を制御する方法であって、
    前記駆動軸の回転数とアクセルペダルの操作量とから目標トルクを求め、
    該求めた目標トルクに基づいて、前記原動機から最終的に出力すべき動力を求め、
    前記目標トルクと前記駆動軸の現在の出力トルクとの偏差に基づいて、前記電力供給手段がやり取りする電力を決定し、
    該電力を、前記第1,第2の補助電動機とやり取りして駆動軸の出力トルクの増減に用いる割合と前記原動機の回転数の増減に用いる割合とを、該原動機の現在出力されている動力と前記最終的に出力される動力との偏差に応じて逐次決定し、
    該決定された割合に基づいて、前記第1,第2の補助電動機および前記原動機を制御する
    ハイブリッド車輌の制御方法。
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