JP3206444B2 - 動力出力装置 - Google Patents

動力出力装置

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JP3206444B2
JP3206444B2 JP21528396A JP21528396A JP3206444B2 JP 3206444 B2 JP3206444 B2 JP 3206444B2 JP 21528396 A JP21528396 A JP 21528396A JP 21528396 A JP21528396 A JP 21528396A JP 3206444 B2 JP3206444 B2 JP 3206444B2
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力出力装置に関
し、詳しくは、原動機から出力される動力を効率よく駆
動軸に出力する動力出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の動力出力装置としては、
車両に搭載される装置であって、原動機の出力軸と電動
機のロータに結合された駆動軸とを電磁継手により電磁
的に結合して原動機の動力を駆動軸に伝達するものが提
案されている(例えば、特開昭53−133814号公
報等)。この動力出力装置では、電動機により車両の走
行を開始し、電動機の回転数が所定の回転数になった
ら、電磁継手へ励磁電流を与えて原動機をクランキング
すると共に原動機への燃料供給や火花点火を行なって原
動機を始動する。原動機が始動した後は、原動機からの
動力を電磁継手の電磁的な結合により駆動軸に伝達して
車両を走行させる。電動機は、電磁継手により駆動軸に
伝達される動力では駆動軸に必要な動力が不足する場合
に駆動され、この不足分を補う。電磁継手は、駆動軸に
動力を伝達している際、その電磁的な結合の滑りに応じ
た電力を回生する。この回生された電力は、走行の開始
の際に用いられる電力としてバッテリに蓄えられたり、
駆動軸の動力の不足分を補う電動機の動力として用いら
れる。こうした動力出力装置が備える原動機の出力軸の
回転数(原動機の回転数ともいう)は、一般に、原動機
の出力軸に取り付けられた回転角センサの出力パルスに
基づいて算出する。回転角センサとしては、例えば、出
力軸に取り付けられた歯車状の回転体と、この回転体の
外周面(歯車の形成面)に配置されたコイルと磁石とか
らなる電磁ピックとにより構成され、回転体の回転に伴
ってコイルに生じる鎖交磁束の変化に基づいて電圧パル
スを出力するもの、例えば、クランク角センサがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この動
力出力装置では、所定時間内に回転角センサから出力さ
れるパルスをカウントすることにより原動機の出力軸の
回転数を求めるため、原動機の出力軸の回転方向を検出
することができず、原動機を通常の回転方向と逆に回転
させてしまう場合を検出することができないという問題
があった。原動機は、その出力軸に一方向の回転動力を
出力するものであることなどから、通常、一方向の回転
しか許さない。上述の動力出力装置では、電磁継手は、
原動機からその出力軸に出力された動力を駆動軸に伝達
する動作の他に、駆動軸の動力を原動機の出力軸に伝達
する動作も可能であるから、原動機を通常の回転方向と
は逆に回転させる動力を伝達することもある。例えば、
車両が後進しているときに電磁継手に電磁的な結合を与
えて駆動軸に制動力を作用させる場合等である。
【0004】本発明の動力出力装置は、原動機の出力軸
の回転数をその回転方向を含めて検出すると共に、原動
機を通常の回転方向とは逆に回転させないようにするこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の第1の動力出力装置は、駆動軸に動力を出力する
動力出力装置であって、出力軸を有する原動機と、前記
原動機の出力軸に結合された第1のロータと、該第1の
ロータに対して相対的に回転可能で前記駆動軸に結合さ
れた第2のロータとを有し、該両ロータ間の電磁的な結
合を介して前記原動機の出力軸と該駆動軸との間で動力
のやり取りをする第1の電動機と、前記第1の電動機の
前記第1のロータに対する前記第2のロータの回転速度
を検出する第1の回転速度検出手段と、前記駆動軸に結
合された第3のロータを有し、該第3のロータを介して
該駆動軸と動力のやり取りをする第2の電動機と、前記
第2の電動機の前記第3のロータの回転速度を検出する
第2の回転速度検出手段と前記第1の回転速度検出手段
と前記第2の回転速度検出手段とにより各々検出された
回転速度に基づいて前記原動機の出力軸の回転速度を演
算する回転速度演算手段とを備えることを要旨とする。
【0006】この第1の動力出力装置は、原動機の出力
軸に結合された第1のロータとこの第1のロータに対し
て相対的に回転可能で駆動軸に結合された第2のロータ
とを有する第1の電動機が、この両ロータ間の電磁的な
結合を介して原動機の出力軸と駆動軸との間で動力をや
り取りする。駆動軸に結合された第3のロータを有する
第2の電動機は、この第3のロータを介して駆動軸と動
力のやり取りをする。回転速度演算手段は、第1の回転
速度検出手段により検出された第1の電動機の第1のロ
ータに対する第2のロータの回転速度と、第2の回転速
度検出手段により検出された第2の電動機の第3のロー
タの回転速度とに基づいて原動機の出力軸の回転速度を
演算する。
【0007】こうした第1の動力出力装置によれば、第
1の電動機の回転速度と第2の電動機の回転速度とに基
づいて原動機の出力軸の回転速度を求めることができ
る。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】こうした第1の動力出力装置において、操
作者の指示に基づいて前記原動機の出力軸の目標回転速
度を設定する目標回転速度設定手段と、前記回転速度演
算手段により演算される前記原動機の出力軸の回転速度
が前記目標回転速度になるよう前記第1の電動機を駆動
制御する電動機制御手段とを備えるものとすることもで
きる。この態様の第1または第2の動力出力装置は、電
動機制御手段が、回転速度演算手段により演算される原
動機の出力軸の回転速度が目標回転速度設定手段により
設定される原動機の出力軸の目標回転速度になるよう第
1の電動機を駆動制御する。こうすれば、原動機の出力
軸を目標回転速度で安定して回転させることができる。
【0012】また、第1の動力出力装置において、前記
回転速度演算手段により演算される前記原動機の出力軸
の回転速度が所定値以上となるよう前記第1の電動機を
駆動制御する電動機制御手段を備えるものとすることも
できる。この態様の第1または第2の動力出力装置は、
電動機制御手段が、回転速度演算手段により演算される
原動機の出力軸の回転速度が所定値以上となるよう第1
の電動機を駆動制御する。こうすれば、原動機の回転軸
を常に所定値以上とすることができる。ここで、この所
定値を値0とすれば、原動機の逆回転を防止するものと
なり、所定値をアイドル回転数に等しいものとすれば、
原動機の非所望の運転停止を防止するものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施例と
しての動力出力装置20の概略構成を示す構成図、図2
は図1の動力出力装置20が構成として備えるクラッチ
モータ30およびアシストモータ40の構造を示す断面
図、図3は図1の動力出力装置20を組み込んだ車両の
概略構成を示す構成図である。説明の都合上、まず図3
を用いて、車両全体の構成から説明する。
【0014】図3に示すように、この車両には、動力源
であるエンジン50としてガソリンにより運転されるガ
ソリンエンジンが備えられている。このエンジン50
は、吸気系からスロットルバルブ66を介して吸入した
空気と燃料噴射弁51から噴射されたガソリンとの混合
気を燃焼室52に吸入し、この混合気の爆発により押し
下げられるピストン54の運動をクランクシャフト56
の回転運動に変換する。ここで、スロットルバルブ66
はアクチュエータ68により開閉駆動される。点火プラ
グ62は、イグナイタ58からディストリビュータ60
を介して導かれた高電圧によって電気火花を形成し、混
合気はその電気火花によって点火されて爆発燃焼する。
【0015】このエンジン50の運転は、電子制御ユニ
ット(以下、EFIECUと呼ぶ)70により制御され
ている。EFIECU70には、エンジン50の運転状
態を示す種々のセンサが接続されている。例えば、スロ
ットルバルブ66の開度(ポジション)を検出するスロ
ットルバルブポジションセンサ67、エンジン50の負
荷を検出する吸気管負圧センサ72、エンジン50の水
温を検出する水温センサ74、ディストリビュータ60
に設けられクランクシャフト56の回転数と回転角度を
検出する回転数センサ76および回転角度センサ78な
どである。なお、EFIECU70には、この他、例え
ばイグニッションキーの状態STを検出するスタータス
イッチ79なども接続されているが、その他のセンサ,
スイッチなどの図示は省略した。
【0016】エンジン50のクランクシャフト56に
は、後述するクラッチモータ30およびアシストモータ
40を介して駆動軸22が結合されている。駆動軸22
は、ディファレンシャルギヤ24に結合されており、動
力出力装置20からのトルクは最終的に左右の駆動輪2
6,28に伝達される。このクラッチモータ30および
アシストモータ40は、制御装置80により制御されて
いる。制御装置80の構成は後で詳述するが、内部には
制御CPUが備えられており、シフトレバー82に設け
られたシフトポジションセンサ84やアクセルペダル6
4に設けられたアクセルペダルポジションセンサ65な
ども接続されている。また、制御装置80は、上述した
EFIECU70と通信により、種々の情報をやり取り
している。これらの情報のやり取りを含む制御について
は、後述する。
【0017】図1に示すように、動力出力装置20は、
大きくは、エンジン50、エンジン50のクランクシャ
フト56にアウタロータ32が機械的に結合されたクラ
ッチモータ30、このクラッチモータ30のインナロー
タ34に機械的に結合されたロータ42を有するアシス
トモータ40およびクラッチモータ30とアシストモー
タ40を駆動・制御する制御装置80から構成されてい
る。
【0018】各モータの概略構成について、図1により
説明する。クラッチモータ30は、図1に示すように、
アウタロータ32の内周面に永久磁石35を備え、イン
ナロータ34に形成されたスロットに三相のコイル36
を巻回する同期電動機として構成されている。この三相
コイル36への電力は、回転トランス38を介して供給
される。インナロータ34において三相コイル36用の
スロットおよびティースを形成する部分は、無方向性電
磁鋼板の薄板を積層することで構成されている。なお、
インナロータ34のエンジン50側の端部には、インナ
ロータ34のアウタロータ32に対する相対的な回転角
度(クラッチモータ30の回転角度)θcをその回転方
向と共に検出するレゾルバ39が設けられている。この
レゾルバ39からの検出信号は、回転トランス38に並
設されたスリップリング39Aを介して制御装置80に
入力される。
【0019】他方、アシストモータ40も同期電動機と
して構成されているが、回転磁界を形成する三相コイル
44は、ケース45に固定されたステータ43に巻回さ
れている。このステータ43も、無方向性電磁鋼板の薄
板を積層することで形成されている。ロータ42の外周
面には、複数個の永久磁石46が設けられている。アシ
ストモータ40では、この永久磁石46により磁界と三
相コイル44が形成する磁界との相互作用により、ロー
タ42が回転する。ロータ42が機械的に結合された軸
は、動力出力装置20のトルクの出力軸である駆動軸2
2であり、この駆動軸22にはロータ42の回転角度
(アシストモータ40の回転角度)θaをその回転方向
と共に検出するレゾルバ48が設けられている。また、
駆動軸22は、ケース45に設けられたベアリング49
により軸支されている。
【0020】係るクラッチモータ30とアシストモータ
40とは、クラッチモータ30のインナロータ34がア
シストモータ40のロータ42、延いては駆動軸22に
機械的に結合されている。したがって、エンジン50と
両モータ30,40との関係を簡略に言えば、エンジン
50からクランクシャフト56に出力された軸トルクが
クラッチモータ30のアウタロータ32およびインナロ
ータ34を介して駆動軸22に出力され、アシストモー
タ40からのトルクがこれに加減算されるということに
なる。
【0021】アシストモータ40は、通常の永久磁石型
三相同期モータとして構成されているが、クラッチモー
タ30は、永久磁石35を有するアウタロータ32も三
相コイル36を備えたインナロータ34も、共に回転す
るよう構成されている。そこで、クラッチモータ30の
構成の詳細について、図2を用いて補足する。クラッチ
モータ30のアウタロータ32は、クランクシャフト5
6に嵌合されたホイール57の外周端に圧入ピン59a
およびネジ59bにより取り付けられている。ホイール
57の中心部は、軸形状に突設されており、ここにベア
リング37A,37Bを用いてインナロータ34が回転
自在に取り付けられている。また、インナロータ34の
アシストモータ40側の端部には駆動軸22の一端が固
定されている。なお、このインナロータ34のホイール
57側の端部には、クラッチモータ30の回転角度θc
を検出するレゾルバ39が設けられていることは説明し
た。
【0022】アウタロータ32に設けられた永久磁石3
5は、実施例では4個設けられており、アウタロータ3
2の内周面に貼付されている。その磁化方向はクラッチ
モータ30の軸中心に向かう方向であり、一つおきに磁
極の方向は逆向きになっている。この永久磁石35と僅
かなギャップにより対向するインナロータ34の三相コ
イル36は、インナロータ34に設けられた計24個の
スロット(図示せず)に巻回されており、各コイルに通
電すると、スロットを隔てるティースを通る磁束を形成
する。各コイルに三相交流を流すと、この磁界は回転す
る。三相コイル36の各々は、回転トランス38から電
力の供給を受けるよう接続されている。この回転トラン
ス38は、ケース45に固定された一次巻線38Aとイ
ンナロータ34に結合された駆動軸22に取り付けられ
た二次巻線38Bとからなり、電磁誘導により、一次巻
線38Aと二次巻線38Bとの間で、双方向に電力をや
り取りすることができる。なお、三相(U,V,W相)
の電流をやり取りするために、回転トランス38には三
相分の巻線が用意されている。なお、この回転トランス
38には、前述したようにレゾルバ39からの検出信号
を取り出すための駆動軸22に取り付けられたリング3
9Bとケース45に固定されたブラシ39Cとからなる
スリップリング39Aが並設されている。
【0023】隣接する一組の永久磁石35が形成する磁
界と、インナロータ34に設けられた三相コイル36が
形成する回転磁界との相互作用により、アウタロータ3
2とインナロータ34とは種々の振る舞いを示す。通常
は、三相コイル36に流す三相交流の周波数は、クラン
クシャフト56に直結されたアウタロータ32に対する
インナロータ34の相対的な回転数の周波数としてい
る。なお、クラッチモータ30およびアシストモータ4
0の制御の詳細については、後でフローチャートを用い
て詳しく説明する。
【0024】次に、クラッチモータ30およびアシスト
モータ40を駆動・制御する制御装置80について説明
する。制御装置80は、クラッチモータ30を駆動する
第1の駆動回路91、アシストモータ40を駆動する第
2の駆動回路92、両駆動回路91,92を制御する制
御CPU90、二次電池であるバッテリ94から構成さ
れている。制御CPU90は、1チップマイクロプロセ
ッサであり、内部に、ワーク用のRAM90a、処理プ
ログラムを記憶したROM90b、入出力ポート(図示
せず)およびEFIECU70と通信を行なうシリアル
通信ポート(図示せず)を備える。この制御CPU90
には、レゾルバ39からのクラッチモータ30の回転角
度θc、レゾルバ48からのアシストモータ40の回転
角度θa、アクセルペダルポジションセンサ65からの
アクセルペダルポジション(アクセルペダルの踏込量)
AP、シフトポジションセンサ84からのシフトポジシ
ョンSP、第1の駆動回路91に設けられた2つの電流
検出器95,96からのクラッチ電流値Iuc,Iv
c、第2の駆動回路に設けられた2つの電流検出器9
7,98からのアシスト電流値Iua,Iva、バッテ
リ94の残容量を検出する残容量検出器99からの残容
量BRMなどが、入力ポートを介して入力されている。な
お、残容量検出器99は、バッテリ94の電解液の比重
またはバッテリ94の全体の重量を測定して残容量を検
出するものや、充電・放電の電流値と時間を演算して残
容量を検出するものや、バッテリの端子間を瞬間的にシ
ョートさせて電流を流し内部抵抗を測ることにより残容
量を検出するものなどが知られている。
【0025】また、制御CPU90からは、第1の駆動
回路91に設けられたスイッチング素子である6個のト
ランジスタTr1ないしTr6を駆動する制御信号SW
1と、第2の駆動回路92に設けられたスイッチング素
子としての6個のトランジスタTr11ないしTr16
を駆動する制御信号SW2とが出力されている。第1の
駆動回路91内の6個のトランジスタTr1ないしTr
6は、トランジスタインバータを構成しており、それぞ
れ、一対の電源ラインL1,L2に対してソース側とシ
ンク側となるよう2個ずつペアで配置され、その接続点
に、クラッチモータ30の三相コイル(UVW)36の
各々が、回転トランス38を介して接続されている。電
源ラインL1,L2は、バッテリ94のプラス側とマイ
ナス側に、それぞれ接続されているから、制御CPU9
0により対をなすトランジスタTr1ないしTr6のオ
ン時間の割合を制御信号SW1により順次制御し、各コ
イル36に流れる電流を、PWM制御によって擬似的な
正弦波にすると、三相コイル36により、回転磁界が形
成される。
【0026】他方、第2の駆動回路92の6個のトラン
ジスタTr11ないしTr16も、トランジスタインバ
ータを構成しており、それぞれ、第1の駆動回路91と
同様に配置されていて、対をなすトランジスタの接続点
は、アシストモータ40の三相コイル44の各々に接続
されている。従って、制御CPU90により対をなすト
ランジスタTr11ないしTr16のオン時間を制御信
号SW2により順次制御し、各コイル44に流れる電流
を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相
コイル44により、回転磁界が形成される。
【0027】以上構成を説明した動力出力装置20の動
作について説明する。動力出力装置20の動作原理、特
にトルク変換の原理は以下の通りである。エンジン50
が、EFIECU70により所定の回転数N1で運転さ
れているとする。このとき、制御装置80が回転トラン
ス38を介してクラッチモータ30の三相コイル36に
何等電流を流していないとすれば、即ち第1の駆動回路
91のトランジスタTr1ないしTr6が常時オフ状態
であれば、三相コイル36には何等の電流も流れないか
ら、クラッチモータ30のアウタロータ32とインナロ
ータ34とは電磁的に全く結合されていない状態とな
り、エンジン50のクランクシャフト56は空回りして
いる状態となる。この状態では、トランジスタTr1な
いしTr6がオフとなっているから、三相コイル36か
らの回生も行なわれない。即ち、エンジン50はアイド
ル回転をしていることになる。
【0028】制御装置80の制御CPU90が制御信号
SW1を出力してトランジスタをオンオフ制御すると、
エンジン50のクランクシャフト56の回転数(エンジ
ン50の回転数)Neと駆動軸22の回転数Ndとの偏
差(言い換えれば、クラッチモータ30のアウタロータ
32に対するインナロータ34の相対的な回転数(クラ
ッチモータ30の回転数)Nc(Ne−Nd))に応じ
て、クラッチモータ30の三相コイル36に一定の電流
が流れる。即ち、クラッチモータ30は発電機として機
能し、電流が第1の駆動回路91を介して回生され、バ
ッテリ94が充電される。この時、アウタロータ32と
インナロータ34とは一定の滑りが存在する結合状態と
なる。即ち、エンジン50の回転数Neよりは低い回転
数Ndでインナロータ34は回転する。この状態で、回
生された電気エネルギと等しいエネルギがアシストモー
タ40で消費されるように、制御CPU90が第2の駆
動回路92を制御すると、アシストモータ40の三相コ
イル44に電流が流れ、アシストモータ40においてト
ルクが発生する。
【0029】図4に照らせば、エンジン50が回転数N
1およびトルクT1で運転されているときに、領域G1
で表わされるエネルギをクラッチモータ30から回生
し、これをアシストモータ40に付与することにより、
駆動軸22を回転数N2およびトルクT2で運転するこ
とができるのである。こうして、クラッチモータ30に
おける滑りに応じたエネルギをトルクとして駆動軸22
に付与して、エンジン50から出力される動力のトルク
の変換を行なうのである。
【0030】次に、エンジン50が所定の回転数N2お
よびトルクT2で運転されており、駆動軸22が回転数
N2より大きな回転数N1で回転している場合を考え
る。この状態では、クラッチモータ30のインナロータ
34は、クラッチモータ30の回転数Nc(Ne−N
d)の絶対値で示される回転数で駆動軸22の回転方向
に回転するから、クラッチモータ30は、通常のモータ
として機能し、バッテリ94からの電力により駆動軸2
2に回転エネルギを与える。一方、制御CPU90によ
りアシストモータ40により電力を回生するよう第2の
駆動回路92を制御すると、アシストモータ40のロー
タ42とステータ43との間の滑りにより三相コイル4
4に回生電流が流れる。ここで、アシストモータ40に
より回生される電力がクラッチモータ30により消費さ
れるよう制御CPU90により第1および第2の駆動回
路91,92を制御すれば、クラッチモータ30を、バ
ッテリ94に蓄えられた電力を用いることなく駆動する
ことができる。
【0031】図4に照らせば、エンジン50が回転数N
2およびトルクT2で運転されているときに、領域G2
と領域G3の和で表わされるエネルギをアシストモータ
40から回生し、これをクラッチモータ30に付与する
ことにより、駆動軸22を回転数N1およびトルクT1
で運転することができるのである。
【0032】なお、実施例の動力出力装置20では、こ
うしたトルク変換に加えて、エンジン50から出力され
る動力(トルクTeと回転数Neとの積)と、クラッチ
モータ30により回生または消費される電気エネルギ
と、アシストモータ40により消費または回生される電
気エネルギとを調節することにより、余剰の電気エネル
ギを見い出してバッテリ94を放電したり、不足する電
気エネルギをバッテリ94に蓄えられた電力により補っ
たりして、エンジン50から出力される動力をより効率
よく駆動軸22に出力することができる。
【0033】次に、実施例の動力出力装置20により実
行されるトルク制御処理について図5に例示するトルク
制御ルーチンに基づき説明する。図5のトルク制御ルー
チンが実行されると、制御装置80の制御CPU90
は、まずクラッチモータ30の回転数Ncおよびアシス
トモータ40の回転数Naを入力する処理を行なう(ス
テップS100,S102)。ここで、クラッチモータ
30の回転数Ncは、レゾルバ39から読み込んだクラ
ッチモータ30の回転角度θcから求めることができ、
アシストモータ40の回転数Naは、レゾルバ48から
読み込んだアシストモータ40の回転角度θaから求め
ることができる。なお、レゾルバ39およびレゾルバ4
8は、その回転角度θcおよびθaと共にその回転方向
をも検出するから、実施例では、クラッチモータ30の
回転数Ncは、アウタロータ32の回転数からインナロ
ータ34の回転数を減じたときに正の値となるときを正
とし、アシストモータ40の回転数Naは、車両が前進
しているときのロータ42の回転を正とした。
【0034】次に、入力したクラッチモータ30の回転
数Ncにアシストモータ40の回転数Naを加えてエン
ジン50の回転数Neを計算する(ステップS10
4)。ここで、クラッチモータ30の回転数Ncにアシ
ストモータ40の回転数Naを加えてエンジン50の回
転数Neが計算できるのは、クラッチモータ30の回転
数Ncがアウタロータ32とインナロータ34との相対
的な回転数、即ちエンジン50のクランクシャフト56
と駆動軸22との相対的な回転数であり、アシストモー
タ40の回転数Naが駆動軸22の回転数Ndであり、
かつ、上述したようにその符号を定めたからである。
【0035】エンジン50の回転数Neを計算すると、
この回転数Neを値0や所定値Neminと比較する
(ステップS106,S108)。ここで所定値Nem
inは、エンジン50が安定して回転できる最低の回転
数か或いはこの最低の回転数より若干高い回転数であ
る。エンジン50の回転数Neが所定値Nemin以上
のときには、エンジン50は正常な回転状態にあると判
定して回転状態判定フラグFに値0をセットする(ステ
ップS112)。エンジン50の回転数Neが所定値N
emin未満のときには、エンジン50の停止命令が出
力されているかを調べ(ステップS110)、停止命令
が出力されているときには、エンジン50は正常な回転
状態にあると判定して回転状態判定フラグFに値0をセ
ットする(ステップS112)。なお、エンジン50の
停止命令の出力は、運転者が図示しない運転停止スイッ
チをオンとしたときや、制御装置80の制御CPU90
が車両の状態に基づいてエンジン50を停止する判定を
行なったとき、制御CPU90のRAM90aの所定ア
ドレスに所定の信号が書き込まれることにより行なわれ
る。したがって、制御CPU90は、RAM90aの所
定アドレスを調べることによりエンジン50の停止命令
が出力されているかを判断することができる。
【0036】一方、エンジン50の回転数Neが負のと
きや、エンジン50の回転数Neは値0以上であるが所
定値Nemin未満のときでかつエンジン50の停止命
令が出力されていないときには、エンジン50は正常な
回転状態にないと判定して回転状態判定フラグFに値1
をセットする(ステップS114)。
【0037】続いて、アクセルペダルポジションセンサ
65により検出されるアクセルペダルポジションAPを
読み込む処理を行なう(ステップS116)。アクセル
ペダル64は運転者が出力トルクが足りないと感じたと
きに踏み込まれるものである。したがって、アクセルペ
ダルポジションAPの値は運転者の欲している出力トル
ク(すなわち、駆動軸22に出力すべきトルク)に対応
するものである。アクセルペダルポジションAPが読み
込まれると、読み込んだアクセルペダルポジションAP
に応じて駆動軸22に出力すべきトルクの目標値(以
下、トルク指令値という)Td*を導出する処理を行な
う(ステップS118)。実施例では、各アクセルペダ
ルポジションAPに対応する出力トルク指令値Td*を
予めマップとしてROM90bに記憶しておき、アクセ
ルペダルポジションAPが読み込まれると、そのアクセ
ルペダルポジションAPに対応する出力トルク指令値T
d*をこのマップから導出するものとした。
【0038】次に、導き出された出力トルク指令値Td
*と入力されたアシストモータ40の回転数Naとか
ら、駆動軸22に出力すべきエネルギPdを計算(Pd
=Td*×Na)により求める処理を行なう(ステップ
S120)。そして、この求めた出力エネルギPdに基
づいて、エンジン50の目標トルクTe*と目標回転数
Ne*を設定する処理を行なう(ステップS122)。
ここで、駆動軸22に出力すべきエネルギPdの全てを
エンジン50から出力される動力によって賄うものとす
ると、エンジン50から出力されるエネルギがそのトル
クTeと回転数Neとの積に等しいため、出力エネルギ
Pdとエンジン50の目標トルクTe*および目標回転
数Ne*との関係はPd=Te*×Ne*となる。しか
し、かかる関係を満足するエンジン50の目標トルクT
e*と目標回転数Ne*との組合せは無数に存在する。
そこで、実施例では、エンジン50ができる限り効率の
高い状態で動作するようにエンジン50の目標トルクT
e*と目標回転数Ne*との組合せを設定するものとし
た。
【0039】こうして、回転状態判定フラグFやエンジ
ン50の目標トルクTe*や目標回転数Ne*を設定す
ると、設定した値を用いてクラッチモータ30の制御
(ステップS124)とアシストモータ40の制御(ス
テップS126)とエンジン50の制御(ステップS1
28)とを行なう。実施例では、図示の都合上、各制御
は別々のステップとして記載したが、実際には、これら
の制御は総合的に行なわれる。例えば、制御CPU90
が割り込み処理を利用して、クラッチモータ30とアシ
ストモータ40の制御を同時に実行すると共に、通信に
よりEFIECU70に指示を送信して、EFIECU
70によりエンジン50の制御も同時に行なわせるので
ある。以下に、各制御について説明する。
【0040】クラッチモータ30の制御(図5のステッ
プS124)は、図6に例示するクラッチモータ制御ル
ーチンによりなされる。本ルーチンが実行されると、制
御装置80の制御CPU90は、まず、回転状態判定フ
ラグFの値を調べ(ステップS130)、回転状態判定
フラグFが値0のときには、エンジン50は正常に回転
していると判断し、次式(1)によりクラッチモータ3
0のトルク指令値Tc*を計算して設定する(ステップ
S132)。この式(1)の右辺第2項は、エンジン5
0の回転数Neと目標回転数Ne*との偏差を解消する
比例項であり、右辺第3項は、エンジン50の回転数N
eの目標回転数Ne*に対する定常偏差を解消するため
の積分項である。なお、式(1)中のK1およびK2は
定数である。このようにクラッチモータ30のトルク指
令値Tc*を設定してクラッチモータ30を制御するこ
とにより、エンジン50が目標トルクTe*と目標回転
数Ne*の運転ポイントで運転されるよう制御すること
ができるのである。
【0041】
【数1】
【0042】一方、回転状態判定フラグFが値1のとき
には、エンジン50は逆回転しているか失速していると
判断し、エンジン50を強制的に正回転させるようクラ
ッチモータ30のトルク指令値Tc*に所定値Tc0を
設定する(ステップS134)。ここで、所定値Tc0
は、エンジン50を強制的に正回転させるトルクの値と
して設定されるものであり、実施例では、燃料噴射が停
止されているエンジン50を所定値Nemin以上の回
転数で回転させることができるトルクの値として設定さ
れている。
【0043】クラッチモータ30のトルク指令値Tc*
を設定すると、続いて、レゾルバ39により検出される
クラッチモータ30の回転角度θcを入力すると共に
(ステップS136)、クラッチモータ30の三相コイ
ル36のU相とV相とに流れている電流Iuc,Ivc
を電流検出器95,96により検出する処理を行なう
(ステップS138)。電流はU,V,Wの三相に流れ
ているが、その総和はゼロとなるので、二つの相に流れ
る電流を測定すれば足りる。次に、こうして得られた三
相の電流を用いて座標変換(三相−二相変換)を行なう
(ステップS140)。座標変換は、永久磁石型の同期
電動機のd軸,q軸の電流値に変換することであり、次
式(2)を演算することにより行なわれる。ここで座標
変換を行なうのは、永久磁石型の同期電動機において
は、d軸及びq軸の電流がトルクを制御する上で本質的
な量だからである。もとより、三相のまま制御すること
も可能である。
【0044】
【数2】
【0045】次に、2軸の電流値に変換した後、クラッ
チモータ30におけるトルク指令値Tc*から求められ
る各軸の電流指令値Idc*,Iqc*と実際各軸に流
れた電流Idc,Iqcとの偏差を求め、各軸の電圧指
令値Vdc,Vqcを求める処理を行なう(ステップS
142)。即ち、まず以下の式(3)の演算を行ない、
次に次式(4)の演算を行なうのである。ここで、Kp
1,2およびKi1,2は、各々係数である。これらの
係数は、適用するモータの特性に適合するよう調整され
る。電圧指令値Vdc,Vqcは、電流指令値I*との
偏差△Iに比例する部分(式(4)右辺第1項)と偏差
△Iのi回分の過去の累積分(右辺第2項)とから求め
られる。
【0046】
【数3】
【0047】
【数4】
【0048】その後、こうして求めた電圧指令値をステ
ップS140で行なった変換の逆変換に相当する座標変
換(二相−三相変換)を行ない(ステップS144)、
実際に三相コイル36に印加する電圧Vuc,Vvc,
Vwcを求める処理を行なう。各電圧は、次式(5)に
より求める。
【0049】
【数5】
【0050】実際の電圧制御は、第1の駆動回路91の
トランジスタTr1ないしTr6のオンオフ時間により
なされるから、式(5)によって求めた各電圧指令値と
なるよう各トランジスタTr1ないしTr6のオン時間
をPWM制御する(ステップS146)。
【0051】なお、クラッチモータ30の制御は、トル
ク指令値Tc*の符号を駆動軸22にクランクシャフト
56の回転方向に正のトルクが作用するときを正とする
と、正の値のトルク指令値Tc*が設定されても、クラ
ッチモータ30の回転数Ncが正の値のとき(エンジン
50の回転数Neが駆動軸22の回転数Ndより大きい
とき)にはエンジン50のクランクシャフト56の回転
に対して制動トルクを作用させて回生電流を発生させる
回生制御がなされ、回転数Ncが負の値のとき(回転数
Neが回転数Ndより小さいとき)にはインナロータ3
4をアウタロータ32に対して回転数Ncで駆動軸22
の回転方向に回転駆動する力行制御がなされることにな
る。クラッチモータ30の回生制御と力行制御は、トル
ク指令値Tc*が正の値であれば、共にアウタロータ3
2に取り付けられた永久磁石35と、インナロータ34
の三相コイル36に流れる電流により生じる回転磁界と
により正の値のトルクが駆動軸22に作用するよう第1
の駆動回路91のトランジスタTr1ないしTr6を制
御するものであるから、同一のスイッチング制御とな
る。即ち、トルク指令値Tc*の符号が同じであれば、
クラッチモータ30の制御が回生制御であっても力行制
御であっても同じスイッチング制御となる。したがっ
て、図8のクラッチモータ制御処理でいずれの制御も行
なうことができる。また、トルク指令値Tc*が負の値
のとき、即ち駆動軸22を制動しているときや車両を後
進させているときは、ステップS136の回転角度θc
の変化の方向が逆になるから、この際の制御も図6のク
ラッチモータ制御処理により行なうことができる。
【0052】次に、アシストモータ40の制御(図5の
ステップS126)について図6に例示するアシストモ
ータ制御ルーチンに基づき説明する。本ルーチンが実行
されると、制御装置80の制御CPU90は、まず、回
転状態判定フラグFの値を調べ(ステップS150)、
回転状態判定フラグFが値0のときには、アシストモー
タ40のトルク指令値Ta*を計算(Ks×Tc*×N
c)により計算して設定し(ステップS152)、回転
状態判定フラグFが値1のときには、アシストモータ4
0のトルク指令値Ta*を計算(Td*+Tc*)によ
り計算して設定する(ステップS154)。ここで、ア
シストモータ40のトルク指令値Ta*を計算する際に
用いたKsはクラッチモータ30とアシストモータ40
の総合効率である。
【0053】続いて、レゾルバ48により検出されるア
シストモータ40の回転角度θaを入力すると共に(ス
テップS156)、アシストモータ40の各相の電流を
電流検出器97,98を用いて検出する処理を行なう
(ステップS158)。その後、クラッチモータ30と
同様の座標変換(ステップS160)および電圧指令値
Vda,Vqaの演算を行ない(ステップS162)、
更に電圧指令値の逆座標変換(ステップS164)を行
なって、アシストモータ40の第2の駆動回路92のト
ランジスタTr11ないしTr16のオンオフ制御時間
を求め、PWM制御を行なう(ステップS166)。こ
れらの処理は、クラッチモータ30について行なったも
のと全く同一である。
【0054】ここで、アシストモータ40のトルク指令
値Ta*は、クラッチモータ30のトルク指令値Tc*
と回転数Ncとを含む演算により求められるから、駆動
軸22が車両が前進する方向に回転しておれば、クラッ
チモータ30の回転数Ncが正のとき(エンジン50の
回転数Neが駆動軸22の回転数Ndより大きいとき)
にはトルク指令値Ta*には正の値が設定されて力行制
御がなされ、クラッチモータ30の回転数Ncが負のと
き(エンジン50の回転数Neが駆動軸22の回転数N
dより小さいとき)にはトルク指令値Ta*には負の値
が設定されて回生制御がなされる。しかし、アシストモ
ータ40の力行制御と回生制御は、クラッチモータ30
の制御と同様に、共に図7のアシストモータ制御ルーチ
ンで行なうことができる。また、駆動軸22が車両が後
進する方向に回転しているときも同様である。なお、ア
シストモータ40のトルク指令値Ta*の符号は、車両
が前進する方向に駆動軸22を加速するトルクが作用す
るときを正とした。
【0055】次に、エンジン50の制御(図5のステッ
プS128)について説明する。エンジン50は、図5
のステップS122において設定された目標トルクTe
*と目標回転数Ne*の運転ポイントで定常運転状態と
なるよう制御される。具体的には、制御CPU90から
通信によりEFIECU70に指示を送信し、指示を受
信したEFIECU70により燃料噴射弁51からの燃
料噴射量の制御やスロットルバルブ66の開度の制御が
なされるのである。すなわち、エンジン50を目標トル
クTe*と目標回転数Ne*の運転ポイントで定常運転
するためのスロットルバルブ66の開度をEFIECU
70の図示しない内部ROMに記憶されたマップから導
出してアクチュエータ68によりスロットルバルブ66
を駆動すると共に、エンジン50の燃焼室52への吸入
空気量に応じて燃料噴射量を調整するのである。
【0056】こうした各制御により、エンジン50をよ
り効率の良い運転ポイントで運転することができ、エン
ジン50から出力されるエネルギPdをクラッチモータ
30とアシストモータ40とによりトルク変換して駆動
軸22に出力することができる。
【0057】以上説明した実施例の動力出力装置20に
よれば、クラッチモータ30の回転数Ncとアシストモ
ータ40の回転数Naとに基づいてエンジン50の回転
数Neを求めることができる。しかも、クラッチモータ
30の回転数Ncとアシストモータ40の回転数Naは
正回転と逆回転とを検出可能なレゾルバ39,48によ
り検出される回転角度θc,θaに基づいて求められる
正負の符号付きの値であるから、エンジン50の回転数
Neも正負の符号付きの値として求めることができる。
この結果、エンジン50が逆回転するといった異常な回
転状態を検出することができる。
【0058】また、実施例の動力出力装置20によれ
ば、エンジン50が逆回転するといった異常な回転状態
を検出したり、エンジン50の停止命令が出力されてい
ないにも拘わらずその回転数Neが所定値Neminよ
り小さい回転状態となるのを検出したときには、エンジ
ン50を所定値Nemin以上の回転数で回転させるこ
とができるトルクの値をクラッチモータ30のトルク指
令値Tc*に設定することにより、エンジン50を所定
値Nemin以上の回転数で正回転させることができ
る。この結果、エンジン50の逆回転を防止することが
できると共に、エンジン50の非所望の失速を防止する
ことができる。しかも、こうしたエンジン50の逆回転
や失速を防止する処理の際でも、アシストモータ40か
らはアクセルペダル64の踏込量に応じたトルクとクラ
ッチモータ30によるエンジン50の回転に要するトル
クを打ち消すトルクとの和のトルクが駆動軸22に出力
されるから、運転者はこうした処理にも拘わらずスムー
スに車両を運転することができると共に非所望のトルク
ショックを受けることがない。
【0059】実施例の動力出力装置20では、アシスト
モータ40を駆動軸22に直接取り付けるものとした
が、図8に例示する変形例の動力出力装置20Aのよう
に、アシストモータ40Aをエンジン50とクラッチモ
ータ30Aとの間に設置し、アシストモータ40Aのロ
ータ42Aを駆動軸22に連結されたクラッチモータ3
0Aのアウタロータ32Aに結合するものとしてもよ
い。この変形例では、実施例の動力出力装置20のクラ
ッチモータ30と異なり、クラッチモータ30Aのイン
ナロータ34Aにエンジン50のクランクシャフト56
を結合し、アウタロータ32Aに駆動軸22を結合して
いるから、アウタロータ32Aに三相コイル36Aを、
インナロータ34Aに永久磁石35Aを取り付けるもの
とした。
【0060】また、実施例の動力出力装置20では、ク
ラッチモータ30とアシストモータ40とをそれぞれ別
個に駆動軸22に取り付けたが、図9に例示する変形例
の動力出力装置20Bのように、クラッチモータとアシ
ストモータとが一体となるよう構成してもよい。この動
力出力装置20Bの構成について以下に簡単に説明す
る。図示するように、この動力出力装置20Bのクラッ
チモータ30Bは、クランクシャフト56に結合したイ
ンナロータ34Bと、駆動軸22に結合したアウタロー
タ32Bとから構成され、インナロータ34Bには三相
コイル36Bが取り付けられており、アウタロータ32
Bには永久磁石35Bがその外周面側の磁極と内周面側
の磁極とが異なるよう嵌め込まれている。一方、アシス
トモータ40Bは、このクラッチモータ30Bのアウタ
ロータ32Bと、三相コイル44が取り付けられたステ
ータ43とから構成される。すなわち、クラッチモータ
30Bのアウタロータ32Bがアシストモータ40Bの
ロータを兼ねる構成となっている。なお、クランクシャ
フト56に結合したインナロータ34Bに三相コイル3
6Bが取り付けられているから、クラッチモータ30B
の三相コイル36Bに電力を供給する回転トランス38
は、クランクシャフト56に取り付けられている。
【0061】この変形例の動力出力装置20Bでは、ア
ウタロータ32Bに嵌め込まれた永久磁石35Bの内周
面側の磁極に対してインナロータ34Bの三相コイル3
6Bに印加する電圧を制御することにより、クラッチモ
ータ30とアシストモータ40とを駆動軸22に別個に
取り付けた実施例の動力出力装置20のクラッチモータ
30と同様に動作する。また、アウタロータ32Bに嵌
め込まれた永久磁石35Bの外周面側の磁極に対してス
テータ43の三相コイル44に印加する電圧を制御する
ことにより、実施例の動力出力装置20のアシストモー
タ40と同様に動作する。したがって、上述した実施例
の動力出力装置20の総ての動作、即ち図5に例示する
トルク制御ルーチンや図6に例示するクラッチモータ制
御ルーチンおよび図7に例示するアシストモータ制御ル
ーチンを、そのまま変形例の動力出力装置20Bで実行
することができる。
【0062】こうした変形例の動力出力装置20Bによ
れば、アウタロータ32Bがクラッチモータ30Bのロ
ータの一方とアシストモータ40Bのロータとを兼ねる
から、動力出力装置の小型化および軽量化を図ることが
できる。
【0063】次に、動力を機械的に分配する動力出力装
置110について、これを第2の実施例として説明す
る。図10は第2の実施例としての動力出力装置110
の概略構成を示す構成図、図11は図10の動力出力装
置110の部分拡大図、図12は動力出力装置110を
搭載した車両の概略構成を示す構成図である。
【0064】第2実施例の動力出力装置110は、図1
0および図12に示すように、クランクシャフト156
にクラッチモータ30とアシストモータ40とが取り付
けられている代わりにプラネタリギヤ120,モータM
G1およびモータMG2が取り付けられている点を除い
て第1実施例の動力出力装置20(図1および図3)と
同一の構成をしている。したがって、同一の構成には、
値100を加えた符号を付し、その説明は省略する。な
お、第2実施例の動力出力装置110の説明でも、明示
しない限り第1実施例の動力出力装置20の説明の際に
用いた符号はそのまま同じ意味で用いる。
【0065】図10に示すように、第2実施例の動力出
力装置110は、大きくは、エンジン150、エンジン
150のクランクシャフト156にプラネタリキャリア
124が機械的に結合されたプラネタリギヤ120、プ
ラネタリギヤ120のサンギヤ121に結合されたモー
タMG1、プラネタリギヤ120のリングギヤ122に
結合されたモータMG2およびモータMG1,MG2を
駆動制御する制御装置180から構成されている。
【0066】プラネタリギヤ120およびモータMG
1,MG2の構成について、図11により説明する。プ
ラネタリギヤ120は、クランクシャフト156に軸中
心を貫通された中空のサンギヤ軸125に結合されたサ
ンギヤ121と、クランクシャフト156と同軸のリン
グギヤ軸126に結合されたリングギヤ122と、サン
ギヤ121とリングギヤ122との間に配置されサンギ
ヤ121の外周を自転しながら公転する複数のプラネタ
リピニオンギヤ123と、クランクシャフト156の端
部に結合され各プラネタリピニオンギヤ123の回転軸
を軸支するプラネタリキャリア124とから構成されて
いる。このプラネタリギヤ120では、サンギヤ12
1,リングギヤ122およびプラネタリキャリア124
にそれぞれ結合されたサンギヤ軸125,リングギヤ軸
126およびクランクシャフト156の3軸が動力の入
出力軸とされ、3軸のうちいずれか2軸へ入出力される
動力が決定されると、残余の1軸に入出力される動力は
決定された2軸へ入出力される動力に基づいて定まる。
なお、このプラネタリギヤ120の3軸への動力の入出
力についての詳細は後述する。
【0067】リングギヤ122には、動力の取り出し用
の動力取出ギヤ128がモータMG1側に結合されてい
る。この動力取出ギヤ128は、チェーンベルト129
により動力伝達ギヤ111に接続されており、動力取出
ギヤ128と動力伝達ギヤ111との間で動力の伝達が
なされる。図12に示すように、この動力伝達ギヤ11
1はディファレンシャルギヤ114にギヤ結合されてい
る。したがって、動力出力装置110から出力された動
力は、最終的に左右の駆動輪116,118に伝達され
る。
【0068】モータMG1は、同期電動発電機として構
成され、外周面に複数個の永久磁石135を有するロー
タ132と、回転磁界を形成する三相コイル134が巻
回されたステータ133とを備える。ロータ132は、
プラネタリギヤ120のサンギヤ121に結合されたサ
ンギヤ軸125に結合されている。ステータ133は、
無方向性電磁鋼板の薄板を積層して形成されており、ケ
ース119に固定されている。このモータMG1は、永
久磁石135による磁界と三相コイル134によって形
成される磁界との相互作用によりロータ132を回転駆
動する電動機として動作し、永久磁石135による磁界
とロータ132の回転との相互作用により三相コイル1
34の両端に起電力を生じさせる発電機として動作す
る。なお、サンギヤ軸125には、その回転角度θsを
検出するレゾルバ139が設けられている。
【0069】モータMG2も、モータMG1と同様に同
期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁
石145を有するロータ142と、回転磁界を形成する
三相コイル144が巻回されたステータ143とを備え
る。ロータ142は、プラネタリギヤ120のリングギ
ヤ122に結合されたリングギヤ軸126に結合されて
おり、ステータ143はケース119に固定されてい
る。モータMG2のステータ143も無方向性電磁鋼板
の薄板を積層して形成されている。このモータMG2
も、モータMG1と同様に、電動機あるいは発電機とし
て動作する。なお、リングギヤ軸126には、その回転
角度θrを検出するレゾルバ149が設けられている。
【0070】図10に示すように、第2実施例の動力出
力装置110が備える制御装置180は、第1実施例の
動力出力装置20が備える制御装置80と同様に構成さ
れている。即ち、制御装置180は、モータMG1を駆
動する第1の駆動回路191、モータMG2を駆動する
第2の駆動回路192、両駆動回路191,192を制
御する制御CPU190、二次電池であるバッテリ19
4から構成されており、制御CPU190は、内部に、
ワーク用のRAM190a、処理プログラムを記憶した
ROM190b、入出力ポート(図示せず)およびEF
IECU170と通信を行なうシリアル通信ポート(図
示せず)を備える。この制御CPU190には、レゾル
バ139からのサンギヤ軸125の回転角度θs、レゾ
ルバ149からのリングギヤ軸126の回転角度θr、
アクセルペダルポジションセンサ165からのアクセル
ペダルポジションAP、シフトポジションセンサ184
からのシフトポジションSP、第1の駆動回路191に
設けられた2つの電流検出器195,196からの電流
値Iu1,Iv2、第2の駆動回路192に設けられた
2つの電流検出器197,198からの電流値Iu2,
Iv2、バッテリ194の残容量を検出する残容量検出
器199からの残容量BRMなどが、入力ポートを介して
入力されている。
【0071】また、制御CPU190からは、第1の駆
動回路191に設けられたスイッチング素子である6個
のトランジスタTr1ないしTr6を駆動する制御信号
SW1と、第2の駆動回路192に設けられたスイッチ
ング素子としての6個のトランジスタTr11ないしT
r16を駆動する制御信号SW2とが出力されている。
この第1の駆動回路191および第2の駆動回路192
内の各々6個のトランジスタTr1ないしTr6,トラ
ンジスタTr11ないしTr16は、それぞれトランジ
スタインバータを構成しており、それぞれ、一対の電源
ラインL1,L2に対してソース側とシンク側となるよ
う2個ずつペアで配置され、その接続点に、第1の駆動
回路191ではモータMG1の三相コイル134の各々
が、第2の駆動回路192ではモータMG2の三相コイ
ル144の各々が接続されている。電源ラインL1,L
2はバッテリ194のプラス側とマイナス側にそれぞれ
接続されているから、制御CPU190により対をなす
トランジスタTr1ないしTr6,トランジスタTr1
1ないしTr16のオン時間の割合を制御信号SW1,
SW2により順次制御することにより、三相コイル13
4,144に流れる電流をPWM制御によって擬似的な
正弦波とすることができ、この結果、三相コイル13
4,144により回転磁界が形成される。
【0072】次に第2実施例の動力出力装置110の動
作について説明する。第2実施例の動力出力装置110
の動作原理、特にトルク変換の原理は以下の通りであ
る。図13に示すように、エンジン150を回転数N
e,トルクTeの運転ポイントP1で運転し、このエン
ジン150から出力されるエネルギPeと同一のエネル
ギであるが異なる回転数NrとトルクTrの運転ポイン
トP2でリングギヤ軸126を運転する場合、すなわ
ち、エンジン150から出力される動力をトルク変換し
てリングギヤ軸126に作用させる場合について考え
る。
【0073】プラネタリギヤ120の3軸(サンギヤ軸
125,リングギヤ軸126およびプラネタリキャリア
124)における回転数やトルクの関係は、機構学の教
えるところによれば、図14および図15に例示する共
線図と呼ばれる図として表わすことができ、幾何学的に
解くことができる。なお、プラネタリギヤ120におけ
る3軸の回転数やトルクの関係は、上述の共線図を用い
なくても各軸のエネルギを計算することなどにより数式
的に解析することもできる。第2実施例では説明の容易
のため共線図を用いて説明する。
【0074】図14における縦軸は3軸の回転数軸であ
り、横軸は3軸の座標軸の位置の比を表わす。すなわ
ち、サンギヤ軸125とリングギヤ軸126の座標軸
S,Rを両端にとったとき、プラネタリキャリア124
の座標軸Cは、軸Sと軸Rを1:ρに内分する軸として
定められる。ここで、ρは、リングギヤ122の歯数に
対するサンギヤ121の歯数の比であり、次式(6)で
表わされる。
【0075】
【数6】
【0076】今、エンジン150が回転数Neで運転さ
れており、リングギヤ軸126が回転数Nrで運転され
ている場合を考えているから、エンジン150のクラン
クシャフト156が結合されているプラネタリキャリア
124の座標軸Cにエンジン150の回転数Neを、リ
ングギヤ軸126の座標軸Rに回転数Nrをプロットす
ることができる。この両点を通る直線を描けば、この直
線と座標軸Sとの交点で表わされる回転数としてサンギ
ヤ軸125の回転数Nsを求めることができる。以下、
この直線を動作共線と呼ぶ。なお、回転数Nsは、回転
数Neと回転数Nrとを用いて比例計算式(次式
(7))により求めることができる。このようにプラネ
タリギヤ120では、サンギヤ121,リングギヤ12
2およびプラネタリキャリア124のうちいずれか2つ
の回転を決定すると、残余の1つの回転は、決定した2
つの回転に基づいて決定される。
【0077】
【数7】
【0078】次に、描かれた動作共線に、エンジン15
0のトルクTeをプラネタリキャリア124の座標軸C
を作用線として図中下から上に作用させる。このとき動
作共線は、トルクに対してはベクトルとしての力を作用
させたときの剛体として取り扱うことができるから、座
標軸C上に作用させたトルクTeは、向きが同じで異な
る作用線への力の分離の手法により、座標軸S上のトル
クTesと座標軸R上のトルクTerとに分離すること
ができる。このときトルクTesおよびTerの大きさ
は、次式(8)および式(9)によって表わされる。
【0079】
【数8】
【0080】動作共線がこの状態で安定であるために
は、動作共線の力の釣り合いをとればよい。すなわち、
座標軸S上には、トルクTesと大きさが同じで向きが
反対のトルクTm1を作用させ、座標軸R上には、リン
グギヤ軸126に出力すべきトルクTrと同じ大きさで
向きが反対のトルクとトルクTerとの合力に対し大き
さが同じで向きが反対のトルクTm2を作用させるので
ある。このトルクTm1はモータMG1により、トルク
Tm2はモータMG2により作用させることができる。
このとき、モータMG1では回転の方向と逆向きにトル
クを作用させるから、モータMG1は発電機として動作
することになり、トルクTm1と回転数Nsとの積で表
わされる電気エネルギPm1をサンギヤ軸125から回
生する。モータMG2では、回転の方向とトルクの方向
とが同じであるから、モータMG2は電動機として動作
し、トルクTm2と回転数Nrとの積で表わされる電気
エネルギPm2を動力としてリングギヤ軸126に出力
する。
【0081】ここで、電気エネルギPm1と電気エネル
ギPm2とを等しくすれば、モータMG2で消費する電
力のすべてをモータMG1により回生して賄うことがで
きる。このためには、入力されたエネルギのすべてを出
力するものとすればよいから、エンジン150から出力
されるエネルギPeとリングギヤ軸126に出力される
エネルギPrとを等しくすればよい。すなわち、トルク
Teと回転数Neとの積で表わされるエネルギPeと、
トルクTrと回転数Nrとの積で表わされるエネルギP
rとを等しくするのである。図13に照らせば、運転ポ
イントP1で運転されているエンジン150から出力さ
れるトルクTeと回転数Neとで表わされる動力を、ト
ルク変換して、同一のエネルギでトルクTrと回転数N
rとで表わされる動力としてリングギヤ軸126に出力
するのである。前述したように、リングギヤ軸126に
出力された動力は、動力取出ギヤ128および動力伝達
ギヤ111により駆動軸112に伝達され、ディファレ
ンシャルギヤ114を介して駆動輪116,118に伝
達される。したがって、リングギヤ軸126に出力され
る動力と駆動輪116,118に伝達される動力とには
リニアな関係が成立するから、駆動輪116,118に
伝達される動力を、リングギヤ軸126に出力される動
力を制御することにより制御することができる。
【0082】図14に示す共線図ではサンギヤ軸125
の回転数Nsは正であったが、エンジン150の回転数
Neとリングギヤ軸126の回転数Nrとによっては、
図15に示す共線図のように負となる場合もある。この
ときには、モータMG1では、回転の方向とトルクの作
用する方向とが同じになるから、モータMG1は電動機
として動作し、トルクTm1と回転数Nsとの積で表わ
される電気エネルギPm1を消費する。一方、モータM
G2では、回転の方向とトルクの作用する方向とが逆に
なるから、モータMG2は発電機として動作し、トルク
Tm2と回転数Nrとの積で表わされる電気エネルギP
m2をリングギヤ軸126から回生することになる。こ
の場合、モータMG1で消費する電気エネルギPm1と
モータMG2で回生する電気エネルギPm2とを等しく
すれば、モータMG1で消費する電気エネルギPm1を
モータMG2で丁度賄うことができる。
【0083】なお、第2実施例の動力出力装置110で
は、こうしたトルク変換に加えて、エンジン150から
出力されるエネルギPe(トルクTeと回転数Neとの
積)と、モータMG1により回生または消費される電気
エネルギPm1と、モータMG2により消費または回生
される電気エネルギPm2とを調節することにより、余
剰の電気エネルギを見い出してバッテリ194を放電し
たり、不足する電気エネルギをバッテリ194に蓄えら
れた電力により補ったりして、エンジン150から出力
されるエネルギPeをより効率よく動力としてリングギ
ヤ軸126に出力することができる。
【0084】第2実施例の動力出力装置110における
以上の動作原理では、プラネタリギヤ120やモータM
G1,モータMG2,トランジスタTr1ないしTr1
6などによる動力の変換効率を値1(100%)として
説明した。実際には、値1未満であるから、エンジン1
50から出力されるエネルギPeをリングギヤ軸126
に出力するエネルギPrより若干大きな値とするか、逆
にリングギヤ軸126に出力するエネルギPrをエンジ
ン150から出力されるエネルギPeより若干小さな値
とする必要がある。例えば、エンジン150から出力さ
れるエネルギPeを、リングギヤ軸126に出力される
エネルギPrに変換効率の逆数を乗じて算出される値と
すればよい。また、モータMG2のトルクTm2を、図
14の共線図の状態ではモータMG1により回生される
電力に両モータの効率を乗じたものから算出される値と
し、図15の共線図の状態ではモータMG1により消費
される電力を両モータの効率で割ったものから算出すれ
ばよい。なお、プラネタリギヤ120では機械摩擦など
により熱としてエネルギを損失するが、その損失量は全
体量からみれば極めて少なく、モータMG1,MG2に
用いた同期電動機の効率は値1に極めて近い。また、ト
ランジスタTr1ないしTr16のオン抵抗もGTOな
ど極めて小さいものが知られている。したがって、動力
の変換効率は値1に近いものとなるから、以下の説明で
も、説明の容易のため、明示しない限り値1(100
%)として取り扱う。
【0085】次に、こうして構成される第2実施例の動
力出力装置110により実行されるトルク制御処理につ
いて図16に例示するトルク制御ルーチンに基づき説明
する。図16のトルク制御ルーチンが実行されると、制
御装置180の制御CPU190は、まず、レゾルバ1
39により検出される回転角度θrに基づいて算出され
るリングギヤ軸126の回転数Nrと、レゾルバ149
により検出される回転角度θsに基づいて算出されるサ
ンギヤ軸125の回転数Nsを入力する処理を実行する
(ステップS200,S202)。そして、入力したリ
ングギヤ軸126の回転数Nrとサンギヤ軸125の回
転数Nsとを用いてエンジン150の回転数Neを次式
(10)により算出する(ステップS204)。なお、
式(10)は、上式(7)をNeについて解いたもので
ある。
【0086】
【数9】
【0087】こうしてエンジン150の回転数Neを算
出すると、第1実施例の動力出力装置20が実行する図
5のトルク制御ルーチンのステップS106ないしS1
14の処理と同様の処理であるステップS206ないし
S214の処理を実行する。すなわち、エンジン150
の回転数Neを値0や所定値Neminと比較すると共
に(ステップS206,S208)、エンジン150の
停止命令が出力されているから調べ(ステップS21
0)、エンジン50の回転数Neが所定値Nemin以
上のときや回転数Neが所定値Nemin未満ではある
がエンジン50の停止命令が出力されているときには、
エンジン50は正常な回転状態にあると判定して回転状
態判定フラグFに値0をセットし(ステップS21
2)、エンジン50の回転数Neが負のときや回転数N
eは値0以上であるが所定値Nemin未満のときでか
つエンジン50の停止命令が出力されていないときに
は、エンジン50は正常な回転状態にないと判定して回
転状態判定フラグFに値1をセットするのである(ステ
ップS214)。
【0088】続いて、アクセルペダルポジションセンサ
165により検出されるアクセルペダルポジションAP
を入力し(ステップS216)、入力したアクセルペダ
ルポジションAPに基づいてリングギヤ軸126に出力
すべきトルクの指令値(以下、出力トルク指令値とい
う)Tr*を設定する(ステップS218)。ここで、
アクセルペダルポジションAPから出力トルク指令値T
r*を導出する手法は、第1実施例の出力トルク指令値
Td*を導出する手法と同様である。
【0089】次に、設定した出力トルク指令値Tr*に
リングギヤ軸126の回転数Nrを乗じてリングギヤ軸
126に出力すべきエネルギPrを算出し(ステップS
220)、この算出したエネルギPrがエンジン150
から出力されるようエンジン150の目標トルクTe*
および目標回転数Ne*を設定する(ステップS22
2)。この目標トルクTe*および目標回転数Ne*の
設定手法についても第1実施例における設定手法と同様
である。
【0090】こうして回転状態判定フラグFやエンジン
150の目標トルクTe*および目標回転数Ne*を設
定すると、設定した値を用いてモータMG1の制御(ス
テップS224)とモータMG2の制御(ステップS2
26)とエンジン150の制御(ステップS228)と
を行なう。第2実施例でも、第1実施例と同様に、図示
の都合上、各制御は別々のステップとして記載したが、
実際には、これらの制御は総合的に行なわれる。なお、
ステップS228のエンジン150の制御は、第1実施
例の動力出力装置20におけるエンジン50の制御と同
一の制御であるから、ここでの説明は省略する。以下、
モータMG1およびモータMG2の制御について説明す
る。
【0091】モータMG1の制御(図16のステップS
224)は、図17に例示するモータMG1の制御ルー
チンによりなされる。このルーチンが実行されると、制
御CPU190は、まず、回転状態判定フラグFの値を
調べ(ステップS230)、回転状態判定フラグFが値
0のときには、エンジン150は正常に回転していると
判断し、次式(11)によりモータMG1のトルク指令
値Tm1*を計算して設定する(ステップS232)。
この式(11)の右辺第1項は、上式(8)と同様に図
14または図15の共線図における動作共線の釣り合い
の関係から求められるものである。なお、右辺第2項お
よび右辺第3項は、エンジン150の回転数Neと目標
回転数Ne*との偏差を解消する比例項およびエンジン
150の回転数Neの目標回転数Ne*に対する定常偏
差を解消するための積分項であり、式中のK3およびK
4は定数である。
【0092】
【数10】
【0093】一方、回転状態判定フラグFが値1のとき
には、エンジン150は逆回転しているか失速している
と判断し、エンジン150を強制的に正回転させるよう
モータMG1のトルク指令値Tm1*に所定値Tm0を
設定する(ステップS234)。ここで、所定値Tm0
は、エンジン150を強制的に正回転させるトルクの値
として設定されるものであり、第2実施例では、燃料噴
射が停止されているエンジン150を所定値Nemin
以上の回転数で回転させることができるトルクの値とし
て設定されている。
【0094】次に、サンギヤ軸125の回転角度θsを
レゾルバ139から入力すると共に(ステップS23
6)、モータMG1の三相コイル134のU相とV相に
流れている電流Iu1,Iv1を電流検出器195,1
96により検出する処理を行なう(ステップS23
8)。電流はU,V,Wの三相に流れているが、その総
和はゼロなので、二つの相に流れる電流を測定すれば足
りるのは、第1実施例でも記載した。その後、第1実施
例のクラッチモータ30の制御(図6)で説明した座標
変換(ステップS240)および電圧指令値Vd1,V
q1の演算を行ない(ステップS242)、更に電圧指
令値の逆座標変換(ステップS242)を行なって、モ
ータMG1の第1の駆動回路192のトランジスタTr
1ないしTr6のオンオフ制御時間を求め、PWM制御
を行なう(ステップS246)。
【0095】ここで、モータMG1のトルク指令値Tm
1*の符号を図14や図15の共線図におけるトルクT
m1の向きを正とすれば、同じ正の値のトルク指令値T
m1*が設定されても、図14の共線図の状態のように
トルク指令値Tm1*の作用する向きとサンギヤ軸12
5の回転の向きとが異なるときには回生制御がなされ、
図15の共線図の状態のように同じ向きのときには力行
制御がなされる。しかし、モータMG1の力行制御と回
生制御は、トルク指令値Tm1*が正であれば、ロータ
132の外周面に取り付けられた永久磁石135と三相
コイル134に流れる電流により生じる回転磁界とによ
り正のトルクがサンギヤ軸125に作用するよう第1の
駆動回路191のトランジスタTr1ないしTr6を制
御するものであるから、同一のスイッチング制御とな
る。すなわち、トルク指令値Tm1*の符号が同じであ
れば、モータMG1の制御が回生制御であっても力行制
御であっても同じスイッチング制御となる。したがっ
て、図17のモータMG1の制御処理で回生制御と力行
制御のいずれも行なうことができる。また、トルク指令
値Tm1*が負のときには、ステップS236で読み込
むサンギヤ軸125の回転角度θsの変化の方向が逆に
なるだけであるから、このときの制御も図17のモータ
MG1の制御処理により行なうことができる。
【0096】モータMG2の制御(図16のステップS
226)について図18に例示するモータMG2の制御
ルーチンに基づき説明する。本ルーチンを実行すると、
制御装置180の制御CPU190は、まず、回転状態
判定フラグFの値を調べ(ステップS230)、回転状
態判定フラグFが値0のときには、モータMG2のトル
ク指令値Tm2*を次式(12)により算出して設定し
(ステップS252)、回転状態判定フラグFが値1の
ときには、モータMG2のトルク指令値Tm2*に次式
(13)により算出して設定する(ステップS25
4)。ここで、式(12)は、図14および図15の共
線図における動作共線の釣り合いから導き出される。式
(13)は、エンジン150が逆回転しているか失速し
ている状態をエンジン150への燃料噴射が停止されて
いるときにモータMG1とモータMG2とによりエンジ
ン150を所定値Nemin以上の回転数で回転させる
際のトルクを与えるものとして導出されるものである。
すなわち、右辺第1項は、モータMG2のみでリングギ
ヤ軸126に出力すべきトルクTr*を賄う際のトルク
であり、右辺第2項は、エンジン150をモータMG1
とモータMG2とにより強制的に所定値Nemin以上
の回転数で回転するのに必要なトルクである。
【0097】
【数11】
【0098】続いて、リングギヤ軸126の回転角度θ
rをレゾルバ149から検出する処理を実行し(ステッ
プS252)、図17のモータMG1の制御ルーチンに
おけるステップS238ないしS246の処理と同様の
処理であるステップS258ないしS266の処理を実
行する。すなわち、モータMG2の各相電流を電流検出
器197,198を用いて検出し(ステップS25
8)、座標変換(ステップS260)および電圧指令値
Vd2,Vq2の演算を行ない(ステップS262)、
更に電圧指令値の逆座標変換(ステップS264)を行
なって、モータMG2の第2の駆動回路192のトラン
ジスタTr11ないしTr16のオンオフ制御時間を求
め、PWM制御を行なう(ステップS266)。
【0099】ここで、モータMG2もトルク指令値Tm
2*の向きとリングギヤ軸126の回転の向きとにより
力行制御されたり回生制御されたりするが、モータMG
1と同様に、力行制御も回生制御も共に図18のモータ
MG2の制御処理で行なうことができる。なお、実施例
では、モータMG2のトルク指令値Tm2*の符号は、
図14の共線図の状態のときのトルクTm2の向きを正
とした。
【0100】こうした各制御により、エンジン150を
より効率の良い運転ポイントで運転することができ、エ
ンジン150から出力されるエネルギPeをプラネタリ
ギヤ120,モータMG1およびモータMG2によりト
ルク変換してリングギヤ軸126に出力することができ
る。
【0101】以上説明した第2実施例の動力出力装置1
10によれば、サンギヤ軸125回転数Nsとリングギ
ヤ軸126の回転数Nrとに基づいてエンジン150の
回転数Neを求めることができる。しかも、サンギヤ軸
125の回転数Nsとリングギヤ軸126の回転数Nr
は正回転と逆回転とを検出可能なレゾルバ139,14
9により検出される回転角度θs,θrに基づいて求め
られる正負の符号付きの値であるから、エンジン150
の回転数Neも正負の符号付きの値として求めることが
できる。この結果、エンジン150が逆回転するといっ
た異常な回転状態を検出することができる。
【0102】また、第2実施例の動力出力装置110に
よれば、エンジン150が逆回転するといった異常な回
転状態を検出したり、エンジン150の停止命令が出力
されていないにも拘わらずその回転数Neが所定値Ne
minより小さい回転状態となるのを検出したときに
は、エンジン150を所定値Nemin以上の回転数で
回転させることができるトルクの値をモータMG1のト
ルク指令値Tm1*に設定することにより、エンジン1
50を所定値Nemin以上の回転数で正回転させるこ
とができる。この結果、エンジン150の逆回転を防止
することができると共に、エンジン150の非所望の失
速を防止することができる。しかも、こうしたエンジン
150の逆回転や失速を防止する処理の際でも、モータ
MG2からはアクセルペダル164の踏込量に応じたト
ルクとモータMG1とによりエンジン50を所定値Ne
min以上の回転数で回転させるのに要するトルクとの
和のトルクがリングギヤ軸126に出力されるから、運
転者はこうした処理にも拘わらずスムースに車両を運転
することができると共に非所望のトルクショックを受け
ることがない。
【0103】第2実施例の動力出力装置110では、リ
ングギヤ軸126に出力された動力をリングギヤ122
に結合された動力取出ギヤ128を介してモータMG1
とモータMG2との間から取り出したが、図19に例示
する変形例の動力出力装置110Aのように、リングギ
ヤ軸126を延出してケース119から取り出すものと
してもよい。また、図50に例示する変形例の動力出力
装置110Bのように、エンジン150側からプラネタ
リギヤ120,モータMG2,モータMG1の順になる
よう配置してもよい。この場合、サンギヤ軸125Bは
中空でなくてもよく、リングギヤ軸126Bは中空軸と
する必要がある。こうすれば、リングギヤ軸126Bに
出力された動力をエンジン150とモータMG2との間
から取り出すことができる。
【0104】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【0105】ところで、上述した各実施例では、エンジ
ン50およびエンジン150としてガソリンにより運転
されるガソリンエンジンを用いたが、その他に、ディー
ゼルエンジンや、タービンエンジンや、ジェットエンジ
ンなど各種の内燃或いは外燃機関を用いることもでき
る。
【0106】また、第1実施例のクラッチモータ30お
よびアシストモータ40として、あるいは、第2実施例
のモータMG1およびモータMG2として、PM形(永
久磁石形;Permanent Magnet type)同期電動機を用い
たが、回生動作および力行動作を行なわせるものであれ
ば、その他にも、VR形(可変リラクタンス形;Variab
le Reluctance type)同期電動機や、バーニアモータ
や、直流電動機や、誘導電動機や、超電導モータや、ス
テップモータなどを用いることもできる。
【0107】さらに、第1実施例では、クラッチモータ
30に対する電力の伝達手段として回転トランス38を
用いたが、その他、スリップリング−ブラシ接触、スリ
ップリング−水銀接触、或いは磁気エネルギの半導体カ
ップリング等を用いることもできる。
【0108】第1実施例の第1および第2の駆動回路9
1,92として、あるいは、第2実施例の第1および第
2の駆動回路191,192としてトランジスタインバ
ータを用いたが、その他に、IGBT(絶縁ゲートバイ
ポーラモードトランジスタ;Insulated Gate Bipolar m
ode Transistor)インバータや、サイリスタインバータ
や、電圧PWM(パルス幅変調;Pulse Width Modulati
on)インバータや、方形波インバータ(電圧形インバー
タ,電流形インバータ)や、共振インバータなどを用い
ることもできる。
【0109】また、第1実施例のバッテリ94として、
あるいは、第2実施例のバッテリ194としては、Pb
バッテリ,NiMHバッテリ,Liバッテリなどを用い
ることができるが、バッテリ94,194に代えてキャ
パシタを用いることもできる。
【0110】各実施例では、動力出力装置を車両に搭載
する場合について説明したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、船舶,航空機などの交通手段や、その
他各種産業機械などに搭載することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としての動力出力装置2
0の概略構成を示す構成図である。
【図2】第1実施例の動力出力装置20を構成するクラ
ッチモータ30およびアシストモータ40の構造を示す
断面図である。
【図3】第1実施例の動力出力装置20を搭載した車両
の概略構成を示す構成図である。
【図4】第1実施例の動力出力装置20の動作原理を説
明するためのグラフである。
【図5】第1実施例の制御装置80により実行されるト
ルク制御ルーチンを例示するフローチャートである。
【図6】第1実施例の制御装置80により実行されるク
ラッチモータ制御ルーチンを例示するフローチャートで
ある。
【図7】第1実施例の制御装置80により実行されるア
シストモータ制御ルーチンを例示するフローチャートで
ある。
【図8】第1実施例の動力出力装置20の変形例である
動力出力装置20Aの概略構成を示す構成図である。
【図9】第1実施例の動力出力装置20の変形例である
動力出力装置20Bの概略構成を示す構成図である。
【図10】第2の実施例として説明する動力出力装置1
10の概略構成を示す構成図である。
【図11】第2実施例の動力出力装置110の部分拡大
図である。
【図12】第2実施例の動力出力装置110を搭載した
車両の概略構成を示す構成図である。
【図13】第2実施例の動力出力装置110の動作原理
を説明するためのグラフである。
【図14】プラネタリギヤ120に結合された3軸の回
転数とトルクの関係を示す共線図である。
【図15】プラネタリギヤ120に結合された3軸の回
転数とトルクの関係を示す共線図である。
【図16】第2実施例の制御装置180により実行され
るトルク制御ルーチンを例示するフローチャートであ
る。
【図17】第2実施例の制御装置180により実行され
るモータMG1の制御ルーチンを例示するフローチャー
トである。
【図18】第2実施例の制御装置180により実行され
るモータMG2の制御ルーチンを例示するフローチャー
トである。
【図19】第2実施例の動力出力装置110の変形例で
ある動力出力装置110Aの概略構成を示す構成図であ
る。
【図20】第2実施例の動力出力装置110の変形例で
ある動力出力装置110Bの概略構成を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
20…動力出力装置 20A,20B…動力出力装置 22…駆動軸 24…ディファレンシャルギヤ 26,28…駆動輪 30…クラッチモータ 32…アウタロータ 34…インナロータ 35…永久磁石 36…三相コイル 37A,37B…ベアリング 38…回転トランス 38A…一次巻線 38B…二次巻線 39…レゾルバ 39A…スリップリング 39B…リング 39C…ブラシ 40…アシストモータ 42…ロータ 43…ステータ 44…三相コイル 45…ケース 46…永久磁石 48…レゾルバ 49…ベアリング 50…エンジン 51…燃料噴射弁 52…燃焼室 54…ピストン 56…クランクシャフト 57…ホイール 58…イグナイタ 59a…圧入ピン 59b…ネジ 60…ディストリビュータ 62…点火プラグ 64…アクセルペダル 65…アクセルペダルポジションセンサ 66…スロットルバルブ 67…スロットルバルブポジションセンサ 68…アクチュエータ 70…EFIECU 72…吸気管負圧センサ 74…水温センサ 76…回転数センサ 78…回転角度センサ 79…スタータスイッチ 80…制御装置 82…シフトレバー 84…シフトポジションセンサ 90…制御CPU 90a…RAM 90b…ROM 91…第1の駆動回路 92…第2の駆動回路 94…バッテリ 95,96…電流検出器 97,98…電流検出器 99…残容量検出器 110…動力出力装置 110A,110B…動力出力装置 111…動力伝達ギヤ 112…駆動軸 114…ディファレンシャルギヤ 116,118…駆動輪 119…ケース 120…プラネタリギヤ 121…サンギヤ 122…リングギヤ 123…プラネタリピニオンギヤ 124…プラネタリキャリア 125…サンギヤ軸 126…リングギヤ軸 128…動力取出ギヤ 129…チェーンベルト 132…ロータ 133…ステータ 134…三相コイル 135…永久磁石 139…レゾルバ 142…ロータ 143…ステータ 144…三相コイル 145…永久磁石 149…レゾルバ 150…エンジン 156…クランクシャフト 164…アクセルペダル 165…アクセルペダルポジションセンサ 170…EFIECU 180…制御装置 184…シフトポジションセンサ 190…制御CPU 190a…RAM 190b…ROM 191…第1の駆動回路 192…第2の駆動回路 194…バッテリ 195,196…電流検出器 197,198…電流検出器 199…残容量検出器 L1,L2…電源ライン MG1…モータ MG2…モータ Tr1〜Tr6…トランジスタ Tr11〜Tr16…トランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 6/02 B60L 11/00 - 11/18 F02D 29/00 - 29/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸に動力を出力する動力出力装置で
    あって、 出力軸を有する原動機と、 前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、該第
    1のロータに対して相対的に回転可能で前記駆動軸に結
    合された第2のロータとを有し、該両ロータ間の電磁的
    な結合を介して前記原動機の出力軸と該駆動軸との間で
    動力のやり取りをする第1の電動機と、 前記第1の電動機の前記第1のロータに対する前記第2
    のロータの回転速度を検出する第1の回転速度検出手段
    と、 前記駆動軸に結合された第3のロータを有し、該第3の
    ロータを介して該駆動軸と動力のやり取りをする第2の
    電動機と、 前記第2の電動機の前記第3のロータの回転速度を検出
    する第2の回転速度検出手段と前記第1の回転速度検出
    手段と前記第2の回転速度検出手段とにより各々検出さ
    れた回転速度に基づいて前記原動機の出力軸の回転速度
    を演算する回転速度演算手段とを備える動力出力装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の動力出力装置であって、 操作者の指示に基づいて前記原動機の出力軸の目標回転
    速度を設定する目標回転速度設定手段と、 前記回転速度演算手段により演算される前記原動機の出
    力軸の回転速度が前記目標回転速度になるよう前記第1
    の電動機を駆動制御する電動機制御手段とを備える動力
    出力装置。
  3. 【請求項3】記回転速度演算手段により演算される
    前記原動機の出力軸の回転速度が所定値以上となるよう
    前記第1の電動機を駆動制御する電動機制御手段を備え
    る請求項1記載の動力出力装置。
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