JPH10150702A - 動力出力装置 - Google Patents

動力出力装置

Info

Publication number
JPH10150702A
JPH10150702A JP32109296A JP32109296A JPH10150702A JP H10150702 A JPH10150702 A JP H10150702A JP 32109296 A JP32109296 A JP 32109296A JP 32109296 A JP32109296 A JP 32109296A JP H10150702 A JPH10150702 A JP H10150702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
power
shaft
output
drive shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP32109296A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3173397B2 (ja
Inventor
Hiroaki Urano
広暁 浦野
Norihiko Akao
憲彦 赤尾
Akihiko Kanamori
彰彦 金森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP32109296A priority Critical patent/JP3173397B2/ja
Publication of JPH10150702A publication Critical patent/JPH10150702A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3173397B2 publication Critical patent/JP3173397B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/70Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動軸への動力の出力に影響を与えず、部品
点数を増やさずに蓄電手段に蓄えられた電気エネルギを
消費して、蓄電手段の過充電を防止する。 【解決手段】 バッテリ94の残容量が満充電に近い所
定値以上のときには、第1クラッチ45や第2クラッチ
46の接続状態に基づいてクラッチモータ30かアシス
トモータ40のうち駆動していないモータを見いだす。
そして、見いだした駆動していないモータの三相コイル
にd軸電流(界磁電流)のみを流す。この結果、バッテ
リ94に蓄えられた電気エネルギをモータの銅損などに
よって消費することができる。しかも、モータの三相コ
イルにはq軸電流(トルク電流)は流されないから、モ
ータから駆動軸22やクランクシャフト56にトルクは
出力されず、駆動軸22への動力の出力に影響を与える
ことがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力出力装置に関
し、詳しくは、駆動軸に動力を出力する動力出力装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の動力出力装置としては、
車両に搭載される装置であって、原動機の出力軸と電動
機が取り付けられた駆動軸とを電磁継手により電磁的に
結合して原動機の動力を駆動軸に出力するものが提案さ
れている(例えば、特開昭53−133814号公報
等)。この動力出力装置では、電動機により車両の走行
を開始し、電動機の回転数が所定の回転数になったら、
電磁継手へ励磁電流を与えて原動機をクランキングする
と共に原動機への燃料供給や火花点火を行なって原動機
を始動する。原動機が始動した後は、原動機から出力さ
れる動力の一部を電磁継手による電磁的な結合を介して
駆動軸に出力して車両を走行させる。原動機から出力さ
れる動力の残余は、電磁継手の電磁的な結合の滑りに応
じた電力として回生され、走行の開始の際に用いられる
電力としてバッテリに蓄えられたり、電動機の駆動に必
要な電力として用いられる。電動機は、駆動軸に出力す
べき動力が電磁継手を介して出力される動力では不足す
るときに駆動され、この不足分を補う。また、電動機
は、車両を制動するときには発電機として動作し、駆動
軸の回転エネルギ(運動エネルギ)を電気エネルギとし
て回生し、バッテリを充電する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た動力出力装置では、車両の走行状態によっては、電磁
継手による原動機から出力される動力の駆動軸への出力
を行なうことができなくなったり、電動機から駆動軸へ
制動力を出力することができなくなったり、バッテリを
過充電して破損させてしまう場合を生じるという問題が
あった。電磁継手は、駆動軸へトルクを出力するときに
は電力の回生とを伴うから、回生された電力を消費する
ことができないと駆動軸へのトルクの出力も行なうこと
ができない。同様に、電動機から駆動軸へ制動力を出力
すると電力の回生を伴うから、回生された電力を消費す
ることができないと駆動軸へ制動力を出力することがで
きない。したがって、電磁継手による原動機から出力さ
れる動力の駆動軸への出力を長時間連続して行なった
り、電動機から駆動軸に制動力を作用させた状態で長い
下り坂を下ったりすると、バッテリが満充電されて電磁
継手や電動機により回生された電力を蓄える(消費す
る)ことができなくなり、電磁継手による原動機から出
力される動力の駆動軸への出力を行なうことができなく
なったり、電動機から駆動軸へ制動力を出力することが
できなくなってしまう。バッテリが満充電の状態となっ
ても、電磁継手による原動機から出力される動力の駆動
軸への出力や電動機による駆動軸への制動力の出力を無
理に行なうと、バッテリが過充電され、場合によって
は、バッテリが破損してしまう。
【0004】こうした問題に対して、電気エネルギを熱
として発散することにより消費するエネルギ消費用の抵
抗などを設け、バッテリが満充電のときには、バッテリ
に蓄えられた電気エネルギの一部をこの抵抗で消費する
ことも考えられるが、バッテリと抵抗との接続およびそ
の解除を行なう部品なども必要となり、動力出力装置を
構成する部品数を多くし装置を複雑なものにしてしま
う。
【0005】こうした問題は、原動機の出力軸と駆動軸
とを結合する電磁継手と駆動軸に取り付けられた電動機
とバッテリとを有する動力出力装置に限られず、電動機
とバッテリとがあれば同様に生じる。
【0006】本発明の動力出力装置は、駆動軸への動力
の出力に影響を与えず、部品点数を増やさずに、蓄電手
段に蓄えられた電気エネルギを消費して、蓄電手段の満
充電や過充電を防止するを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の動力出力装置は、上述の目的の少なくとも一部を
達成するために以下の手段を採った。
【0008】本発明の第1の動力出力装置は、駆動軸に
動力を出力する動力出力装置であって、前記駆動軸と動
力のやり取りが可能な電動機と、該電動機を駆動する電
動機駆動回路と、該電動機駆動回路を介して前記電動機
に電力の供給が可能な蓄電手段と、該蓄電手段の状態を
検出する状態検出手段と、前記電動機が駆動していない
ときに前記状態検出手段により検出された前記蓄電手段
の状態が所定の状態にあるとき、前記蓄電手段に蓄えら
れた電気エネルギの少なくとも一部が前記駆動軸へのト
ルクの出力なしに該電動機により消費されるよう前記電
動機駆動回路を制御する電力消費制御手段とを備えるこ
とを要旨とする。
【0009】この本発明の第1の動力出力装置は、駆動
軸と動力のやり取りが可能な電動機が駆動していない状
態で状態検出手段により検出された前記蓄電手段の状態
が所定の状態にあるときには、電力消費制御手段が、蓄
電手段に蓄えられた電気エネルギの少なくとも一部が駆
動軸へのトルクの出力なしに電動機により消費されるよ
う電動機を駆動する電動機駆動回路を制御する。なお、
ここでいう「動力」は、軸に作用するトルクとその軸の
回転数との積の形態で表わされるエネルギを意味する。
したがって、動力としてのエネルギの大きさが同じで
も、トルクと回転数とが異なれば、動力としての形態が
異なるから、異なる動力となる。また、「駆動していな
い」とは、電動機からトルクの出力を行なっていないこ
とをいい、ロータが回転していないときと回転している
ときの双方を含む。こうした「動力」や「駆動していな
い」の意味は、後述する第2の動力出力装置以降におい
ても同様である。
【0010】こうした本発明の第1の動力出力装置によ
れば、蓄電手段に蓄えられた電気エネルギの一部を駆動
軸へのトルクの出力なしに電動機により消費することが
できる。このため、蓄電手段に蓄えられた電気エネルギ
を消費するための他の部材を備える必要がない。したが
って、過充電によるバッテリの破損を防止することがで
きる。
【0011】本発明の第2の動力出力装置は、駆動軸に
動力を出力する動力出力装置であって、前記駆動軸に機
械的または電磁的に結合される出力軸を有する原動機
と、該原動機の出力軸と動力のやり取りが可能な電動機
と、該電動機を駆動する電動機駆動回路と、該電動機駆
動回路を介して前記電動機に電力の供給が可能な蓄電手
段と、該蓄電手段の状態を検出する状態検出手段と、前
記電動機が駆動していないときに前記状態検出手段によ
り検出された前記蓄電手段の状態が所定の状態にあると
き、前記蓄電手段に蓄えられた電気エネルギの少なくと
も一部が前記原動機の出力軸へのトルクの出力なしに該
電動機により消費されるよう前記電動機駆動回路を制御
する電力消費制御手段とを備えるものとすることもでき
【0012】この本発明の第2の動力出力装置は、駆動
軸に機械的または電磁的に結合される出力軸を有する原
動機が、出力軸に動力を出力することにより動力を駆動
軸に出力する。原動機の出力軸と動力のやり取りが可能
な電動機が駆動していない状態で状態検出手段により検
出された蓄電手段の状態が所定の状態にあるときには、
電力消費制御手段は、蓄電手段に蓄えられた電気エネル
ギの少なくとも一部が原動機の出力軸へのトルクの出力
なしに電動機により消費されるよう電動機を駆動する電
動機駆動回路を制御する。
【0013】こうした本発明の第2の動力出力装置によ
れば、蓄電手段に蓄えられた電気エネルギの一部を、原
動機の出力軸へのトルクの出力なしに、しかも原動機な
どの他の機器に影響を与えることなしに、電動機により
消費することができる。このため、蓄電手段に蓄えられ
た電気エネルギを消費するための他の部材を備える必要
がない。したがって、過充電によるバッテリの破損を防
止することができる。
【0014】これら本発明の第1または第2の動力出力
装置において、前記電力消費制御手段は、前記電動機へ
トルク電流は流さず界磁電流を流すよう制御する手段で
あるものとすることもできる。こうすれば、電動機から
トルクの出力なしに電動機により電気エネルギを消費す
ることができる。
【0015】本発明の第3の動力出力装置は、駆動軸に
動力を出力する動力出力装置であって、出力軸を有する
原動機と、前記出力軸に結合された第1のロータと、前
記駆動軸に結合され該第1のロータに対して相対的に回
転可能な第2のロータとを有し、該両ロータ間の電磁的
な結合を介して該出力軸と該駆動軸との間で動力のやり
取りをする第1の電動機と、該第1の電動機を駆動する
第1の電動機駆動回路と、前記出力軸または前記駆動軸
と動力のやり取りが可能な第2の電動機と、該第2の電
動機を駆動する第2の電動機駆動回路と、前記第1の電
動機への電力の供給と、前記第2の電動機への電力の供
給とが可能な蓄電手段と、該蓄電手段の状態を検出する
状態検出手段と、前記状態検出手段により検出された前
記蓄電手段の状態が所定の状態にあるとき、前記第1の
電動機と前記第2の電動機のうち駆動していない電動機
により前記蓄電手段に蓄えられた電気エネルギの少なく
とも一部が該駆動していない電動機から対応する前記出
力軸または前記駆動軸へのトルクの出力なしに消費され
るよう対応する前記第1の電動機駆動回路または前記第
2の電動機駆動回路を制御する電力消費制御手段とを備
えることを要旨とする。
【0016】この本発明の第3の動力出力装置は、原動
機の出力軸に結合された第1のロータと駆動軸に結合さ
れ第1のロータに対して相対的に回転可能な第2のロー
タとを有する第1の電動機が、第1の電動機駆動回路に
より制御されることで、第1および第2のロータ間の電
磁的な結合を介して原動機の出力軸と駆動軸との間で動
力のやり取りをする。第2の電動機は、第2の電動機駆
動回路により制御されることで、原動機の出力軸または
駆動軸と動力のやり取りを行なう。蓄状態検出手段によ
り検出された第1の電動機への電力の供給と第2の電動
機への電力の供給とが可能な蓄電手段の状態が所定の状
態にあるときには、電力消費制御手段は、第1の電動機
と第2の電動機のうち駆動していない電動機により蓄電
手段に蓄えられた電気エネルギの少なくとも一部がこの
駆動していない電動機から対応する原動機の出力軸また
は駆動軸へのトルクの出力なしに消費されるよう対応す
る電動機駆動回路を制御する。すなわち、電力消費制御
手段は、第1の電動機が駆動していない電動機に該当す
るときには第1の電動機駆動回路を、第2の電動機が駆
動していない電動機に該当するときには第2の電動機駆
動回路を制御し、第1の電動機と第2の電動機の双方が
駆動していない電動機に該当するときには、第1の電動
機駆動回路と第2の電動機駆動回路のうちのいずれか一
方あるいは双方を制御する。
【0017】こうした本発明の第3の動力出力装置によ
れば、蓄電手段に蓄えられた電気エネルギの一部を、原
動機の出力軸や駆動軸へのトルクの出力なしに、しかも
原動機や他の機器に影響を与えることなしに、第1の電
動機か第2の電動機のうち駆動していない電動機により
消費することができる。このため、蓄電手段に蓄えられ
た電気エネルギを消費するための他の部材を備える必要
がない。したがって、過充電によるバッテリの破損を防
止することができる。しかも、駆動していない電動機に
より原動機の出力軸や駆動軸へのトルクの出力なしに電
気エネルギを消費するから、駆動軸へ出力する動力に影
響を及ぼすことがない。
【0018】この本発明の第3の動力出力装置におい
て、前記出力軸および前記駆動軸とは異なり前記第2の
電動機のロータが結合された回転軸と、前記回転軸と前
記出力軸との機械的な接続と該接続の解除とを行なう第
1の接続手段と、前記回転軸と前記駆動軸との機械的な
接続と該接続の解除とを行なう第2の接続手段とを備
え、前記電力消費制御手段は、前記第1の接続手段およ
び前記第2の接続手段の接続状態に基づいて前記駆動し
ていない電動機を設定して制御する手段であるものとす
ることもできる。例えば、前記電力消費制御手段は、前
記第1の接続手段と前記第2の接続手段とが共に接続状
態にあるときには前記第1の電動機を前記駆動していな
い電動機として制御する手段であるものとしたり、前記
第1の接続手段と前記第2の接続手段とが共に接続の解
除された状態にあるときには前記第2の電動機を前記駆
動していない電動機として制御する手段であるものとし
たりすることもできる。
【0019】また、本発明の第3の動力出力装置におい
て、前記出力軸および前記駆動軸とは異なり前記第2の
電動機のロータが結合された回転軸と、前記回転軸と前
記出力軸との機械的な接続と該接続の解除とを行なう第
1の接続手段と、前記回転軸と前記駆動軸との機械的な
接続と該接続の解除とを行なう第2の接続手段とを備
え、前記電力消費制御手段は、前記第1の接続手段およ
び前記第2の接続手段の接続状態を所定の接続状態とす
ることにより前記第1の電動機と前記第2の電動機のう
ち駆動していない電動機を設定して制御する手段である
ものとすることもできる。例えば、前記電力消費制御手
段は、前記第1の接続手段と前記第2の接続手段とを共
に接続状態とすることにより前記第1の電動機を前記駆
動していない電動機として設定して制御する手段である
ものとしたり、前記第1の接続手段と前記第2の接続手
段とを共に接続の解除された状態とすることにより前記
第2の電動機を前記駆動していない電動機として設定し
て制御する手段であるものとすることもできる。
【0020】本発明の第4の動力出力装置は、駆動軸に
動力を出力する動力出力装置であって、出力軸を有する
原動機と、回転軸を有し、該回転軸に動力を入出力する
第1の電動機と、該第1の電動機を駆動する第1の電動
機駆動回路と、前記駆動軸または前記出力軸に動力を入
出力する第2の電動機と、該第2の電動機を駆動する第
2の電動機駆動回路と、前記駆動軸と前記出力軸と前記
回転軸とに各々結合される3軸を有し、該3軸のうちい
ずれか2軸へ動力が入出力されたとき、該入出力された
動力に基づいて定まる動力を残余の1軸へ入出力する3
軸式動力入出力手段と、前記第1の電動機への電力の供
給と、前記第2の電動機への電力の供給とが可能な蓄電
手段と、該蓄電手段の状態を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段により検出された前記蓄電手段の状態
が所定の状態にあるとき、前記第1の電動機と前記第2
の電動機のうち駆動していない電動機により前記蓄電手
段に蓄えられた電気エネルギの少なくとも一部が該駆動
していない電動機から前記3軸式動力入出力手段への動
力の入出力なしに消費されるよう対応する前記第1の電
動機駆動回路または前記第2の電動機駆動回路を制御す
る電力消費制御手段とを備えるものとすることもできる
【0021】この本発明の第4の動力出力装置は、回転
軸を有する第1の電動機が第1の電動機駆動回路によっ
て制御されることでこの回転軸に動力を入出力し、第2
の電動機が第2の電動機駆動回路によって制御されるこ
とで駆動軸または原動機の出力軸に動力を入出力する。
駆動軸と原動機の出力軸と第1の電動機の回転軸とに各
々結合される3軸を有する3軸式動力入出力手段は、こ
の3軸のうちいずれか2軸へ動力が入出力されたとき、
入出力された動力に基づいて定まる動力を残余の1軸へ
入出力する。状態検出手段により検出された第1の電動
機への電力の供給と第2の電動機への電力の供給とが可
能な蓄電手段の状態が所定の状態にあるときには、電力
消費制御手段は、第1の電動機と第2の電動機のうち駆
動していない電動機により蓄電手段に蓄えられた電気エ
ネルギの少なくとも一部がこの駆動していない電動機か
ら3軸式動力入出力手段への動力の入出力なしに消費さ
れるよう対応する電動機駆動回路を制御する。すなわ
ち、電力消費制御手段は、第1の電動機が駆動していな
い電動機に該当するときには第1の電動機駆動回路を、
第2の電動機が駆動していない電動機に該当するときに
は第2の電動機駆動回路を制御し、第1の電動機と第2
の電動機の双方が駆動していない電動機に該当するとき
には、第1の電動機駆動回路と第2の電動機駆動回路の
うちのいずれか一方あるいは双方を制御する。
【0022】こうした本発明の第4の動力出力装置によ
れば、蓄電手段に蓄えられた電気エネルギの一部を、3
軸式動力入出力手段への動力の入出力なしに、すなわち
原動機の運転に影響を与えることなしに第1の電動機か
第2の電動機のうち駆動していない電動機により消費す
ることができる。このため、蓄電手段に蓄えられた電気
エネルギを消費するための他の部材を備える必要がな
い。したがって、過充電によるバッテリの破損を防止す
ることができる。しかも、駆動していない電動機により
3軸式動力入出力手段への動力の入出力なしに電気エネ
ルギを消費するから、駆動軸へ出力する動力に影響を及
ぼすことがない。
【0023】これら本発明の第3または第4の動力出力
装置において、前記電力消費制御手段は、前記駆動して
いない電動機へトルク電流は流さず界磁電流を流すよう
制御する手段であるものとすることもできる。こうすれ
ば、駆動していない電動機からのトルクの出力なしにこ
の電動機により電気エネルギを消費することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例として
の動力出力装置20の概略構成を示す構成図、図2は実
施例の動力出力装置20を組み込んだ車両の概略構成を
示す構成図である。説明の都合上、まず図2を用いて、
車両全体の構成から説明する。
【0025】図2に示すように、この車両には、動力源
であるエンジン50としてガソリンにより運転されるガ
ソリンエンジンが備えられている。このエンジン50
は、吸気系からスロットルバルブ66を介して吸入した
空気と燃料噴射弁51から噴射されたガソリンとの混合
気を燃焼室52に吸入し、この混合気の爆発により押し
下げられるピストン54の運動をクランクシャフト56
の回転運動に変換する。ここで、スロットルバルブ66
はアクチュエータ68により開閉駆動される。点火プラ
グ62は、イグナイタ58からディストリビュータ60
を介して導かれた高電圧によって電気火花を形成し、混
合気はその電気火花によって点火されて爆発燃焼する。
【0026】このエンジン50の運転は、電子制御ユニ
ット(以下、EFIECUと呼ぶ)70により制御され
ている。EFIECU70には、エンジン50の運転状
態を示す種々のセンサが接続されている。例えば、スロ
ットルバルブ66の開度(ポジション)を検出するスロ
ットルバルブポジションセンサ67、エンジン50の負
荷を検出する吸気管負圧センサ72、エンジン50の水
温を検出する水温センサ74、ディストリビュータ60
に設けられクランクシャフト56の回転数と回転角度を
検出する回転数センサ76および回転角度センサ78な
どである。なお、EFIECU70には、この他、例え
ばイグニッションキーの状態STを検出するスタータス
イッチ79なども接続されているが、その他のセンサ,
スイッチなどの図示は省略した。
【0027】エンジン50のクランクシャフト56に
は、後述するクラッチモータ30およびアシストモータ
40を介して駆動軸22が結合されている。駆動軸22
は、ディファレンシャルギヤ24に結合されており、動
力出力装置20からのトルクは最終的に左右の駆動輪2
6,28に伝達される。このクラッチモータ30および
アシストモータ40は、制御装置80により制御されて
いる。制御装置80の構成は後で詳述するが、内部には
制御CPUが備えられており、シフトレバー82に設け
られたシフトポジションセンサ84やアクセルペダル6
4に設けられたアクセルペダルポジションセンサ64
a,ブレーキペダル65に設けられたブレーキペダルポ
ジションセンサ65aなども接続されている。また、制
御装置80は、上述したEFIECU70と通信によ
り、種々の情報をやり取りしている。これらの情報のや
り取りを含む制御については、後述する。
【0028】図1に示すように、実施例の動力出力装置
20は、エンジン50と、エンジン50のクランクシャ
フト56にインナロータ31が結合されると共に駆動軸
22にアウタロータ33が結合されたクラッチモータ3
0と、第1クラッチ45と第2クラッチ46とによりク
ランクシャフト56または駆動軸22に機械的にロータ
41が接続されるアシストモータ40と、クラッチモー
タ30およびアシストモータ40を駆動制御する制御装
置80とから構成されている。
【0029】クラッチモータ30は、図1に示すよう
に、インナロータ31の外周面に永久磁石32を備え、
アウタロータ33に形成されたスロットに三相のコイル
34を巻回する同期電動機として構成されている。この
三相コイル34への電力は、スリップリング35を介し
て供給される。アウタロータ33において三相コイル3
4用のスロットおよびティースを形成する部分は、無方
向性電磁鋼板の薄板を積層することで構成されている。
永久磁石32は、実施例では8個(N極,S極が各4
個)設けられており、インナロータ31の内周面に貼付
されている。その磁化方向はクラッチモータ30の軸中
心に向かう方向であり、一つおきに磁極の方向は逆向き
になっている。この永久磁石32と僅かなギャップによ
り対向するアウタロータ33の三相コイル34は、アウ
タロータ33に設けられた計12個のスロット(図示せ
ず)に巻回されており、各コイルに通電すると、スロッ
トを隔てるティースを通る磁束を形成する。各コイルに
三相交流を流すと、この磁界は回転する。三相コイル3
4の各々は、スリップリング35から電力の供給を受け
るよう接続されている。このスリップリング35は、駆
動軸22に固定された回転リング35aとブラシ35b
とから構成されている。なお、三相(U,V,W相)の
電流をやり取りするために、スリップリング35には三
相分の回転リング35aとブラシ35bとが用意されて
いる。
【0030】隣接する一組の永久磁石32が形成する磁
界と、アウタロータ33に設けられた三相コイル34が
形成する回転磁界との相互作用により、インナロータ3
1とアウタロータ33とは種々の振る舞いを示す。通常
は、三相コイル34に流す三相交流の周波数は、実施例
のクラッチモータ30が4極対の同期電動機として構成
されているから、クランクシャフト56に直結されたイ
ンナロータ31の回転数とアウタロータ33の回転数と
の偏差の4倍の周波数としている。
【0031】他方、アシストモータ40も同期電動機と
して構成されているが、回転磁界を形成する三相コイル
44は、ケース49に固定されたステータ43に巻回さ
れている。このステータ43も、無方向性電磁鋼板の薄
板を積層することで形成されている。ロータ41は、ク
ランクシャフト56と同軸の中空軸であるロータ回転軸
38に取り付けられており、ロータ41の外周面には、
複数個の永久磁石42が設けられている。アシストモー
タ40では、この永久磁石42により磁界と三相コイル
44が形成する磁界との相互作用により、ロータ41が
回転する。ロータ回転軸38は、アシストモータ40と
クラッチモータ30との間に配置された第1クラッチ4
5によりクランクシャフト56に機械的に接続されたり
その接続が解除されるようになっており、また、第2ク
ラッチ46によりクラッチモータ30のアウタロータ3
3を介して駆動軸22に機械的に接続されたりその接続
が解除されるようになっている。なお、第1クラッチ4
5および第2クラッチ46は、図示しない油圧回路によ
り動作するようになっている。
【0032】また、駆動軸22,ロータ回転軸38およ
びクランクシャフト56には、その回転角度θd,θ
r,θeを検出するレゾルバ37,47,57が設けら
れている。なお、クランクシャフト56の回転角度θe
を検出するレゾルバ57は、ディストリビュータ60に
設けられた回転角度センサ78と兼用することも可能で
ある。
【0033】クラッチモータ30とアシストモータ40
の配置は後述するようにエンジン50側からクラッチモ
ータ30,アシストモータ40とする配置も可能である
が、実施例の動力出力装置20のようにアシストモータ
40をエンジン50とクラッチモータ30とで挟持する
ように配置したのは、後述するようにアシストモータ4
0のみで車両を駆動する必要からクラッチモータ30に
比してアシストモータ40が大きくなるため、大きなア
シストモータ40をより大きなエンジン50に隣接させ
ることにより動力出力装置20をまとまりのあるものと
するためである。また、第1クラッチ45と第2クラッ
チ46の配置も後述するように種々の配置が可能である
が、実施例の動力出力装置20のようにアシストモータ
40とクラッチモータ30との間に配置したのは、これ
ら両クラッチ45,46は比較的小さいため、アシスト
モータ40とクラッチモータ30との間に生じる隙間に
入れて動力出力装置20をよりコンパクトなものとする
ためである。
【0034】次に、クラッチモータ30およびアシスト
モータ40を駆動制御する制御装置80について説明す
る。制御装置80は、クラッチモータ30を駆動する第
1の駆動回路91と、アシストモータ40を駆動する第
2の駆動回路92と、両駆動回路91,92を制御する
と共に第1クラッチ45および第2クラッチ46を駆動
制御する制御CPU90と、二次電池であるバッテリ9
4とから構成されている。制御CPU90は、1チップ
マイクロプロセッサであり、内部に、ワーク用のRAM
90a、処理プログラムを記憶したROM90b、入出
力ポート(図示せず)およびEFIECU70と通信を
行なうシリアル通信ポート(図示せず)を備える。この
制御CPU90には、レゾルバ37からの駆動軸22の
回転角度θd、レゾルバ47からのロータ回転軸38の
回転角度θr、レゾルバ57からのエンジン50の回転
角度θe、アクセルペダルポジションセンサ64aから
のアクセルペダルポジション(アクセルペダル64の踏
込量)AP、ブレーキペダルポジションセンサ65aか
らのブレーキペダルポジション(ブレーキペダル65の
踏込量)BP、シフトポジションセンサ84からのシフ
トポジションSP、第1クラッチ45および第2クラッ
チ46からの両クラッチのオン・オフ信号、第1の駆動
回路91に設けられた2つの電流検出器95,96から
のクラッチ電流値Iuc,Ivc、第2の駆動回路に設
けられた2つの電流検出器97,98からのアシスト電
流値Iua,Iva、バッテリ94の残容量を検出する
残容量検出器99からの残容量BRMなどが入力ポートを
介して入力されている。なお、残容量検出器99は、バ
ッテリ94の電解液の比重またはバッテリ94の全体の
重量を測定して残容量を検出するものや、充電・放電の
電流値と時間を演算して残容量を検出するものや、バッ
テリの端子間を瞬間的にショートさせて電流を流し内部
抵抗を測ることにより残容量を検出するものなどが知ら
れている。
【0035】また、制御CPU90からは、第1の駆動
回路91に設けられたスイッチング素子である6個のト
ランジスタTr1ないしTr6を駆動する制御信号SW
1、第2の駆動回路92に設けられたスイッチング素子
としての6個のトランジスタTr11ないしTr16を
駆動する制御信号SW2、第1クラッチ45および第2
クラッチ46を駆動する駆動信号などが出力されてい
る。第1の駆動回路91内の6個のトランジスタTr1
ないしTr6は、トランジスタインバータを構成してお
り、それぞれ、一対の電源ラインL1,L2に対してソ
ース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置され、
その接続点に、クラッチモータ30の三相コイル(UV
W)36の各々が、スリップリング35を介して接続さ
れている。電源ラインL1,L2は、バッテリ94のプ
ラス側とマイナス側に、それぞれ接続されているから、
制御CPU90により対をなすトランジスタTr1ない
しTr6のオン時間の割合を制御信号SW1により順次
制御し、各コイル34に流れる電流を、PWM制御によ
って擬似的な正弦波にすると、三相コイル34により、
回転磁界が形成される。
【0036】他方、第2の駆動回路92の6個のトラン
ジスタTr11ないしTr16も、トランジスタインバ
ータを構成しており、それぞれ、第1の駆動回路91と
同様に配置されていて、対をなすトランジスタの接続点
は、アシストモータ40の三相コイル44の各々に接続
されている。従って、制御CPU90により対をなすト
ランジスタTr11ないしTr16のオン時間を制御信
号SW2により順次制御し、各コイル44に流れる電流
を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相
コイル44により、回転磁界が形成される。
【0037】以上構成を説明した実施例の動力出力装置
20の動作について説明する。いま、第1クラッチ45
をオフとし第2クラッチ46をオンとした場合と、逆に
第1クラッチ45をオンとし第2クラッチ46をオフと
した場合を考える。前者は、ロータ回転軸38とクラン
クシャフト56との接続を解除すると共にロータ回転軸
38と駆動軸22とを接続する場合であり、図3の模式
図に示すように、アシストモータ40を駆動軸22に取
り付けた構成となり、後者は、ロータ回転軸38とクラ
ンクシャフト56とを接続すると共にロータ回転軸38
と駆動軸22との接続を解除する場合であり、図4の模
式図に示すように、アシストモータ40をクランクシャ
フト56に取り付けた構成となる。まず、前者(第1ク
ラッチ45をオフとし第2クラッチ46をオンとした場
合)の動作について説明し、次に後者(第1クラッチ4
5をオンとし第2クラッチ46をオフとした場合)の動
作について説明する。
【0038】実施例の動力出力装置20において第1ク
ラッチ45をオフとし第2クラッチ46をオンとした場
合の動作原理、特にトルク変換の原理は以下の通りであ
る。エンジン50がEFIECU70により運転され、
エンジン50が回転数Neで回転しており、駆動軸22
がこの回転数Neより小さな回転数Nd1で回転してい
るものとする。このとき、制御装置80がスリップリン
グ35を介してクラッチモータ30の三相コイル34に
何等電流を流していないとすれば、すなわち第1の駆動
回路91のトランジスタTr1ないしTr6が常時オフ
状態であれば、三相コイル34には何等の電流も流れな
いから、クラッチモータ30のインナロータ31とアウ
タロータ33とは電磁的に全く結合されていない状態と
なり、エンジン50のクランクシャフト56は空回りし
ている状態となる。この状態では、トランジスタTr1
ないしTr6がオフとなっているから、三相コイル34
からの回生も行なわれない。すなわち、エンジン50は
アイドル回転をしていることになる。
【0039】制御装置80の制御CPU90が制御信号
SW1を出力してトランジスタをオンオフ制御すると、
エンジン50のクランクシャフト56の回転数Neと駆
動軸22の回転数Nd1との偏差(言い換えれば、クラ
ッチモータ30におけるインナロータ31とアウタロー
タ33の回転数差Nc(Ne−Nd1))に応じて、ク
ラッチモータ30の三相コイル34に一定の電流が流
れ、クラッチモータ30は発電機として機能し、電流が
第1の駆動回路91を介して回生され、バッテリ94が
充電される。このとき、インナロータ31とアウタロー
タ33とは一定の滑りが存在する結合状態となり、クラ
ンクシャフト56からインナロータ31とアウタロータ
33との結合を介してトルクが駆動軸22に出力され
る。この状態で、クラッチモータ30により回生される
電気エネルギと等しいエネルギがアシストモータ40に
よって消費されるよう制御CPU90が第2の駆動回路
92を制御すると、アシストモータ40の三相コイル4
4に電流が流れ、アシストモータ40においてトルクが
発生する。
【0040】図5に照らせば、エンジン50が回転数N
1,トルクT1の運転ポイントP0で運転しているとき
に、クラッチモータ30でトルクTc(エンジン50か
ら出力されるトルクTe)を駆動軸22に出力すると共
にハッチングされた領域Pc1で表わされるエネルギを
回生し、この回生されたエネルギを領域Pa1で表わさ
れるエネルギとしてアシストモータ40に供給すること
により、駆動軸22を回転数Nd1,トルクTd1の運
転ポイントP1で回転させることができる。
【0041】次に、エンジン50は上述の回転数Neで
運転されているが、駆動軸22が回転数Neより大きな
回転数Nd2で回転している場合を考える。この状態で
は、クラッチモータ30のアウタロータ33は、インナ
ロータ31に対して回転数差Nc(Ne−Nd2)の絶
対値で示される回転数で駆動軸22の回転方向に回転す
るから、クラッチモータ30は、通常のモータとして機
能し、バッテリ94からの電力により駆動軸22に回転
エネルギを与える。一方、制御CPU90によりアシス
トモータ40により電力を回生するよう第2の駆動回路
92を制御すると、アシストモータ40のロータ41と
ステータ43との間の滑りにより三相コイル44に回生
電流が流れる。ここで、アシストモータ40により回生
される電力がクラッチモータ30により消費されるよう
制御CPU90により第1および第2の駆動回路91,
92を制御すれば、クラッチモータ30を、バッテリ9
4に蓄えられた電力を用いることなく駆動することがで
きる。
【0042】図6に照らせば、エンジン50が回転数N
eとトルクTeとで表わされる運転ポイントP0で運転
しているときに、ハッチングされた領域Pc2で表わさ
れるエネルギをクラッチモータ30に供給して駆動軸2
2にトルクTc(エンジン50の出力トルクTe)を出
力すると共に、クラッチモータ30に供給するエネルギ
を領域Pa2で表わされるエネルギとしてアシストモー
タ40から回生して賄うことにより、駆動軸22を回転
数Nd2,トルクTd2の運転ポイントP2で回転させ
ることができる。
【0043】なお、こうした第1クラッチ45をオフと
し第2クラッチ46をオンとした状態の動力出力装置2
0は、エンジン50から出力される動力のすべてをトル
ク変換して駆動軸22に出力する動作の他に、エンジン
50から出力される動力(トルクTeと回転数Neとの
積)と、クラッチモータ30により回生または消費され
る電気エネルギと、アシストモータ40により消費また
は回生される電気エネルギとを調節することにより、余
剰の電気エネルギを見い出してバッテリ94を放電する
動作としたり、不足する電気エネルギをバッテリ94に
蓄えられた電力により補う動作など種々の動作とするこ
ともできる。
【0044】一方、実施例の動力出力装置20において
第1クラッチ45をオンとし第2クラッチ46をオフと
した場合(図4の模式図)の動作原理(トルク変換の原
理)は以下の通りである。いま、エンジン50が回転数
Ne,トルクTeの運転ポイントP0で運転されてお
り、駆動軸22が回転数Neより小さな回転数Nd1で
回転しているとする。クランクシャフト56に取り付け
られたアシストモータ40からクランクシャフト56に
トルクTa(Ta=Td1−Te)を出力すれば、クラ
ンクシャフト56のトルクは値Td1(Te+Ta)と
なる。一方、クラッチモータ30のトルクTcを値Td
1(Te+Ta)として制御すれば、駆動軸22にこの
トルクTc(Te+Ta)が出力されると共に、エンジ
ン50の回転数Neと駆動軸22の回転数Nd1との回
転数差Ncに基づく電力が回生される。したがって、ア
シストモータ40のトルクTaをクラッチモータ30に
より回生される電力により丁度賄えるよう設定し、この
回生電力を電源ラインL1,L2を介して第2の駆動回
路92に供給すれば、アシストモータ40は、この回生
電力により駆動する。
【0045】図7に照らせば、エンジン50が回転数N
eとトルクTeとで表わされる運転ポイントP0で運転
しているときに、ハッチングされた領域Pa3で表わさ
れるエネルギをアシストモータ40に供給してクランク
シャフト56のトルクを値Td1とし、クラッチモータ
30によりこのトルクTd1(トルクTc)を駆動軸2
2に出力すると共に、アシストモータ40に供給するエ
ネルギを領域Pc3で表わされるエネルギとして回生す
ることにより、駆動軸22を回転数Nd2,トルクTd
2の運転ポイントP2で回転させることができる。
【0046】また、エンジン50は回転数Ne,トルク
Teの運転ポイントP0で運転されているが、駆動軸2
2が回転数Neより大きな回転数Nd2で回転している
ときを考える。このとき、アシストモータ40のトルク
TaをTd2−Teで求められる値として制御すれば、
アシストモータ40は回生制御され、エネルギ(電力)
をクランクシャフト56から回生する。一方、クラッチ
モータ30は、アウタロータ33がインナロータ31に
対して回転数差Nc(Ne−Nd2)の回転数で駆動軸
22の回転方向に相対的に回転するから、通常のモータ
として機能し、回転数差Ncに応じたエネルギを駆動軸
22に回転エネルギとして与える。したがって、アシス
トモータ40のトルクTaを、アシストモータ40によ
り回生される電力でクラッチモータ30により消費され
る電力を丁度賄えるよう設定すれば、クラッチモータ3
0は、アシストモータ40により回生される電力により
駆動する。
【0047】図8に照らせば、エンジン50が回転数N
eとトルクTeとで表わされる運転ポイントP0で運転
しているときに、ハッチングされた領域Pa4で表わさ
れるエネルギをアシストモータ40により回生し、この
回生したエネルギを領域Pc4で表わされるエネルギと
してクラッチモータ30に供給することにより、クラッ
チモータ30によりトルクTc(トルクTd2)が駆動
軸22に出力され、駆動軸22を回転数Nd2,トルク
Td2の運転ポイントP2で回転させることができる。
【0048】なお、こうした第1クラッチ45をオンと
し第2クラッチ46をオフとした状態の動力出力装置2
0でも、エンジン50から出力される動力のすべてをト
ルク変換して駆動軸22に出力する動作の他に、エンジ
ン50から出力される動力(トルクTeと回転数Neと
の積)と、クラッチモータ30により回生または消費さ
れる電気エネルギと、アシストモータ40により消費ま
たは回生される電気エネルギとを調節することにより、
余剰の電気エネルギを見い出してバッテリ94を放電す
る動作としたり、不足する電気エネルギをバッテリ94
に蓄えられた電力により補う動作など種々の動作とする
ことができる。
【0049】このほか、実施例の動力出力装置20で
は、第1クラッチ45および第2クラッチ46を共にオ
ンとしたり、共にオフとしたりすることもできる。両ク
ラッチ45,46を共にオンとすれば、アシストモータ
40のロータ41が取り付けられているロータ回転軸3
8がクランクシャフト56と駆動軸22とに機械的に接
続されてクラッチモータ30が機能しない状態となり、
図9の模式図に示すように、アシストモータ40のロー
タ41にクランクシャフト56と駆動軸22とを接続し
ただけの構成と同一の状態となる。この状態では、エン
ジン50から出力される動力は、そのまま駆動軸22に
出力されることになる。そして、駆動軸22には、アシ
ストモータ40から出力される動力が加減されることに
なる。
【0050】一方、両クラッチ45,46を共にオフと
すれば、アシストモータ40のロータ41が取り付けら
れているロータ回転軸38はクランクシャフト56との
接続も駆動軸22との接続も解除された状態となり、図
10の模式図に示すように、クランクシャフト56にク
ラッチモータ30のインナロータ31が接続され駆動軸
22にクラッチモータ30のアウタロータ33が接続さ
れただけの構成と同一の状態になる。この状態では、エ
ンジン50から出力される動力は、クラッチモータ30
のインナロータ31とアウタロータ33との電磁的な結
合により駆動軸22に出力される。そして、それと同時
に、インナロータ31とアウタロータ33との回転数差
Ncに応じた電力がクラッチモータ30により回生また
は消費されることになる。
【0051】次に、実施例の動力出力装置20が備える
バッテリ94が満充電とならないようにする処理につい
て図11および図12に例示するバッテリ放電制御ルー
チンに基づき説明する。本ルーチンは、車両の運転が開
始されてから所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰
り返し実行される。
【0052】本ルーチンが実行されると、制御装置80
の制御CPU90は、まず、残容量検出器99により検
出されるバッテリ94の残容量BRMを読み込み(ステッ
プS100)、読み込んだバッテリ94の残容量BRMを
閾値Brefと比較する(ステップS102)。ここ
で、閾値Brefは、バッテリ94の残容量BRMの適正
な範囲の上限値であり、バッテリ94の種類や容量,バ
ッテリ94の使用の仕方などによって定められる。読み
込んだバッテリ94の残容量BRMが閾値Bref未満の
ときには、バッテリ94の残容量BRMは適正な範囲にあ
ると判断して本ルーチンを終了する。
【0053】一方、バッテリ94の残容量BRMが閾値B
ref以上のときには、バッテリ94の放電が必要と判
断して、以下の放電処理を行なう。放電処理は、まず、
第1クラッチ45および第2クラッチ46の接続状態を
読み込む処理を行なう(ステップS104)。実施例で
は、両クラッチの接続状態を記憶する図示しない処理ル
ーチンによりその接続状態が変更される毎にその変更さ
れた接続状態がRAM90aの所定アドレスに書き込ま
れるから、両クラッチ45,46の接続状態の読み込み
は、RAM90aの所定アドレスに書き込まれているデ
ータを読み込むことによって行なわれる。
【0054】両クラッチ45,46が共にオン、すなわ
ち実施例の動力出力装置20が図9の模式図の構成とし
て動作しているときには、クラッチモータ30のd軸電
流指令値Idc*に所定値Iscを、q軸電流指令値I
qc*に値0を、それぞれ設定し(ステップS10
8)、設定した値の電流がクラッチモータ30の三相コ
イル34に流れるようクラッチモータ30の制御を行な
う(ステップS110)。ここで、d軸電流指令値Id
c*とq軸電流指令値Iqc*は、それぞれクラッチモ
ータ30の界磁電流とトルク電流の指令値である。ただ
し、クラッチモータ30は、上述したように同期電動機
として構成されているから、d軸電流指令値Idc*と
して設定される電流は、弱め界磁電流として作用するも
のとなる。このようにd軸電流指令値Idc*とq軸電
流指令値Iqc*とを設定してクラッチモータ30を制
御することにより、クラッチモータ30は、トルクは出
力しないが銅損等により電力を消費するよう動作する。
上述したように、クラッチモータ30は両クラッチ4
5,46により回転できないように固定されているか
ら、q軸電流指令値Iqc*に値0以外の値を設定して
トルク電流を流しクラッチモータ30からトルクを出力
しても、クラッチモータ30は回転せず動力出力装置2
0の動作には影響を与えない。しかし、この場合、両ク
ラッチ45,46の磨耗や滑り等に対応するために、両
クラッチ45,46の強度を高くすると共に大型化する
必要が生じる。したがって、q軸電流指令値Iqc*を
値0とすることにより、両クラッチ45,46を磨耗し
たり大型化の必要なしにバッテリ94に蓄えられた電気
エネルギをクラッチモータ30で消費することができ
る。なお、実施例では、クラッチモータ30の制御を本
ルーチンのステップとして記載したが、実際には、この
制御は本ルーチンとは別個独立に行なわれる。例えば、
制御CPU90が割り込み処理を利用して、クラッチモ
ータ30の制御を本ルーチンとは異なるタイミングで平
行して実行するのである。クラッチモータ30の制御
は、図13に例示するクラッチモータ制御ルーチンに基
づいて行なわれる。以下にクラッチモータ30の制御に
ついて簡単に説明する。
【0055】図13のクラッチモータ制御ルーチンが実
行されると、制御装置80の制御CPU90は、まず、
駆動軸22の回転角度θdをレゾルバ37から、エンジ
ン50のクランクシャフト56の回転角度θeをレゾル
バ57から入力する処理を行ない(ステップS140,
S142)、クラッチモータ30の電気角θcを両軸の
回転角度θe,θdから求める処理を行なう(ステップ
S144)。実施例では、クラッチモータ30として4
極対の同期電動機を用いているから、θc=4(θe−
θd)を演算することになる。
【0056】次に、電流検出器95,96により、クラ
ッチモータ30の三相コイル36のU相とV相に流れて
いる電流Iuc,Ivcを検出する処理を行なう(ステ
ップS146)。電流はU,V,Wの三相に流れている
が、その総和はゼロなので、二つの相に流れる電流を測
定すれば足りる。こうして得られた三相の電流を用いて
座標変換(三相−二相変換)を行なう(ステップS14
8)。座標変換は、永久磁石型の同期電動機のd軸,q
軸の電流値に変換することであり、次式(1)を演算す
ることにより行なわれる。ここで座標変換を行なうの
は、永久磁石型の同期電動機においては、d軸及びq軸
の電流が、トルクを制御する上で本質的な量だからであ
る。もとより、三相のまま制御することも可能である。
【0057】
【数1】
【0058】次に、2軸の電流値に変換した後、ステッ
プSS108で設定された各軸の電流指令値Idc*,
Iqc*と実際各軸に流れた電流Idc,Iqcと偏
差、すなわち、所定値Iscと電流Idcとの偏差およ
び値0と電流Iqcとの偏差を求め、求めた偏差に基づ
いて各軸の電圧指令値Vdc,Vqcを求める処理を行
なう(ステップS150)。即ち、まず以下の式(2)
の演算を行ない、次に次式(3)の演算を行なうのであ
る。ここで、Kp1,2及びKi1,2は、各々係数で
ある。これらの係数は、適用するモータの特性に適合す
るよう調整される。なお、電圧指令値Vdc,Vqc
は、電流指令値I*との偏差△Iに比例する部分(式
(3)右辺第1項)と偏差△Iのi回分の過去の累積分
(右辺第2項)とから求められる。
【0059】
【数2】
【0060】
【数3】
【0061】その後、こうして求めた電圧指令値をステ
ップS148で行なった変換の逆変換に相当する座標変
換(二相−三相変換)を行ない(ステップS152)、
実際に三相コイル36に印加する電圧Vuc,Vvc,
Vwcを求める処理を行なう。各電圧は、次式(4)に
より求める。
【0062】
【数4】
【0063】実際の電圧制御は、第1の駆動回路91の
トランジスタTr1ないしTr6のオンオフ時間により
なされるから、式(4)によって求めた各電圧指令値と
なるよう各トランジスタTr1ないしTr6のオン時間
をPWM制御する(ステップS144)。
【0064】こうしたクラッチモータ制御ルーチンは、
インナロータ31とアウタロータ33とに相対的な回転
が生じているときには、所定時間毎(例えば、4mse
c毎)に実行されるが、今、両クラッチ45,46が共
にオンとされてインナロータ31とアウタロータ33と
が相対的に回転できない状態となっているから、両クラ
ッチ45,46に滑りが生じない限り、一度実行して各
電圧指令値Vuc,Vvc,Vwcを求めれば、d軸電
流指令値Idc*やq軸電流指令値Iqc*に変更があ
るまで値を保持すればよい。もとより、インナロータ3
1とアウタロータ33とに相対的な回転が生じていると
きと同様に所定時間毎に本ルーチンを繰り返し実行する
ものとしてもよい。
【0065】図11のバッテリ放電制御ルーチンのステ
ップS106で、両クラッチ45,46が共にオフ、す
なわち実施例の動力出力装置20が図10の模式図の構
成として動作していると判断されると、アシストモータ
40のd軸電流指令値Ida*に所定値Isaを、q軸
電流指令値Iqa*に値0を、それぞれ設定し(ステッ
プS112)、設定した値の電流がアシストモータ40
の三相コイル44に流れるようアシストモータ40の制
御を行なう(ステップS114)。ここで、d軸電流指
令値Ida*とq軸電流指令値Iqa*は、それぞれア
シストモータ40の界磁電流とトルク電流の指令値であ
り、d軸電流指令値Ida*として設定された電流が弱
め界磁電流として作用するものとなるのはクラッチモー
タ30の場合と同様にアシストモータ40が同期電動機
として構成されているからである。このようにd軸電流
指令値Ida*とq軸電流指令値Iqa*とを設定して
アシストモータ40を制御することにより、アシストモ
ータ40は、トルクは出力しないが銅損等により電力を
消費するよう動作する。なお、実施例では、アシストモ
ータ40の制御を本ルーチンのステップとして記載した
が、クラッチモータ30の制御と同様に本ルーチンとは
別個独立に行なわれる。アシストモータ40の制御は、
図14に例示するアシストモータ制御ルーチンに基づい
て行なわれる。以下にアシストモータ40の制御につい
て簡単に説明する。
【0066】図14のアシストモータ制御ルーチンが実
行されると、制御装置80の制御CPU90は、まず、
レゾルバ47により検出されるロータ回転軸38の回転
角度θrを入力する処理を行ない(ステップS16
0)、アシストモータ40の電気角θaを計算する処理
を行なう(ステップS162)。実施例では、アシスト
モータ40として4極対の同期電動機を用いているか
ら、θa=4θrを計算することになる。
【0067】続いて、アシストモータ40の各相電流を
電流検出器97,98を用いて検出する処理(ステップ
S164)を行なう。その後、図13のクラッチモータ
制御ルーチンのステップS148ないしS152の処理
と同様の座標変換(ステップS166)および電圧指令
値Vda,Vqaの演算を行ない(ステップS16
8)、更に電圧指令値の逆座標変換(ステップS17
0)を行なって、アシストモータ40の第2の駆動回路
92のトランジスタTr11ないしTr16のオンオフ
制御時間を求め、PWM制御を行なう(ステップS17
2)。
【0068】こうしたアシストモータ制御ルーチンもロ
ータ41が回転しているときには、所定時間毎(例え
ば、4msec毎)に実行されるが、今、両クラッチ4
5,46が共にオフとされてロータ41は回転していな
いから、一度実行して各電圧指令値Vua,Vva,V
waを求めれば、d軸電流指令値Ida*やq軸電流指
令値Iqa*に変更があるまで値を保持すればよい。も
とより、ロータ41が回転しているときと同様に所定時
間毎に本ルーチンを繰り返し実行するものとしてもよ
い。実施例では、アシストモータ40のq軸電流指令値
Iqa*に値0を設定したが、アシストモータ40のロ
ータ41が取り付けられたロータ回転軸38は両クラッ
チ45,46がオフされており、アシストモータ40か
らトルクを出力してもロータ回転軸38は空回りするだ
けだから、q軸電流指令値Iqa*に値0以外の値を設
定しアシストモータ40からトルクを出力するものとし
てもかまわない。この場合、ロータ41は回転するか
ら、アシストモータ制御ルーチンは、所定時間毎に繰り
返し実行する必要がある。
【0069】次に、図11のバッテリ放電制御ルーチン
のステップS106で第1クラッチ45か第2クラッチ
46の一方がオンで一方がオフ、すなわち実施例の動力
出力装置20が図3の模式図の構成か図4の模式図の構
成として動作していると判断されたときの処理について
図12のフローチャートに基づき説明する。この場合、
制御装置80の制御CPU90は、まず、クラッチモー
タ30のトルク指令値Tc*とアシストモータ40のト
ルク指令値Ta*とを読み込み(ステップS116)、
両トルク指令値Tc*,Ta*が値0であるか否かを判
定する(ステップS118)。ここで、クラッチモータ
30のトルク指令値Tc*やアシストモータ40のトル
ク指令値Ta*は、図示しないトルク制御ルーチンによ
りアクセルペダル64の踏込量やブレーキペダル65の
踏込量,エンジン50の効率等に基づいてエンジン50
から出力される動力が効率よくトルク変換されて駆動軸
22に出力されるよう設定され、RAM90aの所定ア
ドレスに書き込まれるものであり、その値に基づいてク
ラッチモータ30やアシストモータ40が駆動制御され
る。したがって、両トルク指令値Tc*,Ta*の読み
込みは、RAM90aの所定アドレスに書き込まれたデ
ータを読み込む処理となる。
【0070】ステップS118でトルク指令値Tc*が
値0でトルク指令値Ta*が値0でないと判定されたと
きには、クラッチモータ30は駆動していないと判断
し、第1クラッチ45と第2クラッチ46とが共にオン
のときと同様に、クラッチモータ30のd軸電流指令値
Idc*に所定値Iscを、q軸電流指令値Iqc*に
値0を、それぞれ設定し(ステップS120)、設定し
た値の電流がクラッチモータ30の三相コイル34に流
れるようクラッチモータ30の制御を行なう(ステップ
S122)。このクラッチモータ30の制御も図13の
クラッチモータ制御ルーチンにより行なわれるが、通
常、インナロータ31とアウタロータ33とは相対的に
回転しているから、クラッチモータ制御ルーチンは所定
時間毎に繰り返し行なう必要がある。このルーチンにつ
いては説明したので、その説明は省略する。このように
d軸電流指令値Idc*とq軸電流指令値Iqc*とを
設定してクラッチモータ30を制御することにより、ク
ラッチモータ30は、トルクは出力しないが銅損等によ
り電力を消費するよう動作する。
【0071】ステップS118でトルク指令値Tc*が
値0でなくトルク指令値Ta*が値0であると判定され
たときには、アシストモータ40は駆動していないと判
断し、第1クラッチ45と第2クラッチ46とが共にオ
フのときと同様に、アシストモータ40のd軸電流指令
値Ida*に所定値Isaを、q軸電流指令値Iqa*
に値0を、それぞれ設定し(ステップS124)、設定
した値の電流がアシストモータ40の三相コイル44に
流れるようアシストモータ40の制御を行なう(ステッ
プS126)。この場合、両クラッチ45,46が共に
オフの場合と違って、ロータ回転軸38はクランクシャ
フト56か駆動軸22に機械的に結合されており、アシ
ストモータ40からトルクの出力を行なうと駆動軸22
への動力の出力に影響を及ぼすから、q軸電流指令値I
qa*に値0以外の値を設定することはできない。アシ
ストモータ40の制御は、図14のアシストモータ制御
ルーチンにより行なうことができる。このルーチンにつ
いても説明したので、その説明は省略する。このように
d軸電流指令値Ida*とq軸電流指令値Iqa*とを
設定してアシストモータ40を制御することにより、ア
シストモータ40は、トルクは出力しないが銅損等によ
り電力を消費するよう動作する。
【0072】ステップS118でトルク指令値Tc*と
トルク指令値Ta*とが共に値0であると判定されたと
きには、クラッチモータ30もアシストモータ40も駆
動していないと判断し、両モータのd軸電流指令値Id
c*,Ida*に所定値Isc,Isaを、q軸電流指
令値Iqc*,Iqa*に値0を、それぞれ設定し(ス
テップS128およびS130)、設定した値の電流が
クラッチモータ30の三相コイル34およびアシストモ
ータ40の三相コイル44に流れるようクラッチモータ
30とアシストモータ40の制御を行なう(ステップS
132およびS134)。なお、クラッチモータ30と
アシストモータ40の制御は、上述した図13のクラッ
チモータ制御ルーチンと図14のアシストモータ制御ル
ーチンとにより実行される。このようにd軸電流指令値
Idc*,Ida*とq軸電流指令値Iqc*,Iqa
*とを設定してクラッチモータ30とアシストモータ4
0とを制御することにより、クラッチモータ30とアシ
ストモータ40は、共にトルクは出力しないが銅損等に
より電力を消費するよう動作する。実施例では、両モー
タのd軸電流指令値Idc*,Ida*に所定値Is
c,Isaを、q軸電流指令値Iqc*,Iqa*に値
0をそれぞれ設定してクラッチモータ30とアシストモ
ータ40とによりバッテリ94に蓄えられた電気エネル
ギを消費するものとしたが、クラッチモータ30かアシ
ストモータ40のいずれか一方によりバッテリ94に蓄
えられた電気エネルギを消費するものとしてもよい。
【0073】以上説明した実施例の動力出力装置20に
よれば、バッテリ94に蓄えられた電気エネルギをクラ
ッチモータ30かアシストモータ40のうち駆動してい
ないモータにより消費することができる。この結果、バ
ッテリ94の残容量BRMを所望の範囲内にすることがで
き、バッテリ94が満充電となってクラッチモータ30
やアシストモータ40の駆動を妨げたり、バッテリ94
を過充電して破損させたりする不都合を防止することが
できる。バッテリ94に蓄えられた電気エネルギをクラ
ッチモータ30かアシストモータ40のうち駆動してい
ないモータにより消費するから、バッテリ94に蓄えら
れた電気エネルギを消費するための電気的負荷、例えば
電力を熱として消費する抵抗などを設ける必要がない。
【0074】しかも、駆動軸22やクランクシャフト5
6へのトルクの出力なし行なうから、エンジン50の運
転や他の機器の運転に影響を与えることがない。この結
果、駆動軸22への動力の出力に影響を及ぼすこともな
い。また、トルクの出力がないから第1クラッチ45や
第2クラッチ46を破損させることもない。さらに、第
1クラッチ45と第2クラッチ46の接続状態に基づい
てバッテリ94に蓄えられた電気エネルギを消費するモ
ータを判断してバッテリ94の放電処理を行なうから、
第1クラッチ45や第2クラッチ46の接続状態を変更
する必要がない。
【0075】実施例の動力出力装置20では、バッテリ
94の放電制御が必要と判断したときには、第1クラッ
チ45と第2クラッチ46の接続状態に基づいて駆動し
ていないモータを選択し、選択したモータによりバッテ
リ94に蓄えられた電気エネルギを消費したが、バッテ
リ94の放電制御が必要と判断したときには、第1クラ
ッチ45と第2クラッチ46とを所定の接続状態として
駆動しない電動機を設定し、このモータによりバッテリ
94に蓄えられた電気エネルギを消費するものとしても
よい。例えば、第1クラッチ45と第2クラッチ46と
を共にオンとして動力出力装置20を図9の模式図の構
成とし、クラッチモータ30によりバッテリ94に蓄え
られた電気エネルギを消費したり、第1クラッチ45と
第2クラッチ46とを共にオフとして動力出力装置20
を図10の模式図の構成とし、アシストモータ40によ
りバッテリ94に蓄えられた電気エネルギを消費するも
のとしてもよい。
【0076】実施例の動力出力装置20では、第1クラ
ッチ45と第2クラッチ46と備えることによりアシス
トモータ40をクランクシャフト56や駆動軸22に取
り付けたり取り外したりできる構成としたが、第1クラ
ッチ45や第2クラッチ46を備えず、図15の変形例
の動力出力装置20Bのように駆動軸22にアシストモ
ータ40Bを取り付けるものや、図16の変形例の動力
出力装置20Cのようにクランクシャフト56にアシス
トモータ40Cを取り付けるものとしてもよい。これら
の変形例の動力出力装置20B,20Cであっても、第
1クラッチ45と第2クラッチ46のうち一方がオンで
一方がオフのときのバッテリ94の放電制御(図12の
ステップS116ないしS134)を行なうことは可能
である。
【0077】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【0078】例えば、上述した実施例の動力出力装置2
0では、エンジン50としてガソリンにより運転される
ガソリンエンジンを用いたが、その他に、ディーゼルエ
ンジンや、タービンエンジンや、ジェットエンジンなど
各種の内燃或いは外燃機関を用いることもできる。
【0079】また、実施例の動力出力装置20では、ク
ラッチモータ30およびアシストモータ40としてPM
形(永久磁石形;Permanent Magnet type)同期電動機
を用いていたが、d軸電流とq軸電流とにより制御可能
な電動機であれば如何なる電動機でもよく、VR形(可
変リラクタンス形;Variable Reluctance type)同期電
動機や、バーニアモータや、直流電動機や、誘導電動機
や、超電導モータや、ステップモータなどを用いること
もできる。
【0080】さらに、実施例の動力出力装置20では、
クラッチモータ30に対する電力の伝達手段として回転
リング35aとブラシ35bとからなるスリップリング
35を用いたが、回転リング−水銀接触、磁気エネルギ
の半導体カップリング、回転トランス等を用いることも
できる。
【0081】あるいは、実施例の動力出力装置20で
は、第1および第2の駆動回路91,92としてトラン
ジスタインバータを用いたが、その他に、IGBT(絶
縁ゲートバイポーラモードトランジスタ;Insulated Ga
te Bipolar mode Transistor)インバータや、サイリス
タインバータや、電圧PWM(パルス幅変調;Pulse Wi
dth Modulation)インバータや、方形波インバータ(電
圧形インバータ,電流形インバータ)や、共振インバー
タなどを用いることもできる。
【0082】上述したように、本発明は、バッテリに蓄
えられた電気エネルギを駆動していない電動機により原
動機の出力軸や駆動軸にトルクの出力なしに消費できれ
ばよいから、例えば図17に例示する動力出力装置12
0のような構成にも適用できる。変形例の動力出力装置
120は、エンジンEGと、エンジンEGのクランクシ
ャフトCSとディファレンシャルギヤDGを介して駆動
輪AHに結合される駆動軸DSと回転軸RSとを動力の
入出力軸とするプラネタリギヤPGと、回転軸RSに取
り付けられた発電可能なモータMG1と、駆動軸DSに
取り付けられた発電可能なモータMG2と、モータMG
1,MG2に電力を供給可能なバッテリBTと、エンジ
ンEGやモータMG1,MG2を駆動制御する車両コン
トローラCCとを備え、エンジンEGから出力される動
力をプラネタリギヤPGとモータMG1とモータMG2
とにより所望の動力にトルク変換を行なう。こうした変
形例の動力出力装置120では、車両が止まっていると
きや、エンジンEGの運転を停止した状態でモータMG
2から駆動軸DSに動力を入出力しているとき、あるい
はエンジンEGから出力される動力をモータMG1によ
りトルク調整するだけでモータMG2を駆動せずに駆動
軸DSに動力を出力しているときのように、モータMG
1かモータMG2が駆動していない状態のときがある。
これらの状態のときには、駆動していないモータを用い
てバッテリBTに蓄えられた電気エネルギをトルクの出
力なしに消費することができる。なお、変形例の動力出
力装置120では、駆動軸DSにモータMG2を取り付
けたが、クランクシャフトCSにモータMG2を取り付
けるものとしてもよい。
【0083】また、本発明は、図17の変形例の動力出
力装置120と同様に、図18に例示する動力出力装置
220のような構成にも適用することができる。変形例
の動力出力装置220は、エンジンEGと、エンジンE
GのクランクシャフトCSに取り付けられた電動機とし
て駆動可能なジェネレータMG3と、ディファレンシャ
ルギヤDGを介して駆動輪AHが結合された駆動軸DS
に取り付けられたモータMG4と、ジェネレータMG3
やモータMG4に電力の供給が可能なバッテリBTと、
エンジンEG,ジェネレータMG3およびモータMG4
を駆動制御する車両コントローラCCとを備える。変形
例の動力出力装置220は、エンジンEGから出力され
る動力をジェネレータMG3により電気エネルギとして
バッテリBTを充電し、バッテリBTから電力の供給を
受けてモータMG4から出力される動力により駆動軸D
Sを駆動する。こうした変形例の動力出力装置220で
も車両が停止しているときやエンジンEGが停止してい
るときのように、モータMG4かジェネレータMG3が
駆動していない状態のときがある。これらの状態のとき
には、駆動していないモータまたはジェネレータを用い
てバッテリBTに蓄えられた電気エネルギをトルクの出
力なしに消費することができる。
【0084】以上の実施例やその変形例では、動力出力
装置を車両に搭載する場合について説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、船舶,航空機などの
交通手段や、その他各種産業機械などに搭載することも
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての動力出力装置20の
概略構成を示す構成図である。
【図2】実施例の動力出力装置20を組み込んだ車両の
概略構成を示す構成図である。
【図3】第1クラッチ45をオフ、第2クラッチ46を
オンとしたときの実施例の動力出力装置20の構成を表
わす模式図である。
【図4】第1クラッチ45をオン、第2クラッチ46を
オフとしたときの実施例の動力出力装置20の構成を表
わす模式図である。
【図5】図3の模式図の構成でNe<Ndのときのトル
ク変換の様子を説明する説明図である。
【図6】図3の模式図の構成でNe>Ndのときのトル
ク変換の様子を説明する説明図である。
【図7】図4の模式図の構成でNe<Ndのときのトル
ク変換の様子を説明する説明図である。
【図8】図4の模式図の構成でNe>Ndのときのトル
ク変換の様子を説明する説明図である。
【図9】第1クラッチ45および第2クラッチ46を共
にオンとしたときの実施例の動力出力装置20の構成を
表わす模式図である。
【図10】第1クラッチ45および第2クラッチ46を
共にオフとしたときの実施例の動力出力装置20の構成
を表わす模式図である。
【図11】実施例の制御装置80で実行されるバッテリ
放電制御ルーチンの一部を例示するフローチャートであ
る。
【図12】実施例の制御装置80で実行されるバッテリ
放電制御ルーチンの一部を例示するフローチャートであ
る。
【図13】制御装置80により実行されるクラッチモー
タ制御ルーチンを例示するフローチャートである。
【図14】制御装置80により実行されるアシストモー
タ制御ルーチンを例示するフローチャートである。
【図15】変形例の動力出力装置20Bの概略構成を示
す構成図である。
【図16】変形例の動力出力装置20Cの概略構成を示
す構成図である。
【図17】変形例の動力出力装置120の概略構成を示
す構成図である。
【図18】変形例の動力出力装置220の概略構成を示
す構成図である。
【符号の説明】
20…動力出力装置 20B,20C…動力出力装置 22…駆動軸 24…ディファレンシャルギヤ 26,28…駆動輪 30…クラッチモータ 31…インナロータ 32…永久磁石 33…アウタロータ 34…三相コイル 35…スリップリング 35a…回転リング 35b…ブラシ 37,47,57…レゾルバ 37…レゾルバ 38…ロータ回転軸 40…アシストモータ 41…ロータ 42…永久磁石 43…ステータ 44…三相コイル 45…第1クラッチ 46…第2クラッチ 47…レゾルバ 49…ケース 50…エンジン 51…燃料噴射弁 52…燃焼室 54…ピストン 56…クランクシャフト 57…レゾルバ 58…イグナイタ 60…ディストリビュータ 62…点火プラグ 64…アクセルペダル 64a…アクセルペダルポジションセンサ 65…ブレーキペダル 65a…ブレーキペダルポジションセンサ 66…スロットルバルブ 67…スロットルバルブポジションセンサ 68…アクチュエータ 70…EFIECU 72…吸気管負圧センサ 74…水温センサ 76…回転数センサ 78…回転角度センサ 79…スタータスイッチ 80…制御装置 82…シフトレバー 84…シフトポジションセンサ 90…制御CPU 90a…RAM 90b…ROM 91…第1の駆動回路 92…第2の駆動回路 94…バッテリ 95,96…電流検出器 97,98…電流検出器 99…残容量検出器 120…動力出力装置 220…動力出力装置 AH…駆動輪 BT…バッテリ CC…車両コントローラ CS…クランクシャフト DG…ディファレンシャルギヤ DS…駆動軸 EG…エンジン L1,L2…電源ライン MG1…モータ MG2…モータ MG3…ジェネレータ MG4…モータ PG…プラネタリギヤ RS…回転軸 Tr1〜Tr6…トランジスタ Tr11〜Tr16…トランジスタ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸に動力を出力する動力出力装置で
    あって、 前記駆動軸と動力のやり取りが可能な電動機と、 該電動機を駆動する電動機駆動回路と、 該電動機駆動回路を介して前記電動機に電力の供給が可
    能な蓄電手段と、 該蓄電手段の状態を検出する状態検出手段と、 前記電動機が駆動していないときに前記状態検出手段に
    より検出された前記蓄電手段の状態が所定の状態にある
    とき、前記蓄電手段に蓄えられた電気エネルギの少なく
    とも一部が前記駆動軸へのトルクの出力なしに該電動機
    により消費されるよう前記電動機駆動回路を制御する電
    力消費制御手段とを備える動力出力装置。
  2. 【請求項2】 駆動軸に動力を出力する動力出力装置で
    あって、 前記駆動軸に機械的または電磁的に結合される出力軸を
    有する原動機と、 該原動機の出力軸と動力のやり取りが可能な電動機と、 該電動機を駆動する電動機駆動回路と、 該電動機駆動回路を介して前記電動機に電力の供給が可
    能な蓄電手段と、 該蓄電手段の状態を検出する状態検出手段と、 前記電動機が駆動していないときに前記状態検出手段に
    より検出された前記蓄電手段の状態が所定の状態にある
    とき、前記蓄電手段に蓄えられた電気エネルギの少なく
    とも一部が前記原動機の出力軸へのトルクの出力なしに
    該電動機により消費されるよう前記電動機駆動回路を制
    御する電力消費制御手段とを備える動力出力装置。
  3. 【請求項3】 前記電力消費制御手段は、前記電動機へ
    トルク電流は流さず界磁電流を流すよう制御する手段で
    ある請求項1または2記載の動力出力装置。
  4. 【請求項4】 駆動軸に動力を出力する動力出力装置で
    あって、 出力軸を有する原動機と、 前記出力軸に結合された第1のロータと、前記駆動軸に
    結合され該第1のロータに対して相対的に回転可能な第
    2のロータとを有し、該両ロータ間の電磁的な結合を介
    して該出力軸と該駆動軸との間で動力のやり取りをする
    第1の電動機と、 該第1の電動機を駆動する第1の電動機駆動回路と、 前記出力軸または前記駆動軸と動力のやり取りが可能な
    第2の電動機と、 該第2の電動機を駆動する第2の電動機駆動回路と、 前記第1の電動機への電力の供給と、前記第2の電動機
    への電力の供給とが可能な蓄電手段と、 該蓄電手段の状態を検出する状態検出手段と、 前記状態検出手段により検出された前記蓄電手段の状態
    が所定の状態にあるとき、前記第1の電動機と前記第2
    の電動機のうち駆動していない電動機により前記蓄電手
    段に蓄えられた電気エネルギの少なくとも一部が該駆動
    していない電動機から対応する前記出力軸または前記駆
    動軸へのトルクの出力なしに消費されるよう対応する前
    記第1の電動機駆動回路または前記第2の電動機駆動回
    路を制御する電力消費制御手段とを備える動力出力装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の動力出力装置であって、 前記出力軸および前記駆動軸とは異なり、前記第2の電
    動機のロータが結合された回転軸と、 前記回転軸と前記出力軸との機械的な接続と該接続の解
    除とを行なう第1の接続手段と、 前記回転軸と前記駆動軸との機械的な接続と該接続の解
    除とを行なう第2の接続手段とを備え、 前記電力消費制御手段は、前記第1の接続手段および前
    記第2の接続手段の接続状態に基づいて前記駆動してい
    ない電動機を設定して制御する手段である動力出力装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の動力出力装置であって、 前記出力軸および前記駆動軸とは異なり、前記第2の電
    動機のロータが結合された回転軸と、 前記回転軸と前記出力軸との機械的な接続と該接続の解
    除とを行なう第1の接続手段と、 前記回転軸と前記駆動軸との機械的な接続と該接続の解
    除とを行なう第2の接続手段とを備え、 前記電力消費制御手段は、前記第1の接続手段および前
    記第2の接続手段の接続状態を所定の接続状態とするこ
    とにより前記第1の電動機と前記第2の電動機のうち駆
    動していない電動機を設定して制御する手段である動力
    出力装置。
  7. 【請求項7】 駆動軸に動力を出力する動力出力装置で
    あって、 出力軸を有する原動機と、 回転軸を有し、該回転軸に動力を入出力する第1の電動
    機と、 該第1の電動機を駆動する第1の電動機駆動回路と、 前記駆動軸または前記出力軸に動力を入出力する第2の
    電動機と、 該第2の電動機を駆動する第2の電動機駆動回路と、 前記駆動軸と前記出力軸と前記回転軸とに各々結合され
    る3軸を有し、該3軸のうちいずれか2軸へ動力が入出
    力されたとき、該入出力された動力に基づいて定まる動
    力を残余の1軸へ入出力する3軸式動力入出力手段と、 前記第1の電動機への電力の供給と、前記第2の電動機
    への電力の供給とが可能な蓄電手段と、 該蓄電手段の状態を検出する状態検出手段と、 前記状態検出手段により検出された前記蓄電手段の状態
    が所定の状態にあるとき、前記第1の電動機と前記第2
    の電動機のうち駆動していない電動機により前記蓄電手
    段に蓄えられた電気エネルギの少なくとも一部が該駆動
    していない電動機から前記3軸式動力入出力手段への動
    力の入出力なしに消費されるよう対応する前記第1の電
    動機駆動回路または前記第2の電動機駆動回路を制御す
    る電力消費制御手段とを備える動力出力装置。
  8. 【請求項8】 前記電力消費制御手段は、前記駆動して
    いない電動機へトルク電流は流さず界磁電流を流すよう
    制御する手段である請求項4ないし7いずれか記載の動
    力出力装置。
JP32109296A 1996-11-15 1996-11-15 動力出力装置 Expired - Fee Related JP3173397B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32109296A JP3173397B2 (ja) 1996-11-15 1996-11-15 動力出力装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32109296A JP3173397B2 (ja) 1996-11-15 1996-11-15 動力出力装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10150702A true JPH10150702A (ja) 1998-06-02
JP3173397B2 JP3173397B2 (ja) 2001-06-04

Family

ID=18128732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32109296A Expired - Fee Related JP3173397B2 (ja) 1996-11-15 1996-11-15 動力出力装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3173397B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006006293A1 (ja) * 2004-07-12 2006-01-19 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びにその制御方法
WO2007049810A1 (ja) * 2005-10-27 2007-05-03 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha モータ駆動システム
EP1826058A2 (en) 2006-02-28 2007-08-29 Hitachi, Ltd. Controller for an electric four-wheel-drive vehicle
JP2007244111A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Nissan Motor Co Ltd 電動モータ式4輪駆動車両のモータ過回転防止装置
JP2008289337A (ja) * 2007-05-21 2008-11-27 Honda Motor Co Ltd 動力装置
JP2011223663A (ja) * 2010-04-06 2011-11-04 Mitsubishi Electric Corp 車両用電気エネルギー制御装置
WO2012132703A1 (ja) * 2011-03-30 2012-10-04 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 電動機制御装置
JP2013048608A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Kokusan Denki Co Ltd 電動式作業車両
WO2017199661A1 (ja) 2016-05-17 2017-11-23 マイクロスペース株式会社 モータ駆動制御装置及び電動装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0655941A (ja) * 1992-08-04 1994-03-01 Aqueous Res:Kk ハイブリッド型車両
JPH07143611A (ja) * 1993-11-16 1995-06-02 Hitachi Ltd 電気自動車の回生制動制御方法および制御装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0655941A (ja) * 1992-08-04 1994-03-01 Aqueous Res:Kk ハイブリッド型車両
JPH07143611A (ja) * 1993-11-16 1995-06-02 Hitachi Ltd 電気自動車の回生制動制御方法および制御装置

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006006293A1 (ja) * 2004-07-12 2006-01-19 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びにその制御方法
AU2005261263B2 (en) * 2004-07-12 2009-01-08 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Power output unit, vehicle using it and its control method
US7906863B2 (en) 2004-07-12 2011-03-15 Toyota Jidosha Kabshiki Kaisha Power output apparatus, vehicle equipped with power output apparatus, and control method of power output apparatus
WO2007049810A1 (ja) * 2005-10-27 2007-05-03 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha モータ駆動システム
JP2007151336A (ja) * 2005-10-27 2007-06-14 Toyota Motor Corp モータ駆動システム
JP4561616B2 (ja) * 2005-10-27 2010-10-13 トヨタ自動車株式会社 モータ駆動システム
US7893637B2 (en) 2005-10-27 2011-02-22 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Motor drive system
EP2497675A1 (en) * 2006-02-28 2012-09-12 Hitachi Ltd. Controller for an electric four-wheel-drive vehicle
EP1826058A2 (en) 2006-02-28 2007-08-29 Hitachi, Ltd. Controller for an electric four-wheel-drive vehicle
EP1826058A3 (en) * 2006-02-28 2010-01-27 Hitachi, Ltd. Controller for an electric four-wheel-drive vehicle
JP2007244111A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Nissan Motor Co Ltd 電動モータ式4輪駆動車両のモータ過回転防止装置
JP2008289337A (ja) * 2007-05-21 2008-11-27 Honda Motor Co Ltd 動力装置
JP2011223663A (ja) * 2010-04-06 2011-11-04 Mitsubishi Electric Corp 車両用電気エネルギー制御装置
WO2012132703A1 (ja) * 2011-03-30 2012-10-04 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 電動機制御装置
JP2012213253A (ja) * 2011-03-30 2012-11-01 Aisin Aw Co Ltd 電動機制御装置
JP2013048608A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Kokusan Denki Co Ltd 電動式作業車両
WO2017199661A1 (ja) 2016-05-17 2017-11-23 マイクロスペース株式会社 モータ駆動制御装置及び電動装置
CN109247055A (zh) * 2016-05-17 2019-01-18 微空间株式会社 电动机驱动控制装置及电动装置
US10870355B2 (en) 2016-05-17 2020-12-22 Microspace Corporation Motor driving control apparatus and electric apparatus
CN109247055B (zh) * 2016-05-17 2022-10-28 微空间株式会社 电动机驱动控制装置及电动装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3173397B2 (ja) 2001-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3099698B2 (ja) 動力伝達装置及びその制御方法
EP0743209B1 (en) Hybrid vehicle power output apparatus and method of driving auxiliary machinery
JP3000953B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法
EP0771687B1 (en) Power output apparatus and method of controlling the same
JP3052802B2 (ja) 動力伝達装置及びその制御方法
JP3099699B2 (ja) 動力伝達装置及びその制御方法
US5998901A (en) Power output apparatus
JP3092492B2 (ja) 動力伝達装置及びその制御方法
JP3494008B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法
JP3173397B2 (ja) 動力出力装置
EP0743212B1 (en) Hybrid vehicle power output apparatus and method of controlling the same
JP3180671B2 (ja) 動力出力装置
JP3206444B2 (ja) 動力出力装置
JP3147030B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法
JP3704879B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法
EP0743210B1 (en) Hybrid vehicle power output apparatus for battery charging with zero drive torque.
EP0743217A2 (en) Hybrid vehicle power output apparatus and method of controlling the same during engine braking
JP3371723B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法
JP3173396B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法
JP3593845B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法
JP3099700B2 (ja) 動力伝達装置およびその制御方法
JPH10112901A (ja) 動力出力装置および電動機の異常検出装置
JPH1084604A (ja) 内燃機関の制御装置および動力出力装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090330

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100330

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110330

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110330

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120330

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120330

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130330

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees